JP2008096166A - バッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システム - Google Patents

バッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システム Download PDF

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Abstract

【課題】電流が0のときの端子間電圧を濃度分極に基づいて予測するバッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システムを提供する。
【解決手段】OCVからの電圧変化を予測する計算方式として、等価回路計算方式10と濃度分極計算方式20の2種類を有しており、バッテリーの端子間電圧30は、いずれかの計算方式で計算された電圧変化をOCV40に加算することで算出される。等価回路計算方式10と濃度分極計算方式20のいずれの計算方式を用いるかの選択は、バッテリーの電流50に基づいて決定されるようにしており、電流50が0のときは濃度分極計算方式20を選択し、それ以外のときは等価回路計算方式10を選択するようにしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリーの電圧予測方法、これを実現させるためのプログラム、電圧予測装置、及び電源システムに関するものである。
自動車の走行に必要な電装品等が正常に機能するためには、車両に搭載されたバッテリーから負荷電流が流されたときの端子間電圧が、所定の電圧値以上に維持されることが必要となる。そのため、バッテリーの任意の充放電状態における端子間電圧の変化を予測できる技術が強く望まれている。
バッテリーの端子間電圧の変化を予測する従来の技術として、例えば非特許文献1では、図10に示すような等価回路101を用いてバッテリーを電気的な回路として模擬しており、等価回路101の端子A−B間の電圧の挙動を算出して、バッテリーの端子間電圧を予測する技術を提案している。等価回路を構成している各回路素子のパラメータは、等価回路から算出されるインピーダンス周波数特性が、実際のバッテリーに交流電流を流したときの電圧変動から得られるインピーダンス周波数特性に一致するように決定される。
また、バッテリーの状態に応じて端子間電圧の計算方法を変更するようにした従来技術も既に知られている。それは、過充電状態では、通常の充放電の場合とは異なった物理過程が支配的になることを考慮したものである。例えば、非特許文献1では、通常は図10の等価回路を用いて端子間電圧を計算するが、バッテリーが過充電の状態では上記の等価回路を用いず、水の電気分解反応のモデルを用いて端子間電圧を計算するようにしている。
同様の考え方に基づき、特許文献1では、OCV(Open Circuit Voltage)や充電状態(SOC;State Of Charge)、及び劣化状態(SOH;State Of Health)といった状態量の予測方法が提案されており、バッテリーの稼動状態に応じて端子間電圧の算出方法を選択する方法が開示されている。
さらに、特許文献2〜4では、充放電終了後の電流が0の状態を対象に電圧変動を予測する方法が提案されている。具体的には、充放電終了直後から所定時間内において端子間電圧を複数測定し、この複数の測定電圧を調整パラメータを含む所定の関数でフィッティングして調整パラメータを決定するようにしている。調整パラメータが決定された後は、この関数を用いてOCVを推定している。
特開2003−217686号公報 特開平7−98367号公報 特開2002−234408号公報 特開2005−43339号公報 S. Buller, E. Karden, R. W. De Doncker, (2003), "Impedance-Based Non-Linear Dynamic Battery Modeling for Automotive Applications", J. Power. Sources, 113, pp. 422-430.
