JP2008101633A - 流量制御弁及び該流量制御弁用キャンの製造方法 - Google Patents

流量制御弁及び該流量制御弁用キャンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャンの下端部と弁本体との溶接部分に充分な接合強度を確保でき、キャンの製造コストを低く抑えられるとともに、ショックライン、へげ等の成形不良が生じ難く、寸法加工精度を高くできる流量制御弁を提供する。
【解決手段】弁室21内の弁座22に接離する弁体24aにより流量調整する弁本体20と、該弁本体20の下端部40bが溶接接合されるキャン40と、該キャン40の内周に配在されるロータ30と、該ロータ30を回転駆動する駆動機構とを備え、前記キャン40の下端部40bの肉厚が前記ロータ30と前記ステータ50との間の部分40aの肉厚より厚くされる。そして、前記キャン40は、全体が略同じ肉厚の厚肉絞り一次成形品40Fの状態から、前記ロータ30とステータ50との間の部分40aの肉厚Iaが前記下端部40bの肉厚Ibより薄くなるように、前記ロータ30とステータ50との間の部分40aの外周が切削加工される。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される流量制御弁に係り、特に低コスト化を図りながらロータ側に所要のトルクを得ることができ、かつ、溶接部分の接合強度を向上させることができるようにされた流量制御弁及び該流量制御弁用キャンの製造方法に関する。
この種の流量制御弁の従来例を図4に示す。図示の流量制御弁10’は、弁室21、弁座22(弁口22a)、鍔状部材23等を有する弁本体20は、弁座22に接離する弁体24a(弁軸24)により冷媒等の流体の通過流量を調整するようになっており、弁本体20の鍔状部材23(に形成された段差部23a)に、半球状の天井部60cを有する下方開口の円筒状のキャン60’の下端部60b’が突き合わせ溶接により密封接合されている。
前記弁本体20の弁室21の一側方には冷媒導入管61が連結されるとともに、弁室21の下方には、冷媒導出管62が連結されている。
前記キャン60’の内周には、所定の間隙α’をあけてロータ30’が配在され、該ロータ30’を回転駆動すべく前記キャン60の円筒状部分60a’の外周には、ヨーク51、ボビン52、ステータコイル53,53、及び樹脂モールドカバー56等からなるステータ50が外嵌されている。
そして、ロータ30’と弁軸24との間には、ロータ30’の回転を利用して前記弁体24aを前記弁座22に接離させる駆動機構が設けられている。この駆動機構は、弁本体20にその下端部26aが圧入固定されるとともに、弁軸24が摺動自在に内挿された筒状のガイドブッシュ26(の外周に形成された固定ねじ部25)と、前記弁軸24及びガイドブッシュ26の外周に配在された下方開口の筒状の弁軸ホルダ32(の内周に形成されて前記固定ねじ部25に螺合せしめられた移動ねじ部31)と、から構成されるねじ送り機構とされている(詳細は、下記特許文献1等を参照)。
かかる構成の従来の流量制御弁10’においては、ロータ30’の材料として、希土類焼結マグネットが用いられている。しかし、希土類焼結マグネットは、保磁力は極めて大きいが高価である。そこで、比較的安価な希土類プラスチックマグネットを用いることが考えられている。
ところが、希土類プラスチックマグネットは、希土類焼結マグネットに比して安価ではあるが保磁力が小さいので、前記キャン60’やロータ30’の寸法形状等を同じにすると、ロータ30’側に必要とするトルクが得られない。すなわち、ロータ30’側に発生するトルクは、ヨーク51からロータ30’までの距離、つまり、キャン60’の肉厚にキャン60’とロータ30’との間の間隙α’を加算した距離により決まる。しかし、間隙α’を狭くすると、ロータ30’がキャン60’の内周面に接触するおそれがあるので、これ以上狭めることはできない。そこで、キャン60’の肉厚を薄くすることが考えられている。しかし、キャン60’の肉厚を薄くすると、キャン60’の下端部60b’と弁本体20(の鍔状部材23)との溶接部分K(段差部23a)に充分な接合強度が得られず、脆弱となる。ここで、空気調和機、冷凍機等に使用される流量制御弁10’では、キャン60’内に冷媒が充満することになるが、特に冷媒としてフロン系のものに代えて二酸化炭素(ガス)が使用される場合は、冷媒圧を高く設定する必要があり、そのため、キャン60’内が極めて高圧となるので、前記溶接部分Kの接合強度が小さいと、ガス漏れ等が生じやすくなり、信頼性が低下する。
