JP2008100860A - 単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サファイア等単結晶α−Al2O3基板表面から内部に向かってアルミナ成分を窒化アルミニウムに変換して単結晶窒化アルミニウム膜を生成する単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法においてその製造効率が改善される方法を提供する。
【解決手段】1600〜1750℃の温度条件で単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法であって、窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とする。この活性化処理により、その後に行われる窒化反応の反応速度が著しく向上するため、単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造効率を飛躍的に改善させることが可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】1600〜1750℃の温度条件で単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法であって、窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とする。この活性化処理により、その後に行われる窒化反応の反応速度が著しく向上するため、単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造効率を飛躍的に改善させることが可能となる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、最外層に単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を有する単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法に係り、特に、製造効率の飛躍的な改善が図れる単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法に関するものである。
窒化ガリウム(GaN)に代表されるIII族窒化物半導体は、青〜紫外光を発する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)およびレーザー等の発光デバイスとして近年特に注目されている物質である。青色LEDの積層構造に見られるように、融点が高いIII族窒化物はサファイア等の基板上にエピタキシャル成長させなければならないが、基板材料との格子不整合が大きいため未だに欠陥の少ないIII族窒化物薄膜を得ることは極めて困難であった。そして、III族窒化物系半導体デバイスの発光効率を決定するのは、基板上での初期結晶成長によるところが大きいため、整合性が良い基板材料の開発はこの分野において最重要課題となっている。
ところで、基板のサファイアとIII族窒化物の格子不整合を緩和する目的で、AlN等のいわゆる緩衝層(バッファー層)をサファイア基板とIII族窒化物膜との間に挿入する方法が提案されている。
しかし、AlN等の緩衝層自体もサファイア基板との格子不整合が大きいため、欠陥がない均質な薄膜を得ることは難しい。また、サファイア基板上への緩衝層の形成に関しては、従来、大掛かりな分子線エピタキシャル法(MBE)、塩化アルミニウムとアンモニアを使用したハライド化学蒸着法、トリメチルアルミニウムとアンモニアを使用した有機金属気相成長法(MOVPE)等が利用されているが、いずれの方法も、基板のサファイアとAlN薄膜との大きな格子不整合のため、接合界面には大きな歪みが残留する。このため、サファイア上に形成したAlN層も転位密度が高く、霜柱のような柱状の集合組織となっている。従って、上述した従来のAlN膜は、GaN膜を成長させるための緩衝層としての役割を十分に果たしておらず、基板から膜表面まで貫いたGaN膜中の貫通転位が108〜107個/cm2も存在し、これが発光デバイスの発光効率を劣化させる要因になっている。このため、従来の青色LEDの発光効率は22%、紫外発光LEDの発光効率は7.5%に過ぎない。
このような技術的背景の下、アルミナ、カーボンおよび窒素を反応原料とする窒化アルミニウムの生成反応を用い、サファイア基板表面から内部に向かってアルミナ成分を窒化アルミニウムに変換することにより単結晶窒化アルミニウム膜を生成する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。すなわち、この生成方法は、炭素飽和状態で、一酸化炭素と窒素の混合雰囲気において単結晶α−Al2O3基板を窒化処理し、酸窒化アルミニウム層を介し最外層に単結晶窒化アルミニウム膜を積層する方法であった。
そして、特許文献1、2に記載の上記方法は、サファイア基板表面から内部に向かってアルミナ成分を窒化アルミニウムに変換して単結晶窒化アルミニウム膜を生成する方法のため、この方法により得られる単結晶窒化アルミニウム膜は、上述した有機金属気相成長法(MOVPE)等で得られるAlN膜とは異なり、霜柱のような柱状の集合組織になっておらず、また、転位密度も低く、電子顕微鏡観察によっても欠陥を発見できない程度の結晶性を有している。このため、製造された単結晶窒化アルミニウム積層基板自体で単結晶窒化アルミニウム膜を発光膜とする発光素子になり得ると共に、単結晶窒化アルミニウム膜上に単結晶窒化ガリウム(GaN)等任意のIII族窒化物膜を積層することで単結晶III族窒化物膜を発光膜とする発光素子になり得るものであった。
