JP2004219334A - 金属探知装置 - Google Patents

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Shinichi Kondo
信一 近藤
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Abstract

【課題】静磁場による磁力線により金属物を磁化し、交番磁界による検出感度を向上させる。
【解決手段】被検出物(8)中の金属物を探知するための探知部を有する金属探知手段とからなる金属探知装置(1)であって、交番磁界を発生させるための鉄心に導線コイル(13)を巻いた構成のセンサーコイル(10)と、鉄心に磁石(14)を組み込んだ構造を有する。
静磁場による磁力線により金属物を磁化し、交番磁界による検出感度を向上させた。被検出物(8)が手動で搬送されることができる、小型の金属探知装置(1)が実現できた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性体の金属物を検知する金属探知装置に関する。
詳しくは、アルミニウム蒸着、アルミニウム箔や、銅等の常磁性体、ガラス、プラスチック、ビニール等の非金属の包装材料で包まれた被検出物中に混入した金属物を検知する金属探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属物を探知または検知するセンサーは種々の方式が提案されている。鉄心に銅線を巻いた構造のセンサーコイルにより磁界を発生させ、金属物がこの磁界を通過するときの磁界への影響を検知して金属物を検知するセンサーコイルはよく利用されている。この従来から提案されている金属探知装置は、磁界を発生させるための磁界発生コイルと、この磁界を受信するための磁界受信コイルから構成される。この磁界発生コイルと磁界受信コイルを対向にするように配置し、その間に被検出物を通過させて金属異物を検知するものである。
【0003】
磁界受信コイルは、金属物中に流れる渦電流による磁界を受信する。受信コイルにとっては、大きな磁界変化が受信しやすい。図1は、受信コイルを構成する鉄心の磁気履歴曲線(磁化の強さ−磁化力)であるB−H(残留磁束密度対磁界)特性図を示す。前述した磁界発生コイルによる異物の検知には、この磁気履歴曲線の線形領域Pまたは緩和領域Pを使うのが一般的である。
【0004】
強い磁界により、大きな磁束が発生し、被検出物に含まれる金属物中に大きな渦電流が流れる。この渦電流は大きな磁界を発生し、磁界受信コイルがこれを受信する。前述の磁界発生コイルは、被検出物に対して1MHz又は333KHzの周波数帯の電磁波を放射して、被検出物の反対側に設置されている磁界受信コイルが被検出物の磁界変化を検出して、金属異物を特定していることが多い。
【0005】
電磁波は、被検出物を透過する成分、反射する成分、吸収される成分からなる。被検出物が小さくなるとできるだけ強力な電磁波を発生させて、検出感度を上げている。そのため、電磁波の周波数を上げることがあり、周波数が高くなるにつれて反射成分の割合が大きくなり、逆に受信感度が落ちることがある。
【0006】
食料品・医薬品等は製造工程でパッケージ処理されて出荷されることが多く、パッケージは、紙、アルミニウム等をはじめとする様々な素材で作られている。しかし、従来のセンサーコイルを用いて、アルミニウム蒸着、又は箔等の導電性材料で作られた包装袋、又は容器内の食品中の金属異物を検知することは難しかった。電磁波の強度(電力、周波数)が強くなると、容器には渦電流が流れて容器内の金属異物を検知しにくくなるためである。
【0007】
このために、包装袋、容器内の金属異物の検知にはX線装置を用いることがある。X線装置でX線を被検出物に照射し、その反対側に投影のためのフィルム又は検出器をおいて、被検出物を透過したX線を受信している。受信した影像を処理して金属異物を判定している。即ち、強いX線を導電性材料で作られた包装袋を透過させてこれを受信する。受信したX線による画像データを画像処理して金属異物を検知し特定している。
【0008】
この方法は、検出精度が悪い(例えば、直径6mm、8mm程度のボルト、ナットが検知できる程度である)。そして、このX線装置を操作しているオペレーターが被爆する恐れがある。また、X線装置が大型になり、維持費がかかるなど多くの欠点がある。また、食品などが入っている包装袋などの端の部分と中心部分との厚みが違っている場合、X線はその厚さによって吸収と透過性が違ったりする。包装袋の端の部分と中心部分とに同じ強度のX線を照射しても透過したX線の強度が違うため検出精度が悪い。
【0009】
