JP2008109346A - 弾性表面波装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザーマーキングが可能で薄型の弾性表面波装置およびその効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 圧電基板11の下面にIDT電極とパッド電極と環状電極とが形成されるとともに上面の全体が樹脂膜31で被覆された弾性表面波素子が、絶縁基板41の上面に端子電極および環状導体が形成されるとともに下面に外部電極が形成された実装用基板の上面に、パッド電極と端子電極とを接続するとともに環状電極と環状導体とを接合しIDT電極を気密封止して実装され、かつ樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板の上面にかけて弾性表面波素子を被覆する保護樹脂32が樹脂膜31の上面を露出させて形成された弾性表面波装置である。圧電基板11の上面が樹脂膜31のみで被覆されているので、レーザーマーキングが可能で薄型の弾性表面波装置である。
【選択図】 図2

Description

本発明は弾性表面波装置およびその製造方法に関するものであり、特に薄型化が可能でマーキングが容易な弾性表面波装置およびその製造方法に関するものである。
通信機器などの電子機器において使用されるレゾネータ,フィルタ,デュプレクサ等の電子部品として弾性表面波装置が広く用いられているが、近年の電子機器の小型化に伴う小型化の要求に応えるため、実装用基板の上面に弾性表面波素子をフリップチップ実装し、弾性表面波素子の上面から実装用基板の上面にかけて樹脂で被覆した弾性表面波装置が提案されている。一般的にこれらの弾性表面波装置は、集合基板(母基板)の上面に複数の弾性表面波素子を実装した後に、複数の弾性表面波素子の上面から集合基板の上面にかけて一体的に未硬化の樹脂を塗布し、樹脂を硬化させた後に個片に分割することによって製造される(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2004−72473号公報
しかしながら、前述した従来の弾性表面波装置およびその製造方法においては、集合基板の反りや弾性表面波素子の実装高さのばらつき等の存在により、弾性表面波素子の上面を被覆する樹脂の厚みがばらついてしまう。弾性表面波素子の上面に樹脂が存在しない場合は弾性表面波素子に直接マーキングすることが必要となるが、生産性の高いレーザーマーキングによって、透光性を有する単結晶材料等からなる弾性表面波素子に直接マーキングすることは困難であった。そのため、弾性表面波素子の上面を確実に樹脂で被覆するために、樹脂の厚みを大きめに設定しなければならないため、さらなる薄型化が困難であった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、レーザーマーキングが可能で薄型の弾性表面波装置およびその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明の弾性表面波装置は、圧電基板の下面にIDT電極と該IDT電極に接続されたパッド電極と前記IDT電極および前記パッド電極を取り囲む環状電極とが形成されるとともに上面の全体が樹脂膜で被覆された弾性表面波素子が、絶縁基板の上面に前記パッド電極に対応した端子電極と前記環状電極に対応した環状導体とが形成されるとともに下面に前記端子電極に接続された外部電極が形成された実装用基板の上面に、前記パッド電極と前記端子電極とを接続するとともに前記環状電極と前記環状導体とを接合し前記IDT電極を気密封止して実装され、かつ前記樹脂膜の周囲から前記圧電基板の側面を経て前記実装用基板の上面にかけて前記弾性表面波素子を被覆する保護樹脂が前記樹脂膜の上面を露出させて形成されていることを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波装置の製造方法は、圧電基板の下面にIDT電極と該IDT電極に接続されたパッド電極と前記IDT電極および前記パッド電極を取り囲む環状電極とを有する素子領域を互いに隣接させて複数形成して、圧電母基板を準備する工程Aと、前記圧電母基板の上面の前記素子領域に対応する部位に、樹脂シートを貼り付けることによって該樹脂シートからなる樹脂膜を形成する工程Bと、前記圧電母基板を前記素子領域の境界に沿って分割することによって、圧電基板の下面に前記IDT電極と前記パッド電極と前記環状電極とを有するとともに上面の全体が前記樹脂膜で被覆された複数の弾性表面波素子を得る工程Cと、絶縁基板に、上面に前記パッド電極に対応した端子電極と前記環状電極に対応した環状導体とを有するとともに下面に前記端子電極に接続された外部電極を有する基板領域を互いに隣接させて複数形成して、実装用母基板を準備する工程Dと、複数の前記弾性表面波素子を前記実装用母基板の前記基板領域の各々に、接合材を介在させて加熱することによって前記パッド電極と前記端子電極とを接続するとともに前記環状電極と前記環状導体とを接合して、前記IDT電極を気密封止して実装する工程Eと、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記実装用母基板の上面にかけて未硬化の保護樹脂で被覆する工程Fと、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記未硬化の保護樹脂をこすり取って、前記樹脂膜の上面を露出させる工程Gと、前記樹脂膜の上面を露出させた状態で前記未硬化の保護樹脂を硬化させた後に、前記実装用基板を前記基板領域