JP2008107532A - 液体現像システム用中間転写体、その製造方法及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産効率が高く、植物油に対して耐性を有し、植物油に対する表面エネルギーが小さい(植物油の接触角が大きい)液体現像システム用中間転写体を提供する。
【解決手段】表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体であって、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体であって、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、液体現像剤が使用される、複写機、プリンタ等の電子写真画像形成装置に使用される中間転写体に関する。
液体現像剤が使用される画像形成装置の中間転写体の表面は、トナー粒子の離型性を向上させ、中間転写体から転写材への転写効率を高めるために、フッ素樹脂層で被覆されている。ベルト基材の表面に化学結合された非晶質フッ素樹脂層で被覆された中間転写ベルトが検討された(例えば、特許文献1参照)。当該非晶質フッ素樹脂層は、ベルト基材に塗布された材料を120〜130℃で30〜60分間焼成して形成される。従って、当該中間転写ベルトの製造効率は高くなかった。
また、ベース層の外周面に弾性層が形成されている中間転写ベルトであって、ベース層はポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が用いられて形成され、弾性層はフッ素ゴムが用いられて形成された中間転写ベルトが検討された(例えば、特許文献2参照)。当該弾性層は、ベース層の外周面に液状フッ素ゴムが塗工され、次いで150℃で1時間加熱硬化されて形成される。従って、当該中間転写ベルトの製造効率も高くなかった。
また、ベース層の外周面に弾性層が形成されている中間転写ベルトであって、ベース層はポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が用いられて形成され、弾性層はフッ素ゴムが用いられて形成された中間転写ベルトが検討された(例えば、特許文献2参照)。当該弾性層は、ベース層の外周面に液状フッ素ゴムが塗工され、次いで150℃で1時間加熱硬化されて形成される。従って、当該中間転写ベルトの製造効率も高くなかった。
次に、液体現像剤のキャリアについて説明する。揮発性炭化水素系溶媒が、当該キャリアとして使用されている。揮発性炭化水素系溶媒がキャリアとされる液体現像剤が使用される画像形成装置は、キャリア回収装置を有しており、大型である。不揮発性のシリコーンオイルや流動パラフィンも、当該キャリアとして使用されている。シリコーンオイルや流動パラフィンがキャリアとされる液体現像剤が使用される画像形成装置により転写材に画像を形成すると、転写材にキャリアが存在し続ける。そこで、最近、植物油がキャリアとされる液体現像剤が検討されている。しかしながら、当該液体現像剤が使用される画像形成装置の中間転写体の表面保護層は検討されていない。
特開2002−174958号公報
特開2005−3878号公報
本発明の課題は、生産効率が高く、植物油に対して耐性を有し、植物油に対する表面エネルギーが小さい(植物油の接触角が大きい)液体現像システム用中間転写体の提供である。
本発明は、表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体であって、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体である。
本発明の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが下記一般式(1)
〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していてもよいアルキレン鎖又は下記一般式(2)
〔式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、Rf1はフッ素化アルキル基である。〕
で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
で表される。
で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
で表される。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、一般式(1)中のXが、下記一般式(3)
−(CH2)p−Zq−(CH2)r− (3)
〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である。
−(CH2)p−Zq−(CH2)r− (3)
〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1がCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfが、Rf1と同一又は異なるCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6又は8である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6又は8である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
Rf−(CH2)r−Z−H (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
〔式(5)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRf1は同一でも異なっていてもよいCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕で表される化合物(a2)とを、前記化合物(a1)1モルに対して、前記化合物(a2)を1.0〜(k−2)モル〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕の割合でマイケル付加反応させて得られる化合物である。
Rf−(CH2)r−Z−H (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、化合物(a2)が、前記一般式(4)で表される化合物〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕又は前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nが4、6又は8である。)である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
〔式(6)中、R1は水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子、炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基である。〕で表される化合物(a1−1)、下記一般式(7)
(式中、R2は(メタ)アクリロイル基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−又は炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子又は炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートと脂環構造を有するイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、表面保護層上の大豆油の接触角が60°〜90°である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体がベルト形状である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体がドラム形状である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体において、表面保護層上の大豆油の接触角が60°〜90°である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体がベルト形状である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記液体現像システム用中間転写体がドラム形状である。
本発明は、表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体の製造方法であって、基体に含フッ素光硬化性組成物を塗布し、次いで、100〜500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して含フッ素光硬化性組成物を硬化する工程を有し、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体の製造方法である。
本発明は、上記液体現像システム用中間転写体と、キャリアとして植物油を含む液体現像剤が使用される画像形成装置である。
本発明は、上記液体現像システム用中間転写体と、キャリアとして植物油を含む液体現像剤が使用される画像形成装置である。
(含フッ素光硬化性組成物)
本発明の含フッ素光硬化性組成物は、特開2005−171238号公報に記載されている組成物である。本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基を総称する。また、本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基と、アルキル基中の一部の水素原子がフッ素原子で置換された官能基(例えば、HCF2CF2CF2CF2−)を総称する。当該フッ素化アルキル基は、酸素原子を含むフッ素化アルキル基(例えば、CF3−(OCF2CF2)2−)を包含する。
