JP2008099797A - 手乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】手乾燥装置の風路内に埃が溜まったり、菌や黴が増殖することのない手乾燥装置を得ること。
【解決手段】本体ケーシング1に形成され、ノズル4a、4bから高速空気流が噴出される手乾燥室2と、前記本体ケーシング1内に設置された送風機3と、前記送風機3に前記本体ケーシング1の外の空気を供給し、該送風機3で加圧された空気を前記ノズル4a、4bに供給する風路11、12、13と、を備えた手乾燥装置100において、前記風路を構成する部材の一部又は全部に、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを付与したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本体ケーシング1に形成され、ノズル4a、4bから高速空気流が噴出される手乾燥室2と、前記本体ケーシング1内に設置された送風機3と、前記送風機3に前記本体ケーシング1の外の空気を供給し、該送風機3で加圧された空気を前記ノズル4a、4bに供給する風路11、12、13と、を備えた手乾燥装置100において、前記風路を構成する部材の一部又は全部に、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを付与したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、洗浄後の濡れた手に空気を吹き付けて衛生的に乾燥させる手乾燥装置に関するものである。
従来の手乾燥装置として、本体ケーシングの正面及び側面に開口し、手を収納できる広さを有する手乾燥室に、前記本体ケーシング内に設置された送風機により前記手乾燥室の互いに対向する2つの壁にそれぞれ配置されたノズルから高速空気流を噴出させる手乾燥装置であって、その送風機への空気の供給を行なう吸入経路入口端である吸入口を前記本体ケーシングの手乾燥室を除く本体ケーシング外表部に設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、手から吹き飛ばされた水滴を受ける手乾燥室の壁に撥水性又は親水性を付与した手乾燥装置がある(例えば、特許文献2参照)。
また、外部に向かって開口した挿入口を介して、水滴が付着した手を抜き差しする手乾燥室と、この手乾燥室の前記挿入口から手を挿入したときに前記手乾燥室内に高速空気流を噴出する送風機と、前記送風機からの高速空気流により吹き飛ばされた前記手に付着していた水滴を溜めるドレンタンクとを備えた手乾燥装置において、前記手乾燥室の内壁面又は前記手乾燥室からドレンタンクに至るまでの経路の内壁面に、抗菌処理を施したものがある(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記従来の手乾燥装置は、本体ケーシングの外(周囲)の空気を、本体ケーシング底部の吸込口より吸気し、風路を通してノズルから噴出させるものであるため、周囲の空気に含まれる埃、菌、黴の胞子等が、本体ケーシング内の風路に付着する。風路に付着した菌や黴が増殖すると、手乾燥装置が不衛生となる。さらには、風路を通してノズルから噴出される不衛生な空気が悪臭を発し、使用者を不快にさせる。
風路に付着した埃、菌、黴等を除去するには、手乾燥装置を分解しなければならず、分解は、専門業者に依頼することになり多額の費用が必要となる。また、従来の手乾燥装置は、消音目的で、風路内に吸音材等が貼付されており、メンテナンス時に、風路を構成する部材を抗菌、撥水、防黴処理することが困難である、という問題があった。
また、ノズル内径が5mm以下の場合、吸込まれた埃等が、経時的にノズルに詰まり、ノズルから噴出する空気量が少なくなり、手乾燥装置の性能が悪化する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、手乾燥装置の風路内に埃が溜まったり、菌や黴が増殖することのない手乾燥装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、本体ケーシングに形成され、ノズルから高速空気流が噴出される手乾燥室と、前記本体ケーシング内に設置された送風機と、前記送風機に前記本体ケーシングの外の空気を供給し、該送風機で加圧された空気を前記ノズルに供給する風路と、を備えた手乾燥装置において、前記風路を構成する部材の一部又は全部に、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを付与したことを特徴とする。
