JP2008098432A - 電子部品の放熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強制空冷以外の方法で、冷媒の対流を促し、放熱性能を向上させることができる電子部品の放熱装置を提供することを課題とする。
【解決手段】電子部品23の放熱装置20は、放熱部22−A、22−Bに温度勾配を形成し、前記温度勾配により、冷媒に対流を発生させる。前記放熱部22−A、22−Bの隣り合う箇所の温度が互いに相違するように、前記温度勾配は形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品の放熱装置に関し、より具体的には、コンピュータ、表示装置、情報通信装置、機械制御装置、電力変換装置等の電子機器に組み込まれた半導体素子等の電子部品を冷却するための、電子部品の放熱装置に関する。
コンピュータ、表示装置、情報通信装置、機械制御装置、電力変換装置等の電子機器にあっては、例えば配線基板上に実装された半導体素子等、電子機器に搭載された電子部品が動作と共に発熱をする。かかる熱により、電子部品及び電子機器の内部の温度は上昇し、当該温度が所定の規定値を超えると電子部品の誤動作や故障を招くおそれがある。
そのため、電子機器に搭載された電子部品を安定的に動作させるためには、電子部品の動作温度が所定の規定値を超えないように冷却することが必要であり、電子部品から発せられる熱を放熱装置により電子機器の外部に放熱する態様が提案されている。
図1は、配線基板上に実装された半導体素子上に設けられた従来の放熱装置を示す図であり、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は図1(a)において矢印Aの方向に見たときの状態を示す図である。
図1を参照するに、従来の放熱装置10は、放熱フィンとも称され、伝導性金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成される。放熱装置10は、前記伝導性金属の板から成るベース部1と、ベース部1の上面に複数本設けられた柱状のピン2から構成される。
放熱装置10により放熱される電子部品である半導体素子3は、配線基板4の上面に、半田等の接続部材を介して実装されている。かかる半導体素子3の上面に、放熱装置10のベース部1が装着され、放熱装置10と半導体素子3とは、機械的かつ熱的に接続された構造となっている。
即ち、半導体素子3が動作すると半導体素子3は発熱するが、当該熱は、ベース部1の平面方向に拡散され、更に、ベース部1の上面に複数本設けられたピン2に伝導する。そうすると、ピン2の温度は上昇するため、ピン2の近傍の冷媒(空気)が暖められ、図1(b)において白抜きの矢印で示すように、上方向の対流、即ち、上昇気流が発生し、半導体素子3から発せられた熱は外部の空気中に放散される。
なお、このとき、図1に示す構造においては、隣り合うピン2の温度は略同一であるため、発生する対流の方向は上方向のみである。
このような構造を有する放熱装置10においては、放熱特性を向上させるべく、例えば、ピン2の太さを太くすることにより、また、ベース部1におけるピン2の配設数を多くすることにより、放熱装置10における放熱面積を増加させる態様、各ピン2を構成する材料として高熱伝導率を有する材料を採用する態様、各ピン2の放熱面の輻射率を向上させる態様等、が提案されている。
一方、近年の電子機器の小型化・高機能化に伴い、当該電子機器に搭載される半導体素子等の電子部品の高密度化が要求されている。そのため、半導体素子等の電子部品の発熱密度は上昇の一途をたどっており、放熱装置の更なる性能向上、即ち、電子部品の冷却効率の更なる向上が求められている。
その対応策として、放熱装置において、冷媒の対流を促進させて熱伝達を促す態様が提案されている。
具体的には、電子機器がファンを搭載することができる機器である場合に、当該ファンにより、電子機器内に搭載された電子部品を強制的に空冷することにより、当該電子部品の冷却効率の向上が図られる。
例えば、ファンを駆動して、流路内に回路基板と平行に流れる平行冷媒流を発生させて、該回路基板に実装した半導体素子の上面に冷媒を流して冷却を行う冷却装置であって、該半導体素子の上面には、複数の傾斜柱状放熱フィンが、マトリクス状に配置され且つ前記平行冷媒流の上流側に所定角度傾斜した状態で固定されてなる冷却装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、コンピュータの発熱体から発する熱の一部を前記発熱体とは異なる位置に熱伝導するヒートシンクと、前記発熱体から発する熱の残りを前記発熱体とは異なる位置に強制的に移送する熱移送手段と、その移送された熱を前記熱移送手段から強制的に放熱する強制放熱手段と、を含むコンピュータの冷却装置が提案されている(特許文献2)
更に、情報機器本体の内部に配置された発熱体、及び前記情報機器本体に対し開閉可能に取り付けられ、かつ、表示デバイスを配置した表示部側筐体を有する情報機器であって、表示部側筐体内に液体冷媒を密封内包した液体冷媒容器を配置し、高熱伝導性材からなる伝熱デバイスの一端を本体内の前記発熱体と伝熱可能に接続するとともに他端を前記液体冷媒容器内の液体冷媒に伝熱可能に接続した情報機器の放熱機構が提案されている(特許文献3参照)。
特許第3236137号公報 特開2000−277964号公報 特開2001−356842号公報
