JP2008106247A - アゾ金属キレート色素及び光学記録媒体 - Google Patents

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Takashi Teruda
尚 照田
Naoyuki Uchida
直幸 内田
Kenichi Satake
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Yoshihiro Noda
善宏 野田
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Abstract

【課題】高速記録が可能な光学記録媒体や記録層を多層有する光学記録媒体の記録層に適したアゾ金属キレート色素および光学記録媒体を提供する。
【解決手段】一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなることを特徴とするアゾ金属キレート色素。一般式(1)中、Rは、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基である。Yは、少なくとも2つのフッ素原子で置換されている直鎖又は分岐のアルキル基である。R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖或いは分岐のアルキル基である。RとR、RとR5、とRは、互いに結合して環を形成していても良い。一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。
Figure 2008106247

【選択図】なし

Description

本発明は、反射率の高いアゾ金属キレート色素及びこれを記録層に用いた光学記録媒体に関し、より詳しくは、高速記録が可能な光学記録媒体や、記録層を多層有する光学記録媒体の記録層に適したアゾ金属キレート色素及び光学記録媒体に関する。
近年コンピューターの高速化、ハードディスク容量の増大に伴い、取扱えるデータの大きさが増加してきた。それに対応するため、大容量化記録メディアとしてDVD−Rが開発されている。DVD−Rの記録層に用いる色素としてはシアニン系、金属キレート系色素等種々のものが提案されている。これらの色素のうち、耐光性、耐久性等の記録特性に優れる金属キレート色素を用いた光学記録媒体が多数提案されている(特許文献1〜特許文献3参照)。
また、最近はデータ量のさらなる増大に伴ない、光学記録媒体(以下、「ディスク」又は「光ディスク」と記すことがある。)に情報を記録するための記録速度の高速化が重視されている。例えば、DVD−Rでは通常の記録速度が約3.5m/s(以下、1Xと称す場合がある)であるが、この8倍にあたる約28m/s(以下、8Xと称す場合がある)において情報の記録が可能な光学記録媒体も提案されている(特許文献4参照)。
特開平3−268994号公報 特開平11−166125号公報 特開2000−309722号公報 特開2005−120350号公報
このような記録速度の高速化は、より一層高い性能が求められており、1Xの12倍にあたる約42m/s(以下、12Xと称す場合がある)や、1Xの16倍にあたる約56m/s(以下、16Xと称す場合がある)において情報の記録が可能な光学記録媒体が求められている。しかしながら、このように高速で記録を行う場合、記録に用いる光の照射量(レーザーの場合のレーザーパワー)は、相対的に低下することとなる。従って、弱いレーザーパワーであっても記録が出来るような色素が求められている。
一方、光学記録媒体の高容量化の手段としては、記録層を2層以上有するような多層記録媒体が提案されている。片面に記録層を多層有するような光学記録媒体の場合、記録・再生に用いる光は片面から入射されることになるが、入射面から遠い位置の記録層においては、照射されるレーザーパワーは低いものとなる。従って、多層記録媒体においても、弱いレーザーパワーで記録が出来るような色素が求められている。
しかしながら、上記のような要求を十分満足するような色素は、未だ明らかになっていないのが現状である。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、12Xや16Xといった高速での記録が可能な光学記録媒体や、記録層を2層以上有する多層記録媒体の記録層に適用可能なアゾ金属キレート色素及び該色素を用いた光学記録媒体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、高感度かつ高反射率の特性を有するアゾ金属キレート色素を得ることを目標とした。具体的には、高速記録に適したアゾ金属キレート色素のアゾ配位子及び金属を最適化し、吸収波長の長波長化、記録波長での高屈折率化を達成することにより、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
かくして本発明によれば、下記一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなることを特徴とするアゾ金属キレート色素が提供される。
Figure 2008106247
(一般式(1)中、Rは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は、置換されていてもよいシクロアルキル基である。Yは、少なくとも2つのフッ素原子で置換されている直鎖又は分岐のアルキル基である。R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖或いは分岐のアルキル基である。RとR、RとR5、とRは、互いに結合して環を形成していても良い。上記式(1)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
また、本発明によれば、下記一般式(2)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなることを特徴とするアゾ金属キレート色素が提供される。
Figure 2008106247
(一般式(2)中、R11は置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は、置換されていてもよいシクロアルキル基である。R12は、置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基である。R13〜R18は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基を表す。上記式(2)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
また、前記一般式(2)で示されるアゾ系色素化合物は、R12が直鎖又は分岐のアルキル基、R13〜R18がそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であることが好ましい。
次に、本発明によれば、前述した一般式(1)又は一般式(2)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなるアゾ金属キレート色素を含有する記録層を有することを特徴とする光学記録媒体が提供される。
