JP2008100928A - アポリポプロテインb分泌抑制剤 - Google Patents

アポリポプロテインb分泌抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2008100928A
JP2008100928A JP2006283336A JP2006283336A JP2008100928A JP 2008100928 A JP2008100928 A JP 2008100928A JP 2006283336 A JP2006283336 A JP 2006283336A JP 2006283336 A JP2006283336 A JP 2006283336A JP 2008100928 A JP2008100928 A JP 2008100928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
perilla
extract
secretion inhibitor
apolipoprotein
secretion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006283336A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Honda
真一 本田
Toyoteru Watanabe
豊輝 渡邊
Hozumi Tanaka
穂積 田中
Akihira Kuroda
明平 黒田
Yoshihiro Mimaki
祥浩 三巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2006283336A priority Critical patent/JP2008100928A/ja
Publication of JP2008100928A publication Critical patent/JP2008100928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

【課題】 明確なアポB分泌抑制活性を有しており、なおかつ安全性の高い食品由来のアポB分泌抑制剤およびその製造方法を提供とすることを課題とする。
【解決手段】 シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を有効成分とするアポリポプロテインB分泌抑制剤。好ましくは、シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した際に最初に溶出される成分であって、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分に含有されるシソ成分を有効成分とするアポリポプロテインB分泌抑制剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アポリポプロテインBの分泌を抑制することを特徴とするシソ抽出物あるいはシソ成分、および、その製造方法に関するものである。
アポリポプロテインは、リポタンパクを構成する血漿タンパク質であり、脂質を血液中に可溶化して各臓器へ運搬する機能を有している。アポリポプロテインにはアポリポプロテインA、アポリポプロテインB、アポリポプロテインCなどがあり、そのうちアポB(以下、アポBと略称する)は、VLDL、LDL、カイロミクロンといったリポタンパクの主要な構成タンパク質である。VLDL、LDL、カイロミクロンといったリポタンパクには、1粒子あたり1分子のアポBが含まれ、リポタンパク粒子の構造維持あるいはLDL受容体と結合に重要な機能を果たしている(非特許文献1)。
また、肝臓または小腸のミクロソーム画分の内腔に存在するMTP(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質;microsomal triglyceride transfer protein)がアポBにトリグリセリド(TG)やコレステロールエステル(CE)を組み込むことによって、VLDLおよびカイロミクロンが形成され、血液中に分泌される(非特許文献2)。
従って、アポB分泌が抑制されると、VLDLやカイロミクロンの形成・分泌が抑制されることから、アポB分泌抑制剤は、血中の中性脂肪を低減し、動脈硬化を予防する効果が期待できる。
共役トリエン酸系脂肪酸、その塩、その誘導体が、α−リノレン酸と比較してアポBの分泌を阻害する作用を有していることが開示されている(特許文献1)。しかし、実際には、共役トリエン酸系脂肪酸がα−リノレン酸を添加した時と比較してアポB分泌が抑制されたというだけであり、活性の面で充分満足といえる結果が得られていない。また、CP−346086といったMTP阻害剤の投与によってアポBの分泌が抑制されるが、肝細胞内に脂質を蓄積させるといった副作用も報告されている(非特許文献3)。このため、明確なアポB分泌抑制活性を有しており、なおかつ安全性の高いアポB分泌抑制剤の開発が望まれていた。
