JP2008108567A - 電池パック、充電システム、及び充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電装置から出力された充電電圧に基づいて、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる電池パック、電池システム及び充電方法を提供する。
【解決手段】電池パック2は、電池ブロック21と、充電装置3から供給される充電用電圧V1を電池ブロック21に印加する電圧印加期間と、電池ブロック21に満充電判定電流値Ithの電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御部222とを備えた。また、充電装置3は、一定の充電用電圧V1を印加することによって電池パック2を充電する電源回路31と、充電電流Ioutが、満充電判定電流値Ithより小さい電流値に設定された判定閾値I2以下になった場合、満充電と判定して電源回路31による充電を停止させるCCCV充電制御部33とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】電池パック2は、電池ブロック21と、充電装置3から供給される充電用電圧V1を電池ブロック21に印加する電圧印加期間と、電池ブロック21に満充電判定電流値Ithの電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御部222とを備えた。また、充電装置3は、一定の充電用電圧V1を印加することによって電池パック2を充電する電源回路31と、充電電流Ioutが、満充電判定電流値Ithより小さい電流値に設定された判定閾値I2以下になった場合、満充電と判定して電源回路31による充電を停止させるCCCV充電制御部33とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池を備えた電池パック、及び電池パックを充電する充電システムに関する。そして、このような充電システムに利用される充電方法に関する。
従来より、二次電池、例えばリチウムイオン二次電池を備えた電池パック充電する充電方法として、充電の初期には一定の電流を電池パックに供給することにより電池パックを充電する定電流(CC)充電を行い、電池パックの端子電圧が予め定める終止電圧に達すると、電池パックの満充電時の端子電圧に等しい一定の充電電圧を電池パックに印加することにより電池パックを充電する定電圧(CV)充電を行うようにした定電流定電圧(CCCV)充電が知られている。
CCCV充電では、電池パックの出力電圧が低い充電初期には、定電流(CC)充電を行うことによって、過大な充電電流が二次電池に流入して二次電池が劣化することを防止しつつ、充電が進んで二次電池の出力電圧がある程度上昇した後は、定電圧(CV)充電を行うことで、二次電池の充電に伴う出力電圧の増大に従って徐々に充電電流が低減するので、過充電を回避することが容易である。このようなCCCV充電では、充電電流が所定の判定値以下に減少すると二次電池が満充電になったものと判定して充電を終了するようになっている。
このようなCCCV充電方式は、二次電池の充電方法として広く用いられ、CCCV充電方式を採用した充電装置が広く市場に流通している。
しかしながら、CCCV充電方式では、二次電池が満充電に近づくに従って充電電流が減少するため、充電時間が増大するという不都合があった。そこで、ごく短時間の充電と休止とを繰り返すことにより、二次電池の充電時間を短縮できるパルス充電方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平4−125034号公報
しかしながら、パルス充電方式の充電装置は、充電装置の電圧制御が高くなる。CCCV充電方式を採用した充電装置を用いたまま、電池パック側でパルス充電を行うことで、二次電池の特性に応じた充電制御を行うことも可能と考えられる。また、CCCV充電にも関らず充電装置が高い電圧を供給した場合においても、電池パック側でパルス充電を行うことで、セルに対して100%の容量で充電を停止することも可能であると考えられる。
しかしながら、CCCV充電方式の充電装置から供給される一定の充電電圧を、電池パック側でパルス状にオンオフしてパルス充電を行うと、充電電圧をオフした際に充電装置から電池パックへ流れる電流がゼロとなるため、充電装置側で充電電流が上記判定値以下になって二次電池が満充電になったものと判定される結果、充電装置が充電を終了して電池パックへの充電電圧の出力を停止してしまい、電池パック側でパルス充電を行うことが出来ないという不都合があった。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、充電装置から出力された充電電圧に基づいて、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる電池パック、およびこのような電池パックを用いた充電システムを提供することを目的とする。そして、このような充電システムに利用される充電方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電池パックは、二次電池と、前記二次電池を充電するための一定の充電用電圧を受電する接続端子と、前記接続端子により受電される充電用電圧を前記二次電池に印加する電圧印加期間と、前記接続端子により受電される充電用電圧に基づき予め設定された制限電流を前記二次電池に供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御部とを備える。
この構成によれば、定電圧充電を行う充電装置を用いて充電を行った場合に、パルス充電制御部によって、接続端子により受電される充電用電圧を二次電池に印加する電圧印加期間と、二次電池に予め設定された制限電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電が行われるので、パルス充電の実行中に二次電池の充電電流がゼロにされることがなく、従って、充電装置側で誤って満充電が検出されて充電電圧の供給が停止されるおそれが低減される結果、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる。
