JP2008109810A - 負荷周波数制御の評価指標の解析方法 - Google Patents

負荷周波数制御の評価指標の解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標の公平性を効率よく簡便に評価できるようにする。
【解決手段】情報処理装置10に、複数の地域系統を含む系統モデルにおける各地域系統の系統パラメータを記憶させ、各地域系統に与えられる外乱をΔPDi(s)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量ΔR(s)を定式化し、前記系統モデルについての評価指標CPS1のCF1の理論式を定式化し、この理論式の構成要素(Cij,Vfij)をある地域系統にのみ外乱ΔPDi(s)を与えた場合についてシミュレーションすることにより求め、求めた構成要素(Cij,Vfij)と上記理論式とに基づいて、複数の前記地域系統に外乱を入力した場合におけるCF1の値を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標の解析方法に関し、とくに負荷周波数制御の評価指標の公平性を効率よく簡便に評価できるようにするための技術に関する。
近年の電力自由化に伴って、電力会社においては電力品質の維持が課題となっている。電力品質を決定する要素の一つとして、系統内の周波数を観測して系統内の発電量にフィードバックさせる、いわゆる負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)がある。ここで電力系統は、通常は各電力会社間で連系運用がなされているため、各電力系統についての負荷周波数制御の性能評価が必要となるが、そのための評価指標として、従来より各地域の系統(以下、地域系統と称する。)の容量や各地域系統の動的な特性を反映したAR標準偏差、ACE標準偏差、MAC、CPSなどが知られている。
特開2006−42458号公報
ここで上記連系運用のもとでは、各地域系統の上記負荷周波数制御の性能を高い精度で公平に評価することが求められる。そして上記評価指標を用いた負荷周波数制御の性能評価を実施する場合には、上記各評価指標の公平性についても評価する必要がある。
しかしながら、各地域系統の連系によって負荷周波数制御が相互に影響を及ぼすため、一般に評価指標の公平性の評価は難しく、各評価指標の公平性を効率よく簡便に行う仕組みは存在しない。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、評価指標の公平性を効率よく簡便に評価することが可能な負荷周波数制御の評価指標の解析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、CPU及びメモリを有する情報処理装置が、前記電力系統をモデル化した系統モデルにおける前記各地域系統の系統パラメータを記憶するステップと、前記各地域系統に与えられる外乱をΔPDi(s)(i=1〜N,sはラプラス変数)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量(Area Requirement)ΔR(s)を、次式
Figure 2008109810
によって定義し、前記系統モデルについての評価指標CPS1のCF1の理論式を、εを基準値、Kを系統周波数特性定数、Piを系統の系統容量、αjを外乱の標準偏差の大きさを決める係数として次式
Figure 2008109810
で表した場合におけるCij,Vfijを、前記系統モデルについて、ある前記地域系統にのみ前記外乱ΔPDi(s)を与えた場合についてシミュレーションすることにより求めるステップと、求めた前記Cij,Vfijと前記理論式とに基づいて、複数の前記地域系統に外乱を入力した場合における前記CF1の値を求めることとする。
本発明では、ある地域系統にのみ外乱ΔPDi(s)を与えてシミュレーションを行ってCij,Vfij(以下、基礎データと称する。)を求め、求めた前記Cij,Vfijと前記理論式とに基づいて、複数の地域系統に外乱を入力した場合における評価指標CPS1のCF1の具体的な値を求めるようにしている。このため、評価指標CPS1を算出しようとする電力系統が、複数の地域系統を含む複雑な電力系統である場合でも、シミュレーションの実施回数をできる限り少なくして、複数の地域系統に外乱を入力した場合におけるCF1の値を理論的に求めることが可能である。そして、このようにして求めたCF1の値を用いて負荷周波数制御の評価指標の性能を簡便に評価することができる。
また本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、前記地域要求量ΔR(s)は周波数偏差であることとする。
また本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、前記地域要求量ΔR(s)は連系線潮流偏差であることとする。
また本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、前記系統パラメータには、前記各地域系統の容量、外乱の標準偏差、発電機の慣性定数、周波数特性定数、同期化係数、TBCパラメータ、速度調停率のうちの少なくともいずれかが含まれることとする。
また本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、前記シミュレーションにおいて、ある前記地域系統にのみ与えられる前記外乱ΔPDi(s)は、標準白色外乱であることとする。
