JP2004198236A - 医療用放射性核種の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正イオンビームを生成する正イオン源2と、パルス状の電力を出力する高周波電源4と、この高周波電源4より供給された電力に基づき高周波電場を生成し、この高周波電場によって正イオン源2より入射した正イオンビームを加速し、電力のパルス周期ごとのビーム塊としてパルス状に出力するライナック5と、ターゲット物質6を収納するとともに、ライナック5より出力されたビーム塊を導入しターゲット物質6に照射するターゲット容器7A,7Bと、電磁石用電源8より供給された電力に基づき磁場を形成し、この磁場の時間的変化によってライナック5より順次出力されるビーム塊を偏向し、各ビーム塊ごとに順次ターゲット容器7A,7Bに略均等となるように振り分ける偏向電磁石9とを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加速器で加速したイオンビームをターゲット物質に照射し、核反応により医療用放射性核種を製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
核医学分野の診断方法として、放射性核種を特定の臓器に集積する化合物に標識し、放射性核種から放出されるγ線を検出することで臓器の機能を映像化する技術が発展してきつつある。すなわち、放射性核種(例えば11C,13N,15O,18F等の陽電子放出核種)を混入し、検査対象となる患部(病巣)で代謝される性質を付与した放射性薬剤を被検者に投与し、所定時間後、その放射性薬剤が被検者体内のどの部位に集積しているか(どの部位で多く消費されているか)を、患部に集積した放射性薬剤に起因して放出されるγ線を検出することにより特定するものである。放射性薬剤から放出された陽電子は、付近の電子と結合して陽電子消滅し、その際、一対のγ線を放出する。これら一対のγ線(以下、γ線対と記載する)は、互いにほぼ正反対(厳密には180°±0.6°)の方向に放射されるので、そのγ線の検出信号を基に、そのγ線の発生源位置(患部位置)を通る直線を特定することができる。患者の検査では、こうして患部に集積した放射性薬剤に起因して体内から放出されるγ線対を多数検出し、そのデータを基に放射性薬剤を多く消費する箇所(患部位置)を含む被検者の断層像を作成する(断層撮影法:Positron Emission Tomography,PET)。
【0003】
このようなPET検査を行うための医療用放射性核種製造装置としては、既に多数のものが提唱されている。例えば、サイクロトロンの負イオン源で生成した負イオンを高周波電場で加速した後、最外周部に配置したストリッピングフォイルにより、負イオンの電子を剥ぎ取って正イオンに変換し、外側に大きく偏向させてターゲット容器内のターゲット物質へと導く。ターゲット容器内ではイオンビームの照射によりターゲット物質に核反応が起こり、所望の放射性核種が生成される。
【0004】
ところで、加速器として上記サイクロトロンを用いた放射性核種製造装置では、ビーム損失による構造物の放射化、装置及び遮蔽体の重量、保守点検の頻度とその容易さの観点で難点がある。そこで近年、加速器として、サイクロトロンよりビーム損失が小さいライナック(高周波線形加速器)が注目されている。
【0005】
例えば、半導体基板等にイオンを打ち込むイオン打ち込み装置の分野では、イオンビームを導入してそのイオンビームを加速する高周波四重極型ライナックと、加速されたイオンビームを用いて半導体基板等にイオン打ち込みを行う複数のイオン打ち込み室と、上記高周波四重極型ライナックから出射されたイオンビームを複数の方向に偏向して複数のイオン打ち込み室に振り分けるビーム偏向器と、上記高周波四重極型ライナックを駆動する高周波高電圧の周期に応じ、ビーム偏向器を制御する偏向電圧のパルス幅及び繰返し周期を変化させるパルス調整器とを有する高エネルギーイオン打ち込み装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−196119号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の構成を前述した医療用放射性核種製造装置に適用した場合、以下のような不都合が生じる。
【0008】
すなわち、上記従来技術では、ライナックが高周波電場を生成してこの高周波電場によってイオンビームを加速し、上記高周波の周期間隔に等しい集群間隔で集群させつつ、その集群したビーム群を順次連続的に出力し、ビーム偏向器は、その極めて短い集群間隔で次々と連続的に飛来する各ビーム群ごとに(あるいは複数のビーム群ごとに)各ターゲット容器に非常に高速で(短い周期で)振り分けなければならない。このような非常に短周期高速のスイッチング制御を行う場合、技術的に磁場による偏向制御は極めて困難となるため、電場による制御を行わざるを得ず、しかも非常に大がかりかつ複雑なものとなる。このため、コストが増大するのみならず、実際上、安定的な振り分け性能を得るのは困難である。
