JP2008090102A - 印刷システム、画像形成装置、制御装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連帳紙Pに画像を形成する第1プリンタ100Aにて連帳紙Pの搬送が開始されてから停止されるまでの連帳紙Pの搬送量と、同じ連帳紙Pに画像を形成する第2プリンタ100Bにて連帳紙Pの搬送が開始されてから停止されるまでの連帳紙Pの搬送量とに基づいて、第1プリンタ100Aの各構成部の動作開始タイミングと第2プリンタ100Bの各構成部の動作開始タイミングとを制御する。
【選択図】図1
Description
このような印刷システムでは、例えば一方の画像形成装置に動作エラー等が生じて印刷システムが緊急停止されると、第1の画像形成装置と第2の画像形成装置との間に動作時間の差が生じる場合がある。その際に、連帳紙の破断等を防ぐために、通常、第1の画像形成装置と第2の画像形成装置との間に、所定量の連帳紙を保持しながら搬送するバッファ装置が配置されている(例えば、特許文献1参照)。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の印刷システムにて、前記第1画像形成手段と前記第2画像形成手段との間に、経路長が可変の通過経路を通過させながら前記媒体を搬送する媒体搬送手段をさらに備え、前記制御手段は、前記媒体搬送手段にて前記媒体が所定の経路長を保ちながら前記通過経路を搬送されるように、前記第1画像形成手段における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングと前記第2画像形成手段における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1記載の印刷システムにて、前記第1搬送量計測手段は、前記第1画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第1画像形成手段での当該媒体の搬送時間により前記搬送量を計測し、前記第2搬送量計測手段は、前記第2画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第2画像形成手段での当該媒体の搬送時間により前記搬送量を計測することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1記載の印刷システムにて、前記制御手段は、前記第1画像形成手段および前記第2画像形成手段のいずれか一方が画像形成動作中に緊急に停止した場合に、当該第1画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングと当該第2画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項7記載の画像形成装置にて、前記搬送量計測手段は、前記搬送手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの搬送時間により当該媒体の搬送量を計測することを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項10記載の制御装置にて、前記制御信号生成手段は、前記第1画像形成装置における前記媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングを制御する前記信号と、前記第2画像形成装置における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングを制御する前記信号とを生成することを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項12記載の制御装置にて、前記制御信号生成手段は、前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記媒体の長さが所定値を維持するように前記信号を生成することを特徴とする。
本発明の請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが連帳紙の調整を行う負担を軽減することができる。
本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、連帳紙に破断や汚れが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べて、搬送量を計測するデータ処理負担を軽減することができる。
本発明の請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、印刷システムが緊急停止した際にユーザが連帳紙の調整を行う負担を軽減することができる。
本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、連帳紙に破断や汚れが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、搬送量を計測するデータ処理負担を軽減することができる。
本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べて、印刷システムが多数の装置から構成された場合におけるユーザの回復処理の負担を軽減することができる。
本発明の請求項12によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが連帳紙の調整を行う負担を軽減することができる。
