JP2008092627A - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動モータをスムーズに駆動して処理速度の低下を防止する。
【解決手段】 モータ制御装置は、モータの回転速度を検出する速度検出部と、モータを所定の速度以下にて回転させるために、モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、モータが所定量回転する毎に電流値を所定値分だけ減少させるモータ制御部であって、速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、を備える。
【選択図】図11
【解決手段】 モータ制御装置は、モータの回転速度を検出する速度検出部と、モータを所定の速度以下にて回転させるために、モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、モータが所定量回転する毎に電流値を所定値分だけ減少させるモータ制御部であって、速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、を備える。
【選択図】図11
Description
本発明は、モータを所定の速度以下にて回転させるために、モータを制御する電流の電流値を増減させるモータ制御装置およびモータ制御方法に関する。
イメージスキャナ等をはじめとする各種画像読み取り装置は、原稿から画像を読み取るためにイメージセンサ等の画像読み取りセンサを備えている。この画像読み取りセンサは、原稿から画像を読み取る際に、原稿に対して相対的に移動する。このように画像読み取りセンサを原稿に対して相対的に移動させるために、各種画像読み取り装置は、駆動モータを備えている。最近、このような画像読み取りセンサ等を移動させるための駆動モータとして、DCモータが使用されている(特許文献1等参照)。
特開2001−219613号公報
ところで、このような各種画像読み取り装置等では、画像読み取りセンサ等を駆動モータにより非常に遅い速度でゆっくりと移動させる必要がある場合がある。このような場合に、画像読み取りセンサ等を駆動モータにより非常に遅い速度でゆっくりと移動させるために、駆動モータに供給する電流の電流値を時間経過とともに徐々に増加させて、駆動モータの回転量が所定量に達する毎に電流値を所定値減少させる制御方法がある。この制御方法によれば、画像読み取りセンサ等を駆動モータにより非常に遅い速度にてゆっくりと移動させることができる。
しかし、このような制御方法にあっては、画像読み取りセンサ等を駆動モータにより移動させるときに、なかなか速度が上がらない場合があるという問題があった。このような場合、画像読み取りセンサ等を駆動モータによりスムーズに移動させることができず、このため、処理速度が低下するなどの不具合を招いた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動モータをスムーズに駆動して処理速度の低下を防止することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)モータの回転速度を検出する速度検出部と、
(B)前記モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるモータ制御部であって、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、
(C)を備えたことを特徴とするモータ制御装置である。
(A)モータの回転速度を検出する速度検出部と、
(B)前記モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるモータ制御部であって、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、
(C)を備えたことを特徴とするモータ制御装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)モータの回転速度を検出する速度検出部と、
(B)前記モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるモータ制御部であって、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、
(C)を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
(B)前記モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるモータ制御部であって、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、
(C)を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
このようなモータ制御装置にあっては、モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させる場合に、モータの回転速度に基づき所定値を変更することで、モータをスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上を図ることができる。
かかるモータ制御装置にあっては、前記モータ制御部は、前記電流値を時間経過に伴い段階的に増加させても良い。このようにモータ制御部が、電流値を時間経過に伴い段階的に増加させることで、モータをよりスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上をさらに図ることができる。
また、かかるモータ制御装置にあっては、前記モータ制御部は、前記電流値の増加率を時間経過に伴い変更しても良い。このようにモータ制御部が、電流値の増加率を時間経過に伴い変更することで、モータをよりスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上をさらに図ることができる。
また、かかるモータ制御装置にあっては、前記モータ制御部は、前記電流値の増加率を時間経過に伴い大きくしても良い。このようにモータ制御部が、電流値の増加率を時間経過に伴い大きくすることで、モータをよりスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上をさらに図ることができる。
また、かかるモータ制御装置にあっては、前記モータ制御部は、前記所定値を、減少前の前記電流値に基づき設定しても良い。このようにモータ制御部が、所定値を、減少前の電流値に基づき設定することで、モータをよりスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上をさらに図ることができる。
また、かかるモータ制御装置にあっては、前記モータ制御部は、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度と目標回転速度との差分に基づき前記所定値を変更しても良い。このようにモータ制御部が、モータの回転速度と目標回転速度との差分に基づき所定値を変更することで、モータをよりスムーズに駆動することができる。これにより、処理速度の向上をさらに図ることができる。
モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるステップと、
前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるステップと、
前記モータの回転速度を検出する速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するステップと、
を有することを特徴とするモータ制御方法。
前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるステップと、
前記モータの回転速度を検出する速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するステップと、
を有することを特徴とするモータ制御方法。
===画像読み取り装置の概要===
以下に本発明に係る画像読み取り装置の実施の形態について説明する。図1〜図3は、画像読み取り装置の一実施形態について説明したものである。図1は、画像読み取り装置の一実施形態を説明したものである。図2は、画像読み取り装置の内部構成の一例を説明する図である。図3は、画像読み取り装置のブロック構成の一例を説明する図である。
以下に本発明に係る画像読み取り装置の実施の形態について説明する。図1〜図3は、画像読み取り装置の一実施形態について説明したものである。図1は、画像読み取り装置の一実施形態を説明したものである。図2は、画像読み取り装置の内部構成の一例を説明する図である。図3は、画像読み取り装置のブロック構成の一例を説明する図である。
この画像読み取り装置10は、図1に示すように、コンピュータ装置20に有線または無線等により通信可能に接続される。ここで、画像読み取り装置10は、図1に示すように、一般にイメージスキャナと呼ばれる装置であり、原稿台12と、この原稿台12の上面部を開閉する原稿台カバー14とを備えている。原稿台12には、画像が読み取られる原稿15がセットされる。また、原稿台カバー14は、原稿台12の後端部にヒンジ部18を介して開閉自在に設けられている。
一方、コンピュータ装置20は、例えば、図1に示すように、コンピュータ本体22と、表示装置24と、入力装置26とを備えている。コンピュータ本体22は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成されている。ここでは、コンピュータ本体22は、FDドライブ装置28やCD−ROMドライブ装置30などの読み取り装置32を内部に備えている。この他に、コンピュータ本体22は、例えば、MO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVDドライブ装置などを備えても良い。また、表示装置24は、CRTディスプレイやプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等など、各種表示装置により構成される。入力装置26は、キーボード34やマウス36などにより構成される。
<画像読み取り装置>
画像読み取り装置10の内部には、図2に示すように、キャリッジ40と、このキャリッジ40を原稿台12に対して所定の間隔を保ちつつ図中矢印A方向に沿って平行に移動させる駆動機構42と、このキャリッジ40を支持しつつその移動を案内するガイド44とが設けられている。
画像読み取り装置10の内部には、図2に示すように、キャリッジ40と、このキャリッジ40を原稿台12に対して所定の間隔を保ちつつ図中矢印A方向に沿って平行に移動させる駆動機構42と、このキャリッジ40を支持しつつその移動を案内するガイド44とが設けられている。
キャリッジ40には、原稿台12を介して原稿15に対し光を照射する光源としての露光ランプ46と、原稿15により反射された反射光が入射するレンズ48と、このレンズ48を通じてキャリッジ40の内部に取り込まれた反射光を受光するイメージセンサ50とが設けられている。イメージセンサ50は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換素子が列状に配置されたリニアCCDセンサ等により構成されている。なお、このイメージセンサ50は、「画像読み取りセンサ」に相当する。イメージセンサ50により読み取られた画像のデータは、制御部52に出力される。
また、駆動機構42は、キャリッジ40に接続されたタイミングベルト54と、このタイミングベルト54が掛け渡された一対のプーリ55、56と、一方のプーリ55を回転駆動する駆動モータ58とを備えている。駆動モータ58は、制御部52からの制御信号によって駆動制御される。
さらに、この駆動機構42には、駆動モータ58の付近にエンコーダ90が設けられている。このエンコーダ90は、ロータリ式エンコーダであり、駆動モータ58の回転量を検出することによって、キャリッジ40の位置や移動距離、移動速度等を検出する。このエンコーダ90は、駆動モータ58の回転軸に一体的に設けられたエンコーダ符号板92と、このエンコーダ符号板92に隣接して設けられた検出部94とを有している。エンコーダ符号板92の外周縁部には、所定の間隔おきに小さなスリット(図示外)が多数形成されている。検出部94は、このエンコーダ符号板92の外周縁部に設けられたスリット(図示外)を検出して、駆動モータ58の回転量に応じたパルス信号を出力する。
<制御部>
制御部52は、図3に示すように、コントローラ60と、モータ制御部62と、ランプ制御部64と、センサ制御部66と、AFE(Analog Front End)部68と、デジタル処理回路70と、インターフェイス回路72とを備えている。さらに、AFE(Analog Front End)部68は、アナログ信号処理回路74と、A/D変換回路76とを備えている。
制御部52は、図3に示すように、コントローラ60と、モータ制御部62と、ランプ制御部64と、センサ制御部66と、AFE(Analog Front End)部68と、デジタル処理回路70と、インターフェイス回路72とを備えている。さらに、AFE(Analog Front End)部68は、アナログ信号処理回路74と、A/D変換回路76とを備えている。
コントローラ60は、コンピュータ本体22からの命令等に基づき、モータ制御部62やランプ制御部64、センサ制御部66、AFE(Analog Front End)部68、デジタル処理回路70、インターフェイス回路72を制御する。モータ制御部62は、コントローラ60からの命令により、キャリッジ40を移動させるための駆動モータ58の駆動制御を行う。また、ランプ制御部64は、露光ランプ46の発光を制御する。また、センサ制御部66は、イメージセンサ50の制御を行う。
また、AFE(Analog Front End)部68のアナログ信号処理回路74は、イメージセンサ50により読み取られた画像のアナログ信号に対して信号処理を行う。また、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76は、アナログ信号処理回路74により信号処理された画像の信号をデジタル信号へとA/D変換する。
