JP2008108543A - ガス拡散層および膜電極接合体並びに燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層および膜電極接合体並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池を構成する触媒層において、不要な水分を適切に排出することかできる燃料電池に用いられるガス拡散層および膜電極接合体、並びに、これらを備えてなる燃料電池を提供する。
【解決手段】繊維状の構造体からなる燃料電池用のガス拡散層20において、繊維状の構造体21は、ガス拡散層20に含まれる水分量に応じて目開き度合いを変化させる吸水性ポリマー23を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に用いられるガス拡散層および膜電極接合体、並びに、これらを備えてなる燃料電池に関する。
水素と酸素の電気化学反応により生じるエネルギーを電力として取り出す固体高分子型燃料電池は、自動車などの種々の用途に適用されつつある。
図6は、従来の固体高分子型燃料電池を示す概略断面図である。
この固体高分子型燃料電池100は、高分子電解質膜101を燃料極(電極)102と酸化剤極(電極)103で挟持して構成される膜電極接合体(membrane electrode assembly、MEA)104の両面に、さらにセパレータ105、105を接合した構造をなしている。また、膜電極接合体104の燃料極102と酸化剤極103は、高分子電解質膜101に接合された触媒層(図示略)と、この触媒層の高分子電解質膜101と接する面とは反対の面に接合されたガス拡散層(図示略)とから構成されている。
図6に示すように、燃料極102にて水素が白金などの触媒に触れると、水素から電子(e)が飛び出て、プロトン(H)が残る。電子は外部回路110へと流れ、プロトンは高分子電解質膜101を通って酸化剤極103へ移動する。酸化剤極103にて、移動してきたプロトンと酸素が結合するが、このとき、外部回路110を通って酸化剤極103へ移動した電子が結合して、水が生成する。生成した水は、セパレータ105に設けられた流路106を通って、外部に排出される。また、外部回路110へ流れた電子は外部負荷11に電力として仕事をする。
固体高分子型燃料電池では、出来る限り多くの水素と酸素をそれぞれ、燃料極102と酸化剤極103極に均一になるように供給し、反応が終わって不要となった酸素が少ない空気と水とを出来る限り、酸化剤極103から取り除いてやれば水素と酸素との電気化学反応の反応速度が増大する。
特に、酸化剤極103を構成する触媒層から電気化学反応によって生成した水を除去しないと、触媒層が時間とともに水に濡れていき、全体として撥水性が低下する。そこで、従来、撥水性を向上するために、触媒層を構成するフッ素系ポリマーの量を増加すると、触媒層を構成するカーボン繊維やカーボン粒子間の電気的接触性が損なわれ、電池性能が低下する。
そこで、従来、触媒層から効率的に水分を除去するために、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、触媒層とガス拡散層との間に設けられた撥水層に、複数の貫通孔を形成し、この貫通孔を通して触媒層とガス拡散層を電気的に接続することにより、触媒層で生成した水の気化(除去)を促進する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ガス拡散層に撥水材を付与し、ガス拡散層における撥水材の量を触媒層と接する側から他方の側に向かって連続的に減少させることにより、高分子電解質膜側からセパレータ側に向かうガスの拡散経路および水の移動経路が形成され、水詰まりがなく、放電性能に優れ、信頼性の高い燃料電池を得る方法が開示されている。
特開2001−57217号公報 特開2003−109604号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、撥水層に設けられた貫通孔の大きさが一定であるため、場合によっては、触媒層においてプロトンの移動に必要とされる水分までもがガス拡散層に排出されてしまい、触媒層では安定した電荷の流れが得られ難く、十分な発電効率が得られ難かった。