また、前記二次電池は、複数のセルが直列接続されたものであり、前記複数のセルの各端子電圧を検出する電池電圧検出部と、前記パルス充電の実行中に、前記電流制限期間の開始から所定の第1の時間経過する前に前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が、予め設定された満充電判定電圧値を下回る場合に、満充電ではない判定して前記パルス充電制御部による前記パルス充電を継続させ、前記電流制限期間の開始から、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を下回ることなく、前記第1の時間が経過した場合に、満充電と判定して前記パルス充電制御部によるパルス充電を停止させるパルス充電停止制御部とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、パルス充電停止制御部によって、前記電流制限期間の開始から、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を下回ることなく、前記第1の時間が経過した場合に、満充電と判定され、パルス充電制御部によるパルス充電が停止されるので、直列接続された複数のセルのうち最も劣化が進んで端子電圧が高くなったセルの端子電圧に基づき満充電を検出してパルス充電を停止させることができる結果、劣化が進んだセルに他のセルより高い電圧が印加されて劣化がさらに促進されることが低減される。
また、前記二次電池に流れる電流を検出する電流検出部と、前記パルス充電の前に、前記接続端子により受電される充電用電圧を前記二次電池に印加することにより定電圧充電を実行し、前記定電圧充電の実行中に前記電流検出部により検出される電流が二次電池の満充電を判定するための電流値として予め設定された満充電判定電流値に満たない場合、満充電と判定して前記二次電池の充電を終了し、前記定電圧充電の実行中に前記電流検出部により検出される電流が前記満充電判定電流値を下回る前に、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が、予め設定されたパルス充電判定電圧値を超えると、前記パルス充電制御部により前記パルス充電を開始させる定電圧充電制御部とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、定電圧充電制御部によって、接続端子により受電される充電用電圧が前記二次電池に印加されることにより定電圧充電が行われる。また、定電圧充電制御部によって、電流検出部により検出される電流が満充電判定電流値に満たない場合、満充電と判定されて充電が終了する。そして、電流検出部により検出される電流が満充電判定電流値を下回る前に、電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧がパルス充電判定電圧値を超えると、パルス充電制御部によりパルス充電が開始される。この場合、複数のセルの端子電圧が略均一であって、各セルの端子電圧のばらつきが小さく抑えられていれば、各端子電圧のうち最大の電圧がパルス充電判定電圧値を超える前に、電流検出部により検出される電流すなわち充電電流が、満充電判定電流値を下回る結果、パルス充電を開始することなく定電圧充電により二次電池を充電することができる。一方、一部のセルが劣化して、劣化したセルの端子電圧が増大すると、電流検出部により検出される電流が満充電判定電流値を下回る前に電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧がパルス充電判定電圧値を超える結果、パルス充電制御部によりパルス充電が開始される。そして、上述したように、直列接続された複数のセルのうち最も劣化が進んで端子電圧が高くなったセルの端子電圧に基づき満充電を検出してパルス充電を停止させることができる結果、劣化が進んだセルに他のセルより高い電圧が印加されて劣化がさらに促進されることが低減される。
また、前記定電圧充電制御部は、前記定電圧充電の実行中に、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を超え、かつ前記電流検出部により検出される電流が前記満充電判定電流値に満たない状態が、予め設定された第2の時間を超えて継続した場合に満充電と判定して前記定電圧充電を停止することが好ましい。
この構成によれば、電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を超え、かつ電流検出部により検出される電流が満充電判定電流値に満たない状態が、第2の時間を超えて継続しなければ満充電と判定されないので、満充電を判定する際の確実性を向上させることができる。
また、前記二次電池は、非飽和領域で動作可能なスイッチング素子を介して前記接続端子と接続され、前記パルス充電制御部は、前記スイッチング素子をオンさせることにより前記充電用電圧を前記二次電池に印加し、前記スイッチング素子を非飽和領域で動作させることにより前記二次電池に予め設定された制限電流を供給することが好ましい。
この構成によれば、スイッチング素子をオンさせることにより充電用電圧が二次電池に印加される。そして、スイッチング素子を非飽和領域で動作させることにより二次電池に制限電流を供給することができるので、二次電池に制限電流を供給するために、別途定電流回路を設ける必要がなく、回路を簡素化することができる。
また、前記パルス充電制御部は、前記スイッチング素子の動作を制御するための制御信号のデューティ比を調節することにより、前記スイッチング素子によって前記二次電池へ前記制限電流を供給させることが好ましい。この構成によれば、スイッチング素子の動作を制御するための制御信号のデューティ比を調節することにより、スイッチング素子を非飽和領域で動作させて二次電池へ制限電流を供給することができるので、スイッチング素子の出力電流を調節する制御信号としてアナログ電圧を生成する必要がなく、回路を簡素化することができる。
また、本発明に係る充電システムは、上述の電池パックと当該電池パックを充電する充電装置とを備える充電システムであって、前記充電装置は、前記接続端子に接続される出力端子と、前記出力端子へ、予め設定された一定の充電用電圧を印加することによって前記電池パックを充電する定電圧充電部と、前記出力端子から前記電池パックへ流れる電流が、前記制限電流より小さい電流値に設定された判定閾値以下になった場合、満充電と判定して前記定電圧充電部による充電を停止させる充電制御部とを備える。