また、センサーコイルを用いて、金属の種類を特定することも可能である。例えば、共振回路を用いて、センサーコイルの近辺を通過する金属物を特定できるセンサー装置がある(例えば、特許文献1又は2参照。)。前記センサー装置では、センサーコイルから交番磁界を発生させて、前記交番磁界中に置かれた金属が共振回路から出力される電圧に変化をもたらす。この電圧が、銅、アルミ、鉄などの金属によって変化するため金属物の判定ができる。しかし、前記センサーコイルは、センサーの検出表面から距離が離れるにしたがって、検出感度が著しく低下する(距離の二乗に反比例して低下する)欠点を持っている。発生する磁界が距離の二乗に反比例して低下するためである。
【0010】
食料品・医薬品等の検知対象物の製造工程等において、検知対象物の中に金属破片等をはじめとする異物が混入することがある。検知対象物の安全性を保証するためには、これらの金属異物を検知し、金属異物が混入した検知対象物を排除する必要があり、よって、金属異物を検知することが不可欠である。
【0011】
耐食性に優れているステンレス製品は、主に厨房器具、建材、家電用機器、自動車用部品、酪農・醸造タンク、化学機器、低温装置などの分野に幅広く利用されている。特に、食品容器、食品製造ライン、食品製造機械などをはじめとする食品関係のあらゆる機械及び容器がステンレス製のものが多い。
【0012】
検知対象物の製造工程で、製造機械、及び容器等の構成材料であるステンレス鋼の破片等の金属異物が、食品等の検知対象物に混入することがあり、これらの金属異物を検知し、排除することが重要である。本出願人は、金属物をセンサーコイルで検知するときに、金属物を磁石ブースター用いて磁化させてセンサーコイルで検知するものを提案した(特許文献3及び4参照。)。この提案で、磁石ブースターは、強い磁界を発生し、磁性体の被検出物を磁化する。前記被検出物が磁化されることよってセンサーコイルで検知する際の検知感度が向上する。
【0013】
【特許文献1】
特公平3−18143号公報
【特許文献2】
特開2000−329858号公報
【特許文献3】
特願2001−289928号
【特許文献4】
特願2001−289924号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、提案したセンサーコイルを用いた金属異物検知では、金属異物である金属破片が数ミリ程度に小さくなると検知感度が悪くなり、効率よく検知できない。また、アルミニウム等の導電性材料で作られた包装袋、容器内の金属異物の検知が困難である。導電性材料で作られた包装袋、容器による信号が金属異物による信号と比べ大きくなり区別できないためである。
【0015】
本発明は、以上のような技術背景で発明されたものであり、次のような目的を達成するものである。
本発明の目的は、金属異物を探知する高感度のセンサーコイルを用いた金属探知装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性材料で作られた包装袋と、容器中の金属異物の比透磁率の違いを、磁界の変化として検知する金属探知装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、アルミニウム等の導電性材料で作られた包装袋、容器中の小サイズの金属異物を高感度で検知できる金属探知装置を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、上記小サイズの金属異物を高感度で検出するために、微少磁界を有効に検出できる検知回路又は信号処理回路を備えた金属探知装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、手動により搬送された被検出物中に含まれる上記小サイズの金属異物を検知する金属探知装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために次のような手段を採る。
即ち、本発明の金属探知装置は、鉄心に導線コイルを巻いた構成のセンサーコイルに磁界を発生させて被検出物中の金属物を探知するための探知部を備えた金属探知装置であり、微小磁界を発生させて、被検出物と前記被検出物中の金属物の比透磁率の違いによる磁界変化を検知するための第1センサーコイル、及び第2センサーコイルを有しており、前記探知部は、前記第1センサーコイルを内蔵する上部と、前記第2センサーコイルを内蔵する下部と、前記上部と前記下部の間に形成され、前記被検出物が通過できる大きさの検知空間とから構成されることを特徴とする。
【0018】
ここで前記第1センサーコイル、及び第2センサーコイルには磁石が組み込まれていると良い。もしくは、近傍に磁石が配置されていても良い。あるいは磁石が組み込まれ、且つ近傍に配置されていても良い。ここで、前記磁石は、磁性体を磁化させる程度に強力なものであれば良く、永久磁石が望ましい。
【0019】
前記金属探知装置は、前記被検出物が前記検知空間を通過するための搬送手段を備えていると良い。前記搬送は滑り台を用いて自重を利用して行っても良いし、人の手による搬送でも良い。又は、ベルトコンベアを用いても良い。