の境界に沿って分割することによって複数の弾性表面波装置を得る工程Hとを具備することを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置の製造方法は、上記構成において、前記工程Fにおいて、前記弾性表面波素子が実装された複数の前記基板領域を取り囲む枠部材を前記実装用母基板の上に配置し、前記枠部材の内側に未硬化の保護樹脂を供給することによって、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記実装用母基板の上面にかけて前記未硬化の保護樹脂で被覆し、前記工程Gにおいて、こすり取り手段を前記枠部材に掛け渡しつつ前記枠部材上を移動させることによって、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記未硬化の保護樹脂をこすり取ることを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波装置によれば、圧電基板の上面の全体を被覆する樹脂膜の周囲から圧電基板の側面を経て実装用基板の上面にかけて弾性表面波素子を被覆する保護樹脂が樹脂膜の上面を露出させて形成されていることから、圧電基板の上面が樹脂膜のみで確実に被覆されるとともに、樹脂膜の上には何も存在しないので、圧電基板の上面を被覆する樹脂膜に容易にレーザーマーキングが可能であるとともに薄型の弾性表面波装置を得ることができる。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、樹脂膜の周囲から圧電基板の側面を経て実装用基板の上面にかけて弾性表面波素子を被覆する保護樹脂が形成されていることから、圧電基板が露出している部分が全く存在しないため、圧電基板がしっかりと保護されるので、圧電基板の破損を確実に防止することができる。
またさらに、本発明の弾性表面波装置によれば、樹脂膜の周囲まで保護樹脂によって被覆されていることから、樹脂膜と圧電基板との界面が露出していないため、他の物の接触等によって樹脂膜と圧電基板との界面から樹脂膜が剥離することを防止することができる。
本発明の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Bにおいて圧電母基板の上面の素子領域に対応する部位に樹脂膜を形成し、工程Fにおいて各々の弾性表面波素子の上面から実装用母基板の上面にかけて未硬化の保護樹脂で被覆した後に、工程Gにおいて各々の弾性表面波素子の上面から未硬化の保護樹脂をこすり取って樹脂膜の上面を露出させることから、圧電基板の上面の全体を被覆する樹脂膜の周囲から圧電基板の側面を経て実装用基板の上面にかけて弾性表面波素子を被覆する保護樹脂を樹脂膜の上面を露出させて形成された構造を容易に複数同時に作ることができるので、圧電基板の上面の全体を被覆する樹脂膜に容易にレーザーマーキングが可能であるとともに圧電基板の破損および樹脂膜の剥離が防止された薄型の弾性表面波装置を効率的に製造することができる。
また、本発明の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Fにおいて、弾性表面波素子が実装された複数の基板領域を取り囲む枠部材を実装用母基板の上に配置し、枠部材の内側に未硬化の保護樹脂を供給することによって、各々の弾性表面波素子の上面から実装用母基板の上面にかけて未硬化の保護樹脂で被覆したときには、未硬化の保護樹脂を所望の範囲のみに所望の厚みで塗布することが容易になるので、各々の弾性表面波素子の上面から実装用母基板の上面にかけて未硬化の保護樹脂で被覆する作業を容易にすることができる。
さらに、本発明の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Gにおいて、こすり取り手段を枠部材に掛け渡しつつ枠部材上を移動させることによって、各々の弾性表面波素子の上面から未硬化の保護樹脂をこすり取るようにしたときには、こすり取り手段をほぼ同じ高さで移動させることが容易になるため、各々の弾性表面波素子の上面から未硬化の保護樹脂をこすり取る作業を容易にすることができる。
以下、本発明の弾性表面波装置およびその製造方法を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は本発明の弾性表面波装置の実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。図2は図1のX−X’線断面図である。図3は図1の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の下面を模式的に示す平面図である。図4は図1の弾性表面波装置を構成する実装用基板の上面を模式的に示す平面図である。
本発明の弾性表面波装置は、圧電基板11の下面にIDT電極21とこのIDT電極21に接続されたパッド電極22とIDT電極21およびパッド電極22を取り囲む環状電極23とが形成されるとともに、上面の全体が樹脂膜31で被覆された弾性表面波素子10を有している。また、本発明の弾性表面波装置は、絶縁基板41の上面にパッド電極22に対応した端子電極52と環状電極23に対応した環状導体53とが形成されるとともに、下面に端子電極52に接続された外部電極54が形成された実装用基板40を有している。そして、パッド電極22と端子電極52とを接続するとともに環状電極23と環状導体53とを接合して、IDT電極21を気密封止するように弾性表面波素子10が実装用基板40の上面に実装され、さらに、樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板40の上面にかけて弾性表面波素子10を被覆する保護樹脂32が樹脂膜31の上面を露出させて形成されている。
