JP2008107672A - 楽音発生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1小節において演奏操作をする回数(打数)が設定されており、演奏操作に応じてその操作に対応する拍数分の楽曲データを再生する装置において、演奏者がテンポを把握することができるように、楽曲データの再生を開始する前に前打ち音を発生させる。演奏する曲が弱起の曲でないときは、1小節の打数が1回に設定されているときは2小節分の打数を前打ち回数に設定する(S14)。曲が開始される拍の位置が3拍目以降である弱起の曲の場合は、1小節の打数が1回のときは弱起の小節と2小節分の打数を前打ちの回数に設定し、打数が2回のときは弱起の小節と1小節分の打数を前打ちの回数に設定し、打数が3回以上のときは弱起の小節の打数を前打ちの回数に設定する。このように、どのような場合でも前打ちの回数が2回以上となるようにする。
【選択図】図4
Description
例えば、特許文献1には、演奏者が1小節分の前打ちをしたときに、それに基づいて自動演奏のテンポを決定するようにした電子楽器が記載されている。
また、特許文献2には、指揮動作を検出して予備拍を検出するようにした音楽制御装置が記載されている。
楽器の操作に不慣れな人たちがリハビリ等のために合奏を行うような場合、所定の人数(例えば、5人程度)でグループを形成し、ファシリテータ(facilitator:ガイド役、合奏リーダ)が参加者(生徒)を導いて合奏を行うことが多い。そこで本発明者らは、ファシリテータの演奏や指揮に合わせて各参加者が簡単な操作を行うことにより容易に合奏ができる合奏システムを提案している(特願2005−281060号)。
この合奏システムにおいては、各参加者の1回の演奏操作により、その参加者に割り当てられた演奏パートの所定長さ分の演奏データに対応する楽音が発生される。すなわち、参加者が1小節内において演奏操作をすべき回数(以下、「打数」という。)が設定されており、1回の演奏操作で打数に対応した拍数の楽音が自動的に発生されるようになされている。例えば、4/4拍子の楽曲で打数が2に設定されている場合には、1回の操作により、2拍分の楽音が発生される。
図10は前打ちの例を示す図であり、(a)は強起の曲、(b)は弱起の曲の場合を示している。なお、この図及び以下の図において、「×」は演奏操作(例えば、ドラムパッドを叩く操作)を行うタイミング、「☆(星印)」は演奏操作に応じて前打ち音が鳴る(前打ち音が発生される)タイミングを示している。
図10の(a)は4分の4拍子の強起の曲で、各拍ごとに演奏操作を行う場合、すなわち、1小節分の打数が4回の場合である。図示するように、この例では、1小節分の4回の前打ちが行われている。
図10の(b)は開始拍が4拍目である弱起の曲の場合であり、弱起を含む小節の3拍目までで3回の前打ちが行われている。
図11は、この様子を示す図であり、(a)は弱起が2拍目から開始される場合、(b)は弱起が4拍目から開始され、1小節分の打数が2回である場合を示している。
図11の(a)に示すように、弱起が2拍目から開始される場合は、前打ちが1回しか鳴らないこととなる。
また、1小節分の打数が1回又は2回であるときは、弱起が3拍目以降から開始される場合には、図11の(b)に示すように、1打でカバーされる範囲内に開始拍がある場合には、それに対応する前打ちは鳴らないこととなるため、前打ちが1回しか鳴らないこととなる。
このように前打ちが1回しか鳴らないと、演奏者はテンポを取りづらくなるという問題がある。
また、前記前打ち音は数字又は掛け声の音声とされているものである。
また、前打ち音として音声を出力する場合には、演奏者にとって曲の開始位置がより分かりやすくなるという効果がある。
この実施の形態では、合奏の参加者(生徒)は、電子打楽器のドラムパッド(パッド)を演奏端末として使用する。各生徒がそれぞれ1つのパッドを担当し、パッドを叩くことにより、そのパッドに割り当てられた演奏データに基づいて楽音が生成され、合奏を行う。
この図に示すように、この合奏システムは、コントローラ1と、コントローラ1に接続されたMIDIインターフェースボックス3、MIDIインターフェースボックス3に接続された演奏端末2Aと電子打楽器トリガーモジュール4とを備えており、前記電子打楽器トリガーモジュール4には、ドラムパッド2B、2C、・・・、2H、2Iが接続されている。また、前記コントローラ1には音源5が接続されており、該音源5で発生された楽音は図示しないアンプを介してスピーカ6から放音される。
