JP2008107383A - ゴニオクロマティック素子およびそれを用いた表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】偽造困難な構造を有し、かつその場で真偽判定が容易な構成を有するゴニオクロマティック素子およびそれを用いた表示体を提供する。
【解決手段】ゴニオクロマティック素子は、透明層11、誘電体層12、光学構造体13、補助層14を含んで構成されている。光学構造体13は、光回折機能を有する回折構造や光散乱機能を有する散乱構造などの凹凸構造を有する光学機能パターンが形成されている。誘電体層12は、光学構造体13の凹凸面に設けられている。誘電体層12により、入射光に対して反射光、透過光の特定波長成分を選択的に強くすることができ、任意の色を呈することが可能となる。回折構造・光散乱構造によって上記の特定波長成分が強く、回折もしくは散乱するため、全く独特の見え方を実現することができ、真偽判定の際には容易にかつ確実に目視による判定を行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材表面に設けられた複数種の微細構造に誘電体層を組合せ、さらに吸収層、反射層、散乱層を付加した、主にセキュリティ用のゴニオクロマティック素子およびそれを用いた表示体に関するものである。
ここでゴニオクロマティック素子とは、視角(観察角度)によって色の変化を示す素子のことを指す。
従来、偽造を防止する手段としては、簡単に真似する事のできない微細構造や色調変化を施したり、または他の光学機能フィルムを判定子として、それとの組み合わせでのみある光学的現象が観察されるような構成としたり、さらには専用の読取装置でのみ一定のパターン等が読み取れるような構成とするなど、様々な態様が技術の進歩とともに実用化されてきた。
その中でも、実際の運用上の簡便さから、最も利用されているものの一つとして、ホログラムや回折格子像が挙げられる。
ホログラムは、二光束干渉などの光学的撮影方法により、微細な凹凸パターンや、屈折率分布を設けることで作製される。一方、回折格子像は、微小なエリアに回折格子を配置したものを画素として作製される。
上記ホログラムや回折格子像は、双方ともに偽造困難で、カラーコピー機等による複写も困難で、また意匠的にも優れることから、クレジットカードやIDカード、各種有価証券、証明書等に広く用いられている。
しかしながら、実際の運用上ではホログラムや回折格子像の真偽判定は人の目に委ねられるため、微視的には粗悪な偽造品であっても全ての人が肉眼で一様に正確な真偽判定を行うことは容易でない。
一方、見た目に簡単に真偽を判定でき、カラーコピー機による複写も困難との理由から、主に複数の屈折率の異なる層を積層したことによる積層体が提案されている。
この場合、特定の波長の光が強く反射され、また反射角度によりその波長が変化することから、視角(観察角度)によって色が変化する現象が観察できる。この色変化の有無を観察することで比較的容易に真偽判定ができ、当然カラーコピー機による複写も不可能となる。
しかしながらこの場合も、何らかの方法で同様の色変化を示す積層体によって偽造がなされた場合、全ての人が一様に正確な真偽判定を行うことは困難となる。
特許第2797944号 特許第3139255号 特許第3329234号 特許第3395322号 特許第3409412号 特許第3435840号 特許第3470411号 特許第3480336号 特許第3536413号
本発明は、上記の技術的背景を考慮してなされたものであり、偽造困難な構造を有し、かつその場で真偽判定が容易な構成を有するゴニオクロマティック素子およびそれを用いた表示体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るゴニオクロマティック素子は、光学的に異なる機能を有する二種以上の凹凸構造を有する光学機能パターンが形成された光学構造体と、前記光学構造体の凹凸面に一層以上形成された誘電体層と、前記誘電体層が前記光学構造体に臨む面と反対側の面に形成された透明層と、前記光学構造体が前記誘電体層に臨む面と反対側の面、あるいは、前記透明層が前記誘電体層に臨む面と反対側の面に形成された補助層とを備え、前記補助層は、吸収層、散乱層、反射層のうち、少なくともいずれか1層を有し、前記吸収層は前記誘電体層での光透過成分を吸収するように構成され、前記散乱層は前記誘電体層での光透過成分を散乱させるように構成され、前記反射層は前記誘電体層での光透過成分を反射するように構成されていることを特徴とする。