しかしながら、従来のバッテリーの電圧予測方法では、以下のような課題があった。非特許文献1に示される図10の等価回路によってバッテリーの端子間電圧を予測した例を用いて以下に説明する。車載用バッテリーからいずれかの電装品に、例えば図11に示すような時間波形の電流102を供給する必要がある場合を説明する。図11に示す電流波形102は、給電開始後の時間をtとすると、0<t≦328.5secの間だけ電流が流され、t>328.5secにおいては電流が0となっている。
車載用バッテリーから図11に示す電流を供給したときの端子間電圧の変化量(以下では電圧変化という)を図12に示す。同図では、電圧変化の測定値を103で示しており、図10に示す等価回路101を用いて予測した電圧変化の予測値を104で示している。但し、図11に示す電流が供給される直前の電圧変化は0であったとしている。図12において、電流が供給されている 0<t≦328.5secの時間域では、電圧変化の測定値103と予測値104とが良い一致を示しているのに対し、電流が0となるt>328.5secの時間域では両者のズレが大きくなっている。
バッテリー内部の物理現象として、電流が流されている間は活性化分極と濃度分極が発生しているのに対し、電流が0になると濃度分極が支配的となる。つまり、電流が流されているときと流されていないときとでバッテリー内部で発生する物理現象が異なる。非特許文献1では図10に示す等価回路について、電流が0でないときに発生する活性化分極と濃度分極の両方の物理現象を含めて最適化していると考えられ、電流が0のときも等価回路を用いて端子間電圧を予測するようにしている。そのため、電流が0となった後の電圧変化に対しては、大きなズレが生じてしまう。
また、上記のような問題に関して、特許文献1には、電流が0となった時点以降の端子間電圧を計算する具体的な方法が記述されていないため、正確な端子間電圧の予測を実現するのが困難であった。
また、特許文献2〜4でフィッティングに用いられている関数も、濃度分極の物理現象に基づいて作成されることは示されていない。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、電流が0のときの端子間電圧を濃度分極に基づいて予測するバッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システムを提供することを目的とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の第1の態様は、バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、前記バッテリーの前記端子間電圧を、前記バッテリーに内蔵されている電解液の濃度分極に基づいて予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0のときの前記端子間電圧を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の時間変化を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記電解液の濃度の時間変化を予測し、予測された前記濃度に基づいて前記端子間電圧を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記端子間電圧が、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点の値から単調に変化して前記OCVに漸近する所定の時間関数に基づいて予測されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、t0を前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時の時刻、A及びBを事前に定められるパラメータとしたとき、前記端子間電圧のOCVからの変動分η(t)は、次式
Figure 2008096166
を用いて算出されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、経過時間をtとし、所定の時間関数をx(t)、前記経過時間tが十分長いときのx(t)の値を定数xeq、別に定められたパラメータをαとしたとき、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分η(t)が次式
Figure 2008096166
を用いて算出されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記x(t)が、所定の拡散方程式の解を求めることで与えられることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記式(2)のh(t)が、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の前記OCVからの変動分が単調に減少して0に漸近するように、前記所定の時間関数x(t)を決定していることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、経過時間をtとし、前記電解液の濃度をc(t)、前記経過時間tが十分長いときのc(t)の値を定数ceq、別に定められたパラメータをαとしたとき、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分をη(t)が次式
Figure 2008096166