【0009】
特に、医療用放射性核種製造装置では、各ターゲット容器への振り分けが十分にうまくいかないと、例えばターゲット容器のダクトに偏向されたビームが当たり、ダクトの壁面材質が放射化する。そして、一旦放射化して生成したダクト壁面の放射性物質(例えばコバルト等)が、それ以降に再び入射してきたイオンビームによりたたき出され、これがターゲット物質に混入する可能性がある。この場合、医療用薬剤に混入する放射性核種の純度が下がるため、治療時における患者の人体への影響上、好ましくない。
【0010】
また、通常この種の医療用放射性核種製造装置は、医療現場に配置される場合が多く、専門知識をもった技術者やメンテナンス作業員は現場には不在である。このような状況で、上記のようにダクト壁面の放射化等が生じることは、人体への被曝等の観点からも好ましくない。
【0011】
以上のように、ライナックを備えた半導体基板等のイオン打ち込み装置に係る従来技術を医療用放射性核種製造装置に適用しようとしても、安定的な振り分け性能を得ることが困難であることから、事実上適用は困難である。
【0012】
発明の目的は、ビーム損失を少なくし、効率よくかつ安定的に医療用放射性核種を製造できる医療用放射性核種の製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、正イオンビームを生成する正イオン源と、パルス状の電力を出力する電力供給手段と、この電力供給手段より供給された電力に基づき高周波電場を生成してこの高周波電場によって前記正イオン源より入射した前記正イオンビームを加速し、前記高周波の周期間隔に応じた集群間隔で集群させつつ、その集群したビーム群を前記供給された電力の前記パルスの周期ごとのビーム塊としてパルス状に出力するライナックと、ターゲット物質を収納するとともに、前記ライナックより出力された前記ビーム塊を導入し前記ターゲット物質に照射する複数のターゲット容器と、前記ライナックより順次出力される前記ビーム塊を偏向し、各ビーム塊ごとに順次前記複数のターゲット容器に略均等となるように振り分けるための、時間的に変化する磁場を発生する磁場発生手段とを有する。
【0014】
本発明においては、ライナックは、電力供給手段より供給された電力に基づき高周波電場を生成し、この高周波電場によって正イオン源より入射した正イオンビームを直線的に加速し、高周波の周期間隔に応じた極めて短い集群間隔で集群させつつ、その集群した複数のビーム群を出力する。このように加速手段としてライナックを用いてイオンビームを直線的に加速することにより、イオンビームを周回させながら加速するサイクロトロンに比べ、ビーム損失を少なくしつつ加速することができる。
【0015】
また、本発明においては、電力供給手段はパルス状の電力をライナックに供給する。ライナックは、このパルス状の電力に基づき生成した高周波電場によって正イオンビームを加速し、電力のパルス周期ごとのビーム塊(多数のビーム群)をパルス状に出力する。そして、磁場発生手段は、例えばその偏向磁場の時間的変化の周期をライナックに供給される電力のパルス周期の整数倍とすることで、ライナックより順次出力されるビーム塊を各ビーム塊ごとに順次偏向し、複数のターゲット容器に略均等となるように振り分ける。このようにパルス状のビーム塊を偏向磁場の時間的変化によって振り分けることにより、極めて短い集群間隔でライナックから次々と連続的に飛来する各ビーム群ごとに電場を用いて振り分ける従来構造と異なり、安定的な振り分け性能を得ることができる。しかも、このとき、電場制御を行う場合のようにコスト増大等を招くこともなく、また例えばターゲット容器のダクトにビームが当たりダクト壁面材質が放射化するのも防止できる。
【0016】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記磁場発生手段の発生する偏向磁場の前記時間的変化の周期を、前記ライナックに供給される電力の前記パルスの周期の整数倍とする。
【0017】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記磁場発生手段の発生する偏向磁場の前記時間的変化の周期と、前記ライナックに供給される電力の前記パルスの周期との比を、前記ターゲット容器の個数に等しくする。
【0018】
これにより、ライナックより順次出力されるビーム塊を磁場発生手段の発生する偏向磁場の時間的変化により一個づつ順番に各ターゲット容器方向(偏向角度)に偏向し振り分けることができる。したがって、各ターゲット容器において、ビーム塊が照射されない時間を極力短くすることができる。
【0019】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記磁場発生手段の磁場の時間変化が略正弦波状である。