この発明によれば、風路を構成する部材の一部又は全部に、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つが付与されており、空気に含まれる埃、菌、黴が風路に付着して繁殖することはなく、風路内を常に衛生的に保つことができ、ノズルから噴出される空気が衛生的となり、分解清掃が不要な保守性に優れた手乾燥装置が得られる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる手乾燥装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の手乾燥装置の実施の形態1を示す縦断面図である。図1に示すように、実施の形態1の手乾燥装置100は、直方体の箱状の本体ケーシング1の上部に、上方及び側方に開口する略U字状の手乾燥室2が形成されている。本体ケーシング1内には、高圧空気流発生装置としての送風機3が設置され、手乾燥室2の上部の前後の壁に設けられたノズル4a、4bから高速空気流を噴出させ、手乾燥室2に挿入された手の水滴を手乾燥室2内に吹き飛ばして手を乾燥させる。
図1は、本発明の手乾燥装置の実施の形態1を示す縦断面図である。図1に示すように、実施の形態1の手乾燥装置100は、直方体の箱状の本体ケーシング1の上部に、上方及び側方に開口する略U字状の手乾燥室2が形成されている。本体ケーシング1内には、高圧空気流発生装置としての送風機3が設置され、手乾燥室2の上部の前後の壁に設けられたノズル4a、4bから高速空気流を噴出させ、手乾燥室2に挿入された手の水滴を手乾燥室2内に吹き飛ばして手を乾燥させる。
手乾燥室2は、両手を、上方及び側方の開口から、上下、左右に挿抜することができ、手乾燥室2の底部は、中央に向って下り勾配に形成され、底部中央には、排水口5が設けられている。排水口5には排水管6が接続され、排水管6の下端は、本体ケーシング1の下部に着脱可能に設置されたドレンタンク7に接続されている。
送風機3は、DCブラシレスモーター(通常の整流子モーター又は誘導電動モーターであってもよい。)3aと、図示しない制御部と、DCブラシレスモーター3aにより駆動されるターボファン又は遠心ファン3bと、を備え、本体ケーシング1の手乾燥室2の下方のチャンバー12内に設置されていて、制御部により制御されて自動運転される。
チャンバー12に吸気ダクト11が接続され、吸気ダクト11は本体ケーシング1の底面に設けられた吸気口9に接続されている。吸気口9にはフィルタ10が装着されている。送風機3の吸込口8がチャンバー12内で開口し、吸気口9からフィルタ10及び吸気ダクト11を通して本体ケーシング1の外の空気を送風機3に供給するようになっている。
送風機3の吹出口が、手乾燥室2の前側と後側に二股に分岐した排気ダクト13に接続されている。分岐した排気ダクト13の各端は、手乾燥室2の上部の前後の壁2aに、噴出口をやや下向きにし、横方向ライン状に互いに対向して配列された二組のノズル4a、4bにそれぞれ接続されている。ノズル4a、4bは、送風機3から送られてくる高圧空気を高速空気流に変換して手乾燥室2内に噴出させる。吸気ダクト11、チャンバー12及び排気ダクト13が、手乾燥装置100の風路を構成する部材である。
以上のように構成された手乾燥装置100は、手乾燥室2へ手を入れると、手乾燥室2に設けられたセンサーが手を検知して送風機3が作動する。送風機3が作動すると、空気流14で示すように、空気が吸気口9から吸気ダクト11、チャンバー12及び吸込口8を通って送風機3に吸込まれ、高圧化されて送風機3の吹出口から吹出される。
吹出された高圧空気は、排気ダクト13を通り、二組のノズル4a、4bから高速空気流として手乾燥室2に噴出され、濡れた手に当たり、手に付着していた水滴を吹飛ばして手を乾燥させる。吹き飛ばされた水滴は、手挿入室2の壁2aに付着して下方に流れ、排水口5より排水管6を通ってドレンタンク7に流れ込む。