この構成によれば、定電圧充電部によって、電池パックの接続端子に、出力端子を介して一定の充電用電圧が印加される。また、電池パックにおけるパルス充電制御部によって、接続端子により受電される充電用電圧を二次電池に印加する電圧印加期間と、二次電池に予め設定された制限電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電が行われる。そして、充電装置における充電制御部によって、出力端子から電池パックへ流れる電流が、判定閾値以下になった場合、満充電と判定されて定電圧充電部による充電が停止される。この場合、判定閾値は、制限電流より小さい電流値に設定されているので、電池パックにおけるパルス充電制御部によってパルス充電が行われても、二次電池の充電電流が判定閾値以下になることがなく、充電装置側で誤って満充電が検出されて充電電圧の供給が停止されることがない結果、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる。
また、本発明に係る充電方法は、予め設定された一定の充電用電圧を印加することによって、二次電池を収納する電池パックを充電する定電圧充電工程と、前記電池パックに流れる電流が、予め設定された判定閾値以下になった場合、満充電と判定して前記充電用電圧の印加を停止させる定電圧充電停止工程と、前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出工程と、前記充電用電圧を前記二次電池に印加する電圧印加期間と前記二次電池に前記判定閾値より大きい電流値に設定された制限電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電工程とを備える。
この構成によれば、充電装置によって、二次電池を収納する電池パックが一定の充電用電圧によって定電圧充電され、電池パックに流れる電流が判定閾値以下になった場合、満充電と判定されて充電用電圧の印加が停止される。また、充電用電圧を二次電池に印加する電圧印加期間と二次電池に判定閾値より大きい電流値に設定された制限電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電が行われるので、電池パックにおいてパルス充電が行われても、二次電池の充電電流が判定閾値以下になることがなく、誤って満充電と判定されて充電電圧の供給が停止されることがない結果、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる。
このような構成の電池パック、充電システム、及び充電方法は、充電用電圧を二次電池に印加する電圧印加期間と、二次電池に予め設定された制限電流を供給する電流制限期間とが交互に繰り返されるによりパルス充電が行われるので、パルス充電の実行中に二次電池の充電電流がゼロにされることがなく、従って、充電装置側で誤って満充電が検出されて充電電圧の供給が停止されるおそれが低減される結果、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る充電方法を用いた充電システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す充電システム1は、電池パック2と、電池パック2を充電する充電装置3とを備えている。なお、充電装置3は、例えば携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等種々の電子機器に内蔵されるものであってもよい。
電池パック2は、電池ブロック21、制御部22、A/D変換器23(電池電圧検出部)、電流検出部24、スイッチング素子25、抵抗26、及び接続端子27,28を備えている。充電装置3は、電源回路31(定電圧充電部)、電流検出部32、電圧検出部36、CCCV充電制御部33(充電制御部)、及び出力端子34,35を備えている。そして、接続端子27,28と、出力端子34,35とが接続されることにより、充電システム1が構成される。
電源回路31は、例えばスイッチング電源回路が用いられ、CCCV充電制御部33からの制御信号に応じた電圧Voutを、電流検出部32を介して出力端子34と出力端子35との間に出力する。電流検出部32は、充電装置3から電池パック2へ流れる電流Ioutを検出する。電流検出部32としては、例えばシャント抵抗やホール素子等の電流センサが用いられる。電圧検出部36は、出力端子34と出力端子35との間の電圧Voutを検出する。電圧検出部36としては、例えばA/D変換器が用いられる。
CCCV充電制御部33は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されており、電流検出部32により検出された電流値に応じて電源回路31の出力電圧Voutを制御することによって、出力端子34,35に接続された電池パック2をCCCV充電により充電する。
電池パック2では、接続端子27は、スイッチング素子25、電池ブロック21(二次電池)、及び電流検出部24を介して接続端子28と接続されている。電池ブロック21は、複数の電池(セル)211,212,213が直列接続されて構成されている。電池211,212,213は、二次電池、例えばリチウムイオン二次電池である。
電池211,212,213の各端子電圧は、A/D変換器23によってデジタル信号に変換されて制御部22へ出力される。電流検出部24は、電池ブロック21に流れる電流Ioutを検出する。電流検出部24としては、例えばシャント抵抗やホール素子等の電流センサが用いられる。
スイッチング素子25は、例えばFET(Field Effect Transistor)が用いられる。そして、スイッチング素子25のゲート端子は、抵抗26を介して制御部22の信号出力端子に接続されている。図2は、FETのゲート−ソース間電圧Vgsと、FETのオン抵抗Ronとの関係の一例を示したグラフである。横軸がゲート−ソース間電圧Vgs、縦軸がFETのオン抵抗Ronを示している。図2に示すように、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定の電圧、例えば7Vを超えると、オン抵抗Ronが非常に小さくなってFETがオン状態となると共に、これ以上ゲート−ソース間電圧Vgsが増大してもオン抵抗Ronが小さくならない飽和領域となる。一方、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定の電圧、例えば2.5V以下になると、オン抵抗Ronが非常に大きくなってFETがオフ状態となると共に、これ以上ゲート−ソース間電圧Vgsが低下してもオン抵抗Ronが大きくならない飽和領域となる。
そして、ゲート−ソース間電圧Vgsが2.5Vを超えて7Vに満たない範囲では、ゲート−ソース間電圧Vgsが大きくなるほどオン抵抗Ronが小さくなる非飽和領域となる。従って、スイッチング素子25のゲート電圧を非飽和領域で制御することにより、スイッチング素子25のオン抵抗Ronを調節することができる。
なお、スイッチング素子25は、FETに限られず、例えばバイボーラトランジスタやアナログスイッチ等の半導体スイッチング素子を用いることができる。