シソはシソ科シソ属の植物であり、赤シソ、青ジソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、カタメンジソなどの品種が存在し、薬味、天ぷら、シソ巻き、菓子原料として広く用いられている。また、防腐、抗菌、解毒、健胃、解熱、鎮静、咳止め、発汗、利尿、整腸作用など様々な効能があることが知られており、古くから民間薬としてだけでなく、半夏厚朴湯、香蘇散など漢方薬の主剤の1つとして用いられている(非特許文献4)。また、シソの抽出物がα−グルコシダーゼ阻害活性を有していること(特許文献2)、および、シソの熱水抽出物が抗アレルギー作用を有していること(特許文献3)が知られている。シソを細断後直ちに、−19〜5℃でアルコール性溶媒を用いて抽出し、溶媒除去することを特徴とするシソエキスの製造方法が開示されている(特許文献4)。さらに、ロスマリンを高含有するエキスを得るための方法として、シソを酸性条件下で抽出する方法が開示されている(特許文献5)。
特開2002−265985 特開2000−102383 特許第3071669号 特開2004−97108 WO2002/062365 日本臨牀、2001年、59巻 増刊号2、109−113頁 日本臨牀、2001年、59巻 増刊号2、226−235頁 Journal of Lipid Research Volume 44, 2003, 1887-1901 月刊フードケミカル、2000年、7巻、37−42頁
本発明は、上記を鑑み、明確なアポB分泌抑制活性を有しており、なおかつ安全性の高い、食品由来のアポB分泌抑制剤およびその製造方法を提供とすることを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行った結果、シソを濃度60〜99.5容量%エタノール水溶液で抽出して得られる抽出物が、アポB分泌抑制活性を有していることを見いだした。
すなわち本発明が提供するのは以下の通りである。
(1) シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を有効成分とするアポリポプロテインB分泌抑制剤。
(2) シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)のアポリポプロテインB分泌抑制剤。
(3) シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した際に最初に溶出される成分であって、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分に含有されるシソ成分。
(4) 順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで使用される溶出溶媒がクロロホルムであることを特徴とする(3)のシソ成分。
(5) シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物に含有される成分であって、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを使用し、クロロホルム−メタノール(容量比19:1)で展開したときのRf値が0.18〜1.0の範囲となるシソ成分。
(6) シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(3)〜(5)いずれかのシソ成分。
(7) (3)〜(6)いずれかのシソ成分を、有効成分として含有するアポリポプロテインB分泌抑制剤。
(8) (1)、(2)または(7)のアポリポプロテインB分泌抑制剤を含有するVLDLおよび/またはカイロミクロン分泌抑制剤。
(9) 医薬用または動物薬用である(1)、(2)、(7)または(8)の分泌抑制剤。
(10) 飲食用である(1)、(2)、(7)または(8)の分泌抑制剤。
(11) 医薬部外品用である(1)、(2)、(7)または(8)の分泌抑制剤。
(12) シソを、濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液で抽出することを特徴とするアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
(13) シソを、濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液で抽出し、得られた抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、水、有機溶媒またはそれらの混合液によって溶出し、最初に溶出される画分のうち、カラムに供した抽出物の量の75重量%に達するまでの画分を分取することを特徴とするアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
(14) 溶出溶媒としてクロロホルムを使用する(13)のアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
(15) シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(12)〜(14)いずれかのアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
