JP2008105794A - シートのカール矯正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの上方向及び下方向のカールを矯正でき、しかも部品点数が少なく、小型・軽量化が図れるようにする。
【解決手段】ユニットUが、弾性ローラ1と、この弾性ローラ1の外周の対向する位置で、弾性ローラ1に圧接する2本の剛性ローラ2a,2bとを備える。そして、このユニットUは、一方の剛性ローラ2aと弾性ローラ1のニップ部11aでシートSを挟持搬送する位置と、他方の剛性ローラ2bと弾性ローラ1のニップ部11bでシートSを挟持搬送する位置とに移動可能である。シートSのカール方向に対応してユニットUを移動し、シートSを挟持搬送するニップ部を選択して、シートのカールを矯正する。
【選択図】図2

Description

本発明はシートのカール矯正装置に関し、より詳細には弾性ローラと剛性ローラのニップ部でシートを挟持搬送することによってシートのカールを矯正する装置に関するものである。
複写機やプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、シート上に転写されたトナー像を加熱ローラ方式の定着装置で加熱・加圧して、トナー像をシート上に溶融定着させることが広く行われている。加熱ローラ方式の定着装置を通過したシートは通常、トナー像が定着した側にカール(湾曲)する。
一方、画像形成装置本体に隣接して、シートにパンチ孔を開けたりステープルやソートを行ったりする後処理装置を配置し、作業の自動化を図ることが行われている。画像形成装置本体から後処理装置に搬送されてくるシートがカールしていると、シート詰まりやシートの整合不良、パンチ孔の位置精度低下といった不具合が発生する。
そこで例えば特許文献1では、搬送ローラに2本のバックアップローラを圧接し、シートのカール具合に対応してバックアップローラの軸間距離を変えることによって、シートのカールを矯正する技術が提案されている。また特許文献2では、弾性ローラと中空の冷却パイプローラとのニップ部でシートを挟持搬送することによって、シートのカールを矯正すると共に、定着装置からの余熱をシートが保持していることに起因して発生する新たなカールを防止する技術が提案されている。さらに特許文献3では、ドライブロールと押圧ロールが圧接してなる2組のデカーラー装置を配設して、シートのカールを矯正する技術が提案されている。
特開2003−206063号公報 実用新案登録第2525796号 特開2000−229758号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で提案された技術では、一方側のカールにしか対応できない。また特許文献3で提案された技術では、両方向のカールに対応できるものの、2組のデカーラー装置を並置しなけらばならず装置の小型・軽量化が図れない。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上方向及び下方向のカールを矯正することができ、しかも部品点数が少なく、また小型・軽量化が図れるカール矯正装置を提供することにある。
本発明によれば、弾性ローラと、この弾性ローラの外周の対向する位置で、前記弾性ローラに圧接する2本の剛性ローラとを備えたユニットを有し、このユニットが、一方の剛性ローラと前記弾性ローラのニップ部でシートを挟持搬送する位置と、他方の剛性ローラと前記弾性ローラのニップ部でシートを挟持搬送する位置とに移動自在であり、シートのカール方向に対応して前記ユニットを移動し、シートを挟持搬送するニップ部を選択して、シートのカールを矯正することを特徴とするシートのカール矯正装置が提供される。
ここで、シートの種々のカール具合に対応する観点から、前記2本の剛性ローラと前記弾性ローラとの軸間距離を変えられるようにするのが好ましい。
本発明に係るシートのカール矯正装置では、弾性ローラの外周の対向する位置で2本の剛性ローラを前記弾性ローラに圧接させるので、上方向及び下方向のカールを矯正することができるとともに、2組のローラ対を並置していた従来の装置に比べてローラを1本少なくでき装置の小型・軽量化が図れる。
前記2本の剛性ローラと前記弾性ローラとの軸間距離を変えられるようにすると、シートのカール具合に対応して矯正度合いを調節でき、的確にシートのカールを矯正できるようになる。
