しかしながら、機内温度が閾値温度(例えば、18℃)以下ではない(=閾値温度超より高い)場合であっても、複写機が配設されている外部(例えば、オフィス内)の大気温度である雰囲気温度が閾値温度(例えば、18℃)以下である場合には、記録紙によって定着ユニットから熱が奪われることに起因して、定着性が低下することがある。
例えば、複写機が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、温度検出センサによって検出される機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、上記複写機によって、記録紙により定着ユニットから熱が奪われることに起因した定着性の低下を防止できる。しかし、例えば、複写機が連続して稼働された直後においては、温度検出センサによって検出される機内温度が雰囲気温度より高い状態となるため、機内温度が閾値温度より高い場合であっても、雰囲気温度が低く、記録紙により定着ユニットから熱が奪われることに起因して定着性が低下する場合があるのである。
この問題を解消するために、複写機が配設されている外部(例えば、オフィス内)の大気温度である雰囲気温度を検出する温度センサを配設すればよいが、複写機の製造コストがアップすることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡素な構成で雰囲気温度が低いことに起因する定着性の低下を確実に防止することの可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1に記載の画像形成装置は、記録紙に転写されたトナー像を、定着ユニットを介して熱定着させて記録紙上に画像を形成する画像形成装置であって、該画像形成装置内の大気温度である機内温度を検出する機内温度検出手段と、前記機内温度検出手段によって検出された機内温度に基づいて、該画像形成装置が配設されている外部の大気温度である雰囲気温度が、予め設定された第1閾値温度以下であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段によって雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、前記定着ユニットにおける定着温度の設定値を補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記補正手段が、前記第1判定手段によって雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、前記定着ユニット内における記録紙の搬送速度の設定値を補正することを特徴としている。
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、前記補正手段が、前記第1判定手段によって雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、印刷を開始する旨の指示が受け付けられてから、印刷動作を開始するまでの時間である待機時間の設定値を補正することを特徴としている。
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記第1判定手段が、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で前記機内温度検出手段を介して検出された機内温度である開始機内温度が、予め設定された第2閾値温度以下である場合に、前記雰囲気温度が前記第1閾値温度以下であると判定することを特徴としている。
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置であって、前記第2閾値温度が、前記第1閾値温度と略同一温度に設定されていることを特徴としている。
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置であって、前記機内温度を格納する温度記憶手段と、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合に、前記機内温度検出手段を介して検出された機内温度である開始機内温度を前記温度記憶手段に記録する温度更新手段と、日時情報を格納する日時記憶手段と、計時機能を有し、印刷処理を終了する時点の日時を計測し、日時情報を前記日時記憶手段に記録する計時手段と、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合に、その指示が受け付けられた時点の日時と、前記日時記憶手段に格納されている前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間が予め設定された閾値期間以下であるか否かを判定する第2判定手段と、を備え、前記第1判定手段が、前記温度記憶手段に格納されている前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度以下であり、且つ、前記第2判定手段によって休止期間が予め設定された閾値期間以下であると判定された場合に、前記雰囲気温度が前記第1閾値温度以下であると判定することを特徴としている。
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置であって、前記第3閾値温度が、前記第1閾値温度と略同一温度に設定されていることを特徴としている。
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項4〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記定着ユニットの定着温度を検出する定着温度検出手段と、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で前記定着温度検出手段によって検出された定着温度が予め設定された第4閾値温度以下であるか否かを判定する第3判定手段と、を備え、前記第1判定手段が、前記温度記憶手段に格納されている前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度以下であり、且つ、前記第3判定手段によって前記定着温度が前記第4閾値温度以下であると判定された場合に、前記雰囲気温度が前記第1閾値温度以下であると判定することを特徴としている。
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置であって、前記第4閾値温度が、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で前記機内温度検出手段によって検出された機内温度に設定されていることを特徴としている。
