JP2008094910A - 非共役系高分子化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

非共役系高分子化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電流特性に優れる有機EL素子、該素子を提供するための非共役系高分子化合物、を提供すること。
【解決手段】重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される非共役系発光性高分子であって、大気中光電子分光装置(AC2あるいはAC3 理研計器製)を用いて、ITO基板上に塗布成膜して測定した、重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャルと、重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとの差が−0.04eV〜0.04eVの範囲内であることを特徴とする非共役系発光性高分子。
【選択図】図2

Description

本発明は非共役系高分子化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
従来から、発光型の素子の一つとして有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも記す)が研究されていた。
有機EL素子はその使用する有機材料の違いによって、低分子型と、高分子型とに大別される。
近年、低分子型の有機EL素子において、最低空軌道(以下、LUMOとも記す)レベルと密接な関係のある電子親和力、および最高被占軌道(以下、HOMOとも記す)レベルと密接な関係のあるイオン化ポテンシャルを制御することが注目されている。
例えば、発光層の電子親和力と正孔輸送層の電子親和力との差を一定値以上にし、発光層の電子親和力と電子輸送層の電子親和力との差を一定値以下にすることにより、発光効率を向上させる方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
低分子型の有機EL素子のように正孔輸送層、発光層、および電子輸送層がそれぞれ形成されている場合には、それぞれの層の電子親和力や、イオン化ポテンシャルを測定することが可能である。一方、高分子型の有機EL素子、中でも高分子として非共役系高分子を用い、該非共役系高分子化合物が、正孔輸送性を有する構造単位、発光性を有する構造単位、および電子輸送性を有する構造単位のうち二種以上の構造単位を有する場合には、各構造単位の電子親和力やイオン化ポテンシャルを測定することは不可能である。また、非共役系高分子を用いた素子のデバイス設計方法は未確立である。低分子有機ELで培われた階段状の(段階的な)エネルギー移動の制御方法が使えないというのが1つの理由であ
る。なぜならば、電極からは常に層内の最もエネルギーの低いところにダイレクトにキャリアが流れ込んでしまうと考えられるため、階段状の段階的なエネルギー制御が可能な低分子有機EL装置で培われた電流注入効率の向上や、発光効率の向上の手法が直接適用できないという危惧が働くためである。
このため高分子型の有機EL素子、特に非共役系高分子を用いた高分子型の有機EL素子においては、低分子型のようなLUMOレベルや、HOMOレベルを制御することは提案されていない。
特開2005-26210号公報
本発明者らは、電流注入効率に優れる有機EL素子、該素子を提供するための非共役系高分子化合物、および該素子の用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の重合性正孔輸送性化合物Aと、特定の重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される特定の非共役系発光性高分子を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は電流の注入効率に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりに要約される。
[1]
重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される非共役系発光性高分子であって、
大気中光電子分光装置(AC2あるいはAC3 理研計器製)を用いて、ITO基板上に塗布成膜して測定した、重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャルと、重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとの差が−0.04eV〜0.04eVの範囲内であることを特徴とする非共役系発光性高分子。
〔2〕
前記重合性正孔輸送性化合物Aが下記式(1)で表され、重合性発光性化合物Bが下記式(2)で表されることを特徴とする[1]に記載の非共役系発光性高分子。
Figure 2008094910
Figure 2008094910
[3]
前記重合性正孔輸送性化合物Aが下記式(1)で表され、重合性発光性化合物Bが下記式(3)で表されることを特徴とする[1]に記載の非共役系発光性高分子。
Figure 2008094910
Figure 2008094910
[4]
陽極と陰極とに挟まれた少なくとも1層の有機層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記有機層の少なくとも1層が、[1]〜[3]のいずれかに記載の非共役系発光性高分子を含む発光層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[5]
[4]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする面発光光源。
[6]
[4]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする画像表示装置。
本発明の非共役系発光性高分子を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は電流の注入特性に優れる。
次に本発明について具体的に説明する。
<非共役系発光性高分子>