ここで、本発明が適用される光学記録媒体は、記録層を2以上有し、少なくとも1つの記録層が一般式(1)又は一般式(2)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなるアゾ金属キレート色素を含有することが好ましい。
また、光学記録媒体は、12倍速以上での記録が可能であることが好ましい。
本発明によれば、高速記録が可能な光学記録媒体や、記録層を多層有する光学記録媒体の記録層に適したアゾ金属キレート色素及び光学記録媒体が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態と記す)について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、本発明においては、光学記録媒体を、「ディスク」又は「光ディスク」と記すことがある。
以下、本実施の形態が適用されるアゾ金属キレート色素について説明する。
本実施の形態が適用されるアゾ金属キレート色素は、下記一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とがキレート結合することにより形成される。
一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物は、1,3,4−チアジアゾール環をジアゾ成分とし、フッ素置換アルキルスルホニルアミノ基とアミノ基とを少なくとも有するカップラー成分が結合することにより形成される。このような構造のアゾ金属キレート色素を記録層に含有する光学記録媒体は、耐光性、耐候性に優れる。
さらに、上記ジアゾ成分の1,3,4−チアジアゾール環がエステル基で置換されていることにより、記録媒体の反射率が向上する。これは電子密度の高いエステル基を導入することにより、光学記録媒体の記録層の屈折率が向上したためと考えられる。加えて、吸収波長が長波長化することにより、記録波長での吸収が増大し、感度が向上すると考えられる。
Figure 2008106247
(式中、Rは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は、置換されていてもよいシクロアルキル基であり、Yは少なくとも2つのフッ素原子で置換されている直鎖又は分岐のアルキル基であり、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖或いは分岐のアルキル基であり、RとR、RとR5、とRは、互いに結合して環を形成していても良い。上記式(1)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
一般式(1)において、Rは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基、又は、置換されていてもよいシクロアルキル基である。Rとしては、例えば、置換されていない直鎖もしくは分岐のアルキル基、又は、置換されていないシクロアルキル基、フッ素で置換された直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルコキシ基で置換された直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましい。Rとして特に好ましくは、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基等炭素数が1以上4以下の直鎖もしくは分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜炭素数8のシクロアルキル基である。
特に好ましくは、立体障害が小さいという理由から、メチル基、エチル基の炭素数1〜炭素数2の直鎖アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜炭素数6のシクロアルキル基である。
のアルキル基又はシクロアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子の他、酸素や窒素、イオウ等の典型元素を含む置換基等が挙げられるが、無置換であることが好ましい。
一般式(1)における1,3,4−チアジアゾール環がCOで置換されたジアゾ成分の具体的な化合物としては、下記の構造のものが好ましい事例として挙げられる。
Figure 2008106247
一般式(1)におけるカップラー成分は、ベンゼン環がNHSOYで置換されている。ここでYは、少なくとも2個のフッ素原子で置換されている直鎖または分岐のアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1から炭素数6の直鎖又は分岐のアルキル基がより好ましい。Yは、より好ましくは炭素数1から炭素数3の直鎖アルキル基である。そして、置換されるフッ素原子の数は、通常2以上であり、一方、通常、7以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。Yとしては、具体的にはジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。Yとしては、特に好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基が挙げられる。
、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖或いは分岐のアルキル基である。
、R、R、R及びRとしては、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1から炭素数6の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシルメチル基等の炭素数3から炭素数8の分岐アルキル基が挙げられる。
直鎖又は分岐のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ビニル基等が挙げられ、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の炭素数1から炭素数8のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルメトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から炭素数9のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、シクロプロピルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルメチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2から9のアルキルカルボニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、2−メチルブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロヘキシルメチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基等の炭素数2から9のアルキルカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基等の炭素数2から16のジアルキルアミノ基等が挙げられる。