【0020】
また、前記探知部は、前記第1センサーコイル、及び第2センサーコイルからの信号を処理して前記金属物を示す金属異物信号を出力する信号処理回路を有していると良い。前記回路は、前記第1センサーコイルからの第1入力信号を増幅する第1ステップと、前記第1ステップからの信号に含まれるノイズ信号を排除する第2ステップと、前記第2センサーコイルからの第2入力信号を増幅する第3ステップと、前記第3ステップからの信号に含まれるノイズ信号を排除する第4ステップと、前記第2ステップと前記第4ステップからの信号を演算する第5ステップと前記第5ステップからの信号が前記金属異物信号であるかを判定する第6ステップとからなる動作をする。
【0021】
前記金属物が前記第1センサーコイルと前記第2センサーコイルの間を通過したときの前記第1入力信号と前記第2入力信号が同位相であり、同位相の前記第1入力信号と前記第2入力信号が前記第6ステップによる演算で重なり合うと良い。また、前記センサーコイルには、直流バイアス、又は交流電源が印可され、センサーコイルから直流磁界、又は数KHz迄の交番磁界を発生させることが望ましい。前記直流磁界や交番磁界の強さは、非磁性体や包装容器内の電解質素材に渦電流を発生させない程度の微弱のものが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属物の検知原理を説明する。コイル(検出コイル)に電流を流すと、その周辺に磁場が発生する。コイルに流れる電流が交流電流の場合は、交流磁場が発生する。この交流磁場に置かれている比透磁率の大きい金属物の影響でこの交流磁場が変化する。この交流磁場の変化によって、コイルに流れる電流が変化する。コイルを含む検知回路が、通常の状態では所定周波数で動作している。コイルに流れる電流が変化すると、この所定周波数が変化する。よって、コイルに流れる交流電流の周波数が金属物の影響で変化する。検知回路はこの変化を電圧又は電流の信号として出力する。
【0023】
本実施の形態では、検出コイルに流れる電流を微少にしている。つまり、図1に図示したように、検出コイルを構成する鉄心のB−H特性のPの領域である。このP領域は、非線形であり、磁界H、磁束密度Bがともに微少である。この領域を使うことによって、被検出物中の金属異物が小さいときでも、良好な感度の検出が可能である。
【0024】
一定の温度で、被検出物が検出コイルの近辺を一定の通過速度で通過する場合を考える。このとき、検出コイルの電流が変化する要因としては、被検出物の渦電流、比透磁率、誘電率、そして、検出コイルの近辺を通過する速度などが代表的である。その中で金属物の比透磁率が一番の影響を与えていると推定される。金属物が高い比透磁率の材料でできている場合、上記のような微少電流を検出コイルに供給しているときは、材料の比透磁率を無視できない程度になるためである。
【0025】
表1に示すように、金属物でもその種類によって、比透磁率が大きい。鉄、ステンレス、ニッケル、コバルトなどの金属の比透磁率は、数百から数万になっている。また、アルミニウム等の比透磁率の小さい金属に渦電流が発生しない程度の微弱な磁界を与えると、アルミニウムなどに包まれている比透磁率の大きい金属の反応が大きく、元の磁界に影響を与える程度になる。
【0026】
【表1】
Figure 2004219334
【0027】
本実施の形態では、検出コイルに流れる電流変化を計測して金属物を検知しているが、その代わりに検出コイルに印加されている電圧又はインピーダンスを測定して金属物を検知することが可能である。以下は、検出コイルに流れる電流変化を検出信号とする発明の実施の形態を説明する。
【0028】
[第1の実施の形態]
(装置全体の構成)
図2には、第1の実施の形態の金属探知装置1の構成を図示している。この金属探知装置1は卓上型のものであり、センサーコイル10、回路部7、表示部6等から構成されており、これらは筐体9に収納されている。筐体9は、上部2、下部3、及び後部4と連続して一体に構成されており、前方は被検出物を通過させるために開放されており、上部2と下部3とは平行に配置されている。上部2には、センサーコイル10a、表示部6、回路部7等が内蔵され配置されている。下部3には、センサーコイル10bが内蔵され配置されている。
【0029】
上部2と下部3は、その間に空間5を有して、対向するように配置されている。上部2と下部3は後部4によって連結されている。上部2と下部3の間の空間5は被検出物8が通り抜けられる大きさの空間であり、この空間5で金属異物等が検知される。搬送手段で案内された被検出物8を筐体9の側面(後部4ではない面側)から入れて、上部2と下部3の間を通過させて、その反対側から取り出す。
【0030】