本発明の非共役系発光性高分子とは、重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される非共役系発光性高分子であって、大気中光電子分光装置(AC2あるいはAC3 理研計器製)を用いて、ITO基板上に塗布成膜して測定した、重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャル(以下、Ipとも記す)と、重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとの差(重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のIP−重合性発光性化合物Bの単独重合体のIP)が−0.04eV〜0.04eVの範囲内であることを特徴とするものである。
上記したように重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャルと重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとの差は−0.04eV〜0.04eVと非常に狭い。なお、上記条件で測定した際のイオン化ポテンシャルの差が−0.04eV〜0.04eVである場合、重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体と重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとは実質的に同一と言える。イオン化
ポテンシャルを大気中光電子分光装置(AC2あるいはAC3 理研計器製)を用いて測定する際には通常は3〜5回程度測定を行いその平均値より求めることが好ましい。
本発明において、重合性正孔輸送性化合物Aおよび重合性発光性化合物Bとしては、重合性官能基を少なくとも一つ有し、かつイオン化ポテンシャルの関係が上記関係を満たす限り特に限定はないが、具体的には、下記式(1)で表される重合性正孔輸送性化合物A(以下、v−MeOTABとも記す)と、下記式(2)で表される重合性発光性化合物B(以下、v−G1とも記す)との組合せや、v−MeOTABと、下記式(3)で表される重合性発光性化合物B(以下、v−Y1とも記す)との組合せが挙げられる。
下記式(2)および(3)で表される重合性発光性化合物Bは、共に燐光発光性を有するイリジウム錯体であるため、v−G1や、v−Y1を用いて共重合することにより得られた本発明の非共役系発光性高分子は、燐光発光性を有する。
Figure 2008094910
Figure 2008094910
Figure 2008094910
なお、上記式(1)〜(3)で表される化合物の単独重合体のイオン化ポテンシャルはそれぞれ、v−MeOTABが−5.40eV、v−G1が−5.40eV、v−Y1が−5.38eVである。
本発明において、重合性正孔輸送性化合物Aおよび重合性発光性化合物Bが有する重合性官能基の数としては、少なくとも一つであり、好ましくは一つである。
本発明に用いる重合性電子輸送性化合物Cとしては、重合性官能基を有し、かつ電子輸送性を有するものであれば、特に制限されず、公知の電子輸送性の化合物を用いることができる。これらのうちで、オキサジアゾール誘導体、トリアゾールボラン誘導体が好適に用いられる。重合性電子輸送性化合物Cは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性電子輸送性化合物Cの有する重合性官能基としては、例えば、アリル基、アルケニル基、アクリレート基、メタクリレート基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリレート基、ビニルアミド基およびこれらの誘導体などが挙げられる。これらのうちで、アルケニル基が好ましい。
上記重合性官能基がアルケニル基である場合を例に挙げると、重合性電子輸送性化合物Cは、具体的には、アルケニル基を、下記式(a1)〜(a12)で表される置換基として有することがより好ましい。これらのうちで、下記式(a1)、(a5)、(a8)、(a12)で表される置換基は、電子輸送性を有する化合物に容易に導入できるためさらに好ましい。
Figure 2008094910
上記重合性官能基がアルケニル基以外の官能基である場合は、上記式(a1)〜(a12)におけるアルケニル基を該官能基に置換したものが好ましい。
このような化合物(C)は、公知の方法によって製造することができる。
本発明の非共役系発光性高分子は、上述の重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される。
本発明の非共役系発光性高分子を製造する際には、さらに、他の重合性化合物を用いて
もよい。上記他の重合性化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレンおよびその誘導体などのキャリア輸送性を有さない化合物が挙げられるが、何らこれらに制限されるものではない。
上記非共役系発光性高分子化合物の製造方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合および付加重合のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましい。
上記非共役系発光性高分子化合物の重量平均分子量は、通常2,000〜2,000,000であり、好ましくは5,000〜1,000,000であることが望ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、上記非共役系発光性高分子化合物が有機溶媒に可溶であり、均一な薄膜を得られるため好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定される値である。
本発明の非共役系発光性高分子化合物を製造する際には、用いる重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとの量比は、通常は重合性正孔輸送性化合物Aが5〜60重量部であり、重合性発光性化合物Bが3〜40重量部であり、重合性電子輸送性化合物Cが30〜92重量部であり、好ましくは重合性正孔輸送性化合物Aが20〜40重量部であり、重合性発光性化合物Bが5〜10重量部であり、重合性電子輸送性化合物Cが50〜75重量部である(ただし、A〜Cの合計を100重量部とする)。
また他の重合性化合物を用いる場合には、A〜Cの合計100重量部とすると、通常は1〜50重量部の範囲で用いる。より好ましくは5〜20重量部の範囲で用いる。
本発明の非共役系発光性高分子は、上記イオン化ポテンシャルの関係を満たすため、該高分子を用いた有機EL素子は電流の注入特性に優れる。上記イオン化ポテンシャルの関係を満たす非共役系発光性高分子を用いた有機EL素子が電流の注入特性に優れる理由は明らかではないが、以下のように本発明者らは推定した。