請求項1に記載の画像形成装置によれば、画像形成装置内の大気温度である機内温度に基づいて、画像形成装置が配設されている外部の大気温度である雰囲気温度が、予め設定された第1閾値温度以下であるか否かが判定され、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、定着ユニットにおける定着温度の設定値が補正されるため、簡素な構成で雰囲気温度が低いことに起因する定着性の低下を確実に防止することができる。
すなわち、機内温度が閾値温度より高い場合であっても、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、定着ユニットにおける定着温度の設定値が補正される(例えば、高温側に10℃だけ補正される)ため、記録紙により定着ユニットから熱が奪われることに起因する定着性の低下を防止することができるのである。また、機内温度に基づいて、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かが判定されるため、温度センサ等を追加して配設する必要は無いので、簡素な構成で定着性の低下を防止することができるのである。
請求項2に記載の画像形成装置によれば、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、定着ユニット内における記録紙の搬送速度の設定値が補正される(例えば、低速側に5%だけ補正される)ために、雰囲気温度が低いことに起因する定着性の低下を更に確実に防止することができる。
請求項3に記載の画像形成装置によれば、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定された場合に、印刷を開始する旨の指示が受け付けられてから、印刷動作を開始するまでの時間である待機時間の設定値が補正される(例えば、10secだけ長くする補正がされる)ため、雰囲気温度が低いことに起因する定着性の低下を更に確実に防止することができる。
請求項4に記載の画像形成装置によれば、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で検出された機内温度である開始機内温度が第2閾値温度以下である場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定されるため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、例えば、画像形成装置が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、機内温度が第1閾値温度以下である場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定することができるのである。この場合には、第2閾値温度が第1閾値温度と略同一温度に設定されていればよい。
請求項5に記載の画像形成装置によれば、第2閾値温度が、第1閾値温度と略同一温度に設定されているため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
例えば、画像形成装置が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、機内温度が第2閾値温度(≒第1閾値温度)以下である場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定することができるのである。
請求項6に記載の画像形成装置によれば、前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間が予め設定された閾値期間以下である場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定されるため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを的確に判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前に画像形成装置が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度が第1閾値温度以下である場合には、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度は第1閾値温度以下である。この場合には、第3閾値温度が第1閾値温度と略同一温度に設定されていればよい。
また、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間が予め設定された閾値期間(例えば、2時間)以下である場合には、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の雰囲気温度が、前回の印刷処理前の雰囲気温度と略一致していると推定される。
そこで、前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度(≒第1閾値温度)以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間が予め設定された閾値期間(例えば、2時間)以下である場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定することができるのである。
請求項7に記載の画像形成装置によれば、第3閾値温度が、第1閾値温度と略同一温度に設定されているため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前に画像形成装置が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度が第3閾値温度(≒第1閾値温度)以下である場合に、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定することができるのである。
請求項8に記載の画像形成装置によれば、前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニットの定着温度が第4閾値温度以下であると判定された場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定されるため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを的確に判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前に画像形成装置が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度が雰囲気温度と略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度が第1閾値温度以下である場合には、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度は第1閾値温度以下である。この場合には、第3閾値温度が第1閾値温度と略同一温度に設定されていればよい。