制御部22は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、タイマ回路やこれらの周辺回路等とを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、定電圧充電制御部221、パルス充電制御部222、パルス充電停止制御部223、PWM制御部224、及び電圧最大値取得部225として機能する。
電圧最大値取得部225は、A/D変換器23から出力された電池211,212,213の各端子電圧のうち、最大の電圧を最大電圧Vmaxとして定電圧充電制御部221、パルス充電制御部222、及びパルス充電停止制御部223へ出力する。
定電圧充電制御部221は、スイッチング素子25をオンして充電装置3により接続端子27,28に印加される充電用電圧を電池ブロック21に印加することにより定電圧充電を行い、電流検出部24により検出される電流が電池ブロック21の満充電を判定するための電流値として予め設定された満充電判定電流値Ithに満たなくなった場合、満充電と判定してスイッチング素子25をオフすることにより定電圧充電を停止し、電流検出部24により検出される電流が満充電判定電流値Ithを下回る前に、電圧最大値取得部225から出力される検出電圧が予め設定されたパルス充電判定電圧値Vthpを超えると、パルス充電制御部222によりパルス充電を開始させる。
PWM制御部224は、パルス充電制御部222からの制御信号に応じたデューティ比を有する制御信号S1を、抵抗26を介してスイッチング素子25のゲートへ出力する。そうすると、PWM制御部224から出力された制御信号S1は、抵抗26とスイッチング素子25のゲート容量とで平滑されるので、スイッチング素子25のゲートには、制御信号S1のデューティ比に応じた電圧が印加される。これにより、パルス充電制御部222は、PWM制御部224によって、制御信号S1のデューティ比を調節させることにより、図2に示すFETの非飽和領域においてスイッチング素子25のオン抵抗Ronを調節することで、電池ブロック21に流れる充電電流を調節することが可能となる。
この場合、例えばPWM制御部224の代わりにD/A変換器を用いてスイッチング素子25のオン抵抗Ronを調節するようにしてもよく、PWM制御部224及びスイッチング素子25の代わりに定電流回路を用いて充電電流を調節するようにしてもよいが、PWM制御部224及びスイッチング素子25を用いて充電電流を調節することにより、簡素な回路で電池ブロック21の充電電流を調節することが可能となる。
パルス充電制御部222は、スイッチング素子25をオンして接続端子27,28により受電される充電用電圧を電池ブロック21へ印加する電圧印加期間と、PWM制御部224及びスイッチング素子25によって予め設定された制限電流を電池ブロック21へ供給させる電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行う。
パルス充電停止制御部223は、パルス充電制御部222によりパルス充電が行われている際に、電流制限期間の開始から所定の時間T1(第1の時間)経過したときに電圧最大値取得部225から出力される検出電圧が、予め設定された満充電判定電圧値Vthを超えている場合に、満充電と判定してパルス充電制御部222によるパルス充電を停止させ、スイッチング素子25をオフさせる。
次に、上述のように構成された充電システム1の動作について説明する。まず、電池ブロック21内の電池211,212,213のバランスがとれており、電池211,212,213の端子電圧が均一になっている場合について説明する。図3は、電池211,212,213の端子電圧が均一になっている場合における充電装置3の動作を説明するための説明図である。図4、図5は、電池パック2の動作を説明するためのフローチャートである。図6は、電池211,212,213の端子電圧が均一になっている場合における電池パック2の動作を説明するための説明図である。
まず、図3に示すように、充電装置3におけるCCCV充電制御部33によって、定電流(CC)充電が開始される。具体的には、例えば、CCCV充電制御部33は、電流検出部32によって検出される電流Ioutの電流値を監視しながら電流Ioutが、予め設定された定電流充電のための電流値I1になるように、電源回路31の出力電圧Voutを調節することで、電源回路31から出力端子34,35を介して電池パック2の接続端子27,28間に電流値I1の電流Ioutを供給させる。
一方、電池パック2では、充電装置3から電流値I1の電流が供給されると、図略の電源回路によって制御部22へ動作用電源電圧が供給され、制御部22が図4に示す動作を開始する。そうすると、制御部22からの制御信号に応じてスイッチング素子25がオンされ(ステップST1)、電源回路31の正極端子から、電流検出部32、出力端子34、接続端子27、スイッチング素子25、電池ブロック21、電流検出部24、接続端子28、出力端子35を介して電源回路31の負極端子に至る閉回路が形成されて、電池ブロック21が電流値I1の電流Ioutにより充電され、図3に示すように、電源回路31の出力電圧Vout、すなわち電池ブロック21の端子電圧が徐々に増大する。
そして、電圧検出部36により検出される電圧Voutが、定電圧(CV)充電への移行を判定するための電圧V1に達すると、CCCV充電制御部33は、定電圧充電動作に移行して、電源回路31によって出力端子34,35間に一定の電圧V1の出力電圧Voutを出力させる(図3のタイミングt1)。そうすると、電流Ioutは、電池ブロック21の充電が進むにつれて徐々に低下する。この場合、電圧V1は、電池211,212,213がリチウムイオン二次電池であった場合、電池一つあたり例えば4.2Vになるように設定されている。すなわち、定電圧充電時には、出力電圧Voutは、4.2V×3=12.6Vにされている。
そうすると、電池211,212,213のバランスがとれており、電池211,212,213の端子電圧が均一になっている場合には、電池211,212,213それぞれに4.2Vづつ電圧が印加され、電池211,212,213は、それぞれ4.2Vの定電圧で充電される。このとき、電池211,212,213のうち一部、例えば電池211だけ劣化が進んで内部抵抗が増大していた場合、劣化の進んでいる電池211の端子電圧が他の電池より高くなり、例えば4.4Vとなって4.3Vを超えることとなる。そうすると、電池211,212,213の端子電圧の合計が12.6Vにされるから、残りの電池212,213の端子電圧は、例えばそれぞれ4.1Vとなって4.2Vに満たない電圧で充電されることとなる。