また、IDT電極21の弾性表面波の伝搬方向の両側に一対の反射器電極24が形成されており、圧電基板11とIDT電極21と反射器電極24とによって、特定の周波数で共振する一端子対の弾性表面波共振器が構成されている。そして、パッド電極22と端子電極52とが接合材61を介して接続されることによって弾性表面波素子10と実装用基板40とが電気的に接続されており、さらに、環状電極23と環状導体53とが接合材61によって接合されることによって実装用基板40の上面と圧電基板11の下面との間に封止空間が形成され、この中にIDT電極21,パッド電極22,反射器電極24,端子電極52が気密封止されている。
このような構成を有する本発明の弾性表面波装置によれば、圧電基板11の上面の全体が樹脂膜31で被覆されていることから、樹脂膜31にレーザーマーキングが可能であるとともに、圧電基板11の上面を確実に保護することができる。また、保護樹脂32は樹脂膜31の上面を露出させるように形成されていることから、圧電基板11の上面には樹脂膜31しか存在しないため、薄型の弾性表面波装置を得ることができる。さらに、樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板40の上面にかけて保護樹脂32によって弾性表面波素子10が被覆されていることから、圧電基板11が露出している部分が全く存在しないため、圧電基板11がしっかりと保護されるので、圧電基板11の破損を確実に防止することができる。またさらに、樹脂膜31の周囲まで保護樹脂32によって被覆されていることから、樹脂膜31と圧電基板11との界面が露出していないため、他の物の接触等によって樹脂膜31と圧電基板11との界面から樹脂膜31が剥離することを防止することができる。
(実施の形態の第2の例)
次に、本例の弾性表面波装置の製造方法の実施の形態の一例について、図1〜図4に示した弾性表面波装置を例にとって説明する。図5(a)〜(e)は、それぞれ本例の弾性表面波装置の製造方法を模式的に示す工程毎の縦断面図である。
本例の弾性表面波装置の製造方法は、圧電基板11の下面にIDT電極21とこのIDT電極21に接続されたパッド電極22とIDT電極21およびパッド電極22を取り囲む環状電極23とを有する素子領域12を互いに隣接させて複数形成して、圧電母基板13を準備する工程Aと、圧電母基板13の上面の素子領域12に対応する部位に、樹脂シートを貼り付けることによってこの樹脂シートからなる樹脂膜31を形成する工程B(図5(a)を参照のこと。)と、圧電母基板13を素子領域12の境界に沿って分割することによって、圧電基板11の下面にIDT電極21とパッド電極22と環状電極23とを有するとともに上面の全体が樹脂膜31で被覆された複数の弾性表面波素子10を得る工程Cと、絶縁基板41に、上面にパッド電極22に対応した端子電極52と環状電極23に対応した環状導体53とを有するとともに下面に端子電極52に接続された外部電極54を有する基板領域42を互いに隣接させて複数形成して、実装用母基板43を準備する工程Dと、複数の弾性表面波素子10を実装用母基板43の基板領域42の各々に、接合材61を介在させて加熱することによってパッド電極22と端子電極52とを接続するとともに環状電極23と環状導体53とを接合して、IDT電極21を気密封止して実装する工程E(図5(b)を参照のこと。)と、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆する工程F(図5(c)を参照のこと。)と、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させる工程G(図5(d)を参照のこと。)と、樹脂膜31の上面を露出させた状態で未硬化の保護樹脂32を硬化させた後に、実装用母基板43を基板領域42の境界に沿って分割することによって複数の弾性表面波装置を得る工程H(図5(e)を参照のこと。)とを具備することを特徴とするものである。
このような本例の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Bにおいて、圧電母基板13の上面の素子領域12に対応する部位に樹脂膜31を形成することから、圧電母基板13を保護して強度を高めることが可能になるので、それ以後の製造工程における圧電母基板13の破損を防止できるとともに、より薄型の圧電母基板13が使用可能となり、より薄型の弾性表面波装置を効率的に製造することができる。特に、圧電母基板13を素子領域12の境界に沿って分割する工程Cよりも前に樹脂膜31を形成することにより、分割時に生じやすい圧電母基板13の破損を防止できるとともに、複数の弾性表面波素子10用の樹脂膜31を一括して形成することが可能となるので、本発明の弾性表面波装置をより効率的に製造することができる。また、樹脂シートを貼り付けることによってこの樹脂シートからなる樹脂膜31を形成することから、厚みの均一な樹脂膜31を容易に形成することができるので、製造工程を簡略化することができる。