しかしながら、電子機器の中にはファンを搭載できない機器がある。
例えば、大型表示装置等にあっては、風切音(空冷音)等、騒音の発生するファンは視聴の妨げとなるため、当該ファンを搭載することは望ましくない。
また、携帯電話等の電波の送受信機(TRX装置)等は、電柱上部やビル屋上等、屋外に設置されることが多い。従って、メンテナンスフリーで長期の信頼性が要求される一方、消耗品のファンを搭載してしまうと、当該ファンの交換等の際に、換気穴からのゴミ・塵等が進入してしまうおそれがあり、望ましくない。
このようなファンを搭載することができない又は搭載することが望ましくない機器に対しては、強制空冷以外の方法で(ファンレスで)、冷媒の対流を促進させて熱伝達を促し、放熱性能(冷却効率)を向上させる態様が望まれる。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、強制空冷以外の方法で、冷媒の対流を促し、放熱性能を向上させることができる電子部品の放熱装置を提供することを本発明の目的とする。
本発明の一観点によれば、電子部品の放熱装置であって、当該放熱装置の放熱部に温度勾配が形成され、前記温度勾配により、冷媒に対流を発生させることを特徴とする電子部品の放熱装置が提供される。かかる放熱装置において、前記放熱部の隣り合う箇所の温度が互いに相違するように、前記温度勾配が形成されていてもよい。
当該放熱装置において、前記放熱部に、熱伝導率が高い箇所と熱伝導率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていてもよい。
また、前記放熱部に、輻射率が高い箇所と輻射率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていてもよい。
更に、前記放熱部に、放熱面積が大きい箇所と放熱面積が小さい箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていてもよい。
本発明によれば、強制空冷以外の方法で、冷媒の対流を促し、放熱性能を向上させることができる電子部品の放熱装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
詳細は後述するが、本発明の各実施の形態においては、放熱装置のピンの温度を全て均一の温度にしない構造として、当該放熱装置の放熱面に温度勾配を形成し、その温度勾配を利用して、強制空冷(強制対流)以外の方法、即ち、ファンレスの自然空冷(自然対流)により、冷媒(空気)の対流を促進させる構造となっている。
なお、以下では、本発明の実施の形態にかかる放熱装置の対象である電子部品として配線基板に実装された半導体素子を例に挙げて説明するが、本発明を半導体素子以外の電子部品の放熱装置に適用することができることは言うまでもない。
また、以下の説明における「ピン」が、特許請求の範囲に記載の「放熱部」を構成する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。具体的には、図2(a)は、配線基板上に実装された半導体素子上に設けられた本発明の第1の実施の形態にかかる放熱装置の斜視図であり、図2(b)は図2(a)において矢印Aの方向に見たときの状態を示す図である。
図2を参照するに、本発明の第1の実施の形態にかかる放熱装置20は、放熱フィンとも称され、伝導性金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成される。放熱装置20は、前記伝導性金属の板から成るベース部21と、ベース部21の上面に複数本設けられた鉛直方向に柱状の2種類のピン22−A及び22−Bから構成される。
より具体的には、ピン22−Aは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成され、その表面には特に処理は施されていない。
一方、ピン22−Bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成され、その表面には、例えば、エポキシ樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂等の樹脂薄膜が形成されている。従って、ピン22−Bは、かかる樹脂皮膜が形成されていないピン22−Aに比し、熱伝導率は低い。なお、この樹脂皮膜は、ピン22−Aにマスクを施して、ピン22−A及び22−B全体を前記樹脂が充填された容器に浸漬(ディッピング)又は、ピン22−A及び22−B全体に前記樹脂をスプレー塗布等することにより、形成される。
かかるピン22−A及び22−Bは、ベース部21の上面において、縦横に交互になるように配列されている。従って、ピン22−A及び22−Bは互いに隣り合うように、ベース部21の上面に設けられている。
一方、放熱装置20により放熱される電子部品である半導体素子23は、配線基板24の上面に、半田等の接続部材を介して実装されている。かかる半導体素子23の上面に、放熱装置20のベース部21が装着されて、放熱装置20と半導体素子23とは、機械的かつ熱的に接続された構造となっている。