また本発明のうち請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、ガバナフリーとした場合における前記系統モデルと、ガバナロックとした場合における前記系統モデルの双方について前記CF1の値を求めることとする。
また本発明のうち請求項7に記載の発明は、複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標を解析する情報処理装置であって、前記電力系統をモデル化した系統モデルにおける前記各地域系統の系統パラメータを記憶し、前記各地域系統に与えられる外乱をΔPDi(s)(i=1〜N,sはラプラス変数)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量(Area Requirement)ΔR(s)を、次式
Figure 2008109810
によって定義し、前記系統モデルについての評価指標CPS1のCF1の理論式を、εを基準値、Kを系統周波数特性定数、Piを系統の系統容量、αjを外乱の標準偏差の大きさを決める係数として次式
Figure 2008109810
で表した場合におけるCij,Vfijを、前記系統モデルについて、ある前記地域系統にのみ前記外乱ΔPDi(s)を与えた場合についてシミュレーションすることにより求め、求めた前記Cij,Vfijと前記理論式とに基づいて、複数の前記地域系統に外乱を入力した場合における前記CF1の値を求めることとする。
本発明によれば、複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標の公平性を効率よく簡便に評価することができる。
以下、本発明の一実施形態につき詳細に説明する。図1に本発明の一実施形態として説明する情報処理装置10のハードウエア構成を示している。同図に示すように、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータやワークステーション、汎用機などのコンピュータであって、CPU11、RAM・ROMなどのメモリ12、ハードディスク13、キーボードやマウスなどの入力装置14、液晶ディスプレイやブラウン管ディスプレイなどの表示装置15、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークに接続するための機能を提供する通信インタフェース16を備えている。
情報処理装置10は、例えば異なる電力会社によって運用される複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標のうち、NERC(North America Electric Reliability Council:北米電力信頼度評議会)によって提案された評価指標CPS1(Control Performance Standard 1)を求める機能を備えている。図2に評価指標CPS1を解析するための情報処理装置10が有する機能を示している。なお、これらの機能はCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
図2に示す各種機能のうち系統モデル記憶部21は、上記評価指標CPS1を解析する際の基本となる電力系統のモデル(以下、系統モデルと称する。)を記憶する。具体的には、系統モデル記憶部21は、上記基本となる系統モデルとして図3Aに示す3つの地域系統31を含んで構成される系統モデル30を記憶している。また系統モデル記憶部21は、系統モデル30を構成している各地域の系統モデルとして、各地域系統に共通する本質的な要素のみを考慮した、図3Bに示す系統モデル(以下、地域系統モデル310と称する。)を記憶している。なお、同図に示す地域系統モデル310において、PELDiは経済負荷配分指令値合計であり、PDiは負荷変動であり、ΔPTiは連系線潮流
Figure 2008109810
であり、Tijは同期化定数である。またKARiは系統周波数特性定数、Δfは周波数偏差であり、ΔRは地域要求量であり、KHiはLFC比例ゲインであり、THiはLFC積分時定数である。またMは慣性定数であり、Dは系統負荷定数であり、Tgoviはガバナ時定数であり、Kgoviはガバナゲイン(=100/R)であり、Rは速度調定率である。
系統パラメータ記憶部22は、各地域系統31について設定されたパラメータ(以下、系統パラメータと称する。)を記憶する。図3Cは本実施形態において設定した系統パラメータである。
情報処理装置10によって評価指標CPS1を求める際には、上記系統モデル30に加える外乱を変化させた各種のケース(Case)を設定し、設定した各ケースについて評価指標CPS1を算出する。また情報処理装置10によって評価指標CPS1を効率よく簡便に算出すべく、情報処理装置10は、ある地域系統31にのみ外乱を与えたケース(以下、ベースケースと称する。)についてシミュレーションを行うことにより得られる評価指標CPS1(以下、基礎データと称する。)と、後述のようにして導出される理論式とに基づいて、各地域系統31に系統負荷の変動などの外乱が常時発生している実際のケースを想定したケースである、複数の地域系統31に同時に外乱を与えたケース(以下、一般ケースと称する。)における評価指標CPS1を算出する。
図2において、基礎データ生成部23は、上記基礎データを生成する機能である。理論値算出部24は、上記理論式によって評価指標CPS1を算出する機能である。外乱生成部25は、上記評価指標CPS1の算出に際して地域系統31に与える各種の外乱を生成する。
