JP2008099741A - 割れやすい素材を使用したボタン及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボタン本体の割れを防止しつつ、外周を金属で装飾することにより高級感を得る。
【解決手段】ホック頭(2)と、脚部(3)、ボタン本体(4)と、支持体(5)からなるボタンである。ホック頭(2)は、ボタン穴(22)と下方に向かって湾曲した周縁部(23)を有する。筒状の脚部(3)は前記周縁部(23)と係合している。ボタン本体(4)は、前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部(43)及び小径部(42)からなる孔(44)を設けている。金属製支持体(5)は、中央に隆起部(53)と窪み(54)により形成される孔(51)、周縁に隆起部(54)を有し、前記ボタン本体(4)を前記隆起部内に収容する。前記脚部(3)が、ボタン本体(4)の前記中央孔(44)と、支持体(5)の前記中央孔(51)を貫通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、割れやすい素材(例えば、貝類等の動植物起源の天然素材や宝石又は模造宝石等)を表面装飾体として使用したボタン及びその製法に関する。
上記天然素材、宝石又は模造宝石等の装飾体をはめ込んだボタンは、婦人服、袋物、履物等に使用すると華やかさや高級感を醸し出すことができるので好まれている。
従来、装飾体をボタンに取り付ける構造としては、下記特許文献1に開示されるように、リング状に形成され下部に複数の脚を有する固定体に円板状の装飾体を脚側から嵌め込み、固定体の脚を被装飾体に貫通させて屈曲させ固定しているものがあった。
下記特許文献2や3に開示されるものは、底面が平坦に形成された装飾体の外周縁を保持し固定する皿状の保持体よりなり、この保持体の下部に穿設されている貫通孔に糸が通され、糸付けによって被装飾体に固定されるものである。
下記特許文献4に開示されるように、貫通孔が穿設されたビーズ状の装飾体を、中央に糸通し孔が穿設された糸付けボタンに取り付けたものがあった。この装飾体の貫通孔には糸が通されており、糸付けボタンの糸通し孔を介して被装飾体に糸付けで固定するものである。
下記特許文献5に開示されるように、下部が錐形に形成された装飾体を、表面に凹部が形成されたボタンに、その下部が埋没するように嵌め込み接着固定し、このボタンを糸付けによって被装飾体に固定しているものがあった。
本出願人も特許文献6において、錐形のパビリオン部を有する装飾体と、装飾体が保持される保持部を有する固定部とで構成され、被装飾体に取付け固定される装飾具を開示している。固定部は、保持部から装飾体のキューレットを囲み延出する筒状の挿通部が設けられている雄部と、挿通部が挿通される挿通孔を有する雌部とで構成され、挿通部を被装飾体に穿設される貫通孔に貫通させ、雄部と雌部とをかしめて被装飾体に固定している。
実開平3−31307号公報 実開平4−208号公報 実開平4−74008号公報 実用新案登録第3086588号公報 実開平2−50205号公報 特開2004−337354公報
上記特許文献6では、その従来の技術の欄において、先行する特許文献1−5の欠点を分析して指摘している(同公報[0010]−[0017]参照)。その中では先行技術の欠点とされておらず、特許文献6自身も免れていない欠点がある。それは、装飾体を表面部材に埋め込む工程及び装飾体を埋め込んだ表面部材をホック頭に取り付ける工程において、力をかけたときに装飾体が欠けたり、割れたりしやすいということである。装飾体は、貝類や宝石のようにカットしたガラス加工品であることが多いが、これが金属の爪や縁部で強く押圧されるからである。そのため、製造がかなりの程度職人技となり、装飾ボタンの大量生産や衣服等へのボタン取付の自動化が困難であった。
本発明は、上記課題を解消するために、装飾体を表面部材に埋め込む工程及び装飾体を埋め込んだ表面部材をボタン本体に取り付ける工程において、装飾体が欠けたり、割れたりしないような装飾体の取付方法、及びそれに使用するボタン表面部材を提供することを目的とする。
請求項1の本発明の割れやすい素材を使用したボタンは、割れやすい素材を使用したボタンであって、