かかる構造の下、半導体素子23が動作すると半導体素子23は発熱するが、当該熱は、ベース部21の平面方向に拡散され、更に、ベース部21の上面に複数本設けられたピン22−A及び22−Bに伝導する。そうすると、ピン22−A及び22−Bの温度は上昇するため、ピン22−A及び22−Bの近傍の冷媒(空気)が暖められ、上方向の対流、即ち、上昇気流が発生し、半導体素子23から発せられた熱は外部の空気中に放散される。このことは、図1に示す従来の放熱装置10の場合と同じである。
本例では更に、上述のように、ベース部21の上面に複数本設けられた柱状の2種類のピン22−A及び22−Bの熱伝導率は相違する。従って、放熱装置20の放熱面において、熱伝導率の高い領域(ピン22−Aが設けられている領域)と熱伝導率の低い領域(ピン22−Bが設けられている領域)とが形成されている。
熱伝導率の高い領域(ピン22−Aが設けられている領域)では、放熱性能が高く、温度が低くなる一方、熱伝導率の低い領域(ピン22−Bが設けられている領域)では、放熱性能が低く、温度が高くなる。
このように、本例では、温度が高い領域(ピン22−Bが設けられている領域)と温度が低い領域(ピン22−Aが設けられている領域)とにより温度勾配が形成されているため、図2(b)に白抜きの矢印で示すように、温度が高い領域(ピン22−Bが設けられている領域)から温度が低い領域(ピン22−Aが設けられている領域)に向かって対流が発生・促進される。
即ち、本例では、放熱面に熱伝導率の高い領域(ピン22−Aが設けられている領域)と熱伝導率の低い領域(ピン22−Bが設けられている領域)とを形成することにより、冷媒(空気)の自然対流(ファンレス対流)が促進されるため、放熱面と冷媒(空気)との熱伝達が向上し、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。具体的には、図3(a)は、配線基板上に実装された半導体素子上に設けられた本発明の第2の実施の形態にかかる放熱装置の斜視図であり、図3(b)は図3(a)において矢印Aの方向に見たときの状態を示す図である。
なお、図3において、図2を参照して示した箇所と同じ箇所には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図2を参照して説明した本発明の第1の実施の形態では、放熱面に熱伝導率の高い領域(ピン22−Aが設けられている領域)と熱伝導率の低い領域(ピン22−Bが設けられている領域)とを設けることにより温度勾配を形成していたが、本発明の第2の実施の形態においては、放熱面に輻射率の高い領域と低い領域とを設けることにより温度勾配を形成している。
より具体的には、本発明の第2の実施の形態にかかる放熱装置30のベース部21の上面に複数本設けられた鉛直方向に柱状の2種類のピン32−A及び32−Bの輻射率を異ならしめている。
ピン32−Aは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成され、その表面には、例えば、黒色塗料が塗布されている。ここで、黒色塗料は、例えば、カーボンを含有する樹脂等から成る。
一方、ピン32−Bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はこれらの合金等から構成され、その表面には特に処理は施されておらず、当該材料のままの色で、例えば、銅であれば茶色、アルミニウムであれば銀色が露出している。
例えば、本実施例の黒色塗料の輻射率は約0.95であり、ピン32−Aは、かかる黒色が塗布されていないピン32−Bに比し、輻射率は高い。なお、ピン32−Aの輻射率を高める態様として、本例のように色を変える例のほか、輻射材をピン32−Aの表面に設けてもよい。なお、銅(Cu)とアルミニウム(Al)の輻射率は、それぞれ、約0.02乃至約0.04、約0.03乃至約0.05である。
ピン32−A及び32−Bは、ベース部21の上面において、縦横に交互になるように配列されている。従って、ピン32−A及び32−Bは互いに隣り合うように、ベース部21の上面に設けられている。
かかる構造の下、半導体素子23が動作すると半導体素子23は発熱するが、当該熱は、ベース部21の平面方向に拡散され、更に、ベース部21の上面に複数本設けられたピン32−A及び32−Bに伝導する。そうすると、ピン32−A及び32−Bの温度は上昇するため、ピン32−A及び32−Bの近傍の冷媒(空気)が暖められ、上方向の対流、即ち、上昇気流が発生し、半導体素子23から発せられた熱は外部の空気中に放散される。このことは、図1に示す従来の放熱装置10の場合と同じである。
本例では更に、上述のように、ベース部21の上面に複数本設けられた柱状の2種類のピン32−A及び32−Bの輻射率は相違する。従って、放熱装置20の放熱面において、輻射率の高い領域(ピン32−Aが設けられている領域)と輻射率の低い領域(ピン32−Bが設けられている領域)とが形成されている。
輻射率の高い領域(ピン32−Aが設けられている領域)では、放熱性能が高く、温度が低くなる一方、輻射率の低い領域(ピン32−Bが設けられている領域)では、放熱性能が低く、温度が高くなる。
このように、本例では、温度が高い領域(ピン32−Bが設けられている領域)と温度が低い領域(ピン32−Aが設けられている領域)とにより温度勾配が形成されているため、図3(b)に白抜きの矢印で示すように、温度が高い領域(ピン32−Bが設けられている領域)から温度が低い領域(ピン32−Aが設けられている領域)に向かって対流が発生・促進される。