本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル基は分子の末端に存在し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが架橋された際に網目の一部として取り込まれない。本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、架橋時の架橋点となる(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが架橋された際に、強固な三次元網目構造が形成される。
本発明の含フッ素光硬化性組成物は、特開2005−171238号公報に記載されている組成物である。本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基を総称する。また、本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基と、アルキル基中の一部の水素原子がフッ素原子で置換された官能基(例えば、HCF2CF2CF2CF2−)を総称する。当該フッ素化アルキル基は、酸素原子を含むフッ素化アルキル基(例えば、CF3−(OCF2CF2)2−)を包含する。
本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル基は分子の末端に存在し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが架橋された際に網目の一部として取り込まれない。本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、架橋時の架橋点となる(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが架橋された際に、強固な三次元網目構造が形成される。
本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートはフッ素原子を25質量%以上含有する。フッ素原子含有率が25重量%未満である場合、フッ素原子由来の撥油性を発現させるために、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの使用量を多くしたり、その他のフッ素原子含有率が高い反応性化合物及び/又は非反応性化合物を併用したりする必要がある。
本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの分子量は500〜4000である。当該分子量が4000より大きくなると、含フッ素光硬化性組成物の硬化物の架橋密度が低下し、当該硬化物の力学特性が小さくなる。また、当該分子量が500より小さくなると、当該硬化物のフッ素原子含有率が小さくなり、フッ素原子由来の撥油性が十分に発言されない。
本願出願前に公知の中間転写ベルト及び中間ドラムが、本発明の中間転写体の基体として使用される。当該基体の製造方法を以下に例示する。
本発明のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの分子量は500〜4000である。当該分子量が4000より大きくなると、含フッ素光硬化性組成物の硬化物の架橋密度が低下し、当該硬化物の力学特性が小さくなる。また、当該分子量が500より小さくなると、当該硬化物のフッ素原子含有率が小さくなり、フッ素原子由来の撥油性が十分に発言されない。
本願出願前に公知の中間転写ベルト及び中間ドラムが、本発明の中間転写体の基体として使用される。当該基体の製造方法を以下に例示する。
(中間転写ベルト)
本発明の中間転写体の基体として使用される中間転写ベルトの体積抵抗は、104〜1012Ω・cm、好ましくは106〜1011Ω・cmである。当該中間転写ベルトは、以下の(1)〜(3)の方法により作成される。
(1)樹脂シームレスベルトに表面層を形成する方法
エンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ50〜500μmの半導電性シームレスベルトを押出成形する。次いで、半導電性シームレスベルトの表面に、フッ素化合物を含むコーティング液を塗布し、表面エネルギーを小さくしてトナー粒子フィルミングを防止するための、厚さ5〜50μmの表面層を形成する。厚み80μmのポリエチレンテレフタレートフィルム等のテープやウレタンゴム等のリブを、ベルトの両端部に貼り付け、ベルト端部における亀裂、伸び及び蛇行の発生を防止する。エンジニアリングプラスチックの具体例は、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイである。導電材料の具体例は、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカである。フッ素化合物を含むコーティング液の塗布方法の具体例は、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法である。
本発明の中間転写体の基体として使用される中間転写ベルトの体積抵抗は、104〜1012Ω・cm、好ましくは106〜1011Ω・cmである。当該中間転写ベルトは、以下の(1)〜(3)の方法により作成される。
(1)樹脂シームレスベルトに表面層を形成する方法
エンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ50〜500μmの半導電性シームレスベルトを押出成形する。次いで、半導電性シームレスベルトの表面に、フッ素化合物を含むコーティング液を塗布し、表面エネルギーを小さくしてトナー粒子フィルミングを防止するための、厚さ5〜50μmの表面層を形成する。厚み80μmのポリエチレンテレフタレートフィルム等のテープやウレタンゴム等のリブを、ベルトの両端部に貼り付け、ベルト端部における亀裂、伸び及び蛇行の発生を防止する。エンジニアリングプラスチックの具体例は、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイである。導電材料の具体例は、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカである。フッ素化合物を含むコーティング液の塗布方法の具体例は、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法である。
(2)樹脂フィルムを超音波溶着してベルトを形成する方法
絶縁性フィルム上に導電層及び表面層を設け、次いで、超音波溶着を行って、中間転写ベルトを作製する。以下に、この方法の具体例を示す。厚み60〜150μmのポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性フィルムに、アルミ等の金属層を蒸着し、金属層の上に、必要によりカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電層を形成し、次いで、金属層又は中間導電層より高い表面抵抗を有する、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料及びフッ素化合物の微粒子を含む半導電性表面層を形成して積層体フィルムを作製する。当該積層体フィルムを超音波溶着して中間転写ベルトを得る。半導電性表面層形成時の乾燥温度が高くない場合は、金属層が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムを超音波溶着した後、半導電性表面層を形成できる。
絶縁性フィルム上に導電層及び表面層を設け、次いで、超音波溶着を行って、中間転写ベルトを作製する。以下に、この方法の具体例を示す。厚み60〜150μmのポリエチレンテレフタレートからなる絶縁性フィルムに、アルミ等の金属層を蒸着し、金属層の上に、必要によりカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電層を形成し、次いで、金属層又は中間導電層より高い表面抵抗を有する、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料及びフッ素化合物の微粒子を含む半導電性表面層を形成して積層体フィルムを作製する。当該積層体フィルムを超音波溶着して中間転写ベルトを得る。半導電性表面層形成時の乾燥温度が高くない場合は、金属層が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムを超音波溶着した後、半導電性表面層を形成できる。
(3)ゴムシームレスベルトに表面層を形成する方法
ゴムに上記導電材料を分散した、厚さ0.8〜2.0mmの半導電性ゴムシームレスベルトを押出成形する。次いで、半導電性ゴムシームレスベルトの表面をサンドペーパー、ポリシャー等の研磨材により所望の表面粗さにまで研磨し、中間転写ベルトを作製する。研磨された半導電性ゴムシームレスベルトの表面に、フッ素化合物を含む上記コーティング液を塗布し、中間転写ベルトを作製してもよい。
ゴムに上記導電材料を分散した、厚さ0.8〜2.0mmの半導電性ゴムシームレスベルトを押出成形する。次いで、半導電性ゴムシームレスベルトの表面をサンドペーパー、ポリシャー等の研磨材により所望の表面粗さにまで研磨し、中間転写ベルトを作製する。研磨された半導電性ゴムシームレスベルトの表面に、フッ素化合物を含む上記コーティング液を塗布し、中間転写ベルトを作製してもよい。
(中間転写ドラム)
