JP2008093536A - 印刷基材の硬質被膜形成方法 - Google Patents
印刷基材の硬質被膜形成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】製品の上面硬度を上げるために被膜されたUVインキの紫外線照射による硬化時の平滑性を良好にすることによってUVインキによる硬質被膜の光沢性を向上するようにした印刷基材の硬質被膜形成方法を提供する。
【解決手段】印刷基材1又は剥離性フィルム3の少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、印刷基材1の面上にUVインキ2を塗布し、該UVインキ2の塗布面に剥離性フィルム3を圧着した後、印刷基材1又は剥離性フィルム3のうち透光性を有する側から紫外線4を照射してUVインキ2を硬化し、その後、剥離性フィルム3を印刷基材1から剥離することにより、印刷基材1の面上に平滑な上面の硬質被膜5を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】印刷基材1又は剥離性フィルム3の少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、印刷基材1の面上にUVインキ2を塗布し、該UVインキ2の塗布面に剥離性フィルム3を圧着した後、印刷基材1又は剥離性フィルム3のうち透光性を有する側から紫外線4を照射してUVインキ2を硬化し、その後、剥離性フィルム3を印刷基材1から剥離することにより、印刷基材1の面上に平滑な上面の硬質被膜5を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、印刷基材に被覆した紫外線硬化型インキ(本発明では「UVインキ」と略称する)の上面を平滑に仕上げる印刷基材の硬質被膜形成方法に関する。
例えば、ポリエステルやポリカーボネート等で作成されたプラスチック製品は、素材の性質上、上面硬度が低く、磨耗等によって傷付きやすいものである。このため、従来から、上記素材による製品の上面にUVインキを被覆することが行われている。このUVインキは、紫外線に反応する感光性樹脂で作られ、紫外線(UV光)を照射すると、瞬時で硬化してインキ被膜を硬化させ、これによって上面硬度を上げることが可能となる。
ところが、このUVインキは、硬化時のインキ被膜の収縮率が大きく、瞬間的な硬化によって、UVインキが平滑になる前に硬化し、その上面に凹凸の荒れが生じ、光がインキ上面で乱反射されるため、光沢性に欠けるという問題があった。
このような問題を解消する従来技術として、特許文献1を参照すると、この文献の発明は、非反射性又は乱反射性を有する基材の上面に、紫外線硬化型インキを用いて、文字、図形等よりなる所定の意匠を印刷形成することを特徴とし、紫外線を照射することにより、紫外線硬化型インキの上面を滑らかな仕上がりとするようにしたものである。
ところが、この発明においては、紫外線硬化型インキの上面は、従来と同様に開放された状態で紫外線照射による硬化を行うものであるため、インキの上面が滑らかな仕上がりになるとはいっても、その上面には硬化時のインキ被膜の収縮によって凹凸の荒れが生じ、光沢性を失うという問題は解消されていない。
特開平7−205345号公報
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたもので、製品の上面硬度を上げるために塗布されたUVインキの紫外線照射による硬化時の平滑性を良好にすることによって、UVインキによる硬質被膜の光沢性を向上するようにした印刷基材の硬質被膜形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1による印刷基材の硬質被膜形成方法は、印刷基材又は剥離性フィルムの少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、前記印刷基材の面上にUVインキを塗布し、該UVインキの塗布面に前記剥離性フィルムを圧着した後、前記印刷基材又は前記剥離性フィルムのうち透光性を有する側から紫外線を照射して前記UVインキを硬化し、その後、前記剥離性フィルムを前記印刷基材から剥離することにより、前記印刷基材の面上に平滑な上面の硬質被膜を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項2による印刷基材の硬質被膜形成方法は、印刷基材又は剥離性フィルムの少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、ロール状に巻回した長尺の印刷基材を引き出し、該引き出した印刷基材の面上にUVインキをコーティングし、次いで前記UVインキのコーティング面にロール巻きされた前記剥離性フィルムを引き出して圧着した後、前記印刷基材又は前記剥離性フィルムのうち透光性を有する側から紫外線を照射して前記UVインキを硬化し、その後、前記剥離性フィルムを前記印刷基材から剥離することにより、前記印刷基材の面上に平滑な上面の硬質被膜を形成することを特徴とする。
さらに、本発明の請求項3による印刷基材の硬質被膜形成方法は、請求項1又は2において、前記剥離性フィルムの前記UVインキに対する付着面に成形用の凹凸模様を形成し、該凹凸模様が前記UVインキの上面に形成されることを特徴とする。
