JP2008107154A - スギ花粉症の診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スギ花粉由来タンパク質に対する免疫バランスを考慮したスギ花粉症の診断方法を提供する。
【解決手段】本発明は、被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉由来タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む、スギ花粉症の診断方法を提供する。本発明はさらに、以下の工程を含むスギ花粉症の診断方法を提供する:
a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程;
b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程;および
c)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉由来タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む、スギ花粉症の診断方法を提供する。本発明はさらに、以下の工程を含むスギ花粉症の診断方法を提供する:
a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程;
b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程;および
c)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉由来タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む、スギ花粉症の診断方法に関する。
花粉症を含むI 型アレルギーの症状は、無害な抗原に対するIgE抗体の形成により引き起こされる。その症状はエフェクター細胞の架橋を介する生物学的メディエーターの放出により生じる。特異的免疫療法はI 型アレルギーに対する有望かつ治療効果ある方法であり、いくつかの臨床研究により特異的免疫療法の臨床における有効性が報告されている (非特許文献1)。この治療のメカニズムを説明すべく複数の説が提唱されているが、有力な説の1つは、抗原がエフェクター細胞上のIgEに結合する前にその抗原を抗原反応性IgGが捕捉するというものである (非特許文献2)。この説は、特異的免疫療法に関するいくつかの臨床研究報告やマウスモデルを使用した基礎研究により支持される。一方、IgAは粘膜分泌物において最も豊富なイムノグロブリンである。花粉症患者における粘膜分泌物中の抗原特異的IgAは、それがIgEに認識されるアレルゲンエピトープを標的としうる場合には、局所におけるアレルギー徴候に影響し、患者をアレルギーから保護するようである。
スギ (Cryptomeria japonica) は、春先に日本中に広がり花粉症を引き起こす。人口の10%以上が花粉への暴露により引き起こされる花粉症に悩まされている (非特許文献3)。この花粉の2つの主要なアレルギー性タンパク質(アレルゲン)としてCry j 1 (花粉表面に存在)およびCry j 2 (花粉内部に存在)が単離されており (非特許文献4)、これらアレルゲンに対するT細胞応答が報告されている。Cry j 1 はスギ花粉における主要なIgE結合アレルゲンの1つであり(非特許文献3)、Cry j 1 にアレルギー反応を示す花粉症患者に対する特異的免疫療法の開発に伴い、IgEまたはT細胞に認識されるCry j 1のいくつかの抗原性エピトープが同定されている (非特許文献5)。
現在スギ花粉症の診断にはスギ花粉粗タンパク質に対するIgEを測定するCAP-RASTテストなどが用いられている。しかしながら、スギ花粉症患者におけるスギ花粉由来タンパク質に対するIgGやIgAのレベル、およびそれらの役割は、これまで充分検討されていなかった。さらに、スギ花粉症はスギ花粉由来タンパク質に対する免疫バランスの破綻が原因と考えられているが、IgEのみを測定する従来の方法では患者の免疫動態を多面的に把握することができなかった。
特開2002−303628(特許文献1)は、アレルゲンに対する患者の分泌型IgAの量と血中IgEの量の相対関係を指標として、スギ花粉症などのアレルギー疾患を診断する方法を開示する。
特開2002−303628
Oldfield WLG, et al., Effect of T-cell peptides derived from Fel d 1 on allergic reactions and cytokine production in patients sensitive to cats: a randomized controlled trial. Lancet 360: 47-53, 2002.
Kawashima T, et al., Antigenic analyses of sugi basic protein by monoclonal antibodies: I. distribution and characterization of B-cell-tropic epitopes of Cry j 1 molecules. Int Arch Allergy Immunol 98: 110-117, 1992.
Yasueda H, et al., Isolation and partial characterization of the major allergen from Japanese cedar (Cryptomeria japonica) J Allergy Clin Immunol 71: 77- 86, 1983.
Sakaguchi M, et al., Identification of the second major allergen of Japanese cedar pollen. Allergy 43: 309-312, 1990.
Sone T, et al., T cell epitopes in Japanese cedar (Cryptomeria japonica) pollen allergens: choice of major T cell epitopes in Cry j 1 and Cry j 2 toward design of the peptide-based immunotherapeutics for the management of Japanese cedar pollinosis J Immunol 161: 448-457, 1998.
