JP2008098831A - 薄膜圧電共振器 - Google Patents

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Shingo Masuko
真吾 増子
Naoko Yanase
直子 梁瀬
Yasuaki Yasumoto
恭章 安本
Ryoichi Ohara
亮一 尾原
Kenya Sano
賢也 佐野
Takao Sato
隆夫 佐藤
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Abstract

【課題】本発明の目的は、薄型で、かつ、気密に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器を提供することにある。
【解決手段】凹部を有する下側基板と、前記凹部の開口部の上に設けられた薄膜圧電素子と、前記薄膜圧電素子の上に空間を介して設けられた上側基板と、前記下側基板と前記上側基板との間の空間が気密に保たれるように封止をするための封止部と、を備え、前記上側基板及び前記下側基板の少なくともいずれは、前記封止部との接合部に下地層を有し、前記封止部はAu−Sn(金−錫)合金からなり、前記下地層はAu(金)からなることを特徴とする薄膜圧電共振器が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜圧電共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)に係わる。
近年の移動体通信機器の小型化、高機能化の要求に伴い、高周波フィルタなどの移動体通信機器用部品がめざましい発展を遂げている。とりわけ、薄膜圧電共振器は、より少ない損失で所望の集積化や小型化が可能となるので、こうした移動体通信機器の中核的部品として需要が高まっている。
通常、薄膜圧電共振器においては励振した共振エネルギーの拡散を抑えるため、共振部分の上下層を空気層としている。また、共振部分は、下から順に、基板、下部電極、圧電膜、上部電極を積層し、基板に凹部状の空気層を設けて薄膜圧電共振子を形成させるようにしている。そして、その薄膜圧電共振子を気密性の高いパッケージにより封止するようにしている。しかし、このような気密性の高いパッケージを用いた場合は、薄型化が難しいという問題があった。
ここで、上下の基板を熱圧着により接合して、電子部品を封止する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この技術では、電子部品の上下部分に空気層を設けることができず、薄膜圧電共振器に適応可能な封止技術を提供することができなかった。また、封止部分の金属も錫(Sn)、銀(Ag)、金(Au)の単一元素から成る金属であり、封止に対する信頼性にも問題があった。
また、薄膜圧電共振器を上下の基板で挟んで保護する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかし、この技術では、上下の基板を接続しているのは金リード端子である。金リード端子は少なくとも二つなければ配線が不可能となるので、基板外周を囲むような切れ目のない一つの金リード端子は設けることができず、この技術では上下の基板を気密に封止することができなかった。
特開2004−214469号公報 特開2005−304021号公報
本発明の目的は、薄型で、かつ、気密に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器を提供することにある。
本発明の一態様によれば、凹部を有する下側基板と、前記凹部の開口部の上に設けられた薄膜圧電素子と、前記薄膜圧電素子の上に空間を介して設けられた上側基板と、前記下側基板と前記上側基板との間の空間が気密に保たれるように封止をするための封止部と、を備え、前記上側基板及び前記下側基板の少なくともいずれは、前記封止部との接合部に下地層を有し、前記封止部はAu−Sn(金−錫)合金からなり、前記下地層はAu(金)からなることを特徴とする薄膜圧電共振器が提供される。
本発明によれば、薄型で、かつ、気密に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係わる薄膜圧電共振器1の模式断面図である。
図1に示すように、下側基板2には、凹部3が設けられている。凹部3の開口部の上には、下部電極4a、圧電膜4b、上部電極4cを有する薄膜圧電素子4が設けられている。下部電極4aと上部電極4cとはそれぞれ延在し、接合部5と電気的に接続されている。
