JP2008101912A - 磁気インピーダンス効果センサー及び磁気的検査方法 - Google Patents

磁気インピーダンス効果センサー及び磁気的検査方法 Download PDF

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Kazumi Toyoda
一実 豊田
Yosuke Muranaga
陽介 村永
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健太郎 濱本
Atsushi Sugihara
敦史 杉原
Norihisa Matsumura
礼央 松村
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Abstract

【課題】被検査対象物と磁気センサーとの相対的移動により磁気的検出を行う場合、その検出を小型かつ高感度の磁気インピーダンス効果センサーで行う。
【解決手段】基準線に対し正の角度+αの向きで並設された一対の磁気インピーダンス効果素子1a,1bの出力の差を出力させる第1磁界検出手段と、前記基準線に対し負の角度−αの向きで並設された一対の磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の出力の差を出力させる第2磁界検出手段と、第1磁界検出手段の出力と第2検出手段の出力とを重畳する加算手段を有する。
【選択図】図1−1

Description

本発明は差動式の磁気インピーダンス効果センサー及びこの磁気インピーダンス効果センサーを使用する磁気的検査方法に関し、物品の製造工程において磁性異物の侵入があった不良物品を検出したり、例えばパック式のお茶等のパック飲料の製造過程において、ベアリング、ボルト・ナット、ネジ等が侵入した不良品を検出したり、枝肉の加工処理過程において、枝肉に残留している折損注射針を検出したり、鉄系構造物の磁化された傷を探知したり、鉄筋コンクリートの鉄筋を探知したり、体内に挿入された磁性体の位置を検出するのに使用される。
パック式飲料水の製造におけるコンベヤラインでは、容器に内容物を充填したのち閉封するまでの間に、製造装置の部品、例えば、ベアリング、ボルト・ナット、ネジや機械部品の破片等の異物侵入の事例が報告されている。
また、食肉加工では、家畜の予防や治療のために行なわれた注射の針が折損残留し、その折損残留針がと畜処理や解体時に見つかった事例も報告されている。
従来、前記異物が侵入した不良製品の検出には、渦流方式の金属探知機が使用されている。
この方式では、移送路を挾んで送信コイルと一対の受信コイルとを配設し、この一対の受信コイルを差動的に接続している。従って、金属異物の侵入のない正常な製品の走行に対しては両受信コイルの出力が同じとなってその差動出力が0となる。他方、金属異物が侵入した不良製品の走行に対しては、金属異物に流れる渦電流のために貫通磁束が金属異物の通過位置変位に伴い変化し、その結果一対の受信コイルの差動出力が変化する。この差動出力の変化から不良製品が通過することを検出し、この不良製品をコンベヤラインから排除している。
しかしながら、この渦流方式金属探知法の使用では、容器が金属複合タイプの場合、例えばアルミ蒸着紙容器やアルミ箔ラミネート紙容器の場合、アルミが導電性であって渦電流が流れ、アルミ蒸着膜やアルミ箔によっても貫通磁束が変化されるから。高精度の金属異物検出は困難である。
前記した物品の製造工程中に物品内に侵入する金属異物は、製造装置の部品であるベアリング、ボルト・ナットやネジ等であって鉄若しくはフェライト系ステンレスであり、磁性金属であって加工歪や使用中の歪や地磁気のために相当に磁化されている。磁性の弱いオーステナイト系ステンレス部品であっても、破片では厳しい塑性変形のためにある程度磁化されている。
そこで、前記製品中の金属異物を磁化物としてとらえて磁気的に検出することが考えられる。
従来、コンベヤランインで移送中の物品に対し磁化異物を検出するのに、移送方向と直交する方向に間隔を隔てて2個の磁気インピーダンス効果素子を配設し、これらの磁気インピーダンス効果素子の検出出力を差動増幅し、この差出力を検出出力とすることが知られている(特許文献1)。この検出方法によれば、容器が非磁性である以上、その容器に対する磁気インピーダンス効果センサーの応答がなく、容器がアルミ複合構造等の導電性であっても問題はない。
また、枝肉に残留している折損注射針を検出するのに、間隔を隔てて配設された2個の磁気インピーダンス効果素子を有し、これらの磁気インピーダンス効果素子の出力の差を検出出力とする差動式磁気インピーダンス効果センサーを、枝肉の表面に沿い前記2個の磁気インピーダンス効果素子を結ぶ直線に直交する方向にスキャニングさせることも知られている(特許文献2)。
特開2006−98117号公報 特開2006−71347号公報
上記において磁気インピーダンス効果に差動式のものを使用するのは、外部ノイズを打ち消すことにある。すなわち、地磁気等の外部ノイズは、両磁気インピーダンス効果素子に実質的に同一に作用し、その差出力が零になる。
前記磁化異物によって各磁気インピーダンス効果素子に作用する磁界については、磁化異物が磁気インピーダンス効果素子の直上に位置するときに最大となり、両磁気インピーダンス効果素子におけるその位置が物品の移送方向に対し同位相であるから、各磁気インピーダンス効果素子に作用する磁界Ha、Hbは大きさが異なっても同位相である。
