JP2008092454A - 積層電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサとコイルとを含む積層電子部品において、設定できる共振周波数の範囲を広げること。
【解決手段】コイルとコンデンサとを含む積層電子部品1。第1のセラミック層2と、複数の前記第1のセラミック層2の層間に配置された第2のセラミック層3とは、積層体を構成する。第1の内部電極6は、前記各第1のセラミック層2に形成され、それぞれが電気的に接続されてコイルを構成する。第2の内部電極8は、前記各第2のセラミック層3に形成され、それぞれが電気的に接続されてコンデンサ電極を構成する電極であって、前記積層体の積層方向から見たときに前記第1の内部電極6と略重なる形状を有する。前記コンデンサ電極と前記コイルとの間に静電容量が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層電子部品及びその製造方法、より特定的には、コイル及びコンデンサを内蔵する積層電子部品及びその製造方法に関する。
従来、セラミック積層体に直列又は並列に接続されたコンデンサとコイルとを内蔵する積層電子部品が種々提供されている。この種の積層電子部品としては、特許文献1に示す共振回路部品が提案されている。
前記共振回路部品は、セラミック積層体と、該セラミック積層体の内部に形成されたコンデンサ及びコイルと、セラミック積層体の両端部に形成された外部電極とを備えている。コンデンサは、一の積層面に形成された第1及び第2のコンデンサ電極からなる。コイルは、複数のコイル導体がビアホールを介して接続されてなり、コイル軸はセラミック積層体の積層方向と平行に配置されている。コンデンサとコイルとは積層方向に積み重ねられ、かつ、第1及び第2のコンデンサ電極は積層方向に透視してコイルの内径と重なる部分の少なくとも一部が欠除されている。
特許文献1に記載の共振回路部品によれば、コイルの内径と重なる部分のコンデンサ電極が欠除されているので、コンデンサ電極がコイルの磁束を妨げることがなくなる。その結果、コンデンサの存在によるコイルのL値の低下を防止できる。
しかしながら、特許文献1に記載の共振回路部品では、コンデンサの容量値の調整幅が狭いので、共振周波数の設定可能な範囲が狭いという問題が存在する。より詳細には、前記共振回路部品では、コンデンサ電極は、コイルの磁束を妨げないように、積層方向においてコイルの上方又は下方に1層ずつ配置される。このように、コンデンサ電極が1層だけしか形成されない場合には、該コンデンサ電極の面積を変化させてコンデンサの容量値を調整するため、該コンデンサの容量値の調整幅が狭くなってしまう。その結果、共振回路部品の共振周波数の設定可能な範囲が狭くなってしまう。
なお、特許文献2には、複数の絶縁層からなる積層構造を有するチップ状の積層体を備え、コンデンサのためのコンデンサ電極並びにインダクタのためのコイルパターンを、それぞれ、特定の絶縁層上に形成し、必要な電気的接続をビアホール接続部によって達成する共振回路部品が記載されている。しかしながら、設定できる共振周波数の範囲を広げることに関する記載はない。
特開2005−328468号公報 特開平11−284470号公報
そこで、本発明の目的は、コンデンサとコイルとを含む積層電子部品において、高いL値を得ると共に、設定できる共振周波数の範囲を広げることである。
本発明は、積層電子部品において、複数の第1のセラミック層と、該複数の第1のセラミック層の層間に配置された複数の第2のセラミック層とにより構成された積層体と、前記各第1のセラミック層に形成され、それぞれが電気的に接続されてコイルを構成する第1の電極と、前記各第2のセラミック層に形成され、それぞれが電気的に接続されてコンデンサ電極を構成する電極であって、前記積層体の積層方向から見たときに前記第1の電極と略重なる形状を有する第2の電極とを備え、前記コンデンサ電極と前記コイルとの間に静電容量が形成されていること、を特徴とする。
以上のように、本発明に係る積層電子部品によれば、積層方向から見たときに第1の電極と第2の電極とが略重なるので、コンデンサ電極の存在によりコイルの磁束が妨げられることが防止される。その結果、コンデンサ及びコイルを含む積層電子部品1において、高いL値を得ることができる。更に、本発明に係る積層電子部品によれば、第2の電極の数を変更することにより、コイルのL値を変化させることなく、コンデンサの容量値を変化させることができるので、共振周波数の設定可能な範囲を広げることが可能となる。