また、特許文献2に開示されている方法では、ガス拡散層において、触媒層との界面近傍では、撥水材の量が多いため水分の移動がスムーズであるものの、セパレータとの界面近傍では、撥水材の量が少ないため、セパレータへの水分の排出がスムーズになされず、ガス拡散層に不要な水分が滞留するおそれがあり、結果として、発電効率の低下を招くおそれがあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、燃料電池を構成する触媒層において、不要な水分を適切に排出することかできる燃料電池に用いられるガス拡散層および膜電極接合体、並びに、これらを備えてなる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の第一の発明は、繊維状の構造体からなる燃料電池用のガス拡散層であって、前記構造体は、前記ガス拡散層に含まれる水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えたことを特徴とするガス拡散層である。
本発明の第二の発明は、高分子電解質膜および該高分子電解質膜を挟む一対の電極からなる膜電極接合体であって、前記電極は、前記高分子電解質膜の両面にそれぞれ順に接合された触媒層およびガス拡散層から構成されており、前記ガス拡散層は、繊維状の構造体からなり、前記構造体は、前記ガス拡散層に含まれる水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えたことを特徴とする膜電極接合体である。
本発明の第三の発明は、前記膜電極接合体を備えたことを特徴とする燃料電池である。
本発明のガス拡散層によれば、ガス拡散層が、織布または不織布などの繊維状の構造体からなり、この繊維状の構造体は、目開き度合いがガス拡散層に含まれる水分量に応じて変化するので、触媒層において生成した余分な水分は、ガス拡散層からセパレータへスムーズに移動するから、触媒層では安定した電荷の流れが得られる。
したがって、本発明の膜電極接合体によれば、発電効率に優れる固体高分子型燃料電池を形成することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施したガス拡散層および膜電極接合体、並びに、これらを備えてなる燃料電池について詳細に説明する。
なお、これらのガス拡散層および膜電極接合体、並びに、これらを備えてなる燃料電池によって、本発明は限定されるものではない。
図1は、本発明に係るガス拡散層および膜電極接合体を用いた固体高分子型燃料電池の構造の一実施形態を示す概略斜視図である。図1は、固体高分子型燃料電池の基本構成単位である単セルを示している。
図1中、符号10は固体高分子型燃料電池の単セル、11は高分子電解質膜、12は燃料極、13は酸化剤極、14は膜電極接合体、15はセパレータ、16は流路をそれぞれ示している。
この固体高分子型燃料電池の単セル10は、高分子電解質膜11を燃料極12と酸化剤極13で挟持して構成される膜電極接合体14の両面に、さらにセパレータ15、15を接合した構造をなしている。また、膜電極接合体14は、触媒層(図示略)を介して高分子電解質膜11が一対のガス拡散層(図示略)に挟まれた構造をなしている。また、セパレータ15の両面にはそれぞれ互いに直交するように流路16が形成されている。
燃料極(電極)12および酸化剤極(電極)13は、高分子電解質膜11の両面に順に接合された触媒層(図示略)およびガス拡散層(図示略)から構成されている。すなわち、燃料極(電極)12および酸化剤極(電極)13は、ガス拡散層と、このガス拡散層の一方の面に配された触媒層とから構成されている。また、ガス拡散層は、織布または不織布などの繊維状の構造体から構成され、この繊維状の構造体は、ガス拡散層に含まれる水分量および/または温度に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えている。
なお、本発明では、目開きとは、繊維状の構造体を構成する繊維と繊維の間の隙間、例えば、生地の網目のことである。本発明では、ガス拡散層において、この目開きが水分の移動経路(拡散経路)となっている。
このような目開きは、例えば繊維と繊維とを、繊維と繊維が交叉する接触する部位を温度、湿度などの外的要因により体積変化する材料で接合するか、または、繊維状の構造体を構成する繊維自身を、温度、湿度などの外的要因により体積変化する材料、たとえば、余分な水分を吸収し体積を膨張させる吸収性ポリマー、もしくは吸水性ポリマーを各種樹脂に配合した複合材料、または、温度を上げると体積が小さくなる負の熱膨張特性を持った材料、いわゆる負膨張材料、もしくは負膨張材料を含む材料でコーティングまたはそれら材料自身で構成して、前記外的要因の変化に応じて、外的要因により体積変化する材料を体積変化させ、目開きの度合いを変化させればよい。
吸水性ポリマーとしては、変性アルキレンオキサイド、ポリアクリル酸塩系、イソブチレン−マレイン酸共重合体系、デンプン−アクリル酸グラフト重合体系、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリル酸繊維内芯とアクリル酸塩系共重合体外層との複合繊維、酢酸ビニル−不飽和ジカルボン酸系モノマー共重合体ケン化物、ポリエチレンオキサイド系、カルボキシメチルセルロース系、デンプン−アクリル酸グラフト重合体ケン化物、アルギネート系が挙げられる。また、これら吸水性ポリマーを各種樹脂に配合した複合材料も用いることができる。