ボタン穴と下方に向かって湾曲した周縁部を有するホック頭と、
前記周縁部と係合している筒状の脚部と、
前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部及び小径部からなる孔を設けたボタン本体と、
中央に隆起部と窪みにより形成される孔、周縁に周縁部を有し、前記ボタン本体を前記隆起部内に収容する支持体とからなり、
前記脚部が、ボタン本体の中央孔と、支持体の中央孔を貫通していることを特徴とする。
請求項3の本発明の割れやすい素材を使用したボタンは、割れやすい素材を使用したボタンであって、
前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部及び小径部からなる孔を設けたボタン本体と、
ボタン穴を有するホック頭を中央に有し、周縁部が隆起した金属製支持体とからなり、
前記ホック頭が、ボタン本体の前記中央孔を貫通して、前記周縁部の係止爪によりかしめられていることを特徴とする。
請求項4の本発明の割れやすい素材を使用したボタンの製法は、
ボタン穴と下方に向かって湾曲した周縁部を有するホック頭と、前記周縁部と係合している脚部と、前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部及び小径部からなる孔を設けたボタン本体と、中央に隆起部と窪みにより形成される孔、周縁に周縁部を有する支持体とを用意し、
前記ホック頭の周縁部を筒状の脚部と係合させ、
前記ボタン本体を前記支持体の前記周縁部内に収容させ、
前記脚部で、ボタン本体の前記中央孔と、支持体の前記中央孔を貫通させることを特徴とする。
請求項5の本発明の割れやすい素材を使用したボタンの製法は、割れやすい素材を使用したボタンの製法であって、
前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部及び小径部からなる孔を設けたボタン本体と、 ボタン穴を有するホック頭を中央に有し、周縁部が隆起した金属製支持体とを用意し、
前記ボタン本体の前記中央孔に前記ホック頭を貫通させ、
前記周縁部の係止爪によりかしめることを特徴とする。
請求項1及び4の本発明によれば、次の効果が得られる。
(1)ホック頭とボタン本体,支持体を一体化させるとき、ボタン本体底面には階段状の大径孔の空間があるので、この空間がクッションの役割を果たす。
(2)ボタン本体と支持体を一体化させるとき、支持体には窪みの空間があるので、この空間がクッションの役割を果たす。
したがって、これらのクッション作用により、本来ならボタン本体にかかるはずの力が緩和され、ボタン本体が割れにくくなる。同時に、ボタン本体の周囲が金属の支持体で装飾されるので、高級感が得られる。
請求項3及び5の本発明によれば、加工の際、ボタン本体は支持体により保護され、大きな力が加わらないので、割れにくい素材でも問題なく加工できる。同時に、ボタン本体の周囲が金属の支持体で装飾されるので、高級感が得られる。
ホック頭を構成する割れやすい素材は、貝類や動物の角・牙・骨など動植物起源の天然素材、宝石又は模造宝石である。貝類としては、例えばアコヤ貝を使用することができ、模造宝石は、クリスタルガラス加工品であることが多い。例えば、業界では、製造会社名に由来する「スワロフスキー」(商標)という名で知られているクリスタルガラス加工品を使用することができる。
脚部や支持体は曲げや圧延に強い金属であればよく、例えばステンレス鋼や真鍮を使用することができる。
請求項1及び4の本発明のボタンは、使用に当たっては、生地を挟んで雄部材又は雌部材とかしめられる。
請求項1のボタンと請求項3のボタンの正面外観を同一とし、同一対象に対して併用することにより、さまざまな応用が可能となる。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施例に係る脚部付きボタン1の正面図、(b)は断面図である。
ホック頭2は金属製で、中央に糸通し孔22が4つある円板21である。図1(b)及び図2(a)(a)’に示すように、ホック頭2の周縁23は下方向に湾曲して、筒状脚部3の上端31と係合している。