本発明は、シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を有効成分とするアポB分泌抑制剤を提供する。本発明のアポB分泌抑制剤は、明確なアポB分泌抑制活性を有しており、安全性の高い食品由来のアポB分泌抑制剤である。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明のアポB分泌抑制剤は、シソを濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液で抽出することによって得られる抽出物を有効成分とするもので、アポB分泌を抑制する作用を有する。
上記アポB分泌抑制作用とは、肝細胞および小腸細胞からのアポBの分泌を抑制する作用を有する組成物である。本発明のアポB分泌抑制剤は、アポBの分泌抑制作用を有するために、VLDLやカイロミクロンの分泌を阻害することが期待される。
本発明において用いられるシソは、シソ科シソ属(Perilla frutescens)の植物であれば特に限定されない。具体的には、赤シソ(Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo )、青ジソ(Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo forma viridis Makino)、チリメンジソ(Perilla frutescens Britton var. crispa Decaisne forma crispa Makino)、チリメンカタジソ(Perilla frutescens Britton var. crispa Decaisne forma crispi-discolor Makino)、カタメンジソなどが挙げられるが、本発明においては、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、カタメンジソがより好ましい。上記シソは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、シソ抽出物を得るために用いる植物部位は、特に限定されないが、本発明においては葉が好ましい。上記シソの形態は、原型、ブレンダー等により粉砕したもの、切断したもの又は粉末のいずれを用いてもよい。また、本発明におけるシソは、乾燥物の状態で用いられることが好ましく、該シソ乾燥物は水分含量25%以下のものがより好ましく、水分含量15%以下のものがさらに好ましく、水分含量8%以下が最も好ましい。水分含量が多いシソ乾燥物では、原料の保管の際に腐敗する可能性があり、また、抽出時に原料のシソ中の水分が溶媒へ移行して抽出溶媒のエタノール濃度が低下し、得られる抽出物のアポB分泌抑制作用が低下することがある。
本発明のアポB分泌抑制剤は、上記シソを、濃度60〜99.9容量%のエタノール水溶液で抽出することによって得られる抽出物を有効成分とする。該抽出物を得る方法は特に限定されないが、例えば、上記のシソを抽出溶媒に浸し、常圧下で攪拌又は放置し、静置分離、濾過又は遠心分離などを行うことにより、得ることができる。本発明で用いられる抽出溶媒は、濃度60〜99.9容量%のエタノール水溶液である必要がある。60容量%未満のエタノール水溶液で得られる抽出物では、十分なアポB分泌抑制作用を示さない。アポB分泌抑制作用の点において、抽出溶媒のエタノール濃度の上限は特に限定されないが、実用的観点から、その上限としては99.9容量%が妥当である。アポB分泌抑制作用の点において、エタノール濃度は70容量%以上であるのが好ましい。また、抽出温度は、一般に−20〜100℃、普通1〜90℃、好ましくは1〜70℃で実施できる。抽出時間は、普通0.1時間〜1ヶ月、好ましくは0.5時間〜7日間で実施できる。また、抽出溶媒量はシソ重量に対して1倍重量以上50倍重量以下が好ましく、3倍重量以上20倍重量以下がより好ましい。1倍重量未満ではシソが充分に溶媒に浸らず抽出物の回収率が低くなり、50倍重量以上では抽出に用いる抽出タンク等の容器が大きくなり、溶媒除去に必要となるエネルギーが極めて大きく製造コストが高くなる傾向がある。
本発明において、シソ抽出物の形態は、抽出液の形態でもよいし、溶媒を除去したものでもよい。さらに、他の適切な溶媒に溶解、懸濁した形態であってもよい。また、これらのシソ抽出物には、アポB分泌抑制剤として、その活性を失わない範囲内で、脱臭、精製などの操作を加えることができる。さらに、当該シソ抽出物は、飲食品や医薬品として不適当な不純物を含有しない限り、抽出液のまま、又は粗抽出物あるいは半精製抽出物として本発明に使用できる。
さらに、得られた抽出物から、アポB分泌抑制活性を有している画分をクロマトグラフィーなどによって濃縮・精製することも可能である。
上記クロマトグラフィーに用いる担体としては、特に限定されない。具体的には、シリカゲルカラムが好ましく使用できるが、順相シリカゲルカラムがより好ましい。カラムのサイズは、特に限定されないが、カラムに供される抽出物とカラム樹脂量の容量比が、1:1 〜1:300 、好ましくは、1:2〜1:150の範囲内となるように適宜選択することができる。該カラムに、上記得られたシソ抽出物を吸着後、溶媒によって溶出されるフラクションのうち、アポB分泌抑制活性を有している画分を分取し、濃縮することでより純度の高いアポB分泌抑制剤を得ることが出来る。溶出溶媒としては、特に限定されず、順層シリカゲルカラムクロマトグラフィーの場合、水、有機溶媒またはそれらの混液が用いられるが、クロロホルム、または、クロロホルムとメタノールの混合溶媒が好ましく、クロロホルムがより好ましい。