また本発明の請求項2に係るゴニオクロマティック素子は、前記補助層は前記吸収層、散乱層、反射層のうち、少なくとも2層が積層されて構成されて構成されていることを特徴とする。
また本発明の請求項3に係るゴニオクロマティック素子は、前記光学構造体は、前記凹凸面と反対側の面に光を散乱する構造を有することを特徴とする。
また本発明の請求項4に係るゴニオクロマティック素子は、前記光学構造体は、前記光学構造体の内部に光を散乱する機能を備えることを特徴とする。
また本発明の請求項5に係るゴニオクロマティック素子は、前記補助層は、前記補助層が形成されている部分と、前記補助層が形成されていない部分とによりパターン状に形成されていることを特徴とする。
また本発明の請求項6に係るゴニオクロマティック素子は、前記補助層は、前記吸収層、散乱層、反射層のうち少なくとも2層が積層されて構成され、前記補助層を構成する複数の層のうち、少なくとも1層はその層が形成されている部分と、前記層が形成されていない部分とによりパターン状に形成されていることを特徴とする。
また本発明の請求項7に係るゴニオクロマティック素子は、前記透明層が前記誘電体層に臨む面と反対側の面に、耐擦傷性および/または防汚性を有する保護層を配置したことを特徴とする。
また本発明の請求項8に係るゴニオクロマティック素子は、前記透明層が耐擦傷性および/または防汚性を有することを特徴とする。
また本発明の請求項9に係る表示体は、請求項1乃至8に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子を、カードや紙などの基材上に配置したことを特徴とする。
また本発明の請求項10に係る表示体は、前記基材が光透過性を有することを特徴とする。
本発明によれば、偽造困難な微細構造と層構成を有し、かつその背面に補助層を設けることで、目視での観察などの簡便な方法で確実な真偽判定が容易に行えるゴニオクロマティック素子および表示体を提供することができる。
以下、図面を使いながら本発明を具体的に解説する。
図1は、本発明に係る実施形態の一例を概略的に示したものである。
図1に示すように、ゴニオクロマティック素子は、透明層11、誘電体層12、光学構造体13、補助層14を含んで構成されている。
光学構造体13は、光回折機能を有する回折構造や光散乱機能を有する散乱構造などの凹凸構造を有する光学機能パターンが形成されている。
誘電体層12は、光学構造体13の凹凸面に設けられている。
透明層11は、誘電体層12が光学構造体13の凹凸面に臨む面と反対側の面(前面)に設けられている。
補助層14は、光学構造体13が誘電体層12に臨む面と反対側の面(背面)に設けられている。
ここで、特に断りの無い限り、本発明に係るゴニオクロマティック素子は本図に示したような配置で観察することを基本とし、前記ゴニオクロマティック素子の各構成層の観察者側を前記各構成層の前面、その反対側の面を前記各構成層の背面と呼ぶこととする。
まず、回折構造とは、光の波長オーダーの微細な物理的凹凸の繰り返し、若しくは屈折率の異なる部位の繰り返しにより光を回折、干渉することができる構造のことであり、一般的には上述したホログラムや回折格子がよく知られている。
特に回折格子は、所望の像または光学特性から理論に基づいて必要な構造が逆算できることから、設計の自由度が高く、様々な光機能を得ることができる。
通常の回折格子像では、複数種類の回折格子を配置することにより一定の角度で回折光によってカラーイメージが得られるように作製されるが、配置する回折格子の条件によっては、ある方位のある角度を中心とした一定の範囲において予め決められた強度分布をもつ白色の回折光を得ることも可能である。
上記カラーイメージに加えてこのような構造を設けることで、より多彩な光学機能を付与することができる。
特にパターンの無い部分や後述する散乱構造を有する部分との変角コントラストを得ることができる。