、R、R、R及びRとしては、好ましくは、水素原子、炭素数1から炭素数6の直鎖アルキル基、アリル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1から炭素数2のアルキル基である。上記アルキル基は無置換であることが好ましい。
また、RとR、RとR、RとRは、それぞれ、互いに結合して環を形成していても良い。形成する環は限定されないが、例えば、飽和または不飽和の3員環から8員環の炭素環またはヘテロ環が挙げられる。好ましい環としては、RとRもしくはRとRが、互いに結合して5員環から7員環を形成し、一般式(1)に示された窒素原子以外が全て炭素で形成される飽和環が挙げられる。形成する環は置換基を有していても良い。最も好ましくは、RとRが、互いに結合して5員環から7員環を形成し、一般式(1)に示された窒素原子以外が全て炭素で形成される飽和環であり、無置換もしくは1個から3個のメチル基で置換されている場合である。
一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物のうち、好ましい化合物として下記一般式(2)に示される化合物が挙げられる。
Figure 2008106247
(式中、R11は置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は、置換されていてもよいシクロアルキル基であり、R12は、置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であり、R13〜R18は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基を表す。一般式(2)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
一般式(2)においてR11は置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は、置換されていてもよいシクロアルキル基であり、具体的には前記一般式(1)におけるRと同様である。
12は、置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基である。R12としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1から炭素数6の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシルメチル基等の炭素数3から炭素数8の分岐アルキル基等が挙げられる。
これらのアルキル基は置換されていてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル基、ジアルキルアミノ基などが挙げられ、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の炭素数1から炭素数8のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルメトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から炭素数9のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、シクロプロピルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルメチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2から炭素数9のアルキルカルボニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、2−メチルブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロヘキシルメチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基等の炭素数2から炭素数9のアルキルカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基等の炭素数2から炭素数16のジアルキルアミノ基等が挙げられる。
これらの中でも、R12としては、無置換の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1から炭素数6の無置換の直鎖アルキル基、または炭素数3から炭素数8の無置換の分岐のアルキル基が更に好ましい。無置換の直鎖アルキル基を用いる場合、炭素数は、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。また、R12の全炭素数は、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは4以下である。R12として特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基である。
13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基を表す。直鎖又は分岐のアルキル基としては、炭素数1〜炭素数6のアルキル基が好ましく、炭素数1または炭素数2のアルキル基が特に好ましい。R13、R14、R15、R16、R17及びR18が炭素数1〜炭素数2のアルキル基である場合、炭素原子に結合している水素原子が他の置換基(例えばハロゲン原子)で置換されていてもよいが、無置換のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基が挙げられる。合成の容易さや立体構造の観点から、R13、R14、R15、R16、R17及びR18として最も好ましいのは、水素原子である。
一般式(1)で表されるアゾ系色素化合物の分子量としては、通常、2,000以下である。なかでも、分子量が1,500以下のアゾ系色素化合物は、溶媒に対する溶解度が増大し、さらに、耐光性、耐候性、高反射率性に優れた色素が得られるので好ましい。一般式(1)で表されるアゾ系色素化合物のうち、化合物の具体例としては、下記(化6〜化34)のものが挙げられる。
Figure 2008106247
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アゾ金属キレート色素に対しては、化学構造以外の制限は特にない。但し、今後ますます必要とされる、短波長のレーザー光による記録再生可能な光学記録媒体への利用の点からは、色素単層膜について測定したときに波長700nm以下に吸収極大を有する色素がより好ましく、波長650〜500nmに吸収極大をもつ色素であれば更に好ましい。
本発明のアゾ金属キレート色素において、一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とキレートを形成する金属イオンはZn2+である。
従来は、光学記録媒体の記録層に用いるアゾ金属キレート色素は、金属としてNiが主に用いられてきた。Niは6配位8面体の錯体構造をとるため、3配座を有するアゾ配位子2個と安定な化合物を形成する。