本発明の中間転写体の基体として使用される中間転写ドラムの体積抵抗は、104〜1012Ω・cm、好ましくは107〜1011Ω・cmの範囲である。当該中間転写ドラムは、以下のようにして作製される。最初に、ゴム材料と導電材料を混練し、導電性ゴム素材を作製する。ゴム材料の具体例は、シリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムである。導電材料の具体例は、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカである。次いで、アルミ等の金属の円筒に導電性ゴム素材を密着させた後、研磨して、円筒上に、厚みが0.8〜6mm、体積抵抗が104〜1010Ω・cmの導電性弾性層を形成する。その後、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料及びフッ素化合物の微粒子を含む、厚み15〜40μmの半導電性表面層を形成して、体積抵抗107〜1011Ω・cmの中間転写ドラムを得る。中間転写ドラムの表面粗さの好ましい範囲は1μmRa以下である。また、上記導電性弾性層にフッ素樹脂製チューブを被せ、次いで、加熱により当該チューブを収縮させて、中間転写ドラムを作製してもよい。
本発明の中間転写体の基体として使用される中間転写ドラムの体積抵抗は、104〜1012Ω・cm、好ましくは107〜1011Ω・cmの範囲である。当該中間転写ドラムは、以下のようにして作製される。最初に、ゴム材料と導電材料を混練し、導電性ゴム素材を作製する。ゴム材料の具体例は、シリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムである。導電材料の具体例は、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカである。次いで、アルミ等の金属の円筒に導電性ゴム素材を密着させた後、研磨して、円筒上に、厚みが0.8〜6mm、体積抵抗が104〜1010Ω・cmの導電性弾性層を形成する。その後、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料及びフッ素化合物の微粒子を含む、厚み15〜40μmの半導電性表面層を形成して、体積抵抗107〜1011Ω・cmの中間転写ドラムを得る。中間転写ドラムの表面粗さの好ましい範囲は1μmRa以下である。また、上記導電性弾性層にフッ素樹脂製チューブを被せ、次いで、加熱により当該チューブを収縮させて、中間転写ドラムを作製してもよい。
(含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層の形成)
中間転写体は、含フッ素光硬化性組成物によりコーティングされる。コーティング装置の具体例は、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、デイップコーター、ダイコーター、スプレー、それらを組み合わせた装置である。次いで、光照射により、含フッ素光硬化性組成物を重合硬化させ、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像用中間転写体が得られる。光照射の際、熱をエネルギー源として併用できる。この時は、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドナフテン酸コバルトなどの重合開始剤が併用できる。
光照射の光源は、特に制限されない。光源の具体例は、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀ランプ、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、走査型電子加速器、カーテン型電子加速器である。
中間転写体は、含フッ素光硬化性組成物によりコーティングされる。コーティング装置の具体例は、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、デイップコーター、ダイコーター、スプレー、それらを組み合わせた装置である。次いで、光照射により、含フッ素光硬化性組成物を重合硬化させ、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像用中間転写体が得られる。光照射の際、熱をエネルギー源として併用できる。この時は、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドナフテン酸コバルトなどの重合開始剤が併用できる。
光照射の光源は、特に制限されない。光源の具体例は、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀ランプ、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、走査型電子加速器、カーテン型電子加速器である。
(液体現像剤)
本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤にキャリアとして含まれる植物油の具体例は、アマニ油、MOヒマワリ油、菜種油、デバイダーオイル、HOLLキャノーラ、紅花油、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、コーン油、大豆油、綿実油、サフラワー油である。植物油は、1種類であっても複数種の混合物であってもよい。
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和結合の割合が多い脂肪酸のトリグリセライドは、酸化重合を起こす。従って、不飽和結合の割合が多い脂肪酸のトリグリセライドがキャリアとして含まれる液体現像剤が用いられる本発明の画像形成装置は、定着手段を有する必要がないか、あるいは簡素化された定着手段を有していればよい。
本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤にキャリアとして含まれる植物油の具体例は、アマニ油、MOヒマワリ油、菜種油、デバイダーオイル、HOLLキャノーラ、紅花油、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、コーン油、大豆油、綿実油、サフラワー油である。植物油は、1種類であっても複数種の混合物であってもよい。
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和結合の割合が多い脂肪酸のトリグリセライドは、酸化重合を起こす。従って、不飽和結合の割合が多い脂肪酸のトリグリセライドがキャリアとして含まれる液体現像剤が用いられる本発明の画像形成装置は、定着手段を有する必要がないか、あるいは簡素化された定着手段を有していればよい。
本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤は、顔料とともに、電荷制御剤、樹脂、分散剤、酸化防止剤等を含有していてもよい。電荷制御剤の具体例は、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラメトキシチタン;チタニルアセチルアセテート等のチタンキレート;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシジルメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等のチタネートカップリング剤である。
樹脂の具体例は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体である。上記樹脂から選ばれる1種もしくは2種以上の樹脂を用いることができる。
樹脂と塩基性高分子分散剤で処理された顔料、植物油、オレイン酸等が配合された混合物を、アトライター、サンドミル、ボールミル、振動ミル等の分散機で分散して、本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤が得られる。本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤の着色微粒子の好ましい一次粒子径は、個数平均粒径として1μm以下である。
樹脂と塩基性高分子分散剤で処理された顔料、植物油、オレイン酸等が配合された混合物を、アトライター、サンドミル、ボールミル、振動ミル等の分散機で分散して、本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤が得られる。本発明の画像形成装置で使用される液体現像剤の着色微粒子の好ましい一次粒子径は、個数平均粒径として1μm以下である。
本発明の液体現像システム用中間転写体は、以下の優れた特性を有する。
(1)フッ素原子由来の撥油性により、液体現像剤のキャリアである植物油に対する耐性と耐傷性が長期間維持され、本発明の液体現像システム用中間転写体の寿命が長い。
(2)本発明の液体現像システム用中間転写体は、製造時間が短く、生産性が高い。
(3)液体現像剤が中間転写体表面にほとんど付着せず、液体現像剤中のトナー粒子濃度の制御が容易である。
(4)本発明の液体現像システム用中間転写体は、揮発性炭化水素系溶媒がキャリアとされる液体現像剤が使用される従来の画像形成装置よりも小型の画像形成装置を提供できる。更に、本発明の液体現像システム用中間転写体は、転写材にキャリアが存在し続けない画像形成装置を提供できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)フッ素原子由来の撥油性により、液体現像剤のキャリアである植物油に対する耐性と耐傷性が長期間維持され、本発明の液体現像システム用中間転写体の寿命が長い。
(2)本発明の液体現像システム用中間転写体は、製造時間が短く、生産性が高い。
(3)液体現像剤が中間転写体表面にほとんど付着せず、液体現像剤中のトナー粒子濃度の制御が容易である。