ここで変角コントラストとは、観察対象に対して、観察者の視角が変化した際に観察される像のコントラスト(輝度やS/N、色の差を含む広義のコントラスト)を指すものとする。
また、本発明では、これらに限らず如何なる光回折機能をもつ凹凸構造を適用することができる。
また、散乱構造とは、ここでは光が凹凸構造によって散乱するような表面もしくは界面の構造のことを指す。
この凹凸構造は、サンドブラストやウェットブラストのように粒子を物理的に表面に衝突させることで形成したり、粒子を添加した塗工液を塗布したり、リソグラフィーにより凹凸形状を形成したり、または予め凹凸構造を有する表面を複製することで得ることができる。
特に一定の凹凸構造を安定的に得ようとする場合には、あらかじめ設定した凹凸を与えることができるリソグラフィーが高い設計自由度を持ち、より優れているといえる。
たとえば特開2002−333854に開示されているように、光散乱要素からなる光散乱体を配置してなる光散乱パターンにおいて、その光散乱要素の形状や、光散乱体内の光散乱要素の密度を変えることで、光散乱性を適宜設定することができる。
また、該凹凸形状をある一方向にのみ凹部や凸部が伸びたような形状とすることで、光の散乱を異方的に起こすことができ、一般的にヘアラインと呼ばれる構造の典型例である。本発明では、これらに限らず如何なる光散乱機能をもつ構造を適用することができる。
本発明の光学機能パターンは、前記回折構造、前記散乱構造などからなり、これらの組み合わせでも良い。
光学構造体13は、たとえば前記光学機能パターンの凹凸が逆のパターンが予め形成されたマスタースタンパを用いて凹凸を基材上に転写形成することで得ることができる。
具体的には、前記スタンパを基材に押し付けてエンボス形成する方法や、電離線硬化樹脂を介して基材上に前記スタンパのパターンを複製する方法などを用いることができる。もちろん各々の構造が形成できる方法であれば、上記の方法に限らない。
なお、上述の基材については、光透過性の基材であれば特に限定はなく、例として、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、トリアセチルセルロースのフィルム等を用いることができる。
誘電体層12は、観察者の視角によって色が変化するゴニオクロマティック機能を有するように設ける必要があり、屈折率が互いに異なる複数のセラミック材料を積層することなどで得られる。
誘電体層12は、膜厚の制御が可能であれば、いかなる成膜方法も用いることができる。
乾式法であれば真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法が用いられる。
また湿式法であればダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、ロールコート、ディップコートなどが用いられる。
ただし湿式法の場合は、低屈折膜用の塗工液としてフッ素原子を含有するポリマーやオリゴマー、モノマー類、または上述の低屈折材料の微粒子をポリマーやオリゴマー、モノマー類に配合したものなどや、無機物のアルコキシドなどのゾルを用いることができる。
高屈折膜用の塗工液としては、上述の高屈折材料の微粒子をポリマーやオリゴマー、モノマー類に配合したものや、亜鉛、チタン、ニオブ、ジルコニウムなどの金属アルコキシドのゾルを用いることができる。
あるいは、前記スタンパを、予め異なる屈折率の層が積層されたフィルム等に、押し付けてエンボス形成する方法でもよい。
これらの誘電体層12の構成により、本発明のゴニオクロマティック素子では、入射光に対して反射光、透過光の特定波長成分を選択的に強くすることができ、任意の色を呈することが可能となる。もちろん、この効果は入射角度や視角にも依存するため、視角を変えると固有の色変化を得ることができる。
さらに本発明では、回折構造・光散乱構造によって上記の特定波長成分が強く、回折もしくは散乱するため、全く独特の見え方を実現することができ、真偽判定の際には容易にかつ確実に目視による判定を行うことが可能となる。
また、回折構造、光散乱構造という偽造・模造が困難である構造に、誘電体層12を形成しているため、一層類似品を作ることを困難としている。