負膨張材料としては、公知慣用の、および温度を上げると体積が小さくなる負の熱膨張特性を持ち、本発明の効果を損ねるものでなければ種々の化合物を用いることができ、例えば、タングステン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、シリコン酸化物、マンガン窒化物、もしくは、これらの化合物を含有する材料を用いることができる。
図2、3、4は、おのおの本発明に係るガス拡散層の一実施形態を示す概略図であり、ガス拡散層をなす繊維状の構造体を拡大した図である。
図2に示すガス拡散層20を構成する繊維状の構造体21は、ガス拡散層20に含まれる水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えている。この実施形態では、この水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構は、繊維状の構造体21をなす2本以上の繊維22が交差する部分に配された吸水性ポリマー23である。
この吸水性ポリマー23は、触媒層において生成した余分な水分が存在する場合、その水分を吸収して膨潤することにより、2本以上の繊維22が交差する部分において、繊維22、22の間隔を押し広げる。その結果、繊維状の構造体21の目開き度合いが大きくなるため、ガス拡散層20からセパレータへの水分の移動経路が大きくなり、水分がガス拡散層20からセパレータへ効率的に移動するようになる。
一方、吸水性ポリマー23は、触媒層において生成した余分な水分が存在しない場合、元の大きさに戻って(収縮して)、繊維状の構造体21の目開き度合いが小さくなるため、ガス拡散層20からセパレータへの水分の移動経路も小さくなり、必要以上に水分がガス拡散層20からセパレータへ移動することが抑制される。その結果、触媒層において電気化学反応が促進するのに必要な水分が確保される。
このような機構は例えば次の様な方法で製造することができる。
例えば、ガス拡散層をなす繊維状の構造体を、吸水性ポリマーを含む溶液に含侵させ、その後、乾燥などで溶剤を除去することにより、繊維が交差する部分に吸水性ポリマーが配された構造体を得ることができる。
なお、前記構造体を、吸水性ポリマーを含む溶液に含浸させる方法は、従来公知の方法であればとくに限定することなく用いることができる。例えば、吸水性ポリマーを含む溶液をスプレー法などでガス拡散層に塗布することでもよい。その際、この溶液中の吸水性ポリマー濃度、およびスプレーノズルからの液の吐出量、霧化圧力などにより、ガス拡散層を形成する基材への浸透状態を制御し、このガス拡散層を構成する繊維状の構造体内における吸水性ポリマーの分布を制御することができる。また、吸水性ポリマーのこの構造体への浸透状態は、この構造体とスプレーノズルとの距離、塗布時の雰囲気温度と湿度、前記溶液の温度などにも依存する。
図3に示すガス拡散層30を構成する繊維状の構造体31は、ガス拡散層30に含まれる水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えている。
この実施形態では、この水分量に応じて目開き度合いを変化させる機構は、繊維状の構造体21をなし互いに交差する繊維32または繊維33のいずれか一方が、水分量に応じて伸縮するまたは膨潤する繊維から構成され、他方の繊維は、水分量に応じて伸縮および膨潤しない繊維で構成されている。
例えば繊維32が水分量に応じて膨潤する材料からなる繊維であり、一方の繊維33は水分量に応じて膨潤または収縮しない繊維である場合、触媒層において生成した余分な水分が存在すると、その水分を吸収して繊維32が膨潤することにより、長手方向に延びるため、繊維32と交差する繊維33同士の間隔が広がる。その結果、繊維状の構造体31の目開き度合いが大きくなるため、ガス拡散層30からセパレータへの水分の移動経路が大きくなり、水分がガス拡散層30からセパレータへ効率的に移動するようになる。
一方、触媒層において生成した余分な水分が存在しない場合、繊維32は元の大きさに戻って(収縮して)、この繊維32と交差する繊維33同士の間隔が狭くなり、繊維状の構造体31の目開き度合いが小さくなる。そのため、ガス拡散層30からセパレータへの水分の移動経路も小さくなり、必要以上に水分がガス拡散層30からセパレータへ移動することが抑制される。その結果、触媒層において電気化学反応が促進するのに必要な水分が確保される。
このような機構の製造方法としては、たとえば交差する繊維のうち、一方向の繊維のみ、吸水性ポリマーで構成するか、この吸水性ポリマーを含む材料で構成するか、若しくは、表面を吸水性ポリマーでコーティングすることによって得ることができる。