本発明において、前記各第1の電極は、積層方向から見たときに、それぞれが重なって一つの環を形成していることが好ましい。また、本発明において、前記各第2の電極は、積層方向から見たときに、それぞれが重なって前記環に重なる環を形成していることが好ましい。これにより、コイルの径を大きくとることができ、コイルのL値を大きくすることが可能となる。
本発明において、前記積層体の表面に形成される外部電極、を更に備え、前記コンデンサ電極の一端は前記外部電極に接続され、前記コンデンサ電極の他端は前記コイルと絶縁されていてもよい。また、前記コイル及び前記コンデンサ電極は、ノイズフィルタを構成していてもよい。
本発明に係る積層電子部品は、以下に示す製造方法によって製造可能である。具体的には、コイルとコンデンサとを含む積層電子部品の製造方法において、セラミックグリーンシート上にコイルを構成する第1の電極を形成する工程と、セラミックグリーンシート上にコンデンサ電極を構成する第2の電極を形成する工程と、前記各セラミックグリーンシートに、前記各第1の電極同士を接続するビア導体と、前記各第2の電極同士を接続するビア導体とを形成する工程と、前記第1の電極が形成されたセラミックグリーンシートの層間に前記第2の電極が形成されたセラミックグリーンシートが挟まれるように積層する工程であって、積層方向から見たときに前記第1の電極と前記第2の電極とが略重なりつつ、該第1の電極と該第2の電極との間で静電容量が形成されるように、セラミックグリーンシートを積層する工程と、を備えることを特徴とする。これにより、本発明に係る積層電子部品を好適に作製することが可能である。
本発明は、第2の電極が、電気的に接続されてコンデンサ電極を構成しかつ、積層体の積層方向から見たときに第1の電極と略重なる形状を有し、更に、コンデンサ電極とコイルとの間に静電容量が形成されているので、高いL値を得ると共に、コンデンサとコイルとを含む積層電子部品において、設定できる共振周波数の範囲を広げることができる。
以下に、本発明に係る積層電子部品及びその製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
(積層電子部品の構成)
図1は、積層電子部品1の断面構造図である。図2は、積層電子部品1の分解斜視図である。図3は、積層電子部品1の外観斜視図である。図4は、積層電子部品1の等価回路図である。
積層電子部品1は、コイルL及びコンデンサCを内蔵する。図1において、コイルLが形成されている領域をコイル領域20と称し、コイル領域20の積層方向の上下に配置されかつ、コイルLが形成されていない領域を外層領域23と称す。また、コイル領域20の内、コンデンサCが形成されている領域を容量領域21と称し、コンデンサCが形成されていない領域を非容量領域22と称す。
積層電子部品1は、図2に示すように、第1のセラミック層2、第2のセラミック層3、第3のセラミック層4及び第4のセラミック層5を備える。第1のセラミック層2と第2のセラミック層3とは、容量領域21において交互に積層される。第1のセラミック層2と第4のセラミック層5とは、コイル領域20の上部に配置された非容量領域22において交互に積層される。第3のセラミック層4は、積層方向の上下方向からコイル領域20を挟むように積層される。第1のセラミック層2、第2のセラミック層3、第3のセラミック層4及び第4のセラミック層5により図1に示す積層体10が構成される。そして、図1及び図3に示すように、積層体10の側面には第1の外部電極11及び第2の外部電極12が形成される。
第1のセラミック層2、第2のセラミック層3、第3のセラミック層4及び第4のセラミック層5はMaTiO3−CaTiO3系の誘電体セラミック層であり、その誘電率は20程度である。また、第1のセラミック層2、第2のセラミック層3、第3のセラミック層4及び第4のセラミック層5は、セラミックを含む樹脂(コンポジット)又は磁性体セラミックであってもよい。
第1のセラミック層2の主面には、第1の内部電極6が形成され、第1のビア導体7が該第1のセラミック層2を積層方向に貫通するように形成される。更に、容量領域21に配置された第1のセラミック層2には、第2のビア導体9が該第1のセラミック層2を積層方向に貫通するように形成される。
第2のセラミック層3には、第2の内部電極8が形成され、第1のビア導体7及び第2のビア導体9が該第2のセラミック層3を積層方向に貫通するように形成される。第4のセラミック層5には、第1のビア導体7が、該第4のセラミック層5を積層方向に貫通するように形成される。