一方、本発明ではZnを用いることを特徴としている。Znは4配位平面構造の錯体をとることが知られており、本発明で用いるアゾ配位子と組み合わせると、アゾの配位座が二つ余る形で錯体を形成することとなる。これにより、従来のアゾNi錯体よりも安定性に欠ける構造となるため、結果として高感度な記録層用の材料となる。
本発明のアゾ金属キレート色素を形成させる方法としては、溶媒中で配位子と亜鉛塩を混合する方法が挙げられる。そのキレート形成の際には、上記式(1)又は式(2)で示されるアゾ系色素化合物は、Zn2+とキレートを形成するためプロトンが脱離される。脱離するプロトンは、当該アゾ系色素化合物の構造中のいずれのプロトンでも良いが、アミド部位の水素原子が好ましい。必要に応じてプロトン脱離を促進させるためにアミンやアルコキシド等の塩基を用いてもよい。
次に、光学記録媒体について説明する。
本実施の形態が適用される光学記録媒体は、一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなるアゾ金属キレート色素を記録層に含有する。光学記録媒体の構成は限定されないが、通常、基板を有し、必要に応じて下引き層、金属反射層、保護層等を設けた層構成でも良い。好ましい層構成の一例としては、例えば、基板上に記録層、金属反射層及び保護層を設けた光学記録媒体が挙げられる。
以下、このような層構成を有する構造の光学記録媒体を例に、本実施の形態が適用される光学記録媒体について説明する。
本実施の形態が適用される光学記録媒体における基板の材料としては、基本的には、記録光及び再生光の波長で透明であればよい。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、非晶質ポリオレフィン等の高分子材料やガラス等の無機材料が利用される。高生産性、コスト、耐吸湿性、等の点からポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
これらの基板の材料は、射出成形法等により円盤状に基板として成形される。尚、必要に応じて、基板表面に案内溝やピットを形成することもある。このような案内溝やピットは、基板を成形するときに付与することが好ましいが、基板の上に紫外線硬化性樹脂層を用いて付与することもできる。案内溝がスパイラル状の場合、この溝ピッチが0.4μm以上1.2μm以下程度であることが好ましく、特に好ましくは、0.6μm以上0.9μm以下程度である。
溝深さは、AFM(原子間力顕微鏡)測定値で、通常100nm以上、200nm以下であり、特に、低速の1Xから高速の8X、さらには12Xや16Xの範囲で記録可能であるためには、溝深さは150nm以上、180nm以下程度とすることが好ましい。溝深さが上記の下限値より大きい場合は、低速で変調度が出やすく、溝深さが上記の上限値より小さい場合は、充分な反射率を確保しやすい。
溝幅は、AFM(原子間力顕微鏡)測定値で、通常0.20μm以上0.40μm以下である。高速記録用途には、溝幅は、0.28μm以上、0.35μm以下とすることがさらに好ましい。溝幅が上記の下限値より大きい場合には、プッシュプル信号振幅が充分に得られやすい。また、基板の変形は記録信号振幅に大きく影響する。このため、溝幅を上記の下限値より大きくすれば、8X以上、さらには12Xや16Xといった高速で記録する場合において、熱干渉の影響を抑え、良好なジッターを得ることが容易となる。さらに、記録パワーマージンが広くなり、レーザーパワーの変動に対する許容値が大きくなる等、記録特性や記録条件が良好となる。溝幅が前記の上限値より小さい場合には、1X等の低速記録において、記録マーク内の熱干渉を抑えることができ、良好なジッター値が得られやすい。
本実施の形態が適用される光学記録媒体には、アドレス情報、媒体の種類の情報、記録パルス条件、及び最適記録パワー等の情報を記録することができる。これらの情報を記録する形態としては、例えば、DVD−R、DVD+Rの規格書に記載されているLPPやADIPのフォーマット等を用いれば良い。
本実施の形態が適用される光学記録媒体では、基板上、または、必要に応じ下引き層等を設けた上に、上述したアゾ金属キレート色素を含有する記録層を形成する。このようなアゾ金属キレート色素を含有する記録層は、高感度かつ高反射率が求められるが、本発明のアゾ金属キレート色素を含有する記録層はこれを満足することが出来る。特に、12Xや16Xといった高速で記録することが可能な光学記録媒体や、後述する記録層を2以上有する多層媒体をも実現することが可能である。
従来、高速記録に対応可能な記録層とする(色素を高感度化する)ためには、吸収波長を長波長化することにより、記録波長での吸収量を増大させていた。しかし、このような手法では、吸収量は増加するものの、反射率が低下するという問題があった。特に多層媒体では単層媒体よりも高い反射率が求められるため、より一層困難であった。
これに対し、本発明のアゾ金属キレート色素を含有する記録層を用いれば、高感度化、高反射率化の両立が可能である。本発明のアゾ金属キレート色素は従来のアゾ金属キレート色素に比べて安定な配座を取らないため、高感度化が可能である。
また、電子吸引基であるエステル基を導入することにより吸収波長が長波長化するため、さらに高感度化に寄与することとなる。電子密度の高いエステル基を導入することにより屈折率の向上がはかられるので、吸収波長の長波長化に伴う反射率の低下を抑制することが出来るものと考えられる。
本実施の形態が適用される光学記録媒体における記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。量産性、コスト面からスピンコート法が特に好ましい。
スピンコート法による成膜の場合、回転数は500rpm〜10,000rpmが好ましい。スピンコートの後、場合によっては、加熱又は溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。塗布溶媒としては、例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。
本発明において、記録層中の本発明のアゾ金属キレート色素の含有量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されるものではないが、通常、0.1〜100重量%、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。
記録層を成膜する際に、必要に応じて、上記の色素に、クエンチャー、紫外線吸収剤、接着剤等の添加剤を混合してもよい。又は、クエンチャー効果、紫外線吸収効果等各種の効果を有する置換基を上記色素に導入することも可能である。記録層の耐光性や耐久性向上のために加える一重項酸素クエンチャーとしては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系等のビスジチオール系、チオカテコール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯体が好ましい。またアミン系化合物も好適である。