また、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニットの定着温度が第4閾値温度(例えば、機内温度)以下である場合には、雰囲気温度が低いことに起因して、定着ユニットの定着温度が該画像形成装置内の大気温度である機内温度より急速に冷却されていると推定されるため、雰囲気温度が第1閾値温度以下である可能性が高いと推定されるのである。
そこで、前回の印刷処理時の開始機内温度が予め設定された第3閾値温度(≒第1閾値温度)以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニットの定着温度が第4閾値温度(例えば、機内温度)以下であると判定された場合に、雰囲気温度が第1閾値温度以下であると判定することができるのである。
請求項9に記載の画像形成装置によれば、第4閾値温度が、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で検出された機内温度に設定されているため、雰囲気温度が第1閾値温度以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニットの定着温度が機内温度以下である場合には、雰囲気温度が低いことに起因して、定着ユニットの定着温度が該画像形成装置内の大気温度である機内温度より急速に冷却されていると推定されるため、雰囲気温度が第1閾値温度以下である可能性が高いと推定されるのである。
以下、本発明に係る画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは、画像形成装置が、プリンタである場合について説明するが、記録紙上に画像を形成する他の画像形成装置(例えば、ファクシミリ、インターネットファクシミリ、複写機、複合機等)である形態でもよい。図1に示すように、プリンタ100は、制御部1、表示部2、操作部3、印刷処理部4、機内温度センサ5、及び、ファン6を備えている。なお、プリンタ100は、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等と通信可能に接続され、パーソナルコンピュータ(PC)等から画像情報を受け付け、受け付けられた画像情報に対応する画像を記録紙上に形成するものである。
制御部1は、プリンタ100全体の動作を制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、及び、図略のROM(Read Only Memory)を備えている。
表示部2は、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)等を備え、制御部1(CPU11)からの指示に基づき、設定情報、ガイダンス情報、メッセージ情報等をユーザから視認可能に表示するものである。
操作部3は、ユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けられた操作入力に対応する操作入力情報を生成し、制御部1(CPU11)に出力するものである。操作部3は、例えば、テンキー、スタートボタン等の各種ボタン、及び、表示部2に配設されたLCDと一体に形成されたタッチパネル等を備えている。
印刷処理部4は、記録紙上に電子写真方式で画像(ここでは、原稿画像に対応する画像)を形成するものであって、現像ユニット41、感光ユニット42、及び、定着ユニット43、及び、搬送制御部44を備えている。現像ユニット41は、感光ユニット42に配設された感光ドラム上に図略のレーザビーム走査ユニットによって形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成するものである。
感光ユニット42は、感光ドラムを備え、現像ユニット41によって感光ドラムに形成されたトナー像を記録紙に転写するものである。定着ユニット43は、感光ユニット42で感光ドラムから記録紙に転写されたトナー像を、加熱ローラ対によって記録紙を挟持して搬送することにより、トナー像を溶融して固着させ、記録紙に定着するものであって、定着温度センサ431、及び加熱部432を備えている。
定着温度センサ431(定着温度検出手段の一部に相当する)は、加熱ローラの表面温度を測定するものであって、サーミスタ等から構成されている。加熱部432は、加熱ローラ対を備え、ジュール熱(又は誘導加熱)によって加熱ローラを加熱するものである。搬送制御部44(補正手段の一部に相当する)は、CPU11からの指示に基づいて、印刷処理部4において記録紙の搬送を制御するものである。ここでは、搬送制御部44は、CPU11からの指示に基づいて、定着ユニット43内の搬送速度を制御するものである。
機内温度センサ5(機内温度検出手段の一部に相当する)は、プリンタ100内の大気温度である機内温度を検出するものであって、低温用サーミスタ(例えば、測定温度範囲:0℃〜100℃)等から構成されている。ファン6は、プリンタ100外部の大気をプリンタ100内部へ吸入する(又は、プリンタ100内部の大気をプリンタ100外部へ排出する)ものであって、定着ユニット43等によってプリンタ100内部の温度が上昇することを防止するものである。
図2は、定着温度センサ431及び機内温度センサ5の配設位置の一例を示すプリンタ100の斜視図である。なお、ここでは、プリンタ100の側面(図の左側の側面)のカバーが取り外された状態であって、定着ユニット43が視認可能に引き出された状態を示している。定着温度センサ431は、非接触温度センサ431a、及び、接触温度センサ431bから構成されている。
非接触温度センサ431aは、加熱ローラの幅方向の略中央部に配設され、加熱ローラに接触しない状態(=加熱ローラの表面から離間した状態)で、加熱ローラの表面温度を検出する非接触タイプの高温用サーミスタ(例えば、測定温度範囲:100℃〜250℃)である。接触温度センサ431bは、加熱ローラの幅方向の端部(ここでは、図の右側端部)に配設され、加熱ローラに接触した状態(=加熱ローラの表面に摺接した状態)で、加熱ローラの表面温度を検出する接触タイプの高温用サーミスタ(例えば、測定温度範囲:100℃〜250℃)である。