を用いて算出されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記c(t)が、前記電解液の濃度に係る所定の拡散方程式の解を求めることで与えられることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記c(t)が、実測により求められた前記電解液の濃度に基づき与えられることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記c(t)が、電気化学的モデルを用いて求められた前記電解液の濃度に基づき与えられることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記式(3)のh(t)が、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の前記OCVからの変動分が単調に減少して0に漸近するように、前記電解液の濃度c(t)を決定していることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、経過時間をtとし、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分をη(t)、t0を前記電流が0となった時の時刻、A及びBを事前に定められるパラメータとしたとき、前記η(t)は、次式
Figure 2008096166
を用いて算出されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記電流が0でないときの前記端子間電圧を所定の電気的等価回路を用いて算出し、前記電流が0となる直前の前記電気的等価回路を用いて算出された前記端子間電圧を初期値として、前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記端子間電圧の予測に用いられる計算式のパラメータが、前記バッテリーの充電率及び温度に基づいて決定されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記端子間電圧の予測に用いられる計算式のパラメータが、前記電流が0になる以前の充放電条件及び/または前記充放電条件に依存する前記バッテリーの物性値に基づいて決定されることを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、電流が0になった時点以降の複数時点の前記端子間電圧を測定し、測定された前記端子間電圧をフィッティングして所定の時間関数を決定し、決定された前記時間関数に基づいて前記端子間電圧の時間変化を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記電流が一定値のまま所定時間以上経過した後の前記端子間電圧の時間変化を予測することを特徴とする。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の他の態様は、前記所定時間が、1秒以上であることを特徴とする。
本発明のプログラムの第1の態様は、コンピュータに上記態様のいずれか1つのバッテリーの電圧予測方法の各ステップを実行させることを特徴とする。
本発明の状態監視装置の第1の態様は、バッテリーの端子間電圧を予測する状態監視装置であって、前記バッテリーの前記端子間電圧を測定する電圧センサと、前記バッテリーの電流を測定する電流センサと、前記バッテリーの温度を測定する温度センサと、前記電圧センサ、前記電流センサ、及び前記温度センサからそれぞれ前記端子間電圧、前記電流、及び前記温度の測定値を入力し、前記バッテリーに内蔵されている電解液の濃度分極に基づいて前記端子間電圧を予測する制御部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の状態監視装置の他の態様は、前記制御部が、前記電解液の前記濃度分極の時間変化を予測し、予測された前記濃度分極に基づいて前記端子間電圧を予測することを特徴とする。
本発明の状態監視装置の他の態様は、前記制御部が、前記電流が0でないときの前記端子間電圧を所定の電気的等価回路を用いて算出する等価回路計算手段と、前記電流が0となる直前の前記電気的等価回路を用いて算出された前記端子間電圧を初期値として、前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧を予測する濃度分極計算手段と、を有していることを特徴とする。
本発明の電池システムの第1の態様は、前記バッテリーと、上記態様のいずれか1つの状態監視装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電流が0のときの端子間電圧を濃度分極に基づいて予測するバッテリーの電圧予測方法及びこれを計算機で実現するプログラムを提供することができる。また、この電圧予測方法を用いた電圧予測装置及び電源システムを提供することができる。本発明によるバッテリーの電圧予測方法では、電流が0のときに支配的となる濃度分極の物理現象に基づく計算方式を用いていることから、端子間電圧を高精度で予測することが可能となる。
本発明の好ましい実施の形態におけるバッテリーの電圧予測方法、プログラム、電圧予測装置、及び電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明のバッテリーの電圧予測方法では、バッテリーの電流が0の時には濃度分極に基づいて端子間電圧を予測するのを特徴としている。
図1は、本発明の実施の形態に係るバッテリーの電圧予測方法を説明するための模式図である。本実施形態のバッテリーの電圧予測方法は、OCVからの電圧変化を予測する計算方式として、等価回路計算方式10と濃度分極計算方式20の2種類を有している。バッテリーの端子間電圧30は、いずれかの計算方式で計算された電圧変化をOCV40に加算することで算出される。等価回路計算方式10と濃度分極計算方式20のいずれの計算方式を用いるかの選択は、バッテリーの電流50に基づいて決定されるようにしており、電流50が0のときは濃度分極計算方式20を選択し、それ以外のときは等価回路計算方式10を選択するようにしている。