検出感度上、その差出力k(Ha−Hb)を大きくすることが有効であり、Haを大きくし、Hbを小さくすることが要求される。このためには、磁気インピーダンス効果素子1aを前記移送ラインに可及的に接近させ、磁気インピーダンス効果素子1bを可及的に同移送ラインから遠ざける必要があり、両磁気インピーダンス効果素子の配設間隔を広くせざるを得ず、差動式磁気インピーダンス効果センサーの大型化が避けられない。
本発明の目的は、コンベヤラインで移送中の物品に磁化異物が含まれているか否か、加工処理中の枝肉に折損注射針が残留しているか否か、更に帯磁処理により磁化された鉄系製品の欠陥箇所の検出、鉄筋コンクリートにおける鉄筋位置の探知、体内に挿入された磁性体の位置検出等、被検査対象物と磁気センサーとの相対的移動により磁気的検出を行う場合、その検出を小型かつ高感度の磁気インピーダンス効果センサーで行うことにある。
請求項1に係る磁気インピーダンス効果センサーは、基準線に対し正または負の角度の向きで並設された一対の磁気インピーダンス効果素子a,bの出力の差を出力させる第1磁界検出手段と、前記基準線に対し負または正の角度の向きで並設された一対の磁気インピーダンス効果素子a’,b’の出力の差を出力させる第2磁界検出手段と、第1磁界検出手段の出力と第2検出手段の出力とを演算する手段を有することを特徴とする。
請求項2に係る磁気インピーダンス効果センサーは、請求項1の磁気インピーダンス効果センサーにおいて、基準線に対し正の角度の絶対値と基準線に対し負の角度の絶対値とが等しくされている。
請求項3に係る磁気インピーダンス効果センサーは、請求項1または2の磁気インピーダンス効果センサーにおいて、一対の磁気インピーダンス効果素子a,bと一対の磁気インピーダンス効果素子a’,b’とが基板の表面と裏面とに中心点一致のもとで搭載されている。
請求項4に係る磁気インピーダンス効果センサーは、請求項1または2の磁気インピーダンス効果センサーにおいて、一対の磁気インピーダンス効果素子a,bと一対の磁気インピーダンス効果素子a’,b’とが基板の同一面に相互に近接して搭載されている。
請求項5に係る磁気的検査方法は、磁化物を含有する物若しくは局部的な磁化欠陥箇所を有する被検査物の表面を請求項1〜4何れかの磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子a,b、a’,b’でスキャニングすることを特徴とする。
請求項6に係る磁気的検査方法は、所定の移送路に沿って移送中の物品に対し、磁化異物を含有した不良品を検出する方法であり、請求項1〜4何れか記載の磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子a,b、a’,b’を前記移送路の近傍に位置させ、この磁気インピーダンス効果センサーで不良品を検出することを特徴とする。
一対の磁気インピーダンス効果素子a,bの差出力を検出出力とするセンサーにおいては、磁気インピーダンス効果素子a,bの間隔に基づく位相差のために、両磁気インピーダンス効果素子a,bの出力の完全打ち消しが回避されるが、被探知ポイントである磁気ダイポールが両磁気インピーダンス効果素子a,b間上を通過する際には両素子の差出力に両素子の出力の打ち消し合いにより特異点が発生する。この場合、磁気ダイポールに基づく磁気インピーダンス効果素子の軸方向感磁成分が磁気インピーダンス効果素子の入力となり、感磁成分(入力)が磁気ダイポールと磁気インピーダンス効果素子との間の経時的に変化する距離Rと磁気ダイポールに対する磁気インピーダンス効果素子の向きφの経時的変化により変化する。
而るに、磁気インピーダンス効果素子の基準線に対する傾き角αの如何によりどの経時的位置でφが正(負)→負(正)に変わるかが左右される。すなわち、前記位相にずれが生じる。
本発明では、磁気インピーダンス効果素子に方向性を与えており、前記被探知ポイントである磁気ダイポールに対する磁気インピーダンス効果素子の向きφの経時的変化の位相ずれを前記差出力に反映させており、それにより前記特異点の変化を急峻にして検出感度をアップできる。
また、一方の磁気インピーダンス効果素子1a(1b)の感磁ピーク時に他方の磁気インピーダンス効果素子1b(1a)の感磁強さをそれほど小さくする必要がなく、従って、磁気インピーダンス効果素子1a,1b間の間隔をそれほど広くする必要がなく、磁気インピーダンス効果センサーの小型化をよく担保できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1−1は本発明において使用される差動式磁気インピーダンス効果センサーの一例の回路図を示している。
図1−1において、1a,1bは第1磁界検出手段の並設磁気インピーダンス効果素子、1a’,1b’は第2磁界検出手段の並設磁気インピーダンス効果素子であり、これらの磁気インピーダンス効果素子には、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向に信号磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と信号磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、信号磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も信号磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。