なお、通常、前記電子打楽器トリガーモジュール4には音源が内蔵されており、この内蔵されている音源を前記音源5として使用しても良い。また、各生徒対応に音源5を設け、各生徒の演奏に基づく楽音を独立して出力するようにしてもよい。
演奏端末2Aは、ファシリテータが演奏操作を行うとともに、その演奏操作に応じた楽音を発生するものであり、例えば電子ピアノ等の電子鍵盤楽器である。
MIDIインターフェースボックス3は、前記演奏端末2A及び前記電子打楽器トリガーモジュール4と前記コントローラ1との間でのMIDIメッセージの転送を行う。
電子打楽器のトリガーモジュール4は、複数(例えば9個)のドラムパッドを接続することができるように構成されており、この実施の形態では、8個のドラムパッド2B〜2Iが接続されている。各パッドには振動を検出するセンサが取り付けられており、パッドが叩かれて該センサの出力が所定のしきい値を超えたときに、トリガーモジュール4は、そのバッドに対応するノートナンバと前記センサの出力に対応したベロシティを有するノートオンメッセージを前記MIDIインターフェースボックス3を介して前記コントローラ1に送出する。
ドラムパッド2B、2C、・・・、2H、2Iは、それぞれ、生徒1〜生徒8が演奏端末として使用するものである。
なお、参加者(生徒)は、ドラムパッドではなく、ファシリテータと同様に電子ピアノ等の演奏端末を使用するようにしてもよい。また、電子ピアノに限らず、電子ギター等他の形態の電子楽器であってもよいし、単にボタン等の操作子を備えた端末であってもよい。また、ファシリテータの演奏端末は、電子鍵盤楽器ではなく、参加者(生徒)と同様のドラムパッドでもよい。
前記HDD13に記憶されている楽曲データは、例えばSMF(Standard MIDI File)などのシーケンスデータであり、複数の演奏パートからなり、各演奏パートを識別する識別情報と、各演奏パートの演奏情報を含んでいる。演奏情報には、各イベント間の時間間隔を表す時間情報(デルタタイム)とイベント情報(MIDIイベントなど)の組みがイベントの発生順に含まれている。
制御部12は、HDD13に記憶されている制御プログラムに基づいて、後述する前打ち回数設定処理やシーケンス処理などの各種処理を実行する。
操作部15は、主にファシリテータがこの合奏システムの動作指示を行うためのものである。ファシリテータは、操作部15を操作し、例えば演奏する曲の楽曲データの選択や1小節の打数の設定などの操作を行う。
表示部16は、所謂ディスプレイ(モニタ)であり、ファシリテータや各参加者はこの表示部16を見ながら演奏操作を行う。全員が表示内容を容易に見ることができるように、表示部16として大型の外部ディスプレイを使用することができる。
これにより、各使用者(生徒)はパッドを叩くという簡易な操作で演奏を行うことができ、各使用者(生徒)がファシリテータの指揮に合わせてテンポをとることで、複数人で楽しみながら合奏を行うことができる。
はじめに、前記演奏端末2A、ドラムパッド2B〜2I、電子打楽器トリガーモジュール4及びコントローラ1の電源をオンとし、制御プログラムを起動する(ステップS1)。
そして、合奏を行う演奏曲を選択する(ステップS2)。すなわち、前記コントローラ1の表示部16に前記HDD13に記憶されている楽曲データのリストが表示されており、ファシリテータは、その中から演奏する曲を操作部15を用いて選択する。
次に、演奏曲の演奏パートを複数の演奏端末2B〜2Iに割り当てるパート割り当て処理が実行される(S3)。すなわち、前記制御部12は、各参加者のパッドに対して演奏曲の演奏パートを順次一つずつ割当てて行く処理を行い、ファシリテータは、必要な場合に、操作部15を用いてパート割当てを変更する。
次に、ファシリテータは前記操作部15を用いて、1小節において参加者が演奏操作(パッドを叩く動作)を行う回数(1小節の打数)を設定する(S4)。すなわち、ファシリテータは、演奏曲の拍子に基づいて、1小節において参加者がパッドを叩くべき回数を設定する。なお、デフォルトでは、打数は拍子の数と同じ数(例えば、4/4拍子のときは4)に設定されている。
