JP2008091081A - コイン型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフロー半田を用いて他の半導体素子と同時にプリント配線基板に実装しても、集電性能が低下しないコイン型電池を提供する。
【解決手段】電解液と反応性が低く、かつリフロー工程における加熱によっても弾性が損なわれない膜状の結着剤8を正極板1と正極缶4との間に形成して、この両者を互いに散点的に直接接触させ、かつ両者を接着した。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線基板上に配される非水電解質電池に関する。
コイン型の非水電解質電池は、他の電池に比べてエネルギー密度が高く、軽量であるという特徴を備えていることから、電気機器のバックアップ用電源として広く採用されている。
従来のコイン型電池では、カーボン材料を外装缶内表面に焼付け(特許文献1を参照)、あるいはカーボン材料を混合した導電性接着剤を塗布して電極の集電体を形成している(特許文献2を参照)。
上記コイン型電池と電気機器との接続手法は、量産性の観点から、電気機器に内包されるプリント配線基板上の配設予定位置に予めクリーム状の半田を塗布しておき、そこに当該電池および他の半導体素子を載置して同時に加熱することにより一括してこれらの半田付けを行うリフロー法が主流となりつつある。
特開2005−332657号公報 特開2005−347100号公報
しかし、上記リフロー法を用いてコイン型電池をプリント配線基板に実装すると、加熱によって集電体のカーボン材料が電解液と反応する等して、リフロー工程後の当該電池において、その内部抵抗が著しく上昇して、集電性能が低下するという問題が生じた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、集電性能の低下を抑制することのできるコイン型の非水電解質電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るコイン型非水電解質電池では、正極ケースおよび負極ケースが、ガスケットを挟みながら嵌合した状態で、正極板、負極板および電解液を包含しているコイン型の非水電解質電池に対し、上記電解液はカーボンとの反応性が高く、当該電解液に対して反応性の低い多孔膜状の結着剤で、少なくとも一方の極板と、当該極板と対向する少なくとも一方の極ケースとを結着させた。
カーボン材料を集電体に用いた場合、あるいはカーボン材料を混合してなる導電性接着剤を集電体に用いた場合には、リフロー半田工程においてカーボン材料が電解液と反応し、集電体の導電性が失われることがある。
上記コイン型の非水電解質電池では、カーボンとの反応性が高い電解液に対して、反応性が低い結着剤で正極板と正極ケースとを結着させたので、カーボン材料を集電体に用いた場合、あるいはカーボン材料を混合してなる導電性接着剤を集電体に用いた場合と比べて、リフロー半田工程において結着剤が電解液と反応することを抑制することができ、リフロー工程前に比べてリフロー工程後に内部抵抗が上昇することを抑制することができて集電性能の低下を抑制することができる。
そのうえ、本発明に係るコイン型非水電解質電池では、製造ばらつきによって正極板の厚みにばらつきがあっても、正極板と正極ケースとが結着剤によって結着されているので、正極板と正極ケースとの接触圧の低い領域が抑制され、リフロー工程前において内部抵抗のばらつきを抑制することができる。
リフロー工程では、カーボン材料が電解液と反応する以外に、電解液が蒸発して密閉された電池の内圧上昇を招き、これに起因してケースが膨張し、正極板と正極ケースとの接触面積が減少し、接触抵抗(内部抵抗)が上昇して集電性能が低下することも考えられる。本発明に係るコイン型非水電解質電池では、当該内圧上昇が起こっても、正極板と正極ケースとを結着する結着剤によって、正極板と正極ケースとの接触面積が維持され、リフロー工程前に比べてリフロー工程後に内部抵抗が上昇することを抑制することができて集電性能の低下を抑制することができる。
本発明に係るコイン型非水電解質電池では、上記結着剤がカーボン材料と比べて電解液と反応しにくいので、上記作用・効果が電解液によって損なわれることを抑制することができる。