また、本例の弾性表面波装置の製造方法によれば、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆する工程Fの後に、工程Gにおいて、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させることから、圧電基板11の上面の全体を被覆する樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板40の上面にかけて弾性表面波素子10を被覆する保護樹脂32を樹脂膜31の上面を露出させて形成された構造を容易に複数同時に作ることができるので、圧電基板11の上面の全体を被覆する樹脂膜31に容易にレーザーマーキングが可能であるとともに圧電基板11の破損および樹脂膜31の剥離が防止された薄型の弾性表面波装置を効率的に製造することができる。
さらに、本例の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Fにおいて、弾性表面波素子10が実装された複数の基板領域42を囲む枠部材71を実装用母基板43の上に配置し、枠部材71の内側に未硬化の保護樹脂32を供給することによって、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆することから、未硬化の保護樹脂32を所望の範囲に所望の厚みで塗布することが容易になるので、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆する作業を容易にすることができる。このとき、枠部材71の高さを弾性表面波素子10の高さよりも高くしておくと、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆する作業がさらに容易になる。この場合、充填手段81を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させて、未硬化の保護樹脂32を複数の弾性表面波素子10の間に充填手段81によって押し込むようにして枠部材71の内側に供給することにより、複数の弾性表面波素子10の間に未硬化の保護樹脂32を確実に充填することが可能になるとともに、未硬化の保護樹脂32の上面が平坦になり、後の工程Gにおいて、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させる作業を容易にすることができる。
またさらに、本例の弾性表面波装置の製造方法によれば、工程Gにおいて、こすり取り手段91を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させることによって、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取るようにしたことから、こすり取り手段91をほぼ同じ高さで移動させることが容易になるため、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取る作業を容易にすることができる。
このとき、枠部材71の高さを弾性表面波素子10の高さよりもわずかに低くしておくと、こすり取り手段91を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させたときに、こすり取り手段91の下端が弾性表面波素子10の高さよりもわずかに低い高さで移動することになるため、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取る作業を容易にすることができる。
または、枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させたときに、変形して下端が枠部材71の開口内に入り込み、下端が枠部材71の上面よりも低い位置を移動するような柔軟性が高いこすり取り手段91を使用したときには、枠部材71の高さを弾性表面波素子10の高さよりわずかに高くしても、こすり取り手段91の下端が弾性表面波素子10の高さよりもわずかに低い高さで移動することになるため、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取る作業を容易にすることができる。
さらに、充填手段81を、こすり取り手段91よりも柔軟性が低く、枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させたときに、変形して下端が枠部材71の開口内に入り込み難いものとし、かつ、こすり取り手段91を、充填手段81よりも柔軟性が高く、枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させたときに、変形して下端が枠部材71の開口内に入り込みやすいものとし、かつ工程Fおよび工程Gで使用する枠部材71の高さを弾性表面波素子10の高さよりもわずかに高くすることにより、さらに効率よく本発明の弾性表面波装置を製造することができる。すなわち、工程Fにおいて、充填手段81を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させることにより、未硬化の保護樹脂32を複数の弾性表面波素子10の間に充填手段81によって押し込むようにして確実に充填しながら各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆し、工程Gにおいて、こすり取り手段91を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させることによって、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取る作業を、工程Fと工程Gとで枠部材71を交換することなく行なうことができる。なお、こすり取り手段91の柔軟性を充填手段81とよりも高める方法としては、両者の材質を異ならせても構わないし、両者の形状を異ならせても構わないし、その両方を組み合わせても構わない。