また、誘電体12の前面に配置される透明層13は、図1に示したように、光学構造体13由来の誘電体層12前面の凹凸面を平坦化するように設けられる。
これにより、誘電体層12前面の凹凸構造が外部からの擦傷をうけず、より実用に適したゴニオクロマティック素子を得ることができる。
透明層13は、光透過性があれば特に限定はなく、上述の基材と同じような材料を用いることができる。
ここで、本発明における透明層11、誘電体層12、光学構造体13をこの順序で積層してなる物品は、透明層11側から観察しても、光学構造体13側から観察しても基本的に同等の光学的効果が得られることから、本発明における補助層14が透明層11の前面に配置された構成も、言い換えると、補助層14が、光学構造体13が誘電体層12に臨む面と反対側の面に設けられた構成も、本発明に含まれることになる。
次に、光学構造体13の背面に配置される補助層14としては、吸収層か散乱層か反射層のいずれか1層、もしくは異なる2層以上を採用することができる。ここで、吸収層、散乱層、反射層のうち少なくとも2層以上を採用した場合、補助層14は、吸収層、散乱層、反射層のうち少なくとも2層が積層されて構成される。
まず、それぞれ吸収層、散乱層、反射層が、誘電体層との組合せにおいて発揮するそれぞれの効果について解説する。
補助層14として吸収層を用いた場合、誘電体層12での光透過成分は、該吸収層にて吸収されるため、誘電体層12での反射光成分のみが前面から観察されるようになり、かつ吸収層が無い場合の光学構造体/空気層界面での反射光成分も吸収されることから、より波長選択性の高い反射光が得られる。これにより、上述の視角を変えたときの固有の色変化がよりはっきりと観察されるようになる。
次に、補助層14として散乱層を用いた場合、誘電体層12での光透過成分は、該散乱層にて散乱されるため、誘電体層12での反射光成分に加え、反射散乱光が観察されるようになる。
よって、特に観察角度を選ばなければ、前記反射散乱光の色が観察されるが、光源の正反射光を観察すると誘電体層12での反射光成分が観察されるので、ある視角において全く異なる色が観察されるゴニオクロマティック素子とすることができる。
さらに、前記散乱層が光透過性の散乱層である場合は、背面側からも前記反射散乱光と同様の色が観察できるような、両面で異なる効果を有するゴニオクロマティック素子とすることもできる。
また、補助層14として反射層を用いた場合、誘電体層12での光透過成分は該反射層にて反射されるため、誘電体層12での反射光成分に加えて、反射光が観察されるようになる。
前記反射光が散乱されない場合は、前面からは、上述の誘電体層12による呈色およびその視角による色変化は観察されないことになる。
しかし、図2に示したような、光学構造体13の背面に光散乱部21aが備えられた、または図3に示したような、内部で光散乱が生じるような光学構造体31を備える場合、該反射層での反射光は散乱されるため、前面からは上述の散乱層を備えた場合と同様の効果が得られる。
たとえば、図2に例示したように、光学構造体21において光散乱部21aの有る部分と無い部分が存在すれば、それぞれの部分で異なる呈色およびその視角変化を得ることができる。
ここで、光学構造体13の光散乱部21は、上述の散乱構造と同様の方法を用いて設けることができる。
また、光学構造体31は、その内部において光を散乱する機能を発揮すれば特に限定されるものではないが、たとえば、光透過性の樹脂に、前記樹脂とは異なる屈折率のフィラーを分散させてなる光散乱体の表面に、上述の光学機能パターンを形成することで光学構造体31を得ることができる。
図4には、補助層14がパターン状に形成された例を示す。
すなわち、補助層14は、補助層14が形成されている部分と、補助層14が形成されていない部分とによりパターン状に形成されている。
補助層14の無い部分は、誘電体層12での反射光成分が前面から、透過光成分が背面から観察される。
一方、補助層14として吸収層または散乱層または反射層が形成されている部分は、それぞれの場合において、上述のように誘電体層12との組合せにより、それぞれ異なる固有の光学的効果が得られる。
また、図5には、より具体的な例として、補助層14が吸収層51と反射層52の2層から構成され、光学構造体13に近接する吸収層51がパターン状に形成された例を示す。