【0020】
このように磁場発生手段として略正弦波状に時間変化する磁場を発生する構成とすることにより、例えば略矩形波状に時間変化する磁場を発生する構成に比べ、比較的簡素とすることができる。
【0021】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記ターゲット容器の入射部に設けられたビーム位置検出手段をさらに備え、前記磁場発生手段は、前記ビーム位置検出手段の検出結果に基づき、前記発生する磁場の強度を制御する。
【0022】
このように磁場発生手段はターゲット容器のビーム位置検出手段の検出結果に基づいて発生する磁場の強度を制御するので、偏向磁場により振り分けられるビーム塊の偏向角度を安定させることができる。したがって、例えばターゲット容器のダクトにビームが当たりダクト壁面材質が放射化するのを確実に防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態を図1〜図6により説明する。
図1は、本実施形態による医療用放射性核種の製造装置の概略構成を表すブロック図である。
【0025】
この図1において、医療用放射性核種の製造装置1は、正イオンビームを生成する正イオン源2と、この正イオン源2に電力を供給するイオン源用電源3と、高周波電力を出力する高周波電源4と、この高周波電源4より供給された高周波電力に基づき高周波電場を生成し、この高周波電場によって正イオン源2より入射した正イオンビームを所定エネルギー(例えば10MeV程度)まで直線的に加速するライナック5と、ターゲット物質6(後述の図6を参照)を収納するとともに、ライナック5より出力された正イオンビームを導入しターゲット物質6に照射して核反応により医療用放射性核種(例えば11C,13N,15O,18F等の陽電子放出核種)を生成する例えば2つのターゲット容器7A,7Bと、例えば所定周波数の交流電力を生成する電磁石用電源8と、この電磁石用電源8より供給された電力に基づき磁場を形成し、この磁場の時間的変化によってライナック5より出力された正イオンビームを偏向角θ1またはθ2に偏向し、ターゲット容器7A,7Bに略均等となるようにそれぞれ分配する偏向電磁石9と、イオン源用電源3、高周波電源4、及び電磁石用電源8の電力出力を制御する同期制御装置10と、ターゲット容器7A,7Bにそれぞれ設けられ、導入された正イオンビームの位置を検出するビーム位置検出器11A,11Bと、電磁石用電源8の電力値を制御する照射位置制御装置12とを備えている。
【0026】
正イオン源2は、例えば、アーク放電により生成したプラズマから正イオンビームを生成するデュオプラズマトロン、あるいはマイクロ波放電により正イオンビームを生成するマイクロイオン源等であり、このアーク放電に必要な高電圧あるいはマイクロ波放電に必要なマイクロ波電力がイオン源用電源3より供給されている。
【0027】
ライナック5は、正イオン源2から入射した正イオンビームを例えば3MeV程度まで加速する高周波四重極型ライナック(RFQ)5Aと、さらに正イオンビームを例えば10MeV程度まで加速するドリフトチューブ型ライナック(DTL)5Bとで構成されている。
【0028】
この高周波四重極型ライナック5Aは、詳細は図示しないが、軸方向(図2中左右方向)に沿って波打ち形状をもつ4本の電極を備えている。そして、これら電極間に高周波電場が発生することにより、4本の電極位置の中心部を通過する正イオンビームを加速するようになっている。
【0029】
ドリフトチューブ型ライナック5Bは、詳細は図示しないが、ビーム加速軸方向(図2中左右方向)に沿って一直線状に配置され、ビーム加速用電極として作用する磁石が組み込まれた多数のドリフトチューブを備えている。そして、これら隣接するドリフトチューブ間に高周波電場が発生することにより、ドリフトチューブの中心部を通過する正イオンビームを加速するようになっている。
【0030】
図2は、上記電磁石用電源8の概略構造を表すブロック図である。
【0031】
この図2において、電磁石用電源8は、交流電源13からの交流電力を直流電力に変換する整流器14と、この整流器14の直流電力を蓄積する充電用キャパシタ15と、この充電用キャパシタ15の充電電圧を検出し、この検出値が所定の設定値(予め入力された設定値または上記照射位置制御装置12から入力した補正量信号(詳細は後述)に応じて補正した設定値)となるように整流器14の出力を制御する充電電圧調整器16と、上記同期制御装置10から入力した制御信号(詳細は後述)に応じてON・OFFスイッチングすることにより充電用キャパシタ15の直流電力を矩形波状のパルス電力に変換するパルス変調器17と、上記偏向電磁石9の励磁コイル9aに接続されることにより並列共振回路を形成する共振用キャパシタ18とで構成されている。
【0032】