デジタル処理回路70は、AFE(Analog Front End)部68のA/D変換回路76から送られてきたデジタル信号に対してデジタル信号処理を施す。ここでは、具体的にシェーディング補正等の補正処理をはじめ、各種画像処理などが施される。デジタル信号処理が施されたデジタル信号は、原稿15から読み取られた画像のデータ(画像データ)としてインターフェイス回路72により外部、即ちここでは当該画像読み取り装置10が接続されたコンピュータ本体22へと出力される。インターフェイス回路72は、この他に、コンピュータ本体22から画像読み取り装置10への命令(コマンド)等を受信するようになっている。
===露光ランプ===
露光ランプ46は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のLEDランプを備えている。これらRGB3色のLEDランプは、イメージセンサ50により原稿5から画像が読み取られるときに、それぞれ個別に異なるタイミングにて点灯される。つまり、例えば、3色のLEDランプは、レッド(R)→グリーン(G)→ブルー(B)の順にて点灯される。
露光ランプ46は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の3色のLEDランプを備えている。これらRGB3色のLEDランプは、イメージセンサ50により原稿5から画像が読み取られるときに、それぞれ個別に異なるタイミングにて点灯される。つまり、例えば、3色のLEDランプは、レッド(R)→グリーン(G)→ブルー(B)の順にて点灯される。
図4は、3色のLEDランプの発光順序の一例について説明したものである。露光ランプ46は、同図に示すように、RGB3色のLEDランプが、それぞれ1周期の期間内にて異なるタイミングで個別に点灯される。各色のLEDランプは、1周期の期間内にそれぞれ予め設定された所定の時間Tr、Tg、Tbだけ点灯される。そして、これら3色のLEDランプをそれぞれ所定の時間Tr、Tg、Tb点灯させるためには、1周期当たりトータルで露光時間Twが必要となる。
===イメージセンサ===
図5は、イメージセンサ50に設けられた光電変換素子の一例について説明したものである。本実施形態のイメージセンサ50は、光電変換素子として、同図に示すように、所定の方向に沿って1列に並んで配列された複数のフォトダイオード80と、電荷転送部82(CCD:charge-coupled device)と、複数のフォトダイオード80と電荷転送部82との間に各々設けられた複数のゲート84とを備えている。
図5は、イメージセンサ50に設けられた光電変換素子の一例について説明したものである。本実施形態のイメージセンサ50は、光電変換素子として、同図に示すように、所定の方向に沿って1列に並んで配列された複数のフォトダイオード80と、電荷転送部82(CCD:charge-coupled device)と、複数のフォトダイオード80と電荷転送部82との間に各々設けられた複数のゲート84とを備えている。
複数のフォトダイオード80には、それぞれ受けた光の量に応じて電荷が発生する。本実施形態では、これら複数のフォトダイオード80がそれぞれ、露光ランプ46から発せられて原稿台12に設置された原稿15において反射された光を受光する。すなわち、各フォトダイオード80は、それぞれ露光ランプ46から発せられた3色の光、即ち、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の各色の光を受光する。そして、これら複数のフォトダイオード80には、それぞれ受光した3色の光の量に応じた電荷Pが発生する。
各フォトダイオード80において発生した電荷Pは、それぞれ電荷転送部82へと転送される。各フォトダイオード80に発生した電荷Pが電荷転送部82へと転送される際には、各ゲート84(同図中グレーの部分参照)が開放される。各フォトダイオード80に発生した電荷Pは、ポテンシャル井戸の関係により電荷転送部82へと速やかに移動する。
電荷転送部82は、各フォトダイオード80から移動してきた電荷Pを一時的に蓄積し、その後、検出回路86に向けて順次転送する。検出回路86は、電荷転送部82により転送されてきた電荷の電荷量を逐次検出する。ここで検出回路86により検出された電荷Pの電荷量は、イメージセンサ50により読み取られた原稿台12の原稿15の画像を構成する1画素分のデータとなる。検出回路86は、転送されてきた電荷Pの電荷量の検出結果をAFE(Analog Front End)部68(図3参照)に出力する。
===従来の問題点及び解決方法===
<従来の問題点>
ところで、このような画像読み取り装置10では、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度でゆっくりと移動させる必要がある場合がある。このような場合に、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度でゆっくりと移動させるために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過とともに徐々に増加させるとともに、駆動モータ58の回転量が所定量に達する毎に電流値を所定値減少させるという駆動モータ58の制御方法がある。この制御方法によれば、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度にてゆっくりと移動させることができる。
<従来の問題点>
ところで、このような画像読み取り装置10では、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度でゆっくりと移動させる必要がある場合がある。このような場合に、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度でゆっくりと移動させるために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過とともに徐々に増加させるとともに、駆動モータ58の回転量が所定量に達する毎に電流値を所定値減少させるという駆動モータ58の制御方法がある。この制御方法によれば、キャリッジ40を駆動モータ58により非常に遅い速度にてゆっくりと移動させることができる。
しかし、このような制御方法にあっては、キャリッジ40を駆動モータ58により移動させるときに、なかなか速度が上がらない場合があるという問題があった。このような場合、キャリッジ40を駆動モータ58によりスムーズに移動させることができず、このため、処理速度が低下するなどの不具合を招いた。
<解決方法>
そこで、本実施形態では、速度検出部により駆動モータ58の回転速度を検出して、その検出した回転速度に基づき、電流値を減少させる所定値を変更して、駆動モータ58をスムーズに駆動してキャリッジ40の移動速度が適切になるようにする。
そこで、本実施形態では、速度検出部により駆動モータ58の回転速度を検出して、その検出した回転速度に基づき、電流値を減少させる所定値を変更して、駆動モータ58をスムーズに駆動してキャリッジ40の移動速度が適切になるようにする。