機内温度センサ5は、取り外し可能に構成されたプリンタ100の側面(図の左側の側面)のカバー(図示省略)の内側であって、プリンタ100の印刷処理部4が外部から接触されないように保護する保護板45の外面の適所に係止され、プリンタ100の内部の大気温度を検出する低温用サーミスタ(例えば、測定温度範囲:0℃〜100℃)である。なお、機内温度センサ5は、ファン6を介して吸入又は排出される大気温度の影響を受け難くするべく、ファン6から離間した位置の配設されている。
図3は、プリンタ100の主要部の一例を示す機能構成図である。CPU11は、機能的に、機内温度検出部111、温度更新部112、計時部113、第2判定部114、定着温度検出部115、第3判定部116、第1判定部117、及び、補正部118を備えている。RAM12は、機能的に、温度記憶部121、及び、日時記憶部122を備えている。
ここでは、CPU11が、図略のROM等に予め格納されたプログラムを読み出して実行することにより、機内温度検出部111、温度更新部112、計時部113、第2判定部114、定着温度検出部115、第3判定部116、第1判定部117、補正部118等の機能部として機能すると共に、RAM12を、温度記憶部121、日時記憶部122等の機能部として機能させるものである。
また、RAM12、ROMに格納された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に格納され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
機内温度検出部111(機内温度検出手段の一部に相当する)は、プリンタ100内の大気温度である機内温度TIを、機内温度センサ5を介して検出するものである。
温度更新部112(温度更新手段に相当する)は、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等から印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合に、機内温度検出部111を介して検出された機内温度である開始機内温度TI0を温度記憶部121に記録するものである。
計時部113(計時手段に相当する)は、計時機能を有し、印刷処理を終了する時点の日時を計測し、日時情報を日時記憶部122に記録するものである。
第2判定部114(第2判定手段に相当する)は、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等から印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合に、その指示が受け付けられた時点の日時と、日時記憶部122に格納されている前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間IPが予め設定された閾値期間SHI(例えば、2時間)以下であるか否かを判定するものである。
定着温度検出部115(定着温度検出手段の一部に相当する)は、定着ユニットの定着温度TBを、定着温度センサ431(=非接触温度センサ431a及び接触温度センサ431b)を介して検出するものである。
第3判定部116(第3判定手段に相当する)は、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等から印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で、定着温度検出部115によって検出された定着温度TBが予め設定された第4閾値温度SH4(例えば、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で機内温度検出部111によって検出された機内温度TI0)以下であるか否かを判定するものである。
第1判定部117(第1判定手段に相当する)は、機内温度検出部111によって検出された機内温度に基づいて、プリンタ100が配設されている外部(例えば、プリンタ100が配設されている室内)の大気温度である雰囲気温度TAが、予め設定された第1閾値温度SH1(例えば、18℃)以下であるか否かを判定するものである。
具体的には、第1判定部117は、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で機内温度検出部111を介して検出された機内温度TIである開始機内温度TI0が、予め設定された第2閾値温度SH2(例えば、18℃)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(例えば、18℃)以下であると判定するものである。
また、第1判定部117は、温度記憶部121に格納されている前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3(ここでは、18℃)以下であり、且つ、第2判定部114によって休止期間IPが予め設定された閾値期間SHI(例えば、2時間)以下であると判定された場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定するものである。
更に、第1判定部117は、温度記憶部121に格納されている前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3(ここでは、18℃)以下であり、且つ、第3判定部116によって定着温度TBが第4閾値温度SH4(ここでは、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で機内温度検出部111によって検出された機内温度TI0)以下であると判定された場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定するものである。
補正部118(補正手段の一部に相当する)は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、定着ユニット43(加熱部432)における定着温度の設定値を補正するものである。例えば、補正部118は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、定着温度TBの設定値を10℃だけ増加させるものである。
また、補正部118は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、搬送制御部44に対して定着ユニット43内における記録紙の搬送速度の設定値を補正するものである。例えば、補正部118は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、搬送速度の設定値を5%だけ減速させるものである。