以下、本発明に係るシートのカール矯正装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、画像形成装置本体M1と後処理装置M2とを備えた画像形成装置の概説図を示す。画像形成装置本体M1においてシートS上にトナー画像が形成され、後処理装置M2においてパンチ孔処理やステイプル処理などが行われる。画像形成機構を具体的に説明するとまず、感光体ドラム70が帯電装置71によってその表面が正又は負に一様に帯電される。他方、原稿載置台76に原稿(不図示)が載置され、その画像データが読取装置(不図示)によって読みとられる。読み取られた画像データは露光装置72によって感光体ドラム70の表面に書き込まれ、感光体ドラム70の表面に静電潜像が形成される。ここで現像方式が反転現像方式の場合には画像に相当する部分の帯電が除去され、正規現像方式の場合は背景に相当する部分の帯電が除去されて、それぞれ静電潜像が形成される。次に現像装置73によって感光体ドラム70上の静電潜像をトナーで可視像化する。このときトナーの帯電極性は、反転現像方式の場合には感光体ドラム70の帯電極性と同極性であり、正規現像の場合は感光体ドラム70の帯電極性と逆極性である。
一方、給紙カセット80に収納されているシートSは、給紙ローラ81により引き出されて搬送路へ送られる。そして搬送ローラ対82を経てレジストローラ対83に至り、レジストローラ対83によって、感光体ドラム70上のトナー画像が転写部に到達するのにタイミングを合わせて、シートSは転写部へ送り出される。転写部では、感光体ドラム70と転写ローラ74との間でシートSが挟持されている状態で、トナー帯電極性と逆極性の電荷が転写ローラ74に印加されることにより、感光体ドラム70上のトナー像が用紙P上に移動する。用紙P上に移動せず感光体ドラム70上に残留したトナーはクリーニング装置75によって除去回収される。一方、トナー像を載置したシートSは定着ローラ対84へ搬送される。シートS上のトナー像は定着ローラ対84によって加熱・加圧されてシートSに定着する。そしてシートSは排紙ローラ対85によって後処理装置M2へ送り出される。
画像形成装置本体M1から排出されたシートSは、搬入ローラ対86によって後処理装置M2へ引き入れられる。そしてカール矯正装置によってシートSのカールが矯正され、その後、従来公知の構成によってパンチ孔処理やステイプル処理などが行われる。
図2に、後処理装置M2に搭載された、本発明に係るカール矯正装置の概説図を示す。カール矯正装置は、弾性ローラ1と、この弾性ローラ1の上側と下側で弾性ローラ1にそれぞれ圧接する2本の剛性ローラ2a,2bとを備えるユニットUを有する。弾性ローラ1の直径は2本の剛性ローラ2a,2bの直径よりも大きく、弾性ローラ1の表面は例えばスポンジなどの弾性部材からなり、剛性ローラ2a,2bはステンレス鋼やアルミニウムなどの剛性部材からなる。これにより剛性ローラ2a,2bが弾性ローラ1に食い込む形で2つのニップ部11a,11bが形成される。そして、2つのニップ部11a,11bにシートSをそれぞれ導くための2組の上下ガイド板12a,13aと上下ガイド板12b,13bがハウジングHに取り付けられている。弾性ローラ1はユニットUのハウジングHに回転可能に支持され、2本の剛性ローラ2a,2bは弾性ローラ1に対して接近・離隔可能且つ回転可能にハウジングHに支持されている。
剛性ローラ2a,2bと弾性ローラ1のニップ部11a,11bでシートSが挟持・搬送される際に、ニップ部11a,11bの形状に即してシートSにカール付けがなされる。したがって、搬送されてきたシートSが、上方に向かって凸状にカールしている場合は、剛性ローラ2aと弾性ローラ1のニップ部11aにシートSを搬送し、下方に向かって凸状にカール付けを行い、シートSのカールを矯正する(図2(a))。反対に、搬送されてきたシートSが、下方に向かって凸状にカールしている場合は、剛性ローラ2bと弾性ローラ1のニップ部11bにシートSを搬送し、上方に向かって凸状にカール付けを行い、シートSのカールを矯正する(図2(b))。
上述のように、本発明のカール矯正装置では、搬送されてくるシートSのカール方向によって、シートSを挟持・搬送するニップ部を変えるために、ユニットUは後処理装置M2に移動可能に取り付けられている。ユニットUの移動は、搬送されてくるシートSのカール方向をセンサで検知して、シートSのカール方向と逆方向のカール付けがなされるニップ部を選択して自動的に移動するようにしてもよいし、利用者が目視によりシートSのカール方向を判断して手動で移動させてもよい。手動でユニットUを移動させる場合の一例を図3に示す。