第1の内部電極6は、コイルLを構成し、Agにより形成される。また、第1の内部電極6は、Ni,Cu,Pd,Ag−Pd合金,Auなどの金属により形成されてもよい。第1の内部電極6は、環状の配線の一部を切り欠いた形状を有しており、各第1の内部電極6が第1のビア導体7により接続されることにより、螺旋形状を有するコイルLが形成される。積層方向の最も上方に配置される第1の内部電極6は、積層体10の外部へと延びる引き出し電極6aを有する。また、積層方向の最も下方に配置される第1の内部電極6は、積層体10の外部へと延びる引き出し電極6bを有する。このコイルLは、積層方向から見たときに、第1の内部電極6が互いに重なり合うことで、一つの環を形成している。
第2の内部電極8は、コンデンサCの一方の電極を構成し、Agにより形成される。また、第2の内部電極8は、Ni,Cu,Pd,Ag−Pd合金,Auなどの金属により形成されてもよい。第2の内部電極8は、第1の内部電極6と同様に環状の配線の一部を切り欠いた形状を有しており、各第2の内部電極8が第2のビア導体9により接続されることにより、螺旋形状を有するコンデンサCのコンデンサ電極が形成される。積層方向の最も下方に配置される第2の内部電極8は、積層体10の外部へと延びる引き出し電極8aを有する。
第2の内部電極8により構成されるコンデンサ電極は、前記コイルLの一部と対向することによりコンデンサCを構成する。すなわち、コイルLの一部と第2の内部電極8により構成されるコンデンサ電極とは、互いに絶縁されており、これらの間に静電容量が形成されている。コンデンサCのコンデンサ電極は、積層方向から見たときに、第2の内部電極8が互いに重なり合うことで、一つの環を形成している。そして、コンデンサCのコンデンサ電極が形成する環と、コイルLが形成する環とは、重なって一つの環を構成する。なお、コンデンサCのコンデンサ電極が形成する環と、コイルLが形成する環との重なりの程度は、積層方向から見たときに、各内部電極の間に隙間ができない程度が好ましい。
第1のビア導体7及び第2のビア導体9は、Agにより形成される。また、第1のビア導体7及び第2のビア導体9は、Agに代えて、Ni,Cu,Pd,Ag−Pd合金,Auなどの金属により形成されてもよい。第1のビア導体7は、隣接する第1の内部電極6同士を接続する。第2のビア導体9は、隣接する第2の内部電極8同士を接続する。
第1の外部電極11及び第2の外部電極12は、Ag上にNiめっき及びSnめっきが施されて形成される。また、第1の外部電極11及び第2の外部電極12は、Agに代えて、Ni,Cu,Pd,Ag−Pd合金,Auなどの金属により形成されてもよい。第1の外部電極11は、図1及び図3に示すように、積層体10の側面に形成され、引き出し電極6a及び引き出し電極8aが電気的に接続される。第2の外部電極12は、図1及び図3に示すように、第1の外部電極11が形成された側面と対向する側面に形成され、引き出し電極6bが電気的に接続される。
以上のような積層電子部品1は、図4に示すように、コイルLとコンデンサCとが並列に接続された回路を構成し、ノイズフィルタとして用いられる。
(積層電子部品の製造方法)
次に、積層電子部品1の製造方法について説明する。まず、セラミックグリーンシートを準備する。次に、第1のセラミック層2、第2のセラミック層3及び第4のセラミック層5に用いるセラミックグリーンシートに対して、レーザやNCパンチにより、ビアホールを形成する。
次に、第1のセラミック層2及び第2のセラミック層3に用いるセラミックグリーンシートに対して、導電性ペーストを所定のパターンにスクリーン印刷により印刷すると共に、前記ビアホールに対して導電性ペーストを充填する。更に、第4のセラミック層5に用いるセラミックグリーンシートの前記ビアホールに対して、導電性ペーストを充填する。
次に、セラミックグリーンシートを下から上へと順に積層する。具体的には、第3のセラミック層4に用いるセラミックグリーンシートを3枚積層して外層領域23を形成する。次に、第1のセラミック層2と第4のセラミック層5とに用いるセラミックグリーンシートを順に積層し、更に、第1のセラミック層2と第2のセラミック層3とに用いるセラミックグリーンシートを交互に積層してコイル領域20及び容量領域21を形成する。次に、第1のセラミック層2と第4のセラミック層5とに用いるセラミックグリーンシートを交互に積層してコイル領域20(非容量領域22)を形成する。最後に、第3のセラミック層4に用いるセラミックグリーンシートを3枚積層して外層領域23を形成する。そして、これらセラミックグリーンシートを圧着する。この際、静水圧プレスなどにより、積層方向の上下方向から各セラミックグリーンシートを圧着することが好ましい。これにより、マザー積層体を得る。
