JP2008097741A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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清司 日比野
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Abstract

【課題】 レーベル面に設けられている画像記録層にレーザー光によって画像を記録することが出来る光ディスク装置に適した光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 レーザーダイオード6から放射されるレーザー光を信号記録層に集束させる信号再生動作位置と表裏反対に載置された光ディスクDの画像記録層にレーザー光を集束させる画像記録動作位置に変位可能に支持された対物レンズLが組み込まれているとともに該対物レンズLを光ディスクDの径方向へ変位せしめるトラッキングコイル9を備え、該トラッキングコイル9の直流駆動感度を光ピックアップ装置の製造時に測定し、その測定された感度のデータが記憶された不揮発性メモリー19を光ピックアップ装置に組み込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、信号記録層に記録されている信号を読み出すレーザー光が入射される信号面の裏面であるレーベル面側に画像記録層が設けられている光ディスクを使用するとともに前記画像記録層にレーザー光を照射することによって画像を視覚的に記録することが出来るように構成された光ディスク装置及び該光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置に関する。
光ピックアップ装置から照射されるレーザー光を光ディスクの信号記録層に照射することによって信号の読み出し動作や信号の記録動作を行うことが出来る光ディスク装置が普及している。
例えばCDと呼ばれる光ディスクを使用する光ディスク装置の中には、記録されているデータ信号を読み出すだけでなく、該光ディスクにデータ信号を記録することが出来るように構成されたものが一般に普及している。
このようにして記録された光ディスクを整理する場合、光ディスクに個人的に記録されたデータ信号の内容が分からなくなるため、光ディスクの裏面に設けられているレーベル面にサインペン等によって記録データの内容をメモ書きすることが行われている。しかしながら、斯かる方法では、手書きによって記入されるため、見映えが良くないだけでなく、筆記用具が必要であるため、非常に不便なものである。また、レーベル面にプリンターによって画像を印刷する方法も採用されているが、特別なプリンターを必要とするため実用的ではない。
斯かる点を改良する方法として、最近では光ディスクの裏面であるレーベル面に画像記録層を設け、該画像記録層にレーザー光を照射させることによって画像を可視情報として記録するようにされた技術が開発されている。斯かる技術は、信号記録層に記録されている信号を再生する状態に対して、光ディスクを表裏逆になるようにターンテーブル上に載置させるとともにユーザー所望の画像データを入力処理しながら画像形成駆動回路の働きによってレーザーダイオードに供給される駆動信号を変化させ、且つレーザー光のスポット位置を制御することによって当該画像が光ディスクのレーベル面に設けられている画像記録層に記録されるように構成されている。(特許文献1参照。)(特許文献2参照。)
特開2005−93052号公報 特開2005−216468号公報
図2は信号記録層だけでなく画像をレーザー光によって記録することが出来る画像記録層が設けられている光ディスクDの断面を示すものであり、信号記録層に記録されている信号を読み出すレーザー光が入射される信号面D0側から裏面であるレーベル面D1に向かって透明なカバー層D2、信号記録層D3、反射層D4、保護層D5及び画像記録層D6が設けられている。前記画像記録層D6はレーザー光の照射により温度が上昇すると変色する材料にて形成されており、画像データに基づいて所望の位置を変色させることによって画像データが視覚的に記録されるように構成されている。
前記光ディスクDの信号面D0側から信号記録層D3に記録されている信号を読み出すために、または該信号記録層D3に信号を記録するために入射されるレーザー光は、反射層D
4が信号記録層D3のレーベル面D1側に設けられているので、画像記録層D6に対して何等影響を与えることがないように構成されている。