また、記録特性等の改善のために、他の色素を併用してもよい。さらに、高速記録と低速記録を両立できるように、本実施の形態が適用されるアゾ金属キレート色素と低速記録用の色素を併用しても良い。但し、その配合比率は、アゾ金属キレート色素の重量に対して60%未満、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。
一方、上記低速記録用の色素を併用する場合には、配合比率は通常0.01%以上とする。低速記録用の色素の配合比率が過度に大きい場合には、8X以上高速記録に必要な記録感度が十分得られない可能性がある。
併用可能な色素としては、例えば、一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物と同系統のアゾ系色素化合物が挙げられる。
また、併用可能な色素としては、上記特定の特性又は構造を有するアゾ金属キレート色素と同系統の、アゾ系色素またはアゾ系金属キレート色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ポルフィリン系色素、テトラピラポルフィラジン系色素、インドフェノール系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、インダンスレン系色素、インジゴ系色素、チオインジゴ系色素、メロシアニン系色素、ビスピロメテン系色素、チアジン系色素、アクリジン系色素、オキサジン系色素、インドアニリン系色素等が挙げられ、他系統の色素でもよい。また、色素の熱分解促進剤としては、例えば、金属系アンチノッキング剤、メタロセン化合物、アセチルアセトナート系金属錯体等の金属化合物が挙げられる。
さらに、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
記録層(色素層)の膜厚は、特に限定するものではないが、好ましくは50nm以上300nm以下である。色素層の膜厚が前記の下限値より大きい場合は、熱拡散の影響を抑えることができ、良好な記録がしやすい。また、記録信号に歪みが発生しにくいため、信号振幅を大きくしやすい。色素層の膜厚が前記の上限値より小さい場合は、反射率を高くしやすく、再生信号特性を良好としやすい。
また、記録層の溝部膜厚は、通常、90nm以上180nm以下、好ましくは、50nm以上90nm以下であり、溝間部膜厚は、通常、50nm以上100nm以下、好ましくは、30nm以上70nm以下である。溝部膜厚又は溝間部膜厚が上記の下限値より大きい場合には、アドレス情報(LPPやADIP)の振幅を大きくでき、エラーの発生を抑えやすい。溝部膜厚又は溝間部膜厚が上記の上限値より小さい場合には、記録マーク内の蓄熱の影響及びクロストークが大きくなるのを抑えることができ、ジッターが良好となりやすい。
本実施の形態が適用される光学記録媒体は、上述の特定の特性又は構造を有するアゾ金属キレート色素を含有する記録層と、上記基板に設けた溝形状と、を組み合わせることにより、反射率を40%以上とすることができる。このため、例えばDVD−ROMと再生互換のあるDVD−R(規格上、DVD−R、DVD+Rの2つがあるが、以下、総称してDVD−Rと記載する。)を実現することができる。尚、反射率は、光ディスクの溝上にトラッキングをかけた場合の、650nm+10nm−5nmの波長範囲のレーザーをピックアップに搭載したディスク再生機(例えば、DVDプレーヤー、DVD−ROM検査機、DVDドライブ)で測定した反射率のことを言う。
次に、記録層の上に、好ましくは、厚さ50nm〜300nmの反射層を形成する。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単独又は合金にして用いることが可能である。
この中でも、Au、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。特に、Ag及びAg合金が、高反射率、高熱伝導度に優れ好ましい。
また、これらの金属以外でも下記のものを含んでいてもよい。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を挙げることができる。
これらの中でも、Agを主成分としているものは、コストが安い点、アゾ金属キレート色素と組み合わせたときに反射率が向上する傾向がある点、更に、後に述べる印刷受容層を設ける場合には地色が白く美しいものが得られる点、等から、特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に、反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
反射層の上に形成する保護層の材料としては、反射層を外力から保護するものであれば特に限定しない。例えば、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。
UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で又は混合して用いてもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもよい。
保護層の形成の方法としては、記録層と同様に、スピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、通常、0.1μm以上、100μm以下の範囲である。本実施の形態においては、保護層の膜厚は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、一方、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下とする。
尚、本実施の形態は、上記の態様に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、光学記録媒体が2以上の複数の記録層を有していてもよい。また、反射層面に溝を持たないいわゆるダミー基板と呼ばれる基板を貼り合わせる、又は、反射層面相互を内側とし、対向させた2枚の光学記録媒体を貼り合わせる等の手段を用いてもよい。基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜してもよい。さらに、反射層上に設けた保護層の上に、又は、反射層面に貼りあわせた基板の上等に、更に、印刷受容層を形成することもできる。
(多層媒体)
本実施の形態が適用される光学記録媒体としては、記録層を2以上有する多層媒体としても好ましく適用することができる。多層媒体としては、光学記録媒体の両面から光を照射して記録、再生を行う媒体であっても、光学記録媒体の片面から光を照射して記録、再生を行う媒体であってもよい。中でも、片面から光を照射して記録、再生を行うタイプの媒体に好適に用いることが出来る。これは、本発明のアゾ金属キレート色素を含有する記録層が、高感度かつ高反射率であるためである。
本実施の形態が適用される多層媒体は、記録層を2以上有するものであれば、記録層の数は限定されないが、通常2層〜5層、好ましくは2層〜3層である。また、層構成は限定されないが、通常、個々の記録層は中間層などの他の層を介して存在する。また、個々の記録層は、それぞれ反射層と組み合わせた層構成であることが好ましい。
記録層を2層有し、片面から光を照射して記録、再生を行う方式の多層媒体の層構成を例示すれば、基板/第1記録層/第1反射層/中間層/第2記録層/第2反射層/保護層といった構成が挙げられ、これら各層の間には、適宜、他の層を有していてもよい。