上側基板6には、接合部5と電気的に接続されるように貫通電極7が設けられている。また、上側基板6の上面には、貫通電極7と電気的に接続されるように端子8が設けられている。尚、貫通電極7と端子8は、電気的接続のほかにも気密を保つ役割をも有する。
上側基板6と下側基板2とは、その外縁部において、封止部9により気密になるように封止されている。この場合、封止部9の高さ寸法が薄膜圧電素子4の高さ寸法より長いため、薄膜圧電素子4の上部に空間が確保される。この薄膜圧電素子4の上部に確保された空間と凹部3により、薄膜圧電素子4が励振した際の共振エネルギーの拡散が抑制される。
図2は、図1に示した薄膜圧電共振器1の模式外観図である。尚、図2のA−A断面が図1となる。
前述した構成により、薄膜圧電素子4と端子8とが電気的に接続されることになるので、この端子8を通じた直接的な表面実装も可能となる。尚、図2に示した端子8はあくまで例示であり、その数、大きさ、形状などは適宜変更が可能である。
ここで、薄膜圧電共振器1の外形寸法を例示すれば、縦寸法0.8〜2ミリメートル程度、横寸法0.8〜2ミリメートル程度、高さ寸法0.1ミリメートル〜0.8ミリメートル程度とすることができる。
本実施の形態では、前述のような構成を取っているので、薄膜圧電素子4とパッケージ部分 (下側基板2、上側基板6、封止部9)との一体化が図れ、薄膜圧電共振器1の薄型化が実現できる。
図2に例示した薄膜圧電共振器1は、上側基板6と下側基板2の外形寸法が略同一の場合であるが、どちらかの寸法を大きくすることもできる。
図3(a)は、上側基板6の外形寸法より下側基板2の外形寸法を大きくした場合を例示するための模式外形図である。図3(b)は、上側基板6と下側基板2の相対的位置がズレた場合を例示するための模式外形図である。図3(a)に示すように、下側基板2aの外形寸法を大きくすれば、薄膜圧電共振器1aを密集的に実装する場合でも、隣接する薄膜圧電共振器1a同士の短絡などが防止できる。また、図3(b)に示すように上側基板6と下側基板2の相対的位置がズレた場合でも、実装時の画像認識において大きい方の基板を認識させることができる。さらに、上側基板6と下側基板2の寸法差をズレ量の許容値に基づいて規定するようにすれば、大きい方の基板からのはみ出しをもって簡単に良否の判定ができるようにもなる。尚、図3(a)、(b)場合、下側基板2aの外形寸法を大きくすることとしているが、上側基板6の寸法を大きくするようにしても良い。また、図3(b)では、上側基板6と下側基板2の相対的位置が主に回転方向にズレた場合を例示したが、回転方向のズレがあまりなく主に水平方向にズレた場合でも同様に考えることができる。
次に、材質について説明する。
下側基板2はSi(シリコン)などの半導体材料からなり、その表面はSiO(酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)などの絶縁物で覆われている。薄膜圧電素子4の下部電極4aと上部電極4cはAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、Au(金)などの金属やこれらを含む合金、圧電膜はAlN(窒化アルミニウム)、ZnO(酸化亜鉛)などからなる。貫通電極7はAu(金)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)を含む金属とすることができ、放熱性を考慮して熱伝導率の高い材質を選択することもできる。上側基板6はSi(シリコン)などの半導体材料やセラミックスなどの無機材料からなり、下側基板2と近い熱膨張率を有する材質を選択することもできる。端子8はAu(金)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)を含む金属とすることができ、はんだ付け性を考慮して表面をAu(金)や、はんだで覆うようにすることもできる。
接合部5と封止部9の材質としては、低融点合金を選択することが好ましい。例えば、特許文献1のように錫(Sn)、銀(Ag)、金(Au)などの単一元素から成る金属を用い、接合面のみを合金化させて接合を行うと成分が不均一となり、封止の信頼性が低下するおそれがあるからである。