そこで、本願の発明者等は、ロータの材料として希土類プラスチックマグネットを用いても必要とするトルクが得られるとともに、キャンの下端部と弁本体との溶接部分に充分な接合強度を確保することができるようにすべく、下記特許文献2に所載のように、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の肉厚を前記キャンの下端部の肉厚より薄くした流量制御弁を提案した(以下、先提案流量制御弁と称す)。
すなわち、図3(A)に示される如くに、先提案流量制御弁では、キャン60の下端部60bの肉厚Ibが他の部分の肉厚Iaより厚くされている。言い換えれば、キャン60の下端部60b以外の部分は、しごき偏肉プレス(絞り)成形により薄くされている。より詳細には、ロータ30側に得られるトルクに関与する部分(ロータ30とステータ50との間の円筒状部分60a)の肉厚Iaが、図3(B)に示される、従来のキャン60’の同一部分の肉厚Ia’より薄くされるとともに、下端部60bの肉厚Ibが、従来のそれ(Ib’)より厚くされている(従来のキャン60’では、Ia’=Ib’)。
この場合、先提案流量制御弁のキャン60の外径Daと従来のそれ(Da’)とは同じであるが、キャン60の内径Db及びロータ30の外径Eaの方が従来のそれ(Db’、Ea’)より大きく(肉厚が薄い分)されている。したがって、先提案流量制御弁のステータ50のヨーク51からロータ30までの距離(キャン60の肉厚Iaにキャン60とロータ30との間の間隙αを加算した距離)は、従来のそれより短くされている。
このように、キャン60の下端部60bの肉厚をロータ30とステータ50との間の部分の肉厚より厚くする、言い換えれば、ロータ側に得られるトルクに関与する部分(ロータとステータとの間の円筒状部分60a)の肉厚を従来のものより薄くすることにより、ステータ50のヨーク51からロータ30までの距離(キャン60の肉厚にキャン60とロータ30との間の間隙αを加算した距離)が短くされ、これにより、ロータの材料として安価な希土類プラスチックマグネットを用いても、必要とするトルクが得られるとともに、キャンの下端部の肉厚が厚くされていることから、キャンの下端部と弁本体との溶接部分に充分な接合強度を確保することができ、冷媒として高圧の二酸化炭素等が用いられる場合でも、ガス漏れ等が生じにくくなり、信頼性が向上する。
特開2001−50415号公報 特開2006−70990号公報
ところで、前記した先提案流量制御弁で用いられるキャンは、偏肉(薄肉部と厚肉部を形成)するため、その製造に、しごき偏肉プレス(絞り)成形が採用されている。しかしながら、かかるしごき偏肉プレス成形では、製造コスト、特に、成形時間(工数)が多くかかり型費が高くなるという問題があった。また、高しごきによるショックライン、へげ等の成形不良が生じやすいという問題もあり、さらに、寸法加工精度が切削加工に比べてやや低くなる嫌いがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ロータの材料として希土類プラスチックマグネットを用いても、必要とするトルクが得られるとともに、キャンの下端部と弁本体との溶接部分に充分な接合強度を確保することができ、さらに、キャンの製造コストを低く抑えることができるとともに、ショックライン、へげ等の成形不良が生じ難く、かつ、寸法加工精度を高くできる流量制御弁を提供すること、及び、該流量制御弁用キャンの製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る流量制御弁は、弁室内の弁座に接離する弁体により冷媒等の流体の通過流量を調整する弁本体と、該弁本体にその下端部が溶接により密封接合されるキャンと、該キャンの内周に所定の間隙をあけて配在されるロータと、該ロータを回転駆動すべく前記キャンに外嵌されたステータと、前記ロータと前記弁体との間に配在され、前記ロータの回転を利用して前記弁体を前記弁座に接離させる駆動機構と、を備え、前記キャンの下端部の肉厚が前記ロータとステータとの間の部分の肉厚より厚くされる。