図1−1において、2は磁気インピーダンス効果素子1a,1b、磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’に高周波励磁電流を加えるための高周波電流源回路、3a,3b(3’a,3’b)は磁気インピーダンス効果素子1a,1b(1a’,1b’)の軸方向に作用する信号磁界(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、4(4’)は磁気インピーダンス効果素子1a,1b(1a’,1b’)の検波出力を差動増幅して差出力を得るための演算差動増幅器である。60(60’)は差動増幅器4(4’)の出力を各負帰還用巻線6a,6b(6a’,6b’)に対し負帰還させるための負帰還回路である。7a,7b(7a’,7b’)は磁気インピーダンス効果素子1a,1b(1a’,1b’)に付設したバイアス磁界用巻線である。
磁気インピーダンス効果素子においては、前記した通り励磁電流に基づく円周方向磁束と信号磁界による軸方向磁束との合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずらされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される。従って、信号磁界の±により上記合成磁界による周方向ずれφも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は信号磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、信号磁界−出力特性は、図1−3の(イ)のように信号磁界をx軸に、出力をy軸にとると、y軸に対してほぼ左右対称となる。この信号磁界−出力特性は非線形である。非線形特性では、不安定であり、高感度の測定も困難である。そこで、負帰還用巻線で負帰還をかけて図1−3の(ロ)に示すように出力特性を直線化している。しかし、この出力特性では、信号磁界の極性判別を行ない得ないので、バイアス用巻線でバイアス磁界をかけ、図1−3の(ハ)に示すように極性判別可能としている。すなわち、図1−3の(ロ)の特性を、図1−3の(ハ)に示すようにバイアス磁界−Hbによりx軸のマイナス方向に移動させ、信号磁界の最大検出範囲を所定の範囲内に納めている。
図1−1において、5は第1磁界検出手段の出力(磁気インピーダンス効果素子1a,1bの差出力)と第2磁界検出手段の出力(磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の差出力)とを演算する演算回路であり、加算器や乗算器が用いられ、同時に絶対値回路を用いることもできる。50は計測結果を表示する装置であって、小型のパソコンやPDAや電圧計などが使用され、出力変化によって音色の変わるブザーや明るさが変わる発光体を用いることもできる。
図1−2は前記磁気インピーダンス効果素子1a,1b及び磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の基板への配設状態を示し、磁気インピーダンス効果素子1a,1bを基板表面に基準線に対し角度+αの向きで配設し、磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’を基板裏面に基準線に対し角度−αの向きで配設してあり、磁気インピーダンス効果素子1a,1b間の中心点と磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’間の中心点とが一致されている。
磁気インピーダンス効果素子1a,1bと磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’とを近接位置にて基板の同一面に設けることも可能である。要は、磁気インピーダンス効果素子の向きの異極性が保持できて可及的に相互接近させ得れば足りる。
磁気インピーダンス効果素子1a,1bの基準線に対する角度の絶対値と磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の基準線に対する角度の絶対値とは等しくすることが望ましいが、10°以下の差であれば許容される。
上記磁気インピーダンス効果素子としては、遷移金属と非金属の合金で非金属が10〜30原子%組成のもの、特に遷移金属と非金属との合金で非金属量が10〜30原子%を占め、遷移金属がFeとCoで非金属がBとSiであるかまたは遷移金属がFeで非金属がBとSiである組成のものを使用することができ、例えば、組成Co70.515Si10Fe4.5、長さ2000μm〜6000μm、外径30μm〜50μmφのものを使用できる。 磁気インピーダンス効果素子1には、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの外、アモルファスリボン、アモルファススパッタ膜等も使用できる。