そして、合奏開始指示があるまで待ち(S6)、合奏開始指示があると演奏処理(S7)が開始される。
この演奏処理の詳細については後述するが、前記電子打楽器トリガーモジュール4からの演奏入力に応じて対応する楽音を発生させる処理であり、前記電子打楽器トリガーモジュール4における処理と、電子打楽器トリガーモジュール4から送出されるMIDIメッセージに応答して前記制御部12により実行されるシーケンス処理とからなる。参加者がそのドラムパッド2B〜2Iを叩くなどの演奏操作をすると、前記電子打楽器トリガーモジュール4からコントローラ1にノートオンメッセージが送信される。コントローラ1では、シーケンス処理により、前記設定された前打ち回数分のノートオンメッセージに応じて前打ち音を発生させる発音指示データを生成して音源5に送信し、その後は、そのドラムパッドに割り当てた演奏パートのその演奏操作に応じて発音すべき音符の発音指示データを音源5に送信する。これにより、音源5から、まず、設定された回数の前打ち音が発生され、それに引き続いて演奏曲の楽音が発生され、合奏が行われることとなる。
図4に示すように、前記前打ち回数設定処理においては、まず、演奏曲の楽曲データに基づいて、その曲が弱起の曲であるか否かが判定される(S11)。すなわち、楽曲データの最初のノートオンが含まれる小節を最初の小節とし、そのノートオンがその小節の第1拍目であるときは弱起でない(強起)と判定し、第1拍目でないとき(第2拍目以降であるとき)は弱起であると判定する。
その結果、弱起でない曲の場合は、前記ステップS4で設定された1小節の打数が1回であるか否かが判定される(S12)。
その結果、1小節の打数が2回以上に設定されているときは(S12がNO)、1小節分の打数の前打ちを行うように設定する(S13)。これにより前打ち音が2回以上鳴ることとなる。
図5の(a)は、この場合の例を示す図であり、ここでは、1小節の打数が4回に設定されている例を示している。図示するように、この例では、1小節分の打数に対応する4回の前打ち音が鳴ることとなる。
一方、1小節の打数が1回である場合(S12がYES)には、2小節分の打数の前打ちを行うように設定する(S14)。これにより、前打ち音が2回鳴ることとなる。
図5の(b)は、この場合の例を示す図である。この図に示すように、2小節分の打数の前打ちが設定され、各小節に1回ずつ合計2回の前打ちが行われることとなる。
そして、弱起が3拍目以降から入るものである場合には、さらに、1小節の打数が3回以上であるか否かを判定する(S16)。
その結果、1小節の打数が3回以上の場合には(S16がYES)、その弱起を含む小節の打数の前打ちを行うように設定される。開始拍が3拍目以降であり、1小節の打数が3回以上であるため、少なくとも、弱起を含む小節の第1拍目と第2拍目で前打ち音が2回鳴ることとなる。
図6の(c)は、この場合の例を示す図であり、開始拍が4拍目であり、1小節の打数が4回とされている場合を示している。図示するように、この場合には弱起が4拍目から入るものであるため、前打ち音が3回鳴ることとなる。
その結果、1小節の打数が2回の場合は、弱起を含む小節に加えて1小節分の打数を前打ちの回数として設定する(S20)。
図6の(d)は、3拍目以降から入る弱起の曲で、1小節の打数が2回の場合の例を示す図である。ここでは、弱起が4拍目から入るものである場合を示している。
図示するように、この場合には、1小節分の打数である2回の前打ちと弱起を含む小節での1回の前打ちの合計3回の前打ちが鳴るようになされている。
また、1小節の打数が1回の場合は、弱起を含む小節に加えて2小節分の打数を前打ちの回数として設定する(S21)。開始拍が3拍目以降であるが、1小節の打数が1回であるため、弱起を含む小節では前打ちは行われないが、2小節分の打数を前打ちの回数として設定しているため、前打ち音が2回鳴ることとなる。
図6の(e)は、この場合の例を示す図であり、弱起が4拍目から入るものである場合を示している。この図に示すように、2小節分の打数である2回の前打ちが行われることとなる。
この判定の結果、1小節の打数が2回以上であるときには(S19がNO)、弱起を含む小節に加えて1小節分の打数を前打ちの回数として設定する(S20)。開始拍が2拍目であり、1小節の打数が2回以上であるため、弱起を含む小節の第1拍目と1小節分の打数に対応する回数の前打ち音が鳴ることとなる。