本発明の請求項13によれば、本発明を採用しない場合に比べて、連帳紙に破断や汚れが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項14によれば、本発明を採用しない場合に比べて、印刷システムが緊急停止した際のユーザの回復処理の負担を軽減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態の印刷システム1の全体構成を示した図である。図1に示した印刷システム1は、画像形成装置として、帯状に形成された媒体である連帳紙Pに画像を形成する所謂連帳プリンタが2台連結されて構成されたものである。そして、連帳紙Pの搬送方向上流側から下流側に向かって、連帳紙給紙装置300、上流側に配置された第1画像形成手段(第1画像形成装置)の一例としての第1プリンタ100A、媒体搬送手段の一例としてのバッファユニット200、表裏反転ユニット500、下流側に配置された第2画像形成手段(第2画像形成装置)の一例としての第2プリンタ100B、連帳紙巻取装置400を備えている。
また、本実施の形態の印刷システム1には、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの動作を制御する制御手段(制御装置)の一例としての制御コンピュータ600が通信手段の一例としての通信ネットワーク700を介して第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bに接続されている。
第1プリンタ100Aは、連帳紙給紙装置300から供給された連帳紙Pの表面に、制御コンピュータ600から送信された画像データに基づいて画像を印刷する。また、第1プリンタ100Aは、画像の印刷に先立って、連帳紙Pへの画像印刷時の位置ズレや色ズレ等を抑制するためのレジストマーク(後段参照)を印刷する。
連帳紙巻取装置400は、第2プリンタ100Bにて裏面への印刷処理を終えた連帳紙Pを巻取ロール410に巻き取る。
なお、本実施の形態の印刷システム1では、第1プリンタ100Aが連帳紙Pの表面に、また第2プリンタ100Bが連帳紙Pの裏面にそれぞれ画像を形成するが、第1プリンタ100Aが連帳紙Pの裏面に、また第2プリンタ100Bが連帳紙Pの表面にそれぞれ画像を形成するように構成することもできる。
また、通信ネットワーク700は、通信回線やケーブルを利用して双方向に通信可能に構成され、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークにて構成されたものであってもよい。
そして、表裏を反転された連帳紙Pが搬送された第2プリンタ100Bは、連帳紙Pの裏面側にフルカラー画像を印刷する。それにより、両面にフルカラー画像が形成された連帳紙Pは、連帳紙巻取装置400に送られ、巻取ロール410に巻き取られる。
図2は本実施の形態の第1プリンタ100Aの構成を示した図である。図2に示した第1プリンタ100Aは、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、連帳紙Pの搬送方向(図中矢印)上流側から下流側に向かって、連帳紙給紙装置300からの連帳紙Pを搬送駆動する搬送手段(搬送部)の一部を構成する用紙搬送ユニット20、画像形成手段の一例としての4つの画像形成ユニット、すなわち、連帳紙Pに黒(K)色のトナー像を形成するK色画像形成ユニット30K、連帳紙Pにシアン(C)色のトナー像を形成するC色画像形成ユニット30C、連帳紙Pにマゼンタ(M)色のトナー像を形成するM色画像形成ユニット30M、連帳紙Pにイエロー(Y)色のトナー像を形成するY色画像形成ユニット30Y、さらには、連帳紙Pに形成された各色トナー像を定着する定着ユニット40を備えている。
メインドライブロール21は、連帳紙Pを所定の圧力でニップして、用紙搬送ユニット20に配置された不図示のメインモータからの駆動を受けて、所定の搬送速度で連帳紙Pを送り出す機能を有する。アライニングロール22は、メインドライブロール21よりも上流側にて、部分円筒状の案内部材23と協働して連帳紙Pの搬送経路を一定に保持する機能を有する。バックテンションロール24は、メインドライブロール21よりも上流側においてメインドライブロール21よりも低速で回転して、連帳紙Pに張力を付与する機能を有する。用紙搬送方向転換ロール25は、連帳紙Pが巻き掛けられて従動する従動ロールであって、メインドライブロール21から送り出された連帳紙Pの搬送方向を、K色画像形成ユニット30Kに向かう方向に変換する機能を有する。
そして、用紙搬送制御部60、K色画像形成制御部70K、C色画像形成制御部70C、M色画像形成制御部70M、Y色画像形成制御部70Y、および定着制御部80は、総合制御部50によって制御される。
また、総合制御部50に画像データが入力されるのに同期して、総合制御部50は、用紙搬送制御部60を介して用紙搬送ユニット20を制御し、定着制御部80を介して定着ユニット40を制御して、連帳紙Pに所定の張力を付与しながら、連帳紙Pを所定の搬送速度で搬送する。
すなわち、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでは、感光体ドラム31が回転を開始し、感光体ドラム31表面が帯電コロトロン32によって所定の電位(例えば、−500V)に帯電され、レーザ露光器33によって各色画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、現像器34により感光体ドラム31の静電潜像が各色トナーにより現像されて各色トナー像が形成される。感光体ドラム31表面に形成された各色トナー像は、転写ロール35および転写案内ロール36,37によって連帳紙Pに転写される。ここで、連帳紙Pは、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yを順に通過することから、各色トナー像は、K色トナー像、C色トナー像、M色トナー像、Y色トナー像の順に重畳されて、連帳紙P上にフルカラーのトナー像が形成される。
その後、フルカラーのトナー像が形成された連帳紙Pは、定着ユニット40に搬入されて、フラッシュ定着器41より連帳紙Pにトナー像が定着される。それにより、連帳紙Pの表面側にフルカラー画像が形成される。