図示するように、センサーコイル10aとセンサーコイル10bが対向するように、空間5を挟んで配置されている。センサーコイル10aとセンサーコイル10bは磁石14を有する面を空間に向けて配置されている。後述するように回路部7はセンサーコイル10aの上に配置されている。回路部7は、センサーコイル10a、10bからの信号を処理して異物信号を出力するための回路である。
【0031】
表示部6はセンサーコイル10aの上で筐体9の外面に設置されている。表示部6には、電源スイッチ15、感度切替スイッチ16、NG表示部17、ブザー18等からなる。電源スイッチ15は金属探知装置1の電源のスイッチである。感度切替スイッチ16は被検出物8に含まれる金属異物を検知する感度を設定するためのものであり、複数の段階を設定できる。NG表示部17は回路部7から異物信号が出力されるときに、即ち異物である金属が検出されたとき点灯されるものである。ブザー18は回路部7から異物信号が出力されるときに、音声で知らせるためのものである。
【0032】
(センサーコイルの構成)
センサーコイル10aとセンサーコイル10bは同一の構造を有しているため、以下はセンサーコイル10の構造として説明する。図3には、センサーコイル10の構造を図示している。センサーコイル10は、細長い棒状の形状をしている。断面構造がE形である導電性材料の鉄心12の溝部に沿って導線コイル13を巻き付けた構成になっている。鉄心12の鉄心表面の中央に磁石14を組み込んで取りつけている。
【0033】
磁石14は、複数の磁石要素から構成されており、その磁石要素は鉄心12の表面、又は側面に磁極を交互に向けて配置されている。つまり、1つの磁石要素が鉄心12へN極を向けて配置されると、それと隣り合う磁石要素はS極を鉄心12へ向けて配置されている。
【0034】
センサーコイル10に直流バイアス、又は数KHz迄の交流電源をかけると、センサーコイル10に直流磁界、又は交番磁界が発生する。また、同じに磁石14による静磁界も同時に存在する。よって、図4に図示したように、互いに独立した2つの種類の磁界がベクトル空間内に存在し、各々の持つ磁界の特徴を生かすことが出来る。磁石14は鉄心12と一体化しているためコイルとは相対速度を持たない。
【0035】
センサーコイル10の近傍に強磁性体の微小破片が接近したとき、静磁界の働きにより微小破片が磁化して磁界変化を生じさせられる。この磁界変化が前記直流磁界、又は交番磁界へ影響を与え、これを回路部7で検知する。特に、センサーコイル10の極近傍でこの効果が大きく現れるので、センサーコイル10で微小破片を確実に検出することが可能である。
【0036】
微小破片としては、オーステナイト系のステンレス(SUS304など)が、破断、潰れ、曲がり、欠けなどの塑性変形により、マルテンサイト誘起変態を起こして弱い磁性をもった部分などが例として挙げられる。また、強磁性体、例えば鉄、ニッケル、コバルトの混入物、及びこれらの合金、マルテンサイト系ステンレス、についても同様である。
【0037】
磁石14にはネオジム磁石などを用いる。磁石14はネオジム磁石からできている複数の磁石要素から構成されても良い。鉄心は珪素鋼板やアモルファスなどの板を積層して構成される。あるいは、フェライトコア、永久磁石などを使っても良い。
【0038】
(回路部7の構成)
図5は、回路部7の概要を示す機能ブロック図である。回路部7は、センサーコイル10、増幅回路20、フィルタ回路21、演算回路22、判定回路23、感度調整回路24等から構成されている。センサーコイル10a,10bについては既述した通りである。増幅回路20a,20bは、センサーコイル10からの信号を増幅するための回路である。フィルタ回路21a,21bは、増幅された信号に含まれるノイズをフィルタリングするための回路である。特に、電源や周辺から発振されている50Hz又は60Hzの信号をフィルタリングする。
【0039】
センサーコイル10a、10bは発振回路27、発振増幅回路26、センサー励磁回路25により直流バイアス、又は数KHz迄の微弱電流によって励磁される。センサーコイル10aの信号は、増幅回路20a、フィルタ回路21aによって処理される。センサーコイル10bの信号は増幅回路20b、フィルタ回路21bによって処理される。演算回路22は、フィルタ回路21aとフィルタ回路21bからの信号を演算するための回路である。具体的には、フィルタ回路21aとフィルタ回路21bからの信号を足し算する機能を有する。
【0040】
判定回路23は演算回路22から出力される信号が異物信号であるかの判定を行う回路である。異物信号が出力されると、判定回路23に接続されているNG表示部17とブザー18へ信号が送られ、異物検出の表示を行い、音声信号を出力する。異物信号と判定されないときは何も行われない。
【0041】