この電磁石用電源8によって偏向電磁石9の励磁コイル9aが励磁され、励磁コイル9aの共振電流は共振回路の特性から正弦波交流電流となる。その結果、偏向電磁石9は略正弦波状に時間変化する磁場(後述の図4(e)参照)を発生するようになっている。
【0033】
ここで、本実施形態の大きな特徴として、上記同期制御装置10は、上記高周波電源4の高周波電力をパルス状に出力させる制御信号(パルス信号)を上記高周波電源4に出力するとともに、この高周波電源4の電力のパルス周期に対し、上記した偏向電磁石9の略正弦波状に時間変化する磁場周期が例えば2倍となるように電磁石用電源8のパルス変調器17を制御する制御信号(パルス信号)をパルス変調器17に出力するようになっている。
【0034】
また、同期制御装置10は、高周波電源4に出力する上記制御信号と同期して、上記イオン源用電源3の電力をパルス状に出力させる制御信号(パルス信号)をイオン源用電源3に出力するようになっている。以降、その詳細について説明する。
【0035】
図3は、同期制御装置10においてイオン源用電源3、高周波電源4、及び電磁石用電源8へ出力する制御信号の経時変化を表す図である。図4(a)は正イオン源2から出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図であり、図4(b)は高周波電源4から出力する高周波電力の経時変化を表す特性図であり、図4(c)はライナック5で生成する高周波電場の経時変化を表す特性図であり、図4(d)はライナック5より出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図であり、図4(e)は偏向電磁石9で発生する磁場の経時変化を表す特性図であり、図4(f)はターゲット容器7A,7Bに入射する正イオンビームの経時変化を表す特性図である。図5(a)は図4(c)中A部の詳細を説明する図であり、図5(b)は図4(d)及び図4(f)中B部の詳細を説明する図である。
【0036】
これら図3、図4(a)〜図4(f)、図5(a)、及び図5(b)において、横軸は共通して時間をとって表しており、図4(a)の縦軸は電流をとって表しており、図4(b)の縦軸は電力をとって表しており、図4(c)の縦軸は電場出力をとって表しており、図4(d)の縦軸は電流をとって表しており、図4(e)の縦軸は磁場強度をとって表しており、図4(f)の縦軸は電流をとって表しており、図5(a)の縦軸は電圧をとって表しており、図5(b)の縦軸は電流をとって表している。
【0037】
まず、同期制御装置10は、高周波電源4に例えばパルス幅(詳細には、電力出力を指示する制御信号の出力継続時間)100μsの制御信号を例えばパルス周期10msごとに出力する。高周波電源4は、この制御信号に応じてパルス幅(詳細には高周波電力の出力継続時間)100μs程度の高周波電力をライナック5にパルス周期10ms程度ごとに出力する。
【0038】
これにより、ライナック5はパルス幅(詳細には高周波電場の出力継続時間)100μs程度の高周波電場をパルス周期10ms程度ごとに生成する。この結果、ライナック5は、例えば数十MHz程度の高周波電場によってイオン源2より入射した正イオンビームを加速し、高周波の周期間隔に等しい集群間隔例えば数百ns程度ごとに集群させつつ(図5(a)及び図5(b)を参照)、その集群したビーム群をパルス幅(詳細には複数のビーム群の出力継続時間)100μs程度のビーム塊(多数のビーム群)としてパルス周期10ms程度ごとに出力するようになっている。
【0039】
次に、同期制御装置10は、電磁石用電源8の上記パルス変調器17に例えばパルス幅10msの制御信号を例えばパルス周期20ms(すなわち、高周波電源4への上記制御信号のパルス周期10msに対して2倍である)ごとに出力する。電磁石用電源8のパルス変調器17は、この制御信号に応じてON・OFFスイッチングし、偏向電磁石9の励磁コイル9aが励磁される。これにより、偏向電磁石9は周期20ms程度で略正弦波状に時間変化する磁場を発生する。
【0040】
このとき、偏向電磁石9で発生する磁場は、その時間的変化の周期(20ms)が高周波電源4からライナック5に供給される電力のパルス周期(10ms)に対し2倍となっている。また、図示のように、ライナック5からビーム塊が順次出力されるとき(言い換えれば、ライナック5のビーム出力の位相)の磁場強度がS1またはS2となっている。この結果、偏向電磁石9は、例えば最初のビーム塊を磁場強度S1の偏向磁場によって偏向角θ1(前述の図1参照)に偏向してターゲット容器7Aに出射し、次のビーム塊を磁場強度S2の偏向磁場によって偏向角θ2(前述の図1参照)に偏向してターゲット容器7Bに出射し、これを繰り返すことにより、ライナック5より順次出力されるビーム塊をターゲット容器7A及び7Bに略均等に分配するようになっている。
【0041】