ところで、特許文献1、2に記載の方法は、上記分子線エピタキシャル法(MBE)や有機金属気相成長法(MOVPE)等の従来法では得られない利点を有する反面、単結晶窒化アルミニウムの成長速度が極端に遅く、高品質の単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造するには相当な時間が必要となり、単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造効率に劣る問題点が存在した。例えば、特許文献1に記載された実施例1〜2においては窒化処理に24時間を要し、また、特許文献2の実施例1では48時間も要している。
特開2004−137142号公報
特開2005−104829号公報
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、特許文献1、2に記載の方法と同様に高品質な単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造が可能で、しかも製造効率の飛躍的な改善が図れる単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者はこの課題を解決するため、サファイア基板表面から内部に向かってアルミナ成分を窒化アルミニウムに変換して単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、単結晶窒化アルミニウム膜を生成する窒化処理の前段階において単結晶α−Al2O3基板をH2雰囲気下で熱処理することにより、その後に行われる窒化反応の反応速度が飛躍的に向上することを発見するに至った。本発明はこのような技術的発見に基づき完成されている。
すなわち、請求項1に係る発明は、
1600〜1750℃の温度条件で単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法を前提とし、
単結晶窒化アルミニウム膜を生成する窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とする。
1600〜1750℃の温度条件で単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法を前提とし、
単結晶窒化アルミニウム膜を生成する窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法を前提とし、
単結晶窒化アルミニウム膜の生成時間が120分以下であることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明に係る単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法を前提とし、
単結晶窒化アルミニウム膜の生成時間が120分以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法は、特許文献1等に記載された方法と同様、サファイア基板表面から内部に向かってアルミナ成分を窒化アルミニウムに変換して単結晶窒化アルミニウム膜を生成する方法のため、得られた単結晶窒化アルミニウム膜は霜柱のような柱状の集合組織になっておらず、転位密度も低く、かつ、優れた結晶性を有している。
更に、アルミナ成分を窒化アルミニウムに変換する上記窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理しているため、その後に行われる窒化反応の反応速度が著しく向上し、この結果、単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造効率を飛躍的に改善させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明は、単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法において、単結晶窒化アルミニウム膜を生成する窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とするものである。
ここで、本発明に係る単結晶窒化アルミニウム積層基板は、単結晶α−Al2O3基板の結晶面がc面(0001)若しくはa面(11−20)で、単結晶窒化アルミニウム膜の結晶面がc面(0001)であるものが好ましい。
また、本発明に係る単結晶α−Al2O3基板の窒化処理は、好ましくは、カーボン、窒素および一酸化炭素の存在下、単結晶α−Al2O3基板を加熱処理することから成る。そして、単結晶α−Al2O3基板、例えば、サファイア基板の直接窒化により単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を形成させることに大きな特徴がある。尚、直接窒化とは、反応原料として、カーボン、窒素および一酸化炭素を使用し、単結晶α−Al2O3(例えばサファイア)を窒化する方法を意味する。
そして、上記サファイア基板としては、何ら制限されることなく市販のものを使用することができる。また、この基板表面にAlN膜を形成させる場合、基板の結晶面としては任意の面が使用できる。
また、上記カーボンとしては、種々の市販品が使用でき、反応雰囲気をカーボンで飽和させる目的から粉末状のグラファイトおよび/またはカーボンブラックが好適に利用される。但し、カーボンヒーターを用いた雰囲気炉を使う場合はこの限りではない。
また、窒素および一酸化炭素は、通常、ガス状のものが使用され、99.9999%以上の窒素および99.9%以上の一酸化炭素が好ましい。