(4)本発明の液体現像システム用中間転写体は、揮発性炭化水素系溶媒がキャリアとされる液体現像剤が使用される従来の画像形成装置よりも小型の画像形成装置を提供できる。更に、本発明の液体現像システム用中間転写体は、転写材にキャリアが存在し続けない画像形成装置を提供できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(紫外線硬化型フッ素樹脂の合成)
(合成例1)
水分離管を具備した500ml四つ口フラスコに、トリメチロールプロパン33.5g、3−パーフルオロオクチルプロピオン酸(東ソー・エフテック(株)製)123.0g、トルエン50g、シクロヘキサン50gを投入し、次いで、濃硫酸2.5gを加え、12時間共沸脱水を行った。4.5gの水が生成されたことを確認した後、一旦25℃に冷却し、アクリル酸45.0g、ハイドロキノン0.4gを加え、空気を吹き込みながら更に共沸脱水を行った。9.0gの水が生成されたことを確認した後、25℃に冷却した。反応液にトルエンを150g加え、25%水酸化ナトリウム水溶液30gで中和洗浄後、さらに20質量%の食塩水40gで3回洗浄を行った。減圧下、トルエン及びシクロヘキサンを留去して微黄色液体170gを得た。当該微黄色液体をトルエン150mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行った。次いで減圧下、酸素を吹き込みながらウォータバス温度50℃以下でトルエンを留去することで下記構造式(i)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−1)を得た。
(合成例1)
水分離管を具備した500ml四つ口フラスコに、トリメチロールプロパン33.5g、3−パーフルオロオクチルプロピオン酸(東ソー・エフテック(株)製)123.0g、トルエン50g、シクロヘキサン50gを投入し、次いで、濃硫酸2.5gを加え、12時間共沸脱水を行った。4.5gの水が生成されたことを確認した後、一旦25℃に冷却し、アクリル酸45.0g、ハイドロキノン0.4gを加え、空気を吹き込みながら更に共沸脱水を行った。9.0gの水が生成されたことを確認した後、25℃に冷却した。反応液にトルエンを150g加え、25%水酸化ナトリウム水溶液30gで中和洗浄後、さらに20質量%の食塩水40gで3回洗浄を行った。減圧下、トルエン及びシクロヘキサンを留去して微黄色液体170gを得た。当該微黄色液体をトルエン150mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行った。次いで減圧下、酸素を吹き込みながらウォータバス温度50℃以下でトルエンを留去することで下記構造式(i)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−1)を得た。
(合成例2)
200ml反応フラスコにジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート15.7g(0.03モル)、トリエチルアミン2g、酢酸エチル10gを投入し、撹拌下パーフルオロオクチルエチルメルカプタン28.8g(0.06モル)を徐々に加えた(反応温度は35℃まで上昇した)。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、酢酸エチル60gを加えた後、1規定塩酸100mlで有機層を洗浄した。更に水100mlで2回洗浄した後、有機層を分取した。50℃以下の条件で反応溶媒を、エバポレーターを用いて減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(ii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−2)を得た。
200ml反応フラスコにジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート15.7g(0.03モル)、トリエチルアミン2g、酢酸エチル10gを投入し、撹拌下パーフルオロオクチルエチルメルカプタン28.8g(0.06モル)を徐々に加えた(反応温度は35℃まで上昇した)。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、酢酸エチル60gを加えた後、1規定塩酸100mlで有機層を洗浄した。更に水100mlで2回洗浄した後、有機層を分取した。50℃以下の条件で反応溶媒を、エバポレーターを用いて減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(ii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−2)を得た。
(合成例3)
200ml反応フラスコにトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)、トリエチルアミン1.0g、酢酸エチル15gを加え、次いで、室温でパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)を撹拌しながら滴下した(反応温度は35℃まで上昇した)。投入後、さらに50℃で3時間撹拌し、50℃以下で減圧下、酢酸エチル、トリエチルアミンを留去することで下記構造式(iii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−3)を得た。
200ml反応フラスコにトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)、トリエチルアミン1.0g、酢酸エチル15gを加え、次いで、室温でパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)を撹拌しながら滴下した(反応温度は35℃まで上昇した)。投入後、さらに50℃で3時間撹拌し、50℃以下で減圧下、酢酸エチル、トリエチルアミンを留去することで下記構造式(iii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−3)を得た。
(合成例4)
合成例3において、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)の代わりに、EO変性リン酸トリアクリレート15.1g(0.05モル)を、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)の代わりに、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン24.0g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、構造式(iv)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−4)を得た。
合成したフッ素化アルキル基含有アクリレートの性状を表1に示す。
合成例3において、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)の代わりに、EO変性リン酸トリアクリレート15.1g(0.05モル)を、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)の代わりに、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン24.0g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、構造式(iv)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−4)を得た。
(フッ素化合物からなる塗膜の形成)
表2に記載される各種フッ素化合物の塗液を、厚さ168μmのPETフィルム上にスピンコートにより塗布し、平滑性のある均一な表面状態の塗膜が形成されたことを確認した。そして、加熱または紫外線照射を行って塗膜形成を完結させた。加熱しても固化しない場合は、そのままで測定試料とした。紫外線照射は、UV照射装置(入江(株)製トスキュア401)を用いて行った。
塗膜が形成されたPETフィルムを3cm四方に切り出して測定試料として用いた。測定試料上の大豆油(日清オイリオグループ(株)製)の接触角を、接触角測定装置(協和界面科学(株)製DropMasterDM700)を用いて、25℃、湿度53%の環境下で測定した。測定時の液滴量を1μLとし、100ms値と5900ms値を求めた。測定結果を表3に示す。
表2に記載される各種フッ素化合物の塗液を、厚さ168μmのPETフィルム上にスピンコートにより塗布し、平滑性のある均一な表面状態の塗膜が形成されたことを確認した。そして、加熱または紫外線照射を行って塗膜形成を完結させた。加熱しても固化しない場合は、そのままで測定試料とした。紫外線照射は、UV照射装置(入江(株)製トスキュア401)を用いて行った。
塗膜が形成されたPETフィルムを3cm四方に切り出して測定試料として用いた。測定試料上の大豆油(日清オイリオグループ(株)製)の接触角を、接触角測定装置(協和界面科学(株)製DropMasterDM700)を用いて、25℃、湿度53%の環境下で測定した。測定時の液滴量を1μLとし、100ms値と5900ms値を求めた。測定結果を表3に示す。
フッ素樹脂(試料1、2及び7)から形成された塗膜、フッ素系表面改質剤(試料8)から形成された塗膜及びフッ素化アルキル基含有アクリレートを含む組成物(試料9〜12)から形成された塗膜が、優れた撥油性を有していた。
そこで、試料1、2及び7〜12から形成された塗膜のそれぞれに大豆油を滴下して接触角を測定し、次いで、これらの試料の表面をBEMCOT(旭化成せんい(株)製)で油皮膜が残らないように清掃してから再度接触角を測定する工程を5回繰り返した。その5回目の測定値を表4に示す。