多層媒体において、2以上の記録層を介するための中間層は、単層で構成されていても多層膜であってもよい。中間層は、通常、透明かつ案内溝の形成が可能であり、また、接着力が高い樹脂から構成される。さらに、硬化接着時の収縮率が小さい樹脂を用いると、媒体の形状安定性が高く好ましい。
また、中間層は隣接する記録層にダメージを与えない材料からなることが望ましい。中間層を構成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を挙げることができる。なお、中間層の材料は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
中間層の材料の中でも、放射線硬化性樹脂が好ましく、その中でも、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、ラジカル系(ラジカル重合型の)紫外線硬化性樹脂とカチオン系(カチオン重合型の)紫外線硬化性樹脂が挙げられ、いずれも使用することができる。
ラジカル系紫外線硬化性樹脂は、例えば、紫外線硬化性化合物(ラジカル系紫外線硬化性化合物)と光重合開始剤を成分として含む組成物が用いられる。ラジカル系紫外線硬化性化合物としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。これらは、各々、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。なお、ここで、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。
光重合開始剤に制限はないが、例えば、分子開裂型または水素引き抜き型のものが好ましい。本発明においては、ラジカル重合型のアクリル酸エステルを主体とする未硬化の紫外線硬化性樹脂前駆体を用いて、これを硬化させて中間層を得ることが好ましい。
一方、カチオン系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン重合型の光開始剤を含むエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジルエーテル型、複素環式系等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、遊離した塩素及び塩素イオン含有率が少ないものを用いるのが好ましい。塩素の量は、1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
また、カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
中間層には、通常、前記した基板と同様に案内溝が形成されている。基板に形成された案内溝の形状と、中間層に形成された案内溝の形状は、同一であっても、異なっていてもよい。
中間層の膜厚は限定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常、100μm以下、好ましくは70μm以下である。中間層の膜厚は均一であることが望ましい。
中間層の形成方法に制限はなく任意であるが、通常は、以下のようにして形成される。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いた中間層は、適当な溶剤に熱可塑性樹脂等を溶解して塗布液を調製する。そして、この塗布液を塗布し、乾燥(加熱)することによって、中間層を形成することができる。
一方、放射線硬化性樹脂を用いた中間層は、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、この塗布液を塗布して適当な放射線を照射して硬化させることによって形成することができる。
なお、塗布方法に制限はなく、例えばスピンコート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられる。この中でも、スピンコート法が好ましい。特に、高粘度の樹脂を用いた中間層は、スクリーン印刷等によっても塗布形成できる。
本実施の形態が適用される多層媒体において、本発明のアゾ金属キレート色素は何れの記録層に用いても良い。
本発明において、多層記録層中の本発明のアゾ金属キレート色素の含有量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されるものではないが、1つの記録層中には、通常、0.1〜100重量%、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。
上記のようにして得られた光学記録媒体への記録は、通常、基板の両面または片面に設けた記録層にレーザー光を当てることにより行う。レーザー光の照射された部分には、一般に、レーザー光エネルギーの吸収による分解、発熱、溶融等の記録層の熱的変形が起こる。記録された情報の再生は、通常、レーザー光により熱的変形が起きている部分と起きてない部分の反射率の差を読みとることにより行う。
記録・再生に使用するレーザーに特に限定はないが、例えば、可視領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザー、波長633nmのヘリウムネオンレーザー、最近開発されている波長680nm、660nm、635nm付近の高出力半導体レーザー、400nm近傍のブルーレーザー、波長532nmの高調波変換YAGレーザー等が挙げられる。中でも、軽量性、取り扱いの容易さ、コンパクト性、コスト等の点で、半導体レーザーが好適である。本実施の形態が適用される光学記録媒体は、これらから選択される一波長または複数波長において高密度記録及び再生が可能となる。
以下、実施例により本実施の形態を具体的に説明する。但し、本実施例はその要旨を超えない限り本実施の形態を限定するものではない。
(実施例1)
(a)化合物製造例
(ジアゾカップリング)
2−アミノ−5−エトキシカルボニル−1,3,4−チアジアゾール(構造式1a)12.2gを酢酸84g、リン酸72g、硫酸28gに溶解し、5℃以下に冷却して43%ニトロシル硫酸22gを滴下して、2−アミノ−5−エトキシカルボニル−1,3,4−チアジアゾールのジアゾ液を調製した。
次に、下記構造式1bで示される化合物8.6gとメタノール172mlとの溶液に、5℃以下の条件で、先に得られたジアゾ液を滴下し2時間攪拌した。続いて、28%アンモニア水で中和した後、析出した結晶を濾過、精製して下記構造式1cで示されるアゾ化合物20gを得た。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(含金化)
構造式1cで示されるアゾ化合物2.3gをテトラヒドロフラン69ml、ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、不溶物を濾別した。次に、酢酸亜鉛2水和物0.64gをメタノール9mlに溶解し、これを構造式1cで示されるアゾ化合物の溶液に室温で滴下した。さらにメタノール120mlを加え、攪拌した後減圧下濃縮した。析出した固体をメタノールで懸洗、濾過、乾燥してアゾ亜鉛キレート色素1.8gを得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は588nm、グラム吸光係数は146L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は609nmであった。