図3のカール矯正装置では、ユニットUが枠体53に沿って移動可能に取り付けられている。そしてユニットUのハウジングHの外面に、軸50を中心に揺動可能に係止爪51が取り付けられている。この係止爪51は、不図示のバネなどの付勢手段によって時計回り方向に付勢され、不図示のストッパによって外端部が上方を向いた位置より右側には回転しないようにされている。シートSをニップ部11aに搬送する場合はユニットUを下位置とする。ユニットUは、不図示のストッパによりこの下位置を自重によって保持する(図3(a))。次に、シートSをニップ部11bに搬送する場合にはユニットUを上位置とする。この場合には、利用者が不図示の把手を持ってユニットUを上方に移動させる。すると、カール矯正装置に取り付けられた係止部材52に係止爪51が当接し、ユニットUを上方に移動させるにしたがって係止爪51は反時計回り方向に回転する。そして、係止爪51の傾斜部と係止部材52との摺接状態が終わったところで、係止爪51が付勢力によって時計回り方向に揺動し係止部材52と係合し、ユニットUが上位置で係止する(図3(b))。上位置から下位置にユニットUを移動する場合は、利用者が係止爪51を反時計回り方向に回転させ、係止部材52と係止爪51との係合状態を解除する。すると、ユニットUは自重で落下し不図示のストッパで下位置で停止する。
また、図2に示すように、この図のカール矯正装置では、剛性ローラ2a,2bの、弾性ローラ1と反対側にカム3a,3bが当接されている。このカム3a,3bの軸端部には外側から操作可能にツマミ4a,4bが取り付けられている。利用者がツマミ4a,4bを回すことによってカム3a,3bが回転して、剛性ローラ2a,2bと弾性ローラ1の軸間距離が変わり、剛性ローラ2a,2bが弾性ローラ1に対して接近・離隔する。これによって剛性ローラ2a,2bの弾性ローラ1への食い込み量、すなわちニップ量が調整され、シートSのカールの矯正量が調整される。すなわち、搬送されてきたシートSのカールが相殺される程度に、ニップ部によってシートSのカール方向と逆方向のカール付けするのである。具体的には、搬送されてきたシートSのカールが強い場合は、剛性ローラ2a,2bの弾性ローラ1への食い込み量を多くして、ニップ量を多くし剛性ローラ2a,2bと弾性ローラ1のニップ部によるカール付けを強くする。反対に、搬送されてきたシートSのカールが弱い場合は、剛性ローラ2a,2bの弾性ローラ1への食い込み量を少なくして、ニップ量を少なくし剛性ローラ2a,2bと弾性ローラ1のニップ部によるカール付けを弱くする。なお剛性ローラ2a,2bの弾性ローラ1への食い込み量の調整は、利用者の操作によらず、搬送されてくるシートSのカール量をセンサで検知して自動調整するようにしてももちろん構わない。
剛性ローラ2a,2bと弾性ローラ1の駆動方法に特に限定はないが、本発明のカール矯正装置ではユニットUが移動するので、図4に示すように、上位置と下位置とで異なる駆動ギアから駆動力を得るのが好ましい。図4のカール矯正装置では、ハウジングHの側面から突出した、剛性ローラ2a,2bの軸21a,21bの端部にそれぞれギア22aとギア22bが取り付けられている。一方、装置本体には不図示の駆動源から駆動力が伝達される駆動ギア61aと駆動ギア61bとが取り付けられている。
図4(a)に示すように、ユニットUが下位置にあるときは、剛性ローラ2bの軸21bのギア22bと駆動ギア61bとが歯合し、剛性ローラ2bに回転駆動力が伝えられる。これによって剛性ローラ2bが駆動回転し弾性ローラ1が従動回転する。他方、ユニットUが上位置にあるときは、剛性ローラ2aの軸21aのギア22aと駆動ギア61aとが歯合し、剛性ローラ2aに回転駆動力が伝えられ、剛性ローラ2aが駆動回転し弾性ローラ1が従動回転する。
以上説明した実施形態では、本発明のカール矯正装置は後処理装置内に設けられていたが、本発明のカール矯正装置はこれに限定されるものではなく、画像形成装置本体内に設けても勿論構わない。
画像形成装置本体と後処理装置を備えた画像形成装置の概説図である。 本発明に係るカール矯正装置の一例を示す概説図である。 ユニットの移動機構を説明するための図である。 回転駆動の伝達機構を説明するための図である。
符号の説明
1 弾性ローラ
2a,2b 剛性ローラ
3a,3b カム
11a,11b ニップ部
H ハウジング
S シート
U ユニット

Claims (2)

  1. 弾性ローラと、この弾性ローラの外周の対向する位置で、前記弾性ローラに圧接する2本の剛性ローラとを備えたユニットを有し、
    このユニットが、一方の剛性ローラと前記弾性ローラのニップ部でシートを挟持搬送する位置と、他方の剛性ローラと前記弾性ローラのニップ部でシートを挟持搬送する位置とに移動自在であり、
    シートのカール方向に対応して前記ユニットを移動し、シートを挟持搬送するニップ部を選択して、シートのカールを矯正することを特徴とするシートのカール矯正装置。
  2. 前記2本の剛性ローラと前記弾性ローラとの軸間距離を変えられる請求項1記載のカール矯正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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