JP2008091280A - パルス電流の検出方法及びパルス電流電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルス電流の指令波形(71)と交流電流検出器5の出力のいずれか一方をパルス電流の通電期間に合わせて積分又は擬似積分し(83)、該積分値を交流電流検出器の出力に設定された比率で加算し(84)、該加算値にパルス電流の休止期間において保持した前記交流電流検出器の出力を加算して(82)、電磁石3に通電されたパルス電流の検出値とする。
【選択図】 図1
Description
パルス電流波形を高精度に検出するために、パルス電源装置の出力電流を高速応答性を持つ電流検出器により検出する必要がある。この電流検出器として、直流成分を検出できる高精度の直流電流検出器が知られているが、直流電流検出器はパルス電流に対する応答性が良くないことから、パルス電流の波形をより正確に検出できる交流電流検出器が採用される。
図に示すように、整流器1により交流を直流に変換し、チョッパ2により直流電圧を所定の電圧に高速で変換し、負荷の電磁石3にパルス電流を供給するようになっている。チョッパ2の出力電圧は電圧検出器4により検出され、チョッパ2の出力電流は交流電流検出器5により検出され、制御装置6にフィードバック信号として送られるようになっている。なお、整流器1及びチョッパ2は、IGBTなどの自己消弧型のスイッチング素子を用いて形成されており、これらはいずれも非特許文献1に記載されている周知の構成であることから、詳細な説明を省略する。
次に、本発明の特徴部である検出電流補正部8の構成について説明する。検出電流補正部8は、マイクロプロセッサ又はディスクリートの回路を用いて構成され、サンプルホールド回路81、減算器82、積分器83、加算器84を備えて構成されている。サンプルホールド回路81には、交流電流検出器5により検出されたパルス電流の検出値が入力されている。サンプルホールド回路81は、電流パターン発生部71から出力される電流パターンを取込み、パルス電流の通電期間の開始タイミングを検出し、その開始タイミングに合わせて、既に保持されているパルス電流の検出値をリセットするとともに、新たなパルス電流の検出値をサンプルして保持するようになっている。後述するが、サンプルホールド回路81に保持される保持値は、パルス電流の検出値に含まれるオフセット分である。
ここで、交流電流検出器5のドループ特性について簡単に説明する。交流電流検出器5は、図2に示すように、電磁石3に流れるパルス電流の通電路に電磁的に結合された電流検出コイル51と、電流検出コイル51に並列に接続された抵抗52を有して形成されている。このように形成されることから、パルス電流に応じて電流検出コイル51と抵抗52のループに流れる電流を、抵抗52の端子電圧として検出するようになっている。
また、交流電流検出器5のドループ特性により生ずる誤差は、入力電流Iinと出力電流Ioutとの差分ΔIであり、式(1)から、次式(2)で求めることができる。
=(1−τ0s/(1+τ0s))・Iin
=(1/(1+τ0s))・Iin (2)
なお、時定数τ0は例えば百ミリ秒以上の値であり、パルス電流の1ミリ秒前後の時間領域では、式(2)は積分とみなすことができる。したがって、交流電流検出器5の出力の誤差は、入力電流Iinを積分した積分値に一定率を乗じたものに相当する。また、入力電流Iinは電流パターンを積分した値に相関する。したがって、電流パターンを積分して設定比率を乗ずることにより、ΔIを求めることができる。
一方、積分器83は、電流パターン発生部71から出力される電流パターンの立ち上がりを検出して通電開始のタイミングを検知し、式(2)の演算を行って交流電流検出器5のドループ特性による誤差ΔIを演算する。このとき、積分器83内の積分値は通電開始のタイミングにリセットしておく。次いで、減算器82のオフセット分が除去された検出波形と、積分器83により演算された誤差ΔIを加算器84で加算することにより、電磁石3に通電されたパルス電流を正確に検出することができる。
なお、ピアソン社(米国)製のモデル1423では、式(2)で表される交流電流検出器5の時定数τoは百ミリ秒以上の値である。したがって、1ミリ秒前後のパルス電流の時間領域では、式(2)は積分と見なすことができ、同式の演算器として積分器83を使用してもよいことがわかる。また、積分器83の積分ゲインは、パルス電流の通電終了時における加算器84の出力が零となるよう調整することにより、交流電流検出器5の特性を模擬できる。したがって、交流電流検出器5の特性を予め測定等することは不要である。
また、本発明は、積分器83の代わりに、式(2)の時定数τ0を用いた擬似積分器を使用してもよいことは明らかである。
なお、実施例1では、減算器82でオフセット分を補償した後に、積分器83で求めたドループ特性の誤差を加算器84で補償するようにしたが、これに代えて、ドループ特性の誤差を交流電流検出器5の出力波形に加えた後、サンプルホールド回路81で求めたオフセット分を補償するようにしても効果は同一である。
なお、電流パターンによる通電開始のタイミングが得られない場合は、交流電流検出器5から出力される検出波形(パルス)の立ち上がりを検知して、積分開始のトリガ信号とすする。
2 チョツパ
3 電磁石
4 電圧検出器
5 交流電流検出器
6 制御装置
7 通電パターン作成部
8 検出電流補正部
61 比較器
62 電流制御器(ACR)
63 比較器
64 電圧制御器(m−AVR)
65 PWMパルス発生器
71 電流パターン発生部
72 電圧パターン発生部
81 サンプルホールド回路
82 減算器
83 積分器(又は、擬似積分器)
84 加算器
Claims (3)
- パルス電流の指令波形に従って設定周期で繰返し負荷に通電されるパルス電流を交流電流検出器により検出するパルス電流の検出方法において、
パルス電流の指令波形と前記交流電流検出器の出力のいずれか一方を前記パルス電流の通電期間に合わせて積分又は擬似積分し、該積分値を前記交流電流検出器の出力に設定された比率で加算し、該加算値にパルス電流の休止期間において保持した前記交流電流検出器の出力を加算して、前記負荷に通電されたパルス電流の検出値とすることを特徴とするパルス電流の検出方法。 - 入力される直流をチョッピングして負荷にパルス電流を通電するチョッパ電源と、前記負荷に通電されるパルス電流を検出する交流電流検出器と、パルス電流の指令波形と前記交流電流検出器の出力の偏差に基づいて、前記チョッパ電源を設定周期で繰返し制御して前記負荷に通電するパルス電流を制御する制御手段とを備えてなるパルス電源装置において、
パルス電流の指令波形と前記交流電流検出器の出力のいずれか一方をパルス電流の通電期間に合わせて積分又は擬似積分する積分手段と、
該積分手段から出力される積分値を前記交流電流検出器の出力に設定された比率で加算する第1の加算手段と、
パルス電流の休止期間ごとに前記交流電流検出器の出力を保持する保持手段と、
前記第1の加算手段から出力される加算値に、前記保持手段に保持された前記交流電流検出器の出力を加算して、前記負荷に通電されたパルス電流の検出値とする第2の加算手段とを備えてなることを特徴とするパルス電源装置。 - 請求項2に記載のパルス電源装置において、
前記保持手段は、パルス電流の休止期間の終期又はパルス電流の通電開始のタイミングで、前記交流電流検出器の出力をサンプリングして保持することを特徴とするパルス電源装置。
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