(b)記録例
このように調製したアゾ亜鉛キレート色素1.5重量%のTFP(2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(以下、TFPという))溶液を、トラックピッチ0.74μm、溝深さ160nm、溝幅0.31μmの案内溝が形成された透明ポリカーボネート基板上にスピンコートし、80℃で20分間乾燥させた。この記録層の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は85nmであった。この記録層の上に銀を厚さ120nmスパッタした後、紫外線硬化性樹脂を厚さ3μmスピンコートし、さらに、溝を持たない透明ポリカーボネート基板を、接着剤をスピンコートした後に貼り合わせて光学記録媒体を製造した。
この光学記録媒体に対し、波長650nm、開口数0.65の記録再生装置で、DVD−RSpecificationforGeneralVer.2.1に準拠した記録パルスストラテジー条件を用い、記録速度56.0m/s(DVD−Rの16倍速:16Xに相当)、最短マーク長が0.4μmであるEFMプラス変調のランダム信号記録を行った。その後、同じ評価機を用いて記録した部分の信号を3.5m/s(DVD−Rの1倍速に相当)で再生し、ボトムジッター(datatoclockjitter)を測定した。また、同評価機から出力された電圧値を換算した値として反射率を測定した(反射率と電圧は比例する)。尚、ボトムジッター値は9.5%未満、さらに好ましくは9.0%未満であることが好ましい。反射率はより高い方が好ましい。
測定の結果、16X記録感度は、45.5mW、ボトムジッターは8.8%と良好であった。また、反射率も58%と高い値が得られ、良好であった。
(実施例2)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1bで示される化合物を下記の構造式2bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式2cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は591nm、グラム吸光係数は141L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は611nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を実施した。この時、16X記録感度は45.0mW、1X再生時のボトムジッターは8.9%、反射率は57%と良好な結果であった。
(実施例3)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1bで示される化合物を下記の構造式3bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式3cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は592nm、グラム吸光係数は142L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は610nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は43.0mW、1X再生時のボトムジッターは8.8%、反射率は57%と良好な結果であった。
(実施例4)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1bで示される化合物を下記の構造式4bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式4cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は586nm、グラム吸光係数は142L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は605nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚測定値は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は52.5mW、1X再生時のボトムジッターは8.6%、反射率は56%と良好な結果であった。
(実施例5)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1aで示される化合物を下記の構造式5aに変更し、実施例1における構造式1bで示される化合物を構造式4bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式5cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は586nm、グラム吸光係数は138L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は604nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚測定値は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は52.0mW、1X再生時のボトムジッターは9.0%、反射率は54%と良好な結果であった。
(実施例6)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1aで示される化合物を下記の構造式6aに変更し、実施例1における構造式1bで示される化合物を構造式4bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式6cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は586nm、グラム吸光係数は129L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は602nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚測定値は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は50.0mW、1X再生時のボトムジッターは8.8%、反射率は50%と良好な結果であった。
(比較例1)
(a)化合物製造例
実施例1における構造式1aで示される化合物を下記の構造式7aに変更し、実施例1における構造式1bで示される化合物を下記の構造式7bに変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、下記構造式7cで示されるアゾ化合物と亜鉛とのアゾ亜鉛キレート色素を得た。
このアゾ亜鉛キレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は580nm、グラム吸光係数は145L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は603nmであった。