以下、上記反応原料を用いて単結晶α−Al2O3基板に単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を形成する単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法について説明する。
まず、本発明においては、単結晶窒化アルミニウム膜の形成に先立って、800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面をエッチング(活性化)処理する。この活性化処理によりその後に行われる窒化反応の反応速度を著しく向上させることが可能となる。
次に、単結晶α−Al2O3基板(例えばサファイア基板)の表面を直接窒化することにより、単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を形成する。すなわち、例えば、カーボンヒーターを用いた雰囲気炉に、c面(0001)サファイア基板を並べ、N2−CO混合ガスの組成を調節することにより酸素ポテンシャルと窒素ポテンシャルを制御した雰囲気下において上記基板を窒化させる。窒化温度は1600〜1750℃とする。単結晶α−Al2O3基板を1600〜1750℃に保持することにより、単結晶α−Al2O3基板の最表面に単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜が生成する。この温度以外ではAlNが成長しないか、成長しても単結晶とならず、結晶性が低いAlNしか生成しない。
例えば、全圧PCO+PN2が1気圧、炭素の活量acが1の条件下で1600〜1750℃に保持して単結晶α−Al2O3基板(サファイア基板)上に単結晶窒化アルミニウム(AlN)を生成する場合、ガスでサファイア基板の表面を窒化するため、サファイア中の酸素とガスから供給される窒素が互いにサファイア中で置換しながら単結晶AlN膜が形成されていく。そして、従来のMOVPE法等により成膜したAlN膜は、一軸方向には成長しているものの霜柱のような柱状の集合組織となっており、転位密度も高い。これに対し、本発明により得られる単結晶AlN膜は、従来法で得られたAlN膜とは異なり、霜柱のような柱状の集合組織になっておらず、また、転位密度も低く、電子顕微鏡観察によっても欠陥を発見できないような結晶性に優れたものである。
ここで、一酸化炭素と窒素の混合比(分圧比:PCO/PN2)は0.1〜0.5の範囲が好ましい。また、反応装置の製作や運転の容易さから、反応系の全圧は1気圧とするのが好ましい。また、反応に先立って、反応装置内は一度真空に排気すると共に、上述した800〜1400℃のH2雰囲気下で基板表面の活性化処理を施した後、所定の分圧になるように調整した一酸化炭素と窒素の混合ガスが導入される。反応中は、この混合ガスを所定の流量で流す。また、加熱時間は120分以下とする。この成長条件下での成長速度は毎時1.5〜2.0マイクロメートルである。
そして、反応終了後は、窒素に切り替え、徐冷する。
図1は、本発明に係る製造方法により得られた単結晶窒化アルミニウム積層基板の一例について、そのXRD(X線回折)プロファイルを示すグラフ図である。このグラフ図において横軸は回折角度2θ、縦軸はX線強度である。尚、N2−CO混合ガス中の分圧比はPCO/PN2=0.25であり、この雰囲気下、単結晶α−Al2O3基板(サファイア基板)を1700℃で30分間加熱した。そして、図1のグラフ図から確認できるようにc面のAlNとの積層体が形成されている。
ここで、窒化アルミニウム(AlN)膜の結晶形態や結晶性は、X線回折、極点図形解析および透過型電子顕微鏡(TEM)による断面視察により確認できる。また、それぞれの厚みについてはTEMによる断面観察で確認、計測できる。
このように本発明に係る製造方法により得られた単結晶窒化アルミニウム積層基板は、それ自体で単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を発光膜とする発光素子になり得ると共に、単結晶窒化アルミニウム膜上に単結晶窒化ガリウム(GaN)あるいはAlGaNやInGaN等の任意のIII族窒化物混晶膜を積層することにより単結晶III族窒化物膜を発光膜とする発光素子になり得る。具体的には、単結晶AlN膜自体は紫外光の発光層として使用することができ、このAlN紫外光発光素子は高密度光メモリへの応用が可能である。また、AlN層は紫外光用の受光素子としても幅広く利用できる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
図2に示す反応装置(カーボン炉体)を用い、1700℃の加熱条件でN2−CO混合ガスによりサファイア基板を窒化処理してAlN膜を形成した。
まず、カーボンヒーター炉(カーボン炉体)内に配置されたアルミナ製のサファイア基板支持台(サファイア支持台)に3インチc面(0001)サファイア基板を立てかけて設置した。そして、カーボンヒーター炉(カーボン炉体)内を一旦ロータリーポンプで真空排気してカーボン炉体内の水分を完全に除去しかつ窒素ガスにて完全に置換した。次に、窒素を4l/minで流しながら、室温から200℃/hで1100℃まで昇温した後、1100℃で水素(H2)と窒素(N2)の分圧の比(PH2/PN2)が0.5である混合ガスを1l/minで流し、上記サファイア基板表面に対し60分間の水素熱処理(活性化処理)を行った。
次に、水素(H2)と窒素(N2)混合ガスの供給を停止し、再び窒素(N2)を4l/minで流しながら200℃/minで1700℃まで昇温し、1700℃に達したところで、一酸化炭素と窒素の混合比(分圧比:PCO/PN2)が0.25である混合ガスを1l/minで30分間流した。装置系内の全圧は1気圧である。その後、窒素4l/minに切り替え、200℃/minで室温まで冷却し、反応を停止した。