上記結着剤が室温以上300[℃]未満において弾性を有すると、上記リフロー工程での加熱に対しても結着剤の弾性が損なわれず、上記接触面積維持の作用ならびに効果を確実にすることができる。
上記正極ケースと上記ガスケットとの間に膜状のシール剤が形成されており、上記結着剤が上記シール剤と同じ成分からなれば、製造時においてシール剤と結着剤とを同時に形成することができるので、シール剤と結着剤とを個別に形成する煩雑さがなくなり、製造工程を簡略化することができ、量産性を向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、図面を適宜用いて本発明の実施の形態1に係るコイン型非水電解質電池について説明する。
図1は、本実施の形態に係るコイン型非水電解質電池の概略断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るコイン型電池10では、リング状のガスケット6が皿状の正極缶4および負極缶5それぞれの縁部同士の間に挟まれており、リチウムを主成分とする皿状の負極板2と、二酸化マンガンを主成分としかつ粉体を押し固めて成形した円筒状の正極板1とが円盤状のガスケット3を挟んでなる電極体が内包されている。
ガスケット6と正極缶4との間には、電池10の密封性能を向上させるため、膜状のシール剤7が形成されている。正極板1と正極缶4との間には、ブチレンゴム系の多孔膜状の結着剤8が形成され、結着剤8が正極板1と正極缶4とを結着している。
本実施の形態に係る電池は、具体的には、オレフィン系炭化水素を主成分とするスリーボンド社製のTB1171と、キシレンとを1:2の割合で混合してなるものを正極缶4の内側面の全体に塗布し、そして、120[℃]雰囲気下で1分間乾燥させてキシレンを揮発させ、さらに、60[℃]雰囲気下で4時間乾燥させて水分を揮発させた後、乾燥雰囲気(水分値300[ppm]以下)下で4時間放置することによって残存するキシレンおよび水分を十分に揮発させて、シール剤7および結着剤8形成済みの正極缶4を完成させ、予めその内面に負極板2およびセパレータ3をこの順で積層済みの負極缶5を準備しておき、この負極缶5の内側に下記成分の電解液を注入した後に正極板1を載置し、上記の完成した正極缶4を正極板1に被せた状態でカシメて封口されたものである。
〔電解液〕
プロピレンカーボネート(PC)とジメトキシエタン(DME)の1:1混合溶媒に電解質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を1mol/lで溶解させている。
なお、上記工程は一例であって、キシレンならびに水分を十分に揮発させることのできる工程であれば、上記工程には限定されない。
TB1171は、オレフィン系炭化水素を主成分とすることから熱可塑性を有し、したがって、高温に晒されると弾性を失っていく傾向を有するが、発明者らは、TB1171が約300[℃]雰囲気下において初めて分解すること、すなわち当該温度になって初めて弾性を失い始めることを確認している。
本実施の形態に係るコイン型非水電解質電池は、バックアップ用の電池としてプリント配線基板上にリフロー半田で実装される場合、約260[℃]の温度雰囲気に晒されるが、上記のようにTB1171は、約300[℃]雰囲気下において初めて弾性を失うので、リフロー半田工程を経ても弾性を失わない。
オレフィン系炭化水素は、有機材料であるので導電性が低く、そして、カーボンを含んでいない。なお、「カーボン」は黒鉛粉末等の導電性を有するカーボンを意味しており、オレフィン系炭化水素のように炭素と水素等とが結合してなる有機材料を含まない。そのうえ、オレフィン系炭化水素は、シール剤7の主成分となっていることからも分かるように、電解液に対して高い耐性を備えており、すなわち、電解液と反応しにくい特性を備えている。したがって、結着剤8は、カーボンを含んでおらず、かつ電解液に対して反応し難いという特性を有する。
上記のように結着剤8が正極缶4と正極板1との間に形成されているので、図1の部分拡大図に示すように、結着剤8は完全な被膜の状態となっておらず、所々で正極板1と正極缶4とが接触している状態となっている。