濃度分極計算方式20の計算方法の一例を以下に説明する。バッテリーの端子間電圧と電解液(硫酸)の濃度との間には、Nernst式で表わされる関係式が成り立つことが知られている。時刻tにおける端子間電圧のOCVからの変化量、すなわち電圧変化をη(t)とし、電解液の濃度をc(t)としたとき、電圧変化η(t)は、
Figure 2008096166
と表すことができる。ここで、ceqは、電流が0になってから時間が十分経過して平衡状態になったときの濃度を表わしており、αは初期条件等から定まるパラメータである。
バッテリー内の電解液濃度c(t)は、電極面からの距離をxとすると、下記の式(5)に示す拡散方程式に従って変化する。
Figure 2008096166
ここで、Dは拡散係数を示す。上記拡散方程式に対し、例えばバッテリーが充放電を終了する時点(時刻t0とする)の電解液濃度c(x,t0)を初期条件として与えることにより、式(5)の解を求めることができる。初期条件の一例として、下記の値を用いた例を以下に説明する。
c(x, t=t0) = c1 (一定値) at 0≦x≦d
c(x, t=t0) = ceq (一定値) at x>d
上記の初期条件で式(5)を解いたとき、電解液濃度c(t)は下記の式(6)で与えられる。
Figure 2008096166
式(6)においてx=0とすると、電極面での電解液濃度c(0,t)が与えられ、これは次式のように表わされる。
Figure 2008096166
式(3)に含まれるc(t)は上記式(7)のc(0,t)に相当することから、これを式(1)に代入することにより、電圧変化η(t)を次式のような時間tの関数として表わすことができる。
Figure 2008096166
ここで、A、Bは、初期条件や拡散係数D等から決まるパラメータである。
式(4)を用いることにより、端子間電圧の時間的な変化を、電圧変化η(t)から算出することができる。従って、式(4)を用いてバッテリーの電流が0となった後の端子間電圧を予測することが可能となる。なお、式(4)は拡散方程式の解として式(6)を用いて導出したものであるが、式(5)の拡散方程式の解は初期条件、境界条件、拡散の性質(通常拡散か異常拡散か)等によって異なることから、式(6)以外の式(5)の拡散方程式の解を用いてもよい。
尚、式(3)におけるc(t)を拡散方程式を用いて求めることに代えて、電解液濃度の実測値に基づき求めることとしてもよい。また、前記c(t)を他の計算方法で求めることとしてもよい。例えば、電気化学モデルに基づいた精密な計算をする方法等がある。
上記説明の通り、濃度分極計算方式20の計算方法として、例えば式(4)を用いることができる。本実施形態のバッテリーの電圧予測方法では、電流50の状態に従って等価回路計算方式10または濃度分極計算方式20を選択して電圧変化を予測し、予測された電圧変化をOCVに加算することで、バッテリーの端子間電圧を予測するようにしている。このように、濃度分極が支配的となる電流50が0のときには、濃度分極の時間的な変化を精度よく予測できる濃度分極計算方式20が選択されることから、電流50が0のときにも電圧変化を高精度に予測することが可能となる。
式(4)で用いられるパラメータA、Bは、バッテリーを所定の条件下で測定して得られたデータを基に、事前に値を決定して用いることができる。例えば、充放電終了後の電圧の変化を測定して電圧曲線を求め、これを基にパラメータA、Bを決定することができる。また、測定時のバッテリーの充電率や温度等に対応させてパラメータA、Bを複数設定し、予測時のバッテリーの充電率や温度等からパラメータA、Bを決定して用いるようにしても良い。
さらに、充電率や温度等が所定の範囲を超える場合には、電流が0になるまでの充放電条件に依存してパラメータA、Bを決定するようにするのが好ましいことがある。この場合には、充電率、温度に加えて充放電条件に依存する物性値(例えば、η(t0)等)に対応させてパラメータA、Bを決定するようにするのがよい。
本実施形態のバッテリーの電圧予測方法を、図2に示す流れ図を用いて、さらに詳細に説明する。バッテリーの端子間電圧の予測を開始するのに先立って、まずステップS1でバッテリーの初期状態量を入力する。初期状態量として、例えばバッテリーから負荷に放電される前の充電率、バッテリー温度、OCV等がある。続いてステップS2において、端子間電圧の予測計算を行うための計算条件を入力する。計算条件として、予測期間の時間長さT、予測時間間隔Δt等がある。
次にステップS3において、予測期間における負荷電流パターンI(ti)を入力する。負荷電流パターンI(ti)は、例えば負荷毎に事前に作成して記憶部に記憶させておき、ステップS3でこの記憶部から入力させるようにすることができる。ここで、時刻tiは、予測時間間隔Δtから下記の式で与えられる離散時刻である。
ti = (i-1)*Δt i = 1,2,3,…,N
tN = (N-1)*Δt = T
ステップS4では、予測計算開始の初期設定としてi=1を設定する。ステップ5以降は、ステップS3で入力した負荷電流パターンI(ti)に対する端子間電圧の時間変化を、予測期間Tの最後まで予測時間間隔Δt毎に順次予測していく。
ステップS5において、まず負荷電流パターンの電流値I(ti)が0か否かを判定し、端子間電圧の予測計算方式の選択を行う。すなわち、電流値I(ti)が0の場合には、ステップS6aの濃度分極計算方式を選択する一方、電流値I(ti)が0でない場合には、ステップS6bの等価回路計算方式を選択する。ステップS5の判定により濃度分極計算方式が選択された場合には、ステップS6aで例えば式(4)を記憶部から読み込む。また、ステップS5の判定により等価回路計算方式が選択された場合には、ステップS6bで等価回路に基づく計算式を記憶部から読み込む。
続いてステップS7aに進んだ場合には、濃度分極計算式で用いられているパラメータ、例えば式(4)のパラメータA、B、をバッテリーの充電率や温度等に基づいて決定する。また、ステップ7bに進んだ場合には、等価回路に用いられている回路定数を決定する。