本発明は、スギ花粉由来タンパク質に対するIgE以外の免疫応答を考慮したスギ花粉症の診断方法を提供することを目的とする。
本発明は、被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉由来タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む、スギ花粉症の診断方法を提供する。
本発明はさらに、以下の工程を含むスギ花粉症の診断方法を提供する:
a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程;
b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程;および
c)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程。
a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程;
b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程;および
c)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程。
本発明はまた、本発明の診断方法に使用される診断試薬およびキットを提供する。
本発明により、被験者のIgE以外の免疫応答、特にIgAおよびIgGを含む免疫バランスを考慮したスギ花粉症の診断が可能となった。
本発明における「スギ花粉由来タンパク質」なる用語は、スギ花粉に由来する単一タンパク質およびタンパク質混合物の両方を包含する。スギ花粉由来タンパク質としては、例えば、Cry j 1、Cry j 2、およびスギ花粉から抽出されるタンパク質混合物であるスギ花粉粗タンパク質が挙げられる。スギ花粉粗タンパク質は、例えば限定はされないが、炭酸ナトリウム溶液を用いてスギ花粉から抽出することができる。本発明の方法に好適に使用されるスギ花粉由来タンパク質は、例えばHAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC., Okayama, Japanなどから入手可能である。本明細書において抗原を表す場合、「スギ花粉粗タンパク質」を単に「スギ花粉」と称することもある。
血液試料の種類は、試料中の抗体が測定できる限り特に限定されない。本発明の方法に好適な血液試料は血清または血漿である。血液試料の調製方法は当業界にて周知である。例えば限定はされないが、血清および血漿は、被験者の血液をそれぞれヘパリン不含および含有採血管において例えば300〜500 x gにて遠心分離することにより調製可能である。
血液試料中の抗体は、公知のいずれの測定方法によって測定してもよい。測定方法としては、例えばELISA法、Luminex(登録商標)system(Luminex Corp., Austin, TX)を使用する方法、イムノクロマトアッセイなどが挙げられる。本発明ではLuminex(登録商標)systemが特に好適に使用される。
本明細書および特許請求の範囲における「診断」には、被験者が診断時にスギ花粉症であるか否かを判断すること、および診断後にスギ花粉症を発症する可能性が高いか否かを判断することが含まれる。「診断」にはさらに、被験者のスギ花粉症の重症度を判断することが含まれる。重症度の判断には、被験者のスギ花粉症の診断時の重症度を判断すること、および症状が診断後に重症化する可能性を判断することが含まれる。
ある態様において、本発明の診断方法は、被験者より採取された血液試料中の抗Cry j 1、Cry j 2またはスギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む。本診断方法の対象となる被験者は、限定はされないが、例えばくしゃみ、鼻水、目のかゆみその他の臨床症状または遺伝的素因からスギ花粉症が疑われる被験者である。スギ花粉症患者では健常人と比較してこれらタンパク質に対するIgAおよびIgGのレベルが高い。したがって、本態様において、被験者の血液試料中の抗Cry j 1、Cry j 2またはスギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGのレベルが基準値(例えば健常人におけるレベルの平均値)よりも有意に高い場合、その被験者はスギ花粉症である、またはスギ花粉症を発症する可能性が高いと判断される。有意差検定は、例えばスチューデントt-検定によって行えばよい。
別の態様において、本発明の診断方法は、a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程、b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程、およびc)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程を含み、スギ花粉症の重症度の判断に用いられる。なかでも、抗スギ花粉粗タンパク質IgAを測定する方法が好ましい。本診断方法の対象となる被験者は、限定はされないが、例えば前記のような臨床症状または遺伝的素因からスギ花粉症が疑われる被験者、および血液中のIgE、IgAおよび/またはIgGの測定などによりスギ花粉症である、またはスギ花粉症を発症する可能性が高いと判断された被験者である。本明細書において、