ボタン本体4は、模造宝石からなり、図1(b)及び図2(b)(b)’に示すように、中央に孔44を有する円板41である。孔44は2段階であり、小径孔42と大径孔43からなる。周縁部45は下に向かって直径が増していて、断面(図2(b)’)は台形状である。
支持体5は、図1(b)及び図2(c)(c’)に示すように、中央に孔51を有する皿状円板52である。孔51の周囲は上方向に隆起部53を形成し、隆起部53の根元は逆に窪み54を形成している。円板52の周縁部55は、上方向に隆起し、上に向かって直径が狭まっている。周縁部55の最上部は内側に傾けられて係止爪56となっている。
組立状態では、図1(b)に示すように、ホック頭2直下の脚部3はボタン本体4及び支持体5のそれぞれの孔44,51を貫通する。ボタン本体4は、支持体5の隆起部内に完全に収容され、係止爪56で固定されている。
次に図3により、このボタンを生地に取り付ける方法を説明する。
図3(a)に示すように、ホック頭2、脚部3、ボタン本体4,支持体5からなるボタン1を、打ち付け機械(M1,M2)により、生地6を挟んで、雌部材7と一体化させる。この作業により、雌部材7と脚部3が強固にかしめられる(図3(b)参照)。
このボタンにおいては、ボタン孔22は糸を通す本来の目的には使用することができない。これは、単なる装飾であって、いわゆるフェイクである。
この実施例では、図1(b)に矢印で示すように、加工の際、本来ボタン本体にかかるはずの力が分散される。すなわち、
(1)ホック頭2とボタン本体4,支持体5を一体化させるとき、ボタン本体底面には階段状の大径孔43の空間があるので、この空間がクッションの役割を果たす。
(2)ボタン本体4と支持体5を一体化させるとき、支持体5には窪み54の空間があるので、この空間がクッションの役割を果たす。
したがって、これらのクッション作用により、本来ならボタン本体4にかかるはずの力が緩和され、ボタン本体4が割れにくくなる。同時に、ボタン本体の周囲が金属の支持体5で装飾されるので、高級感が得られる。
なお、上記説明では、各部品の結合に時間差を設けるように記述しているが、すべてを同時に行うこともでき、できればその方が能率的である。
図4(a)は、本発明の第2実施例に係る脚部付きボタン1Aの正面図、(b)は断面図である。
このボタン1Aは、ボタン本体4Aと支持体5Aの2部品からなる。
ボタン本体4Aは、模造宝石からなり、図4(b)及び図5(a)(a)’に示すように、中央に孔44Aを有する円板41Aである。孔44Aは2段階であり、小径孔42Aと大径孔43Aからなる。周縁部45Aは下に向かって直径が増していて、断面(図5(a)’)は台形状である。
支持体5Aは、金属製で、図4(b)及び図5(b)(b’)に示すように、中央にホック頭2Aを有する皿状円板52Aである。ホック頭2Aは、中央にボタン穴22Aが4つある隆起円板21Aである。円板52Aの周縁部55Aは、上方向に隆起し、上に向かって直径が狭まっている。周縁部55Aの最上部は内側に傾けられて係止爪56Aとなっている。
組立状態では、図4(b)に示すように、ボタン本体4Aは、支持体5Aの周縁部55A内に完全に収容され、係止爪56で固定されているが、ホック頭2Aだけはボタン本体4Aから突出する。
第1実施例と異なり、第2実施例のボタンにおいては、ボタン孔22Aは糸を通す本来の目的には使用することができる。
この実施例では、縫製の際、ボタン本体は支持体により保護され、大きな力が加わらないので、割れにくい素材でも問題なく加工できる。同時に、ボタン本体の周囲が金属の支持体5で装飾されるので、高級感が得られる。
第1実施例と第2実施例は、外部正面から見たとき全く同一の外観を有する。衣服に取り付けたとき、第1実施例では、糸を使用しないが、着色剤で糸を描いたり、フェイクの糸を通したりすることにより、第2実施例と同一の外観にすることができる。第1実施例と第2実施例を適宜組み合わせることにより、意表をつくようなデザインの衣服を開発することができる。
(a)は、本発明の実施例にかかる脚部付きボタンの正面図、(b)は断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例にかかる脚部付きボタンの展開斜視図、(a)’〜(c)’は、各断面図である。 (a)(b)は、本発明の実施例にかかる脚部付きボタンを生地に取り付ける過程を示す断面図である。 本発明の第2実施例の正面図(a)と断面図(b)である。 (a)〜(b)は、本発明の第1実施例にかかる脚部付きボタンの斜視図、(a)’〜(b)’は、各断面図である。