用いる溶出溶媒の量は、特に限定されず、目的とする画分が得られる量を使用すればよい。順層シリカゲルカラムクロマトグラフィーの場合、アポB分泌抑制活性を有している画分は、最初に溶出されてくる。具体的には、カラムより溶出されてきたフラクションに含まれる成分の重量(すなわち、フラクションより溶出溶媒を除去して得られる成分の重量)が、カラムに供した抽出物の量に対して、75重量%に達するまでに溶出されてくる画分に、アポB分泌抑制活性が認められるので、該画分を分取するのが好ましい。これら分取において、カラムより溶出される最初のフラクションから、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分の全量を分取しても良いし、その一部でも良い。また該フラクション以外の画分が若干(例えば5重量%程度)混入していても良い。これら画分(シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した際に最初に溶出される成分であって、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分)に含有されるシソ成分は、アポB分泌抑制剤以外の用途、例えば、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤、血中中性脂肪上昇抑制剤、リパーゼ阻害剤、血糖値上昇抑制剤などにも好適に使用することができる。
上記クロマトグラフィーによって精製されたアポB分泌抑制剤は、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを使用し、クロロホルム−メタノール(容量比19:1)で展開したときのRf値が0.18〜1.0の範囲となるシソ成分を含有している。従って、他の精製方法を用いて、Rf値が上記範囲にあるシソ成分を濃縮しても構わない。
アポB分泌抑制作用は、被験物質を哺乳動物に投与或いは摂取させる方法、或いは培養肝細胞に被験物質を作用させる事により評価可能であるが、培養肝細胞を用いた方法が、感度、再現性、簡便性において優れており、通常この方法が用いられる。培養肝細胞を用いる方法の場合、例えば、予めヒト肝細胞(HepG2)を24穴プレート中に植え込み24時間培養し、更に被験物質を含む1%牛血清アルブミン含有DMEM培地に交換し24時間培養を行った後、培養液を採取し、培養液中に含有されるアポBをサンドイッチ法ELISA(エンザイムリンクドイムノソーベントアッセイ)により定量することができる(T.Yanagita et.al., Current Therapeutic Reserch., 60(8), 423,1999)。またアポBの抗体を用いてウエスタンブロッティング法で定量することも可能である。この評価系において、溶媒対照と比較して統計的有意差をもってアポBの分泌量が減少したサンプルを「アポB分泌抑制活性あり」と判定する。
本発明のアポB分泌抑制剤は、VLDL分泌抑制剤および/またはカイロミクロン分泌抑制剤としても使用できる。本発明のアポB分泌抑制剤、VLDL分泌抑制剤および/またはカイロミクロン分泌抑制剤(以降、「分泌抑制剤」と総称する)は、これを含有する組成物とすることで、医薬用、動物薬用、飲食用、医薬部外品用として利用することができる。飲食用としては、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品なども含まれるし、医薬用としてはOTCなども含まれる。
上記組成物における、本発明の分泌抑制剤の含有量は、特に限定されないが、シソ抽出物の量として、組成物重量に対し好ましくは0.001〜100重量%、より好ましくは0.01〜99.999重量%、さらに好ましくは0.1〜99.9重量%、特に好ましくは10〜90重量%の範囲である。
本発明のアポB分泌抑制剤や、これを含有する組成物は、そのまま直接摂取することもできるし、また、公知の担体や助剤などの添加剤を使用して、カプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用しやすい形態に成型して摂取することもできる。また、栄養強化を目的として、ビタミンA、C、D、Eなどの各種ビタミン類を添加、併用して用いることもできる。さらに、飲食物材料に混合して、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類;アイスクリーム、氷菓などの冷菓類;茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料;うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類;蒲鉾、竹輪、はんぺんなどの練り製品;ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料;マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類;パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての飲食物に使用することができる。これら飲食用の組成物を摂取する場合、その摂取量は有効成分であるシソ抽出物の量に換算して成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは1〜300mg/kg体重である。