図3は、ページレジストマーク(ROF)およびカラーレジストマーク(ROC)の一例を示した図である。図3に示したページレジストマーク(ROF)およびカラーレジストマーク(ROC)は、第1プリンタ100Aにおいて画像データに基づいて形成される画像領域よりも上流側に形成される。
同様にして、K色トナー像とM色トナー像との位置合わせ、Kトナー像とYトナー像との位置合わせが行われ、形成されたフルカラー画像における色ズレや色ムラ等の発生を抑制している。
なお、ページレジストマーク(ROF)やカラーレジストマーク(ROC)を読み取る光学センサとしては、例えばラインCCDが用いられる。
本実施の形態の印刷システム1では、制御コンピュータ600、第1プリンタ100Aの総合制御部50(以下、総合制御部50Aと記す)、および第2プリンタ100Bの総合制御部50(以下、総合制御部50Bと記す)が協働して、連帳紙Pの搬送制御を行う。
図4は、制御コンピュータ600、総合制御部50A、および総合制御部50Bにおける搬送制御に関係する機能部の構成を示した図である。図4に示したように、制御コンピュータ600には、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bにおいて連帳紙Pを搬送する搬送系の動作を総合的に制御する動作制御部601、所定の演算処理を行う演算手段の一例としての演算処理部602、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bのそれぞれにおける連帳紙Pの搬送量を記憶する記憶部603、通信ネットワーク700を介して総合制御部50Aおよび総合制御部50Bとのデータの送受信を制御するインターフェース604が備えられている。
総合制御部50Bには、第2プリンタ100Bの搬送系の動作を制御する第2プリンタ動作制御部51B、第2プリンタ100Bの用紙搬送ユニット20に配置されたメインモータ(不図示)の動作を制御するメインモータ制御部52B、第2プリンタ100Bでの連帳紙Pの搬送量を計測する搬送量計測手段(第2搬送量計測手段)の一例としての搬送量計測部53B、搬送量計測部53Bにて計測された連帳紙Pの搬送量に関するデータを記憶する搬送量記憶部54B、通信ネットワーク700を介して制御コンピュータ600とのデータの送受信を制御するインターフェース55Bが備えられている。
そして、ステップ104での緊急停止またはステップ105での通常停止により、メインモータの動作が停止されると、総合制御部50Aの搬送量計測部53Aおよび総合制御部50Bの搬送量計測部53Bは、それぞれメインモータ制御部52Aおよびメインモータ制御部52Bからメインモータの動作停止の通知を受け取り(S106)、動作時間の計測、すなわち搬送管理カウンタを停止する(S107)。
動作制御部601は、受け取った第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bそれぞれの搬送管理カウントデータを記憶部603に記憶する(S109)。そして、演算処理部602は、記憶部603に記憶された搬送管理カウントデータを基に、第1プリンタ100Aでの連帳紙Pの搬送量と第2プリンタ100Bでの連帳紙Pの搬送量とを比較して、両搬送量の差を算出する(S110)。ステップ110にて算出された第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの連帳紙Pの搬送量の差に関するデータを、「インターバルパラメータ」と呼ぶこととする。
なお、ステップ111にてインターバルパラメータが「有り」か「無し」かを判断する基準となる所定値は、例えばバッファユニット200に設定される連帳紙Pの規定の保持量に対する影響の程度を考慮して定められる。例えば、ステップ111にて基準となる所定値を、バッファユニット200にて生じる連帳紙Pの規定の保持量の誤差範囲内の値に設定することができる。
このように、本実施の形態の印刷システム1では、第1プリンタ100Aでの連帳紙Pの搬送量と第2プリンタ100Bでの連帳紙Pの搬送量との比較結果を用いて、様々の形態で第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの動作開始タイミングを制御することができる。
図6に示したように、制御コンピュータ600の動作制御部601は、ユーザによる制御コンピュータ600の不図示の操作パネルから印刷開始の指示を受信すると(S201)、記憶部603に記憶されたインターバルパラメータを読み出す。そして、インターバルパラメータが「有り」か、または「無し」かを判断する(S202)。
ステップ202にてインターバルパラメータが「有り」と判断された場合には、インターバルパラメータ値に基づいて、バッファユニット200(図1参照)での連帳紙Pの保持量が規定の設定量を維持するように、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの間において設ける印刷開始時間の差を算出し、印刷開始時間の差を表すデータを生成する(S203)。以下では、ステップ203にて算出され生成された第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの間において設ける印刷開始時間の差を表すデータを「印刷開始インターバル」とも呼ぶこととする。なお、ここでの動作制御部601は、制御信号生成部として機能する。
一方、ステップ202にてインターバルパラメータが「無し」と判断された場合には、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bにおいて印刷開始時間の差を設ける必要がないため、ステップ203の算出処理は行わない。
その際には、第2プリンタ100Bの搬送量計測部53Bでは、搬送管理カウンタをクリアし、搬送量記憶部54Bに記憶された搬送管理カウントデータを消去する(S304)。そして、搬送管理カウンタのカウントアップを開始する(S305)。
それと同時に、第2プリンタ100Bは画像形成動作を開始する(S306)。