斯かる構成の光ディスクDにおいて、画像記録層D6への画像記録動作は、レーベル面D1側から前記画像記録層D6に対してレーザー光を照射させることによって行われる。斯かる動作を行うために、光ディスクDは該光ディスクDを回転させるべく設けられるターンテーブル上に載置されるが、信号記録層D3に信号を記録する場合に対して該ターンテーブル上には、表裏反対にして載置されることになる。
図3の(A)は、信号記録層D3に記録されている信号の読み出し動作時または該信号記録層D3に信号を記録する信号記録動作時における対物レンズLと光ディスクDとの関係を示す図、また図3の(B)は画像記録層D6に画像を記録する画像記録動作時における対物レンズLと光ディスクDとの関係を示す図である。
図3から明らかなように信号記録層D3の光ピックアップ装置に対する位置と画像記録層D6の光ピックアップ装置に対する位置が大きく相違するため、所望の記録層にレーザー光を集束させるためには、対物レンズLの位置を各動作に対応した位置に移動させる必要がある。
光ピックアップ装置において、対物レンズLは4本の支持ワイヤー等によって光ディスクDの信号面に対して垂直方向への変位を可能に、また光ディスクDの径方向への変位を可能に設けられている。レーザー光を信号記録層D3にスポットとして集束させる動作は、一般にフォーカス制御動作と呼ばれており、信号記録層D3から反射されるレーザー光を光検出器に照射させ、該光検出器から得られるフォーカスエラー信号を利用して斯かるフォーカス制御動作を行うように構成されている。
現在市場に販売されている光ピックアップ装置は、信号記録層D3に記録されている信号の読み出し動作や該信号記録層D3への信号の記録動作を行うために適するように光学系部品は設計されている。画像記録層D6に画像を記録するために適した光ピックアップ装置を製造するためには、光学系部品の配置変更や特別な光検出器等を設ける必要があり、価格が上昇するという問題がある。
現在市場に販売されている光ピックアップ装置は、光ピックアップ装置の価格を上昇させないようにするために、対物レンズLの光ディスクDの信号面に対する垂直方向への可動範囲を広くすることによって対応させている。
その結果、光検出器等は信号記録層D3に記録されている信号の読み取り動作や該信号記録層Dへの信号の記録動作を行うことを優先して設計されているので、画像記録層D6上にレーザー光を集束させる動作、即ちフォーカス制御動作を行うことが困難であり、光ディスクDの面ブレに対してレーザー光のスポットを画像記録層D6上に適した状態で照射することが出来ないという問題がある。斯かる問題を解決する方法として特許文献2に記載されている技術があり、斯かる技術を利用して画像記録層D6への画像記録動作が行われている。
また、画像記録層D6にはトラックが設けられていないので、画像記録動作時におけるレーザー光のスポット位置の径方向への変位位置を特定する制御動作をトラック信号を利用して行うことは出来ない。従って、画像記録動作を行う機能を備えた光ディスク装置では、光ピックアップ装置本体を径方向へ移動させるスレッドモーターの回転駆動動作と対物レンズを光ピックアップの基台に対して変位させるべく設けられているトラッキングコイルに変位用の直流電圧を段階的に変更して対物レンズの位置を変位させる動作とを組み
合わせることによって画像データを記録するためのスポットの位置を設定する制御動作を行うように構成されている。
トラッキングコイルに供給される直流電圧を段階的に変更して対物レンズの位置を変位させる動作を行う場合には、トラッキングコイルの直流感度が重要となる。即ち、トラッキングコイルに供給される駆動電圧によって対物レンズの位置は変位せしめられるが、その感度が異なるとその変位量が相違するため、対物レンズの位置が相違することになる。
その結果、トラッキングコイルに供給される駆動電圧が正確であっても対物レンズにて集束されるレーザー光の位置、即ちスポット位置が所望の位置と異なる位置になるため、画像記録層D6に正確な画像データを記録することが出来ないという問題がある。
斯かる問題を解決する技術が前述した特許文献1に記載されている。しかしながら、斯かる技術は感度調整用の手段が設けられている光ディスクにおいて、実施可能なものであり、感度調整用の手段が設けられていない光ディスクに対しては何ら役に立たないという問題がある。また、画像データの記録動作を行う場合に感度調整を行う必要があるため、操作性が悪く非常に不便なものであった。