式:抗Cry j 1 IgE/抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgG
で表される値を「花粉症インデックス」と称する。重症の花粉症患者では軽症の患者と比較してこの花粉症インデックスの値が大きくなる。したがって、本態様では、被験者の花粉症インデックスが大きければ大きいほど、被験者の花粉症はより重症である、または重症化する可能性が高いと判断される。本診断方法ではスギ花粉由来タンパク質に対するIgAまたはIgGをIgEとともに測定するため、被験者の免疫バランスを数値化することができる。
式:抗Cry j 1 IgE/抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgG
で表される値を「花粉症インデックス」と称する。重症の花粉症患者では軽症の患者と比較してこの花粉症インデックスの値が大きくなる。したがって、本態様では、被験者の花粉症インデックスが大きければ大きいほど、被験者の花粉症はより重症である、または重症化する可能性が高いと判断される。本診断方法ではスギ花粉由来タンパク質に対するIgAまたはIgGをIgEとともに測定するため、被験者の免疫バランスを数値化することができる。
本発明の診断試薬は、Cry j 1、Cry j 2またはスギ花粉粗タンパク質を含み、さらに適当な緩衝剤を含んでも良い。本発明の診断試薬は、例えば、液体または使用前に再構成される凍結乾燥形態である。本発明のキットは、本発明の診断試薬のいずれか、またはそれらの組合せを含みうる。ある具体的態様において、本発明のキットは、前記花粉症インデックスの計算のため、Cry j 1およびスギ花粉粗タンパク質を含む診断試薬を含む。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、いかなる意味においても本発明はこれら実施例に限定されない。
1. 材料と方法
1.1 患者およびサンプル収集
123人の花粉症患者と83人のアレルギー疾患を有さない健常人 (HD) を久留米大学および日本医科大学病院から募集した。すべての被験者から書面による同意を得た。そのプロフィールは表1に示す。スギ花粉粗タンパク質に対する血清IgEレベルを反映する標準的マーカーであるRASTスコアを花粉症患者 (n=123)で測定した(HDでは測定せず)。血清は2004年〜2005年に採取し、使用まで-80℃で凍結した。花粉症の診断は臨床症状に基づいて行い、RASTテストのスコアをスギ花粉粗タンパク質に対するIgEの応答の指標として使用した。
1.1 患者およびサンプル収集
123人の花粉症患者と83人のアレルギー疾患を有さない健常人 (HD) を久留米大学および日本医科大学病院から募集した。すべての被験者から書面による同意を得た。そのプロフィールは表1に示す。スギ花粉粗タンパク質に対する血清IgEレベルを反映する標準的マーカーであるRASTスコアを花粉症患者 (n=123)で測定した(HDでは測定せず)。血清は2004年〜2005年に採取し、使用まで-80℃で凍結した。花粉症の診断は臨床症状に基づいて行い、RASTテストのスコアをスギ花粉粗タンパク質に対するIgEの応答の指標として使用した。
1.2 花粉症抗原反応性イムノグロブリン(Ig)の測定
スギ花粉粗タンパク質(HBL-SBP-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC., Okayama, Japan)、Cry j 1 タンパク質 (HBL-C-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC.)およびCry j 2 タンパク質 (HBL-C-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC.) に特異的なIgGのレベルは、既報のように(Komatsu N et al., Scand J Clin Invest 64: 1-11, 2004.)、Luminex(登録商標)system(Luminex Corp., Austin, TX)を用いるマルチプレックスビーズサスペンジョンアッセイにより測定した。説明すると、100μlの希釈血清を、スギ花粉、Cry j 1またはCry j 2でコートしたxMAPビーズ (Luminex Corp., Austin, TX)と、96ウェルフィルタープレート(MABVN1250; Millipore Corp., Bedford, MA)において室温で2時間プレートシェーカー上にてインキュベートした。2時間後、プレートをT-PBSで洗浄し、100μlのビオチン結合ヤギ抗ヒトIgG (BA-3080: VECTOR LAB., Burlingame, CA)、ビオチン結合ヤギ抗ヒトIgAまたはビオチン結合ヤギ抗ヒトIgE (AHI0509: TAGO, Camarillo, CA)と室温で1時間プレートシェーカー上にてインキュベートした。洗浄後、100μlのストレプトアビジン-PE をウェルに添加し、30分間室温でプレートシェーカー上にてインキュベートした。結合したビーズを3回洗浄し、続いて100μlのPBSを各ウェルに加えた。50μlの各サンプルをLuminex(登録商標)systemにより試験した。既報のように(Komatsu N et al.、前掲)、抗体レベルは蛍光強度で示し、その値は蛍光強度単位(FIU) として表した。本試験ではサンプル希釈アッセイによるFIUの直線が5〜10,000 FIUで得られたため、カットオフレベルを10 FIUとした(データ非提示)。