なお、図5に示す例のように枠部材71を用いない場合には、例えば、複数の弾性表面波素子10を実装した実装用母基板43を未硬化の保護樹脂32の中に浸漬する方法や、複数の弾性表面波素子10を実装した実装用母基板43に上から未硬化の保護樹脂32を滴下する方法等を用いることにより、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆することができる。
本発明の弾性表面波装置およびその製造方法において、圧電基板11は、IDT電極21,パッド電極22,反射器電極24および環状電極23を支持する支持体として機能するとともに、IDT電極21を介して圧電基板11に電気信号が印加されると、所定の弾性表面波を発生させる機能を有する。圧電基板11および圧電母基板13は、例えば、水晶,タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶,四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶から成る。圧電基板11および圧電母基板13の厚みは0.1〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では機械的強度が不足して脆くなり、0.5mmを超えると弾性表面波装置の薄型化の障害となり材料コストも大きくなるので好ましくない。
例えば、圧電単結晶材料のインゴット(母材)を所定の結晶方向となるように切断および研磨し、タンタル酸リチウム単結晶およびニオブ酸リチウム単結晶などの強誘電体単結晶の場合は電界下徐冷法などによって単一分域化処理することにより、所望の圧電特性を有した圧電母基板13を得ることができ、それを分割することによって圧電基板11を得ることができる。
IDT電極21は、弾性表面波の伝搬方向に沿って配設した複数のフィンガー電極(電極指)の一端がバスバー電極(共通電極)で接続されて成る一対の櫛歯状電極が、それぞれの櫛歯状電極の電極指が弾性表面波の伝搬方向に交互に配置されるように噛み合わせた状態で対向配置されて構成されている。そして、所定の電気信号が印加されると圧電基板11の表面に電極指の配列ピッチに対応した弾性表面波を発生させる機能を有する。
反射器電極24は、弾性表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極21の電極指とほぼ同じピッチで等間隔に配設した複数の反射電極の両端を、共通電極で接続して構成されている。そして、IDT電極21の形成領域で発生する弾性表面波を反射して、一対の反射器電極24の間に閉じ込める機能を有する。このような一対の反射器電極24およびその間に配置されたIDT電極21によって、一端子対の弾性表面波共振器が構成されている。
パッド電極22はIDT電極21と接続されており、さらに弾性表面波素子10と実装用基板40とを電気的に接続する接合材61が接合される部分である。
環状電極23は、IDT電極21,パッド電極22および反射器電極24を取り囲むようにリング状(環状)形成されており、環状導体53と接合材61を介して接合されることにより、圧電基板11の下面と絶縁基板41の上面との間に封止空間を形成する機能を有する。
なお、圧電基板11に形成されるIDT電極21,パッド電極22,反射器電極24および環状電極23は、例えば、AlやAlを主成分とする合金等の金属材料から成り、例えば、蒸着やスパッタリングによって圧電基板11の表面に形成した電極膜上にレジストをスピンコートし、ステッパー装置などを用いて露光・現像した後に、RIE(Reactive Ion Etching)装置などを用いてエッチングすることによって形成される。IDT電極21および反射器電極24の厚みは、例えば0.1〜1μm程度であり、使用する圧電基板や所望する周波数特性および温度特性に応じて決定される。パッド電極22および環状電極23は、半田との接合性を向上させるために上面をCr,Ni,Au等で被覆することが望ましく、厚みも他の電極よりも厚い方が望ましい。
絶縁基板41は、例えば、ガラス−セラミックスやアルミナ等のセラミック材料やエポキシ樹脂等の樹脂材料から成る単層あるいは多層の基板であり、封止空間を形成する機能に加えて圧電基板11を保護する機能を有する。なお、絶縁基板41の厚みは0.1〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では機械的強度が不足して圧電基板11を保護する機能が低下し、0.5mmを超えると弾性表面波装置の薄型化の障害となり材料コストも大きくなるので好ましくない。
絶縁基板41がセラミック材料から成る場合は、例えば、原料粉末にバインダを加えてプレスする方法、あるいは原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に乾燥し、バインダ,溶剤,可塑剤等を加えてドクターブレード法により成型する方法などによってシート状と成し、それを必要に応じて積層しプレスした後に、800℃〜1400℃のピーク温度で0.5〜8時間程度焼成することによって形成できる。
端子電極52は、絶縁基板41上面に形成されており、接合材61を介してパッド電極22と接合されて弾性表面波素子10と実装用基板40とを電気的に接続する部分であり、図示しない配線導体によって外部電極54と接続されている。
環状導体53は、絶縁基板41上面に端子電極52を取り囲むようにリング状に形成されており、接合材61を介して環状電極23と接合されることにより、圧電基板11の下面と絶縁基板41の上面との間に封止空間を形成する機能を有する。