上記において、高周波励磁電流には、例えば連続正弦波、パルス波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、CMOS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
上記の検波回路としては、例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出磁界を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する信号磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から信号磁界を検波し得るものであれば、適宜の検波手段を使用できる。
前記負帰還用巻線及びバイアス磁界用巻線は磁気インピーダンス効果素子に巻き付けることができる。また、図1−4に示すように磁気インピーダンス効果素子とループ磁気回路を構成する鉄芯に負帰還用巻線及びバイアス磁界用巻線を巻き付けることもできる。 図1−4の(イ)は鉄芯巻線付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図1−4の(ロ)は同じく底面図、図1−4の(ハ)は図1−4の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図1−4において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103は鉄やフェライト等からなるC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用巻線、7xは同じくバイアス磁界用巻線であり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
図2−1において、Mを被探知スポットとしての磁気ダイポール、磁気インピーダンス効果素子の基準線に内する傾き角度をα、磁気ダイポールに対する磁気インピーダンス効果素子1の位置pを距離R,角度φとすると、磁気ダイポールによる位置pでの磁界Hは、H=(H +Hφ 1/2から、
H=M(1+3cosφ)1/2/(4πμ
で与えられる。
磁気インピーダンス効果素子1の軸方向感磁成分Hmは、
Hm=Hcos(θ+φ−α)=H〔cosθcos(φ−α)−sinθsin(φ−α)〕
で与えられ、図2−1において、
sinθ=sinφ/(1+3cosφ)1/2
cosθ=2cosφ/(1+3cosφ)1/2
の関係があるから
〔式1〕
Hm=M(2cosφcosα+sinαsinφcosφ−cosαsinφ)/(4πμ
で与えられる。
図2−2の(イ)に示すように、前記磁気ダイポールMが両磁気インピーダンス効果素子1a,1bの中央点の直上に到来したときの各磁気インピーダンス効果素子の感磁出力E1、E1’は、式1においてR=R、φ=±φとすることにより得られ、磁気インピーダンス効果素子1a,1bの差出力ΔE+αは(E−E’)により得られ
ΔE+α=Msinαsinφcosφ/(2πμ
で与えられる。
一方、基準線に対する傾きが−αの磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’における、前記磁気ダイポールが両磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の中央点の直上に到来したときの両磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’の差出力ΔE−α
ΔE−α=−Msinαsinφcosφ/(2πμ
で与えられ、第1磁界検出手段の出力ΔE+αと第2磁界検出手段の出力ΔE−αとの加算値ΔE=(ΔE+α+ΔE−α)は0となる。
従って、加算出力が0になった時点から、磁気ダイポールが磁気インピーダンス効果素子郡の中央点の直上に達した時点を知り得る。
加算出力波形が0になるその近傍の波形部分の様相は、Msinαsinφcosφ/(2πμ )→0にドロップするけわしさであって急峻な変化であり、これは磁気インピーダンス効果素子の傾き角αに基づく効果である。
図2−2の(ロ)に示すように、一の磁気インピーダンス効果素子1aの直上に磁気ダイポールが位置したときの一の磁気インピーダンス効果素子1aの出力Eaは、式1において、R=r,φ=0として
Ea=M(2cosα)/(4πμ)で与えられ、
他方の磁気インピーダンス効果素子1bの出力Ebは、式1において、R≒r,φ=φ’として
Eb=M(2cosφ’cosα+sinαsinφ’cosφ’−cosαsinφ’)/(4πμ
で与えられる。
例えばα=90°の場合に較べ、α=45°の場合の方がEaとEbの差を大きくできるから、磁気インピーダンス効果素子1a,1b(1a’,1b’)間の間隔を相当に短くしても、充分な差出力を得ることができる。
上記の説明では垂直の磁気ダイポールを取りあげているが、前記φ→φ−90°の置換を行うことにより水平の磁気ダイポールについても同様に説明でき、この場合でも、磁気インピーダンス効果素子の傾き角αに基づく加算出力の急峻性、磁気インピーダンス効果素子間の間隔の縮小の効果を得ることができる。
更に、第1磁界検出手段の出力と第2磁界検出手段の出力とを乗じることにより、磁気インピーダンス効果素子の傾きαに基づく出力の急峻性を大きくすることが可能となる。