さらに、同期制御装置10は、イオン源用電源3に例えばパルス幅200μsの制御信号を例えばパルス周期10ms(すなわち、上記した高周波電源4の制御信号のパルス周期10msと等しい)ごとに出力する。イオン源用電源3は、この制御信号に応じて正イオン源2にパルス幅200μs程度の電力をパルス周期ごとに出力し、これによって正イオン源2はパルス幅(詳細には、ビームの出力継続時間)200μs程度の正イオンビームをライナック5にパルス周期10ms程度ごとに出射する。
【0042】
このとき、正イオン源2が出力する正イオンビームは、そのパルス周期(10ms)が高周波電源4からライナック5に供給される電力のパルス周期(10ms)と等しくなっている。また、図示のように、ライナック5で高周波電場を出力するときには、正イオン源2から正イオンビームが出力されるようになっている。なお、正イオン源2のビーム出力の継続時間(パルス幅200μs)をライナック5の高周波電場の継続時間(パルス幅100μs)の2倍程度としたのは、実際の正イオン源2のビームON・OFFの際における立ち上がり・立ち下がりの応答性の悪さ及びビームの不安定性を考慮したからである。
【0043】
図6は、上記ターゲット容器7A(または7B)の詳細構造を表す断面図である。
【0044】
この図6において、ターゲット容器7A(または7B)は例えば金属製の中空状ダクト構造となっており、上記偏向電磁石9の偏向磁場により偏向されたビーム塊を入射する真空通路19と、上記ターゲット物質6(例えば、放射性核種11Cを生成する場合は[1 4N]窒素ガス、放射性核種13Nを生成する場合は[1 6O]水、放射性核種15Oを生成する場合は[1 5N]窒素ガス、放射性核種18Fを生成する場合は[18O]濃縮水等)を収納するターゲット室20とが真空隔壁21により隔たれ形成されている。これにより、真空通路19からのビーム塊が真空隔膜21を通過して、ターゲット室20内のターゲット物質6を照射し核反応により医療用放射性核種を生成するようになっている。
【0045】
ターゲット室20には、生成した医療用放射性核種を含むターゲット物質6を移送する移送配管22と、ターゲット物質6を供給する供給配管23と、外壁側(図6中右側)に設けられターゲット物質6を冷却する冷却水配管24とが設けられている。
【0046】
また、真空通路19には、ビーム塊の入射位置(図6中上下方向の位置)を検出する上記ビーム位置検出器11A(または11B)と、ビーム塊の照射範囲が所望の範囲以上に広がることを阻止するコリメータ25とが設けられている。このビーム位置検出器11A(または11B)は2枚の金属板11a,11bを備えており、これら金属板11a及び11bの間を通過するビーム塊によって金属板11a,11bにそれぞれ生じる誘導電圧V1,V2を上記照射位置制御装置12に出力するようになっている。
【0047】
照射位置制御装置12は、ビーム位置検出器11A(または11B)から入力する誘導電圧V1,V2に基づき、ビーム入射位置のずれ(詳細には、金属板11a及び11b間の図6中上下方向の中心位置からのずれ)ΔXを下記の式(1)より算出する。
ΔX=K(V1−V2)/(V1+V2)……(1)
K:比例定数(ビーム位置検出器の構造により決まる定数)
照射位置制御装置12は、この算出したビーム入射位置のずれΔXに応じて所定の演算処理を行って補正量信号を生成し、この補正量信号を上記電磁石用電源8の充電電圧調整器16に出力する。充電電圧調整器16は、この補正量信号に応じて充電電圧の設定値を補正し、上記充電用キャパシタ15の充電電圧がこの補正設定値となるように上記整流器14の出力を制御する。これにより、偏向電磁石9の偏向磁場の強度が調整されて、偏向電磁石9の偏向磁場によるビーム塊の偏向角度(入射位置)がフィードバック制御される。
【0048】
すなわち、例えばターゲット容器7Aにおいてビーム入射位置が中心位置より図6中下側にずれていることが検出され、ターゲット容器7Bにおいてビーム入射位置が中心位置より図6中上側にずれていることが検出された場合(言い換えれば、前述の図1に示す偏向角θ1,θ2が小さすぎる場合)は、磁石用電源8の充電電圧調整器16は照射位置制御装置12からの補正量信号に応じて充電用キャパシタ15の充電電圧を増加させる。これにより、偏向電磁石9の磁場強度S1,S2(前述の図4(e)参照)が増加され、ビーム塊の偏向角θ1,θ2を大きくするようになっている。また、例えばターゲット容器7Aにおいてビーム入射位置が中心位置より図6中上側にずれていることが検出され、ターゲット容器7Bにおいてビーム入射位置が中心位置より図6中下側にずれていることが検出された場合(言い換えれば、前述の図1に示す偏向角θ1,θ2が大きすぎる場合)は、磁石用電源8の充電電圧調整器16は照射位置制御装置12からの補正量信号に応じて充電用キャパシタ15の充電電圧を減少させる。これにより、偏向電磁石9の磁場強度S1,S2(前述の図4(e)参照)を減少し、ビーム塊の偏向角θ1,θ2を小さくするようになっている。
【0049】