外部電極54は、絶縁基板41の下面に形成されており、弾性表面波装置を実装基板等に機械的に接合し電気的に接続する機能を有する。また、図示せぬ配線導体によって端子電極52と接続されている。
なお、絶縁基板41に形成される端子電極52,環状導体53および外部電極54は、Ag,Cu等の良導電性の金属膜から成り、例えば、Ag,Cu等から成る導電ペーストを従来周知のスクリーン印刷法やローラー転写等を用いて塗布して500〜900℃程度で焼成することにより形成できる。さらに表面にNi,Sn,Auなど半田との接合性の高い金属膜をメッキ等によって形成すると、半田との接合性を良好なものとすることができる。
また、図示せぬ配線導体は、絶縁基板41の上面に形成された端子電極52と下面に形成された外部電極54とを電気的に接続する機能を有し、例えば、絶縁基板41にドリルやレーザー等によって形成した孔にAg,Cu等の導電性ペーストを充填して500〜900℃程度で焼成することにより形成される。
接合材61は、パッド電極22と端子電極52とを接合して電気的に接続するとともに、環状電極23と環状導体53とを接合して封止空間を形成する機能を有する。材質としては、例えば半田が好適に使用でき、弾性表面波装置を実装基板等に実装するためのリフロー処理を行なう際の再溶融を防止するという観点からは高融点の半田が望ましい。
樹脂膜31は、圧電基板11の上面の全体を被覆しており、圧電基板11を保護するとともに、レーザーマーキングを可能にする機能を有する。樹脂膜31の厚みは、薄すぎるとレーザーマーキングが困難になり、厚すぎると弾性表面波装置の薄型化を妨げるので、例えば、15μm〜35μm程度が望ましい。樹脂膜31の材質としては、ポリイミド系の樹脂やシリコーン系の樹脂を使用することができるが、耐熱性に優れるという観点から、特にエポキシ樹脂を使用することが望ましい。このような樹脂膜31は、例えば、圧電母基板13の上面にスクリーン印刷等の手法を用いて液状樹脂を塗布して硬化させることによって形成することができるが、例えば、圧電母基板13の上面に、樹脂シートを貼り付け、必要に応じて硬化させることによって容易に形成することができる。
保護樹脂32は、樹脂膜31の上面を露出するように樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板40の上面にかけて弾性表面波素子10を被覆しており、圧電基板11を保護するとともに樹脂膜31の剥離を防止する機能を有する。保護樹脂32の厚みは、樹脂膜31に接する部分で樹脂膜31の上面の高さと同じであり、樹脂膜31から遠ざかるにつれて徐々に薄くなるようにされており、これによって樹脂膜31および圧電基板11を確実に保護しつつ、弾性表面波装置をできるだけ薄型化することができる。保護樹脂32の材質としては、ポリイミド系の樹脂やシリコーン系の樹脂が使用できるが、耐熱性に優れるという観点から、特にエポキシ系の樹脂を使用するのが望ましい。このような保護樹脂32は、例えば、未硬化の保護樹脂32をスクリーン印刷法等を用いて弾性表面波素子10の上面から実装用基板40の上面にかけて被覆した後に、弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させた後に、未硬化の保護樹脂32を加熱や紫外線照射によって硬化させることで形成することができる。
枠部材71は、未硬化の保護樹脂32を実装用基板40の複数の基板領域42を取り囲む所望の領域に所望の厚みで塗布するための堤防としての機能と、充填手段81およびこすり取り手段91を支持して所望の高さで移動させるための支持体としての機能を有する。枠部材71としては、例えば、実装用母基板43の複数の基板領域42を取り囲む大きさの開口を有するステンレスやニッケル等からなるメタルマスクを使用することができる。その高さは弾性表面波素子10の高さとほぼ同じとされるが、柔軟性の高いこすり取り手段91を使用するときには、弾性表面波素子10の高さよりもわずかに、例えば、50μm〜150μm程度、高くすることが望ましく、それによって、工程Fと工程Gとで同じ枠部材71を使用することが可能となり、本発明の弾性表面波装置を効率よく製造することができる。
充填手段81は、未硬化の保護樹脂32を複数の弾性表面波素子10の間に押し込んで確実に充填するとともに、未硬化の保護樹脂32の上面を平坦にして、後の工程Gにおいて、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させる作業を容易にする機能を有する。充填手段81としては、例えば、JIS−Aにより表される硬度が60°〜90°程度のウレタンゴムやシリコーンゴム等からなるスキージが使用でき、例えば、平板状で厚みが5mm〜15mm程度の平スキージが好適に使用できる。
こすり取り手段91は、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させる機能を有する。こすり取り手段91としては、例えば、JIS−Aにより表される硬度が60°〜90°程度のウレタンゴムやシリコーンゴム等からなるスキージが使用でき、例えば、根本の厚みが5mm〜10mm程度で、先端を厚み1mm程度に尖らせた、柔軟性の高い剣スキージが好適に使用できる。
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良が可能である。
例えば、前述した実施の形態の例では省略したが、IDT電極21に金属製異物が付着して電気的短絡が発生するのを防止するために、IDT電極21を被覆してパッド電極22および環状電極23を露出する短絡防止膜を弾性表面波素子10の下面に形成しても構わない。