そして、前記キャンは、全体が略同じ肉厚の厚肉絞り一次成形品の状態から、前記ロータとステータとの間の部分の肉厚が前記下端部の肉厚より薄くなるように、前記ロータとステータとの間の部分の外周が切削加工されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記キャンは、天井部を有する円筒状とされ、その天井部と下端部とが略同じ肉厚とされるとともに、それら以外の円筒状部分の外周が切削加工されて前記天井部及び下端部より薄くされる。
他の好ましい態様では、前記キャンの厚肉部と薄肉部との境目部分は、段差が生じないように肉厚が連続的に変化せしめられてなる。
他の好ましい態様では、前記弁本体に段差部が形成され、この段差部に前記キャンの下端部が係合せしめられて付き合わせ溶接により密封接合される。
一方、本発明に係る製造方法は、下端部の肉厚がロータとステータとの間の部分の肉厚より厚くされている、天井部を有する円筒状の流量制御弁用キャンの製造するためのものであって、絞り成形により全体が略同じ肉厚の、天井部を有する円筒状の厚肉一次成形品を得、該厚肉一次成形品の状態から、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の肉厚を前記下端部の肉厚より薄くすべく、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の外周を切削加工するようにされる。
本発明に係る流量制御弁は、キャンの下端部の肉厚がロータとステータとの間の円筒状部分の肉厚より厚くされる。言い換えれば、ロータ側に得られるトルクに関与する部分(ロータとステータとの間の円筒状部分)の肉厚が従来のものより薄くされて、ステータのヨークからロータまでの距離(キャンの肉厚にキャンとロータとの間の間隙を加算した距離)が短くされる。
これにより、ロータの材料として安価な希土類プラスチックマグネットを用いても、必要とするトルクが得られるとともに、キャンの下端部の肉厚が厚くされていることから、キャンの下端部と弁本体との溶接部分に充分な接合強度を確保することができ、冷媒として高圧の二酸化炭素等が用いられる場合でも、ガス漏れ等が生じにくくなり、信頼性が向上する。
上記に加え、本発明に係る流量制御弁用キャンは、通常の絞り(プレス)成形により得られた、全体が略同じ肉厚の厚肉絞り一次成形品の状態から、前記ロータとステータとの間の円筒状部分が前記下端部の肉厚より薄くなるように、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の外周を切削加工することにより作製されるので、キャンをしごき偏肉プレス成形により作製する場合に比して、成形時間(工数)が短くなるとともに、型費が安く済み、製造コストを低く抑えることができる。加えて、ショックライン、へげ等の成形不良が生じ難く、さらに、ロータとステータとの間の円筒状部分(の外径)が切削加工により形成されることから、寸法加工精度を高くできる等の利点も得られる。
以下、本発明の流量制御弁の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る流量制御弁の一実施形態の縦断面図である。なお、図1においては、前述した図4に示される流量制御弁10’の各部に対応する部分には同一の符号が付されている。
図1に示される流量制御弁10は、弁室21、弁座22(弁口22a)、鍔状部材23等を有し、前記弁座22に接離するニードル状の弁体24aにより冷媒の通過流量を調整する弁本体20と、この弁本体20にその下端部40bが溶接により密封接合されるキャン40(後で詳述)と、このキャン40の内周に所定の間隙αをあけて配在されるロータ30と、該ロータ30を回転駆動すべくキャン40に外嵌されたステータ50と、を備えている。
前記弁本体20の弁室21の一側方には、冷媒としての二酸化炭素(ガス)を弁室21に導入するための冷媒導入管61が連結されるとともに、弁室21の下方には、冷媒導出管62が連結されている。
ステータ50は、磁性材からなるヨーク51と、このヨーク51にボビン52を介して巻回される上下のステータコイル53,53と、からなり、ロータ30とステータ50によりステッピングモータが構成される。
前記ロータ30の材料として、ここでは、Nd-Fe-B系等の希土類プラスチックマグネットが用いられている。