一方、電池パック2では、電池211,212,213の各端子電圧がA/D変換器23によって検出され、電圧最大値取得部225へ出力される。そして、電圧最大値取得部225によって、電池211,212,213の各端子電圧のうち最大のものが最大電圧Vmaxとして定電圧充電制御部221、パルス充電制御部222、及びパルス充電停止制御部223へ出力される。
さらに、定電圧充電制御部221によって、パルス充電判定電圧値Vthpと、電圧最大値取得部225から出力された最大電圧Vmaxとが比較される(ステップST2)。パルス充電判定電圧値Vthpは、定電圧充電における電池一つあたりの電圧である4.2Vより高い電圧、例えば4.3Vに設定されている。そうすると、電池211,212,213のバランスがとれており、各電池の端子電圧が4.2Vずつになっている場合には、図6に示すように、電池211,212,213の各端子電圧の最大値である最大電圧Vmaxもまた、4.2Vとなってパルス充電判定電圧値Vthp以下となる(ステップST2でNO)ので、パルス充電を開始することなくステップST3へ移行する。
次に、ステップST3において、定電圧充電制御部221によって、満充電判定電流値Ithと、電流検出部24によって検出された電流Ioutとが比較される(ステップST3)。そして、電流Ioutが満充電判定電流値Ith以上であれば(ステップST3でNO)、後述するステップST7から計時を開始する例えば図略のタイマ回路を用いて構成されたタイマAの計時値を初期化(ステップST4)して、再びステップST2へ移行する。
一方、電流Ioutが満充電判定電流値Ithに満たなければ(ステップST3でYES)、さらに、定電圧充電制御部221によって、満充電判定電圧値Vthと、電圧最大値取得部225から出力された最大電圧Vmaxとが比較され(ステップST5)、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vth以下であれば(ステップST5でNO)、後述するタイマAの計時値を初期化して(ステップST6)再びステップST2へ移行する一方、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vthを超えていれば(ステップST5でYES)、タイマAによる計時が開始される(ステップST7、図6のタイミングt2)。
次に、定電圧充電制御部221によって、タイマAの計時値が確認され(ステップST8)、タイマAの計時値が予め設定された時間T2(第2の時間)、例えば60秒以下であれば再びステップST2へ移行する(ステップST8でNO)。一方、タイマAの計時値が時間T2を超えて、すなわち電圧最大値取得部225から出力された最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vthを超え、かつ電流検出部24により検出される電流Ioutが満充電判定電流値Ithに満たない状態が時間T2を超えて継続した場合(ステップST8でYES、図6のタイミングt3)、定電圧充電制御部221によって、満充電と判定されてスイッチング素子25がオフされ(ステップST9、図3のタイミングt4)、電池ブロック21の充電が終了する。
そして、スイッチング素子25がオフされると、充電装置3において電流検出部32によって検出される電流Ioutが満充電を判定するために予め設定された判定閾値I2以下になり、CCCV充電制御部33によって電源回路31の出力電圧がゼロにされて電池パック2の充電が終了する。満充電判定電流値Ithは、定電圧充電制御部221によって、満充電と判定されてスイッチング素子25がオフ(ステップST9)される前に充電装置3によって充電が終了されてしまうことを避けるために、判定閾値I2より大きな電流値に設定されている。
次に、電池ブロック21の一部の電池が劣化する等して電池211,212,213のバランスが崩れており、電池211,212,213の端子電圧が均一になっていない場合について説明する。図7は、電池211,212,213の端子電圧が均一になっていない場合における充電装置3の動作を説明するための説明図である。図8は、電池ブロック21の一部の電池が劣化する等して各電池の端子電圧が均一になっていない場合における電池パック2の動作を説明するための説明図である。
まず、図7に示すように、上述の場合と同様、CCCV充電制御部33によって、定電流充電が実行され、制御部22からの制御信号に応じてスイッチング素子25がオンされ(ステップST1)、電池ブロック21が電流値I1の電流Ioutにより充電され、図7に示すように、電源回路31の出力電圧Vout、すなわち電池ブロック21の端子電圧が徐々に増大する。電圧Voutが電圧V1に達すると、CCCV充電制御部33は、定電圧充電動作に移行して電源回路31によって出力端子34,35間に一定の電圧V1、例えば12.6Vの出力電圧Voutを出力させる(図7のタイミングt11)。そうすると、電流Ioutは、電池ブロック21の充電が進むにつれて徐々に低下する。
一方、電池パック2では、電池211,212,213の各端子電圧がA/D変換器23によって検出され、電圧最大値取得部225へ出力される。そして、電池211,212,213のうち一部、例えば電池211だけ劣化が進んで内部抵抗が増大していた場合、劣化の進んでいる電池211の端子電圧が他の電池より高くなるので、電圧最大値取得部225によって、電池211の端子電圧が最大電圧Vmaxとして取得され、定電圧充電制御部221、パルス充電制御部222、及びパルス充電停止制御部223へ出力される。
そうすると、定電圧充電制御部221によってパルス充電判定電圧値Vthpと最大電圧Vmaxとが比較され(ステップST2)、最大電圧Vmax、すなわち電池211の端子電圧が、電流検出部24により検出される電流Ioutが満充電判定電流値Ithを下回る前(ステップST3でYESになる前)に、パルス充電判定電圧値Vthpを超えると(ステップST2でYES、図8のタイミングt12)、パルス充電制御部222によりパルス充電が開始される(ステップST10)。
図5は、パルス充電制御部222によるパルス充電処理の一例を示すフローチャートである。まず、パルス充電制御部222からの制御信号に応じて、PWM制御部224から、所定のデューティ比に設定された制御信号S1が抵抗26を介してスイッチング素子25へ出力され、スイッチング素子25のオン抵抗Ronが所定の抵抗値に設定されることで電池ブロック21に流れる電流Ioutが満充電判定電流値Ithと一致するように調節される。具体的には、例えば、パルス充電制御部222は、電流検出部24により検出された電流Ioutを監視しつつ、電流Ioutが満充電判定電流値Ithと一致するように、PWM制御部224により制御信号S1のデューティ比を変化させてスイッチング素子25のオン抵抗を調節することで、電池ブロック21に流れる電流Ioutを満充電判定電流値Ithと一致させる(ステップST101)。