図4は、吸気ダクト11、チャンバー12及び排気ダクト13等の風路を構成する部材や、ノズル4a、4bの部材の断面図である。図4に示すように、吸気ダクト11、チャンバー12及び排気ダクト13等の風路を構成する部材や、ノズル4a、4bを成形する成形工程で、熱可塑性樹脂から成る部材の基材Dに、撥水性材料B、抗菌剤A又は防黴剤Cのうち少なくとも一つを練り込み(コンパウンド)により添加し、これらの部材の内部及び表面に、撥水性、抗菌性、防黴性の少なくとも一つを付与する。
この方法は、部材の成形工程で練り込みにより材料、薬剤を添加するので、大量生産に適している。また、部材の内部に材料、薬剤が練り込まれているので、部材表面に撥水材料、抗菌剤、防黴剤がブリードアウトされ、それらの効果が長期間に亘って発揮される。
撥水性、抗菌性、防黴性を付与するのは、風路の片面13a又は13bのみとしてもよいし、両面としてもよい。また、風路やノズル以外に、手乾燥室2の壁2a、排水管6、ドレンタンク7、フィルタ10等に、上記と同様の撥水性、抗菌性、防黴性を付与しても良い。
撥水性材料Bとしては、フッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂を用いるとよい。具体例として、富士ケミカル株式会社製のクリンベル(商品名)がある。クリンベルのメリットは、樹脂練り込みを行っても樹脂の物性変化が少なく、撥水効果が長期間持続することである。また、滑り性も向上(摩擦係数が小さくなる)するので、軽い力で清掃することができる。
抗菌剤Aとしては、銀等の無機系抗菌剤を用いるとよい。無機系抗菌剤は、長期間効果が持続するメリットがある。無機系抗菌剤の具体例として、富士ケミカル株式会社製のバクテキラー(商品名)がある。
防黴剤Cとしては、窒素硫黄系化合物を用いるとよい。具体例として、富士ケミカル株式会社製のTZA-301(商品名)がある。TZA-301は、有機系化合物であり、ハロー法による試験方法で効果を確認することができ、即効性がある。また、防黴剤Cにより、黴の胞子がノズルから吹出すことがなくなり、周囲の空気を衛生的に保つ効果が得られる。
図5は、吸気ダクト11、チャンバー12及び排気ダクト13等の風路を構成する部材や、ノズル4a、4bの部材の他の例を示す断面図である。図5に示すように、吸気ダクト11、チャンバー12及び排気ダクト13等の風路を構成する部材や、ノズル4a、4bを、撥水性材料B、抗菌剤A又は防黴剤Cのうち少なくとも一つを添加した溶液中に浸漬し、これらの材料、薬剤を部材表面にコーティングする。なお、これらの材料、薬剤を部材表面に塗布又はスプレーすることによりコーティングしてもよい。コーティングにより、これらの部材の表面に均一な膜を形成し、抗菌性、撥水性、防黴性の少なくとも一つを付与する。この方法は、部材成形後の加工であり、部材成形前の樹脂に材料、薬剤をコンパウンドする必要がなく、少量生産に適している。
図5に示す基材Dとしては、成形品、板金部品、シート類等を用いることができる。撥水性、抗菌性、防黴性を付与するのは、図5に示す部材の片面13a又は13bのみとしてもよいし、両面としてもよい。また、上記の部材以外に、手乾燥室2の壁2a、排水管6、ドレンタンク7、フィルタ10等に、図5に示すものと同様の撥水性、抗菌性、防黴性を付与しても良い。
手乾燥装置100は、手乾燥室2に濡れた手を挿入すれば、手に付着した水滴を高速気流により吹き飛ばすことができる。この空気は、手乾燥装置100の周囲の空気を吸気口9から取り込み、装置内部で高圧化してノズル4a、4bから噴出させるのであるが、装置の風路を構成する部材に、図4又は図5に示すような、撥水、抗菌、防黴処理を施しておくと、埃が付着しても、撥水処理により埃が剥離し易く、また、仮に付着したとしても、風路内で菌や黴は繁殖せず、風路内の風速が10〜20m/sであるので、埃が吹き飛ばされ、風路内を常に清潔な状態に保ち、吹出し空気が常に衛性的に維持される。なお、撥水、抗菌、防黴処理のうち一つのみを行なう場合は、撥水処理を行うのが最も有効(効果的)である。
これにより、手乾燥装置100は、長期間使用しても装置内部の清掃が不要であり、専門業者によるメンテナンス費用も不要となり、保守性に優れた手乾燥装置となる。また、エアーノズル4a、4bも埃等が付着しにくく、さらに、風速約80〜120m/sの高速気流となっているので埃が付着せず、噴出する空気量が減少することはなく、乾燥性能が落ちることはない。
実施の形態2.