符号の説明
1,1A ボタン
2,2A ホック頭
21,21A 円板
22,22A ボタン孔
22 孔
23 周縁
3 筒状脚部
31 上端
4,4A ボタン本体
41,41A 円板
42,42A 小径の孔
43,43A 大径の孔
44,44A 孔
45 周縁部
5,5A 金属製支持体
51 孔
52,52A 円板
53 隆起部
55,55A 周縁部
56,56A 係止爪
6 生地
7 雌部材

Claims (6)

  1. 割れやすい素材を使用したボタンであって、
    ボタン穴(22)と下方に向かって湾曲した周縁部(23)を有するホック頭(2)と、
    前記周縁部(23)と係合している筒状の脚部(3)と、
    前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部(43)及び小径部(42)からなる孔(44)を設けたボタン本体(4)と、
    中央に隆起部(53)と窪み(54)により形成される孔(51)、周縁に周縁部(55)を有し、前記ボタン本体(4)を前記隆起部内に収容する金属製支持体(5)とからなり、
    前記脚部(3)が、ボタン本体(4)の前記中央孔(44)と、支持体(5)の前記中央孔(51)を貫通していることを特徴とするボタン。
  2. 生地(6)を挟んで雄部材又は雌部材(7)がかしめられた請求項1記載のボタン。
  3. 割れやすい素材を使用したボタンであって、
    前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部(43A)及び小径部(42A)からなる孔(44A)を設けたボタン本体(4A)と、
    ボタン穴(22A)を有するホック頭(2A)を中央に有し、周縁部(55A)が隆起した金属製支持体(5A)とからなり、
    前記ホック頭(2A)が、ボタン本体(4A)の前記中央孔(44A)を貫通して、前記周縁部(55A)の係止爪(56A)によりかしめられていることを特徴とするボタン。
  4. ボタン穴(22)と下方に向かって湾曲した周縁部(23)を有するホック頭(2)と、前記周縁部(23)と係合している筒状脚部(3)と、前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部(43)及び小径部(42)からなる孔(44)を設けたボタン本体(4)と、中央に隆起部(53)と窪み(54)により形成される孔(51)、周縁に周縁部(55)を有する支持体(5)とを用意し、
    前記ホック頭(2)の前記周縁部(23)を前記筒状脚部(3)と係合させ、
    前記ボタン本体(4)を前記支持体の前記周縁部(55)内に収容させ、
    前記脚部(3)で、ボタン本体(4)の前記中央孔(44)と、支持体(5)の前記中央孔(51)を貫通させることを特徴とする、割れやすい素材を使用したボタンの製法。
  5. 割れやすい素材を使用したボタンの製法であって、
    前記割れやすい素材を切削、穿孔、研磨加工して得られ、中央に大径部(43A)及び小径部(42A)からなる孔(44A)を設けたボタン本体(4A)と、 ボタン穴(22A)を有するホック頭(2A)を中央に有し、周縁部(55A)が隆起した金属製支持体(5A)とを用意し、
    前記ボタン本体(4A)の前記中央孔(44A)に前記ホック頭(2A)を貫通させ、
    前記周縁部(55A)の係止爪(56A)でボタン本体(4A)をかしめることを特徴とするボタンの製法。
  6. 請求項1のボタンと請求項3のボタンのボタンの正面外観を同一とし、同一対象に対して併用することを特徴とするボタンの使用法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101921230B1 (ko) 2017-12-27 2018-11-22 나영운 스냅용 수단추의 스터드 및 그 제조방법

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