スギ花粉粗タンパク質(HBL-SBP-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC., Okayama, Japan)、Cry j 1 タンパク質 (HBL-C-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC.)およびCry j 2 タンパク質 (HBL-C-1: HAYASHIBARA BIOCHEMICAL LABORATORIES, INC.) に特異的なIgGのレベルは、既報のように(Komatsu N et al., Scand J Clin Invest 64: 1-11, 2004.)、Luminex(登録商標)system(Luminex Corp., Austin, TX)を用いるマルチプレックスビーズサスペンジョンアッセイにより測定した。説明すると、100μlの希釈血清を、スギ花粉、Cry j 1またはCry j 2でコートしたxMAPビーズ (Luminex Corp., Austin, TX)と、96ウェルフィルタープレート(MABVN1250; Millipore Corp., Bedford, MA)において室温で2時間プレートシェーカー上にてインキュベートした。2時間後、プレートをT-PBSで洗浄し、100μlのビオチン結合ヤギ抗ヒトIgG (BA-3080: VECTOR LAB., Burlingame, CA)、ビオチン結合ヤギ抗ヒトIgAまたはビオチン結合ヤギ抗ヒトIgE (AHI0509: TAGO, Camarillo, CA)と室温で1時間プレートシェーカー上にてインキュベートした。洗浄後、100μlのストレプトアビジン-PE をウェルに添加し、30分間室温でプレートシェーカー上にてインキュベートした。結合したビーズを3回洗浄し、続いて100μlのPBSを各ウェルに加えた。50μlの各サンプルをLuminex(登録商標)systemにより試験した。既報のように(Komatsu N et al.、前掲)、抗体レベルは蛍光強度で示し、その値は蛍光強度単位(FIU) として表した。本試験ではサンプル希釈アッセイによるFIUの直線が5〜10,000 FIUで得られたため、カットオフレベルを10 FIUとした(データ非提示)。
1.3 統計学的解析
両側スチューデントt-検定を抗原反応性Igのレベルの有意差解析に使用した。抗原反応性抗体間の相関は、ピアソンの相関係数試験により解析した。P<0.05を統計学的に有意と判断した。
両側スチューデントt-検定を抗原反応性Igのレベルの有意差解析に使用した。抗原反応性抗体間の相関は、ピアソンの相関係数試験により解析した。P<0.05を統計学的に有意と判断した。
2. 結果
2.1 被験者プロフィール
表1は被験者プロフィールを示す。83人のHDおよび123人の花粉症患者が本試験に参加した。対照群では女性に対して男性の割合が高かった。しかしながら、抗原反応性Igのレベルは男性と女性の健常人の間で差がなかった(データ非提示)。一方、患者と対照との間には年齢に大きな差があった。それゆえ、48人の年齢適合花粉症患者および32人の年齢適合HDについての解析も行い、以下の実験ではこれらの群(全体(年齢非適合)群および年齢適合群)の結果を同時に示す。
2.1 被験者プロフィール
表1は被験者プロフィールを示す。83人のHDおよび123人の花粉症患者が本試験に参加した。対照群では女性に対して男性の割合が高かった。しかしながら、抗原反応性Igのレベルは男性と女性の健常人の間で差がなかった(データ非提示)。一方、患者と対照との間には年齢に大きな差があった。それゆえ、48人の年齢適合花粉症患者および32人の年齢適合HDについての解析も行い、以下の実験ではこれらの群(全体(年齢非適合)群および年齢適合群)の結果を同時に示す。
2.2 花粉症患者における抗原反応性Igレベルの上昇
はじめに、段階希釈サンプルを用いて、花粉症患者の血清中のスギ花粉、Cry j 1またはCry j 2に反応するIgのレベルが濃度依存的か否かについて調べた。その結果、花粉症患者におけるこれらのレベルはサンプルの段階希釈に伴い段階的に減少した。代表的結果を図1に示す。レベルは比較的低いものの、HDにおける抗体価も希釈率に依存して減少した。これらの結果に基づき、100倍希釈血清を以下の実験に使用した。