即ち、本例では、放熱面に輻射率の高い領域(ピン32−Aが設けられている領域)と輻射率の低い領域(ピン32−Bが設けられている領域)とを形成することにより、冷媒(空気)の自然対流(ファンレス対流)が促進されるため、放熱面と冷媒(空気)との熱伝達が向上し、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。具体的には、図4(a)は、配線基板上に実装された半導体素子上に設けられた本発明の第3の実施の形態にかかる放熱装置の斜視図であり、図4(b)は図4(a)において矢印Aの方向に見たときの状態を示す図である。
なお、図4において、図2又は図3を参照して示した箇所と同じ箇所には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図2を参照して説明した本発明の第1の実施の形態では、ピン22−Aとピン22−Bとは、互いに鉛直方向に略等しい長さを有し、図3を参照して説明した本発明の第2の実施の形態では、ピン32−Aとピン32−Bとは、互いに鉛直方向に略等しい長さを有している。本発明の第3の実施の形態においては、放熱装置のピンの鉛直方向の長さが長い領域と短い領域とを設けることにより温度勾配を形成している。
より具体的には、本発明の第3の実施の形態にかかる放熱装置40のベース部21の上面に複数本設けられた鉛直方向に柱状の2種類のピン42−A及び42−Bの鉛直方向の長さを、ピン42−Aがピン42−Bが長くなるように設定している。
かかるピン42−A及び42−Bは、ベース部21の上面において、縦横に交互になるように配列されている。従って、ピン42−A及び42−Bは互いに隣り合うように、ベース部21の上面に設けられている。
かかる構造の下、半導体素子23が動作すると半導体素子23は発熱するが、当該熱は、ベース部21の平面方向に拡散され、更に、ベース部21の上面に複数本設けられたピン32−A及び32−Bに伝導する。そうすると、ピン32−A及び32−Bの温度は上昇するため、ピン32−A及び32−Bの近傍の冷媒(空気)が暖められ、上方向の対流、即ち、上昇気流が発生し、半導体素子23から発せられた熱は外部の空気中に放散される。このことは、図1に示す従来の放熱装置10の場合と同じである。
本例では更に、上述のように、ベース部21の上面に複数本設けられた柱状の2種類のピン42−A及び42−Bの鉛直方向の長さは相違する。従って、放熱装置40の放熱面において、放熱面積の大きい領域(鉛直方向の長さが長いピン42−Aが設けられている領域)と放熱面積の小さい領域(鉛直方向の長さが短いピン42−Bが設けられている領域)とが形成されている。
放熱面積の大きい領域(ピン42−Aが設けられている領域)では、温度が低くなる一方、放熱面積の小さい領域(ピン42−Bが設けられている領域)では、温度が高くなる。
このように、本例では、温度が高い領域(ピン42−Bが設けられている領域)と温度が低い領域(ピン42−Aが設けられている領域)とにより温度勾配が形成されているため、図4(b)に白抜きの矢印で示すように、温度が高い領域(ピン42−Bが設けられている領域)から温度が低い領域(ピン42−Aが設けられている領域)に向かって斜めに対流が発生・促進される。
即ち、本例では、放熱面積の大きい領域(鉛直方向の長さが長いピン42−Aが設けられている領域)と、放熱面積の小さい領域(鉛直方向の長さが短いピン42−Bが設けられている領域)とを形成することにより、冷媒(空気)の自然対流(ファンレス対流)が促進されるため、放熱面と冷媒(空気)との熱伝達が向上し、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、放熱装置のピンの温度を全て均一の温度にしない構造として、当該放熱装置の放熱面に温度勾配を形成し、その温度勾配を利用して、強制空冷(強制対流)以外の方法、即ち、ファン等の放熱装置以外の駆動装置を用いることなく、自然空冷(自然対流)により、冷媒(空気)の対流を促進させている。従って、放熱面と冷媒(空気)との熱伝達が向上し、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
また、ファン等の放熱装置以外の駆動装置を使用しないため、放熱装置以外の装置の配設箇所を設ける必要はなく、更に、駆動電力も必要としないため、電子機器の大幅な設計変更をすることなく、簡易な構造で、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
更に、放熱装置のピンの温度を全て均一の温度にしない構造を、従来の放熱装置に対し簡単な処理を施すだけで実現することができる。即ち、本発明の第1の実施の形態では、ピン22−Bに樹脂皮膜の形成という表面処理を、本発明の第2の実施の形態では、ピン32−Aに黒色塗料を塗布するという表面処理を、本発明の第2の実施の形態では、ピン42−Bの長さをピン42−Aよりも短くするという処理を、を施すだけで実現することができる。従って、放熱装置の製造コストを低く抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述の本発明の第1乃至第3の実施の形態を組み合わせて放熱装置を構成してもよく、この場合も、放熱装置の放熱面に温度勾配を形成し、その温度勾配を利用して、自然空冷(自然対流)により、冷媒(空気)の対流を促進させるため、放熱面と冷媒(空気)との熱伝達が向上し、高い放熱性能(冷却効率)を得ることができる。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1) 電子部品の放熱装置であって、