なお、情報処理装置10は、上記評価指標CPS1の算出に際し、ガバナの状態(ガバナフリー、ガバナロック)を考慮する。ガバナ状態設定部26は、上記評価指標CPS1の算出に際し、ガバナの状態を反映させる。ガバナ状態設定部26によるガバナ状態の具体的な設定方法については後述する。
解析結果記憶部27は、理論値算出部24によって求められた評価指標CPS1の値を記憶する。解析結果記憶部27が記憶している値は適宜表示装置15に出力されてユーザの利用に供される。
==理論式の導出==
次に、理論値算出部24が基礎データに基づいて評価指標CPS1を算出する際に用いられる前述した理論式について説明する。
<評価指標CPS1>
CPS1では、まず基準となる年を設定し、その1年間の周波数偏差の実績値により次式で定義される基準値εを決定する。
Figure 2008109810
なお、系統の周波数の平均が基準周波数に等しい場合、εは基準周波数に対する標準偏差を表す。CPS1では、核となる要素として、次のCF1(Compliance Factor 1)が定義されている。
Figure 2008109810
ここで、Bは、系統iの周波数バイアス値[MW/Hz]である。なお、上式における記号[]は、一年間の平均を意味する。ACEは、系統iの発電電力の過不足量(調整残)であり、次式で定義される。
Figure 2008109810
<伝達関数行列>
本実施形態では、各地域系統モデル310に与える外乱をΔPDi(s)(i=1〜N,sはラプラス変数)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量(Area Requirement)ΔR(s)を次式で定義する。
Figure 2008109810
ここで図3Bに示した地域系統モデル310について、式(6)に基づき周波数偏差と連系線潮流偏差の伝達関数行列を求めると、次式(7)、(8)のようになる。
Figure 2008109810
<理論式>
CF1の定義式(5)は、式(3)を代入すると次のような形に変形できる。
Figure 2008109810
ここで分散をV[;]、平均をE[;]と表すと、上式(9)は次式(10)で表される。
Figure 2008109810
また定式化で導出した周波数偏差と連系線潮流偏差の伝達関数行列(7)、(8)を用い、E[Δfi・ΔPn](系統iの周波数偏差と連系線潮流偏差の積の平均値)、V[Δfi](系統iの周波数偏差の分散)の予測式を求めると、式(10)は結局、
Figure 2008109810
と表される。本実施形態において、理論値算出部24は、式(11)を理論式として求められるCF1の平均値を評価指標CPS1の理論値として求める。なお、Cijは系統jに標準外乱が入った時の系統iにおけるΔf・ΔPiの平均値である。またVfijは系統jに標準外乱が入った時の系統iにおけるΔfの分散であり、αjは外乱の標準偏差の大きさを決める係数(倍率)である。
ここでCij,Vfijは、上述した基礎データに対応し、基礎データ生成部23は、ベースケースについてシミュレーションにより基礎データCij,Vfijを求める。図4A乃至図4Cに、図3Aに示す系統モデル30についてのベースケースを示す。
なお、N系統が連系された系統モデルにはN個のベースケースが存在し、これらのN個すべてのベースケースについて基礎データを収集しなければ、上記理論式を用いて結果を予測することはできない。従って、シミュレーションは最低でN回(ベースケース数)必要となる。また1回のシミュレーションで系統数分(N個)の基礎データが得られるので、N回のシミュレーションによって上記の要素Cij,VfijのそれぞれについてN(ベースケース数)×N(系統数)個の基礎データが得られることになる。
==ガバナ状態の設定方法==
本実施形態ではガバナ(調速機)の特性を次式で表す。なお、ガバナフリー発電機は1次遅れ系で時定数が1.0[s]の特性を有しているものとする。
Figure 2008109810
上式においてKgoviは系統iのガバナゲイン [%MW/0.1Hz]である。ガバナゲインは次のようにして算出する。すなわち、基準周波数をFn[Hz]とすると全負荷遮断時の周波数変化ΔF(=F0−Fn)は、
Figure 2008109810
となる。ただし、Rは速度調定率[%Hz/%MW]である。ガバナゲインは、0.1Hzの周波数変化に対して系統容量の何%出力変化するかを表すものであるから、全負荷遮断時の周波数変化により次式が求まる。
Figure 2008109810
従って、式(13),(14)より次式が導かれる。
Figure 2008109810
ここではR=4.5,F=60であるので、これらを上式に代入すると、Kgovi=3.73[%MW/0.1Hz]となる。従ってガバナフリー発電機の伝達関数は次式で表される。
Figure 2008109810
==シミュレーション==
以上の構成からなる情報処理装置10によって、図4A乃至図4Cに示す系統モデル30およびパラメータを設定し、一般ケースについての評価指標CPS1の理論値としてCF1の平均値を求めた。まず図4A乃至図4Cに示した系統モデル30およびパラメータを設定し、次のベースケース(Case1〜Case3)についてシミュレーションを行って基礎データを生成した。
Case1:系統1にのみ標準白色外乱を発生させた場合
Case2:系統2にのみ標準白色外乱を発生させた場合
Case3:系統3にのみ標準白色外乱を発生させた場合