更に、補正部118は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、図略のパーソナルコンピュータ(PC)等から印刷を開始する旨の指示が受け付けられてから、印刷動作を開始するまでの時間である待機時間の設定値を補正するものである。例えば、補正部118は、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、待機時間の設定値を10secだけ長くするものである。
温度記憶部121(温度記憶手段に相当する)は、機内温度TIを格納するものであって、温度更新部112によって、機内温度TI(開始機内温度TI0)が記録されるものである。
日時記憶部122(日時記憶手段に相当する)は、日時情報を格納するものであって、計時部113によって、印刷処理を終了する時点の日時情報が記録されるものである。
図4は、機内温度TI、定着温度TB、雰囲気温度TAの変化の一例を示すグラフである。図の横軸が時間であり、縦軸が温度である。グラフG1は、定着温度TBの変化を示すグラフであり、グラフG2は、機内温度TIの変化を示すグラフであり、グラフG3は、雰囲気温度TAの変化を示すグラフである。なお、ここでは、便宜上、雰囲気温度TAは、第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下の一定値(例えば、10℃)であるものとする。
ここでは、時刻T0のタイミングで前回の印刷を開始する旨の指示が受け付けられて印刷処理が開始(定着ユニット43の加熱部432の加熱が開始)され、時刻T2のタイミングで前回の印刷が終了されてスタンバイ状態(=スリープ状態:定着ユニット43の加熱部432において、加熱が停止された状態)となり、時刻T3のタイミングで今回の印刷を開始する旨の指示が受け付けられ、スタンバイ状態から復帰されて印刷処理が開始(定着ユニット43の加熱部432の加熱が開始)されている。
時刻T0のタイミングで加熱部432の加熱が開始されると、定着温度TBが上昇し、それに伴って、機内温度TIも上昇し、時刻T1で、機内温度TIが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)に到達している。また、時刻T2のタイミングで加熱部432の加熱が停止されると、定着温度TB及び機内温度TIが下降している。時刻T22のタイミングで定着温度TBが機内温度TIに一致している。ここでは、機内温度TIと比較して定着温度TBの方が冷却され易く、時刻T22のタイミングで定着温度TBが機内温度TIに一致し、時刻T21のタイミングで第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)に到達している。
更に、時刻T3で加熱部432の加熱が再度開始されると、定着温度TBが上昇し、それに伴って、機内温度TIも上昇し、定着温度TBが時刻T31のタイミングで第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)に到達し、時刻T32のタイミングで定着温度TBが機内温度TIに一致している。なお、時刻T3のタイミングで今回の印刷を開始する旨の指示が受け付けらない場合には、図の破線で示すように、時刻T4のタイミングで、機内温度TIが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)に到達する。
このように、時刻T2のタイミングで加熱部432の加熱が停止された場合であっても、時刻T2から時刻T4までの期間P1内では、機内温度TIは第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以上の状態となるため、機内温度TIを雰囲気温度TAと見なして機内温度TIが第1閾値温度SH1以下である場合に補正部118が補正を実行する方法では、補正が実行されないことになり、定着不良が発生することになるのである。
一方、閾値期間SHIが時刻T2から時刻T4までの期間P1に設定される場合には、この期間P1内に印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合には、第2判定部114によって休止期間IPが閾値期間SHI(例えば、2時間)以下であると判定され、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定される。すなわち、この場合には、補正部118によって補正が実行されるため、定着不良の発生を防止することができるのである。
また、時刻T22から時刻T32までの期間P2内では、定着温度TBが機内温度TI以下の状態であるため、この期間P2内に印刷を開始する旨の指示が受け付けられた場合には、第3判定部116によって定着温度TBが開始機内温度TI0以下であると判定され、第1判定部117によって雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定される。すなわち、この場合には、補正部118によって補正が実行されるため、定着不良の発生を防止することができるのである。
図3は、プリンタ100(主にCPU11)の動作の一例を示すフローチャートである。まず、第1判定部117によって、パーソナルコンピュータ(PC)等から印刷を開始する旨の指示が受け付けられたか否かの判定が行われる(S101)。印刷を開始する旨の指示が受け付けられていないと判定された場合(S101でNO)には、処理が待機状態とされる。印刷を開始する旨の指示が受け付けられたと判定された場合(S101でYES)には、第1判定部117によって、温度記憶部121に格納されている前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が第3閾値温度SH3(ここでは、18℃)以下であるか否かの判定が行われる(S103)。開始機内温度TI0が第3閾値温度SH3以下ではないと判定された場合(S103でNO)には、処理がステップS109に進められる。
開始機内温度TI0が第3閾値温度SH3以下であると判定された場合(S103でYES)には、第2判定部114によって、休止期間IPが予め設定された閾値期間SHI(ここでは、2時間)以下であるか否かが判定される(S105)。休止期間IPが2時間以下であると判定された場合(S105でYES)には、処理がステップS111に進められる。休止期間IPが2時間以下ではない(=2時間より長い)と判定された場合(S105でNO)には、第3判定部116によって、定着温度TBが機内温度TI0以下であるか否かの判定が行われる(S107)。定着温度TBが機内温度TI0以下であると判定された場合(S107でYES)には、処理がステップS111に進められる。