本発明における印刷基材の硬質被膜形成方法によれば、剥離性フィルムがUVインキの上面に密着している状態で紫外線照射による瞬間硬化を行うため、UVインキに密着している剥離性フィルムの平滑性により、UVインキの上面に凹凸の収縮が生じるのを防止し、上面を平滑に仕上げることが可能となる。また、UVインキが硬化するまで、UVインキの上面に剥離性フィルムが付着されているため、UVインキにゴミ等が付着するのを防止することができる。そして、剥離性フィルムを印刷基材から剥離することによって、ゴミ付着のない、平滑な上面の硬質被膜を形成することができる。
また、本発明の方法によれば、印刷基材の上面に平滑で硬質の被膜を形成する作業を迅速に行うことができ、そのような硬質被膜で被覆された製品は、上面が硬質であり、磨耗キズ等が発生し難く、且つ平滑であり、良好な光沢性を発揮することが可能となる。
また、本発明方法において、剥離性フィルムのUVインキに対する付着面に、成形用の凹凸模様を形成し、この凹凸模様の成形面側をUVインキの上面に圧着し、紫外線を照射することにより、硬化したUVインキの上面に上記の凹凸模様を転写することが可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本実施例における印刷基材1の硬質被膜形成方法は、シート状の印刷基材1にUVインキ2による平滑な上面の硬質被膜5を形成するものである。
その具体的方法について説明すると、図1(a)に示すように、印刷基材1の面上に、スクリーン印刷等によりUVインキ2を塗布する。印刷基材1としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセテート等の合成樹脂材料のほか、他の合成樹脂材料、さらには紙材料、金属材料を使用してもよい。また、UVインキ2は、用途によって、色彩を有するもの、又は透明のものを使用する。その印刷内容は、文字、図形等、目的に応じて、所定の形状、或いは文字を印刷することとなる。
次いで、図1(b)に示すように、上記のUVインキ2の塗布面に剥離性フィルム3を圧着する。本発明においては、紫外線をUVインキ2に照射することから、印刷基材1又は剥離性フィルム3の少なくとも一方に透光性を有する材料を使用する必要がある。硬化前のUVインキ2は粘着性を有し、UVインキ2に剥離性フィルム3を圧着することにより、剥離性フィルム3はUVインキ2の上面に密着する。
なお、上記の剥離性フィルム3は、本発明においては、従来周知の剥離紙又は剥離フィルムのいずれをも含むものである。従って、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙及び紙を主体とする複合素材の少なくとも片面に剥離性能を持つ剥離剤を塗布したもの、ポリエステル、ポリプロピレン等のフィルム状合成樹脂を使用したものの他、硬化したUVインキ2に対して剥離性を有するものであれば使用可能である。ただし、UVインキ2に付着する面は平滑性を有する必要がある。
次に、図1(c)に示すように、上記の印刷基材1又はUVインキ2のうち透光性を有する側から紫外線照射装置4aによる紫外線4を照射してUVインキ2を硬化する。即ち、剥離性フィルム3が透明である場合は剥離性フィルム3の上方から紫外線4を照射し、又は剥離性フィルム3が透明でない場合は印刷基材1に透明の材料を使用して、図2に示すように、この印刷基材1の下方から紫外線4を照射する。なお、剥離性フィルム3と印刷基材1の両方が透明である場合は、通常の紫外線照射に従って剥離性フィルム3の上方から紫外線4を照射するとよい。
この紫外線照射によるUVインキ2の硬化は瞬時に行われる。このとき、従来のように、UVインキ2に剥離性フィルム3を付着していない状態であれば、硬化したUVインキ2の上面にUVインキ2の収縮による凹凸の荒れが生じる。本実施例においては、剥離性フィルム3がUVインキ2の上面に密着していることにより、UVインキ2の上面に収縮による凹凸が生じるのを防止し、UVインキ2の上面を平滑にすることができる。
上記の方法によって、UVインキ2の上面はすでに平滑の状態で硬化していることになる。その後、図1(d)に示すように、剥離性フィルム3を印刷基材1から剥離することによって、平滑な上面の硬質被膜5を得る。また、そのように硬化したUVインキ2の上面は、剥離性フィルム3が付着している状況下で硬化したものであるから、ゴミ等の付着を完全に防止し、UVインキ2の上面が平滑性を有することと併せて、良好な光沢性を発揮することができる。
また、本実施例の方法において、剥離性フィルム3のUVインキ2に対する付着面に、ヘアライン、スピン模様等の成形用の凹凸模様を形成し、この凹凸模様の成形面側をUVインキ2の上面に圧着し、上記のように紫外線4を照射することにより、硬化したUVインキ2の上面に上記の凹凸模様を転写することが可能となり、この方法でも、硬化したUVインキ2の上面は、凹凸模様以外の部分において平滑となる。
本実施例における印刷基材1の硬質被膜形成方法は、ロール状に巻回した長尺の印刷基材1にUVインキ2による平滑な上面の硬質被膜5を形成するものである。
本実施例に使用する印刷基材1、UVインキ2、剥離性フィルム3の材質等は実施例1と同様であるため、説明を省略する。その具体的方法は、図3(a)に示すように、ロール状に巻回した長尺の印刷基材1をロール6から引き出す。そして、引き出した印刷基材1の面上にUVインキ2をローラ7によりコーティングする。さらに、UVインキ2のコーティング面にロール巻きされた長尺の剥離性フィルム3を引き出してローラ8を使用した圧着によりラミネートする。これによって、UVインキ2のコーティング面に長尺の剥離性フィルム3が密着する。この状態で、印刷基材1又は剥離性フィルム3のうち透光性を有する側から紫外線照射装置4aによる紫外線4を照射するとUVインキ2が瞬時に硬化する。