Figure 2008106247
Figure 2008106247
Figure 2008106247
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は54.0mW、1X再生時のボトムジッターは8.9%、反射率は47%であった。実施例1と比較すると、ボトムジッターはほとんど変わらず良好であるが、反射率が実施例1より11%も低く、記録するためのパワー(16X記録感度)も1.19倍必要であった。
(比較例2)
(a)化合物製造例
実施例1における酢酸亜鉛2水和物を酢酸ニッケル4水和物に変更し、実施例1と同様の方法で反応させることにより、構造式1cで示されるアゾ化合物とニッケルとのアゾニッケルキレート色素を得た。
このアゾニッケルキレート色素のクロロホルム中での最大吸収波長は595nm、グラム吸光係数は137L/g・cm、塗布膜の吸収極大波長は613nmであった。
(b)記録例
上記色素を用いる以外は、実施例1と全く同一条件で光学記録媒体を作成した。この記録層の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は85nmであり、実施例1の色素とほぼ同一であった。
次に、実施例1と同一の条件でこのディスクについて記録再生を行った。その結果、16X記録感度は31.0mW、1X再生時のボトムジッターは9.8%、反射率は42%であった。実施例1と比較すると、記録感度は良好であるが、反射率が実施例1より16%も低く、ボトムジッターも悪化した。
実施例1〜実施例6と比較例1及び比較例2における結果を表1に示す。
Figure 2008106247
表1に示す結果から、実施例1〜実施例6は、比較例1及び比較例2と比べると、いずれも記録特性及び反射率において優れた結果が得られることが分かる。その中でも、特に実施例1〜実施例3において使用した色素は、16X記録感度、ボトムジッター及び反射率が全て良好であり、特に好ましい。
(実施例7)
実施例1で使用した色素と同一の色素を用いて2層媒体を作製し、Layer0、Layer1それぞれの記録層の記録特性を評価した。尚、2つの記録層とも実施例1と同一の色素を用いた。ここで、Layer0は基板に近い側の記録層(第1記録層)を意味し、Layer1はレーザー入射に遠い側の記録層(第2記録層)を意味する。また、第1反射層としてAgBi1.0合金を20nmの膜厚で形成し、第2反射層としてAgを120nmの膜厚で形成し、中間層として紫外線硬化性樹脂を50μmの膜厚で形成した。トラックピッチは何れも0.74μm、溝深さはLayer0:170nm、Layer1:180nm、溝幅は両者とも0.31μmとした。Layer0の溝間部膜厚は30nm、溝部膜厚は65nmであった。また、Layer1の溝間部膜厚は40nm、溝部膜厚は75nmであった。
この光学記録媒体に対し、波長650nm、開口数0.65の記録再生装置で、DVD+R8.5Gbytes Basic Format Specifications version 1.1に準拠した記録パルスストラテジー条件を用い、記録速度61.4m/s(DVD+Rの16倍速:16Xに相当)、最短マーク長が0.44μmであるEFMプラス変調のランダム信号記録を行った。その後、同じ評価機を用いて記録した部分の信号を3.84m/sで再生し、ボトムジッター(data to clock jitter)を測定した。
評価の結果、Layer0の16X記録感度は50.0mW、1X再生時のボトムジッターは6.5%、反射率は20%であり、Layer1の16X記録感度は80.0mW、1X再生時のボトムジッターは8.0%、反射率は19%と良好な結果であった。
(比較例3)
比較例1で使用した色素と同一の色素を用いる以外は実施例7と同様の方法により2層媒体を作製した。尚、2つの記録層とも比較例1と同一の色素を用いた。この光学記録媒体について、実施例7と同様の方法により、記録特性及び反射率を測定した。結果を、実施例7の結果と共に表2に示す。
Figure 2008106247
表2に示す結果から、Layer0の16X記録感度は66.0mW、1X再生時のボトムジッターは6.5%を示し、記録特性は良好である。しかし、反射率は13%であり、反射率が著しく低下することが分かる。また、Layer1の16X記録はテスターのレーザーパワーが不足し、80mWで記録できなかった。反射率も12%となり、実施例7と比較して著しく低下した。
本発明によれば、高速記録が可能な光学記録媒体や、記録層を多層有する光学記録媒体の記録層に適したアゾ金属キレート色素及び光学記録媒体が提供される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなることを特徴とするアゾ金属キレート色素。
    Figure 2008106247
    (式中、Rは、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基である。Yは、少なくとも2つのフッ素原子で置換されている直鎖又は分岐のアルキル基である。R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖或いは分岐のアルキル基である。RとR、RとR5、とRは、互いに結合して環を形成していても良い。上記式(1)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
  2. 下記一般式(2)で示されるアゾ系色素化合物とZn2+とからなることを特徴とするアゾ金属キレート色素。
    Figure 2008106247
    (式中、R11は、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基である。R12は、置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基である。R13〜R18は、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基を表す。上記式(2)の化合物はZn2+とキレート色素を構成するためプロトンが脱離される。)
  3. 前記一般式(2)のR12が直鎖又は分岐のアルキル基、R13〜R18がそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であることを特徴とする請求項2に記載のアゾ金属キレート色素。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアゾ金属キレート色素を含有する記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。
  5. 記録層を2以上有し、少なくとも1つの記録層が前記アゾ金属キレート色素を含有することを特徴とする請求項4に記載の光学記録媒体。
  6. 12倍速以上での記録が可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学記録媒体。
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