本実施の形態では、シール剤7と結着剤8とが同じ成分であるが、既述のように電解液に対して耐性を備え、かつ熱耐性を備えている材料であれば、結着剤8がシール剤7と同じ成分でなくても良い。シール剤7と結着剤8とが同じ成分であると、既述のように正極缶4の内側面の全体にこれらを同時に形成することができるので、好ましい。
本実施の形態では、結着剤8として、TB1171を用いているが、これに限定されず、カーボンを含んでおらず、電解液に対して耐性があり、かつリフロー工程での加熱温度である約260[℃]においても分解されず、弾性を維持できる材料であれば良い。例えば、結着剤8が延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)やスチレンブタジエンゴム(SBR)エチレンプロピレンゴム(EPDM)フッ素ゴム(FEPM)などを主成分としていても良い。
《本実施の形態におけるコイン型非水電解質電池の効果》
本実施の形態では、結着剤8と電解液との反応性がカーボンと電解液との反応性に比べて低いので、カーボン材料を集電体として用いたもの、カーボン材料を混合してなる導電性接着剤を集電体に用いたものに比べて、リフロー半田工程において結着剤8が電解液と反応することを抑制することができ、リフロー工程前に比べてリフロー工程後に内部抵抗が上昇することを抑制することができて集電性能の低下を抑制することができる。
上記電池では、完成後に所望の寸法が得られるように各構成部材の寸法が規定され、正極缶4と負極缶5とで形成される内包空間も所望の寸法になるようにこれらの押圧も規定されているが、正極板と正極缶とを直接接触させる構造を採用したとき、製造ばらつきによって正極板1の厚みにばらつきが生じると、規定の圧力で正極缶4と負極缶5とを嵌合させた場合、正極板1と正極缶4との接触面積にばらつきが生じ、結果、内部抵抗にばらつきが生じ、集電性能にばらつきが生じる。
これに対して、本実施の形態では、結着剤8が弾性を有するので、製造ばらつきによって正極板1の厚みにばらつきがあっても、正極板と正極缶とを直接接触させる構造のコイン型電池に比べて、結着剤8の弾性が正極板1と正極缶4との接触面積のばらつきを抑制するように働き、その結果、内部抵抗のばらつきを抑制して集電性能にばらつきが生じることを抑制することができる。
本実施の形態に係る電池10を、バックアップ用の電池としてプリント配線基板上にリフロー半田で実装する場合、カーボン材料が電解液と反応する以外に、電解液が蒸発して密閉された電池10の内圧上昇を招き、これに起因して接触抵抗(内部抵抗)が上昇して集電性能が低下することも考えられる。本実施の形態に係るコイン型非水電解質電池10では、当該内圧上昇が起こっても、正極板1と正極缶4とを結着する結着剤8によって、正極板1と正極缶4との接触面積が維持され、リフロー工程前に比べてリフロー工程後に内部抵抗が上昇することを抑制することができて集電性能の低下を抑制することができる。
本実施の形態に係るコイン型非水電解質電池10では、結着剤8がカーボン材料と比べて電解液と反応しにくいので、上記作用・効果が電解液によって損なわれることを抑制することができる。
結着剤8は、室温以上300[℃]未満において弾性を有するので、上記リフロー工程での加熱に対しても弾性が損なわれず、したがって、本実施の形態に係るコイン型非水電解質電池10では、上記接触圧の維持の作用ならびに効果を確実にすることができる。
本実施の形態では、結着剤8がシール剤7と同じ成分からなるので、シール剤7と結着剤8とを同時に形成することができ、シール剤7と結着剤8とを個別に形成する煩雑さがなくなり、製造工程を簡略化することができ、量産性を向上させることができる。
〔評価試験〕
本発明のコイン型非水電解質電池の効果を検証するべく、実施の形態1に係るコイン型の非水電解質電池と、比較の対象としてカーボンを焼き付けてなる集電体を備えたコイン型電池および集電体を備えていないコイン型電池とを各30個用意し、評価試験を行った。評価試験に用いるサンプルとして実施例1、比較例1,2を用意した。
(実施例1)