一方向の繊維のみ、表面を吸水性ポリマーでコーティングする方法としては、例えば、溶媒に溶解させた吸水性ポリマーを含む溶液を、スプレー法を用い、一方向にのみ塗布できるようにマスキングを施した上でガス拡散層に塗布することで得ることができる。また、インクジェット法などで直接塗布することもできる。
その際、この溶液中の吸水性ポリマー濃度、およびノズルからの液の吐出量、霧化圧力などにより、ガス拡散層を形成する基材への浸透状態を制御し、このガス拡散層を構成する繊維状の構造体内における吸水性ポリマーの分布を制御することができる。また、吸水性ポリマーのこの構造体への浸透状態は、この構造体とノズルとの距離、塗布時の雰囲気温度と湿度、前記溶液の温度などにも依存する。
また、インクジェット法は、インクジェット方式の吐出装置であれば特に制約されない。例えば、加熱発泡により気泡を発生し、液滴の吐出を行なうサーマル方式の吐出装置、ピエゾ素子を利用する圧縮により、液滴の吐出を行なうピエゾ方式の吐出装置などが挙げられる。
表面を吸水性ポリマーでコーティングする方法は、交差する繊維の接点を吸水性ポリマーで接合することができることから、一方の繊維が膨張もしくは伸縮した際に、他方の繊維もその動きに追従しやすくなり、繊維同士の間隔を広げたり狭めたりしやすくなり好ましい。
繊維状の構造体31が織布の場合、織り上げる際、水分量に応じて伸縮するまたは膨潤する繊維を適宜組み合わせればよい。特に、織布の場合には、縦糸および横糸が互いに規則正しく配置しているため、一方向の繊維のみを水分量に応じて伸縮または膨潤させやすくできるため好ましい。
図4に示すガス拡散層40を構成する繊維状の構造体41は、ガス拡散層40に含まれる温度に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えている。
この実施形態では、この温度に応じて目開き度合いを変化させる機構は、繊維状の構造体41をなす繊維42が交差する空隙部分および/または繊維上に坦持された負膨張材料43である。
この負膨張材料43は、水素と酸素との電気化学反応の反応速度が増大したとき生じる反応熱により発熱し燃料電池の温度が上昇した場合、負膨張することにより空隙が広がる。その結果、繊維状の構造体41の目開き度合いが大きくなるため、ガス拡散層40からセパレータへの水分の移動経路が大きくなり、水分がガス拡散層40からセパレータへ効率的に移動するようになる。
一方、負膨張材料43は、燃料電池の温度が低下した場合、元の大きさに戻って(膨張して)、繊維状の構造体41の目開き度合いが小さくなるため、ガス拡散層40からセパレータへの水分の移動経路も小さくなり、必要以上に水分がガス拡散層40からセパレータへ移動することが抑制される。その結果、触媒層において電気化学反応が促進するのに必要な水分が確保される。
この様な機構の製造方法としては、まず、ガス拡散層をなす繊維状の構造体に対して、撥水剤を塗布あるいは含浸させるにより、撥水性を付与する。なお、撥水剤を塗布あるいは含浸させる方法は、従来公知の方法であればとくに限定することなく用いることができる。例えば、撥水剤を含む溶液をスプレー法などでガス拡散層をなす繊維状の構造に塗布する。また、撥水剤を含む溶液にガス拡散層をなす繊維状の構造体を含侵させる。
撥水処理された拡散層をなす繊維状の構造の片面に繊維状の構造体の平均空隙より細かい負膨張性粒子を散布した後、加熱し狭持させたガス拡散層を製造する。この際、撥水処理に用いたフッ素樹脂が接着剤として作用する。
また、多孔質導電性基材からなるシートの片面に負膨張性粒子を散布させた後、その上から他の多孔質導電性基材からなるシートを積層させ、繊維状の構造体を製造しても良い。この方法は例えば、繊維状の構造体が焼成カーボンからなる場合には、焼成カーボンを製造した後に、負膨張材料を狭持することができるため、負膨張材料が焼成に必要な高温に曝されることがなく好ましい。また、狭持される負膨張材料の粒径を気にする必要がないので設計に際し自由度が高く好ましい。
なお、本発明では、繊維状の構造体に備えられ、ガス拡散層に含まれる水分量および/または温度に応じて目開き度合いを変化させる機構は、上述の3つの実施形態に限定されない。本発明にあっては、繊維状の構造体に備えられ、ガス拡散層に含まれる水分量および/または温度に応じて目開き度合いを変化させる機構は、熱に応じて伸縮または膨潤する繊維、電流または電圧に応じて伸縮または膨潤する繊維、水圧に応じて伸縮または膨潤する繊維、ガス拡散層に含まれる水分のpHに応じて伸縮または膨潤する繊維などであってもよい。