次に、マザー積層体を所定のサイズにカットし、生のセラミックの積層体を得る。この生のセラミックの積層体を、大気、窒素、又は、水蒸気と窒素の混合気の雰囲気中において900℃〜1300℃で焼成する。これにより、焼成された積層体10を得る。
次に、スクリーン印刷により、積層体10の側面に導電性ペーストを印刷し、第1の外部電極11及び第2の外部電極12のパターンを形成する。その後、該パターンを、大気、窒素、又は、水蒸気と窒素の混合気の雰囲気中において700℃〜900℃で焼付ける。これにより、第1の外部電極11及び第2の外部電極12が形成される。更に、第1の外部電極11及び第2の外部電極12の表面にNiめっき及びSnめっきを施す。以上の工程を経て、積層電子部品1が完成する。
なお、積層電子部品1は、スクリーン印刷法以外に、印刷法或るいは転写法によっても作製可能である。該印刷法は、セラミックグリーンシートを印刷する工程と、印刷したセラミックグリーンシートに内部電極を印刷する工程とを繰り返してマザー積層体を得る方法である。また、転写法は、ベースフィルム上に形成した内部電極と、ベースフィルム上に形成したセラミックグリーンシートとを交互に転写する工程を繰り返してマザー積層体を得る方法である。
(効果)
以上のように、積層電子部品1によれば、積層方向から見たときに、コンデンサCのコンデンサ電極が形成する環と、コイルLが形成する環とが、重なって一つの環を構成しているので、コンデンサCの存在によりコイルLの磁束が妨げられることが防止される。その結果、コンデンサC及びコイルLを含む積層電子部品1において、高いL値を得ることができる。
更に、積層電子部品1によれば、第2の内部電極8の数を変更することにより、コイルLのL値を変化させることなく、コンデンサCの容量値を変化させることができる。そのため、コンデンサCとコイルLとを含む積層電子部品1をノイズフィルタに用いた場合において、該ノイズフィルタの共振周波数の設定可能な範囲を広げることが可能となる。
更に、積層電子部品1によれば、コンデンサCの位置及び引き出し電極8aの位置を変化させることによっても、ノイズフィルタの共振周波数を変化させることが可能である。以下に、図5〜図9を用いて変形例を示しながら詳しく説明する。
(変形例)
図5は、積層電子部品1の第1の変形例に係る積層電子部品30の断面構造図である。図6は、積層電子部品30の等価回路図である。図7は、積層電子部品1の第2の変形例に係る積層電子部品40の断面構造図である。図8は、積層電子部品40の等価回路図である。図9は、積層電子部品1,30,40の挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は挿入損失(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。挿入損失が最も低くなっている周波数が共振周波数である。
積層電子部品30では、図5に示すように、第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の上半分の領域に配置される。更に、引き出し電極8aは、積層体10の略中央から第2の外部電極12に接続される。これにより、積層電子部品30は、図6に示すような回路構成をとるようになる。具体的には、第2の内部電極8により構成されるコンデンサ電極はコイルLの中央部分と対向し、該コンデンサ電極は第2の外部電極12と接続される。その結果、コンデンサCには、コイルLの略中央部における電位と第2の外部電極12における電位との差に相当する電圧が印加される。
また、積層電子部品40では、図7に示すように、第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の下半分の領域に配置される。更に、引き出し電極8aは、最も下方に配置された第2の内部電極8に設けられ、第2の外部電極12に接続される。これにより、積層電子部品40は、図8に示すような回路構成をとるようになる。具体的には、第2の内部電極8により構成されるコンデンサ電極はコイルLの第2の外部電極12側の部分と対向し、該コンデンサ電極は第2の外部電極12と接続される。その結果、コンデンサCには、コイルLの第2の外部電極12側の部分における電位と第2の外部電極12における電位との差に相当する電圧が印加される。