すなわち、補助層14が吸収層、散乱層、反射層のうち少なくとも2層が積層されて構成され、補助層14を構成する複数の層のうち、少なくとも1層はその層が形成されている部分と、層が形成されていない部分とによりパターン状に形成されている。
この場合、吸収層51の無い部分では、上述のような誘電体層12と反射層52の組合せによる光学的効果が、吸収層31の形成された部分では、上述のような誘電体層12と吸収層31の組合せによる光学的効果が得られる。
以上のように、補助層14を構成するいずれかの層がパターン状に形成されることで、異なる光学的効果が同時に得られるゴニオクロマティック素子とすることができる。
もちろん、補助層14の構成は図2、図3の例に限らず、吸収層、散乱層、反射層のいかなる組合せからなることも可能で、また、それぞれの組合せにおいて、それぞれ異なる光学的効果を得ることができる。
本発明に係る吸収層は、染料や顔料による着色層や可視光域に吸収をもつ無機酸化物もしくは金属酸化物の層、または光透過性の金属層などから形成することができる。
前記着色層は、特に限定されるものではないが、たとえば通常の印刷等に用いられる、染料や顔料を含んだ透明のインキにより設けることができる。
前記金属酸化物の層は特にCr2O3やSiOのような全可視光領域にわたってほとんど光を透過せず、しかしながら若干の光沢を残す金属酸化物を指し、金属光沢を有することから前記着色層とは異なる視角効果を付与することができる。
また、光透過性の金属層としては、光透過性を示す金属であれば特に限定されるものでないが、一般的にはアルミニウムやクロムなど、あるいはそれらの酸化物などが用いられる。この際、適切な光透過率が得られるよう、それぞれの材料について適宜膜厚を設定する必要がある。
本発明に係る散乱層は、特に限定されるものでなく、可視光領域において光を散乱する性質をもつ如何なる材料も適用可能である。もちろん、ここでは、たとえば一定の表面粗さを有する表面での散乱も含まれる。
本発明に係る反射層は、可視光領域において一定の光反射率を有するものであれば特に限定されるものではないが、反射率の観点から、クロム、アルミニウム、金、アルミ青銅または真鍮、あるいはこれらと同等の反射率が得られる金属から形成されることが望ましい。
以上のように、本発明のゴニオクロマティック素子では、回折構造、光散乱構造という偽造・模造が困難である構造に、誘電体層を形成し、さらに様々な形態で補助層を設けることで、全体構造の一層の複雑化、および光学的に特有な外観を与えることが可能となる。
つまり、本発明により一層類似品を作ることが困難で、意匠性に優れ、真偽判定の容易なゴニオクロマティック素子を提供することができる。
図6は、光学構造体11の前面に保護層61を設けた例を示したものである。
保護層61はそれだけでも光学構造体11の凹凸構造の偽造および模造を防止する効果を発揮するが、さらに耐擦傷機能、および/または防汚機能をもたせることにより、本発明のゴニオクロマティック素子を実用する上でのキズ、および/または汚れ防止の効果が得られる。
または、透明層11が、同等の耐擦傷機能、および/または防汚機能を有することでも、上記の効果が得られるものである。
以上のようにして得られたゴニオクロマティック素子を、カードや紙などの基材71上に配置した例を図7に示す。
本例は、本発明に係るゴニオクロマティック素子を実用に供した表示体の実施形態の一例である。基材71は特に制限が無く、配置することが可能であれば、如何なる固体にも適用できる。
また、上述した両面で異なる効果を有するゴニオクロマティック素子に対して、光透過性の基材を配置することで、両面で異なる効果を有する表示体とすることができる。
ここで、本発明に係る表示体の開示は、あくまでも構成に係るものであって、たとえば、上述の補助層と同等の構成を有する層が予め設けられた基材の上に、前記光学構造体と前記誘電体層を光学薄膜として備えた素子を配置した場合も、本発明に含まれるものである。
以上説明したように、本発明によれば、偽造困難な微細構造と層構成を有し、かつその背面に補助層を設けることで、目視での観察などの簡便な方法で確実な真偽判定が容易に行えるゴニオクロマティック素子を提供することができる。