ステップS7aまたはS7bで端子間電圧の計算式に用いられているパラメータが決定されると、ステップS8aまたはS8bで時刻tiにおける端子間電圧V(ti)を算出する。ステップS9では、ステップS8aまたはS8bで算出された端子間電圧V(ti)を所定の記憶部に記憶する。
ステップS10では、計算ステップiが最後の計算ステップNに到達している(i=N)か否かを判定する。計算ステップiが最後の計算ステップNに到達していない場合には、ステップS11で計算ステップを進め、再びステップS5からの処理を進める。一方、ステップS10で計算ステップiが最後の計算ステップNに到達していると判定された場合には、すべての予測計算を終了する。このとき、予測期間の時間長さTまでの予測が完了し、予測された端子間電圧V(ti)(i=1〜N)が所定の記憶部に記憶されている。
本実施形態のバッテリーの電圧予測方法を用いて、端子間電圧を予測した一実施例を以下に説明する。第1の実施例として、負荷電流パターンI(ti)に図11に示した電流値102を用い、濃度分極計算方式20における電圧変化の計算式に式(4)を用いた場合を説明する。図11に示した負荷電流パターン102は、放電が開始される時刻t0を0とし、放電開始後328.5secの間電流が放電され、328.5sec以降は電流が0とされている。
放電が終了して電流が0となる時刻をt0=tk(1<k<N)とすると、0≦ti≦tk(1≦i≦k)の間は等価回路計算方式10を用い、tk<ti≦tN(k≦i≦N)の間は濃度分極計算方式20を用いる。本実施例では、濃度分極計算方式20による予測に式(4)を用いている。式(4)に含まれる各項のうちη(t0) は、等価回路計算方式10で最後に算出された端子間電圧V(tk)から算出して用いる。本実施例では、η(t0)=−0.330Vとなる。
式(4)に含まれるパラメータのうち、AとBは以下のようにして決定される。パラメータAは、充電率と温度に対応して事前に設定された値を用いるものとしており、ここではバッテリーが充電率98%、温度25℃で一定に保持されていると仮定して、Aの値を6.71としている。また、パラメータBは、η(t0)に依存して決定される次式から算出される値を用いている。本実施例では、B=0.643となる。
Figure 2008096166
パラメータBは、式(8)のように、電流が0になったときの電圧変化η(t0)に依存して決定されるようにすることができる。本実施例では、パラメータBを事前に設定するにあたり、充電率98%、温度25℃の条件下で、複数の異なる電流波形でそれぞれ放電を行った後に電流を0とし、電流が0となった後の電圧曲線をそれぞれ測定している。測定した電圧曲線を式(4)でフィッティングすることにより、パラメータBを算出している。
上記のようにして算出されたパラメータBを、電流が0になったときの電圧変化η(t0)に対してプロットした例を図3に示す。同図より、パラメータBが電圧変化η(t0)に依存して変化することがわかる。式(8)は、図3に示すパラメータBを−1/η(t0)で直線近似して求めた関係式である。本実施例では、パラメータBを式(8)から算出するようにしたが、例えば、図3に示すパラメータBを平均し、この平均値をη(t0)に依存しないパラメータBの値とすることも可能である。
本実施例において、バッテリーの電圧変化η(t)を予測した結果を図4に示す。同図に示すように、本実施例における電圧変化の予測値61は、測定値103と比較して極めてよい一致を示している。従来の等価回路のみで算出した予測値104では、電流が0となるtk<ti≦tN(k≦i≦N)の間で測定値103とのズレが大きくなっていたのに対し、本実施例の予測結果61では、tk<ti≦tN(k≦i≦N)の間でも測定値103に極めてよく一致している。
本発明のバッテリーの電圧予測方法の別の実施形態を以下に説明する。上記第1の実施形態では、端子間電圧のOCVからの変化を、式(3)のNernst式と式(5)の拡散方程式から導出した式(4)の電圧変化η(t)を用いて算出していた。これに代えて、本実施形態では式(4)の変化特性と同様の特性を持つ別の関数を用いるようにしている。すなわち、以下の変化特性を有する関数を用いている。
(1)t>t0において単調変化
(2)t→∞で0に収束
(1)の特性は、t≦t0において放電電流が流れていた場合には単調増加となり、充電電流が流れていた場合には単調減少となる。このような関数の一実施例として、次式の関数を用いることができる。
Figure 2008096166
ここで、パラメータA、Bは、事前に設定して用いるようにすることができる。
本実施形態のバッテリーの電圧予測方法の一実施例として、式(1)を用いた第2の実施例を以下に説明する。電流が0となる時刻t0における電圧変化η(t0) は、第1の実施例と同様に、等価回路計算方式10で計算された時刻t0における電圧変化η(t0)を用いることができる。本実施例では、η(t0) の値は−0.330Vである。
式(1)のパラメータAは、充電率及び温度に依存して決定されるようにすることができ、これらが所定の値に維持されているとして、本実施例ではパラメータAの値を−5.30としている。パラメータBについては、第1の実施例と同様に、複数の異なる電流波形で測定した電圧曲線を基に設定するようにしている。一例として、充電率98%、温度25℃の条件下で、複数の異なる電流波形でそれぞれ放電を行った後に電流を0とし、電流が0となった後の電圧曲線をそれぞれ測定している。
測定した電圧曲線を式(1)でフィッティングすることにより、パラメータBを算出した結果を図5に示す。本実施例では、算出されたパラメータBのうち楕円の範囲62で囲まれたデータの平均値をパラメータBの値に用いており、B=0.0928としている。このようなパラメータ値を用いて電圧変化η(t)を予測した結果を、図6の予測値63で示す。ここでも、負荷電流パターンとして図11に示すものを用いている。第1の実施例と同様本実施例でも、従来の等価回路計算方式のみによる予測結果に比べて予測精度が大幅に改善されている。