この場合、満充電判定電流値Ithの電流が、請求項における制限電流の一例に相当している。なお、ステップST3において満充電の検出に用いられる満充電判定電流値Ithと、制限電流とを同一の電流値に設定する例を示したが、異なる電流値としてもよい。
ステップST101において、もし電流Ioutを満充電判定電流値Ithと一致させることができず、電流Ioutが満充電判定電流値Ithに満たなければ(ステップST102でNO)、すでに満充電状態に達していると考えられるので、後述するステップST106で計時を開始する例えば図略のタイマ回路を用いて構成されたタイマBの計時値を初期化(ステップST103)した後、ステップST3へ移行する。そうすると、ステップST3〜ST9の処理により、充電処理が終了する。
一方、電流Ioutが満充電判定電流値Ith以上であれば(ステップST102でYES)、さらに、パルス充電制御部222によって、満充電判定電圧値Vthと、電圧最大値取得部225から出力された最大電圧Vmaxとが比較され(ステップST104)、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vthを超えていれば(ステップST104でYES、図8のタイミングt13)、タイマBによる計時が開始され(ステップST106)、タイマBの計時値が予め設定された時間T1(第1の時間)、例えば時間T1より短い30秒経過するまで(ステップST107でNO)、ステップST101,ST102,ST104,ST106,ST107のループを繰り返す。そして、時間T1が経過する前に、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vth以下になれば(ステップST104でNO、図8のタイミングt14)、パルス充電制御部222によってスイッチング素子25がオンされ(ステップST105)、タイマBの計時値を初期化(ステップST103)した後、ステップST3へ移行する。
そして、再び定電圧充電制御部221によってパルス充電判定電圧値Vthpと最大電圧Vmaxとが比較され(ステップST2)、最大電圧Vmaxがパルス充電判定電圧値Vthpを超えると(ステップST2でYES、図8のタイミングt15)、ステップST101へ移行してパルス充電制御部222により、再びステップST101〜ST107の動作が行われてパルス充電が実行され、時間T1が経過する前に、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vth以下になる間(ステップST104でNO、図8のタイミングt16,t17)、スイッチング素子25をオンして接続端子27,28により受電される充電用電圧Voutを電池ブロック21に印加する電圧印加期間と電池ブロック21に満充電判定電流値Ithを供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電が行われる。
この場合、図7に示すように、パルス充電の実行中に、電流Ioutが判定閾値I2以下となることがないので、充電装置3から供給される電圧Voutに基づき、充電装置3のCV充電動作を停止させることなく電池パック2側でパルス充電を行うことができる。
そして、時間T1が経過した際に、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vthを超えていると(ステップST104でNO、ステップST107でYES、図8のタイミングt18)、パルス充電停止制御部223によって、電池211,212,213のうち、最も端子電圧の高い電池が満充電になったものと判定されて、スイッチング素子25がオフされ(ステップST108)、パルス充電動作を終了する。
さらに、スイッチング素子25がオフされると、充電装置3において電流検出部32によって検出される電流Ioutが満充電を判定するために予め設定された判定閾値I2以下になり、CCCV充電制御部33によって電源回路31の出力電圧がゼロにされて電池パック2の充電が終了する。
以上、電池211,212,213のバランスがとれており、電池211,212,213の端子電圧が均一になっている場合には、充電装置3から出力された電圧Voutが電池211,212,213に均一に印加され、電池211,212,213に例えば4.2Vずつ印加される。この場合、ステップST3において、電流Ioutが満充電判定電流値Ithに満たないレベルまで低下することで、定電圧充電の終了が判定されるので、電池211,212,213に均一な充電電圧、例えば4.2Vずつ印加される状態のまま、満充電を検出して電池211,212,213の充電を終了することができる。
一方、電池ブロック21の一部の電池が劣化する等して電池211,212,213のバランスが崩れており、電池211,212,213の端子電圧が均一になっていない場合、背景技術に係るCCCV充電方式のように、定電圧充電によって、複数の電池211,212,213が直列接続された電池ブロック21の両端に各電池の定格電圧、例えば4.2Vに電池の個数を乗じた電圧を印加して、流れる充電電流が所定の判定値以下に減少すると二次電池が満充電になったものと判定して充電を終了するようにした場合には、劣化が進んだ電池ほど内部抵抗が増大しているために、劣化が進んだ電池に印加される電圧が他の電池より増大し、各電池に例えば4.4V、4.1V、4.1Vや、4.6V、4.0V、4.0Vのように電圧が印加される。
そうすると、劣化が進んだ電池は、定格電圧を超える電圧が印加されて過電圧、過充電状態になることによりさらに劣化が促進される結果、ますます劣化した電池に対する印加電圧が増大して過電圧、過充電状態が促進される。そのため、背景技術に係るCCCV充電や定電圧充電によって、一部の電池が劣化した電池ブロック21を満充電になるまで定電圧充電すると、図9(a)に示すように、一部の電池が劣化した後、劣化した電池はますます劣化が促進されて、電池容量が急激に低下してしまうという問題があった。