また、ガス拡散層は、このガス拡散層に含まれる水分量を検知するセンサーなどの検知手段(図示略)を備えていてもよい。この検知手段としては、繊維状の構造体に付着させた吸水性ポリマー、ガス拡散層の温度を測定する温度センサー、ガス拡散層に含まれる水分の水圧を測定する圧力センサー、ガス拡散層に含まれる水分のpHを測定するpHセンサーなどが挙げられる。例えば、前記の吸水性ポリマーは、水分を含むと膨潤するので、その質量変化などにより水分量を検知することができる。これらの検知手段によって検知したガス拡散層に含まれる水分量に応じて、繊維状の構造体の目開きが適切に調整される。
また、本発明では、単セル10の発電性能を検知することにより、繊維状の構造体の目開きを調整してもよい。
ガス拡散層をなす繊維状の構造体としては、特に限定されるものではなく、種々の繊維からなる織布または不織布が用いられる。このような織布または不織布としては、例えば、織布としてはクロスが、不織布としては湿式法によるペーパーおよび乾式法によるフェルトなどが挙げられる。
また、これらの織布または不織布をなす繊維の材質としては、特に限定されるものではないが、導電性を有する材料であることが好ましく、例えば、カーボン、金属、金属化合物または非導電性繊維に金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
さらに、ガス拡散層の厚み、気孔率などは、特に限定されるものではなく、膜電極接合体14の用途、要求特性などに応じて適宜調整される
触媒層は、触媒と、触媒にプロトンを授受するための高分子電解質(以下、「触媒層内電解質」という。)とから構成されている。
触媒としては、例えば、白金黒、白金若しくは白金合金、またはこれらを担持したカーボンなどが用いられる。
触媒層に含まれる触媒の量は、特に限定されるものではなく、触媒の種類、膜電極接合体14の用途、要求特性、電極の種類(燃料極12または酸化剤極13)などに応じて適宜調整される。
また、触媒層内電解質は、高分子電解質膜11と触媒との間におけるプロトンの授受を促進させる作用を有するものであり、触媒の周囲を包むように配置されている。触媒層内電解質としは、通常、上記の高分子電解質膜11と同一の材質が用いられるが、異なる材質であってもよい。
触媒層に含まれる触媒層内電解質の量は、特に限定されるものではなく、触媒層内電解質の種類、膜電極接合体14の用途、要求特性、電極の種類(燃料極12または酸化剤極13)などに応じて適宜調整される。
高分子電解質膜11の材質は、特に限定されるものではなく、種々の組成、種々の分子構造(例えば、直鎖状、分枝状など)を備えた高分子電解質から適宜選択される。このような高分子電解質としては、例えば、(1)パーフルオロカーボン含有ポリマー系電解質、(2)芳香族エーテルまたはチオエーテルポリマー系電解質、または、(3)芳香族炭化水素ポリマー系電解質などが挙げられる。
また、高分子電解質に含まれる電解質基の種類についても、特に限定されるものではなく、例えば、スルホン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、カルボキシル基などが挙げられる。高分子電解質には、これらの電解質基のうち、いずれか1種または2種以上が含まれているが、スルホン酸基が最も好ましい。
(1)パーフルオロカーボン含有ポリマー系電解質としては、具体的には、デユポン社の「ナフィオン」に代表されるスルホン化パーフルオロビニルエーテルポリマー、スルホン化パーフルオロビニルエーテルと含フッ素または非フッ素化オレフィンとの共重合体や多元共重合体などが挙げられる。
(2)芳香族エーテルまたはチオエーテルポリマー系電解質としては、具体的には、芳香環がスルホン化されたポリアリールエーテル、ポリアリールチオエーテル(=ポリアリールサルファイド)、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアリールサルファイドスルホン、ポリアリールスルホンアミドなどが挙げられる。
(3)芳香族炭化水素ポリマー系電解質としては、具体的には、芳香環がスルホン化されたポリフェニレン、ポリアルキルフェニレン、ポリビフェニレン、ポリアルキルビフェニレン、ポリナフチレンなどが挙げられる。
また、上記の(1)〜(3)の高分子電解質の誘導体も好適に用いられる。
また、高分子電解質膜11は、上記の高分子電解質のいずれか1種から構成されていてもよく、あるいは、2種以上から構成されていてもよい。また、高分子電解質膜11は、上記の高分子電解質と他の材料との複合体であってもよい。
セパレータ15は、機械加工で表面に流路を形成した黒鉛板や、金属板や、導電性材料と樹脂とからなる組成物を所定の形状に成形してなるものである。