===駆動モータの制御===
まず、ここでは、駆動モータ58の制御方法について説明する。図6は、駆動モータ58の制御方法の一例について説明したものである。モータ制御部62は、駆動モータ58を制御するために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を設定する。ここで、モータ制御部62は、同図に示すように、キャリッジ40を移動させるために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を増大させる。これによって駆動モータ58が回転し、キャリッジ40は移動を開始する。キャリッジ40が1ライン分(例えば、画像読み取り解像度が1200dpiの場合には、1ライン=1/1200インチ)移動したときには、モータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を減少させる。
まず、ここでは、駆動モータ58の制御方法について説明する。図6は、駆動モータ58の制御方法の一例について説明したものである。モータ制御部62は、駆動モータ58を制御するために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を設定する。ここで、モータ制御部62は、同図に示すように、キャリッジ40を移動させるために、駆動モータ58を制御する電流の電流値を増大させる。これによって駆動モータ58が回転し、キャリッジ40は移動を開始する。キャリッジ40が1ライン分(例えば、画像読み取り解像度が1200dpiの場合には、1ライン=1/1200インチ)移動したときには、モータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を減少させる。
なお、ここでは、駆動モータ58を制御する電流の電流値をゼロにする。これにより、駆動モータ58が駆動を停止し、キャリッジ40が移動を終了する。モータ制御部62は、このような駆動モータ58を制御する電流の電流値を増やしたり、減らしたりする動作を繰り返す。これにより、キャリッジ40は移動と停止を繰り返す。
本実施形態では、さらに、モータ制御部62は、キャリッジ40を所定の速度以下の非常に遅い速度にてゆっくりと移動させるために、次のような制御を行っている。ここでいう所定の速度とは、PID制御等の他の制御方式では十分に安定した状態にて駆動モータ58を制御することができないような限界の速度のことである。つまり、モータ制御部62は、キャリッジ40を所定の速度以下の非常に遅い速度にてゆっくりと移動させるために、他の制御方式とは異なる制御方式を採用する。
図7は、キャリッジ40を所定の速度以下の非常に遅い速度にてゆっくりと移動させるための駆動モータ58の制御方法の一例について説明したものである。
ここで、モータ制御部62は、同図に示すように、駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過に伴い徐々に増大させる。なお、本実施形態では、モータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を初期電流値D0から順次、所定の時間間隔ΔTsにて所定幅ΔDtずつ段階的に増大させる。そして、駆動モータ58を制御する電流の電流値が徐々に増大して十分大きくなると、駆動モータが回転し始める。これにより、キャリッジ40が移動を開始する。
そして、キャリッジ40が移動を開始すると、キャリッジ40の移動量がエンコーダ90により検出される。ここで、キャリッジ40が所定距離移動した場合、即ちここでは、駆動モータ58が所定量回転した場合には、モータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を所定値Dmだけ減少させる。なお、本実施形態では、モータ制御部62は、エンコーダ90から出力されたパルス信号からエッジが入力される都度、駆動モータ58を制御する電流の電流値を所定値Dmだけ減少させる。
本実施形態では、この所定値Dmが、減少する前の電流値Dxに対して所定の設定率Ksを乗算して求められた値に設定されている。すなわち、ここでは、例えば、所定値Dmは、『Dm=Dx×Ks』の演算式により求められている。したがって、所定値Dmは、駆動モータ58が所定量回転する都度、それぞれ異なる値に設定されることがある。
このようにして駆動モータ58を制御する電流の電流値を所定値Dmだけ減少させた後、駆動モータ58は再び停止する。その後、モータ制御部62は、再び、駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過に伴い徐々に増大させる。これによって、駆動モータ58が回転し始めて、キャリッジ40が再び移動を開始する。
そして、駆動モータ58の回転量が再び所定量に達したときには、即ち、ここでは、エンコーダ90から出力されたパルス信号からエッジが入力されたときには、駆動モータ58を制御する電流の電流値を再び所定値Dmだけ減少させる。これによって、駆動モータ58は再び停止する。そしてまた、再び、モータ制御部62は駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過に伴い徐々に増大させる。
このようにしてモータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を時間経過に伴い徐々に増大させる動作と、駆動モータ58が所定量回転する毎に駆動モータ58を制御する電流の電流値を所定値Dmだけ減少させる動作とを、キャリッジ40が1ライン分移動するまで繰り返し実行する。これによって、キャリッジ40は、非常に微細な時間間隔にて移動と停止とを繰り返しながら所定の速度以下の非常に遅い速度にて移動することとなる。
===経過時間の取得===
本実施形態では、キャリッジ40が1ライン分移動するために要した時間を計測して、その計測した時間に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値の設定を変更する。
本実施形態では、キャリッジ40が1ライン分移動するために要した時間を計測して、その計測した時間に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値の設定を変更する。
モータ制御部62は、キャリッジ40が1ライン分移動するために要した時間を計測するタイマー(図示外)を備えている。モータ制御部62は、駆動モータ58を制御する電流の電流値を増大させる際に、タイマーによる時間計測を開始する。そして、モータ制御部62は、キャリッジ40が1ライン分の移動を終了した際に、タイマーによる時間計測を終了する。これにより、モータ制御部62は、キャリッジ40が1ライン分移動するために要した時間を計測する。