医薬品として用いる場合は、その剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、座薬、貼付剤などが挙げられる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。これら製剤の投与量としては、シソ抽出物の量に換算して、成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/kg体重を1回ないし数回に分けて投与する。
医薬部外品として用いる場合は、必要に応じて他の添加剤などを添加して、例えば、軟膏、リニメント剤、エアゾール剤、クリーム、石鹸、洗顔料、全身洗浄料、化粧水、ローション、入浴剤などに使用することができ、局所的に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)<シソ99.5%エタノール抽出物の製造>
チリメンカタジソ(新和物産株式会社より購入)2000gを、99.5容量%エタノール水溶液5Lに浸し、常圧下、45℃にて6時間、抽出した後、濾過により抽出液を得た。その抽出液を減圧濃縮して溶媒を除去し、半固形状のシソ抽出物131.2gを得た。
(実施例2)<シソ70%エタノール抽出物の製造>
チリメンカタジソ(新和物産株式会社より購入)1000gを、70容量%エタノール水溶液5Lに浸し、常圧下、45℃にて6時間、抽出した後、濾過により抽出液を得た。その抽出液を減圧濃縮して溶媒を除去し、粉末状のシソ70%エタノール抽出物93.0gを得た。
(比較例1)<シソ50%エタノール抽出物の製造>
チリメンカタジソ(新和物産株式会社より購入)1000gを、50容量%エタノール水溶液5Lに浸し、常圧下、45℃にて6時間、抽出した後、濾過により抽出液を得た。その抽出液を減圧濃縮して溶媒を除去し、粉末状のシソ50%エタノール抽出物85.0gを得た。
(実施例3)<アポB分泌抑制活性の測定>
Hep-G2細胞(ヒト肝癌由来培養細胞)を24穴培養プレートに1×106cells/wellとなるように植え込み、37℃、5%CO2条件下で24時間培養した。培地には、10%FBS(ウシ胎児血清)、10mL/Lペニシリン・ストレプトマイシン溶液(それぞれ5000IU/mL、5000μg/mL、Invitrogen社)、37mg/Lアスコルビン酸(和光純薬工業株式会社)を含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium、Invitrogen社)を用いた。被検物質を含む1%ウシ血清アルブミン(Sigma社)含有DMEMに交換し、24時間培養した。溶媒対照(コントロール)としてDMSOを用い、0.1%となるように添加した。コントロールおよび被検物質で処理した際に培地中の分泌されたアポB量は、ELISA Kit(CaldioCHEK社)にて測定した。コントロールのアポB分泌量を100%として被検物質のアポB分泌量を算出した。
それぞれ、実施例1、2で得られたシソ99.5%エタノール抽出物、シソ70%エタノール抽出物、比較例1で得られたシソ50%エタノール抽出物(いずれも50μg/mL)で処理した際のアポB分泌量を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1および2で得られたシソ99.5%エタノール抽出物およびシソ70%エタノール抽出物は有意なアポB分泌抑制活性を示した。
しかしながら、比較例1で得られたシソ50%エタノール抽出物はアポB分泌抑制活性を示さなかった。
(実施例4)<細胞内TGへの影響>
Hep-G2細胞(ヒト肝癌由来培養細胞)を12穴培養プレートに2×106cells/wellとなるように植え込み、37℃、5%CO2条件下で24時間培養した。培地には、10%FBS(ウシ胎児血清)、10mL/Lペニシリン・ストレプトマイシン溶液(それぞれ5000IU/mL、5000μg/mL、Invitrogen社)、37mg/Lアスコルビン酸(和光純薬工業株式会社)を含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium、Invitrogen社)を用いた。被検物質を含む培地に交換し(N=3)、24時間培養した。溶媒対照(コントロール)としてDMSOを用い、0.1%となるように添加した。コントロールおよび被検物質で処理した後、リン酸緩衝食塩水で2度洗浄し、ヘキサン−メタノール混液(3:2)を用いて細胞内脂質を抽出した。抽出液は試験管濃縮機で溶媒を除去し、得られた脂質をTritonX-100に再溶解し、トリグリセライド量を測定した。また、このときの細胞を0.1NのNaOHで処理することによって、細胞を回収し、Lowry法によってタンパク量を求めた。細胞内のトリグリセライド量は、各細胞のタンパク量で補正を行い、コントロールの細胞内トリグリセライド量を100%として被検物質の細胞内トリグリセライド量を算出した。
った。
実施例1で得られたシソ99.5%エタノール抽出物(50μg/mL)で処理した際の細胞内トリグリセライド量を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1で得られたシソ抽出物は細胞内のトリグリセライド量に影響を及ぼさなかった。このことから、シソ抽出物は従来のMTP阻害剤とは異なり、肝細胞に脂質の蓄積を引き起こすことなく、安全であると考えられる。