金属板としては、材質に特に限定されないが、耐食性を考慮して、ステンレスやチタン材あるいは表面に樹脂をコーティングしたり、金やチタンなどの耐食性の鍍金処理を施したステンレスなどが例示できる。導電性材料と樹脂からなる組成物を成形して製造されるセパレータは、一般にモールドセパレータと呼ばれるものであり、例えば、導電性粉粒体と熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂あるいはこれらの樹脂を併用した組成物を、金型を用いて成形したものが用いられる。
導電性粉粒体としては、例えば、炭素材料、金属、金属化合物などの粉粒体などが挙げられ、これらの導電性粉粒体の1種または2種以上が用いられる。
導電性粉粒体として使用可能な炭素材料としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらの炭素材料を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの炭素材料の粉粒体の形状は、特に制限されず、板状、球状、無定形などの何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も用いられる。これらの中でも、導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有するセパレータが得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛などが好適である。
また、金属、金属化合物としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、金、ステンレス、パラジウム、チタンなど、さらには、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどのホウ化物などが挙げられる。これらの金属、金属化合物を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属、金属化合物の粉粒体の形状は、特に限定されず、板状、球状、無定形などの何れであってもよい。さらに、これらの金属、金属化合物が非導電性あるいは半導電性材料の粉粒体により表面処理されたものも用いられる。
熱可塑性樹脂繊維をなす熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素樹脂、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリエステル・ポリエステルエラストマー、ポリエステル・ポリエーテルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、各燃料電池の動作温度に対する耐熱性や耐久性により、適宜選択して単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
この実施形態のガス拡散層によれば、ガス拡散層が、織布または不織布などの繊維状の構造体からなり、この繊維状の構造体は、目開きがガス拡散層に含まれる水分量に応じて変化するので、触媒層において生成した余分な水分は、ガス拡散層からセパレータ15へスムーズに移動するから、触媒層では安定した電荷の流れが得られる。
したがって、このガス拡散層を用いた膜電極接合体14によれば、発電効率に優れる固体高分子型燃料電池を形成することができる。
なお、本発明にあっては、ガス拡散層の触媒層と接する面上には、撥水層が配されていてもよい。
撥水層の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、カーボン、フッ素系ポリマー、フッ素化黒鉛、フッ素化ピッチ、シラン化合物などが用いられる。
また、撥水層の厚みは、特に限定されるものではなく、膜電極接合体14の用途、要求特性などに応じて適宜調整される
次に、本発明に係るガス拡散層および膜電極接合体、燃料電池の製造方法の一例を説明する。
まず、織布、不織布などからなる繊維状の構造体に、水分の検知手段を設ける。
次いで、ガス拡散層と触媒層を接合することにより、燃料極または酸化剤極を得る。
次いで、ガス拡散層と接合した触媒層を、上記の高分子電解質膜に接合することにより、膜電極接合体を得る。
さらに、この膜電極接合体の両面にセパレータを接合すれば、固体高分子型燃料電池の単セルが得られる。
また、本発明では、ガス拡散層における触媒層と接合する面の上に撥水層を配してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ダイキン工業製FEP分散液(商品名:ND−1)を、ND−1と水との重量比が1:10となるように水で希釈した。
多孔質基材としては、東レ株式会社製カーボンペーパー(商品名:TGP−H−120、厚さ0.36mm)を用いた。
このカーボンペーパーをホットプレート上に載置し、片面から60℃に加熱した。
次いで、カーボンペーパーの他方の面に、スプレーノズルから希釈されたFEPの分散液を塗工した。