測定することが可能な重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャルと、測定することが不可能な非共役系発光性高分子中の重合性正孔輸送性化合物Aに由来する構成単位のイオン化ポテンシャルとはほぼ等しく、また測定することが可能な重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルと、非共役系発光性高分子中の重合重合性発光性化合物Bに由来する構成単位のイオン化ポテンシャルとはほぼ等しいと本発明者らは推定している。このため本発明の非共役系発光性高分子を用いた有機EL素子は電流の注入特性に優れると考えられる。
本発明の非共役系発光性高分子を用いて、有機EL素子の発光層を形成する場合は、該高分子単独で発光層を形成することができる。
<有機EL素子>
本発明に係る有機EL素子は、陽極と陰極とに挟まれた少なくとも1層の有機層を含み、該有機層の少なくとも1層に、上述した非共役系発光性高分子を用いた特定の発光層が含まれる。本発明においては、後述のように簡便な塗布法で発光層を成膜でき、素子の大面積化が図れる。
上述の非共役系発光性高分子を用いて発光層を形成する場合、発光層の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような塗布法で製造できる。まず、上述の非共役系発光性高分子を溶解した溶液を調製する。上記溶液の調製に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒などが用いられる。次いで、このように調製した溶液を、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の湿式成膜法などにより基板上に成膜する。用いる化合物および成膜条件などに依存するが、例えば、スピンコート法やディップコート法の場合には、上記溶液は、非共役系発光性高分子を0.5〜5重量%の量で含むことが好ましい。
本発明に係る有機EL素子の構成の一例を図1に示すが、本発明に係る有機EL素子の構成は、これに制限されない。図1では、透明基板(1)上に設けた陽極(2)および陰極(6)の間に、正孔輸送層(3)、上記発光層(4)および電子輸送層(5)を、この順で設けている。上記有機EL素子では、例えば、陽極(2)と陰極(6)の間に、1)正孔輸送層/上記発光層、2)上記発光層/電子輸送層のいずれかを設けてもよい。また、上記発光層1層のみ設けてもよい。さらに、上記発光層を2層以上積層してもよい。
上記のような素子において、上述の燐光発光性を有する非共役系発光性高分子を含む発光層は、正孔輸送性、電子輸送性および発光性を併せ持つため、他の有機材料の層を設けない場合でも、高い発光効率および耐久性を有する有機EL素子を作製できる。
上記の各層は、バインダとして高分子材料などを混合して、形成してもよい。上記高分子材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどが挙げられる。
また、上記の各層に用いてもよい正孔輸送材料および電子輸送材料は、それぞれ単独で各層を形成しても、機能の異なる材料を混合して、各層を形成していてもよい。本発明に係る有機EL素子における発光層においても、本発明に係る非共役系発光性高分子化合物の他に、キャリア輸送性を補う目的で、さらに他の正孔輸送材料および/または電子輸送材料が含まれていてもよい。このような輸送材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
上記正孔輸送層を形成する正孔輸送材料、または発光層と混合させる正孔輸送材料としては、例えば、TPD(N,N’−ジメチル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン);α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル);m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;上記トリフェニルアミン誘導体に重合性官能基を導入して重合した高分子化合物;ポリパラフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレン等の蛍光発光性高分子化合物などが挙げられる。上記高分子化合物としては、例えば、特開平8−157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物などが挙げられる。上記正孔輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる正孔輸送材料を積層して用いてもよい。正孔輸送層の厚さは、正孔輸送層の導電率などに依存するが、通常、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
上記電子輸送層を形成する電子輸送材料、または発光層と混合させる電子輸送材料としては、例えば、Alq3(アルミニウムトリスキノリノレート)等のキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、トリアリールボラン誘導体等の低分子化合物;上記の低分子化合物に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物を挙げることができる。上記高分子化合物としては、例えば、特開平10−1665号公報に開示されているポリPBDなどが挙げられる
。上記電子輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる電子輸送材料を積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは、電子輸送層の導電率などに依存するが、通常、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
また、発光層の陰極側に隣接して、正孔が発光層を通過することを抑え、発光層内で正孔と電子とを効率よく再結合させる目的で、正孔・ブロック層が設けられていてもよい。上記正孔・ブロック層の形成には、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料が用いられる。
陽極と正孔輸送層との間、または陽極と陽極に隣接して積層される有機層との間に、正孔注入において注入障壁を緩和するために、バッファ層が設けられていてもよい。上記バッファ層を形成するためには、銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物などの公知の材料が用いられる。