そこで、試料1、2及び7〜12から形成された塗膜のそれぞれに大豆油を滴下して接触角を測定し、次いで、これらの試料の表面をBEMCOT(旭化成せんい(株)製)で油皮膜が残らないように清掃してから再度接触角を測定する工程を5回繰り返した。その5回目の測定値を表4に示す。
(シアン液体現像剤の調整)
Pigment Blue15:3 35質量部を、ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製プラスディックDL−90)と高分子系分散剤(味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPB−822)が8対2の質量比で混合された混合物65質量部と混練粉砕してシアン顔料を作製した。次いで、容量500mlのステンレス容器に直径3ミリのジルコニアボール450g、大豆油(日清オイリオグループ(株)製、トリグリセライドのオレイン酸成分は23.3質量%)150g、オレイン酸(関東化学(株)製)50g、分散剤(味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPA111)0.11g、シアン顔料35gを入れて、市販の攪拌機トルネードSM型プロベラ攪拌羽根を用い、回転数504ppmで24時間分散混合して着色剤分散液であるシアン液体現像剤を作製した。
Pigment Blue15:3 35質量部を、ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製プラスディックDL−90)と高分子系分散剤(味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPB−822)が8対2の質量比で混合された混合物65質量部と混練粉砕してシアン顔料を作製した。次いで、容量500mlのステンレス容器に直径3ミリのジルコニアボール450g、大豆油(日清オイリオグループ(株)製、トリグリセライドのオレイン酸成分は23.3質量%)150g、オレイン酸(関東化学(株)製)50g、分散剤(味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPA111)0.11g、シアン顔料35gを入れて、市販の攪拌機トルネードSM型プロベラ攪拌羽根を用い、回転数504ppmで24時間分散混合して着色剤分散液であるシアン液体現像剤を作製した。
(フッ素化合物から形成された塗膜で被覆されたITO電極へのシアン着色微粒子の付着性評価)
ITO電極に試料2の塗膜(大豆油の接触角100ms値が57.9°)、試料6の塗膜(大豆油の接触角100ms値が47.9°)、試料7の塗膜(大豆油の接触角100ms値が84.8°)、試料12の塗膜(大豆油の接触角100ms値が63.9°)をそれぞれ形成し、撥油性ITO電極を得た。次いで、シアン液体現像液の25℃における撥油性ITO電極への付着性を図1に示す電気泳動実験装置を用いて測定した。
ITO電極に試料2の塗膜(大豆油の接触角100ms値が57.9°)、試料6の塗膜(大豆油の接触角100ms値が47.9°)、試料7の塗膜(大豆油の接触角100ms値が84.8°)、試料12の塗膜(大豆油の接触角100ms値が63.9°)をそれぞれ形成し、撥油性ITO電極を得た。次いで、シアン液体現像液の25℃における撥油性ITO電極への付着性を図1に示す電気泳動実験装置を用いて測定した。
図1(A)は、測定セルを示す斜視図であり、図1(B)は、電極部を説明する斜視図である。測定セル1は、ガラス、合成樹脂等の電気絶縁性部材からなる容器2内に陽極側電極部3および陰極側電極部4が設置されている。また、陽極側電極部3に設けた陽極端子5には、電流供給装置(図示せず)に結合された給電用の陽極側リード線6が接続されており、陰極側電極部4に設けた陰極端子7には、電流供給装置(図示せず)に結合された陰極側リード線8が接続されている。陽極側電極部3および陰極側電極部4は、その上部に両電極部を所定の間隔を設けて保持するための保持部材取付溝9が設けられており、保持部材の取り付けによって測定中に両者が所定の間隔に保持される。また、陽極電極部3および陰極電極部4の下部には、顔料分散液が円滑に供給されるように、流通溝10が設けられている。
図1(B)に陽極電極部を示して説明するが、陰極電極部も同様の構造および部材から形成されている。陽極電極部3は、ポリアセタール樹脂(POM)のような、耐油、および耐溶剤性が大きな樹脂に陽極係合用突起11を設けた成形体が用いられる。陽極係合用突起11には、陽極12が対極との間隔を一定に保持する絶縁性部材からなるスペーサ13とともに取り付けられている。陽極12は、透明なガラス板上に、電流を印加した場合に印加電流によって溶出等をしないITO透明導電膜14を形成した電極である。透明ガラス板上にITO透明導電膜を形成したものを用いることによって、所定の時間の通電による電気泳動の後に、陽極電極部から取り外した陽極上に析出した顔料の光学的な観察および測定を容易に行うことが可能となる。
撥油性ITO電極を陰極、表面に何も塗布されていないITO電極を陽極とし、300Vの直流電圧を電気泳動実験装置に10秒間印加し、正帯電したシアン着色微粒子を電気泳動させ、撥油性ITO電極に付着させた。ITO電極を測定セルから取外し、次いで、それぞれの電極上に付着したシアン着色微粒子を転写紙(富士ゼロックスオフィスサプライ(株)製J紙)上に押圧して転写し、着色ベタ像を得た。得られた着色ベタ像の濃度を1日放置後に反射濃度計(X-Rite社製モデル520型分光濃度計)を用いて、反射濃度として測定した。撥油性(接触角が大きくなるほど、撥油性機能が高いと判断した)は、転写紙上の着色ベタ像の反射濃度(OD値)が低いほど高いと考えた。測定した反射濃度(OD値)と接触角の関係を図2に示す。大豆油がキャリアとされる液体現像剤は、大豆油の接触角が60°以上になる皮膜にはほとんど付着しないことが確認された。
(実施例1)
(中間転写体(1)の作製)
下記配合の導電性ゴム素材をクロスヘッドダイを用いて、外径160mm、厚み2.5mm、長さ360mmのアルミ製円筒上にインサート押出して、当該円筒上に厚み約5mmの導電性弾性層を形成した。次いで、蒸気加硫を行ってアルミドラム導電性弾性基体を得た。
(中間転写体(1)の作製)
下記配合の導電性ゴム素材をクロスヘッドダイを用いて、外径160mm、厚み2.5mm、長さ360mmのアルミ製円筒上にインサート押出して、当該円筒上に厚み約5mmの導電性弾性層を形成した。次いで、蒸気加硫を行ってアルミドラム導電性弾性基体を得た。
NBR 32質量部
エピクロルヒドリンゴム 68質量部
酸化亜鉛 2質量部
ケッチェンブラック 0.8質量部
アセチレンブラック 0.7質量部
パラフィン系オイル 10質量部
加硫剤 2.1質量部
加硫促進剤 2質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30質量部、導電性カーボンブラック10質量部及びメチルアルコール70質量部からなる分散液を、上記アルミドラム導電性弾性基体上に浸漬コーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記アルミドラム導電性弾性基体上に厚み20μmの中間導電層を形成した。その後、ノニオン系水性ウレタン樹脂エマルジョン(固形分62質量%)60質量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン(固形分60質量%)11.6質量部、導電性酸化スズ30質量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子径0.3μm以下)38質量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35質量%)5重量部及びイオン交換水20質量部からなる分散液を、上記中間導電層上にロールコーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記中間導電層上に厚み20μmの半導電性表面層を形成し、中間転写ドラムを得た。中間転写ドラムの体積抵抗は4.7×109Ω・cm、中間転写ドラムの仕事関数は5.70、光電子の放出が始まるときの中間転写ドラムの規格化光電子収率は11.41であった。
エピクロルヒドリンゴム 68質量部
酸化亜鉛 2質量部
ケッチェンブラック 0.8質量部
アセチレンブラック 0.7質量部
パラフィン系オイル 10質量部
加硫剤 2.1質量部
加硫促進剤 2質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30質量部、導電性カーボンブラック10質量部及びメチルアルコール70質量部からなる分散液を、上記アルミドラム導電性弾性基体上に浸漬コーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記アルミドラム導電性弾性基体上に厚み20μmの中間導電層を形成した。その後、ノニオン系水性ウレタン樹脂エマルジョン(固形分62質量%)60質量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン(固形分60質量%)11.6質量部、導電性酸化スズ30質量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子径0.3μm以下)38質量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35質量%)5重量部及びイオン交換水20質量部からなる分散液を、上記中間導電層上にロールコーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記中間導電層上に厚み20μmの半導電性表面層を形成し、中間転写ドラムを得た。中間転写ドラムの体積抵抗は4.7×109Ω・cm、中間転写ドラムの仕事関数は5.70、光電子の放出が始まるときの中間転写ドラムの規格化光電子収率は11.41であった。