そして、モータ制御部62は、ここで計測された時間に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値の設定を変更する。具体的には、モータ制御部62は、計測された時間が所定時間よりも長い場合には、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きくなるようにその設定を変更する。つまり、キャリッジ40を1ライン分移動させる際に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きな値になるように設定を変更する。
ここで、駆動モータ58を制御する電流の電流値の設定を変更するか否かの判定基準となる所定時間としては、キャリッジ40が1ライン分移動する際に最低限確保されなければならない時間を基準にして設定されるのが好ましい。つまり、本実施形態では、キャリッジ40が1ライン分移動する際に、例えば、露光ランプ46のLEDランプの点灯時間、即ちここでは、RGB各色のLEDランプの点灯時間Tr、Tg、Tbのトータルの露光時間Twを少なくとも確保しなければならない。このことから、このトータルの露光時間Twを超えるような時間に所定時間を設定する必要がある。この他に、イメージセンサ50の各フォトダイオード80に発生した電荷Pを電荷転送部82へと移動させる処理を行うための時間について考慮しても良い。
なお、計測された時間が所定時間よりも短い場合には、駆動モータ58を制御する電流の電流値が小さな値になるように設定を変更しても良い。
===具体的な設定変更方法===
モータ制御部62は、計測した時間が所定時間よりも長い場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きな値になるように設定を変更する。ここで、モータ制御部62により実行される設定の変更方法について具体例を挙げて説明する。
モータ制御部62は、計測した時間が所定時間よりも長い場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きな値になるように設定を変更する。ここで、モータ制御部62により実行される設定の変更方法について具体例を挙げて説明する。
(A)初期電流値D0の変更
ここでは、初期電流値D0の設定値を変更する。初期電流値D0が大きくなるように設定を変更すれば、駆動モータ58を制御する電流の電流値をモータ制御部62が徐々に増大させるときに、より早い段階にて電流値を増大させることができる。これによって、駆動モータ58が回転し始めるタイミングを早めることができる。このことから、モータ制御部62が、駆動モータ58を制御する電流の電流値を初期電流値D0に設定してから駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
ここでは、初期電流値D0の設定値を変更する。初期電流値D0が大きくなるように設定を変更すれば、駆動モータ58を制御する電流の電流値をモータ制御部62が徐々に増大させるときに、より早い段階にて電流値を増大させることができる。これによって、駆動モータ58が回転し始めるタイミングを早めることができる。このことから、モータ制御部62が、駆動モータ58を制御する電流の電流値を初期電流値D0に設定してから駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
(B)電流値の増加率の変更
ここでは、所定の時間間隔ΔTsおよび所定幅ΔDtのうちの少なくともいずれか一方の設定を変更する。所定の時間間隔ΔTsが短くなるように設定を変更した場合には、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率を高めることができる。つまり、短時間で電流値を増大させることができる。このことから、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
ここでは、所定の時間間隔ΔTsおよび所定幅ΔDtのうちの少なくともいずれか一方の設定を変更する。所定の時間間隔ΔTsが短くなるように設定を変更した場合には、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率を高めることができる。つまり、短時間で電流値を増大させることができる。このことから、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
また、所定幅ΔDtがより大きな値なるように設定を変更した場合については、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率を高めることができる。つまり、短時間で電流値を増大させることができる。このことから、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
(C)電流値を減少させる所定値Dmの変更
ここでは、電流値を減少させる所定値Dmの設定を変更する。所定値Dmが小さくなるように設定すれば、駆動モータ58を制御する電流の電流値がモータ制御部62により減少された後、再びモータ制御部62が電流値を徐々に増大させる際に、スタートとなる電流値を大きな値にすることができる。これによって、次の電流値の増加の際に短時間で電流値を増大させることができる。このことから、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
ここでは、電流値を減少させる所定値Dmの設定を変更する。所定値Dmが小さくなるように設定すれば、駆動モータ58を制御する電流の電流値がモータ制御部62により減少された後、再びモータ制御部62が電流値を徐々に増大させる際に、スタートとなる電流値を大きな値にすることができる。これによって、次の電流値の増加の際に短時間で電流値を増大させることができる。このことから、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
(D)補足事項
なお、モータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長い場合、所定時間を超えた時間に応じて、これら初期電流値D0、所定の時間間隔ΔTs、所定幅ΔDtまたは所定値Dmの設定の変更を行っても良い。つまり、モータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長ければ長いほど、これら初期電流値D0、所定の時間間隔ΔTs、所定幅ΔDtまたは所定値Dmに大きな変更が加えられるようにしても良い。
なお、モータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長い場合、所定時間を超えた時間に応じて、これら初期電流値D0、所定の時間間隔ΔTs、所定幅ΔDtまたは所定値Dmの設定の変更を行っても良い。つまり、モータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長ければ長いほど、これら初期電流値D0、所定の時間間隔ΔTs、所定幅ΔDtまたは所定値Dmに大きな変更が加えられるようにしても良い。
図8Aは、モータ制御部62により計測された時間Tが所定時間を超えた時間に応じて初期電流値D0の設定を変更する場合の一例について説明したものである。なお、ここでは、所定時間が『9(ms)』に設定されている。モータ制御部62により計測された時間が『9(ms)』を超えた場合に、その超えた時間に応じて初期電流値D0の設定に変更が加えられる。