陰極と電子輸送層との間、または陰極と陰極に隣接して積層される有機層との間に、電子注入効率を向上するために、厚さ0.1〜10nmの絶縁層が設けられていてもよい。上記絶縁層を形成するためには、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの公知の材料が用いられる。
本発明に係る有機EL素子に用いる陽極材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子など、公知の透明導電材料が好適に用いられる。この透明導電材料によって形成された電極の表面抵抗は、1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)であることが好ましい。陽極の厚さは50〜300nmであることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子に用いる陰極材料としては、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属;Mg、Ca、Ba等のアルカリ土類金属;Al;MgAg合金;AlLi、AlCa等のAlとアルカリ金属との合金など、公知の陰極材料が好適に用いられる。陰極の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。アルカリ金属、アルカリ土類金属などの活性の高い金属を使用する場合には、陰極の厚さは、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜50nmであることが望ましい。また、この場合には、上記陰極金属を保護する目的で、この陰極上に、大気に対して安定な金属層が積層される。上記金属層を形成する金属として、例えば、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Crなどが挙げられる。上記金属層の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。
本発明に係る有機EL素子の基板としては、上記発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板が好適に用いられ、具体的には、ガラスのほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の透明プラスチックなどが用いられる。
上記の正孔輸送層および電子輸送層の成膜方法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の乾式成膜法のほか、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の湿式成膜法などを用いることができる。低分子化合物の場合は、乾式成膜法が好適に用いられ、高分子化合物の場合は、湿式成膜法が好適に用いられる。
また、上記陽極材料の成膜方法としては、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法などが用いられ、上記陰極材料の成膜方法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが用いられる。
3.用途
本発明に係る有機EL素子は、公知の方法で、マトリックス方式またはセグメント方式による画素として画像表示装置に好適に用いられる。また、上記有機EL素子は、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。
本発明に係る有機EL素子は、具体的には、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信などに好適に用いられる。
〔実施例〕
次の本発明の実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、合成した重合性正孔輸送性化合物、重合性発光性化合物、および非共役系発光性高分子の分子量測定および組成解析は以下の方法で行った。
(1)高分子の分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置によって、以下の条件で行った。
カラム:Shodex KF-G+KF804L+KF802+KF801
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
温度:40℃
検出器:RI(Shodex RI-71)
(2)ICP元素分析
島津製作所製 ICPS 8000を用いてICP元素分析を行った。
〔製造例1〕ビニル基含有p−TAB(以下、v−p−TABとも記す)の合成
Figure 2008094910
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド3.150(8.8mmol)にテトラヒドロフラン20mlを加えた。次に氷冷しながらカリウム−t−ブトキシド0.989g(8.8mmol)を少しずつ加え、室温で1時間撹拌した。得られたスラリーを−78℃に冷却し、3,5−ジブロモベンズアルデヒド1.519g(5.8mmol)の20mlテトラヒドロフラン溶液を滴下した。反応液を室温にまで戻し、1時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製することによって3,5−ジブロモスチレン1.2g(4.6mmol)を得た。
次に3,5−ジブロモスチレン0.74g(2.8mmol)、ジ−p−トリルアミン1.11g(5.6mmol)、酢酸パラジウム0.038g(0.17mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン0.17g(0.84mmol)、カリウム−t−ブトキシド0.65g(5.8mmol)およびトルエン20mlの混合物を3.5時間加熱還流した。得られた反応液をセライトで濾過した後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによってv−p−TAB 1.25g(2.5mmol)を得た。
〔製造例2〕v−MeOTABの合成
上記製造例1において、ジ−p−トリルアミンの代わりにジ(4−メトキシフェニル)アミンを用いた以外は、v−p−TABの合成と同様な方法でv−MeOTABを合成した。
v−MeOTABの同定データは以下の通りである。
元素分析: 計算値(C363424) C,77.40;H,6.13;N,5.01.測定値 C,77.65;H,6.01;N,4.97.