その際には、第1プリンタ100Aの搬送量計測部53Bでは、搬送管理カウンタをクリアし、搬送量記憶部54Bに記憶された搬送管理カウントデータを消去する(S405)。そして、搬送管理カウンタのカウントアップを開始する(S406)。
それと同時に、第2プリンタ100Bは画像形成動作を開始する(S407)。
メインモータの動作が停止されると、第2プリンタ100Bの総合制御部50Bは、搬送量計測部53Bが搬送管理カウンタを停止し(S308)、搬送管理カウントデータを制御コンピュータ600に送信する(S309)。同様に、第1プリンタ100Aの総合制御部50Aは、搬送量計測部53Aが搬送管理カウンタを停止し(S409)、搬送管理カウントデータを制御コンピュータ600に送信する(S410)。
そして、インターバルパラメータが「有り」のデータおよびインターバルパラメータ値、または、インターバルパラメータが「無し」のデータが記憶部603に記憶される(S208)。
本実施の形態の印刷システム1では、図6に示した処理フローを実行することにより、バッファユニット200での連帳紙Pの保持量を規定の設定量に維持している。
また、送信されたインターバルパラメータにより、緊急停止後の印刷再開か、通常停止後の印刷かを自動的に判断できるので、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bにおいて、例えば連帳紙Pの未定着部分の処理等といった印刷再開時に必要な処理を適宜行うことができる。したがって、例えば、送信されたインターバルパラメータに基づいて、連帳紙Pに未定着部分が残らないように、定着ユニット40の定着動作の開始タイミングを適宜設定することもできる。
一方、通常停止の場合には、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bのいずれにおいても、図6の処理フローのステップ202にてインターバルパラメータが「無し」と判断され、ステップ402の待機処理は実行されない。
これは、本実施の形態の印刷システム1では、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bそれぞれの連帳紙Pの搬送速度vはともに等しく設定される(v=一定)ことに基づくものである。すなわち、次式(1)が成立し、v=一定であるので、メインモータの動作時間tは、連帳紙Pの搬送量Dと同義として扱うことができる。そのため、メインモータの動作時間tから連帳紙Pの搬送量Dを把握することができる。
連帳紙Pの搬送量(D)=メインモータの動作時間(t)×搬送速度(v)…(1)
図7は、第1プリンタ100Aが緊急停止した後に、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bを印刷再開させた場合の搬送時間tと連帳紙Pの搬送速度vとの関係を示した図である。図7に示したように、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bが停止する際には、メインモータが減速を開始してから完全に停止するまでの経過時間においては、図7のEaおよびEbの領域のように、搬送速度vは変動する。また、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bが搬送を再開する際には、メインモータが動作を開始してから搬送速度vに到達するまでの経過時間においては、図7のSaおよびSbの領域のように、搬送速度vは変動する。ここで、連帳紙Pの搬送量は、搬送速度を時間で積分したものであるから、各領域Ea,Eb,Sa,Sbの面積が、その領域での連帳紙Pの搬送量である。そこで、各領域Ea,Eb,Sa,Sbでの連帳紙Pの搬送量を、それぞれEa,Eb,Sa,Sbとする。
Db=Tb×v+Eb−Ea …(2)
(2)式において、Tbは、第1プリンタ100Aが緊急停止してから第2プリンタ100Bが停止指示を受けるまでの時間である。そして、本実施の形態の印刷システム1では、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとに設置されるメインモータは、同一の仕様で構成されているので、Eb=Eaをしてよい。そうすると、(2)式は、次の(2´)で表される。
Db=Tb×v …(2´)
Da=IB×v+Sa−Sb …(3)
(3)式において、IBは、図6のステップ203にて算出された第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの間において設ける印刷開始時間の差である印刷開始インターバルである。そして、本実施の形態の印刷システム1では、同様に、Sa=Sbをしてよい。そうすると、(3)式は、次の(3´)で表される。
Da=IB×v …(3´)
具体的には、本実施の形態の印刷システム1では、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bそれぞれの搬送管理カウントデータの差分(=Tb)に基づいて、印刷開始インターバルIBを設定している。すなわち、搬送管理カウントデータの差分Tbに連帳紙Pの搬送速度v(=メインモータの速度)を乗算した値を印刷開始インターバルIBとする。
それにより、本実施の形態の印刷システム1の印刷再開時には、ユーザによる回復処理を必要とせず、自動的にバッファユニット200での連帳紙Pの保持量を規定の設定量に回復している。
また、メインモータの動作時間を計測して連帳紙Pの搬送量を監視する方法の他に、メインモータの回転数を例えばロータリーエンコーダを用いて計測することで、連帳紙Pの搬送量を監視することもできる。その場合には、メインモータの回転数の総量差により、印刷開始インターバルIBが設定される。