図3は本発明に係る検査方法が適用される製造ラインを示す図面である。
図3において、aはベルトコンベヤ、bは非磁性容器に液状物を入れた製品である。
非磁性容器としては、紙容器、プラスチック容器、ガラス容器の他、アルミ蒸着やアルミラミネート等の非磁性金属複合容器等が使用される。製品としては、パックタイプのお茶、コーヒ、牛乳、ヨーグルト等を例示できる。
この製造ラインにおいては、容器内に液状物を充填した後容器を閉封するまでに、容器内に製造装置の部品であるベアリング、ボルト・ナット、ネジや製造装置の破片等の磁性金属異物が落下侵入することがあり得る。
図3において、1a〜1bは前記した差動式磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子群を示し、その配設方向はコンベヤの移送方向に一致されている。
磁性金属異物が侵入した製品が差動式磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子の直上を通過すると、センサーの出力が急峻に変化し、この急峻な変化から製品が不良であることが認識され、コンベヤラインから排出される。
本発明にかかわる検査方法よれば、牛や豚等の家畜の枝肉加工処理において、前記差動式磁気インピーダンス効果センサーを、枝肉表面に沿い一対の磁気インピーダンス効果素子間を結ぶ直線の方向にスキャニングさせていくことにより、枝肉に残留している折損注射針を検出できる。
このスキャニング方式では、差動式磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子部分を分離し、この分離した磁気インピーダンス効果素子対ユニットと残部のセンサ本体との間を可撓性リード線で接続し、磁気インピーダンス効果素子対ユニットをスキャニングさせることもできる。
上記磁化異物の磁気モーメントを強くするために、コンベヤライン方式では、差動式磁気インピーダンス効果センサー設置位置よりも上流側に帯磁手段を設けることもできる。スキャニング方式では、磁化異物の検出に先立ち、被検査物を帯磁処理することも可能である。
本発明において、コンベヤライン方式は、衣料や医薬品の流通過程での磁化異物の検出にも適用でき、スキャニング方式は、鉄系製品の欠陥箇所を通電により磁化し、この磁化欠陥を検出することや鉄筋コンクリートの鉄筋(地磁気で磁化されており、磁気インピーダンス効果センサーによればこの程度の磁化でも検出可能)の探知にも適用できる。また、スキャニング方式は、体内に挿入された磁性体の位置を検出することにも使用できる。
本発明において使用される差動式磁気インピーダンス効果センサーを示す図面である。 図1−1における磁気インピーダンス効果素子の配設状態を示す図面である。 磁気インピーダンス効果センサーの出力特性を示す図面である。 前記磁気インピーダンス効果センサーにおいて使用される鉄芯巻線付き磁気インピーダンス効果ユニットを示す図面である。 磁気インピーダンス効果素子に磁化異物の磁気モーメントにより作用する磁界を示す図面である。 磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子に磁化異物の磁気モーメントにより作用する磁界を示す図面である。 本発明において使用される物品の製造ラインを示す図面である。
符号の説明
1a,1b 一対の磁気インピーダンス効果素子
1a’,1b’ 一対の磁気インピーダンス効果素子
5 演算器
a ベルトコンベヤ
b 容器内に液状物を入れた製品

Claims (6)

  1. 基準線に対し正または負の角度の向きで並設された一対の磁気インピーダンス効果素子a,bの出力の差を出力させる第1磁界検出手段と、前記基準線に対し負または正の角度の向きで並設された一対のZ素子a’,b’の出力の差を出力させる第2磁界検出手段と、第1磁界検出手段の出力と第2検出手段の出力とを演算する手段を有することを特徴とする磁気インピーダンス効果センサー。
  2. 基準線に対し正の角度の絶対値と基準線に対し負の角度の絶対値とが等しくされている請求項1記載の磁気インピーダンス効果センサー。
  3. 一対の磁気インピーダンス効果素子a,bと一対の磁気インピーダンス効果素子a’,b’とが基板の表面と裏面とに中心点一致のもとで搭載されている請求項1または2記載の磁気インピーダンス効果センサー。
  4. 一対の磁気インピーダンス効果素子a,bと一対の磁気インピーダンス効果素子a’,b’とが基板の同一面に相互に近接して搭載されている請求項1または2記載の磁気インピーダンス効果センサー。
  5. 磁化物を含有する物若しくは局部的な磁化欠陥箇所を有する被検査物の表面を請求項1〜4何れか記載の磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子a,b、a’,b’でスキャニングすることを特徴とする磁気的検査方法。
  6. 所定の移送路に沿って移送中の物品に対し、磁化異物を含有した不良品を検出する方法であり、請求項1〜4何れか記載の磁気インピーダンス効果センサーの磁気インピーダンス効果素子a,b、a’,b’を前記移送路の近傍に位置させ、この磁気インピーダンス効果センサーで不良品を検出することを特徴とする磁気的検査方法。
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