はじめに、段階希釈サンプルを用いて、花粉症患者の血清中のスギ花粉、Cry j 1またはCry j 2に反応するIgのレベルが濃度依存的か否かについて調べた。その結果、花粉症患者におけるこれらのレベルはサンプルの段階希釈に伴い段階的に減少した。代表的結果を図1に示す。レベルは比較的低いものの、HDにおける抗体価も希釈率に依存して減少した。これらの結果に基づき、100倍希釈血清を以下の実験に使用した。
次に、花粉症患者およびHDの血清中のスギ花粉反応性Igのレベルを測定した(図2)。花粉症患者血清中のスギ花粉反応性IgG、IgAおよびIgEのレベルは、年齢適合群 (A、CおよびE)および全体(年齢非適合)群 (B、DおよびF)のいずれにおいてもHDより有意に高かった。同様の結果が、Cry j 1反応性IgG、IgAおよびgE (図3) ならびにCry j 2反応性IgG、IgAおよびgE (図4)のレベルにおいて観察された。花粉症関連抗原反応性IgEのレベルの上昇はよく知られているが、本実験の結果は抗原反応性IgGおよびIgAもまた花粉症患者において上昇していることを示す。これに対して、ヒノキ(Japanese cypress)花粉反応性Igの上昇は、83人のHDと比較した123人の花粉症患者の血清においては観察されなかった(データ非提示)。
2.3 RASTスコアと抗原反応性Igレベルとの相関
次に、花粉症患者(n=123)において、スギ花粉粗タンパク質に対する血清IgEのレベルを反映する標準的マーカーであるRASTスコアと、スギ花粉、Cry j 1またはCry j 2のいずれかに反応するIgのレベルとの間に何らかの相関が存在するか否かについて調べた (図5) 。RASTスコアとCry j 1またはCry j 2のいずれかに反応するIgGとの間には有意な相関が観察されたが(図5Bおよび5C)、スギ花粉反応性IgGの場合には観察されなかった (図5A)。IgAに関しては、RASTスコアとスギ花粉またはCry j 1のいずれかに反応するIgAとの間に有意な相関が観察されたが (図5A)、Cry j 2反応性IgAの場合には観察されなかった (図5F)。一方、RASTスコアは、この3種類の抗原のいずれに反応するIgEのレベルとも正の相関を示した (図5G、HおよびI)。
次に、花粉症患者(n=123)において、スギ花粉粗タンパク質に対する血清IgEのレベルを反映する標準的マーカーであるRASTスコアと、スギ花粉、Cry j 1またはCry j 2のいずれかに反応するIgのレベルとの間に何らかの相関が存在するか否かについて調べた (図5) 。RASTスコアとCry j 1またはCry j 2のいずれかに反応するIgGとの間には有意な相関が観察されたが(図5Bおよび5C)、スギ花粉反応性IgGの場合には観察されなかった (図5A)。IgAに関しては、RASTスコアとスギ花粉またはCry j 1のいずれかに反応するIgAとの間に有意な相関が観察されたが (図5A)、Cry j 2反応性IgAの場合には観察されなかった (図5F)。一方、RASTスコアは、この3種類の抗原のいずれに反応するIgEのレベルとも正の相関を示した (図5G、HおよびI)。
2.4 重症患者におけるスギ花粉またはCry j 1反応性IgEの高産生
次に、本疾患における免疫バランスをより理解するため、軽症と重症の花粉症患者の間で抗原反応性Igのレベルを比較した (図6)。HDの抗原反応性Igのレベルを対照として使用した。この3種類の抗原のいずれに反応するIgGまたはIgAのレベルにおいても、軽症と重症の患者の間に有意な差は観察されなかった (図6A−F)。これに対して、重症患者におけるスギ花粉およびCry j 1に反応するIgEのレベルは軽症患者のレベルより有意に高く (図6GおよびH)、一方Cry j 2の場合は有意な差は観察されなかった(図6I)。表2に抗原反応性Igの平均レベルを示す。これら抗原のいずれかに反応するIgAおよびIgGの重症患者の血清における平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルと同程度であった。これに対して、重症患者の血清におけるスギ花粉またはCry j 1に反応するIgEの平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルよりも3倍高かった。Cry j 2反応性IgEも重症患者の血清において2倍高かった。
次に、本疾患における免疫バランスをより理解するため、軽症と重症の花粉症患者の間で抗原反応性Igのレベルを比較した (図6)。HDの抗原反応性Igのレベルを対照として使用した。この3種類の抗原のいずれに反応するIgGまたはIgAのレベルにおいても、軽症と重症の患者の間に有意な差は観察されなかった (図6A−F)。これに対して、重症患者におけるスギ花粉およびCry j 1に反応するIgEのレベルは軽症患者のレベルより有意に高く (図6GおよびH)、一方Cry j 2の場合は有意な差は観察されなかった(図6I)。表2に抗原反応性Igの平均レベルを示す。これら抗原のいずれかに反応するIgAおよびIgGの重症患者の血清における平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルと同程度であった。これに対して、重症患者の血清におけるスギ花粉またはCry j 1に反応するIgEの平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルよりも3倍高かった。Cry j 2反応性IgEも重症患者の血清において2倍高かった。