図4,6,8の回路図を比較すると、コンデンサCに印加される電圧V'は、積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1の順に大きくなる。コンデンサCの容量CとコンデンサCに印加される電圧V’とコンデンサCに蓄積される電荷Q'との間には、式(1)に示す関係が成立する。
Q'=CV' ・・・(1)
積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1の間でコンデンサCの容量Cは一定であるので、積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1の順に電圧V'が大きくなっていくと、積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1の順にコンデンサCに蓄積される電荷Q'が大きくなっていく。更に、積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1に印加される電圧を電圧Vとした場合、この電圧Vと、コンデンサCの容量Cと、コンデンサCに蓄積される電荷Q'との間には見かけ上、式(2)の関係が成立する。
Q'=CV ・・・(2)
前記電圧Vは、各積層電子部品40,30,1間で一定であるので、見かけ上、コンデンサCの容量Cは、積層電子部品40、積層電子部品30、積層電子部品1の順に大きくなっていく。ここで、共振周波数fと、コンデンサCの容量CとコイルLのインダクタンスLとの間には、式(3)に示す関係が成立する。
Figure 2008092454
そのため、式(3)によれば、共振周波数fは、図9に示すように、積層電子部品1、積層電子部品30、積層電子部品40の順に大きくなっていく。すなわち、同様のコンデンサ電極が形成されたとしても、該コンデンサ電極の位置及び引き出し電極の位置を変化させることにより、積層電子部品の共振周波数を変化させることが可能となる。
(第2の実施形態)
本発明に係る積層電子部品において、コンデンサ電極は、複数含まれていてもよい。そこで、以下に、コンデンサ電極が複数含まれた積層電子部品について説明する。図10は、積層電子部品50の分解斜視図である。図11は、積層電子部品50の断面構造図である。図12は、積層電子部品50の等価回路図である。
積層電子部品50は、コイルL、コンデンサC1及びコンデンサC2を内蔵する。具体的には、図10及び図11に示すように、積層方向の上方の層にコンデンサC1が設けられ、積層方向の下方の層にコンデンサC2が設けられる。具体的には、図11に示すように、コンデンサC1のコンデンサ電極を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、コイルLの上端近傍の領域に配置される。コンデンサC1の引き出し電極8aは、コンデンサC1のコンデンサ電極を構成する第2の内部電極8の内、最も下層に配置された第2の内部電極8に設けられ、第1の外部電極11に接続される。また、コンデンサC2のコンデンサ電極を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、コイルLの下端近傍の領域に配置される。コンデンサC2の引き出し電極8aは、コンデンサC2のコンデンサ電極を構成する第2の内部電極8の内、最も上層に配置された第2の内部電極8に設けられ、第2の外部電極12に接続される。
以上のような構成を有する積層電子部品50は、図12に示す回路構成となる。具体的には、コンデンサC1には、第1の外部電極11の電位と該第1の外部電極11側のコイルLの部分の電位との差の電圧が印加される。また、コンデンサC2には、第2の外部電極12における電位と該第2の外部電極12側のコイルLの部分における電位との差の電圧が印加される。
以上のように、積層電子部品50によれば、積層電子部品1と同様に、コンデンサC1,C2の存在によりコイルLの磁束が妨げられることが防止されるので、高いL値を得ることができる。
更に、積層電子部品50によれば、積層電子部品1と同様に、第2の内部電極8の数を変更することにより、コイルLのL値を変化させることなく、コンデンサC1,C2の容量値を変化させることができるので、共振周波数の設定可能な範囲を広げることが可能となる。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、コンデンサC1及びコンデンサC2の位置及び引き出し電極8aの位置を変化させることで、ノイズフィルタの共振周波数を変化させることができる。以下に、図13〜17を用いて変形例を示しながら詳しく説明する。