本実施例においても、剥離性フィルム3がUVインキ2の上面に密着していることにより、UVインキ2の上面に収縮による凹凸が生じるのを防止し、UVインキ2の上面を平滑にすることができる。その後、剥離性フィルム3を印刷基材1から剥離することによって、平滑な上面の硬質被膜5を得ることができ、ゴミ等の付着を完全に防止し、UVインキ2の上面が平滑性を有することと併せて、良好な光沢性を発揮することとなる。
なお、上記の実施例1及び2においては、UVインキ2の紫外線照射による硬質被膜形成方法について説明してあるが、UVインキ2の代わりに油性インキ等の溶剤インキを使用した場合でも、この溶剤インキの上面に剥離性フィルム3が密着するため、上記と同様に、インキの硬化時に、インキの上面の収縮による変形が防止され、平滑な上面の硬質被膜5を得ることができる。
本実施例の方法においても、実施例1と同様に、剥離性フィルム3のUVインキ2に対する付着面に、ヘアライン、スピン模様等の成形用の凹凸模様を形成し、この凹凸模様の成形面側をUVインキ2の上面に圧着し、上記のように紫外線4を照射することにより、硬化したUVインキ2の上面に上記の凹凸模様を転写することが可能となり、この方法でも、硬化したUVインキ2は、凹凸模様以外の部分において平滑となる。
本発明の印刷基材の硬質被膜形成方法は、UVインキの紫外線照射による硬化時の上面を平滑にすることによってUVインキによる硬質被膜の光沢性を向上するようにした印刷基材の硬質被膜形成方法として利用することが可能である。
1 印刷基材
2 UVインキ
3 剥離性フィルム
4 紫外線
4a 紫外線照射装置
5 硬質被膜
6 ロール
7 ローラ
8 ローラ
2 UVインキ
3 剥離性フィルム
4 紫外線
4a 紫外線照射装置
5 硬質被膜
6 ロール
7 ローラ
8 ローラ
Claims (3)
- 印刷基材又は剥離性フィルムの少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、前記印刷基材の面上にUVインキを塗布し、該UVインキの塗布面に前記剥離性フィルムを圧着した後、前記印刷基材又は前記前記剥離性フィルムのうち透光性を有する側から紫外線を照射して前記UVインキを硬化し、その後、前記剥離性フィルムを前記印刷基材から剥離することにより、前記印刷基材の面上に平滑な上面の硬質被膜を形成することを特徴とする印刷基材の硬質被膜形成方法。
- 印刷基材又は剥離性フィルムの少なくとも一方に透光性を有する材料を使用し、ロール状に巻回した長尺の印刷基材を引き出し、該引き出した印刷基材の面上にUVインキをコーティングし、次いで前記UVインキのコーティング面にロール巻きされた前記剥離性フィルムを引き出して圧着した後、前記印刷基材又は前記剥離性フィルムのうち透光性を有する側から紫外線を照射して前記UVインキを硬化し、その後、前記剥離性フィルムを前記印刷基材から剥離することにより、前記印刷基材の面上に平滑な上面の硬質被膜を形成することを特徴とする印刷基材の硬質被膜形成方法。
- 前記剥離性フィルムの前記UVインキに対する付着面に成形用の凹凸模様を形成し、該凹凸模様が前記UVインキの上面に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷基材の硬質被膜形成方法。
Priority Applications (1)
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JP2006276298A JP2008093536A (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 印刷基材の硬質被膜形成方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100307545A1 (en) * | 2008-02-14 | 2010-12-09 | Yanmar Co., Ltd. | Underwater cleaning robot and auxiliary cleaning work machine |
KR101206197B1 (ko) | 2010-12-08 | 2012-11-28 | 주식회사 포스코 | 도장강판의 오렌지 필 제거 시스템 및 방법 |
JP2015030528A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 凸版印刷株式会社 | 台紙の製造方法および台紙 |
CN113878942A (zh) * | 2021-07-30 | 2022-01-04 | 上海纪烨物联网科技有限公司 | 桌布面板及其制作方法 |
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- 2006-10-10 JP JP2006276298A patent/JP2008093536A/ja active Pending
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