図2は、本発明の手乾燥装置の実施の形態2を示す縦断面図である。図2に示すように、実施の形態2の手乾燥装置200は、排気ダクト13の内側の壁13aが、手乾燥室2の壁2aを構成している。実施の形態2の手乾燥装置200の他の部分は、実施の形態1の手乾燥装置100と同等の構成となっている。手乾燥装置200の排気ダクト13等の風路を構成する部材やノズル4a、4bの基材Dには、図4、図5に示すように、材料内部及び/又は表面に、撥水性、抗菌性、防黴性を付与する。実施の形態2の手乾燥装置200は、部品点数が少なく低コストである。
図2は、本発明の手乾燥装置の実施の形態2を示す縦断面図である。図2に示すように、実施の形態2の手乾燥装置200は、排気ダクト13の内側の壁13aが、手乾燥室2の壁2aを構成している。実施の形態2の手乾燥装置200の他の部分は、実施の形態1の手乾燥装置100と同等の構成となっている。手乾燥装置200の排気ダクト13等の風路を構成する部材やノズル4a、4bの基材Dには、図4、図5に示すように、材料内部及び/又は表面に、撥水性、抗菌性、防黴性を付与する。実施の形態2の手乾燥装置200は、部品点数が少なく低コストである。
実施の形態3.
図3は、本発明の手乾燥装置の実施の形態3を示す縦断面図である。図3に示すように、実施の形態3の手乾燥装置300は、排気ダクト13をブロー成形等の方法で一体成形している。一体成形された排気ダクト13は、継目がなく、全壁部に、図4、図5に示すような抗菌、撥水、防黴処理を施すことにより、実施の形態1の手乾燥装置100よりも風路内をさらに清潔に保つことができる。なお、手乾燥装置300の排気ダクト13の内側の壁13aが、手乾燥室2の壁2aを構成するようにしてもよい。
図3は、本発明の手乾燥装置の実施の形態3を示す縦断面図である。図3に示すように、実施の形態3の手乾燥装置300は、排気ダクト13をブロー成形等の方法で一体成形している。一体成形された排気ダクト13は、継目がなく、全壁部に、図4、図5に示すような抗菌、撥水、防黴処理を施すことにより、実施の形態1の手乾燥装置100よりも風路内をさらに清潔に保つことができる。なお、手乾燥装置300の排気ダクト13の内側の壁13aが、手乾燥室2の壁2aを構成するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる手乾燥装置は、ノズルから吹出される空気が衛生的であり、分解清掃が不要な保守性に優れた手乾燥装置として有用である。
1 本体ケーシング
2 手乾燥室
2a 壁
3 送風機
4a,4b ノズル
5 排水口
6 排水管
7 ドレンタンク
8 送風機の吸込口
9 吸気口
10 フィルタ、
11 吸気ダクト
12 チャンバー
13 排気ダクト
14 空気流
100,200,300 手乾燥装置
A 抗菌剤
B 撥水材料
C 防黴剤
D 基材
2 手乾燥室
2a 壁
3 送風機
4a,4b ノズル
5 排水口
6 排水管
7 ドレンタンク
8 送風機の吸込口
9 吸気口
10 フィルタ、
11 吸気ダクト
12 チャンバー
13 排気ダクト
14 空気流
100,200,300 手乾燥装置
A 抗菌剤
B 撥水材料
C 防黴剤
D 基材
Claims (8)
- 本体ケーシングに形成され、ノズルから高速空気流が噴出される手乾燥室と、
前記本体ケーシング内に設置された送風機と、
前記送風機に前記本体ケーシングの外の空気を供給し、該送風機で加圧された空気を前記ノズルに供給する風路と、
を備えた手乾燥装置において、
前記風路を構成する部材の一部又は全部に、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを付与したことを特徴とする手乾燥装置。 - 前記風路を構成する部材が、該部材の成形工程において、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを有する材料を添加したものであることを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
- 前記風路を構成する部材が、撥水性、抗菌性又は防黴性の少なくとも一つを有する材料をコーティングしたものであることを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
- 前記撥水性を有する材料が、フッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項2又は3に記載の手乾燥装置。
- 前記抗菌性を有する材料が、無機系抗菌剤であることを特徴とする請求項2又は3に記載の手乾燥装置。
- 前記防黴性を有する材料が、窒素硫黄系化合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の手乾燥装置。
- 前記ノズルの部材に、抗菌性、撥水性又は防黴性の少なくとも一つを付与したことを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
- 前記手乾燥室の壁の少なくとも一部が、前記風路を構成する部材により構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の手乾燥装置。
Priority Applications (1)
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- 2006-10-18 JP JP2006283729A patent/JP2008099797A/ja active Pending
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