なお、上記において、高周波電源4は各請求項記載のパルス状の電力を出力する電力供給手段を構成し、電磁石用電源8及び偏向電磁石9は各請求項記載の時間的に変化する磁場を発生する磁場発生手段を構成する。また、真空通路19はターゲット容器の入射部を構成し、ビーム位置検出器11A,11Bはターゲット容器の入射部に設けられたビーム位置検出手段を構成する。
【0050】
本実施形態の動作及び作用・効果を説明する。
【0051】
例えばPET検査を行うための医療用放射性核種(例えば11C,13N,15O,18F等の陽電子放出核種)を生成する場合、まず同期制御装置10からパルス状の制御信号がイオン源用電源3に入力され、イオン源用電源3が正イオン源3にパルス状の電力を出力する。これにより、正イオン源2からライナック5にパルス状(例えばパルス幅100μs、パルス周期10ms)の正イオンビームを出射する。
【0052】
そして、同期制御装置10からイオン源用電源3への制御信号と同期したパルス状の制御信号が高周波電源4に入力され、高周波電源4がライナック5にパルス状(例えばパルス幅100μs、パルス周期10ms)の高周波電力を出力する。これにより、ライナック5は、高周波電源4より供給された高周波電力に基づき例えば数十MHz程度の高周波電場をパルス状に生成し、この高周波電場によって正イオン源2より入射した正イオンビームを直線的に加速し、高周波の周期間隔に等しい集群間隔例えば数百ns程度で集群させつつ、その集群したビーム群を供給された電力のパルス周期ごとのビーム塊としてパルス状に出力する。
【0053】
このように本実施形態においては、加速手段としてライナックを用いてイオンビームを直線的に加速することにより、イオンビームを周回させながら加速するサイクロトロンに比べ、ビーム損失を少なくしつつ加速することができる。
【0054】
次に、同期制御装置10からのパルス状の制御信号が電磁石用電源8に入力され、電磁石用電源8が交流電力を生成し、この電力によって偏向電磁石9の励磁コイル9aが励磁される。これにより、偏向電磁石9で正弦波状に時間変化する偏向磁場が発生し、この偏向磁場の時間的変化の周期をライナック5に供給される電力のパルス周期の例えば2倍(20ms)とすることで、ライナック5より順次出力されるビーム塊をビーム塊ごとに順次偏向する。すなわち、最初のビーム塊を磁場強度S1の偏向磁場によって偏向角θ1に偏向してターゲット容器7Aに出射し、次のビーム塊を磁場強度S2の偏向磁場によって偏向角θ2に偏向してターゲット容器7Bに出射し、これを繰り返す。
【0055】
この結果、ライナック5から順次出力されるビーム塊を2つのターゲット容器7A,7Bに略均等となるように分配し、ターゲット容器7A,7Bのターゲット物質6にそれぞれ照射して核反応により医療用放射性核種を生成する。なお、ことのき、ターゲット容器7A,7Bでそれぞれ異なる種類の医療用放射性核種を生成してもよい。
【0056】
このように本実施形態においては、パルス状のビーム塊を偏向磁場の時間的変化によって振り分けることにより、極めて短い集群間隔でライナック5から次々と連続的に飛来する各ビーム群ごとに電場を用いて振り分ける従来構造と異なり、安定的な振り分け性能を得ることができる。しかも、このとき、電場制御を行う場合のようにコスト増大等を招くこともなく、また例えばターゲット容器7A,7Bのダクトにビームが当たりダクト壁面材質(例えばコバルト等)が放射化するのも防止できる。
【0057】
また、本実施形態においては、ターゲット容器7Aのビーム位置検出装置11A(またはターゲット容器7Bのビーム位置検出装置11B)で検出した誘電電圧V1,V2より算出したビーム入射位置のずれΔXに基づいて、照射位置制御装置12から電磁石用電源8に補正量信号を出力し、偏向電磁石9の磁場強度S1,S2を制御するので、偏向磁場により振り分けられるビーム塊の偏向角度θ1、θ2を安定させることができる。したがって、例えばターゲット容器7A,7Bのダクトにビームが当たりダクト壁面材質が放射化するのを確実に防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、偏向電磁石9で発生する偏向磁場の時間的変化の周期をライナック5に供給される電力のパルス周期の2倍とし、ターゲット容器7A,7Bの個数と等しくしている。これにより、ライナック5より順次出力されるビーム塊を偏向磁場の時間的変化により一個づつ順番にターゲット容器7A,7Bにそれぞれ偏向し振り分けることができる。その結果、それぞれターゲット容器7A,7Bにおいて、ビーム塊が照射されない時間(前述の図4(f)参照)を極力短くすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、偏向電磁石9に略正弦波状に時間変化する磁場を発生させる電磁石用電源8の構成とすることにより、例えば略矩形波状に時間変化する磁場を発生する構成に比べ、比較的簡素とすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、ライナック5に供給される電力のパルス周期に同期して、正イオン源2からライナック5に正イオンビームをパルス状に出射する。これにより、ライナック5内で不要となるビームを少なくすることができる。