この際、スプレーノズルからの分散液の吐出量は30cc/分とし、霧化圧力は1.5kg/cm2とした。
また、スプレーノズルからカーボンペーパーまでの距離を200mmとし、雰囲気温度は20℃、湿度は30%に調節した。
希釈されたFEPの分散液を塗工した直後に、FEP塗工面が下向きになるようにカーボンペーパーを裏返し、そのまま60℃雰囲気で2時間乾燥させた。
その後、約360℃で15分間熱処理した。ここでカーボンペーパーに付与されたFEP量は、カーボンペーパーの1cm2あたり、1.3mgであった。
続いて、吸水性ポリマー(「アクアコーク」住友精化株式会社製)5gを約60℃にてメタノール95gに溶解させて吸水性ポリマー溶液を調製した。
その後、FEP処理カーボンペーパーのFEP塗工面に、スプレーノズルからこの吸水性ポリマー溶液を塗工した。この際、スプレーノズルからの吸水性ポリマー溶液の吐出量は20cc/分とし、霧化圧力は1.5kg/cm2とした。
また、スプレーノズルからカーボンペーパーまでの距離を200mmとし、雰囲気温度は20℃、湿度は30%に調節した。
吸水性ポリマー溶液を塗工した直後に、この塗工面が下向きになるようにカーボンペーパーを裏返し、そのまま100℃雰囲気で15分間乾燥させて、ガス拡散層として用いる繊維状の構造体を得た。
なお、この繊維状の構造体を電子顕微鏡写真で観察したところ、図2の様に繊維が交差する部分に吸水性ポリマーが配されていた。
さらに、得られた構造体に水を散布したところ、局所的に略平行な繊維同士の間隔が押し広がり、表面に貯まった水も順次速やかに染み込んでいった。
さらに、散布後60分間放置したところ、局所的に押し広がっていた繊維同士の間隔が元の間隔に戻っていることが確認された。
(実施例2)
ダイキン工業製FEP分散液(商品名:ND−1)を、ND−1と水との重量比が1:10となるように水で希釈した。
多孔質基材としては、日本カーボン社製カーボンクロス(商品名:GF20−P−21E)を用いた。
このカーボンクロスをホットプレート上に載置し、片面から60℃に加熱した。
次いで、カーボンクロスの他方の面に、スプレーノズルから希釈されたFEPの分散液を塗工した。この際、スプレーノズルからの分散液の吐出量は30cc/分とし、霧化圧力は1.5kg/cm2とした。
また、スプレーノズルからカーボンクロスまでの距離を200mmとし、雰囲気温度は20℃、湿度は30%に調節した。
希釈されたFEPの分散液を塗工した直後に、FEP塗工面が下向きになるようにカーボンクロスを裏返し、そのまま60℃雰囲気で2時間乾燥させた。
その後、約360℃で15分間熱処理した。ここでカーボンクロスに付与されたFEP量は、カーボンクロスの1cm2あたり、1.3mgであった。
続いて、吸水性ポリマー(「アクアコーク」住友精化株式会社製)5gを約60℃にてメタノール95gに溶解させて吸水性ポリマー溶液を調製した。
その後、FEP処理カーボンクロスのFEP塗工面に、インクジェットヘッドから、1mm幅で、かつ2mm間隔をあけて横糸方向に塗工した。
吸水性ポリマー溶液を塗工した直後に、この塗工面が下向きになるようにカーボンクロスを裏返し、そのまま100℃雰囲気で15分間乾燥させて、ガス拡散層として用いる繊維状の構造体を得た。
なお、この繊維状の構造体を電子顕微鏡写真で観察したところ、図3の様に横糸方向の繊維に吸水性ポリマーがコーティングされており、かつ、縦糸において横糸と交差する部分に吸水性ポリマーがコーティングされ、横糸と縦糸が接合していた。
得られた構造体に水を散布したところ、局所的に平行な繊維同士の間隔が押し広がり、表面に貯まった水も順次速やかに染み込んでいった。
さらに、散布後60分間放置したところ、局所的に押し広がっていた繊維同士の間隔が元の間隔に戻っていることが確認された。
(実施例3)
次に、高分子電解質膜の両面に触媒層を形成した。
高分子電解質膜には、米国デュポン社製Nafion112膜を用いた。
また、触媒は田中貴金属株式会社製白金担持カーボン「TEC10E50E」を用いた。
得られた触媒100重量部に対して、米国デュポン社製の高分子電解質の分散液(Nafion溶液)500重量部を混合し、触媒組成物を調製した。
この触媒組成物を用いて、Nafion112膜の両面に厚さ0.02mmの触媒層を形成した。そして、160℃で熱溶着して触媒層とNafion112膜とを接合し、MEAを作製した。
このMEAに、実施例1で得られた繊維状の構造体を、そのFEP塗工面が触媒層と接するように接合し、水素―空気型燃料電池の単電池を作製した。
(実施例4)
実施例2で得られた繊維状の構造体を用いた以外は、実施例3と同様にして、水素−空気型燃料電池の単電池を作製した。
(実施例5)
ダイキン工業製FEP分散液(商品名:ND−1)を、ND−1と水との重量比が1:10となるように水で希釈した。