本発明は、斯かる問題を解決することが出来る光ピックアップ装置及びその光ピックアップ装置を使用した光ディスク装置を提供しようとするものである。
本発明の光ピックアップ装置は、レーザーダイオードから放射されるレーザー光を信号記録層に集束させる信号再生動作位置と表裏反対に載置された光ディスクの画像記録層にレーザー光を集束させる画像記録動作位置に変位可能に支持された対物レンズが組み込まれているとともに該対物レンズを光ディスクの径方向へ変位せしめるトラッキングコイルと、該トラッキングコイルの直流駆動感度を光ピックアップ装置の製造時に測定し、その測定された感度のデータが記憶された不揮発性メモリーとより構成されている。
また、本発明は、対物レンズを画像記録動作位置に変位保持した状態にてトラッキングコイルの直流駆動感度を測定するように構成されている。
そして、本発明の光ディスク装置は、画像記録動作時光ピックアップ装置に組み込まれている不揮発性メモリーに記憶されているトラッキングコイルの直流駆動感度データを読み出し、読み出されたデータに基づく駆動信号をトラッキングコイルに供給することによって画像記録層に画像データを記録するように構成されている。
本発明の光ピックアップ装置は、対物レンズを光ディスクの径方向へ変位させるトラッキングコイルの直流駆動感度を光ピックアップ装置の製造時に測定し、その測定された感度のデータが記憶された不揮発性メモリーが組み込まれているので、対物レンズの変位動作を光ディスク装置において正確に行うことが出来る。
また、本発明は、対物レンズを画像記録動作位置に変位保持した状態にてトラッキングコイルの直流駆動感度を測定するようにしたので、画像記録動作に適した直流感度のデータを得ることが出来る。
そして、本発明は、画像記録動作時光ピックアップ装置に組み込まれている不揮発性メモリーに記憶されているトラッキングコイルの直流駆動感度データを読み出し、読み出されたデータに基づく駆動信号をトラッキングコイルに供給することによって画像記録層に
画像データを記録するようにしたので、レーザー光が照射されるスポット位置を正確に制御することが出来る。それ故、本発明によれば光ディスクに設けられている画像記録層に正確な画像データの記録動作を簡単に行うことが出来る。
また、光ピックアップ装置にトラッキングコイルの直流駆動感度データが記憶された不揮発性メモリーを設けたので、感度調整用の手段が設けられている特殊な光ディスクを使用することなく、画像記録層が設けられている光ディスクであれば、画像記録動作を正確に行うことが出来るだけでなく速やかに行うことが出来るという利点を本発明は有している。
図1は本発明に係る光ピックアップ装置が組み込まれている光ディスク装置の動作を説明するための図である。
同図において、1は前記光ディスクDが載置されるターンテーブル、2は前記ターンテーブル1を回転駆動するスピンドルモーターであり、光ディスクDを線速度一定または角速度一定にて回転駆動するように構成されている。
3は光ピックアップ装置の本体であり、ガイド軸(図示せず)と周縁に送り溝が形成されているピックアップ送り用軸4とによって光ディスクDの径方向への変位を可能に設けられている。5は前記ピックアップ送り用軸4を回転駆動せしめるスレッドモーターであり、前記ピックアップ送り用軸4を回転させることによって光ピックアップ装置の本体3を光ディスクDの径方向へ変位させるように構成されている。
前記対物レンズLは前記光ピックアップ装置の本体3に組み込まれている基台(図示せず)に4本ワイヤー等の支持部材によって光ディスクDの信号面に対して垂直方向及び光ディスクDの径方向への変位を可能に支持されているレンズ保持枠に固定されている。斯かる対物レンズLを支持する構成は周知であるので、その説明は省略する。
6はレーザーダイオードであり、駆動信号に応じてレーザー光を放射するように、またその放射されたレーザー光は周知のように回折格子、コリメータレンズ、偏光ビームスプリッタ、立ち上げミラー及び1/4波長板等を介して対物レンズLに入射され、該対物レンズLの集束動作によって光ディスクDの信号記録層D3または画像記録層D6にスポットとして照射されるように構成されている。