当該放熱装置の放熱部に温度勾配が形成されることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記2) 付記1記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部の隣り合う箇所の温度が互いに相違するように、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記3) 付記1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部に、熱伝導率が高い箇所と熱伝導率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記4) 付記3記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部の前記熱伝導率が低い箇所の表面には、樹脂皮膜が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記5) 付記4記載の電子部品の放熱装置であって、
前記樹脂薄膜は、エポキシ樹脂又はフッ素系樹脂であることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記6) 付記1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部に、輻射率が高い箇所と輻射率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記7) 付記6記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部の前記輻射率が高い箇所の表面の色と、前記放熱部の前記輻射率が低い箇所の表面の色とは、互いに相違していることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記8) 付記7記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部の前記輻射率が高い箇所の表面には黒色塗料が塗布されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記9) 付記1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部に、放熱面積が大きい箇所と放熱面積が小さい箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記10) 付記9記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部の前記放熱面積が大きい箇所の鉛直方向の長さは、前記放熱部の前記放熱面積が小さい箇所の鉛直方向の長さよりも長いことを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記11) 付記1乃至10記載の電子部品の放熱装置であって、
前記放熱部は、鉛直方向に柱状に形成された複数のピンから構成されることを特徴とする電子部品の放熱装置。
(付記12) 放熱部に温度勾配が形成される放熱装置を備えたことを特徴とする電子部品。
配線基板上に実装された半導体素子上に設けられた従来の放熱装置を示す図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる放熱装置を示す図である。
符号の説明
1、21 ベース部
2、22−A、22−B、32−A、32−B、42−A、42−B ピン
3、23 半導体素子
4、24 配線基板
10、20、30、40 放熱装置

Claims (5)

  1. 電子部品の放熱装置であって、
    当該放熱装置の放熱部に温度勾配が形成されることを特徴とする電子部品の放熱装置。
  2. 請求項1記載の電子部品の放熱装置であって、
    前記放熱部の隣り合う箇所の温度が互いに相違するように、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
  3. 請求項1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
    前記放熱部に、熱伝導率が高い箇所と熱伝導率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
  4. 請求項1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
    前記放熱部に、輻射率が高い箇所と輻射率が低い箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
  5. 請求項1又は2記載の電子部品の放熱装置であって、
    前記放熱部に、放熱面積が大きい箇所と放熱面積が小さい箇所とが交互に配設されて、前記温度勾配が形成されていることを特徴とする電子部品の放熱装置。
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