(変形例)
図13は、積層電子部品50の第1の変形例に係る積層電子部品60の断面構造図である。図14は、積層電子部品60の等価回路図である。図15は、積層電子部品50の第2の変形例に係る積層電子部品70の断面構造図である。図16は、積層電子部品70の等価回路図である。図17は、積層電子部品50,60,70の挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は挿入損失(dB)を示し、横軸は周波数(GHz)を示す。挿入損失が最も低くなっている周波数が共振周波数である。
積層電子部品60では、図13に示すように、コンデンサC1を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の下半分の領域に配置される。更に、コンデンサC1の引き出し電極8aは、コイルLの略中央部分に設けられ、第1の外部電極11に接続される。コンデンサC2を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の上半分の領域に配置される。更に、コンデンサC2の引き出し電極8aは、積層方向の最も上方の第2の内部電極8に設けられ、第2の外部電極12に接続される。これにより、積層電子部品60は、図14に示すような回路構成をとるようになる。具体的には、コンデンサC1には、第1の外部電極11における電位とコイルLの中央部分における電位との差の電圧が印加される。また、コンデンサC2には、第2の外部電極12における電位と第1の外部電極11側のコイルLの部分における電位との差の電圧が印加される。
積層電子部品70では、図15に示すように、コンデンサC1を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の下半分の領域に配置される。更に、コンデンサC1の引き出し電極8aは、積層方向の最も下方の第2の内部電極8に設けられ、第1の外部電極11に接続される。コンデンサC2を構成する第2の内部電極8は、積層方向において、積層体10の上半分の領域に配置される。更に、コンデンサC2の引き出し電極8aは、積層方向の最も上方の第2の内部電極8に設けられ、第2の外部電極12に接続される。これにより、積層電子部品70は、図16に示すような回路構成をとるようになる。具体的には、コンデンサC1には、第1の外部電極11における電位と第2の外部電極12側のコイルLの部分における電位との差の電圧が印加される。また、コンデンサC2には、第2の外部電極12における電位と第1の外部電極11側のコイルLの部分における電位との差の電圧が印加される。
図12,14,16の回路図を比較すると、コンデンサC1及びC2に印加される電圧は、積層電子部品50、積層電子部品60、積層電子部品70の順に大きくなっていく。その結果、第1の実施形態と同様に、図17に示すように、共振周波数は、積層電子部品70、積層電子部品60、積層電子部品50の順に大きくなっていく。すなわち、同様のコンデンサ電極が形成されたとしても、該コンデンサ電極の位置及び引き出し電極の位置を変化させることにより、積層電子部品の共振周波数を変化させることが可能となる。
(その他の実施例)
なお、積層電子部品1,30,40,50,60,70では、第1のセラミック層2と第2のセラミック層3とを1層ずつ交互に配置しているが、第1のセラミック層2と第2のセラミック層3との配置方法はこれに限らない。第2のセラミック層3は、第1のセラミック層2の層間に配置されていれば良く、複数枚の第1のセラミック層2が連続して配置されてもよいし、複数枚の第2のセラミック層3が連続して配置されてもよい。また、積層方向の最も上方又は下方に配置された第1のセラミック層2よりも上方又は下方に第2のセラミック層3が存在していてもよい。