また、対物レンズLの集束動作によって光ディスクDの信号記録層D3または画像記録層D6に照射されたレーザー光は、各記録層から反射されて戻り光として対物レンズLに入射される。前記対物レンズLに入射された戻り光は、1/4波長板及び立ち上げミラーを介して偏光ビームスプリッタに入射され、該偏光ビームスプリッタにて制御用レーザー光として反射される。7は前記偏光ビームスプリッタにて反射された制御用レーザー光が照射される位置に設けられている光検出器であり、一般にはPDICと呼ばれている。斯かる光学系の構成は周知であり、その説明は省略する。
8は前記対物レンズLが固定されているレンズ保持枠に設けられているフォーカスコイルであり、基台に固定されている磁石との協働によって対物レンズLを光ディスクDの信号面に対して垂直方向へ変位させる作用を有している。9は前記対物レンズLが固定されているレンズ保持枠に設けられているトラッキングコイルであり、基台に固定されている磁石との協働によって対物レンズLを光ディスクDの径方向へ変位させる作用を有している。
前述したフォーカスコイル8及びトラッキングコイル9が組み込まれた光ピックアップ装置の構成及び各コイルの駆動動作によるフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作は周知であり、その説明は省略する。
10は前記光検出器7に組み込まれているとともにメインビームを受光するセンサー、例えば4分割センサーから光ディスクDの信号記録層D3に記録されている信号の読み取り動作に対応して得られる信号であるRF信号を生成するRF信号生成回路、メインビームを受光する4分割センサーからレーザー光の集束動作に応じて得られる信号であるフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路及びサブビームを受光するセンサーからレーザー光のトラッキング動作に応じて得られる信号であるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路が組み込まれている信号演算回路であり、各動作に必要な信号を生成するように構成されている。
11は光ディスク装置の各種の制御動作を行う制御回路、12は前記制御回路11によって制御されるとともに前記信号演算回路10から得られる各種の信号に基づいて光ピックアップ装置の各種の制御動作、前記スピンドルモーター2の回転動作及びスレッドモーター5の回転動作を制御するサーボ回路である。
13は前記サーボ回路12から出力される制御信号に基づいて前記スピンドルモーター2の回転動作を制御するスピンドルモーター駆動回路、14は前記サーボ回路12から出力される制御信号に基づいて前記スレッドモーター5の回転動作を制御するスレッドモーター駆動回路である。
15は前記信号演算回路10に組み込まれているフォーカスエラー信号生成回路から生成されて入力されるフォーカスエラー信号に基づいて前記サーボ回路12から出力されるフォーカス制御信号が入力されるフォーカスコイル駆動回路であり、前記フォーカスコイル8に駆動信号を供給するように構成されている。16は前記信号演算回路10に組み込まれているトラッキングエラー信号生成回路から生成されて入力されるトラッキングエラー信号に基づいて前記サーボ回路12から出力されるトラッキング制御信号が入力されるトラッキングコイル駆動回路であり、前記トラッキングコイル9に駆動信号を供給するように構成されている。
17は前記制御回路11に組み込まれている信号処理回路にて信号処理された記録用の信号が入力されるレーザーダイオード駆動回路であり、光ディスクDに設けられている信号記録層D3への記録動作または画像記録層D6への記録動作に対応した駆動信号を前記レーザーダイオード6に供給するように構成されている。
11aは前記制御回路11内に設けられている画像信号処理回路であり、光ディスクDの画像記録層D6に画像データを記録するための信号処理動作を行うように構成されている。11bは前記制御回路11内に設けられている画像記録位置制御回路であり、画像データを記録するためにレーザー光のスポット位置を制御する信号を生成するように構成されている。
11cは前記制御回路11内に設けられているインターフェースであり、光ディスク装置の外部に設けられているパーソナルコンピューター18との間の信号の送受信動作を行うように構成されている。
19は光ピックアップ装置内に組み込まれている不揮発性メモリーであり、光ピックアップ装置の製造時にトラッキングコイル9の直流駆動感度を測定し、その得られた測定値がトラッキングコイル9の感度データとして記憶される。