上記実施例では、パラメータBをη(t0)に依存しない一定値としたが、第1の実施例と同様に、η(t0)に依存して決定されるようにしてもよい。すなわち、図7に示すように、パラメータBをη(t0)の一次式で近似することができ、次式のように表わすことができる。
Figure 2008096166
この場合には、B=0.0988となる。
式(9)に基づいて算出したパラメータBの値を用いて予測した結果を、図8の予測値64で示す。ここでも、負荷電流パターンとして図11に示すものを用いている。上記各実施例と同様本実施例でも、従来の等価回路計算方式のみによる予測結果に比べて予測精度が大幅に改善されている。
本発明による電圧予測手法は、コンピュータで実行可能なプログラムとすることができる。本発明の電圧予測プログラムの一実施例として、図2に示す流れ図の各ステップをコンピュータ上で実行するようプログラムを作成する。この場合、ステップS1において入力するバッテリー初期状態量、ステップS2で入力する計算条件、及びステップS3で入力する負荷電流パターンは、例えばコンピュータに接続された記憶装置に事前に記憶させておくようにすることができる。あるいは、コンピュータ外部から入力するようにしてもよい。例えば、コンピュータ上のGUI(Graphical User Interface)などから入力する。
また、ステップS7a、S7bにおいて、各計算式のパラメータを決定するのに用いられるデータも、事前に記憶装置に記憶させるようにすることができる。
さらに、ステップS9において、予測された端子間電圧V(ti)についても記憶装置に記憶させるようにすることができる。
上記説明のいずれかの本発明の電圧予測方法を用いて、バッテリーの放電能力を監視する本発明の電源システム及び状態監視装置について以下に説明する。
図9は、本発明の実施の形態に係る電源システム及び状態監視装置の構成を示すブロック図である。電源システム70はバッテリー1と状態監視装置71とから構成されており、状態監視装置71は、バッテリー1に備えられた電圧計2、電流計3、及び温度センサ4からそれぞれ端子間電圧、電流、及び温度を入力する制御部72と、制御部72に接続された記憶部73と、利用者等に情報を提供するためのディスプレイ74及びブザー75とから構成されている。また、バッテリー1は、負荷となる電装品5と接続されている。
バッテリー1として、例えば鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池が挙げられる。制御部72は、各センサから入力した測定データを基に、バッテリー1の電圧変化を予測し、負荷が正常に動作するのに必要な電圧が確保されているかを監視する。そのために、制御部72では上記いずれかの電圧予測方法を用いて端子間電圧を予測する。
例えば、図2に示す電圧予測方法を用いてバッテリー1の状態監視を行う場合について、制御部72による処理の流れを以下に説明する。まず、ステップS1のバッテリー初期状態量の入力では、各センサから端子間電圧、電流、及び温度を入力する。これらの測定データを基に、端子間電圧の予測に必要なOCV及び充電率を算出する。充電率としては、バッテリー1から負荷に放電される前の値を求めておく。
図2に示すステップS2の計算条件の入力では、電圧予測の計算に用いる予測期間の時間長さTや予測時間間隔Δt等の計算条件を記憶部73から入力する。また、ステップS3の負荷電流パターンの入力では、負荷毎の電流パターンをあらかじめ記憶部73に記憶させておき、これから起動負荷の電流パターンを選択して入力する。
ステップS4以降の予測計算では、ステップS7a又はS7bの計算式のパラメータ決定において、ステップS1で入力又は算出したバッテリー温度や充電率等から、例えば式(5)のパラメータA、Bの値を決定する。パラメータA、Bの値は、バッテリー温度や充電率等に依存する関数、又は表の形式で記憶部73に事前に記憶させておいたものを用いて算出させるようにすることができる。
ステップS9における端子間電圧V(t)の記憶では、算出された端子間電圧V(t)を、記憶部73の所定の位置に時系列的に記憶させる。このようにして、予測された端子間電圧V(t)を記憶部73に一括して記憶させるようにすることにより、予測計算をすべて終了した後に、予測された端子間電圧V(t)を一括して記憶部73から読み出し、これをディスプレイ74に表示して監視することができる。
本実施形態の状態監視装置70による監視として、上記の端子間電圧V(t)の予測結果を用いて、負荷の稼動に必要な電圧が確保されるかをチェックし、必要な電圧以下に端子間電圧が低下している場合には、例えばディスプレイ74に警報を表示したり、ブザー75を鳴らすようにすることができる。また、必要な電圧が維持されている場合であっても、ディスプレイ74に予測された端子間電圧V(t)のグラフを表示させるようにしてもよい。
本実施形態の状態監視装置70は、様々な用途に用いられる各種バッテリーに適用することが可能である。一例として、自動車に搭載される電池、コンピュータの電源用電池、携帯電話用電池、UPS(Uninterruptible Power Supply System;無停電電源装置)に用いられる電源、情報通信システム用電池等に適用することができる。
上記説明の本発明の電圧予測方法及び状態監視装置では、端子間電圧の予測に用いる計算式(例えば式(4)や式(1))のパラメータを、事前に作成された関係式あるいは表等から決定するようにしていた。これに対し、本発明の電圧予測方法又は状態監視装置の別の実施形態として、上記パラメータを測定データから決定するようにすることも可能である。
例えば、充放電終了後の所定時間内において端子間電圧を複数回測定し、測定した電圧を式(4)又は式(1)でフィッティングすることで、式(4)又は式(1)のパラメータA、Bの値を決定する。このようにして決定されたパラメータ値を用いて、それ以降の電圧変化を式(4)又は式(1)で予測させるようにすることができる。