実施例1のコイン型電池は、実施の形態1で示したコイン型電池の構成と同じで、直径Dが約4.8[mm],厚みが約1.4[mm]、であり、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(比較例1)
比較例1のコイン型電池は、炭素系導電性塗料であるJEM−886を正極缶の内側のうち正極板と接触する部分に塗布し、これを150[℃]で1時間乾燥させて集電体としており、正極缶とガスケットとの間に形成されたシール剤と集電体とは間隙を開けて正極缶の内側面に形成されている点のみが実施例1と異なり、その他の構成については実施例1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(比較例2)
比較例2のコイン型電池は、正極缶の内面にうち正極板と接触する部分に何も形成されておらず、正極缶と正極板とが直接接触している点が実施例1と異なり、その他の構成については実施例1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
<耐リフロー試験>
電池の表面温度が、150[℃]以上の状態が230秒、200[℃]以上の状態が90秒、250「℃」以上の状態が40秒(最大260[℃])となるように設定したリフロー炉内に実施例1、比較例1,2の各電池を投入した。全ての電池を2度、リフロー炉内に投入した。その理由は、プリント配線基板の一方の面に電池を実装した後、他方の面に他の電子部品が実装されることを想定したからである。
<作動電圧の測定>
実施例1、比較例1,2の各コイン型電池に対して、上記耐リフロー試験の前後それぞれにおいて、標準抵抗(12[kΩ])を接続して通電し、1秒後の作動電圧を測定した。
<内部抵抗の測定>
実施例1、比較例1,2のコイン型電池に対して、上記耐リフロー試験の前後それぞれにおいて、1[kHz]の交流内部抵抗値を測定した。
〔試験結果〕
以上の各測定値を表1に示す。なお、表1には、実施例1、比較例1,2それぞれのサンプルにつき、30個の平均値を記載している。
Figure 2008091081
〔考察〕
表1に示すように、実施例1の作動電圧が、比較例1,2それぞれの作動電圧と比べて、同等の電圧を維持していることが確認できる。このことから、実施例1においては、比較例1,2と同等の通電性能を発揮できることが分かった。その理由として、結着剤8は、絶縁性を有するが、有機溶媒に分散させて塗布する工程を経て形成されているため、正極缶4の内側にて完全な被膜を形成できず、その結果、正極板1と正極缶4とを散点的に接触させたと考えられる。
また、有機溶媒揮発後において結着剤8が被膜を形成していても、正極缶4は金属製であって、その内表面が微視的に見て粗く、かつ正極板1も粉体を押し固めてなるので、正極板1のうち正極缶4と対向する面も微視的に見て粗く、柔軟な結着剤8が正極缶4のカシメに伴って、これら粗面同士に突き破られ、その結果、正極板1と正極缶4とが散点的に接触できると考えられる。
実施例1のリフロー前の作動電圧が比較例2のリフロー前の作動電圧と比べて大きいことが確認できる。
上記各試験を実施する際に、各サンプルは全て同じ規定寸法で作製しているが、製造ばらつきによって正極板の厚みにばらつきが生じ、正極板と正極缶との接触面積にばらつきが生じる。比較例2のコイン型電池では、この正極板の製造ばらつきに起因する接触面積のばらつきが直接作動電圧に影響したのに対して、実施例1のコイン型電池では、正極板1と正極缶4との間に膜状の結着剤8が形成されているため、結着剤8の弾性が正極板1と正極缶4との接触面積のばらつきを抑制するように働き、その結果、比較例2と比べてリフロー前の作動電圧が小さくなったと考えられる。これにより、結着剤8には製造ばらつきに起因する当該接触面積ばらつき抑制効果があることが確認できた。
表1に示すように、実施例1、比較例1,2の全てにおいて、リフロー後におけるそれらの内部抵抗がリフロー前に比べて大きくなっているが、実施例1では、比較例1,2と比べて、その上昇率が小さいことが確認できる。