なお、シミュレーションは全ケースにおいて3600×24×365[s]の1年間を対象とした。また系統構成の違いによる影響は非常に少ないと仮定し、シミュレーションはループ型モデルについてのみ行っている。またシミュレーションはガバナロック、ガバナフリーのそれぞれについて行った。
外乱はLFCの制御対象であるフリンジ成分(数分〜数十分)としており、本実施形態では1分〜20分周期の外乱をシミュレーションに用いた。外乱は負荷変動が正規分布に基づく白色外乱とし、帯域フィルタを用いて1分〜20分以外の周期外乱を除去し、外乱の標準偏差がγ√(P)となるように補正した。各地域系統の外乱は相関が無いものとした。
図5A及び図5Bにガバナロックの場合の基礎データCij,Vfijを、また図6A,図6Bにガバナフリーの場合の基礎データCij,Vfijを示している。なお、これらの図において、分散Vfijは標準偏差√(Vfij) [Hz]として表記してある。
次に、前述した評価指標CPS1の理論式(11)を用い、以下の一般ケース(Case4〜Case7)についてCF1の平均値を求めた。
Case4:系統1,2に標準白色外乱を発生させた場合
Case5:系統1,3に標準白色外乱を発生させた場合
Case6:系統2,3に標準白色外乱を発生させた場合
Case7:系統1,2,3すべてに標準白色外乱を発生させた場合
結果を図7A及び図7Bに示す。なお、図7Aはガバナロックの場合であり、図7Bはガバナフリーの場合である。また上段はシミュレーションの結果であり、括弧内の値は理論値(予測値)である。
理論値をシミュレーションによる値と比較すると、多少の誤差はあるものの、ガバナロックとガバナフリーのどちらの場合についても数パーセントの誤差しかなく、理論式によって有意な値が得られることが確認できた。なお、誤差が生じた原因は、基礎データの収集に際して行ったシミュレーションが有限時間内についてのものであるため、白色外乱の平均が0にならないこと、シミュレーションの値に外乱の相関が現れていることなどが考えられる。これらの誤差はさらに長時間のシミュレーションを実施することにより限りなく0に近づけることができるものと考えられる。
以上のように、複数の地域系統からなる複雑な電力系統であっても、評価指標CPS1について理論式によって高い精度で効率よく簡便に解析を行うことができることを検証できた。
==評価指標CPS1の性能評価==
次に、Case1〜Case7の結果に基づき、評価指標CPS1の性能評価を行った。各ケースについて求めたCF1の平均値を図8A及び図8Bに示す。図8Aはガバナロックの場合であり、図8Bはガバナフリーの場合である。図中、外乱が与えられている系統には下線を付してある。
図8Aのガバナロックの場合について、外乱が与えられている系統の値を表全体で比較するといずれもほぼ0.014[p.u]で一致していることがわかる。これは外乱が与えられている系統については評価指標CPS1による評価が公平になされていることを意味する。一方、下線の引かれていない系統、すなわち外乱が与えられていない系統の値を表全体で比較すると、0.00002〜0.00009[p.u]の幅があるが、いずれの絶対値も非常に小さく、評価指標CPS1の公平性の判断には殆ど影響を与えないことがわかる。
図8Bのガバナフリーの場合について、外乱が与えられている系統の値を表全体で比較すると、図8Aに比べて値にばらつきがあることがわかる。これは発生させている外乱の大きさが同じであっても、個々の発生条件によって評価指標CPS1の値が変わってくることを意味している。一方、下線の引かれていない系統、すなわち外乱が与えられていない系統の値を表全体で比較すると、同じケース内では値が一致しているが、異なるケース間では値が異なっており、評価指標CPS1の公平性に問題があることがわかる。
以上に説明したように、本実施形態の情報処理装置10は、ベースケースについてのみシミュレーションを行って基礎データを生成し、生成した基礎データと、理論式とによって一般ケースについての評価指標を取得することにより、計算負荷を抑えて複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標を生成するので、評価指標の公平性を効率よく簡便に判断することができる。また本実施形態の情報処理装置10は、より公平な判断が可能となるように評価指標を改善するための手段としても用いることができる。
以上の実施形態の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
本発明の一実施形態として説明する情報処理装置10のハードウエア構成を示す図である。 本発明の一実施形態として説明する情報処理装置10が備える各種機能を示す図である。 本発明の一実施形態として説明する地域系統31を含んで構成される系統モデル30を示す図である。 本発明の一実施形態として説明する地域系統モデル310を示す図である。 本発明の一実施形態として説明する系統パラメータを示す図表である。 