上記では、図1に示す濃度分極計算方式20を、電流が0のときの端子間電圧の予測にのみ適用してきたが、本発明の電圧予測方法及び状態監視装置のさらに別の実施例として、所定の条件の下で電流が流れている場合にも適用できるようにすることも可能である。すなわち、電流が一定値に保持されて所定時間以上経過すると、活性化分極がほぼ定常状態に至るため、その後の電圧変化を濃度分極のみで評価することが可能となる。
濃度分極計算方式20を電流が流れている場合にも適用する実施例では、図1に示す電圧予測方法において、電流50が所定時間以上一定値を保持しているか否かを判定させるようにする。その結果、電流50が所定時間以上一定値を保持していると判定された場合には、濃度分極計算方式20を選択させ、それ以外の場合には等価回路計算方式10を選択させる。これにより、電流50が0又は所定時間以上一定値の場合には、濃度分極計算方式20を用いて端子間電圧の変化を精度良く予測することが可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るバッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システムの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるバッテリーの電圧予測方法、プログラム、状態監視装置、及び電源システムの細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
更に、本発明に係るバッテリーの電圧予測方法及びプログラムを応用して、バッテリーの設計、製造、保守などに応用することも可能である。
本発明の実施形態に係るバッテリーの電圧予測方法を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係るバッテリーの電圧予測方法の流れ図である。 電圧変化η(t0)に対するパラメータBの変化を示すグラフである。 バッテリーの電圧変化を予測した実施例を示すグラフである。 電圧変化η(t0)に対するパラメータBの別の変化を示すグラフである。 バッテリーの電圧変化を予測した別の実施例を示すグラフである。 電圧変化η(t0)に対するパラメータBの別の変化を直線で近似したグラフである。 バッテリーの電圧変化を予測したさらに別の実施例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電源システム及び状態監視装置のブロック図である。 バッテリーの等価回路を示す図である。 負荷電流波形を示すグラフである。 負荷電流を供給したときの端子間電圧の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 バッテリー
2 電圧計
3 電流計
4 温度センサ
5 電装品

10 等価回路計算方式
20 濃度分極計算方式
30 端子間電圧
40 OCV
50 電流
61、63、64 電圧変化予測値
62 データ範囲
70 電源システム
71 状態監視装置
72 制御部
73 記憶部
74 ディスプレイ
75 ブザー
101 等価回路
102 電流波形
103 電圧変化測定値 104 電圧変化予測値

Claims (26)

  1. バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、
    前記バッテリーの前記端子間電圧を、前記バッテリーに内蔵されている電解液の濃度分極に基づいて予測する
    ことを特徴とするバッテリーの電圧予測方法。
  2. 前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0のときの前記端子間電圧を予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  3. 前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の時間変化を予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  4. 前記電解液の濃度の時間変化を予測し、予測された前記濃度に基づいて前記端子間電圧を予測する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  5. 前記端子間電圧は、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点の値から単調に変化して前記OCVに漸近する所定の時間関数に基づいて予測される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  6. t0を前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時の時刻、A及びBを事前に定められるパラメータとしたとき、前記端子間電圧のOCVからの変動分η(t)は、次式
    Figure 2008096166
    を用いて算出される
    ことを特徴とする請求項5に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  7. バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、
    経過時間をtとし、所定の時間関数をx(t)、前記経過時間tが十分長いときのx(t)の値を定数xeq、別に定められたパラメータをαとしたとき、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分η(t)が次式
    Figure 2008096166
    を用いて算出される
    ことを特徴とするバッテリーの電圧予測方法。
  8. 前記x(t)は、所定の拡散方程式の解を求めることで与えられる
    ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  9. 前記式(2)のh(t)は、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の前記OCVからの変動分が単調に減少して0に漸近するように、前記所定の時間関数x(t)を決定している