斯かる直流駆動感度の測定動作は、対物レンズLを画像記録動作位置、即ち図3の(B)に示す位置に変位保持した状態にて行われる。対物レンズLを前記画像記録動作位置に変位させる動作は、フォーカスコイル駆動回路15からフォーカスコイル8に供給される駆動電圧を制御することによって行うことが出来るが、斯かる動作は例えば画像記録層が設けられる位置に反射層が設けられている基準ディスクを利用すれば良い。
そして、斯かる状態において、トラッキングコイル駆動回路16からトラッキングコイル9に供給される直流駆動電圧の値を段階的に変化させ、その変化に伴ってレーザースポットの位置の変位量を測定する動作が行われる。即ち、斯かる動作を行うことによってトラッキングコイル9に供給される直流駆動電圧に対応したレーザースポットの移動量、即ちトラッキングコイル9の直流駆動感度を測定することが出来る。
斯かるトラッキングコイル9に供給される直流駆動電圧に対応したレーザースポットの移動量の測定動作も前述した基準ディスクとして等間隔にトラックが形成されているディスクを使用することによって容易に測定することは出来る。
以上に説明したように本発明に係る光ピックアップ装置及び光ディスク装置は構成されているが、次に動作について説明する。
まず、光ディスクDに設けられている信号記録層D3に信号を記録する場合の動作について説明する。斯かる動作を行う場合には、光ディスクDはレーザー光が入射される信号面D0側が対物レンズLと対向するようにターンテーブル1上に載置されるが、斯かる状態は図3の(A)に示すとおりである。
斯かる動作を行う場合には、光ディスクDの信号記録層D3には信号トラックが形成されているため、光検出器7から得られる信号に基づいて信号演算回路10からフォーカスエラー信号だけでなくトラッキングエラー信号が生成される。従って、サーボ回路12によるフォーカスコイル駆動回路15及びトラッキングコイル駆動回路16に対する制御動作が行われ、フォーカスコイル駆動回路15及びトラッキングコイル駆動回路16からフォーカスコイル8及びトラッキングコイル9に駆動信号が供給される。
斯かる動作が行われる結果、光ディスクDの信号記録層D3にレーザー光をスポットとして集束させるフォーカス制御動作及び信号トラックに該スポットを追従させるトラッキング制御動作を行うことが出来る。また、光ディスクDの信号トラックにスポットを追従させるトラッキング制御動作を行うと対物レンズLは光ピックアップ装置の本体3に対して光ディスクDの外周側へ偏倚することになる。
そして、それ以上偏倚することが出来ない位置になると、スレッドモーター駆動回路14からスレッドモーター5に対して駆動信号が供給されることになる。斯かる駆動信号がスレッドモーター5に供給されると、該スレッドモーター5の回転動作によってピックアップ送り用軸4が回転せしめられ、光ピックアップ装置の本体3を光ディスクDの外周側へ移動させる動作が行われる。斯かる動作が行われると、対物レンズLの本体3に対する位置が逆方向へ復帰せしめられた状態になるので、対物レンズLのトラッキングコイル6による外周方向への変位動作が可能になる。
光ディスクDの信号記録層D3における記録動作位置が外周方向へ移動するに従って前述した対物レンズLの変位動作及び本体3に対するスレッドモーター5による駆動動作は行われるが、斯かる動作は周知であり、その詳細な説明は省略する。
また、斯かる信号記録層D3に信号を記録する動作を行う場合には、スピンドルモーター2によって光ディスクDの回転駆動動作が行われるが、斯かる回転駆動動作としては、光ディスクDを線速度一定になるように駆動する方法と角速度一定になるように駆動する方法がある。線速度一定による回転駆動動作は、光ディスクDの信号トラックに形成されているプリグループと呼ばれる溝から得られる同期信号を利用して行われるが、斯かる技術は周知であるので、その説明は省略する。
前述した光ピックアップ装置に対する制御動作が行われている状態において、パーソナルコンピューター18から出力される記録信号であるデータ信号は、インターフェース11cを介して制御回路11に入力される。該制御回路11に入力されたデータ信号は、該制御回路11に設けられている各種の処理回路、例えばエンコーダ回路によってエンコード処理されるとともに記録動作を行うための変調動作が行われて記録信号としてレーザーダイオード駆動回路17に供給される。