中間転写体の仕事関数と規格化光電子収率の測定方法は下記のとおりである。中間転写ドラムを1〜1.5cmの幅で切断し、稜線に沿って横方向に切断して図3(a)に示す形状の測定用試料片を得る。一方、中間転写ベルトを1cm幅の大きさに切断して測定用試料片を得る。測定用試料片を、図3(b)に示すように、測定光が照射される方向に対して照射面が平行になるように、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2型)のサンプルステージに固定する。次いで、単光色の励起エネルギー(photon enegy)を、低い方から高い方にスキャンしながら測定用試料片に照射し、規格化光電子収率(emission yield)を測定する。この時、照射光量は500nW、温度は25℃、相対湿度は53%であった。励起エネルギーを横軸、規格化光電子収率を縦軸にして描いたグラフの屈曲点における励起エネルギーが仕事関数である。仕事関数は、光電子の放出が始まるエネルギー値である。
試料9の含フッ素紫外線硬化性組成物をTHFに溶解した溶液を、中間転写ドラムにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ドラムを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(1)を得た。中間転写体(1)の仕事関数は5.71eVであった。
試料9の含フッ素紫外線硬化性組成物の上記スプレー塗布条件は、厚みが2μmの下記の表面保護層を形成する際のスプレー塗布条件と同一であった。まず、膜厚測定用回転体の表面に、厚み1.5mmのアルミシートを貼り付け、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物をTHFに溶解した溶液をアルミシートにスプレー塗布し、その後、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された回転体を2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射してアルミシート上に厚みが2μmの表面保護層が形成された。
試料9の含フッ素紫外線硬化性組成物の上記スプレー塗布条件は、厚みが2μmの下記の表面保護層を形成する際のスプレー塗布条件と同一であった。まず、膜厚測定用回転体の表面に、厚み1.5mmのアルミシートを貼り付け、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物をTHFに溶解した溶液をアルミシートにスプレー塗布し、その後、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された回転体を2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射してアルミシート上に厚みが2μmの表面保護層が形成された。
(中間転写体(2)の作製)
ポリブチレンテレフタレート85質量部、ポリカーボネート15質量部及びアセチレンブラック15質量部を、窒素ガス雰囲気下でミキサーにより予備混合し、混合物を得た。次いで、当該混合物を窒素ガス雰囲気下で二軸押出機により混練し、ペレットを得た。当該ペレットを、環状ダイスを有する1軸押出機により260℃で、外径170mm、厚さ160μmのチューブ状フィルムに押出した。次にチューブ状フィルムを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。その後、当該シームレスチューブを切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ150μmの中間転写ベルトを得た。当該中間転写ベルトの体積抵抗は3.2×108Ω・cm、当該中間転写ベルトの仕事関数は5.19、光電子の放出が始まるときの当該中間転写ベルトの規格化光電子収率10.88であった。
試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(2)を得た。中間転写体(2)の仕事関数は5.68eVであった。
ポリブチレンテレフタレート85質量部、ポリカーボネート15質量部及びアセチレンブラック15質量部を、窒素ガス雰囲気下でミキサーにより予備混合し、混合物を得た。次いで、当該混合物を窒素ガス雰囲気下で二軸押出機により混練し、ペレットを得た。当該ペレットを、環状ダイスを有する1軸押出機により260℃で、外径170mm、厚さ160μmのチューブ状フィルムに押出した。次にチューブ状フィルムを、環状ダイスと同じ軸線上に支持している冷却インサイドマンドレルにより内径を規制し、冷却固化させてシームレスチューブを作製した。その後、当該シームレスチューブを切断し、外径172mm、幅383mm、厚さ150μmの中間転写ベルトを得た。当該中間転写ベルトの体積抵抗は3.2×108Ω・cm、当該中間転写ベルトの仕事関数は5.19、光電子の放出が始まるときの当該中間転写ベルトの規格化光電子収率10.88であった。
試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(2)を得た。中間転写体(2)の仕事関数は5.68eVであった。
(中間転写体(3)の作製)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30質量部、導電性カーボンブラック10質量部及びメチルアルコール70質量部からなる分散液を、アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミニウム層上に塗布し、次いで、塗布された分散液を乾燥して、アルミニウム層上に厚み20μmの中間導電層を形成した。その後、ノニオン系水性ウレタンエマルジョン(固形分62質量%)55重量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン(固形分60質量%)11.6質量部、導電性酸化スズ25質量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子径0.3μm以下)34質量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35質量%)5重量部及びイオン交換水20質量部からなる分散液を、上記中間導電層上にロールコーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記中間導電層上に厚み10μmの半導電性表面層を形成し、積層体フィルムを作製した。当該積層体フィルムを、長さ540mmに切断し、次いで、半導電性表面層を上にして当該積層体フィルムの端部を合わせ、超音波溶着を行って、転写ベルトを得た。当該中間転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cm、当該中間転写ベルトの仕事関数は5.37eV、光電子の放出が始まるときの当該中間転写ベルトの規格化光電子収率6.90であった。
試料11の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(3)を得た。中間転写体(3)の仕事関数は5.66eVであった。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30質量部、導電性カーボンブラック10質量部及びメチルアルコール70質量部からなる分散液を、アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミニウム層上に塗布し、次いで、塗布された分散液を乾燥して、アルミニウム層上に厚み20μmの中間導電層を形成した。その後、ノニオン系水性ウレタンエマルジョン(固形分62質量%)55重量部、ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン(固形分60質量%)11.6質量部、導電性酸化スズ25質量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子径0.3μm以下)34質量部、ポリエチレンエマルジョン(固形分35質量%)5重量部及びイオン交換水20質量部からなる分散液を、上記中間導電層上にロールコーティング法で塗工し、次いで塗膜を乾燥して、上記中間導電層上に厚み10μmの半導電性表面層を形成し、積層体フィルムを作製した。当該積層体フィルムを、長さ540mmに切断し、次いで、半導電性表面層を上にして当該積層体フィルムの端部を合わせ、超音波溶着を行って、転写ベルトを得た。当該中間転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cm、当該中間転写ベルトの仕事関数は5.37eV、光電子の放出が始まるときの当該中間転写ベルトの規格化光電子収率6.90であった。
試料11の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(3)を得た。中間転写体(3)の仕事関数は5.66eVであった。
(中間転写体(4)の作製)
特開2001−42656号公報に実施例1として記載された方法により作製された、ポリイミド系樹脂からなる日東電工(株)製の中間転写ベルトを中間転写体(比較例)とした。中間転写体(比較例)の体積抵抗は8.8×109Ω・cm、中間転写体(比較例)の仕事関数は5.52cVであった。試料12の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(4)を得た。中間転写体(4)の仕事関数は5.66eVであった。
特開2001−42656号公報に実施例1として記載された方法により作製された、ポリイミド系樹脂からなる日東電工(株)製の中間転写ベルトを中間転写体(比較例)とした。中間転写体(比較例)の体積抵抗は8.8×109Ω・cm、中間転写体(比較例)の仕事関数は5.52cVであった。試料12の含フッ素紫外線硬化性性組成物をTHFに溶解した溶液を、当該中間転写ベルトにスプレー塗布し、次いで、含フッ素紫外線硬化性組成物が塗布された中間転写ベルトを2.5m/minで回転させながら、照射量が160mJ/cm2の紫外線を20秒間照射し、厚み約2μmの表面保護層を有する中間転写体(4)を得た。中間転写体(4)の仕事関数は5.66eVであった。