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  10. 経過時間をtとし、前記電解液の濃度をc(t)、前記経過時間tが十分長いときのc(t)の値を定数ceq、別に定められたパラメータをαとしたとき、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分をη(t)が次式
    Figure 2008096166
    を用いて算出される
    ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  11. 前記c(t)は、前記電解液の濃度に係る所定の拡散方程式の解を求めることで与えられる
    ことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  12. 前記c(t)は、実測により求められた前記電解液の濃度に基づき与えられる
    ことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  13. 前記c(t)は、電気化学的モデルを用いて求められた前記電解液の濃度に基づき与えられる
    ことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  14. 前記式(3)のh(t)は、前記バッテリーから負荷に対して流す電流が0となった時点以降の前記端子間電圧の前記OCVからの変動分が単調に減少して0に漸近するように、前記電解液の濃度c(t)を決定している
    ことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  15. バッテリーの端子間電圧を予測する方法であって、経過時間をtとし、前記端子間電圧のOCV(Open Circuit Voltage)からの変動分をη(t)、t0を前記電流が0となった時の時刻、A及びBを事前に定められるパラメータとしたとき、前記η(t)は、次式
    Figure 2008096166
    を用いて算出される
    ことを特徴とするバッテリーの電圧予測方法。
  16. 前記電流が0でないときの前記端子間電圧を所定の電気的等価回路を用いて算出し、前記電流が0となる直前の前記電気的等価回路を用いて算出された前記端子間電圧を初期値として、前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧を予測する
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  17. 前記端子間電圧の予測に用いられる計算式のパラメータが、前記バッテリーの充電率及び温度に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  18. 前記端子間電圧の予測に用いられる計算式のパラメータが、前記電流が0になる以前の充放電条件及び/または前記充放電条件に依存する前記バッテリーの物性値に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  19. 電流が0になった時点以降の複数時点の前記端子間電圧を測定し、測定された前記端子間電圧をフィッティングして所定の時間関数を決定し、
    決定された前記時間関数に基づいて前記端子間電圧の時間変化を予測する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  20. 前記電流が一定値のまま所定時間以上経過した後の前記端子間電圧の時間変化を予測する
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  21. 前記所定時間は、1秒以上である
    ことを特徴とする請求項20に記載のバッテリーの電圧予測方法。
  22. コンピュータに前記請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のバッテリーの電圧予測方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
  23. バッテリーの端子間電圧を予測する状態監視装置であって、
    前記バッテリーの前記端子間電圧を測定する電圧センサと、
    前記バッテリーの電流を測定する電流センサと、
    前記バッテリーの温度を測定する温度センサと、
    前記電圧センサ、前記電流センサ、及び前記温度センサからそれぞれ前記端子間電圧、前記電流、及び前記温度の測定値を入力し、前記バッテリーに内蔵されている電解液の濃度分極に基づいて前記端子間電圧を予測する制御部と、を備えている
    ことを特徴とする状態監視装置。
  24. 前記制御部は、前記電解液の前記濃度分極の時間変化を予測し、予測された前記濃度分極に基づいて前記端子間電圧を予測する
    ことを特徴とする請求項23に記載の状態監視装置。
  25. 前記制御部は、前記電流が0でないときの前記端子間電圧を所定の電気的等価回路を用いて算出する等価回路計算手段と、前記電流が0となる直前の前記電気的等価回路を用いて算出された前記端子間電圧を初期値として、前記電流が0となった時点以降の前記端子間電圧を予測する濃度分極計算手段と、を有している
    ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の状態監視装置。
  26. 前記バッテリーと、
    請求項23から請求項25のいずれか1項に記載の状態監視装置と、を備える、
    ことを特徴とする電池システム。


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