(実施例5)<シソ抽出物の分画>
実施例1で得られたシソ抽出物73.15gを、内径75mm、長さ300mmの順相シリカゲルカラム(カラムクロマトグラフィー用シリカゲルBW-300(富士シリシア化学))に保持させた。その後、300mLのクロロホルムで15回溶出を行い、それぞれ溶出液(フラクション1〜15)を得た。次に、300mLのクロロホルム−メタノール混液(9:1)で15回溶出を行い、それぞれ溶出液(フラクション16〜30)を得た。さらに、300mLのクロロホルム−メタノール混液(2:1)で15回溶出を行い、それぞれ溶出液(フラクション31〜45)を得た。最後に、300mLのメタノールで10回溶出を行い、それぞれ溶出液(フラクション46〜55)を得た。
さらに、得られた1〜55のフラクションを、4種の展開溶媒(クロロホルム−メタノール混液(19:1または9:1)、クロロホルム−メタノール−水混液(40:10:1または20:10:1))を用いて、それぞれTLC展開を行った。その結果、8つのTLCパターンが得られたので、それぞれのパターンごとにまとめ画分1〜8とした。それぞれの画分に対応するフラクションおよび各画分の収量(溶媒留去後の重量)を表3に示す。また、画分1〜4のTLCパターンの1例(展開溶媒:クロロホルム−メタノール混液(19:1)の場合)を図1に示す。
ここで、画分1〜4の収量の合計はカラムに供した抽出物の約75重量%である。また、画分1〜4は実質クロロホルムで溶出された画分に相当する。
(実施例6)<アポB分泌抑制活性の測定>
実施例3と同様の方法により、実施例5で得られた画分1〜8(それぞれ50μg/mL)について、それぞれのアポB分泌抑制活性を測定した。その結果を表4に示す。
表4から明らかな様に、画分1〜4に有意なアポB分泌抑制活性があることが分かった。すなわち、順相シリカゲルクロマトグラフィーにおいて先ず溶出される画分であり、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分にアポB分泌抑制活性があることが確認された。
実施例5で得られた画分1〜4のTLCパターンの1例(展開溶媒:クロロホルム−メタノール混液(19:1))
符号の説明
1 画分1
2 画分2
3 画分3
4 画分4

Claims (15)

  1. シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を有効成分とするアポリポプロテインB分泌抑制剤。
  2. シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載のアポリポプロテインB分泌抑制剤。
  3. シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した際に最初に溶出される成分であって、カラムに供した抽出物の量に対して75重量%に達するまでに溶出されてくる画分に含有されるシソ成分。
  4. 順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで使用される溶出溶媒がクロロホルムであることを特徴とする請求項3記載のシソ成分。
  5. シソの濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液による抽出物に含有される成分であって、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを使用し、クロロホルム−メタノール(容量比19:1)で展開したときのRf値が0.18〜1.0の範囲となるシソ成分。
  6. シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項記載のシソ成分。
  7. 請求項3〜6いずれか1項記載のシソ成分を、有効成分として含有するアポリポプロテインB分泌抑制剤。
  8. 請求項1、2または7記載のアポリポプロテインB分泌抑制剤を含有するVLDLおよび/またはカイロミクロン分泌抑制剤。
  9. 医薬用または動物薬用である請求項1、2、7または8記載の分泌抑制剤。
  10. 飲食用である請求項1、2、7または8記載の分泌抑制剤。
  11. 医薬部外品用である請求項1、2、7または8記載の分泌抑制剤。
  12. シソを、濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液で抽出することを特徴とするアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
  13. シソを、濃度60〜99.9容量%エタノール水溶液で抽出し、得られた抽出物を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、水、有機溶媒またはそれらの混合液によって溶出し、最初に溶出される画分のうち、カラムに供した抽出物の量の75重量%に達するまでの画分を分取することを特徴とするアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
  14. 溶出溶媒としてクロロホルムを使用する請求項13記載のアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