(液体現像システム用有機感光体ドラムの作製)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製TS−2020)21質量部、無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業(株)製)2質量部、ヒドラゾン化合物(アナン(株)製)10質量部、トルエン180質量部及び3,5−ジメチル−3’ ,5’−ジターシャリーブチル−4,4’ジフェノキノン5質量部を、ペイントコンディショナー中で10時間混合し塗布液を得た。次いで、当該塗布液を、Φ40のアルミ素管にリングコート法で塗布して塗膜を形成し、その後、当該塗膜を乾燥して、有機感光体ドラムを作製した。試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物をメチルセルソルブに溶解し、固形分濃度5質量%の塗布液を調製した。試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物が溶解された塗布液を、旭サナック(株)製スプレー塗装機を用いて、有機感光体ドラムの下から上に、当該ドラムを120rpmで回転させながら塗布した。その後、同じ操作を再度繰り返した。次に、含フッ素紫外線硬化性性組成物が塗布された有機感光体ドラムを、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)を用いて120rpmで回転させながら、照射量160mJ/cm2の紫外線を20秒照射し、厚み1μmの表面保護層で被覆された液体現像システム用有機感光体ドラムを作製した。
次いで、当該有機感光体ドラムの半減衰露光量及び光減衰残留電位(露光量1μJ/cm2後の電位)を、以下に記載される光減衰曲線に基づいて求めた。ドラムテスター(QEA社製PDT−2000LTM)を用い、プロセススピードを206m/min、印加電圧を5.2kV、表面電位を600Vに設定し、帯電露光を行って光減衰曲線を描いた。結果を表5に示す。表5には、上記有機感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も示す。更に、表面保護層が形成されていない有機感光体ドラムの半減衰露光量及び光減衰残留電位、表面保護層が形成されていない有機感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も測定した。
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製TS−2020)21質量部、無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業(株)製)2質量部、ヒドラゾン化合物(アナン(株)製)10質量部、トルエン180質量部及び3,5−ジメチル−3’ ,5’−ジターシャリーブチル−4,4’ジフェノキノン5質量部を、ペイントコンディショナー中で10時間混合し塗布液を得た。次いで、当該塗布液を、Φ40のアルミ素管にリングコート法で塗布して塗膜を形成し、その後、当該塗膜を乾燥して、有機感光体ドラムを作製した。試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物をメチルセルソルブに溶解し、固形分濃度5質量%の塗布液を調製した。試料10の含フッ素紫外線硬化性性組成物が溶解された塗布液を、旭サナック(株)製スプレー塗装機を用いて、有機感光体ドラムの下から上に、当該ドラムを120rpmで回転させながら塗布した。その後、同じ操作を再度繰り返した。次に、含フッ素紫外線硬化性性組成物が塗布された有機感光体ドラムを、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)を用いて120rpmで回転させながら、照射量160mJ/cm2の紫外線を20秒照射し、厚み1μmの表面保護層で被覆された液体現像システム用有機感光体ドラムを作製した。
次いで、当該有機感光体ドラムの半減衰露光量及び光減衰残留電位(露光量1μJ/cm2後の電位)を、以下に記載される光減衰曲線に基づいて求めた。ドラムテスター(QEA社製PDT−2000LTM)を用い、プロセススピードを206m/min、印加電圧を5.2kV、表面電位を600Vに設定し、帯電露光を行って光減衰曲線を描いた。結果を表5に示す。表5には、上記有機感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も示す。更に、表面保護層が形成されていない有機感光体ドラムの半減衰露光量及び光減衰残留電位、表面保護層が形成されていない有機感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も測定した。
含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる、厚み1μmの表面保護層で被覆された有機感光体ドラムの光感度は、表面保護層が形成されていない有機感光体ドラムの光感度より少し低かった。しかしながら、厚み1μmの表面保護層で被覆された有機感光体ドラムは、実用上問題がない光感度を有していた。また、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角は、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層上の大豆油の接触角とほぼ同じであった。
(マゼンタ、イエロー及びブラック液体現像剤の調製)
シアン液体現像剤(C)の調整方法で使用されたPigment Blue15:3に代えて、マゼンタ顔料のPigment Red57:1、イエロー顔料のPigment Yellow74、ブラック顔料のカーボンブラック(粒子径40nm、窒素吸着比表面積55m2/g)を用い、マゼンタ液体現像剤(M)、イエロー液体現像剤(Y)、ブラック液体現像剤(K)を作製した。
シアン液体現像剤(C)の調整方法で使用されたPigment Blue15:3に代えて、マゼンタ顔料のPigment Red57:1、イエロー顔料のPigment Yellow74、ブラック顔料のカーボンブラック(粒子径40nm、窒素吸着比表面積55m2/g)を用い、マゼンタ液体現像剤(M)、イエロー液体現像剤(Y)、ブラック液体現像剤(K)を作製した。
(液体現像方式のタンデムプリンタによる印字試験)
次に、図4に示す液体現像方式のタンデムプリンタの現像容器21K、21C、21M、21Yに、上記で作製した各色の液体現像剤を貯蔵して、印字試験を行った。印字試験では、各色5%の色画像を含む印字パターンを用い、1000枚の連続印字を行った。
液体現像方式のタンデムプリンタによる画像形成の概略を説明する。入力された画像信号に基づいて、露光ユニット22により変調されたレーザ光が、一様に帯電された感光体20K、20C、20M、20Y上に照射され、感光体20K、20C、20M、20Y上に静電潜像が形成される。次いで、現像容器21K、21C、21M、21Yに貯蔵された各色の液体現像剤により、感光体20K、20C、20M、20Y上に形成された静電潜像が現像される。現像された感光体20K、20C、20M、20Y上の各色のトナー像が中間転写ベルト23上に順次一次転写され、トナー像が形成される。中間転写ベルト23は、無端ベルトであり、ベルト駆動ローラ25とテンションローラ26との間に張架され、感光体20K、20C、20M、20Yと当接しながら駆動ローラ25により回転駆動される。中間転写ベルト23上に形成されたトナー像は、二次転写ローラ24が配置された二次転写位置において、カセット29から供給される転写材に二次転写される。二次転写位置を通過した転写材は、加圧ローラ28により定着ローラ27に押圧され、転写材上のトナー像が定着される。
次に、図4に示す液体現像方式のタンデムプリンタの現像容器21K、21C、21M、21Yに、上記で作製した各色の液体現像剤を貯蔵して、印字試験を行った。印字試験では、各色5%の色画像を含む印字パターンを用い、1000枚の連続印字を行った。
液体現像方式のタンデムプリンタによる画像形成の概略を説明する。入力された画像信号に基づいて、露光ユニット22により変調されたレーザ光が、一様に帯電された感光体20K、20C、20M、20Y上に照射され、感光体20K、20C、20M、20Y上に静電潜像が形成される。次いで、現像容器21K、21C、21M、21Yに貯蔵された各色の液体現像剤により、感光体20K、20C、20M、20Y上に形成された静電潜像が現像される。現像された感光体20K、20C、20M、20Y上の各色のトナー像が中間転写ベルト23上に順次一次転写され、トナー像が形成される。中間転写ベルト23は、無端ベルトであり、ベルト駆動ローラ25とテンションローラ26との間に張架され、感光体20K、20C、20M、20Yと当接しながら駆動ローラ25により回転駆動される。中間転写ベルト23上に形成されたトナー像は、二次転写ローラ24が配置された二次転写位置において、カセット29から供給される転写材に二次転写される。二次転写位置を通過した転写材は、加圧ローラ28により定着ローラ27に押圧され、転写材上のトナー像が定着される。
印字試験は下記の条件下で行われた。
プロセス速度:206m/min
印加電圧:5.5kV
現像バイアス:350V
現像ローラ30K、30C、30M、30Y上のトナー層厚:10μm
1次転写電圧:650V
2次転写電圧:1.5kV
転写体:三菱製紙(株)製EP−L微塗工81.4gsm
定着ローラ27温度:120℃
