JP2008104828A - 身障者用歩行補助靴 - Google Patents
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Abstract
【構成】表底1の外側方向に張出部分2を有する靴類において、表底1を足首程度の幅にてほぼ横断して内在する表底補強板3と、張出部分2のほぼ全域に渡って内在するか、又は上面を覆う張出部分補強板4と、くるぶし辺りを覆うための踝保持部材5とをそれぞれ有し、踝保持部材5が、表底補強板3と張出部分補強板4に対し断面逆T字状に結合させて成り、また、甲被11の羽根留め13を、左右の靴共に両足の内側方向へ向けて閉じるようにし、更に靴の長さ方向に一方の羽根12の爪先近傍から襷掛けのように他方の羽根12の履口に渡って引上用ループ帯14を設けた身障者用歩行補助靴。
【選択図】図1
Description
また、踵の周囲を鋼板等の芯材を配して保護するようにした靴も見受けられる。
しかし、その際、自分自身の体重を支える足の運びに不安があって、多くの身障者は足首を外側へ曲げたまま体重を掛けてしまい、所謂、捻挫を起こしてしまいがちである。
さりとて、一般人向けの靴や、足に優しいスニーカーのような靴だと、余計に捻挫しやすいし、前出の防護靴のようなものでは重くて使用できない。
そこで、発明者は先願を調査したところ、本発明に近いものは殆ど見当たらず、僅かに次の3件が近似の物であるに留まった。
なお、足の屈伸運動を容易にするという可動板の存在理由は理解が困難である。
ところが、固定用面のある捻挫防止部材は、断面L字状に屈折した大きなものであるために、一体成形用金型の設計上に無理があり簡単には出来ないのである。
すなわち、靴は同じでもくるぶし保持面は、幾種類か異なるものを用意しておいて、必要な時に交換できるようにする方が、遙かに使用者にとって便利に相違ないのである。
したがって、この方法は他の手段に改めたい。
また、引き出し線は、同一符号を付すべき全箇所に設けているとは限らなく、幾つかを代表的に選択した。
更に、本発明品の靴と、その他方の靴との両者で1足とし、その1足を揃え置いた状態で、説明上の表現を障害足側・健常足側と区別すると共に、その片方の靴についても、その左右方向を、左の靴の左側を外側、右側を内側と称し、右の靴の左側を内側、右側を外側と称して区別した。また、その上下方向の区別も同様とした。
いずれも先頭に示したものを採用し、後のものは現場でよく用いられるものである。
表底;本底・アウトソール、甲被:表胛・胛表・アッパー、羽根:ウイング、中底:中物・インソール・テキソンなどである。
したがって、これら靴の材料の違いによってこの発明が限定されるものではない。
そして、この踝保持部材5が、表底補強板3と張出部分補強板4に対し断面逆T字状に結合させて成ることを特徴とするのがこの考案の基本的な身障者用歩行補助靴である。
そして、図9に示すように表底補強板3の靴から露出する一端辺部には、踝保持部連結部材6を設け、この踝保持部連結部材6の一端辺部に上記の一体化させた断面L字状の屈折辺7を当接させて、両者を適当なる結合手段にて連結させるのである。
なお、この踝保持部連結部材6の表底補強板3への取り付け手段は、上述のもの共々溶接でもビス留めでも構わない。また、この構成においての張出部分補強板4は、強力な接着剤で張出部分2の上面に貼着させるのである。
また、踝保持部材5と踝保持部連結部材6との結合を、適当なる結合手段にて連結させると前述したが、図4及び図8に見るように、踝保持部材5の屈折辺7には適当数のバカ孔9を、踝保持部連結部材6にはバカ孔9と少なくとも同数の雌ネジ10を設けて、両者を図1、図2及び図12に見るようにネジ類19にて着脱自在に結合させる構成とする。
なお、踝保持部連結部材6の具体的形状には、種々なる構成が考えられるので、後出の各実施例を参照されたい。