その理由として、比較例1では、導電性塗料がリフロー時の加熱および電解液の作用によって分解され、かつ当該加熱によって電解液が揮発し、これに起因して電池内圧が上昇して正極缶が内側から押されて、集電体にクラックが伸展し、リフロー後の接触抵抗がリフロー前に比べて増加したと考えられる。
そして、比較例2では、もともと製造ばらつきによる接触抵抗のばらつきが大きいうえに、既述した電解液の揮発によって電池内圧が上昇し、正極缶が内側から押されて、正極板と正極缶との接触面積がさらに低下し、リフロー後の接触抵抗がリフロー前に比べて増加したと考えられる。
これらに対して、実施例1では、結着剤8が電解液に対して反応し難い特性を備えていることから、比較例1と比べて、分解されるおそれが低く、したがって、電解液の揮発により電池内圧が上昇しても、結着剤8の弾性によって、正極缶4が内側から押されることを抑制することができ、リフロー前後において正極缶4と正極板1との接触面積を維持することができたと考えられる。
つまり、結着剤8は、製造時、乾燥状態で正極缶4および正極板1に圧着されているが、結着剤8は弾力性を有するので、正極缶4、正極板1双方の表面の微細な凹凸が結着剤8の表面に食い込む。部分的には図1の部分拡大図に示すように正極板4と正極板1とが直接接触することになる。結果として結着剤8は多孔膜となる。
そして、結着の意味は、本来の接着状態のものであってもよいし(この場合は半乾燥状態と考えられる。)、上述の結着剤8が弾力性を有することで、ここに正極缶4および正極板1の微細な凹凸が食い込んで、結果として正極缶4と正極板1とが結合状態になるとの意味を持つ。
既述のように、正極缶4と負極缶5とを嵌合させる前に正極缶4の内表面に塗られた結着剤8は十分にキシレン・水分を揮発させているが、正極板1のうち、正極缶4と対向する面が粗く、そして、結着剤8は、溶媒に溶かされたものを揮発させてなるため、正極板1と対向する面が粗く、なおかつ正極缶4をカシメる際に適度な圧力が加わることによって、結着剤8の粗面を構成するゴム繊維が正極板1の粗面に入り込み、絡み合って、結着剤8が、正極板1と結着して、上記作用を奏していると考えられる。
以上の結果から、実施例1のコイン型電池では、結着剤8に絶縁性があるにもかかわらず、比較例1,2と同様に正極板1と正極缶4との通電を確保でき、比較例2と比べて製造ばらつきに起因する接触ばらつきを抑制でき、比較例1,2に比べてリフロー工程による集電性能の低下を抑制できることが確認できた。
本発明に係るコイン型電池では、リフロー半田工程による悪影響を抑制できるので、量産性の向上が要求される電気機器に広く適用することができ、その産業上の利用可能性が非常に広く、且つ大きい。
実施の形態1にかかるコイン型電池の概略断面図である。
符号の説明
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 正極缶
5 負極缶
6 ガスケット
7 シール剤
8 結着剤
10 コイン型電池

Claims (4)

  1. 正極ケースおよび負極ケースが、ガスケットを挟みながら嵌合した状態で、正極板、負極板および電解液を包含しているコイン型の非水電解質電池であって、
    前記電解液はカーボンとの反応性が高く、
    当該電解液に対して反応性の低い多孔膜状の結着剤が、少なくとも一方の極板と、当該極板と対向する少なくとも一方の極ケースとを結着していることを特徴とするコイン型の非水電解質電池。
  2. 前記結着剤は、室温以上300[℃]未満において弾性を有することを特徴とする請求項1に記載のコイン型非水電解質電池。
  3. 前記正極ケースと前記ガスケットとの間には、膜状のシール剤が介挿されており、
    前記結着剤は、前記シール剤と同じ成分からなることを特徴とする請求項1または2に記載のコイン型非水電解質電池。
  4. 前記結着剤は、ブチレンゴム、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴムから選択された少なくとも1種類を主成分に含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のコイン型非水電解質電池。
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