低融点合金としては、Au(金)、Sn(錫)、Cu(銅)、Ag(銀)を含む合金を選択することができる。具体的には、Au−Sn合金(金−錫合金)、Au−Si合金(金−シリコン合金)、Au−Ge合金(金−ゲルマニウム合金)、In含有はんだ(インジウム含有はんだ)などを例示することができる。特に、Au−Sn合金(金−錫合金)とすれば、融点が低く(280℃程度)また機械的強度も高いので、加工性・気密性・封止の信頼性の観点からより好ましい。また、Au−Sn合金(金−錫合金)との接合性の観点からは、下側基板2・上側基板6と封止部9との接合部分の表面がAu(金)で覆われていることが好ましい。Au−Sn合金(金−錫合金)が溶融接合する際に、Au(金)層が相手側にあると相手側表面が酸化されにくいため接合しやすくなる。
図2に例示した上側基板6と下側基板2は、一体的に構成された板状体であるが、これを複数の層からなる積層構造とすることもできる。
図4(a)は、積層構造を有する上側基板を例示するための模式断面図である。
上側基板は、第1上基板6aと第2上基板6bとを貼り合わせることにより形成される。また、第1上基板6aと第2上基板6bの貼り合わせ面には、内部配線層6cが印刷法などで予め形成されている。貫通電極7と電極8は、内部配線層6cと電気的に接続されるよう形成されている。第1上基板6aの外縁部には、座6dが印刷法などで予め形成されている。座6dの表面には低融点合金との接合性を考慮して下地層6jが設けられ、電極8の表面には、はんだ付け性などを考慮して被覆層6fが設けられている。また、所望の位置に内部配線層6c、内部配線延在部6gを介して座6h、被覆層6iを設けることもできる。下地層6j、被覆層6f、被覆層6iは無電解メッキにより形成させることもできるが、内部配線層6cを使用して電解メッキにより形成させることもできる。また、内部配線層6cは薄膜圧電共振器1の内部で配線を行う必要があるときにも使用することができる。このような構成とすれば、メッキ工程における生産性が向上し、複雑な内部配線を必要とする薄膜圧電共振器1にも対応が可能となる。
図4(b)は、積層構造を有する下側基板を例示するための模式断面図である。
下側基板は、第1下基板2bと第2下基板2cとを貼り合わせることにより形成される。孔3aは、反応性イオンエッチングなどにより第1下基板2bを貫通させるようにして形成させる。そして、第1下基板2bと第2下基板2cとを貼り合わせることにより、開口部である孔3aの底部が塞がれて図1に示した凹部3となる。このような積層構造とすれば、有底の凹部3を直接エッチングして形成させる場合に比べて、深さ寸法の製作誤差がなくなり、また生産性をも向上させることができる。尚、図4(a)で説明した内部配線層、貫通電極、電極、座、被覆層を適宜設けるようにしても良い。
図4(a)、(b)に例示した積層構造は2層の場合であるが、本発明はこれに限定されるわけではなく3層以上とすることもできる。
次に、薄膜圧電共振器の製造方法を説明する。尚、一例として、下側基板が積層構造の場合を説明することにする。
図5は、薄膜圧電共振器の製造方法を説明するための模式工程図である。
まず、図5(a)に示すように第1下基板2bの上にそれぞれ下部電極4aとなるAl(アルミニウム)など、圧電膜4bとなる窒化アルミニウム(AlN)など、上部電極4cとなるアルミニウム(Al)などを、連続スパッタ法で成膜する。そして、ドライエッチング法によるパターニングで、下部電極4a、圧電膜4b、上部電極4cをそれぞれ形成させる。尚、第1下基板2bはシリコン基板とし、複数の下部電極4a、圧電膜4b、上部電極4cを同時に形成させるようにしている。
次に、図5(b)に示すように、反応性イオンエッチングにより孔3aを形成させる。このとき、下部電極4aの両端が孔3aを跨ぐようにする。
その後、図5(c)に示すように、底部となる第2下基板2cを貼りあわせる。貼り合わせることで、孔3aの一端が第2下基板2cにより塞がれて凹部3となる。
次に、図5(d)に示すように、低融点合金から成る接合部5と封止部9とを選択的に成膜し、予め貫通電極7と端子8が設けられた上側基板6をその上に載置する。そして、それを加熱すれば接合部5と封止部9とが溶融して、上側基板と下側基板とが気密に接合され、貫通電極7と下部電極4a、上部電極4cとが電気的に接合される。尚、封止部9を選択的に成膜する前に、第1下基板2bと封止部9との接合部分の表面に、封止部9との溶融接合が親和的となるような下地層6jが成膜されていることが好ましい。そのようにすれば、封止部9との溶融結合が強固になるからである。同様に、上側基板6と封止部9との接合部分の表面にも下地層6jが成膜されていることが好ましい。例えば、封止部9をAu−Sn合金(金−錫合金)とすれば、下地層6jとしてはAu(金)を用いることができる。また、この場合の加熱温度は280℃程度である。このように、封止部9を低融点合金から成るものとすれば、低い温度でも気密に対する信頼性が高い封止をすることができる。また、強固な金属封止ができることにもなる。