斯かる記録信号がレーザーダイオード駆動回路17に入力されると、該信号に対応したレーザー駆動信号がレーザーダイオード6に供給される。斯かるレーザー駆動信号がレーザーダイオード6に供給されると、該レーザーダイオード6が駆動信号に対応したレーザー光を放射することになる。このようにして、レーザーダイオード6から放射されたレーザー光は、前述したフォーカス制御動作及びトラッキング制御動作によって信号記録層D3の信号トラック上にスポットとして集光されるので、光ディスクDの信号記録層D3にデータ信号を記録することが出来る。
以上に説明したように信号記録層D3に信号を記録する動作は行われるが、該信号記録層D3に記録されている信号の再生動作も同様に行うことが出来る。この場合、信号記録層D3に記録されていた信号は、信号演算回路10に組み込まれているRF信号生成回路によってRF信号として生成された後制御回路11に入力される。このようにして、制御回路11にRF信号が入力されると、該制御回路11に組み込まれているデコーダ回路によるデコード処理動作が行われる。斯かるデコード処理動作によって復調された光ディスクDから再生された信号は、インターフェース11cを通してパーソナルコンピューター18に対して出力されることになる。
以上に説明したように信号記録層D3を使用する通常の動作は行われるが、次に本発明の要旨である画像記録層D6への画像記録動作について説明する。画像記録層D6には、信号トラックが設けられていないので、トラッキング制御動作を行うことが出来ないだけでなく、光ディスクDからはレーザー光のスポット位置を認識することは出来ない。更に、光ディスクDの画像記録層D6から反射される戻り光の光検出器7に対する照射光量が少ないため、フォーカス制御動作も行うことは出来ない。従って、画像記録層D6に画像データを記録する場合のフォーカス制御動作は、特許文献2に記載の技術を利用することによって行われる。斯かる点についての動作説明は省略する。
また、画像記録層D6には、信号トラックが設けられていないので、同期信号は記録されていない。従って、斯かる画像記録動作を行う場合には、光ディスクDを線速度一定にて回転駆動することが出来ないので、光ディスクDはスピンドルモーター2によって角速度一定にて回転駆動されることになる。
光ディスクDの画像記録層D6に画像を記録する動作を行う場合には、光ディスクDはレーザー光が入射される信号面D0の反対側の面であるレーベル面D1側が対物レンズLと対向するようにターンテーブル1上に載置されるが、斯かる状態は図5の(B)に示すとおりである。
画像記録層D6へ記録される画像データは、パーソナルコンピューター18からインターフェース11cを介して制御回路11に入力されるが、斯かる画像データの中には、画像信号に加えて光ディスクD上の記録位置を示す位置情報信号が含まれている。
前記画像信号は、前記制御回路11に設けられている画像信号処理回路11aによって信号処理された後レーザーダイオード駆動回路17に対して出力される。また、前記位置情報信号は、前記制御回路11に設けられている画像記録位置制御回路11bに入力され、該画像記録位置制御回路11bによってレーザー光のスポット位置を特定する制御動作に使用される。
前記画像記録位置制御回路11bから出力される位置制御信号に基づいてサーボ回路12からトラッキングコイル駆動回路16及びスレッドモーター駆動回路14に対して駆動信号が供給される。光ディスクD上の所望の位置にレーザー光のスポットを移動させるために、まずスレッドモーター駆動回路14からスレッドモーター5を回転駆動させて光ピックアップ装置の本体3を所望の位置に移動させる動作が行われる。
スレッドモーター5を回転駆動させて光ピックアップ装置の本体3を所望の位置に移動させる動作は、例えば前記スレッドモーター5の回転動作に伴ってパルス信号を発生させる手段を設け、そのパルス数からスレッドモーター5の回転数を認識し、その回転数とピックアップ送り用軸4の回転による本体3の移動距離との関係から本体3の移動位置を設定することが出来る。
斯かるスレッドモーター5の回転量制御動作によって光ピックアップ装置本体3の画像データ記録位置への変位動作が行われるが、斯かる位置に変位させた状態にて対物レンズLの位置を制御する動作が行われる。斯かる対物レンズLの径方向への変位制御動作は、トラッキングコイル駆動回路16からトラッキングコイル9に駆動信号を供給することによって行われる。
トラッキングコイル駆動回路16からトラッキングコイル9に駆動信号を供給することによって対物レンズLを光ディスクDの径方向へ変位させる動作は行われるが、その変位動作を行うための駆動信号の制御動作は光ピックアップ装置に組み込まれている不揮発性メモリー19に記憶されているトラッキングコイル9の直流駆動感度データを読み出すことによって行われる。