図7の(f)は、この場合の例を示す図であり、2拍目から入る弱起の曲で、1小節の打数が4分の4拍子の拍子の数に等しい4回に設定されている場合を示している。
この図に示すように、この場合には、弱起を含む小節での1回の前打ちと1小節分の4回の前打ちの合計5回の前打ちが行われることとなる。
前記ステップS19の判定の結果がYES(1小節の打数が1回)の場合には、弱起を含む小節に加えて2小節分の打数が前打ちの回数として設定される。
図7の(g)は、この場合の例を示す図であり、2拍目から入る弱起の曲で、1小節の打数が1回である場合を示している。
この図に示すように、この場合には、弱起を含む小節での前打ちの回数は0であるが、2小節分の打数である合計2回の前打ちが行われることとなる。
また、3拍目以降から開始される弱起の曲の場合には、1小節の打数が1回のときは弱起を含む小節に加えて2小節分の打数を前打ちの回数に設定し、1小節の打数が2回のときは弱起を含む小節に加えて1小節分の打数を前打ちの回数に設定し、1小節の打数が3回のときは弱起を含む小節の打数を前打ちの回数に設定することにより、いずれの場合でも、前打ちの回数が少なくとも2回以上となるようにしている。
さらに、2拍目から開始される弱起の曲の場合には、1小節の打数が2回以上のときには弱起の小節に加えて1小節分の打数を前打ちの回数として設定し、1小節の打数が1回のときには弱起の小節に加えて2小節分の打数を前打ちの回数として設定することにより、いずれの場合でも、前打ちの回数が少なくとも2回以上となるようにしている。
このように、本発明においては、曲の開始される拍の小節内における位置と1小節における演奏操作の回数(1小節内の打数)とがどのような値の場合であっても、少なくとも2回の前打ちが行われるようにしている。これにより、演奏者は、容易にテンポを取ることが可能となる。
生徒がそのドラムパッド2B〜2Iを叩くと、ドラムパッドに設けられている振動センサの検出信号が電子打楽器トリガーモジュール4に入力される。図8に示すように、電子打楽器トリガーモジュール4は、接続されているドラムパッドからの出力信号を受信すると(S31)、そのパッドに対応するノートナンバとその出力信号の大きさに対応するベロシティを有するノートオンメッセージを生成して前記コントローラ1に出力する(S32)。
以下、上記処理を繰り返して、設定された前打ち回数分のノートオンメッセージに応じて前打ち音を発生する。そして、その後にノートオンメッセージが受信されると、前記ステップS43の判定結果がYESとなり、ステップS44に進む。
つぎに、そのパートについてそのノートオンメッセージに応じて発音すべき後続する拍の演奏情報があるか否かを判定し(S48)、後続して発音すべき演奏情報がある場合には、そのパートのテンポに基づき、その演奏情報で指定されたタイミングで対応する発音指示データ及び消音指示データを音源に送信する(S49)。
そして、ステップS42に戻り、次のノートオンメッセージの受信を待つ。
このようにして、設定された回数の前打ちに対応する前打ち音が発生された後、参加者の演奏操作により制御された自動演奏が実行される。
このような音声ガイドで演奏を開始させるようにすれば、曲がどこから入るのから分かり、演奏者は、よりテンポを取りやすくなる。
Claims (2)
- 演奏操作に応じて楽音データの再生を行う楽音発生装置であって、
再生する楽曲が弱起の曲でない場合には、1小節における演奏操作回数に応じて、1又は2小節分の打数を前打ちの回数として設定し、再生する楽曲が弱起の曲である場合には、曲が始まる拍の位置と1小節における演奏操作回数とに応じて、弱起を含む小節の打数に1又は2小節分の打数を加えた数を前打ち回数として設定することにより、いずれの場合でも、前打ちの回数が少なくとも2回以上となるように設定する前打ち回数設定手段と、
演奏が開始されたときに、前記前打ち回数設定手段により設定された回数までの演奏操作入力に対しては前打ち音を発生し、その後の演奏操作入力に応じて楽曲データを再生する演奏制御手段と
を有することを特徴とする楽音発生装置。 - 前記前打ち音は数字又は掛け声の音声であることを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
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