最後に、図5(e)に示すように、ダイシングにより個片化すれば薄膜圧電共振器ができあがる。この時、図5(d)で予め個片化された上側基板を用いたため、このダイシングでは下側基板のみを切断すればよい。
尚、図5(d)で上側基板として下側基板と同じ大きさの一枚の基板を用い、上側基板と下側基板とをそれぞれ切断するようにしても良い。このようにすれば、切断の時間はかかるものの、上側基板を載置する時間を大幅に短縮できる。
また、切断寸法も前述したように、上側基板と下側基板のどちらかの寸法が大きくなるようにすることもできる。
以上より、このような構成をとれば、薄型で、かつ、気密に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器が得られることになる。
次に、第2の実施の形態に係わる薄膜圧電共振器10について説明する。
図6は、上側基板12に、凹状のキャビティ11が設けられている薄膜圧電共振器10を例示するための模式断面図である。ここで、図1のものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図6に示すように、上側基板12には、凹状のキャビティ11が設けられている。このようなキャビティ11を設けるようにすれば、後述するようにリーク試験の精度が上がり、その結果、気密性に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器が得られることになる。上側基板12は第1上基板12aと第2上基板12bとの積層構造になっており、キャビティ11は、図4(b)で示した下側基板の凹部3を形成するための積層構造の場合と同様に、開口部を有する第1上基板12aとその開口部を塞ぐ第2上基板12bとの貼り合わせにより形成することができる。また、図4(a)にて示したように、上側基板12における第1上基板12aと第2上基板12bとの貼り合わせ面には、内部配線層を無電解メッキなどで形成しておいてもよい。尚、上側基板12は必ずしも積層構造である必要はなく、凹状のキャビティ11として有底のキャビティを単層構造の上側基板に対して直接エッチングして形成してもよい。
ここで、まず、リーク試験の概要を説明する。
図7は、リーク試験機の概要を説明するための模式図である。
図7に示すように、リーク試験機13は、被測定物側バルブ14、被測定物側配管15、被測定物試験室16、基準片側バルブ17、基準片側配管18、基準片試験室19、差圧検出手段20、試験ガス供給手段21を備えている。
リーク試験では、被測定物Wと基準片Mとを用いる。基準片Mはリーク試験の基準となるものであり、その外形寸法または体積が被測定物Wと同一となるようにされている。また、基準片Mは中実体であり、その内部には空間を有さないものとされている。被測定物Wは、内部に空間を有する気密封止部材であり、薄膜圧電共振器も測定対象となる。
このようなリーク試験機13によって被測定物W(薄膜圧電共振器)のリーク試験を行う場合を説明する。まず、被測定物W(薄膜圧電共振器)と基準片Mとが、それぞれ被測定物試験室16、基準片試験室19の内部に搬入される。次に、被測定物試験室16、基準片試験室19が密閉され、被測定物側バルブ14と基準片側バルブ17とが開かれることにより、試験ガス供給手段21から試験ガスが供給される。試験ガスとしては、例えば、空気やN(窒素)ガスを例示することができる。被測定物側配管15、被測定物試験室16、基準片側配管18、基準片試験室19が試験ガスで満たされた後、被測定物側バルブ14と基準片側バルブ17とが閉じられる。この時、被測定物W(薄膜圧電共振器)にリークがあれば、被測定物側配管15〜被測定物試験室16に満たされている試験ガスが徐々に被測定物W(薄膜圧電共振器)の内に入り込むので、被測定物側配管15〜被測定物試験室16の圧力が、基準片側配管18〜基準片試験室19の圧力に比べて低くなる。それを差圧検出手段20で測定すれば、被測定物W(薄膜圧電共振器)にリークがあることが解る。
リーク試験には、この他にも「ファインリーク試験」と呼ばれるものがある。ファインリーク試験では、被測定物W(薄膜圧電共振器)を常温のHe(ヘリウム)ガス雰囲気中で2気圧程度に加圧しながら2時間程度保持する。その後、被測定物W(薄膜圧電共振器)を真空室内に移し、この真空室内に、He(ヘリウム)ガスが漏洩してきていないかを、高感度の質量分析器で検査する。もし、被測定物W(薄膜圧電共振器)にリークがあれば被測定物W(薄膜圧電共振器)の内部に侵入していたHe(ヘリウム)ガスが検出されることになる。