また、連帳紙Pの搬送量に基づいて第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの各部の動作開始タイミングを制御するので、ハードウエア構成が複雑化せず、構成上の負担が少ない。特に、連帳紙Pの搬送時間に基づいて第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの各部の動作開始タイミングを制御すれば、搬送量を厳密に算出する処理負担を減らすことができる。
実施の形態1の印刷システム1では、連帳紙Pの両面にそれぞれフルカラー画像を形成する第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの連帳紙Pの搬送量を常時監視して、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bが停止した後に印刷を再開する際に、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bそれぞれにおける連帳紙Pの搬送量の差に基づいて、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの動作開始タイミングを制御する構成について説明した。本実施の形態の印刷システム2では、連帳紙Pの片面に各色トナー像を形成する4つのプリンタにおける連帳紙Pの搬送量を常時監視して、印刷を再開する際に、4つのプリンタそれぞれにおける連帳紙Pの搬送量の差に基づいて、4つのプリンタの動作開始タイミングを制御する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態の印刷システム2には、K色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yの動作を制御する制御コンピュータ600が通信ネットワーク700を介してK色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yに接続されている。
図9は本実施の形態のK色印刷プリンタ150Kの構成を示した図である。図9に示したK色印刷プリンタ150Kは、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、像保持体としての感光体ドラム31、感光体ドラム31表面を所定の電位に帯電する帯電コロトロン32、感光体ドラム31表面を画像データに基づいて露光するレーザ露光器33、感光体ドラム31表面に形成された静電潜像をK色トナーにより現像する現像器34、感光体ドラム31表面に形成されたトナー像を連帳紙Pに転写する転写ロール35、転写ロール35の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、連帳紙Pを感光体ドラム31に押圧する1対の転写案内ロール36,37、連帳紙Pに形成されたトナー像をフラッシュ定着するフラッシュ定着器41を備えている。
さらに、K色印刷プリンタ150K全体の動作を制御するK色印刷制御部90Kを備えている。
なお、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yは、K色印刷プリンタ150Kと同様に構成されている。
具体的には、本実施の形態の印刷システム2が起動されると、制御コンピュータ600から通信ネットワーク700を介してK色印刷プリンタ150KのK色印刷制御部90KにK色画像データが入力される。また、K色印刷制御部90KにK色の画像データが入力されるのに同期して、連帳紙Pが所定の搬送速度で搬送を開始し、感光体ドラム31が回転を開始する。そして、感光体ドラム31表面が帯電コロトロン32によって所定の電位(例えば、−500V)に帯電され、レーザ露光器33によってK色画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、現像器34により感光体ドラム31の静電潜像がK色トナーにより現像されてK色トナー像が形成される。感光体ドラム31表面に形成された各色トナー像は、転写ロール35および転写案内ロール36,37によって連帳紙Pに転写される。それにより、K色トナー像が連帳紙P上に形成される。
その後、K色トナー像が形成された連帳紙Pは、フラッシュ定着器41より連帳紙PにK色画像が定着される。
C色印刷プリンタ150Cは、同様のプロセスにより、第1バッファユニット200Aから供給される連帳紙PにC色画像を印刷する。そして、C色印刷プリンタ150CにてK色画像に重畳してC色画像が印刷された連帳紙Pは、第2バッファユニット200Bに搬送され、第2バッファユニット200Bにて規定の設定量の連帳紙Pが保持されながら、M色印刷プリンタ150Mに搬送される。
Y色印刷プリンタ150Yは、同様のプロセスにより、第3バッファユニット200Cから供給される連帳紙PにY色画像を印刷する。そして、Y色印刷プリンタ150YにてK色画像、C色画像、M色画像およびY色画像が重畳されて印刷され、フルカラー画像が形成された連帳紙Pは、連帳紙巻取装置400に送られ、巻取ロール410に巻き取られる。
本実施の形態の印刷システム2では、制御コンピュータ600、K色印刷プリンタ150KのK色印刷制御部90K、C色印刷プリンタ150CのC色印刷制御部90C、M色印刷プリンタ150MのM色印刷制御部90M、およびY色印刷プリンタ150YのY色印刷制御部90Yが協働して、連帳紙Pの搬送制御を行う。その際に、制御コンピュータ600と、K色印刷制御部90K、C色印刷制御部90C、M色印刷制御部90M、およびY色印刷制御部90Y各々との間では、基本的には実施の形態1の図5および図6にて示した処理フローと同様のデータ処理が行われるが、本実施の形態の印刷システム2では、4台のK色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yが連結されているので、いずれのプリンタが緊急停止するかにより、印刷システム2の動作が再開される際に、それぞれのプリンタにおける動作開始タイミングが異なることとなる。