センサーコイル10aとセンサーコイル10bの間を金属異物が通過するとき、センサーコイル10aとセンサーコイル10bから出力される信号は同位相であるため演算回路22では重ね合わされる。この信号を判定回路23で判定するため異物信号として出力される。センサーコイル10aとセンサーコイル10bの間を金属物が通過しないで、その近辺を通過するときセンサーコイル10aとセンサーコイル10bから出力される信号の位相は反対になっているので演算回路22で互いを打ち殺し、後段の判定回路23で異物信号が出力されない。
【0042】
感度切替スイッチ16は金属異物の検出感度を調整するスイッチであり、感度調整回路24への入力になる。感度調整回路24で検出感度のレベルが調整される。検出感度のレベルは判定回路23へ入力される。判定回路23は検出感度のレベルによって判定を行う。
【0043】
これらの増幅回路20、フィルタ回路21、演算回路22、判定回路23、感度調整回路24、センサー励磁回路25、発振増幅回路26、発振回路27は上記のような働きをするものであればどんなものでも良い。
被検出物8は、人間の手で保持されて運ばれても良い。センサーコイル10には、直流バイアス、又は交流電源が印可され、センサーコイル10から直流磁界、又は数KHz迄の交番磁界を発生させることが望ましい。前記直流磁界、及び交番磁界の強さは、アルミなどの非磁性体に渦電流を発生させない程度の微弱なものが望ましい。
【0044】
[第2の実施の形態]
図6には、発明の第2の実施の形態を図示している。本第2の実施の形態では、センサーコイル10が磁石14を有する構造になっている。図6(a)には、円形のセンサーコイル10、図6(b)には四角形のセンサーコイル10、図6(c)には長方形のセンサーコイル10の平面図および断面図をそれぞれ図示している。E型の鉄心12に導線コイル13を巻いて、鉄心12の表面に磁石14を組み込んだ構造にしている。鉄心12は珪素鋼板やアモルファスなどの板を積層して用いるか、フェライトコアなどを使っても良い。これらのセンサーコイル10の働き、そして、金属異物の探知回路の働きは第1の実施の形態と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0045】
また、センサーコイル10は、鉄心12に導線コイル13を巻いてその周りに永久磁石を設けた構造であっても良い。この場合は、環状磁石は複数の磁石要素から構成され、各磁石要素は第1の実施の形態に示すように、被検出物が磁石から生じる磁束を通過するように配置される。
【0046】
(発明の第3の実施の形態)
図7には、発明の第3の実施の形態の金属探知装置30を図示している。金属探知装置30は第1の実施の形態と同様の構造をしている。金属探知装置30はセンサーコイル31とその両側に配置された磁石32を有する。また、金属探知装置30は保持部34を有する。センサーコイル31の両側に非磁性体の保持具33を設置し、空間5に面した部分に磁石32を設置している。
【0047】
このように、センサーコイル31の両側に磁石32を設置すると、金属探知装置30の両側から被検出物8を搬送することが出来る。金属探知装置30の動作は、第1の実施の形態の金属探知装置1と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0048】
(発明の第4の実施の形態)
図8には、発明の第4の実施の形態の金属探知装置40を図示している。金属探知装置40は第3の実施の形態と同様な構造になっている。滑り台(シューター)41を追加して設置している。滑り台41は、非磁性体、ステンレス(SUS304)などの常磁性体を使っても良い。滑り台41は、被検出物8が上部2と下部3の間を通過できるように設置されている。搬送手段は被検出物8を搬送して滑り台41の入口42から入れる。被検出物8は滑り台41を滑りながら、上部2と下部3の間通過して、出口43に出る。
【0049】
金属探知装置40のセンサーコイルと磁石は、第1〜4の実施の形態のいずれかの構造を有することが可能である。金属探知装置40の動作は、第1の実施の形態の金属探知装置1と同じであるため詳細な説明は省略する。
【0050】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明の金属探知装置は、非金属物である被検出物内の金属物を感度よく検知できる。特にアルミニウム等の導電性材料で包装された包装袋・容器中の金属異物を検知できるという効果がある。また、本発明の金属探知装置用センサーは、鉄心の一面に永久磁石を有する構造にすることによって、従来の金属探知装置に必要であった磁石ブースターを用いなくても高感度で検知できるようになった。
【0051】
金属探知装置は一体構造に成っているため、持ち運びやすくなった。また、被検出物が手動で運ばれて金属物の検知を行うことが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、B−H特性を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の金属探知装置1の構成例を示す図である。