===キャリッジが行き過ぎた場合===
このようにしてモータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長い場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きな値になるように設定を変更した場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値が大きくなり過ぎてしまい、キャリッジ40が目標停止位置に到達してもその目標停止位置にてスムーズに停止させることができなくなってしまう虞が発生した。
このようにしてモータ制御部62により計測された時間が所定時間よりも長い場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより大きな値になるように設定を変更した場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値が大きくなり過ぎてしまい、キャリッジ40が目標停止位置に到達してもその目標停止位置にてスムーズに停止させることができなくなってしまう虞が発生した。
そこで、このようにしてキャリッジ40が目標停止位置を行き過ぎてしまった場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値がより小さな値になるように設定を変更することが行われると良い。この場合、キャリッジ40が目標停止位置を行き過ぎた距離に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値に大きな変更が加えられるようにすると良い。
図8Bは、キャリッジ40が目標停止位置を行き過ぎた距離Mに応じて初期電流値D0の設定を変更する場合の一例について説明したものである。なお、ここでは、キャリッジ40の行き過ぎた距離Mが所定の距離を超えた場合についてのみ、駆動モータ58を制御する電流の電流値に変更を加えるようになっている。ここでは、所定の距離として、1ライン分の距離(即ち具体的には、画像読み取り解像度が1200dpiの場合には、1ライン=1/1200インチ、ここでは『12』)を超えた場合に、駆動モータ58を制御する電流の電流値に変更を加えるようになっている。これは、キャリッジ40の行き過ぎた距離が1ライン分の距離よりも短かった場合には、次のラインの読み取り時に大きな影響を及ぼさないからである。キャリッジ40の行き過ぎた距離Mが1ライン分の距離を超えた場合には、原稿から画像を1ライン分読み飛ばすことになり、したがって、読み取り画質に悪影響を及ぼす虞が生じるからである。
ここでは、キャリッジ40の行き過ぎた距離Mが1ライン分の距離を超えた場合に、その超えた分の距離に応じて初期電流値D0の設定の変更量が変化している。このようにキャリッジ40の行き過ぎた距離Mが1ライン分の距離を超えた分の距離に応じて初期電流値D0の設定の変更量が異なることで、駆動モータ58に対してより適切な制御を実施することができる。
===その他の設定===
(A)電流値の増加率の設定
駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率については、次のように設定する。図9は、電流値の増加率の設定方法の一例について説明したものである。ここでは、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率が経過時間とともに徐々に大きくなっている。すなわち、所定の時間間隔ΔTsにて電流値が増加する所定幅ΔDtが、経過時間とともに徐々に大きくなっている。ここでは、所定幅ΔDtが、「+20」を初期値として、電流値に5回加算される毎に『+6』ずつ増大するように設定されている。つまり、所定幅ΔDtの増加量が『+6』に設定されている。これによって、所定幅ΔDtは、「+20」→「+26」→「+32」→「38」→「+44」といった順に徐々に増えている。そして、エンコーダ90から出力されたパルス信号にエッジが入力されて電流値が減少した後は、所定幅ΔDtは、また再び、「+20」を初期値として徐々に増加する。
(A)電流値の増加率の設定
駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率については、次のように設定する。図9は、電流値の増加率の設定方法の一例について説明したものである。ここでは、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率が経過時間とともに徐々に大きくなっている。すなわち、所定の時間間隔ΔTsにて電流値が増加する所定幅ΔDtが、経過時間とともに徐々に大きくなっている。ここでは、所定幅ΔDtが、「+20」を初期値として、電流値に5回加算される毎に『+6』ずつ増大するように設定されている。つまり、所定幅ΔDtの増加量が『+6』に設定されている。これによって、所定幅ΔDtは、「+20」→「+26」→「+32」→「38」→「+44」といった順に徐々に増えている。そして、エンコーダ90から出力されたパルス信号にエッジが入力されて電流値が減少した後は、所定幅ΔDtは、また再び、「+20」を初期値として徐々に増加する。
このように所定幅ΔDtが時間経過とともに徐々に増加することによって、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間をより短縮することができる。これによって、処理効率の向上をさらに図ることができる。
(B)電流値を減少させる所定値Dmの設定
電流値を減少させる所定値Dmについては、次のように設定すると良い。図10は、電流値を減少させる所定値Dmの設定方法の一例について説明したものである。ここでは、所定値Dmの設定を、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき変更する。具体的には、駆動モータ58の現在の回転速度と、目標回転速度との差分に基づき、所定値Dmの設定を変更する。
電流値を減少させる所定値Dmについては、次のように設定すると良い。図10は、電流値を減少させる所定値Dmの設定方法の一例について説明したものである。ここでは、所定値Dmの設定を、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき変更する。具体的には、駆動モータ58の現在の回転速度と、目標回転速度との差分に基づき、所定値Dmの設定を変更する。
まず、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)の取得方法について説明する。駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)は、エンコーダ90から出力されたパルス信号に基づき取得することができる。ここでは、エンコーダ90から出力される2種類のパルス信号ENC−A、ENC−Bに基づき、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)を取得する方法について説明する。
駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)は、エンコーダ90から出力されるこれら2種類のパルス信号ENC−A、ENC−Bのエッジの位相差に基づき取得することができる。つまり、これら2種類のパルス信号ENC−A、ENC−Bの1周期を「T」とすると、ここでは、これら2種類のパルス信号ENC−A、ENC−Bの位相差は、4分の1周期、即ち「1/4T」となっている。そして、現在のタイミングを「Nw」とすると、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)は、直前の2種類のパルス信号ENC−A、ENC−Bの位相差Tdに基づき簡単に求めることができる。つまり、『1周期T=4×Td』により求めることができる。
このようにして求められた駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき、電流値を減少させる所定値Dmの設定を変更する。本実施形態では、所定値Dmは、減少する前の電流値Dxに対して所定の設定率Ksを乗算して求められた値に設定されている。このことから、ここでは、所定値Dmの設定を変更する場合に、この所定の設定率Ksに対して変更を加えることとする。
所定の設定率Ksが下記の式(1)に示すように「固定値」と「補正値」とにわけられて設定されているとすると、即ち、「補正値」に対して変更を加えることになる。そして、「補正値」を下記の式(2)に示すように設定するとする。
所定の設定率Ks=固定値+補正値 …………(1)
補正値=係数×(現在回転速度−目標回転速度) …………(2)
所定の設定率Ks=固定値+補正値 …………(1)
補正値=係数×(現在回転速度−目標回転速度) …………(2)
係数を正の数とすると、現在回転速度<目標回転速度の関係が成り立つときには、補正値<0となり、所定の設定率Ksは小さくなる方向に変更される。したがって、駆動モータ58を制御する電流の電流値は、大きくなる方向に補正される。一方、現在回転速度>目標回転速度の関係が成り立つときには、補正値>0となり、所定の設定率Ksは大きくなる方向に変更される。したがって、駆動モータ58を制御する電流の電流値は、小さくなる方向に補正される。
このようにして電流値を減少させる所定値Dmに対して、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき変更を加えることによって、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができ、処理効率の向上を図ることができる。
===実際の処理手順===
図11は、モータ制御部62により実際に実施される駆動モータ58の制御手順の一例について説明したものである。
図11は、モータ制御部62により実際に実施される駆動モータ58の制御手順の一例について説明したものである。
ここで、モータ制御部62は、まず、これから読み取るラインが1ライン目か否かをチェックする(S102)。ここで、これから読み取るラインが1ライン目である場合には、ステップS104をスキップして、ステップS106へと進む。一方、これから読み取るラインが1ライン目ではなかった場合には、ステップS104において、前回1ライン分の画像を読み取る際に、キャリッジ40が目標停止位置から行き過ぎた距離Mを取得する(S104)。その後、ステップS106へと進む。
ステップS106において、モータ制御部62は、時間計測を開始する(S106)。この時間計測は、キャリッジ40が1ライン分移動するために要する時間を計測するためのものである。時間計測開始後、駆動モータ58を制御する電流の電流値として初期電流値D0を設定し、この初期電流値D0から電流値を順次、所定の時間間隔ΔTsにて所定幅ΔDtずつ段階的に増大させる(S108)。
そして、次に、モータ制御部62は、駆動モータ58が所定量回転したか否かをチェックする(S110)。ここで、駆動モータ58が所定量回転していた場合には、モータ制御部62は、次にステップS114へと進む。
一方、ステップS110において、駆動モータ58が所定量回転していなかった場合には、モータ制御部62は、次にステップS112へと進み、電流値に対して所定の時間間隔ΔTsにて所定幅ΔDtを加算した回数が所定回数(ここでは、例えば、『5回』)に達したか否かをチェックする。ここで、電流値に所定幅ΔDtを加算した回数が所定回数に達していなかった場合には、モータ制御部62は、次にステップS110へと戻り、再び駆動モータ58が所定量回転したか否かをチェックする(S110)。
他方、電流値に所定幅ΔDtを加算した回数が所定回数に達していた場合には、モータ制御部62は、次にステップS118へと進み、所定の時間間隔ΔTsにて電流値に加算する所定幅ΔDtに所定の増加量(ここでは、『+6』)を加算する設定を行う。これにより、電流値に加算される所定幅ΔDtが次回から増えることとなる。このようにして所定幅ΔDtに所定の増加量(ここでは、『+6』)を加算する設定を行った後、モータ制御部62は、次にステップS110へと戻り、再び駆動モータ58が所定量回転したか否かをチェックする(S110)。
そして、ステップS110にて駆動モータ58が所定量回転していることが判明してステップS114に進んだ場合には、モータ制御部62は、キャリッジ40が1ライン分の移動を終了したか否かをチェックする(S114)。ここで、キャリッジ40が1ライン分の移動を終了していなかった場合には、モータ制御部62は、次にステップS116へと進み、駆動モータ58を制御する電流の電流値を所定値Dmだけ減少させる(S116)。このようにして電流値を所定値Dmだけ減少させた後、モータ制御部62は、次にステップS112へと進み、電流値に対して所定の時間間隔ΔTsにて所定幅ΔDtを加算した回数が所定回数(ここでは、例えば、『5回』)に達したか否かをチェックする。
一方、キャリッジ40が1ライン分の移動を終了していた場合には、モータ制御部62は、次にステップS120へと進み、駆動モータ58を停止させる。その後、モータ制御部62は、次にステップS122へと進み、ステップS106にて開始した時間計測を終了する(S122)。これによって、モータ制御部62は、キャリッジ40が1ライン分移動するために要する時間を取得することができる。
その後、モータ制御部62は、次にステップS124へと進み、イメージセンサ50の各フォトダイオード80への電荷の蓄積が終了したか否かをチェックする(S124)。つまり、ここでは、例えば、露光ランプ46のRGB各色のLEDランプが点灯するトータルの露光時間Twが経過したか否かをチェックする。そして、イメージセンサ50の各フォトダイオード80への電荷の蓄積が終了した場合には、モータ制御部62は、次にステップS126へと進み、画像の読み取りが完了したか否かをチェックする(S126)。ここで、画像の読み取りが完了していた場合には、モータ制御部62は、処理を速やかに終了する。一方、画像の読み取りが完了していなかった場合には、モータ制御部62は、再び次のラインの読み取りを行うべく、次にステップS102へと戻り、処理を再開する。