このように、リーク試験では、被測定物W(薄膜圧電共振器)の内部に試験ガスが侵入したか否かを判断対象としている。そのため、リークがあった場合、この侵入量が多いほど判断が容易になるといえる。
この点、薄型化が要求されている薄膜圧電共振器では、その内部にできる空間が極小になるため試験ガスの侵入量が少なく、リーク試験の精度に問題があった。
本発明者は検討の結果、上側基板12にキャビティ11を設ければ、薄膜圧電共振器10の外形寸法を変えなくても内部の空間を大きくすることができるので、薄型化の要求に応えつつこの問題が解決できるとの知見に至った。そして、キャビティ11の体積を薄膜圧電共振器10の体積の5%〜20%とすることが適切であるとの知見に至った。キャビティ11の体積が5%より小さくなれば、リーク試験の精度に問題が出る反面、20%より大きくすれば薄膜圧電共振器10の機械的強度に問題が生じる虞があるからである。
以上より、このようなキャビティ11を設けるようにすれば、リーク試験の精度が上がり、その結果、薄型でかつ気密に対する信頼性の高い薄膜圧電共振器が得られることになる。
尚、このようなキャビティは、気密性を有する他の電子部品装置などにも設けることができ、その場合もリーク試験の精度が上がり、気密に対する信頼性の高い電子部品装置などが得られることになる。
次に、第3の実施の形態に係わる薄膜圧電共振器22について説明する。
図8は、上側基板23の角部に封止部9に接するように凹部24を設ける場合を例示するための模式外観図である。
また、図9は、図8のB−B断面の模式断面図である。ここで、図1、図2のものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図8、図9に示すように、本実施の形態においては上側基板23の角部に封止部9に接するように凹部24が設けられている。
薄膜圧電共振器22の気密に対する信頼性を上げるためには、封止時に封止部9の低融点合金を多めにしておく必要がある。この場合、量が多すぎると余った低融点合金の逃げ場がなく、外側や内側にはみ出しが起き電極間ショートなどの原因になる虞がある。
本発明者は検討の結果、上側基板23に封止部9に接するように凹部24を設ければ、封止時に余った低融点合金がここに溜まりはみ出しを防止できるとの知見に至った。そして、角部に凹部24を設けるようにすれば、これに連なる辺から余った低融点合金を効率よく捕捉することができるとの知見も得た。この場合、上側基板の一般的形状は四角形であるのでその四隅に凹部24を設けるようにすればよい。ただし、必ずしも全部の角部に凹部24を設ける必要はない。
図10は、上側基板30の辺部に封止部9に接するように凹部29を設ける場合を例示するための模式外観図である。
上側基板30の辺部に凹部29を設けるものとすれば、その位置を任意に決定することができる。そのため、薄膜圧電共振器31の内部構造や実装時に隣接する他の電子部品装置などとの関係で、低融点合金のはみ出しを特に防止する必要があるところに凹部29を設けることができるようになる。
図11は、凹部26を薄膜圧電共振器25の内側に設ける場合を例示するための模式断面図である。
尚、図11は、図12(a)のD−D断面の模式断面図である。
また、図12(a)は、図11のC−C断面の模式平面図であり、図12(b)はその斜視外観図である。ここで、図6のものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図11、図12に示すように、上側基板12のキャビティ11に接するように凹部26が設けられている。このような凹部26を設けるものとすれば、封止時に余った低融点合金が凹部26に溜まるので、余った低融点合金が薄膜圧電共振器25の外側にはみ出すことが抑止され、電極間ショートをなくすことができる。また、下地層6jを延在して凹部26の内部をも覆うものとすれば、余った低融点金属の捕捉性を高めることができる。ここで、封止部9をAu−Sn合金(金−錫合金)とすれば、下地層6jとしてはAu(金)を例示することができる。この場合、キャビティ11は必ずしも必要ではなく、凹部26を窪みや有底の孔として構成することもできる。
尚、凹部24、26の数、大きさ、配置、形状などは図示したものに限定されず適宜変更が可能である。また、前述した、角部に設けたもの、辺部に設けたもの、内部に設けたものを任意に組み合わせることもできる。