特に補助層を設けることで、従来のホログラムや回折格子および/または光散乱パターンの視覚効果に加えて、誘電体層との組み合わせによる視角に依存した顕著かつ特有な色変化が得られ、あるいは同一面内において異なる態様の呈色・色変化が得られ、あるいは両面で異なる態様の光学的効果が得られるものである。
また、本発明のゴニオクロマティック素子では、その前面に耐擦傷性、防汚性を有する保護層を設けることで、微細構造の偽造や模造を防止するばかりでなく、キズや汚れに耐性を持たせることができ、より実用的な機能が得られるものである。
さらに、本発明のゴニオクロマティック素子に基材を配することで、上述のような高い偽造の防止の効果と意匠性を有する偽造・模造の困難な表示体を提供することができるものである。
本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。 本発明に係るゴニオクロマティック素子の一形態を概略的に示した図である。
符号の説明
1…光源、2…観察者、10、20、30、40、50、60…ゴニオクロマティック素子、70…表示体、11…透明層、12…誘電体層、13…光学構造体、14…補助層、21…光散乱部を備えた光学構造体、21a…光散乱部、31…内部に光散乱機能を有する光学構造体、51…吸収層、52…反射層、61…保護層、71…基材。

Claims (10)

  1. 光学的に異なる機能を有する二種以上の凹凸構造を有する光学機能パターンが形成された光学構造体と、
    前記光学構造体の凹凸面に一層以上形成された誘電体層と、
    前記誘電体層が前記光学構造体に臨む面と反対側の面に形成された透明層と、
    前記光学構造体が前記誘電体層に臨む面と反対側の面、あるいは、前記透明層が前記誘電体層に臨む面と反対側の面に形成された補助層とを備え、
    前記補助層は、吸収層、散乱層、反射層のうち、少なくともいずれか1層を有し、
    前記吸収層は前記誘電体層での光透過成分を吸収するように構成され、
    前記散乱層は前記誘電体層での光透過成分を散乱させるように構成され、
    前記反射層は前記誘電体層での光透過成分を反射するように構成されている、
    ことを特徴とするゴニオクロマティック素子。
  2. 前記補助層は前記吸収層、散乱層、反射層のうち、少なくとも2層が積層されて構成されて構成されていることを特徴とする請求項1記載のゴニオクロマティック素子。
  3. 前記光学構造体は、前記凹凸面と反対側の面に光を散乱する構造を有することを特徴とする請求項1記載のゴニオクロマティック素子。
  4. 前記光学構造体は、前記光学構造体の内部に光を散乱する機能を備えることを特徴とする請求項1記載のゴニオクロマティック素子。
  5. 前記補助層は、前記補助層が形成されている部分と、前記補助層が形成されていない部分とによりパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子。
  6. 前記補助層は、前記吸収層、散乱層、反射層のうち少なくとも2層が積層されて構成され、
    前記補助層を構成する複数の層のうち、少なくとも1層はその層が形成されている部分と、前記層が形成されていない部分とによりパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子。
  7. 前記透明層が前記誘電体層に臨む面と反対側の面に、耐擦傷性および/または防汚性を有する保護層を配置したことを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子。
  8. 前記透明層が耐擦傷性および/または防汚性を有することを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子。
  9. 請求項1乃至8に何れか1項記載のゴニオクロマティック素子を、カードや紙などの基材上に配置したことを特徴とする表示体。
  10. 前記基材が光透過性を有することを特徴とする請求項10記載の表示体。
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