前記不揮発性メモリー19には、トラッキングコイル9の直流駆動感度データが記憶されているため、該トラッキングコイル9に供給される駆動電圧に対する対物レンズLの変位量、即ち、レーザー光のスポット位置の変位量を認識することが出来る。従って、スポットを所望の位置まで変位させるために必要な駆動電圧値を選定することが可能となり、画像記録位置制御回路11bから出力される記録位置を示すデータに基づいて設定される位置にスポットを正確に移動させることが出来る。
前述したトラッキングコイル9による対物レンズLの変位量制御動作及びスレッドモーター5の回転による本体3の径方向への移動量制御動作によってスポットの径方向における位置は制御されるが、光ディスクDの回転方向の位置である角度位置制御動作は、スピンドルモーター2の回転に伴ってパルス信号を発生する手段を設け、該手段から発生するパルスの数をカウントすることによって行うことが出来る。
即ち、スピンドルモーター2の回転に伴ってパルス発生手段から発生するパルスの数をカウントすることによって光ディスクDの回転角度を認識し、その角度と前述した径方向のスポット位置とから決定される光ディスクD上の位置にスポットが移動したとき、レー
ザーダイオード6にレーザーダイオード駆動回路17から供給される駆動信号のレベルを記録レベルに上昇させることによって画像データを画像記録層D6に記録することが出来る。
前述したようにレーザーダイオード駆動回路17からレーザーダイオード6に供給される駆動信号のレベルを記録レベルまで上昇させると、前記画像記録層D6のスポット照射部分が変色し、画像データが可視情報として形成されることになる。従って、前述した動作により光ディスクDの画像記録層D6に画像データを記録することによってレーベル面D1に可視画像を形成することが出来る。
本発明に係る光ディスク装置の動作を説明するための図である。 本発明に係る光ディスクの断面図である。 対物レンズと光ディスクとの関係を示す図である。
符号の説明
1 ターンテーブル
2 スピンドルモーター
3 本体
5 スレッドモーター
6 レーザーダイオード
7 光検出器
8 フォーカスコイル
9 トラッキングコイル
10 信号演算回路
11 制御回路
12 サーボ回路
13 スピンドルモーター駆動回路
14 スレッドモーター駆動回路
15 フォーカスコイル駆動回路
16 トラッキングコイル駆動回路
17 レーザーダイオード駆動回路
19 不揮発性メモリー
D 光ディスク
L 対物レンズ

Claims (3)

  1. 信号記録層に記録されている信号を読み出すレーザー光が入射される信号面の反対側の面であるレーベル面に画像記録層が設けられている光ディスクを使用するとともに前記画像記録層にレーザー光を照射することによって画像データを可視情報として記録することが出来るように構成された光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置であり、レーザーダイオードから放射されるレーザー光を信号記録層に集束させる信号再生動作位置と表裏反対に載置された光ディスクの画像記録層にレーザー光を集束させる画像記録動作位置に変位可能に支持された対物レンズが組み込まれているとともに該対物レンズを光ディスクの径方向へ変位せしめるトラッキングコイルを備え、該トラッキングコイルの直流駆動感度を光ピックアップ装置の製造時に測定し、その測定された感度のデータを不揮発性メモリーに記憶させるとともに該不揮発性メモリーを光ピックアップ装置内に組み込んだことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 対物レンズを画像記録動作位置に変位保持した状態にてトラッキングコイルの直流駆動感度を測定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 画像記録動作時光ピックアップ装置に組み込まれている不揮発性メモリーに記憶されているトラッキングコイルの直流駆動感度データを読み出し、読み出されたデータに基づく駆動信号をトラッキングコイルに供給することによって画像記録層に画像データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
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