また、前述した実施の形態の例においては、弾性表面波装置として、圧電基板11とIDT電極21と反射器電極24とによって一端子対の弾性表面波共振器が構成された例を示したが、弾性表面波フィルタや弾性表面波デュプレクサなど、他の弾性表面波装置においても本発明が有効であることは言うまでもない。
次に、本発明の弾性表面波装置およびその製造方法の具体例について説明する。
まず、分割されて圧電基板11となる圧電母基板13としてタンタル酸リチウム(LiTaO)を用い、その主面上に厚みが0.1μmのAl−Cu(Al:99%)の薄膜を形成した。
次に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジストを約0.5μmの厚みに塗布した。
次に、縮小投影露光装置(ステッパー)を用いてフォトレジストを露光し、現像装置を用いて不要部分のフォトレジストをアルカリ現像液で溶解させて、圧電母基板13の各々の素子領域12に、図3に示す弾性表面波素子10におけるIDT電極21,パッド電極22,反射器電極24および環状電極23と同形状のレジストパターンを形成した。
次に、RIE装置を用いてレジスト非形成部のAl−Cu薄膜をエッチングすることによって、図3に示す弾性表面波素子10におけるIDT電極21,パッド電極22,反射器電極24および環状電極23となるように電極パターンを形成し、その後、電極パターン上のレジストを除去した。
次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、電極パターンおよび圧電母基板13の主面上に短絡防止膜となるSiO膜を約0.02μmの厚みに形成した。
次に、SiO膜上にフォトレジストを塗布し、露光および現像してパッド電極22および環状電極23上が開口するようなレジストパターンを形成し、RIE装置を用いてパッド電極22および環状電極23上に位置するSiO膜をエッチングして除去した。
次に、スパッタリング装置を使用して、SiO膜をエッチングして除去した主面の全面にCr,Ni,Auの膜をこの順序で成膜し、合計の電極膜厚を約1μmとした。
次に、レジストおよびレジスト上に形成されたCr,Ni,Auよりなる導体膜をリフトオフ法により同時に除去し、パッド電極22および環状電極23を完成させた。
次に、下面の各素子領域12にIDT電極21,反射器電極24,パッド電極22および環状電極23が形成された圧電母基板13の上面の各素子領域12に対応する部位を全て被覆するように樹脂シートを貼り付けることによって、樹脂膜31を形成した。樹脂シートとしては、エポキシ系の樹脂からなる厚さ25μmの樹脂シートを使用し、貼り付けた後に130℃で2時間保持して硬化させた。
次に、ダイシングソーを用いて圧電母基板13にダイシング加工を施し、各々の素子領域12の境界に沿って分割することによって、複数の弾性表面波素子10を得た。
次に、絶縁基板41に、上面にパッド電極22に対応した端子電極52と環状電極23に対応した環状導体53とを有するとともに、下面に端子電極52に接続された外部電極54を有する基板領域42を互いに隣接させて複数形成して、実装用母基板43を準備した。絶縁基板41はガラスセラミックスから成る低温焼成基板とした。
次に、絶縁基板41の上面に形成された端子電極52および環状導体53の上に半田をスクリーン印刷法を用いて塗布した後に、加熱溶融して半田バンプを形成した。なお、半田にはSn−Pb半田を使用した。
次に、フリップチップ実装装置を用いて、以上の工程にて作製した複数の弾性表面波素子10を電極の形成面を下にして実装用母基板43の上に載置し、半田バンプが溶融しない程度に加熱した上で各弾性表面波素子10に上から圧力と超音波振動を与えて、パッド電極22および環状電極23と半田バンプとを超音波融着して仮固定した。
次に、複数の弾性表面波素子10が仮固定された実装用母基板43をチャンバー内に投入し、N雰囲気中で加熱して半田バンプを溶融することにより、複数の弾性表面波素子10と実装用母基板43とを接合した。これによりパッド電極22と端子電極52とが半田から成る接合材61によって接合されて電気的に接続されるとともに、環状電極23と環状導体53とが半田から成る接合材61によって接合されて、弾性表面波素子10と実装用母基板43との間に封止空間が形成された。
次に、それぞれ弾性表面波素子10が実装された複数の基板領域42を取り囲む枠部材71を実装用母基板43の上に配置し、充填手段81を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させて枠部材71の内側に未硬化の保護樹脂32を複数の弾性表面波素子10の間に押し込むように供給することによって、各々の弾性表面波素子10の上面から実装用母基板43の上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆した。なお、枠部材71としてはステンレス製のメタルマスクを使用し、充填手段81としてはJIS−Aにより表される硬度が70°のウレタンゴムから成る厚み10mmの平スキージを使用し、保護樹脂32としてはエポキシ系の樹脂を使用した。また、枠部材71の高さは弾性表面波素子10の高さよりも100μm高く設定した。
次に、こすり取り手段91を枠部材71に掛け渡しつつ枠部材71上を移動させることによって、各々の弾性表面波素子10の上面から未硬化の保護樹脂32をこすり取って、樹脂膜31の上面を露出させた。なお、枠部材71は前の工程と同じものを使用し、こすり取り手段91としては、JIS−Aにより表される硬度が70°のウレタンゴムから成り、根本の厚みが8mmおよび先端の厚みが1mmで剣先の角度が20°の剣スキージを使用した。