他方、図1に示す電池パック2は、定電圧充電を行っている際に、電池211,212,213の各端子電圧の最大値、すなわち最も劣化の進んでいる電池の端子電圧である最大電圧Vmaxが、定格電圧より高い、例えば4.3Vに設定されているパルス充電判定電圧値Vthpを超えると(ステップST2でYES)、パルス充電制御部222によりパルス充電が開始されるようになっている。もし、電池211,212,213の端子電圧が均一であれば、最大電圧Vmaxは、定格電圧より高いパルス充電判定電圧値Vthpを超えることはないから、ステップST2において、最大電圧Vmaxがパルス充電判定電圧値Vthpを超えることは、一部の電池の劣化が進んで当該電池の端子電圧が他の電池より増大していることを示している。従って、ステップST2において最大電圧Vmaxがパルス充電判定電圧値Vthpを超えることを検出することにより、一部の電池で劣化が進んでいることを検出することが出来る。
図1に示す電池パック2では、このようにして一部の電池で劣化が進んでいることを検出すると(ステップST2でYES)、定電圧充電からパルス充電に切り替えて、スイッチング素子25をオンして接続端子27,28により受電される充電用電圧Voutを電池ブロック21に印加する電圧印加期間と電池ブロック21に満充電判定電流値Ithを供給する電流制限期間とを交互に繰り返す。そして、電流制限期間の開始から時間T1経過した際に、最大電圧Vmaxが満充電判定電圧値Vthを超えていると(ステップST104でNO、ステップST107でYES、図8のタイミングt18)、パルス充電停止制御部223によって、電池211,212,213のうち、最も端子電圧の高い電池、すなわち最も劣化が進んだ電池が満充電になったものと判定されて、スイッチング素子25がオフされ(ステップST108)、充電動作を終了するので、最も劣化の進んだ電池の満充電にあわせて充電を終了することができ、過充電により最も劣化の進んだ電池の劣化をさらに促進してしまうことが低減できる。
そのため、図1に示す電池パック2では、図9(b)に示すように、背景技術に係るCCCV充電や定電圧充電によって一部の電池が劣化した電池ブロック21を満充電になるまで定電圧充電した場合(図9(a))と比較して、一部の電池が劣化した後、電池容量の低下が緩やかになる。
また、パルス充電動作中においても、最も劣化の進んだ電池の端子電圧を示す最大電圧Vmaxが、パルス充電判定電圧値Vthpを超えると(ステップST2でYES)、電流Ioutが満充電判定電流値Ithに制限されて(ステップST101)最も劣化の進んだ電池の端子電圧が低減されるので、最も劣化の進んだ電池の端子電圧がパルス充電判定電圧値Vthpを超えることが抑制され、過電圧により最も劣化の進んだ電池の劣化をさらに促進してしまうことが低減できる。
さらに、パルス充電動作において、ステップST2,ST3,ST101〜ST107を繰り返すことにより、スイッチング素子25をオンして接続端子27,28により受電される充電用電圧Voutを電池ブロック21に印加する電圧印加期間と電池ブロック21に満充電判定電流値Ithを供給する電流制限期間とを交互に繰り返すので、スイッチング素子25をオフさせることなく、従って電流Ioutが判定閾値I2以下になることがない結果、電池パック2によるパルス充電動作中にCCCV充電制御部33によって電源回路31の出力電圧がゼロにされて、パルス充電を実行できなくなることが抑制される。これにより、充電装置3の充電動作を停止させることなく電池パック2側でパルス充電を行うことができる。
ここで、パルス充電の満充電の判定は、充電パルスをオフしてから一定時間経過後、すなわち充電パルスのピーク電圧より低下した状態の電池の端子電圧が、満充電判定電圧値、例えば4.2Vを超えていることを検出することによって行われる。そのため、背景技術のように複数の電池におけるバランスと無関係にパルス充電を実行し、各電池を定格電圧、例えば4.2Vまで充電しようとすると、各電池のバランスがとれている場合には、満充電の判定が充電パルスのピーク値より端子電圧が低下した状態で行われるため、充電パルスのピーク値を定格電圧、例えば4.2Vより高い4.3V程度に高めておかないと、端子電圧が4.2Vに達したことを検出して充電を終了することができない。そのため、背景技術に係るパルス充電のみを用いてバランスがとれた複数の電池を充電する場合には、各電池に印加されるパルス充電のピーク値を定格電圧より高い電圧にしなければならないために、電池を劣化させてしまうという問題があった。
一方、図2に示す電池パック2では、一部の電池で劣化が進んでいることが検出されなければ(ステップST2でNO)、パルス充電に移行することなく定電圧充電のまま充電を終了することができる(ステップST3でYES、ステップST5でYES、ステップST8でYES)ので、定格電圧より高い電圧を各電池に印加することを低減して電池の劣化を低減することが出来る。
なお、充電装置3は、CCCV充電を行う例を示したが、充電装置3は、定電圧(CV)充電のみ行う充電装置であってもよい。また、電池パック2は、充電装置3から供給される定電圧充電用の電圧Voutに基づき、電池パック2側で定電圧充電とパルス充電とを組み合わせた充電制御を行うことにより、背景技術に係る定電圧充電のみ、あるいはパルス充電のみを用いて充電を行う場合と比較して、電池211,212,213の劣化が促進されることを低減する例を示したが、電池の劣化を低減するものに限られず、充電装置から出力された充電電圧に基づいて、充電装置の充電動作を停止させることなく電池パック側でパルス充電を行うことができるものであればよい。
例えばステップST2で、パルス充電判定電圧値Vthpの代わりに充電装置3が定電圧充電へ移行する電圧V1を用いることで、充電時間の長い定電圧充電の代わりに電池パック2側でパルス充電を行うことで、充電時間を短縮するものであってもよい。定電圧(CV)充電のみ行う充電装置を用いて、ステップST2で無条件でパルス充電を開始(ステップST10)することで、充電時間を短縮するものであってもよい。また、電池パック2は、複数の電池が直列接続された電池ブロックを備えるものに限られず、電池を一つだけ備えたものであってもよい。
本発明は、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、等の電池搭載装置の電源として用いられる電池パック、及びこのような電池パックを充電する電池システムに利用することができる。
1 電池システム
2 電池パック
3 充電装置
21 電池ブロック
22 制御部
23 A/D変換器
24 電流検出部
25 スイッチング素子
26 抵抗
27,28 接続端子
31 電源回路
32 電流検出部
33 CCCV充電制御部
34,35 出力端子
36 電圧検出部
211,212,213 電池
221 定電圧充電制御部
222 パルス充電制御部
223 パルス充電停止制御部
224 PWM制御部
225 電圧最大値取得部
Vth 満充電判定電圧値
Ith 満充電判定電流値
Vthp パルス充電判定電圧値