上記プリンタ用有機感光体ドラムが、感光体20K、20C、20M及び20Yとして使用された。中間転写体(2)〜(4)及び中間転写体(比較例)のそれぞれを中間転写ベルト23として使用し、1000枚の転写材を印字した。その後、各中間転写体からクリーニングされた液体現像剤の量を求めた。結果を表5に示す。また、中間転写体(1)〜(4)及び中間転写体(比較例)のそれぞれの上での大豆油の接触角(5900ms値)を測定した。当該接触角と中間転写体(2)〜(4)及び中間転写体(比較例)の仕事関数も表6に示す。
プロセス速度:206m/min
印加電圧:5.5kV
現像バイアス:350V
現像ローラ30K、30C、30M、30Y上のトナー層厚:10μm
1次転写電圧:650V
2次転写電圧:1.5kV
転写体:三菱製紙(株)製EP−L微塗工81.4gsm
定着ローラ27温度:120℃
上記プリンタ用有機感光体ドラムが、感光体20K、20C、20M及び20Yとして使用された。中間転写体(2)〜(4)及び中間転写体(比較例)のそれぞれを中間転写ベルト23として使用し、1000枚の転写材を印字した。その後、各中間転写体からクリーニングされた液体現像剤の量を求めた。結果を表5に示す。また、中間転写体(1)〜(4)及び中間転写体(比較例)のそれぞれの上での大豆油の接触角(5900ms値)を測定した。当該接触角と中間転写体(2)〜(4)及び中間転写体(比較例)の仕事関数も表6に示す。
表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体に付着した液体現像剤の量は、表面保護層が形成されていない液体現像システム用中間転写体に付着した液体現像剤の量よりもかなり少なかった。従って、下記(1)及び(2)として示される結論を導き出せると考えられる。
(1)液体現像剤は、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用有機感光体の非画像部に付着しがたく、かつ、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体に転写しがたい。
(2)上記有機感光体及び中間転写体が使用される画像形成装置は、転写効率が高い。
(1)液体現像剤は、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用有機感光体の非画像部に付着しがたく、かつ、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体に転写しがたい。
(2)上記有機感光体及び中間転写体が使用される画像形成装置は、転写効率が高い。
なお、シアン液体現像剤の仕事関数は5.40eV、マゼンタ液体現像剤の仕事関数は5.47eV、イエロー液体現像剤の仕事関数は5.42eV、ブラック液体現像剤の仕事関数は5.45eV、これらの液体現像剤のキャリアとして用いられているオレイン酸の仕事関数は5.45eV、同じく大豆油の仕事関数は5.50eVであった。これらの仕事関数は、以下のようにして測定した。最初に、図5(a)及び(b)に示す、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmの収容凹部を有する測定セルの凹部内に試料を入れた。次いで、ナイフエッジを使用して試料の表面を均して平らにした。その後、試料を充填した測定セルを用いて上記した方法により仕事関数を測定した。中間転写体(1)〜(4)の仕事関数は、各液体現像剤の仕事関数より大きい。従って、各液体現像剤は、本発明の中間転写体に接触すると、各液体現像剤は正に帯電し得るが、負に帯電し得ない帯電特性を有すると考えられる。当該帯電特性は、各液体現像剤を感光体から中間転写体へ電圧を印可して一次転写し、次いで、中間転写体から転写材へ電圧を印可して二次転写する画像形成方法において、有利な特性である。
1…測定セル、2…容器、3…陽極側電極部、4…陰極側電極部、5…陽極端子、6…陽極側リード線、7…陰極端子、8…陰極側リード線、9…保持部材取付溝、10…流通溝、11…陽極係合用突起、12…陽極、13…スペーサ、14…透明導電膜、20K、20C、20M、20Y…感光体、21K、21C、21M、21Y…現像容器、22…露光ユニット、23…中間転写ベルト、24…二次転写ローラ、25…ベルト駆動ローラ、26…テンションローラ、27…定着ローラ、28…加圧ローラ、29…カセット、30K、30C、30M、30Y…現像ローラ
Claims (14)
- 表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体であって、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体。
- 一般式(1)中のXが、下記一般式(3)
−(CH2)p−Zq−(CH2)r− (3)
〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である、請求項2に記載の液体現像システム用中間転写体。 - 一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1がCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfが、Rf1と同一又は異なるCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である、請求項2又は3に記載の液体現像システム用中間転写体。
- 一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6又は8である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6又は8である、請求項4に記載の液体現像システム用中間転写体。
- フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
Rf−(CH2)r−Z−H (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCnF2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
- 化合物(a2)が、前記一般式(4)で表される化合物〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕又は前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nが4、6又は8である。)である、請求項6に記載の液体現像システム用中間転写体。
- 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
- 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−又は炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子又は炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートと脂環構造を有するイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである、請求項6〜8のいずれかに記載の液体現像システム用中間転写体。
- 表面保護層上の大豆油の接触角が60°〜90°である、請求項1〜9のいずれかに記載の液体現像システム用中間転写体。
- ベルト形状である、請求項1〜10のいずれかに記載の液体現像システム用中間転写体。
- ドラム形状である、請求項1〜10のいずれかに記載の液体現像システム用中間転写体。
- 基体に含フッ素光硬化性組成物を塗布し、次いで、100〜500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して含フッ素光硬化性組成物を硬化する、表面が含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された液体現像システム用中間転写体の製造方法であって、含フッ素光硬化性組成物はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で、分子量が500〜4000である、液体現像システム用中間転写体の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の液体現像システム用中間転写体と、キャリアとして植物油を含む液体現像剤が使用される画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2006289694A JP2008107532A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 液体現像システム用中間転写体、その製造方法及びそれを用いた画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010024408A1 (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-04 | 株式会社ブリヂストン | 導電性エンドレスベルト |
JP2015215634A (ja) * | 2010-12-02 | 2015-12-03 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 中間転写部材の再生方法 |
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2006
- 2006-10-25 JP JP2006289694A patent/JP2008107532A/ja not_active Withdrawn
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