  15. シソが、赤シソ、チリメンジソ、チリメンカタジソ、およびカタメンジソからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項12〜14いずれか1項記載のアポリポプロテインB分泌抑制剤の製造方法。
JP2006283336A 2006-10-18 2006-10-18 アポリポプロテインb分泌抑制剤 Pending JP2008100928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006283336A JP2008100928A (ja) 2006-10-18 2006-10-18 アポリポプロテインb分泌抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006283336A JP2008100928A (ja) 2006-10-18 2006-10-18 アポリポプロテインb分泌抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008100928A true JP2008100928A (ja) 2008-05-01

Family

ID=39435543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006283336A Pending JP2008100928A (ja) 2006-10-18 2006-10-18 アポリポプロテインb分泌抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008100928A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Otero et al. Applications of by-products from the olive oil processing: Revalorization strategies based on target molecules and green extraction technologies
CA2520207C (en) Composition comprising bamboo extract and the compounds isolated therefrom showing treating and preventing activity for inflammatory and blood circulation disease
EP0782827A1 (en) FOOD COMPOSITION CONTAINING BALANCING AGENT FOR $g(v)-6 AND $g(v)-3 UNSATURATED FATTY ACIDS
KR101797813B1 (ko) 감귤 콤부차 발효액을 유효성분으로 포함하는 방광암 예방 또는 치료용 조성물
EP2144621A2 (en) Guava extract
US20160243185A1 (en) Bioactive-rich concentrates and nutritive and therapeutic products containing same
AU2003232432A1 (en) Policosanol compositions, extraction from novel sources, and uses thereof
JP2015096494A (ja) 生体内酸化還元状態改善剤
JP2009298769A (ja) 脂肪蓄積抑制用組成物
JP2010100545A (ja) 核内受容体および/または転写因子の活性化促進剤
KR101820096B1 (ko) 콩 발아배아 추출물을 포함하는 대사성 질환의 예방 또는 치료용 약학 조성물
JPWO2012115026A1 (ja) トマトシドa含有組成物
Karuna et al. Vegetable oil-based nutraceuticals
JP7023732B2 (ja) 炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤
WO2002078468A1 (fr) Aliment ou boisson pour maladie ou trouble vasculaire
JP2007063161A (ja) 急性相反応タンパク質転写抑制活性剤。
JP2015086153A (ja) Vldl分泌抑制剤
KR101471677B1 (ko) 리그난류 화합물 함유 조성물
JP2009249331A (ja) 植物由来の高脂血症の予防または改善剤
JP2008100928A (ja) アポリポプロテインb分泌抑制剤
JP2009114138A (ja) コレステロール上昇抑制剤
JPWO2004045632A1 (ja) ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤
JP2007022917A (ja) Pparリガンド活性を有する植物由来の組成物
JP5947061B2 (ja) Srebp1抑制剤
JP7242219B2 (ja) 血糖値上昇抑制剤、糖尿病抑制剤、及び食品組成物