【0061】
第2実施形態を図7〜図9により説明する。
本実施形態は、3つのターゲット容器を設けた実施形態である。
【0062】
図7は、本実施形態による医療用放射性核種の製造装置の概略構成を表すブロック図であり、図8は、同期制御装置10においてイオン源用電源3、高周波電源4、及び電磁石用電源8へ出力する制御信号の経時変化を表す図であり、図9(a)は正イオン源2から出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図であり、図9(b)は高周波電源4から出力する高周波電力の経時変化を表す特性図であり、図9(c)はライナック5で生成する高周波電場の経時変化を表す特性図であり、図9(d)はライナック5より出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図であり、図9(e)は偏向電磁石9で発生する磁場の経時変化を表す特性図であり、図9(f)はターゲット容器7A,7B,7Cに入射する正イオンビームの経時変化を表す特性図である。これら図7、図8、及び図9(a)〜(f)において、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0063】
本実施形態において、医療用放射性核種の製造装置26は、ターゲット物質6を収納するとともに、ライナック5より出力されたビーム塊を偏向せずに導入しターゲット物質6に照射して核反応により医療用放射性核種を生成する3つ目のターゲット容器7Cが設けられている。
【0064】
同期制御装置10は、イオン源用電源3及び高周波電源4に、上記第1実施形態同様の制御信号をそれぞれ出力する。これにより、上記第1実施形態同様、ライナック5は、高周波電源4より供給された高周波電力に基づき例えば数十MHz程度の高周波電場をパルス状に生成し、この高周波電場によって正イオン源2より入射した正イオンビームを直線的に加速し、高周波の周期間隔に等しい集群間隔例えば数百ns程度で集群させつつ、その集群したビーム群を供給された電力のパルス周期10ms程度ごとのビーム塊としてパルス状に出力する。
【0065】
また、同期制御装置10は、電磁石用電源8に例えばパルス幅15msの制御信号を例えばパルス周期30msごとに出力する。これにより、偏向電磁石9で正弦波状に時間変化する偏向磁場が発生し、この偏向磁場の時間的変化の周期がライナック5に供給される電力のパルス周期の例えば3倍(30ms)となるので、ライナック5より順次出力されるビーム塊をビーム塊ごとに順次偏向する。
【0066】
すなわち、例えば最初のビーム塊を磁場強度S1の偏向磁場によって偏向角θ1に偏向してターゲット容器7Aに出射し、次のビーム塊を磁場強度S2の偏向磁場によって偏向角θ2に偏向してターゲット容器7Bに出射し、次のビーム塊を偏向しないで(言い換えれば、磁場強度がゼロ)ターゲット容器7Cに出射し、これを繰り返す。
【0067】
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、ライナック5を用いてビーム損失を少なくしつつ加速することができる。また、パルス状のビーム塊を偏向磁場の時間的変化によって振り分けることにより、安定的な振り分け性能を得ることができる。
【0068】
なお、上記第1実施形態においては2つのターゲット容器7A,7Bを、上記第2実施形態においては3つのターゲット容器7A,7B,7Cを設けた構成を説明したが、これに限られず、例えば4つ、5つ等多数のターゲット容器を設けた構成としてもよい。
【0069】
また、上記第1及び第2実施形態においては、磁場発生手段として、電磁石用電源8で生成した交流電力によって偏向電磁石9に正弦波状に時間変化する磁場を発生させる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、例えば電磁石用電源が矩形波状に時間変化する電力を生成し、この電力によって偏向電磁石9が矩形波状に時間変化する磁場を発生する構成としてもよい。この場合も上記第1及び第2実施形態同様の効果を得ることができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、ビーム損失を少なくし、効率よくかつ安定的に医療用放射性核種を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第1実施形態の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第1実施形態を構成する電磁石用電源の概略構造を表すブロック図である。