前記キャン40は、ステンレス等の非磁性の金属板を素材として、後述する如くの方法で、半球状の天井部40cを有する円筒状に形成されるとともに、その下端部(開口端縁部)40bの肉厚が前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの肉厚より厚くされており、その下端部40bが、弁本体20の上部に固着されているステンレス製の鍔状部材23に形成された段差部23aに突き合わせ溶接により密封接合され(溶接部分K)、内部は気密状態に保たれている。
ここで、本実施形態のキャン40は、次のようにして作製される。すなわち、まず、図2(A)に示される如くに、通常の絞り(プレス)成形により、全体が略同じ肉厚(Ia=Ib=Ic)の、天井部40cを有する円筒状の厚肉絞り一次成形品40Fを得、次に、図2(B)に示される如くに、前記厚肉絞り一次成形品40Fの状態から、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの肉厚Iaを前記下端部40bの肉厚Ibより薄くすべく、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの外周を切削加工する。これにより、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの肉厚Iaは、前記下端部40b及び天井部40cの肉厚Ib(=Ic)より薄く(例えば、約半分程度)される。
この場合、本実施形態のキャン40の外径Da、内径Db、及びロータ30の外径Eaは、前述した図3(A)に示される先提案流量制御弁のキャン60のそれらと同じであり、また、本実施形態のステータ50のヨーク51からロータ30までの距離(キャン40の肉厚Iaにキャン40とロータ30との間の間隙αを加算した距離)も、先提案流量制御弁のそれと同じとされる。
なお、本実施形態のキャン40の厚肉部と薄肉部との境目部分、すなわち、前記下端部40bと前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aとの境目部分40iは、段差が生じないようにRが施されて肉厚が連続的に変化せしめられている。また、天井部40cと前記円筒状部分40aとの境界部分40jも、段差が生じないように肉厚が連続的に変化せしめられている。このように、厚肉部と薄肉部との境目部分40i、40jの肉厚が連続的に変化せしめられていることにより、境目部分40i、40jに対する応力集中が緩和されて、耐圧強度が向上する。
弁体24aは、黄銅製の弁軸24の下端に形成されている。弁体24aを弁座22に接離させる駆動機構は、弁軸24が摺動自在に嵌挿された筒状のガイドブッシュ26と、その外周に配在された下方開口の筒状の弁軸ホルダ32と、から構成されるねじ送り機構とされ、前記ガイドブッシュ26は、弁本体20に設けられた嵌合穴42にその下端部26aが圧入(又は螺合)固定されるとともに、その中央部付近に雄ねじ部25が形成され、前記弁軸ホルダ32は、ガイドブッシュ26の雄ねじ部(固定ねじ部)25に螺合する雌ねじ部(移動ねじ部)31が形成され、また、その天底中央部に弁軸24の上部小径部が挿通せしめられている。弁軸24の上部小径部の上端部は、弁軸ホルダ32の天底上面に乗せられたナット33に圧入固定されている。
また、前記弁軸24は、弁軸ホルダ32の天底と弁軸24の中間段差部との間に縮装された緩衝用のコイルばね34によって常時下方に付勢されている。ガイドブッシュ26の側面には弁室21とキャン40内の均圧を図る均圧孔32aが形成されている。
弁軸ホルダ32の天底上には、コイルばねからなる復帰ばね35が設けられている。復帰ばね35は、ガイドブッシュ26の固定ねじ部25と弁軸ホルダ32の移動ねじ部31との螺合が外れたときに、キャン40の内面に当接して固定ねじ部25と移動ねじ部31との螺合を復帰させるように働く。
弁軸ホルダ32とロータ30とは支持リング36を介して結合されており、支持リング36は、本実施形態ではロータ30の成形時にインサートされた黄銅製の金属リングで構成されている。支持リング36に弁軸ホルダ32の上部突部がかしめ固定され、これにより、ロータ30、支持リング36及び弁軸ホルダ32が一体的に連結されている。
ガイドブッシュ26には、ストッパ機構の一方を構成する下ストッパ体(固定ストッパ)27が固着され、弁軸ホルダ32にはストッパ機構の他方を構成する上ストッパ体(移動ストッパ)37が固着されている。