質量分析(EI): 558(M+).

〔製造例3〕ビニル基含有m−TAB(以下、v−m−TABとも記す)の合成
Figure 2008094910
上記スキーム2のように合成した。詳細は以下に示すとおりである。
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド3.150g(8.8mmol)にテトラヒドロフラン20mLを加えた。次に氷冷しながらカリウム−t−ブトキシド0.989g(8.8mmol)を少しずつ加え、室温で1時間撹拌した。得られたスラリーを−78℃に冷却し、3,5−ジブロモベンズアルデヒド1.519g(5.8mmol)の20mLテトラヒドロフラン溶液を滴下した。反応液を室温にまで戻し、1時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって3,5−ジブロモスチレン1.2g(4.6mmol)を得た。
次に3,5−ジブロモスチレン0.74g(2.8mmol)、ジ−m−トリルアミン1.11g(5.6mmol)、酢酸パラジウム0.038g(0.17mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン0.17g(0.84mmol)、カリウム−t−ブトキシド0.65g(5.8mmol)およびトルエン20mLの混合物を3.5時間加熱還流し
た。得られた反応液をセライトで濾過した後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによってv−m−TAB1.33g(2.7mmol)を得た。
v−m−TABの同定データは以下の通りである。
元素分析: 計算値(C36342) C,87.41;H,6.93;N,5.66.
測定値 C,87.15;H,7.02;N,5.81.
質量分析(EI): 494(M+).
〔製造例4〕v−G1の合成
Figure 2008094910
2−ブロモ−4−ヒドロキシピリジン10g(57mmol)、4−t−ブチルフェニルボロン酸11g(62mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.0g(0.87mmol)、炭酸カリウム22g(160mmol)、1,2−ジメトキシエタン200mlおよび水150mlの混合物を、窒素気流中で5時間加熱還流した。得られた反応混合物の有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧で溶媒を留去した後、酢酸エチルに溶解してシリカゲルのカラムに通すことによって2−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシピリジンの粗生成物を8.7g得た。
次に得られた2−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロキシピリジン8.0g(35mmol)を50mlのピリジンに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物10g(35mmol)を滴下して、室温で12時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧で溶媒を留去して100mlの水を加え、200mlのクロロホルムで抽出して減圧で溶媒を留去することによって2−(4−t−ブチルフェニル)−4−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシピリジンの粗生成物を8.1g得た。
次に得られた2−(4−t−ブチルフェニル)−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシピリジン5.0g(14mmol)、トリ−n−ブチルビニルスズ4.5g(14mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.20g(0.17mmol)、塩化リチウム1.5g(35mmol)および1,4−ジオキサン100mlの混合物を、窒素気流中で7時間加熱還流した。反応液をセライトで濾過して減圧で溶媒を留去した後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/ヘキサン混合液)で精製することによって2−(4−t−ブチルフェニル)−4−ビニルピリジンを3.8g得た。
次に、得られた2−(4−t−ブチルフェニル)−4−ビニルピリジン1.0g(4.2mmol)、テトラキス(2−(2−ピリジル)−5−t−ブチルフェニル)ジクロロジイリジウム(特開2006−8996に記載された方法に従って合成した)2.5g(1.9mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀1.1g(4.3mmol)およびトルエン300mlの混合物を窒素気流中で3時間加熱還流した。この反応混合物をセライトでろ過した後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン混合液)で精製することによってv−G1 0.40gを得た。
v−G1の同定データは以下の通りである。
元素分析: 計算値(C4750IrN3) C,66.48;H,5.94;N,4.9
5.
測定値 C,66.61;H,6.00;N,4.74.
質量分析(ESI+): 850([M+H)+).