なおまた、身障者の障害内容によっては、踝保持部材5を脚の脛に添わせるように上方に長く延長させた図12のようなものも必要である。この場合は、長さの異なる踝保持部材5を幾種か揃え置くのが好ましい。
その重ね閉じ留める開閉手段には、両者を互いに圧迫して接合するテープ(商品名「マジックテープ」又は「ベルクロ」)を、羽根留め13の裏面と、それに相対する羽根12の一部分に縫い付けておく。
これは、肢体障害者が靴の着脱時に、先ず障害のある足を、障害のない方の片手で、健常側の膝上まで持上げる動作をするが、その際には相当な力が必要である。
それ故、握りやすい引上用ループ帯14を設けたことで、片手であっても簡単に持上げることができるようになったのである。
この場合も、右足が不自由だとすると、左手のみが利き手となるから、障害用の右靴の羽根留め13の動作は左手で行うことになり、左方から右方の外側へ引くよりも、右方から左方へ引いた方が楽である。左足が不自由ならその逆であり、いずれも靴の内側方向へ向けて引く方が動作上容易であって実際に大変な好評を得た。
先ず、表底1と張出部分2は、PU材若しくはTPR又はPVC等、インジェクション射出成形可能な素材を採用する。そして、表底1の中に足首程度の幅でほぼ横断して内在一体化する表底補強板3と、張出部分2のほぼ全域に内在一体化する張出部分補強板4とを同一平面体として両者に予め多数の透孔8を穿孔した2mm厚程度の鉄板を採用する。
なお、20は位置固定と抜け防止のための上方へ屈折延長させた屈折辺部である。
なお、踝保持部材5・踝保持部連結部材6・表底補強板3・張出部分補強板4の材質として安価で強靭な鉄板や形鋼を採用したが、高価となるが軽量で強靭なジュラルミン等他の金属材やカーボン材又はガラス繊維入りの強化プラスチック材等を採用でき得ればより好ましいと言える。
なお、羽根12の片方には羽根留め13を設けるが、指を差し入れる環体のナイロンテープ23を縫い付けたPU材であるU字状の帯体22を、楕円鳩目18を介して羽根12の裏側にカシメ留めしたものとする。
先ず、共通的な実施例である表底1について述べると、図1及び図2ではPU材を採用し、表底1の全長が250mm、甲の部分の幅が98mm、張出部分2のある最も狭いコバ部分の幅が75mmの例で示すと、張出部分2の長さは140mmで、幅を50mmとする円弧状とした。
なお、張出部分補強板4は、図6の点線で示したように、ほぼ張出部分2の大きさに近い形にプレス切断したものであるが、その外郭形状は図6に同様である必要はない。
そして、甲被11の外側から六角レンチで捻じ込むネジ類19であるボルトによって取り付けるものである。
そのことにより、冬期に足首や踝部分に触れても、冷たい感触を防げるし、障害者が体勢を崩し、踝保持部材5に足首や、踝部分に思わぬ力が掛かった場合でも痛みを感じないようになり安心感が得られるようになる。
また、この溝形鋼の下面は、表底補強板3と張出部分補強板4との境界辺りに電気スポット溶接で固着させる。
この場合、図示省略したが単なるカバーでなく、市販品のナットの外形に合わせた長めの六角形の筒状カバーを作って、それぞれのナットに被せるようにするのが望ましい。
この筒状カバーを長めとする理由は、捻じ込まれるネジ類19であるボルトはナットよりも長いからである。
そして、その溝形鋼のコ字状内に嵌着する大きさで、雌ネジ10を螺刻させた短い角材25を4個、指定位置に電気スポット溶接したものである。
当然、この場合も射出成型時にPU材が雌ネジ10内に進入するのを防止するために、図示省略した1枚のブリキ製カバーのようなものを靴内側の面部に設ける必要がある。
この実施例3は、踝保持部連結部材6として最も軽量化を狙った事例である。しかしながら、これも露出しているから射出成型時のことを考慮して、ブリキ製等のカバーを雌ネジ10列の前面に設ける必要がある。
この実施例4は、雌ネジ10の長さを15mm程度として貫通させないから、PU材の進入防止のためのカバー等は不要である。当然、ネジ類19として採用するボルトの全長は15mm以内のものを使用する。