図10に示したように、まず、制御コンピュータ600の動作制御部601(図4参照)は、ユーザによる制御コンピュータ600の不図示の操作パネルから印刷開始の指示を受信すると、K色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yに対して印刷開始の指示を行う(図10(1))。その際に、動作制御部601は、記憶部603に記憶されたインターバルパラメータを読み出すが(図6のステップ202参照)、上記したように、すべてのプリンタのインターバルパラメータ値が「0」であるので、K色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yは、所定のタイミングで印刷を開始する(図6のステップ302〜306等参照)。
そして、インターバルパラメータが「有り」のデータおよびインターバルパラメータ値が記憶部603に記憶される(図6のステップ208参照)。
その際に、動作制御部601は記憶部603に記憶されたインターバルパラメータを読み出す。そして、インターバルパラメータが「有り」か、または「無し」かを判断する(図6のステップ202参照)。
この場合に、K色印刷プリンタ150K、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yに関しては、インターバルパラメータが「有り」と判断される。そして、K色印刷プリンタ150Kのインターバルパラメータ値に基づいて、印刷開始インターバルIkを算出する(図6のステップ203参照)。同様に、M色印刷プリンタ150Mのインターバルパラメータ値に基づいて、印刷開始インターバルImを算出する。また、Y色印刷プリンタ150Yのインターバルパラメータ値に基づいて、印刷開始インターバルIyを算出する。
一方、C色印刷プリンタ150Cに関しては、インターバルパラメータが「無し」と判断される。そのため、ステップ203の印刷開始インターバルの算出処理は行わない。
一方、印刷開始の指示を受信したK色印刷プリンタ150K、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yには、それぞれ印刷開始インターバルIk,Im,Iyを指定するデータが送信される。そして、K色印刷プリンタ150K、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yは、それぞれ印刷開始インターバルIk,Im,Iyだけ待機して(図6のステップ402参照)、動作の開始を遅らせる。
それにより、第1バッファユニット200Aでの連帳紙Pの保持量、および第2バッファユニット200Bでの連帳紙Pの保持量は、規定の設定値に回復する。
それにより、K色印刷プリンタ150K、C色印刷プリンタ150C、M色印刷プリンタ150M、およびY色印刷プリンタ150Yに加えて、第1バッファユニット200A、第2バッファユニット200B、および第3バッファユニット200Cといった多数の装置が配置された場合にも、印刷システム2が緊急停止した際のユーザの回復処理の負担を軽減する。また、第1バッファユニット200A、第2バッファユニット200B、および第3バッファユニット200Cでの連帳紙Pの保持量を設定量に維持し、連帳紙Pに破断等が生じるのを抑制する。
Claims (14)
- 帯状に形成された媒体に画像を形成する第1画像形成手段と、
前記第1画像形成手段の前記媒体の搬送方向下流側にて当該媒体に画像を形成する第2画像形成手段と、
前記第1画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第1画像形成手段での当該媒体の搬送量を計測する第1搬送量計測手段と、
前記第2画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第2画像形成手段での当該媒体の搬送量を計測する第2搬送量計測手段と、
前記第1搬送量計測手段にて計測された前記搬送量と前記第2搬送量計測手段にて計測された前記搬送量とに基づいて、前記第1画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングと前記第2画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングとを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。 - 前記制御手段は、前記第1画像形成手段における前記媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングと前記第2画像形成手段における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
- 前記第1画像形成手段と前記第2画像形成手段との間に、経路長が可変の通過経路を通過させながら前記媒体を搬送する媒体搬送手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記媒体搬送手段にて前記媒体が所定の経路長を保ちながら前記通過経路を搬送されるように、前記第1画像形成手段における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングと前記第2画像形成手段における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。 - 前記制御手段は、前記第1画像形成手段における定着処理部の動作開始タイミングと前記第2画像形成手段における定着処理部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
- 前記第1搬送量計測手段は、前記第1画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第1画像形成手段での当該媒体の搬送時間により前記搬送量を計測し、前記第2搬送量計測手段は、前記第2画像形成手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該第2画像形成手段での当該媒体の搬送時間により前記搬送量を計測することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