重症患者の血清におけるスギ花粉またはCry j 1のいずれかに反応するIgGまたはIgAの平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルよりも約1.3倍高かった。これに対して、重症患者の血清におけるスギ花粉またはCry j 1のいずれかに反応するIgEの平均レベルは、軽症患者の血清におけるレベルより約3倍高かった。
これらの結果から、3タイプのIgはいずれも花粉症患者で上昇しているが (図2、3および4)、その上昇はIgGおよびIgAよりもIgEについて、特にスギ花粉またはCry j 1のいずれかに反応するIgEについてより顕著であることが示された。
2.5 免疫バランスの指標となりうる新規マーカー
現在のところ抗原反応性IgEやRASTスコアの測定は、1つの因子、すなわち抗原特異的IgEしか表さない。しかしながら、前述のように、花粉症患者において抗原反応性IgE、IgGおよびIgAの免疫バランスは症状の重症度に伴って変化しうる。それゆえ、現実的な観点から、次にIgEだけでなくIgGまたはIgAも表しうる新規マーカーを探索した。本試験では年齢適合サンプルを用いた。調べた8つの組合せのうち、抗Cry j 1 IgE/抗スギ花粉IgAの比のみが軽症患者 (n=21) と重症患者 (n=15) の間で有意に相違した(p=0.002、図7H)。軽症および重症患者における中央値はそれぞれ2.0または6.3であった。陰性対照であるHD (n=26) では0であった。軽症または重症患者における平均比±標準偏差はそれぞれ3.5±3.7または7.0±5.5であった(各群の最高値および最小値は計算に使用せず)。陰性対照であるHDでは1.6±2.5であった。
現在のところ抗原反応性IgEやRASTスコアの測定は、1つの因子、すなわち抗原特異的IgEしか表さない。しかしながら、前述のように、花粉症患者において抗原反応性IgE、IgGおよびIgAの免疫バランスは症状の重症度に伴って変化しうる。それゆえ、現実的な観点から、次にIgEだけでなくIgGまたはIgAも表しうる新規マーカーを探索した。本試験では年齢適合サンプルを用いた。調べた8つの組合せのうち、抗Cry j 1 IgE/抗スギ花粉IgAの比のみが軽症患者 (n=21) と重症患者 (n=15) の間で有意に相違した(p=0.002、図7H)。軽症および重症患者における中央値はそれぞれ2.0または6.3であった。陰性対照であるHD (n=26) では0であった。軽症または重症患者における平均比±標準偏差はそれぞれ3.5±3.7または7.0±5.5であった(各群の最高値および最小値は計算に使用せず)。陰性対照であるHDでは1.6±2.5であった。
これに対して、他の組合せはいずれも有意差が認められなかったが(図7A−G)、抗Cry j 1 IgE/抗スギ花粉IgG (p=0.050、図7D) または 抗Cry j 1 IgE/抗Cry j 1 IgA (p=0.051、図7E) は、軽症患者と重症患者の間で多少の差が認められた。
さらに、年齢適合サンプルにおいて抗Cry j 1 IgEと抗スギ花粉IgGまたはIgAとの間の相関を調べ (図8)、花粉症重症患者においてはCry j 1反応性IgEとスギ花粉反応性IgAとの間のバランスが選択的にCry j 1反応性IgEにシフトしているが (図8D)、軽症患者ではこのようなシフトが見られないことがわかった (図8C)。同様のシフトは、花粉症重症患者におけるCry j 1反応性IgEとスギ花粉反応性IgGとの間でも観察されたが(図8B)、軽症患者における同IgEおよびIgGの間では観察されなかった (図8A)。
Claims (6)
- 被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉由来タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程を含む、スギ花粉症の診断方法。
- スギ花粉由来タンパク質がCry j 1、Cry j 2またはスギ花粉粗タンパク質である、請求項1記載の方法。
- 以下の工程を含む、請求項1記載の方法:
a)被験者より採取された血液試料中の抗スギ花粉粗タンパク質IgAまたはIgGを測定する工程;
b)該血液試料中の抗Cry j 1 IgEを測定する工程;および
c)測定したIgAまたはIgGとIgEとの比を計算する工程。 - 抗スギ花粉粗タンパク質IgAを測定する、請求項3記載の方法。
- Cry j 1、Cry j 2またはスギ花粉粗タンパク質を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法に使用される診断試薬。
- 請求項5記載の診断試薬を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法を実施するためのキット。
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