以上より、このような凹部を設けるようにすれば、気密に対する信頼性が高く、かつ、封止時に余った低融点合金のはみ出しがない薄膜圧電共振器を得ることができる。
尚、このような凹部は、気密性を有する他の電子部品装置などにも設けることができ、その場合も気密に対する信頼性が高く、かつ、封止時に余った低融点合金のはみ出しがない電子部品装置などが得られることになる。
次に、第4の実施の形態に係わる薄膜圧電共振器27について説明する。
図13は、封止部9と下側基板2との間に下部電極4a、上部電極4cと略同一の厚さの封止部下地28が設けられている薄膜圧電共振器27を例示するための模式断面図である。ここで、図1のものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態においては封止部9と下側基板2との間に下部電極4a、上部電極4cと略同一の厚さの封止部下地28を設けている。
薄膜圧電共振器27の製造においては、封止部9と接合部5とを同じ工程で形成させることにすれば、手間とコストの大幅な削減となり、生産性を大幅に向上させることができる。しかし、図1から解るように、単純に同じ工程で同じ高さ(厚さ)の接合部5と封止部9を形成させることにすれば、下部電極4a・上部電極4cの厚さ寸法分、接合部5の上面の方が封止部9の上面より高くなるので、この段差による気密封止の不良が発生する虞がある。この場合、封止部9をなるべく高く(厚く)し、封止時に上側基板6を加圧して気密性を確保する方法が考えられる。しかしながら、そのようにすれば今度は、封止部9の余分な低融点合金のはみ出しが起き、電極間ショートなどの新たな問題が生じることになる。
本発明者は検討の結果、封止部9と下側基板2との間に下部電極4a、上部電極4c
と略同一の厚さの封止部下地28を設ければ、封止部9の上面と接合部5の上面とを同じ工程で略同一の高さ(厚さ)に形成させることができるとの知見を得た。また、封止部下地28を下部電極4a、上部電極4cと同じ材質にすれば、下部電極4a、上部電極4cの形成時に封止部下地28を形成させることができ、さらに生産性を向上させることができるとの知見をも得た。
ここで、封止部下地28の材質を下部電極4a、上部電極4cの材質と同じものとすれば、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、Au(金)などの金属やこれらを含む合金を例示することができる。
尚、下部電極4aと上部電極4cはそのもの自体に限らず、これらから延在した配線などで、接合部5と接合されるものを含み得る。
本発明者は、リーク試験により本実施形態の効果を確認した。この場合、図7で説明したリーク試験を行い、その際の試験ガスはN(窒素)とした。
封止部下地28を設けない状態で、封止部9と接合部5とを同じ工程で形成させ、段差のある状態で封止部9と接合部5とを溶融して封止と接合を行った。この場合、リーク試験(エアリーク試験)の結果では48%が不良品であった。
これに対し、封止部下地28を設けた状態で、封止部9と接合部5とを同じ工程で形成させ、ほぼ段差のない状態で封止部9と接合部5とを溶融して封止と接合を行った。封止部下地28の材質はAl(アルミニウム)とし厚さを1μm(マイクロメートル)とした。また、下部電極4a、上部電極4cの形成と同時に封止部下地28を形成させるものとした。そのため、下部電極4a、上部電極4cの材質もAl(アルミニウム)であり、厚さも1μm(マイクロメートル)であった。この場合、リーク試験(エアリーク試験)の結果では不良品はなかった。
以上より、このような封止部下地28を設けるようにすれば、気密に対する信頼性を維持しつつ、生産性も高い薄膜圧電共振器が得られることになる。なお、図13に示した封止部下地28を有する薄膜圧電共振器27の構造に加えて、図1〜図12に示し、第1〜第3の実施の形態で説明をしてきた上側基板、下側基板の積層構造(開口部を有する第1の基板とその開口部を塞ぐ第2の基板との貼り合わせによる積層構造や、積層構造の貼り合わせ部に内部配線層を無電解メッキなどで形成しておく構造)や、上側基板と下側基板との間の空間に続くキャビティ11を上側基板内に設ける構造、上側基板に封止時に余ったAu−Sn(金−錫)合金を収容可能な凹部を設けるような構造を組み合わせてもよい。
図14は、前述した構成を組み合わせた場合を例示するための模式断面図である。
尚、薄膜圧電共振器32の各部の構成自体は図1〜図13に示したものと同様のため、同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