多孔質基材としては、東レ株式会社製カーボンペーパー(商品名:TGP−H−120、厚さ0.36mm)を用いた。
このカーボンペーパーをホットプレート上に載置し、片面から60℃に加熱した。次いで、カーボンペーパーの他方の面に、スプレーノズルから希釈されたFEPの分散液を塗工した。
この際、スプレーノズルからの分散液の吐出量は30cc/分とし、霧化圧力は1.5kg/cm2とした。
また、スプレーノズルからカーボンペーパーまでの距離を200mmとし、雰囲気温度は20℃、湿度は30%に調節した。
希釈されたFEPの分散液を塗工した直後に、FEP塗工面が下向きになるようにカーボンペーパーを裏返し、そのまま60℃雰囲気で2時間乾燥させた。
その後、約360℃で15分間熱処理した。ここでカーボンペーパーに付与されたFEP量は、カーボンペーパーの1cm2あたり、1.3mgであった。
続いてリン酸タングステン酸ジルコニウム(共立マテリアル株式会社製)を5.0g/mの割合で均一に散布した後、300℃で1分間熱処理した。
その後、リン酸タングステン酸ジルコニウムを散布した面に、さらに前記FEP処理を行ったカーボンペーパーを積層して300℃で1分間熱処理を行い、多孔質導電性基材間に負膨張粒子が狭持されたガス拡散層を製造した。
(実施例6)
実施例5で得られた多孔質導電性基材間に負膨張粒子が狭持されたガス拡散層を用いた以外は、実施例3と同様にして、水素−空気型燃料電池の単電池を作製した。
(比較例1)
ガス拡散層として東レ株式会社製カーボンペーパー(商品名:TGP−H−120、厚さ0.36mm)を用いた以外は実施例3と同様にして、水素−空気型燃料電池の単電池を作製した。
(比較例2)
ガス拡散層として日本カーボン社製カーボンクロス(商品名:GF20−P−21E)を用いた以外は実施例3と同様にして、水素−空気型燃料電池の単電池を作製した。
(測定例1)
実施例3、4、5および比較例1、2で得られた燃料電池の性能評価を実施した。測定結果を図5に示した。図5の横軸は電流密度、縦軸は電圧を表す。
図5に示すように、実施例3で得られた燃料電池は、比較例1で得られた燃料電池よりも良好な発電出力を示した。
また、実施例4で得られた燃料電池は、比較例2で得られた燃料電池よりも良好な発電出力を示した。
さらに、実施例5で得られた燃料電池は、比較例1で得られた燃料電池よりも良好な発電出力を示した。
本発明に係るガス拡散層および膜電極接合体を用いた固体高分子型燃料電池の構造の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明に係るガス拡散層の一実施形態を示す概略図であり、ガス拡散層をなす繊維状の構造体を拡大した図である。 本発明に係るガス拡散層の他の実施形態を示す概略図であり、ガス拡散層をなす繊維状の構造体を拡大した図である。 本発明に係るガス拡散層の他の実施形態を示す概略図であり、ガス拡散層をなす繊維状の構造体を拡大した図である。 本発明の実施例に係る燃料電池の出力特性を示すグラフである。 従来の固体高分子型燃料電池を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・単セル
11・・・高分子電解質膜
12・・・燃料極
13・・・酸化剤極
14・・・膜電極接合体
15・・・セパレータ
16・・・流路

Claims (7)

  1. 繊維状の構造体からなる燃料電池用のガス拡散層であって、
    前記構造体は、前記ガス拡散層に含まれる水分量および/または温度に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えたことを特徴とするガス拡散層。
  2. 前記構造体は、前記ガス拡散層の目開き度合いを変化させる機構が水分量により体積変化する材料を含む請求項1記載のガス拡散層。
  3. 前記水分量により体積変化する材料が、吸水性ポリマーである請求項2記載のガス拡散層。
  4. 前記ガス拡散層の目開き度合いを変化させる機構が温度により体積変化する材料を含む請求項1記載のガス拡散層。
  5. 前記温度により体積変化する材料が、負膨張材料を含む材料である請求項4記載のガス拡散層。
  6. 高分子電解質膜および該高分子電解質膜を挟む一対の電極からなる膜電極接合体であって、
    前記電極は、前記高分子電解質膜の両面にそれぞれ順に接合された触媒層およびガス拡散層から構成されており、
    前記ガス拡散層は、繊維状の構造体からなり、前記構造体は、前記ガス拡散層に含まれる水分量および/または温度に応じて目開き度合いを変化させる機構を備えたことを特徴とする膜電極接合体。
  7. 請求項6記載の膜電極接合体を備えてなる燃料電池。

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