そして、AlN膜が形成された積層基板は、X線回折分析によりAlNの(0002)面の回折ピークが観察された(図1参照)。このときのX線ロッキングカーブの半値幅は547arcsecであり、従来技術のハライド化学蒸着法や有機金属気相成長法(MOVPE)等で製造されたAlN膜と比べて高い結晶性を有していることが確認された。このことから、サファイア基板全面において生成されたAlN層は単一の結晶方位を有していることが分かった。
本発明に係る製造方法によれば、ハライド化学蒸着法におけるハライド系の有害ガスおよびMOVPE法における有機金属系の有害ガスを使用することなく、サファイア等の単結晶α−Al2O3基板上に欠陥が少なく結晶性に優れた均一な単結晶AlN膜を安価に形成することができる。
そして、上記単結晶AlN膜を単結晶III族窒化物膜形成用の緩衝層として使用すれば、青色発光ダイオードおよび青色レーザー等の発光デバイスの発光効率を著しく向上させることができ、また、単結晶AlN膜を紫外光の発光ダイオードとして使用すれば、紫外光の発光素子および受光素子の発光効率および受光効率を著しく向上させることができる。
[比較例1]
サファイア基板表面に対し水素熱処理(活性化処理)を行っていない点を除き実施例1と略同様に行ってサファイア基板上にAlN膜を形成した。
[比較例1]
サファイア基板表面に対し水素熱処理(活性化処理)を行っていない点を除き実施例1と略同様に行ってサファイア基板上にAlN膜を形成した。
まず、カーボンヒーター炉(カーボン炉体)内に配置されたアルミナ製のサファイア基板支持台(サファイア支持台)に3インチc面(0001)サファイア基板を立てかけて設置した。そして、カーボンヒーター炉(カーボン炉体)内を一旦ロータリーポンプで真空排気してカーボン炉体内の水分を完全に除去しかつ窒素ガスにて完全に置換した。
次に、窒素を4l/minで流しながら、室温から200℃/hで1700℃まで昇温し、1700℃に達したところで、一酸化炭素と窒素の混合比(分圧比:PCO/PN2)が0.25である混合ガスを1l/minで30分間流した。装置系内の全圧は1気圧である。その後、窒素4l/minに切り替え、200℃/minで室温まで冷却し、反応を停止した。
そして、AlN膜が形成された積層基板についてX線回折分析を行ったところ、AlNの(0002)面の回折ピークは観察されなかった。また、θ―2θの広範囲に及ぶX線回折の結果、AlNのピークは観察されたが、全ての面方位のピークが観察されていることから、形成されたAlN膜は単結晶化しておらず多結晶化していることが分かった。
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法によれば、アルミナ成分を窒化アルミニウムに変換する窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理しているため、その後に行われる窒化反応の反応速度が著しく向上し、この結果、単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造効率を飛躍的に改善させることが可能となる。このため、得られた単結晶窒化アルミニウム積層基板は、それ自体で単結晶窒化アルミニウム(AlN)膜を発光膜とする発光素子になり得ると共に、単結晶窒化アルミニウム膜上に単結晶窒化ガリウム(GaN)あるいはAlGaNやInGaN等任意のIII族窒化物混晶膜を積層することにより単結晶III族窒化物膜を発光膜とする発光素子になり得ることから、これ等発光素子の安価な基板材料として適用される産業上の利用可能性を有している。
Claims (2)
- 1600〜1750℃の温度条件で単結晶α−Al2O3基板を窒化処理して単結晶窒化アルミニウム膜を生成し、単結晶窒化アルミニウム積層基板を製造する方法において、
単結晶窒化アルミニウム膜を生成する窒化処理の前段階において800〜1400℃のH2雰囲気下で単結晶α−Al2O3基板表面を活性化処理することを特徴とする単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法。 - 単結晶窒化アルミニウム膜の生成時間が120分以下であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶窒化アルミニウム積層基板の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2010278470A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-12-09 | Dowa Holdings Co Ltd | Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体エピタキシャル基板、iii族窒化物半導体素子およびiii族窒化物半導体自立基板、ならびに、これらの製造方法 |
US8878189B2 (en) | 2009-03-27 | 2014-11-04 | Dowa Holdings Co., Ltd. | Group III nitride semiconductor growth substrate, group III nitride semiconductor epitaxial substrate, group III nitride semiconductor element and group III nitride semiconductor free-standing substrate, and method of producing the same |
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