このような構成とされた流量制御弁10にあっては、ステータコイル53,53に一方向の通電を行って励磁すると、弁本体20に固定されたガイドブッシュ26に対し、ロータ30及び弁軸ホルダ32が一方向に回転せしめられ、ガイドブッシュ26の固定ねじ部25と弁軸ホルダ32の移動ねじ部31とのねじ送りにより、例えば弁軸ホルダ32が下方に移動して弁体24aが弁座22に着座圧接して弁口22aは閉じられる。
弁口22aが閉じられた時点では、上ストッパ体37は未だ下ストッパ体27に当接しておらず、弁体24aが弁口22aを閉じたままロータ30及び弁軸ホルダ32はさらに回転下降する。このときは、弁軸24に対して弁軸ホルダ32が下降するため、緩衝用のコイルばね34が圧縮せしめられることにより弁軸ホルダ32の下降力は吸収される。その後、ロータ30がさらに回転して弁軸ホルダ32が下降すると、上ストッパ体37が下ストッパ体27に衝接し、ステータコイル53,53に対する通電が続行されても弁軸ホルダ32の下降は強制的に停止される。
一方、ステータコイル53,53に他方向の通電を行って励磁すると、弁本体20に固定されたガイドブッシュ26に対し、ロータ30及び弁軸ホルダ32が前記と逆方向に回転せしめられ、ガイドブッシュ26の固定ねじ部25と弁軸ホルダ32の移動ねじ部31とのねじ送りにより、今度は弁軸ホルダ32が上方に移動して弁軸24の下端の弁体24aが弁座22から離れて弁口22aが開かれ、冷媒が弁口22aを通過する。この場合、ロータ30の回転量により弁口22aの実効開口面積、すなわち冷媒の通過流量を調整することができ、ロータ30の回転量はパルス数により制御されるため、冷媒通過流量を高精度に調整することができる。
以上の如くの構成とされた本実施形態の流量制御弁10において、キャン40は、次のようにして作製される。すなわち、まず、図2(A)に示される如くに、通常の絞り(プレス)成形により、全体が略同じ肉厚(Ia=Ib=Ic)の、天井部40cを有する円筒状の厚肉絞り一次成形品40Fを得、次に、図2(B)に示される如くに、前記厚肉絞り一次成形品40Fの状態から、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの肉厚Iaを前記下端部40bの肉厚Ibより薄くすべく、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの外周を切削加工する。これにより、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの肉厚Iaは、前記下端部40b及び天井部40cの肉厚Ib(=Ic)より薄く(例えば、約半分程度)される。
この場合、本実施形態のキャン40の外径Da、内径Db、及びロータ30の外径Eaは、前述した図3(A)に示される先提案流量制御弁のキャン60のそれらと同じにでき、また、本実施形態のステータ50のヨーク51からロータ30までの距離(キャン40の肉厚Iaにキャン40とロータ30との間の間隙αを加算した距離)も、先提案流量制御弁のそれと同じにできる。
なお、本実施形態のキャン40の厚肉部と薄肉部との境目部分、すなわち、前記下端部40bと前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aとの境目部分40iは、段差が生じないようにRが施されて肉厚が連続的に変化せしめられている。また、天井部40cと前記円筒状部分40aとの境界部分40jも、段差が生じないように肉厚が連続的に変化せしめられている。このように、厚肉部と薄肉部との境目部分40i、40jの肉厚が連続的に変化せしめられていることにより、境目部分40i、40jに対する応力集中が緩和されて、耐圧強度等が向上する。
前記したように、本実施形態の流量制御弁10は、キャン40の下端部40bの肉厚Ibがロータ30とステータ50との間の部分の肉厚Iaより厚くされる。言い換えれば、ロータ側に得られるトルクに関与する部分の肉厚Iaが従来のものより薄くされて、ステータ50のヨーク51からロータ30までの距離(キャン40の円筒状部分40aの肉厚Iaに間隙αを加算した距離)が短くされる。これにより、ロータ30の材料として安価な希土類プラスチックマグネットを用いても、必要とするトルクが得られるとともに、キャン40の下端部40bの肉厚が厚くされていることから、キャン40の下端部40bと弁本体20(鍔状部材23)との溶接部分(K)に充分な接合強度を確保することができ、冷媒として高圧の二酸化炭素等が用いられる場合でも、ガス漏れ等が生じにくくなり、信頼性を向上させることができる。