【図3】図3は、センサーコイル10の構造を示す図である。
【図4】図4は、センサーコイル10の磁界を示す図である。
【図5】図5は、回路部の構成例を示す図である。
【図6】図6(a)(b)及び(c)は、第2の実施の形態のセンサーコイルの構造を示す図である。
【図7】図7は、第3の実施の形態の金属探知装置30の構成例を示す図である。
【図8】図8は、第4の実施の形態の金属探知装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…金属探知装置
2…上部
3…下部
4…後部
5…空間
6…表示部
7…回路部
8…被検出物
9…筐体
10…センサーコイル
12…鉄心
13…導線コイル
14…磁石
15…電源スイッチ
16…感度切替スイッチ
17…NG表示部
18…ブザー
20…増幅回路
21…フィルタ回路
22…演算回路
23…判定回路
24…感度調整回路
24…調整回路
25…センサー励磁回路
26…発振増幅回路
27…発振回路
30…金属探知装置
31…センサーコイル
32…磁石
33…保持具
34…保持部
40…金属探知装置
41…滑り台
42…入口
43…出口

Claims (8)

  1. 鉄心に導線コイルを巻いた構成のセンサーコイルに磁界を発生させて被検出物中の金属物を探知するための探知部を備えた金属探知装置において、
    前記センサーコイルは、微小磁界を発生させて、前記被検出物と前記金属物の比透磁率の違いによる磁界変化を検知するための第1センサーコイル、及び微小磁界を発生させて、前記被検出物と前記金属物の比透磁率の違いによる磁界変化を検知するための第2センサーコイルとから成り、
    前記探知部は、
    前記第1センサーコイルを内蔵する上部と、
    前記第2センサーコイルを内蔵する下部と、
    前記上部と前記下部の間に形成され、前記被検出物が通過できる大きさの検知空間と
    から構成されることを特徴とする金属探知装置。
  2. 請求項1に記載の金属探知装置において、
    前記第1センサーコイル、及び/又は、前記第2センサーコイルを構成する前記鉄心には磁石が組み込まれている
    ことを特徴とする金属探知装置。
  3. 請求項1又は2項に記載の金属探知装置において、
    前記第1センサーコイル、及び/又は、前記第2センサーコイルの近傍には磁石が配置されている
    ことを特徴とする金属探知装置。
  4. 請求項1ないし3項から選択される1項に記載の金属探知装置において、
    前記被検出物が前記検知空間を通過するための搬送手段を有する
    ことを特徴とする金属探知装置。
  5. 請求項1ないし4項から選択される1項に記載の金属探知装置において、
    前記探知部は、前記第1センサーコイル、及び前記第2センサーコイルからの信号を処理して前記金属物を示す金属異物信号を出力する信号処理回路を有し、
    前記信号処理回路は、
    前記第1センサーコイルからの第1入力信号を増幅して出力する第1ステップと、
    前記第1ステップから出力された信号に含まれる第1ノイズ信号を排除して出力する第2ステップと、
    前記第2センサーコイルからの第2入力信号を増幅して出力する第3ステップと、
    前記第3ステップから出力された信号に含まれる第2ノイズ信号を排除して出力する第4ステップと、
    前記第2ステップと前記第4ステップから出力された信号を演算する第5ステップと、
    前記第5ステップから出力された信号が前記金属異物信号であるかを判定する第6ステップとからなる動作をする
    ことを特徴とする金属探知装置。
  6. 請求項5に記載の金属探知装置において、
    前記金属物が前記第1センサーコイルと前記第2センサーコイルの間を通過したときの前記第1入力信号と前記第2入力信号が同位相であり、
    同位相の前記第1入力信号と前記第2入力信号が前記第5ステップによる演算で重なり合う
    ことを特徴とする金属探知装置。
  7. 請求項1ないし6項から選択される1項に記載の金属探知装置において、
    前記第1センサーコイル、及び前記第2センサーコイルが直流磁界を発生し、
    前記直流磁界の強さが、非磁性体に渦電流を発生させない程度である
    ことを特徴とする金属探知装置。
  8. 請求項1ないし6項から選択される1項に記載の金属探知装置において、
    前記第1センサーコイル、及び前記第2センサーコイルが数KHz迄の交番磁界を発生し、
    前記交番磁界の強さが、非磁性体に渦電流を発生させない程度である
    ことを特徴とする金属探知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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