- 前記制御手段は、前記第1画像形成手段および前記第2画像形成手段のいずれか一方が画像形成動作中に緊急に停止した場合に、当該第1画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングと当該第2画像形成手段の各構成部の動作開始タイミングとを制御することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
- 帯状に形成された媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該媒体の搬送量を計測する搬送量計測手段と、
前記搬送量計測手段にて計測された前記搬送量を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記搬送量と、前記搬送手段にて搬送される前記媒体を同時に搬送する外部装置における当該媒体の搬送量とに基づいて、当該搬送手段および前記画像形成手段の動作開始タイミングを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記外部装置と当該画像形成装置との間の前記媒体の長さが所定値を維持するように前記搬送手段の動作開始タイミングを制御することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 前記搬送量計測手段は、前記搬送手段にて前記媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの搬送時間により当該媒体の搬送量を計測することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 帯状に形成された媒体に画像を形成する第1画像形成装置にて当該媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該媒体の搬送量と、当該第1画像形成装置の前記媒体の搬送方向下流側で当該媒体に画像を形成する第2画像形成装置にて当該媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該媒体の搬送量とを取得する搬送量取得手段と、
前記搬送量取得手段にて取得した前記第1画像形成装置での前記媒体の搬送量と前記第2画像形成装置での当該媒体の搬送量とを比較する演算手段と、
前記演算手段による前記搬送量の比較結果に基づいて、前記第1画像形成装置の各構成部の動作開始タイミングを制御する信号と、前記第2画像形成装置の各構成部の動作開始タイミングを制御する信号とを生成する制御信号生成手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。 - 前記制御信号生成手段は、通信手段を用いて前記信号を前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置とに送信することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
- 前記制御信号生成手段は、前記第1画像形成装置における前記媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングを制御する前記信号と、前記第2画像形成装置における当該媒体を搬送する搬送部の動作開始タイミングを制御する前記信号とを生成することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
- 前記制御信号生成手段は、前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記媒体の長さが所定値を維持するように前記信号を生成することを特徴とする請求項12記載の制御装置。
- コンピュータに、
帯状に形成された媒体に画像を形成する第1画像形成装置にて当該媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該媒体の搬送量と、当該第1画像形成装置の前記媒体の搬送方向下流側で当該媒体に画像を形成する第2画像形成装置にて当該媒体の搬送が開始されてから停止されるまでの当該媒体の搬送量とを取得する機能と、
取得した前記第1画像形成装置での前記媒体の搬送量と前記第2画像形成装置での当該媒体の搬送量とを比較する機能と、
前記第1画像形成装置での前記搬送量と前記第2画像形成装置での前記搬送量との比較結果に基づいて、前記第1画像形成装置の各構成部の動作開始タイミングを制御する信号と、前記第2画像形成装置の各構成部の動作開始タイミングを制御する信号とを生成する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
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JP2006272540A JP2008090102A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | 印刷システム、画像形成装置、制御装置およびプログラム |
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JP2008090102A true JP2008090102A (ja) | 2008-04-17 |
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- 2006-10-04 JP JP2006272540A patent/JP2008090102A/ja active Pending
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