上記に加え、本実施形態の流量制御弁用キャン40は、通常の絞り(プレス)成形により得られた、全体が略同じ肉厚(Ia=Ib=Ic)の厚肉絞り一次成形品40Fの状態から、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aが前記下端部40bの肉厚より薄くなるように、前記ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40aの外周を切削加工することにより作製されるので、キャンをしごき偏肉プレス成形により作製する場合に比して、成形時間(工数)が短くなるとともに、型費が安く済み、製造コストを低く抑えることができる。加えて、ショックライン、へげ等の成形不良が生じ難く、さらに、ロータ30とステータ50との間の円筒状部分40a(の外径)が切削加工により形成されることから、寸法加工精度を高くできる等の利点も得られる。
本発明に係る流量制御弁の一実施形態を示す縦断面図。 図1に示される流量制御弁で用いられているキャンの作製方法及び構造の説明に供される図。 (A)は、先提案流量制御弁のキャン周りを示す拡大図、(B)は、図4に示される従来の流量制御弁のキャン周りを示す拡大図 従来の流量制御弁の一例を示す縦断面図。
符号の説明
10 流量制御弁
20 弁本体
21 弁室
22 弁座
23 鍔状部材
23a 段差部
24 弁軸
24a 弁体
25 固定ねじ部(雄ねじ部)
26 ガイドブッシュ
27 下ストッパ
30 ロータ
31 移動ねじ部(雌ねじ部)
32 弁軸ホルダ
33 プッシュナット
34 圧縮コイルバネ
35 復帰ばね
36 支持リング
37 上ストッパ体
40 キャン
40a 円筒状部分
40b 下端部
40c 天井部
50 ステータ

Claims (5)

  1. 弁室内の弁座に接離する弁体により冷媒等の流体の通過流量を調整する弁本体と、該弁本体にその下端部が溶接により密封接合されるキャンと、該キャンの内周に所定の間隙をあけて配在されるロータと、該ロータを回転駆動すべく前記キャンに外嵌されたステータと、前記ロータと前記弁体との間に配在され、前記ロータの回転を利用して前記弁体を前記弁座に接離させる駆動機構と、を備え、前記キャンの下端部の肉厚が前記ロータとステータとの間の部分の肉厚より厚くされている流量制御弁であって、
    前記キャンは、全体が略同じ肉厚の厚肉絞り一次成形品の状態から、前記ロータとステータとの間の部分の肉厚が前記下端部の肉厚より薄くなるように、前記ロータとステータとの間の部分の外周が切削加工されたものであることを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記キャンは、天井部を有する円筒状とされ、その天井部と下端部とが略同じ肉厚とされるとともに、それら以外の円筒状部分の外周が切削加工されて前記天井部及び下端部より薄くされていることを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 前記キャンの厚肉部と薄肉部との境目部分は、段差が生じないように肉厚が連続的に変化せしめられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流量制御弁。
  4. 前記弁本体に段差部が形成され、この段差部に前記キャンの下端部が係合せしめられて付き合わせ溶接により密封接合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の流量制御弁。
  5. 下端部の肉厚がロータとステータとの間の円筒状部分の肉厚より厚くされている、天井部を有する円筒状の流量制御弁用キャンの製造方法であって、
    絞り成形により全体が略同じ肉厚の、天井部を有する円筒状の厚肉絞り一次成形品を得、該厚肉絞り一次成形品の状態から、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の肉厚を前記下端部の肉厚より薄くすべく、前記ロータとステータとの間の円筒状部分の外周を切削加工することを特徴とする流量制御弁用キャンの製造方法。
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