定着温度TBが機内温度TI0以下ではない(=機内温度TI0より高い)と判定された場合(S107)、又は、ステップS103でNOの場合には、第1判定部117によって、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で機内温度検出部111を介して検出された機内温度TIである開始機内温度TI0が、第2閾値温度SH2(ここでは、18℃)以下であるか否かの判定が行われる(S109)。
開始機内温度TI0が18℃以下であると判定された場合(S109でYES)、ステップS105でYESの場合、又は、ステップS107でYESの場合には、補正部118によって、定着温度の設定値、搬送速度の設定値、待機時間の設定値の補正が行われる(S111)。開始機内温度TI0が18℃以下ではないと判定された場合(S109でNO)、又は、ステップS111の処理が終了した場合には、印刷が開始され、処理が終了される。
このようにして、プリンタ100内の大気温度である機内温度TIに基づいて、プリンタ100が配設されている外部の大気温度である雰囲気温度TAが、予め設定された第1閾値温度SH1以下(ここでは、18℃)であるか否かが判定され、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であると判定された場合に、定着ユニット43における定着温度TBの設定値が補正されるため、簡素な構成で雰囲気温度TAが低いことに起因する定着性の低下を確実に防止することができる。
すなわち、機内温度TIが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)より高い場合であっても、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、定着ユニット43における定着温度TBの設定値が補正される(例えば、高温側に10℃だけ補正される)ため、記録紙により定着ユニット43から熱が奪われることに起因する定着性の低下を防止することができるのである。また、機内温度TIに基づいて、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であるか否かが判定されるため、温度センサ等を追加して配設する必要は無いので、簡素な構成で定着性の低下を防止することができるのである。
また、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、定着ユニット43内における記録紙の搬送速度の設定値が補正される(例えば、低速側に5%だけ補正される)ために、雰囲気温度TAが低いことに起因する定着性の低下を更に確実に防止することができる。
更に、雰囲気温度TAが第1閾値温度(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、印刷を開始する旨の指示が受け付けられてから、印刷動作を開始するまでの時間である待機時間の設定値が補正される(例えば、10secだけ長くする補正がされる)ため、雰囲気温度TAが低いことに起因する定着性の低下を更に確実に防止することができる。
加えて、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で検出された機内温度TIである開始機内温度TI0が第2閾値温度SH2(ここでは、18℃)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度(ここでは、18℃)以下であると判定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度(ここでは、18℃)以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、例えば、プリンタ100が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態=スタンバイ状態)であった場合には、機内温度TIが雰囲気温度TAと略一致しているため、機内温度TIが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定することができるのである。この場合には、第2閾値温度SH2が第1閾値温度SH1と略同一温度(ここでは、18℃)に設定されていればよい。
また、第2閾値温度SH2が、第1閾値温度SH1と略同一温度(ここでは、18℃)に設定されているため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
例えば、プリンタ100が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態=スタンバイ状態)であった場合には、機内温度TIが雰囲気温度TAと略一致しているため、機内温度が第2閾値温度SH2(≒第1閾値温度SH1)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度(ここでは、18℃)以下であると判定することができるのである。
更に、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3(ここでは、18℃)以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間IPが予め設定された閾値(ここでは、2時間)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下(ここでは、18℃)であると判定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であるか否かを的確に判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前にプリンタ100が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態=スタンバイ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が雰囲気温度TAと略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下である場合には、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度TAは第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下である。この場合には、第3閾値温度SH3が第1閾値温度SH1と略同一温度(ここでは、18℃)に設定されていればよい。