ただし、張出部分補強板4は張出部分2の上面に強力な接着剤で貼着させたものとなることは前述した通りであり、図8〜図10は実施例5に関するものである。
更に、踝保持部材5の長さが140mmのものを用意するなど身障者の障害程度により選択できるようにしたいものである。
なお、引上用ループ帯14や羽根留め13の実施例は、発明を実施するための最良の形態の項で詳述したので記載を省略する。
2 張出部分
3 表底補強板
4 張出部分補強板
5 踝保持部材
6 踝保持部連結部材
7 屈折辺
8 透孔
9 バカ孔
10 雌ネジ
11 甲被
12 羽根
13 羽根留め
14 引上用ループ帯
19 ネジ類
Claims (8)
- 表底(1)の外側方向に張出部分(2)を有する靴類において、該表底(1)を足首程度の幅にてほぼ横断して内在する表底補強板(3)と、張出部分(2)のほぼ全域に渡って内在するか又は上面を覆うかする張出部分補強板(4)と、くるぶし辺りを覆うための踝保持部材(5)とをそれぞれ有して、該踝保持部材(5)が、上記表底補強板(3)と張出部分補強板(4)に対して、断面逆T字状に結合立設させて成ることを特徴とする身障者用歩行補助靴。
- 表底補強板(3)と張出部分補強板(4)とを、ほぼ同一平面上として連接するものとし、上記表底補強板(3)の靴から露出する辺り、すなわち上記表底補強板(3)と上記張出部分補強板(4)との境界線辺りの上面に、踝保持部材(5)を着脱自在に立設させるための踝保持部連結部材(6)を有して、該踝保持部連結部材(6)に上記踝保持部材(5)を着脱自在に結合させた請求項1記載の身障者用歩行補助靴。
- 張出部分補強板(4)と踝保持部材(5)とを、該踝保持部材(5)を垂直状として断面L字状に一体化させると共に、表底補強板(3)の靴から露出する辺りの一端辺部に、上記の一体化した断面L字状体を着脱自在に結合させるための踝保持部連結部材(6)を設け、該踝保持部連結部材(6)と上記断面L字状体をその屈折辺(7)にて、着脱自在に結合させた請求項1記載の身障者用歩行補助靴。
- 踝保持部材(5)を、脚の脛に添わせるように上方に長く延長させた請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の身障者用歩行補助靴。
- 表底補強板(3)と、張出部分(2)に内在させる張出部分補強板(4)とには、多数の透孔(8)を有したものとし、表底(1)を合成樹脂製とした場合の製造時に上記表底補強板(3)と上記表底(1)とを、並びに上記張出部分補強板(4)と張出部分(2)とを、それぞれ一体として成型して、それぞれ互いの固着強化を図った請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の身障者用歩行補助靴。
- 踝保持部材(5)の屈折辺(7)近傍に並列した複数のバカ孔(9)を、踝保持部連結部材(6)には上記バカ孔(9)に対応する複数の雌ネジ(10)を並設して、両者をネジ類(15)にて着脱自在に結合するよう構成した請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の身障者用歩行補助靴。
- 甲被(11)の羽根(12)部に設けた開閉する羽根留め(13)の閉じる時の屈折方向を、左右の両靴共に、靴を履いた両足の内側方向へ向けて折り合わせるようにした請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の身障者用歩行補助靴。
- 甲被(11)の片方の羽根(12)の爪先近傍から当該羽根(12)の輪郭部分に沿うよう襷状に他方の羽根(12)の履口辺りに渡って引上用ループ帯(14)を設けた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の身障者用歩行補助靴。
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