本発明の一実施形態として説明するベースケース(Case1)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するベースケース(Case2)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するベースケース(Case3)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナロックの場合の基礎データCijを示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナロックの場合の基礎データVfijを示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナフリーの場合の基礎データCijを示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナフリーの場合の基礎データVfijを示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナロックの場合のCF1の平均値を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナフリーの場合のCF1の平均値を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナロックの場合のCF1の平均値を示す図である。 本発明の一実施形態として説明するガバナフリーの場合のCF1の平均値を示す図である。
符号の説明
10 情報処理装置
21 系統モデル記憶部
22 系統パラメータ記憶部
23 基礎データ生成部
24 理論値算出部
25 外乱生成部
26 ガバナ状態設定部
27 解析結果記憶部

Claims (7)

  1. 複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    CPU及びメモリを有する情報処理装置が、
    前記電力系統をモデル化した系統モデルにおける前記各地域系統の系統パラメータを記憶するステップと、
    前記各地域系統に与えられる外乱をΔPDi(s)(i=1〜N,sはラプラス変数)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量(Area Requirement)ΔR(s)を、次式
    Figure 2008109810
    によって定義し、前記系統モデルについての評価指標CPS1のCF1の理論式を、εを基準値、Kを系統周波数特性定数、Piを系統の系統容量、αjを外乱の標準偏差の大きさを決める係数として次式
    Figure 2008109810
    で表した場合におけるCij,Vfijを、前記系統モデルについて、ある前記地域系統にのみ前記外乱ΔPDi(s)を与えた場合についてシミュレーションすることにより求めるステップと、
    求めた前記Cij,Vfijと前記理論式とに基づいて、複数の前記地域系統に外乱を入力した場合における前記CF1の値を求めること、
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  2. 請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    前記地域要求量ΔR(s)は周波数偏差であること
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  3. 請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    前記地域要求量ΔR(s)は連系線潮流偏差であること
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  4. 請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    前記系統パラメータには、前記各地域系統の容量、外乱の標準偏差、発電機の慣性定数、周波数特性定数、同期化係数、TBCパラメータ、速度調停率のうちの少なくともいずれかが含まれること
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  5. 請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    前記シミュレーションにおいて、ある前記地域系統にのみ与えられる前記外乱ΔPDi(s)は、標準白色外乱であること
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  6. 請求項1に記載の負荷周波数制御の評価指標の解析方法であって、
    ガバナフリーとした場合における前記系統モデルと、ガバナロックとした場合における前記系統モデルの双方について前記CF1の値を求めること
    を特徴とする負荷周波数制御の評価指標の解析方法。
  7. 複数の地域系統を含む電力系統における負荷周波数制御の評価指標を解析する情報処理装置であって、
    前記電力系統をモデル化した系統モデルにおける前記各地域系統の系統パラメータを記憶し、
    前記各地域系統に与えられる外乱をΔPDi(s)(i=1〜N,sはラプラス変数)、伝達関数をρij(s)とした場合における地域要求量(Area Requirement)ΔR(s)を、次式
    Figure 2008109810
    によって定義し、前記系統モデルについての評価指標CPS1のCF1の理論式を、εを基準値、Kを系統周波数特性定数、Piを系統の系統容量、αjを外乱の標準偏差の大きさを決める係数として次式
    Figure 2008109810
    で表した場合におけるCij,Vfijを、前記系統モデルについて、ある前記地域系統にのみ前記外乱ΔPDi(s)を与えた場合についてシミュレーションすることにより求め、
    求めた前記Cij,Vfijと前記理論式とに基づいて、複数の前記地域系統に外乱を入力した場合における前記CF1の値を求めること、
    を特徴とする情報処理装置。
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