実施例および比較例においては、上記の合成したもの以外にも、上述の式(3)で表されるv−Y1、重合性発光性化合物Bである下記式(Q)で表される化合物(以下、v−G2とも記す)、重合発光性化合物Bである下記式(R)で表される化合物(以下、v−HMTPDとも記す)、および重合性電子輸送性化合物Cとして式(S)で表される化合物を用いた(以下、化合物(S)とも記す)。
Figure 2008094910
Figure 2008094910
Figure 2008094910
本発明の実施例および比較例に用いた重合性正孔輸送性化合物Aおよび重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルは以下の方法で測定した。
v−m−TABgを密閉容器にとり、脱水トルエン(9.9ml)を加えた。ついで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、198ul)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60度で60時間攪拌した。反応後、反応液をアセトン500ml中に滴下し、沈殿を得た。更にトルエンーアセトンでの際沈殿精製を2回繰り返した後50℃で一晩真空乾燥して、非共役系高分子の単独重合体を得た。得られた高分子の重量平均分子量は40000であった。
得られた単独重合体45mgをトルエン(和光純薬工業製、特級)2910mgに溶解し、得られた溶液を孔径0.2UMのフィルターで濾過して塗布溶液とした。25mm角のガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO電極がストライプ状に形成されたITO(酸化インジウム錫)付き基板(ニッポ電機、Nippo Electric Co., LTD.)に、上記の塗布溶液をスピンコート法により、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、窒素雰囲気下で、140℃にて一時間乾燥することにより、成膜した。得られた膜の膜厚は約100nmであった。膜を形成したITO基板を、大気中光電子分光装置(AC2 理研計器社製)にセットし、イオン化ポテンシャルを測定した。3回測定した平均値からイオン化ポテンシャルを求めたところ−5.64eVとなった。同様にして、v−HMTPD、v−p−TAB、v−MeOTAB、v−G1,v−G2、v−Y1のホモポリマーを重合し、成膜して測定した各単独重合体のイオン化ポテンシャルを測定したところ、それぞれ−5.57eV、−5.54eV、−5.40eV、−5.40eV
、−5.22eV、−5.38eVとなった。
〔非共役系発光性高分子の合成〕
密閉容器に、化合物v−MeOTAB、460mg、イリジウム錯体v−G1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は45000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.9であった。
なお用いたv−MeOTABおよびv−G1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.40eV−(−5.40eV)]は0.00eVである。
密閉容器に、化合物v−MeOTAB、460mg、イリジウム錯体v−Y1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は43000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.7であった。
なお用いたv−MeOTABおよびv−Y1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.40eV−(−5.38eV)]は−0.02eVである。
〔比較例1〕
密閉容器に、化合物v−p−TAB、460mg、イリジウム錯体v−G1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は44000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.9であった。
なお用いたv−p−TABおよびv−G1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.54eV−(−5.40eV)]は−0.14eVである。
〔比較例2〕
密閉容器に、化合物v−m−TAB、460mg、イリジウム錯体v−G1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は50000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.92であった。
なお用いたv−m−TABおよびv−G1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.64eV−(−5.40eV)]は−0.24eVである。
〔比較例3〕
密閉容器に、化合物v−MeOTAB、460mg、イリジウム錯体v−G2、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は48000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.8であった。
なお用いたv−MeOTABおよびv−G2の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.40eV−(−5.22eV)]は−0.18eVである。
〔比較例4〕
密閉容器に、化合物v−HMTPD、460mg、イリジウム錯体v−Y1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は46000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.8であった。
なお用いたv−HMTPD、およびv−Y1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.57eV−(−5.38eV)]は−0.19eVである。
〔比較例5〕
密閉容器に、化合物v−m−TAB、460mg、イリジウム錯体v−Y1、80mgおよび化合物(S)、460mgを入れ、脱水トルエン9.9mLを加えた。次いで、重合開始剤としてV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液0.1M、198μLを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、非共役系発光性高分子を得た。非共役系発光性高分子化の重量平均分子量(Mw)は43000、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.7であった。