【図3】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第1実施形態を構成する同期制御装置においてイオン源用電源、高周波電源、及び電磁石用電源へ出力する制御信号の経時変化を表す図である。
【図4】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第1実施形態を構成する正イオン源から出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図、高周波電源から出力する高周波電力の経時変化を表す特性図、ライナックで生成する高周波電場の経時変化を表す特性図、ライナックより出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図、偏向電磁石で発生する磁場の経時変化を表す特性図、及びターゲット容器に入射する正イオンビームの経時変化を表す特性図である。
【図5】図4中A部の詳細を説明する図、及び図4中B部の詳細を説明する図である。
【図6】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第1実施形態を構成するターゲット容器の詳細構造を表す断面図である。
【図7】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第2実施形態の概略構成を表すブロック図である。
【図8】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第2実施形態を構成する同期制御装置においてイオン源用電源、高周波電源、及び電磁石用電源へ出力する制御信号の経時変化を表す図である。
【図9】本発明の医療用放射性核種の製造装置の第2実施形態を構成する正イオン源から出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図、高周波電源から出力する高周波電力の経時変化を表す特性図、ライナックで生成する高周波電場の経時変化を表す特性図、ライナックより出力される正イオンビームの経時変化を表す特性図、偏向電磁石で発生する磁場の経時変化を表す特性図、及びターゲット容器に入射する正イオンビームの経時変化を表す特性図である。
【符号の説明】
1 医療用放射性核種の製造装置
2 正イオン源
4 高周波電源(電力供給手段)
5 ライナック
6 ターゲット物質
7A ターゲット容器
7B ターゲット容器
7C ターゲット容器
8 電磁石用電源(磁場発生手段)
9 偏向電磁石(磁場発生手段)
11A ビーム位置検出器(ビーム位置検出手段)
11B ビーム位置検出器(ビーム位置検出手段)
19 真空通路(入射部)
26 医療用放射性核種の製造装置
Claims (5)
- 正イオンビームを生成する正イオン源と、
パルス状の電力を出力する電力供給手段と、
この電力供給手段より供給された電力に基づき高周波電場を生成してこの高周波電場によって前記正イオン源より入射した前記正イオンビームを加速し、前記高周波の周期間隔に応じた集群間隔で集群させつつ、その集群したビーム群を前記供給された電力の前記パルスの周期ごとのビーム塊としてパルス状に出力するライナックと、
ターゲット物質を収納するとともに、前記ライナックより出力された前記ビーム塊を導入し前記ターゲット物質に照射する複数のターゲット容器と、
前記ライナックより順次出力される前記ビーム塊を偏向し、各ビーム塊ごとに順次前記複数のターゲット容器に略均等となるように振り分けるための、時間的に変化する磁場を発生する磁場発生手段とを有することを特徴とする医療用放射性核種の製造装置。 - 請求項1記載の医療用放射性核種の製造装置において、前記磁場発生手段の発生する偏向磁場の前記時間的変化の周期を、前記ライナックに供給される電力の前記パルスの周期の整数倍としたことを特徴とする医療用放射性核種の製造装置。
- 請求項2記載の医療用放射性核種の製造装置において、前記磁場発生手段の発生する偏向磁場の前記時間的変化の周期と、前記ライナックに供給される電力の前記パルスの周期との比を、前記ターゲット容器の個数に等しくしたことを特徴とする医療用放射性核種の製造装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の医療用放射性核種の製造装置において、前記磁場発生手段の磁場の時間変化が略正弦波状であることを特徴とする医療用放射性核種の製造装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の医療用放射性核種の製造装置において、前記ターゲット容器の入射部に設けられたビーム位置検出手段をさらに備え、前記磁場発生手段は、前記ビーム位置検出手段の検出結果に基づき、前記発生する磁場の強度を制御することを特徴とする医療用放射性核種の製造装置。
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