I2 判定閾値
2 電池パック
3 充電装置
21 電池ブロック
22 制御部
23 A/D変換器
24 電流検出部
25 スイッチング素子
26 抵抗
27,28 接続端子
31 電源回路
32 電流検出部
33 CCCV充電制御部
34,35 出力端子
36 電圧検出部
211,212,213 電池
221 定電圧充電制御部
222 パルス充電制御部
223 パルス充電停止制御部
224 PWM制御部
225 電圧最大値取得部
Vth 満充電判定電圧値
Ith 満充電判定電流値
Vthp パルス充電判定電圧値
I2 判定閾値
Claims (8)
- 二次電池と、
前記二次電池を充電するための一定の充電用電圧を受電する接続端子と、
前記接続端子により受電される充電用電圧を前記二次電池に印加する電圧印加期間と、前記接続端子により受電される充電用電圧に基づき予め設定された制限電流を前記二次電池に供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電制御部と
を備えることを特徴とする電池パック。 - 前記二次電池は、複数のセルが直列接続されたものであり、
前記複数のセルの各端子電圧を検出する電池電圧検出部と、
前記パルス充電の実行中に、前記電流制限期間の開始から所定の第1の時間経過する前に前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が、予め設定された満充電判定電圧値を下回る場合に、満充電ではない判定して前記パルス充電制御部による前記パルス充電を継続させ、前記電流制限期間の開始から、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を下回ることなく、前記第1の時間が経過した場合に、満充電と判定して前記パルス充電制御部によるパルス充電を停止させるパルス充電停止制御部とをさらに備えること
を特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 前記二次電池に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記パルス充電の前に、前記接続端子により受電される充電用電圧を前記二次電池に印加することにより定電圧充電を実行し、前記定電圧充電の実行中に前記電流検出部により検出される電流が二次電池の満充電を判定するための電流値として予め設定された満充電判定電流値に満たない場合、満充電と判定して前記二次電池の充電を終了し、前記定電圧充電の実行中に前記電流検出部により検出される電流が前記満充電判定電流値を下回る前に、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が、予め設定されたパルス充電判定電圧値を超えると、前記パルス充電制御部により前記パルス充電を開始させる定電圧充電制御部とをさらに備えること
を特徴とする請求項2記載の電池パック。 - 前記定電圧充電制御部は、前記定電圧充電の実行中に、前記電池電圧検出部により検出される各端子電圧のうち最大の電圧が前記満充電判定電圧値を超え、かつ前記電流検出部により検出される電流が前記満充電判定電流値に満たない状態が、予め設定された第2の時間を超えて継続した場合に満充電と判定して前記定電圧充電を停止すること
を特徴とする請求項3記載の電池パック。 - 前記二次電池は、非飽和領域で動作可能なスイッチング素子を介して前記接続端子と接続され、
前記パルス充電制御部は、前記スイッチング素子をオンさせることにより前記充電用電圧を前記二次電池に印加し、前記スイッチング素子を非飽和領域で動作させることにより前記二次電池に予め設定された制限電流を供給すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池パック。 - 前記パルス充電制御部は、
前記スイッチング素子の動作を制御するための制御信号のデューティ比を調節することにより、前記スイッチング素子によって前記二次電池へ前記制限電流を供給させること
を特徴とする請求項5記載の電池パック。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池パックと当該電池パックを充電する充電装置とを備える充電システムであって、
前記充電装置は、
前記接続端子に接続される出力端子と、
前記出力端子へ、予め設定された一定の充電用電圧を印加することによって前記電池パックを充電する定電圧充電部と、
前記出力端子から前記電池パックへ流れる電流が、前記制限電流より小さい電流値に設定された判定閾値以下になった場合、満充電と判定して前記定電圧充電部による充電を停止させる充電制御部とを備えること
を特徴とする充電システム。 - 予め設定された一定の充電用電圧を印加することによって、二次電池を収納する電池パックを充電する定電圧充電工程と、
前記電池パックに流れる電流が、予め設定された判定閾値以下になった場合、満充電と判定して前記充電用電圧の印加を停止させる定電圧充電停止工程と、
前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出工程と、
前記充電用電圧を前記二次電池に印加する電圧印加期間と前記二次電池に前記判定閾値より大きい電流値に設定された制限電流を供給する電流制限期間とを交互に繰り返すことによりパルス充電を行うパルス充電工程と
を備えることを特徴とする充電方法。
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JP2006290115A JP2008108567A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 電池パック、充電システム、及び充電方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014117052A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Hitachi Koki Co Ltd | 充電装置 |
-
2006
- 2006-10-25 JP JP2006290115A patent/JP2008108567A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014117052A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Hitachi Koki Co Ltd | 充電装置 |
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