なお用いたv−m−TABおよびv−Y1の単独共重合体のイオン化ポテンシャルの差[−5.64eV−(−5.38eV)]は−0.26eVである。
〔有機EL素子の作成と評価〕
25mm角のガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO電極がストライプ状に形成されたITO(酸化インジウム錫)付き基板(ニッポ電機、Nippo Electric Co., LTD.)を用いて有機発光素子を作製した。
はじめに、上記ITO付き基板のITO(陽極)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(スタルクヴィテック社製、商品名「バイトロンAI4083」)をスピンコート法により、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で塗布した後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥を行い、陽極バッファ層を形成
した。得られた陽極バッファ層の膜厚は約50nmであった。
次に、発光性化合物を含む層を形成するための塗布溶液を調製した。すなわち、実施例1で合成した非共役系発光性化合物45mgをトルエン(和光純薬工業製、特級)2910mgに溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して塗布溶液とした。次に
、陽極バッファ層上に、調製した塗布溶液をスピンコート法により、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、窒素雰囲気下で、140℃にて一時間乾燥することにより、発光性化合物層を形成した。得られた発光性化合物層の膜厚は約100nmであった。次に発光性化合物層を形成した基板を蒸着装置内に載置し、バリウムを蒸着速度0.01nm/sで5nmの厚さに蒸着し続いて、陰極としてアルミニウムを蒸着速度1nm/sで
150nmの厚さに蒸着し、素子を作製した。尚、バリウムとアルミニウムの層は、陽極の延在方向に対して直交する2本の幅3mmのストライプ状に形成し、1枚のガラス基板当たり、縦4mm×横3mmの有機EL素子を4個作製した。
(株)アドバンテスト製 プログラマブル直流電圧/電流源 TR6143を用いて上記有機EL素子に電圧を印加して発光させ、その発光輝度を(株)トプコン製 輝度計 BM-8を用いて測定した。その結果得られた電流と電圧の関係を図2、図3に示した。
〔比較例6〕
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、比較例1で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図2に示す。
〔比較例7〕
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、比較例2で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図2に示す。
〔比較例8〕
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、比較例3で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図3に示す。
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、実施例2で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図4に示す。
〔比較例9〕
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、比較例4で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図4に示す。
〔比較例10〕
塗布溶液として、実施例1で合成した非共役系発光性化合物に変えて、比較例5で合成した非共役系発光性化合物を用いたこと以外は実施例3と同様に行った。
電流と電圧の関係を図4に示す。
図2から4に記載するように、正孔輸送性化合物のHOMOレベルと発光性化合物のH
OMOレベルとの差が−0.04eV〜0.04eVの範囲内であるものが電流の注入効率が高いことが明らかである。
図1は、本発明に係る有機EL素子の例の断面図である。 図2は、実施例3、比較例6および比較例7の有機EL素子における電流と電圧の関係を示す図である。 図3は、実施例3および比較例8の有機EL素子における電流と電圧の関係を示す図である。 図4は、実施例4、比較例9および比較例10の有機EL素子における電流と電圧の関係を示す図である。
符号の説明
1: ガラス基板
2: 陽極
3: 正孔輸送層
4: 発光層
5: 電子輸送層
6: 陰極

Claims (6)

  1. 重合性正孔輸送性化合物Aと、重合性発光性化合物Bと、重合性電子輸送性化合物Cとを共重合することにより形成される非共役系発光性高分子であって、
    大気中光電子分光装置(AC2あるいはAC3 理研計器製)を用いて、ITO基板上に塗布成膜して測定した、重合性正孔輸送性化合物Aの単独重合体のイオン化ポテンシャルと、重合性発光性化合物Bの単独重合体のイオン化ポテンシャルとの差が−0.04eV〜0.04eVの範囲内であることを特徴とする非共役系発光性高分子。
  2. 前記重合性正孔輸送性化合物Aが下記式(1)で表され、重合性発光性化合物Bが下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の非共役系発光性高分子。
    Figure 2008094910
    Figure 2008094910
  3. 前記重合性正孔輸送性化合物Aが下記式(1)で表され、重合性発光性化合物Bが下記式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の非共役系発光性高分子。
    Figure 2008094910
    Figure 2008094910
  4. 陽極と陰極とに挟まれた少なくとも1層の有機層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層の少なくとも1層が、請求項1〜3のいずれかに記載の非共役系発光性高分子を含む発光層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする面発光光源。
  6. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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