第1の実施形態に係る積層電子部品の断面構造図である。 図1に示す積層電子部品の分解斜視図である。 図1に示す積層電子部品の外観斜視図である。 図1に示す積層電子部品の等価回路図である。 第1の実施形態に係る積層電子部品の第1の変形例に係る積層電子部品の断面構造図である。 図5に示す積層電子部品の等価回路図である。 第1の実施形態に係る積層電子部品の第2の変形例に係る積層電子部品の断面構造図である。 図7に示す積層電子部品の等価回路図である。 積層電子部品の挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 第2の実施形態に係る積層電子部品の分解斜視図である。 図10に示す積層電子部品の断面構造図である。 図10に示す積層電子部品の等価回路図である。 第2の実施形態に係る積層電子部品の第1の変形例に係る積層電子部品の断面構造図である。 図13に示す積層電子部品の等価回路図である。 第2の実施形態に係る積層電子部品の第2の変形例に係る積層電子部品の断面構造図である。 図15に示す積層電子部品の等価回路図である。 積層電子部品の挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。
符号の説明
C,C1,C2 コンデンサ
L コイル
1,30,40,50,60,70 積層電子部品
2 第1のセラミック層
3 第2のセラミック層
4 第3のセラミック層
5 第4のセラミック層
6 第1の内部電極
6a,6b,8a 引き出し電極
7 第1のビア導体
8 第2の内部電極
9 第2のビア導体
10 積層体
11 第1の外部電極
12 第2の外部電極
20 コイル領域
21 容量領域
22 非容量領域
23 外層領域

Claims (6)

  1. 複数の第1のセラミック層と、該複数の第1のセラミック層の層間に配置された複数の第2のセラミック層とにより構成された積層体と、
    前記各第1のセラミック層に形成され、それぞれが電気的に接続されてコイルを構成する第1の電極と、
    前記各第2のセラミック層に形成され、それぞれが電気的に接続されてコンデンサ電極を構成する電極であって、前記積層体の積層方向から見たときに前記第1の電極と略重なる形状を有する第2の電極とを備え、
    前記コンデンサ電極と前記コイルとの間に静電容量が形成されていること、
    を特徴とする積層電子部品。
  2. 前記各第1の電極は、積層方向から見たときに、それぞれが重なって一つの環を形成していること、
    を特徴とする請求項1に記載の積層電子部品。
  3. 前記各第2の電極は、積層方向から見たときに、それぞれが重なって前記環に重なる環を形成していること、
    を特徴とする請求項2に記載の積層電子部品。
  4. 前記積層体の表面に形成される外部電極、
    を更に備え、
    前記コンデンサ電極の一端は前記外部電極に接続され、
    前記コンデンサ電極の他端は前記コイルと絶縁されていること、
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層電子部品。
  5. 前記コイル及び前記コンデンサ電極は、ノイズフィルタを構成すること、
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層電子部品。
  6. コイルとコンデンサとを含む積層電子部品の製造方法において、
    セラミックグリーンシート上にコイルを構成する第1の電極を形成する工程と、
    セラミックグリーンシート上にコンデンサ電極を構成する第2の電極を形成する工程と、
    前記各セラミックグリーンシートに、前記各第1の電極同士を接続するビア導体と、前記各第2の電極同士を接続するビア導体とを形成する工程と、
    前記第1の電極が形成されたセラミックグリーンシートの層間に前記第2の電極が形成されたセラミックグリーンシートが挟まれるように積層する工程であって、積層方向から見たときに前記第1の電極と前記第2の電極とが略重なりつつ、該第1の電極と該第2の電極との間で静電容量が形成されるように、セラミックグリーンシートを積層する工程と、
    を備えることを特徴とする積層電子部品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013045809A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Tdk Corp コイル部品
WO2022065108A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31 Tdk株式会社 電子部品
CN114628106A (zh) * 2017-11-27 2022-06-14 株式会社村田制作所 层叠型线圈部件

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