また、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間IPが予め設定された閾値(ここでは、2時間)以下である場合には、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の雰囲気温度TAが、前回の印刷処理前の雰囲気温度TAと略一致していると推定される。
そこで、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3(≒第1閾値温度SH1)以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点の日時と、前回の印刷処理終了時の日時情報と、の間の期間である休止期間IPが予め設定された閾値(ここでは、2時間)以下である場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下であると判定することができるのである。
加えて、第3閾値温度SH3が、第1閾値温度SH1と略同一温度(ここでは、18℃)に設定されているため、雰囲気温度TAが第1閾値温度以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前にプリンタ100が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態=スタンバイ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が雰囲気温度TAと略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が第3閾値温度SH3(≒第1閾値温度SH1)以下である場合に、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であると判定することができるのである。
前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニット43の定着温度TBが第4閾値温度SH4(ここでは、18℃)以下であると判定された場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であると判定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であるか否かを的確に判定することができる。
すなわち、例えば、前回の印刷処理前にプリンタ100が長期間(例えば、1日間)電源オフの状態(又はスリープ状態=スタンバイ状態)であった場合には、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が雰囲気温度TAと略一致しているため、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が第1閾値温度SH1(ここでは、18℃)以下である場合には、前回の印刷処理の開始時における雰囲気温度TAは第1閾値温度SH1以下である。この場合には、第3閾値温度SH3が第1閾値温度SH1と略同一温度(ここでは、18℃)に設定されていればよい。
また、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニットの定着温度が第4閾値温度SH4(例えば、機内温度TI0)以下である場合には、雰囲気温度TAが低いことに起因して、定着ユニット43の定着温度TBがプリンタ100内の大気温度である機内温度TIより急速に冷却されていると推定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下である可能性が高いと推定されるのである。
そこで、前回の印刷処理時の開始機内温度TI0が予め設定された第3閾値温度SH3(≒第1閾値温度SH1)以下であり、且つ、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニット43の定着温度TBが第4閾値温度SH4(例えば、機内温度TI)以下であると判定された場合に、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であると判定することができるのである。
また、第4閾値温度SH4が、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点で検出された機内温度TI0に設定されているため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であるか否かを簡素な構成で判定することができる。
すなわち、印刷を開始する旨の指示が受け付けられた時点での定着ユニット43の定着温度TBが機内温度TI以下である場合には、雰囲気温度TAが低いことに起因して、定着ユニット43の定着温度TBがプリンタ100内の大気温度である機内温度TIより急速に冷却されていると推定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下である可能性が高いと推定されるのである。
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、補正部118が、定着温度TBの設定値、搬送速度の設定値、及び、待機時間の設定値を補正する場合について説明したが、補正部118が、定着温度TBの設定値、搬送速度の設定値、及び、待機時間の設定値の内の少なくともいずれか1つを補正する形態でもよい。
(B)本実施形態では、第2判定部114が、休止期間IPが予め設定された閾値期間SHI以下であるか否かを判定する場合について説明したが、第2判定部114が、前回の印刷処理開始の指示を受けた時点から今回の印刷処理開始の指示を受けた時点までの期間が予め設定された閾値期間SHI以下であるか否かを判定する形態でもよい。この場合には、前回の印刷処理の期間に無関係に判定されるため、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であるか否かをより正確に判定することができる。
(C)本実施形態では、第3判定部116が、定着温度TBが機内温度TI0以下であるか否かを判定する場合について説明したが、定着温度TBが第1閾値温度SH1に基づいて設定された第4閾値温度SH4以下であるか否かを判定する形態でもよい。すなわち、第4閾値温度SH4が、第1閾値温度SH1に基づいて設定されている形態でもよい。例えば、第4閾値温度SH4が、第1閾値温度SH1に所定の温度(例えば、3℃)を加算した和である形態でもよい。この場合には、所定の温度を適正に設定することによって、雰囲気温度TAが第1閾値温度SH1以下であるか否かを、更に正確に判定することができる。
(D)本実施形態では、計時部113が計時機能を有する場合について説明したが、計時部113がタイマー機能を有する形態でもよい。この場合には、処理が簡略化される。