このような組み合わせの構成によれば、それぞれの構成による効果を同時に得ることができる。また、封止部9の低融点金属としてはAu−Sn(金−錫)合金を用いることが、また下側基板や上側基板と封止部との間の接合部分の表面はAu(金)層で覆われていることが望ましい。
以上、実施形態及びその具体例を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態及び具体例には限定されない。例えば、上述の各具体例は、技術的に可能な限りにおいて、相互に組み合わせて実施することができる。また、上述の実施形態及び具体例並びにそれらを組み合わせたものに対して、当業者が適宜構成要素の追加若しくは省略又は設計変更を加えたものも、本発明の特徴部分が実施されている限り、本発明の範囲に含まれる。例えば、薄膜圧電共振器の製造方法において例示したエッチング、スパッタリング、ダイシングなど、また、リーク試験において例示した試験方法などは、公知の処理条件・処理装置、試験条件・試験装置などと変更や追加が可能である。
第1の実施の形態に係わる薄膜圧電共振器1の模式断面図である。 図1に示した薄膜圧電共振器1の模式外観図である。 上側基板の外形寸法より下側基板の外形寸法を大きくした場合、および、上側基板と下側基板の相対的位置がズレた場合を例示するための模式外形図である。 積層構造を有する上側基板、および下側基板を例示するための模式断面図である。 薄膜圧電共振器の製造方法を説明するための模式工程図である。 上側基板に、凹状のキャビティが設けられている薄膜圧電共振器を例示するための模式断面図である。 リーク試験機の概要を説明するための模式図である。 上側基板の角部に封止部に接するように凹部を設ける場合を例示するための模式外観図である。 図8のB−B断面の模式断面図である。 上側基板の辺部に封止部に接するように凹部を設ける場合を例示するための模式外観図である。 凹部を薄膜圧電共振器の内側に設ける場合を例示するための模式断面図である。 図11のC−C断面の模式平面図、および、その斜視外観図である。 封止部と下側基板との間に下部電極、上部電極と略同一の厚さの封止部下地が設けられている薄膜圧電共振器を例示するための模式断面図である。 各構成を組み合わせた場合を例示するための模式断面図である。
符号の説明
1 薄膜圧電共振器、2 下側基板、2b 第1下基板、2c 第2下基板、3 凹部、4 薄膜圧電素子、4a 下部電極、4c 上部電極、6 上側基板、6a 第1上基板、6b 第2上基板、9 封止部、6j 下地層、10 薄膜圧電共振器、11 キャビティ、22 薄膜圧電共振器、24 凹部、26 凹部、27 薄膜圧電共振器、28 封止部下地、29 凹部、31 薄膜圧電共振器、32 薄膜圧電共振器

Claims (5)

  1. 凹部を有する下側基板と、
    前記凹部の開口部の上に設けられた薄膜圧電素子と、
    前記薄膜圧電素子の上に空間を介して設けられた上側基板と、
    前記下側基板と前記上側基板との間の空間が気密に保たれるように封止をするための封止部と、
    を備え、
    前記上側基板及び前記下側基板の少なくともいずれかは、前記封止部との接合部に下地層を有し、
    前記封止部はAu−Sn(金−錫)合金からなり、
    前記下地層はAu(金)からなることを特徴とする薄膜圧電共振器。
  2. 前記上側基板には前記下側基板と前記上側基板との間の空間に続くキャビティが設けられていることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電共振器。
  3. 前記上側基板及び前記下側基板の少なくともいずれかは、開口部を有する第1の基板と前記開口部を塞ぐ第2の基板とを貼り合せた積層構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜圧電共振器。
  4. 前記上側基板に、封止時に余った前記Au−Sn(金−錫)合金を収容可能な凹部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の薄膜圧電共振器。
  5. 前記薄膜圧電素子は、上部電極と下部電極とを有し、
    前記封止部と前記下側基板との間には、前記上部電極、前記下部電極と厚さが略同一の封止部下地が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の薄膜圧電共振器。
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