===まとめ===
以上本実施形態にあっては、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値を減少させる所定値Dmの設定を変更することで、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができる。これにより、駆動モータ58をスムーズに駆動することができる。このことから、処理速度の向上を図ることができる。
以上本実施形態にあっては、駆動モータ58の現在の回転速度(キャリッジ40の現在の移動速度)に基づき、駆動モータ58を制御する電流の電流値を減少させる所定値Dmの設定を変更することで、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間を短縮することができる。これにより、駆動モータ58をスムーズに駆動することができる。このことから、処理速度の向上を図ることができる。
また、駆動モータ58を制御する電流の電流値の増加率が経過時間とともに徐々に大きくなるように設定されていることで、駆動モータ58が回転し始めるまでの時間をより短縮することができる。これにより、駆動モータ58をスムーズに駆動することができる。このことから、処理速度の向上を図ることができる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
以上、一実施形態に基づき説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<モータについて>
前述した実施の形態では、「モータ」として、イメージセンサ50(画像読み取りセンサ)を搭載したキャリッジ40を移動させる駆動モータ58を例にして説明したが、ここでいう「モータ」にあっては、必ずしもこのようなモータには限られない。すなわち、モータであれば、どのようなタイプのモータであっても構わない。
前述した実施の形態では、「モータ」として、イメージセンサ50(画像読み取りセンサ)を搭載したキャリッジ40を移動させる駆動モータ58を例にして説明したが、ここでいう「モータ」にあっては、必ずしもこのようなモータには限られない。すなわち、モータであれば、どのようなタイプのモータであっても構わない。
<モータ制御装置について>
前述した実施の形態では、「モータ制御装置」として画像読み取り装置10に搭載された装置を例にして説明したが、ここでいう「モータ制御装置」にあっては、必ずしもこのようなモータには限られない。すなわち、モータを制御するモータ制御部を備えたモータ制御装置であれば、どのようなタイプのモータ制御装置であっても構わない。
前述した実施の形態では、「モータ制御装置」として画像読み取り装置10に搭載された装置を例にして説明したが、ここでいう「モータ制御装置」にあっては、必ずしもこのようなモータには限られない。すなわち、モータを制御するモータ制御部を備えたモータ制御装置であれば、どのようなタイプのモータ制御装置であっても構わない。
10 画像読み取り装置、12 原稿台、14 原稿台カバー、15 原稿、
18 ヒンジ部、20 コンピュータ装置、22 コンピュータ本体、
24 表示装置、26 入力装置、28 FDドライブ装置、
30 CD−ROMドライブ装置、32 読み取り装置、34 キーボード、
36 マウス、40 キャリッジ、42 駆動機構、44 ガイド、
46 露光ランプ、48 レンズ、50 イメージセンサ、52 制御部、
54 タイミングベルト、55 プーリ、56 プーリ、58 駆動モータ、
60 コントローラ、62 モータ制御部、64 ランプ制御部、
66 センサ制御部、68 AFE(Analog Front End)部、
70 デジタル処理回路、72 インターフェイス回路、
74 アナログ信号処理回路、76 A/D変換回路、
80 フォトダイオード、82 電荷転送部、84 ゲート、
90 エンコーダ、92 エンコーダ符号板、94 検出部
18 ヒンジ部、20 コンピュータ装置、22 コンピュータ本体、
24 表示装置、26 入力装置、28 FDドライブ装置、
30 CD−ROMドライブ装置、32 読み取り装置、34 キーボード、
36 マウス、40 キャリッジ、42 駆動機構、44 ガイド、
46 露光ランプ、48 レンズ、50 イメージセンサ、52 制御部、
54 タイミングベルト、55 プーリ、56 プーリ、58 駆動モータ、
60 コントローラ、62 モータ制御部、64 ランプ制御部、
66 センサ制御部、68 AFE(Analog Front End)部、
70 デジタル処理回路、72 インターフェイス回路、
74 アナログ信号処理回路、76 A/D変換回路、
80 フォトダイオード、82 電荷転送部、84 ゲート、
90 エンコーダ、92 エンコーダ符号板、94 検出部
Claims (7)
- (A)モータの回転速度を検出する速度検出部と、
(B)前記モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるとともに、前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるモータ制御部であって、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するモータ制御部と、
(C)を備えたことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記モータ制御部は、前記電流値を時間経過に伴い段階的に増加させることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記モータ制御部は、前記電流値の増加率を時間経過に伴い変更することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
- 前記モータ制御部は、前記電流値の増加率を時間経過に伴い大きくすることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
- 前記モータ制御部は、前記所定値を、減少前の前記電流値に基づき設定することを特徴とする請求項1〜4に記載の画像読み取り装置。
- 前記モータ制御部は、前記速度検出部により検出された前記モータの回転速度と目標回転速度との差分に基づき前記所定値を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
- モータを所定の速度以下にて回転させるために、前記モータを制御する電流の電流値を時間経過に伴い増加させるステップと、
前記モータが所定量回転する毎に前記電流値を所定値減少させるステップと、
前記モータの回転速度を検出する速度検出部により検出された前記モータの回転速度に基づき前記所定値を変更するステップと、
を有することを特徴とするモータ制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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