次に、各々の弾性表面波素子10の樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経てその上面にかけて未硬化の保護樹脂32で被覆された実装用母基板43を、100℃で1時間と150℃で3時間保持して、未硬化の保護樹脂32を硬化させた。
次に、各々の弾性表面波素子10の樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経てその上面にかけて保護樹脂32で被覆された実装用母基板43にダイシング加工を施し、各基板領域42の境界に沿って分割することにより、複数の本発明の弾性表面波装置を得た。
以上のようにして得られた本発明の弾性表面波装置は、圧電基板11の上面の全体を被覆する樹脂膜31の周囲から圧電基板11の側面を経て実装用基板40の上面にかけて弾性表面波素子10を被覆する保護樹脂32が樹脂膜31の上面を露出させて形成されているため、樹脂膜31に容易にレーザーマーキングが可能であるとともに圧電基板11の破損および樹脂膜31の剥離が防止された薄型の弾性表面波装置であった。
本発明の弾性表面波装置の実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。 図1のX−X’線断面図である。 図1の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の下面を模式的に示す平面図である。 図1の弾性表面波装置を構成する実装用基板の上面を模式的に示す平面図である。 (a)〜(e)は、それぞれ本発明の弾性表面波装置の製造方法の一例を模式的に示す工程毎の縦断面図である。
符号の説明
10:弾性表面波素子
11:圧電基板
12:素子領域
13:圧電母基板
21:IDT電極
22:パッド電極
23:環状電極
24:反射器電極
31:樹脂膜
32:保護樹脂
40:実装用基板
41:絶縁基板
42:基板領域
43:実装用母基板
52:端子電極
53:環状導体
54:外部電極
61:接合材
71:枠部材
91:こすり取り手段

Claims (3)

  1. 圧電基板の下面にIDT電極と該IDT電極に接続されたパッド電極と前記IDT電極および前記パッド電極を取り囲む環状電極とが形成されるとともに上面の全体が樹脂膜で被覆された弾性表面波素子が、絶縁基板の上面に前記パッド電極に対応した端子電極と前記環状電極に対応した環状導体とが形成されるとともに下面に前記端子電極に接続された外部電極が形成された実装用基板の上面に、前記パッド電極と前記端子電極とを接続するとともに前記環状電極と前記環状導体とを接合し前記IDT電極を気密封止して実装され、かつ前記樹脂膜の周囲から前記圧電基板の側面を経て前記実装用基板の上面にかけて前記弾性表面波素子を被覆する保護樹脂が前記樹脂膜の上面を露出させて形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 圧電基板の下面にIDT電極と該IDT電極に接続されたパッド電極と前記IDT電極および前記パッド電極を取り囲む環状電極とを有する素子領域を互いに隣接させて複数形成して、圧電母基板を準備する工程Aと、
    前記圧電母基板の上面の前記素子領域に対応する部位に、樹脂シートを貼り付けることによって該樹脂シートからなる樹脂膜を形成する工程Bと、
    前記圧電母基板を前記素子領域の境界に沿って分割することによって、圧電基板の下面に前記IDT電極と前記パッド電極と前記環状電極とを有するとともに上面の全体が前記樹脂膜で被覆された複数の弾性表面波素子を得る工程Cと、
    絶縁基板に、上面に前記パッド電極に対応した端子電極と前記環状電極に対応した環状導体とを有するとともに下面に前記端子電極に接続された外部電極を有する基板領域を互いに隣接させて複数形成して、実装用母基板を準備する工程Dと、
    複数の前記弾性表面波素子を前記実装用母基板の前記基板領域の各々に、接合材を介在させて加熱することによって前記パッド電極と前記端子電極とを接続するとともに前記環状電極と前記環状導体とを接合して、前記IDT電極を気密封止して実装する工程Eと、
    各々の前記弾性表面波素子の上面から前記実装用母基板の上面にかけて未硬化の保護樹脂で被覆する工程Fと、
    各々の前記弾性表面波素子の上面から前記未硬化の保護樹脂をこすり取って、前記樹脂膜の上面を露出させる工程Gと、
    前記樹脂膜の上面を露出させた状態で前記未硬化の保護樹脂を硬化させた後に、前記実装用基板を前記基板領域の境界に沿って分割することによって複数の弾性表面波装置を得る工程Hと
    を具備することを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  3. 前記工程Fにおいて、前記弾性表面波素子が実装された複数の前記基板領域を取り囲む枠部材を前記実装用母基板の上に配置し、前記枠部材の内側に未硬化の保護樹脂を供給することによって、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記実装用母基板の上面にかけて前記未硬化の保護樹脂で被覆し、
    前記工程Gにおいて、こすり取り手段を前記枠部材に掛け渡しつつ前記枠部材上を移動させることによって、各々の前記弾性表面波素子の上面から前記未硬化の保護樹脂をこすり取ることを特徴とする請求項2記載の弾性表面波装置の製造方法。
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