JP2008090096A - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を向上し、定着液消費量の低減が可能な定着装置、およびその定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙(記録材)23を搬送しながら、定着液付与手段40A、40Bで定着液を付与して、用紙上のトナー像を定着する定着装置25において、定着液付与手段を記録材搬送方向に沿って複数配置する。各定着液付与手段は、それぞれ定着液を含浸した発泡ポリウレタンからなるスポンジローラ41A、41Bと、それに対向配置されたEPDMからなるゴムローラ42A、42Bとで構成する。定着液としては、トナーtを溶解または膨潤させる軟化材と、この軟化材を分散または溶解する溶媒とからなるものを使用する。
【選択図】図3

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電、書込み、現像を行って像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を直接または中間転写体を介して間接的に転写して用紙等の記録材に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、トナー像転写後の未定着トナーを記録材上に定着する定着装置に関する。特に、記録材を搬送しながら定着液を付与して記録材上のトナー像を定着する定着装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置は、画像情報に基づいて、用紙、布、OHPフィルム等の記録材に、文字や記号等を含む画像を記録するものである。このような画像形成装置には、種々の方式のものがあるが、そのうち、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で記録することができる点から、オフィスで現在広く使用されている。
電子写真方式の画像形成装置は、ドラム状やベルト状の像担持体のまわりに帯電装置、書込み装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置などを配置し、像担持体の回転とともに帯電して後、書込みを行って像担持体表面に静電潜像を形成し、トナーを付着することによりその静電潜像を現像して像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を直接、またはベルト状等の中間転写体を介して間接的に転写して記録材に画像を記録する。そして、トナー像転写後の記録材を定着装置に導き、未定着トナーを記録材上に定着する一方、画像転写後の像担持体表面をクリーニング装置で清掃するとともに除電し、再度の画像形成に備えていた。
この種の電子写真方式の画像形成装置では、定着装置として、定着速度が速く、定着画像品質が良好なことなどから、記録材上のトナーを加熱して溶解し、これを加圧することで記録材上に定着させる熱定着方式が広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置では、トナーを加熱することから多量の電力が消費されており、省エネルギが叫ばれている今日、熱定着方式のものに代えて低消費電力の定着装置の採用が強く望まれている。また、熱定着方式の定着装置には、定着開始までの立ち上げ時間が長いなどの問題もあった。
そこで、従来の定着装置の中には、例えば下記の特許文献1に記載されるように、トナーを溶解または膨潤させる軟化材と、その軟化材を分散または溶解する溶媒とからなる定着液を用い、その定着液を噴霧や滴下し、またはローラなどを用いて塗布して画像転写後の記録材に付着し、トナーを溶解しまたは膨潤してその後定着液を乾燥させることにより未定着トナーを記録材上に定着する方法が提案されている。
この方式の定着装置は、熱定着方式の場合のようにトナー加熱処理を必要としないことから、低消費電力で省エネルギ対策に適した定着方式ということができる。しかしながら、この定着方式では、記録材に多量の定着液を付与することにより生ずる種々の解決課題があった。
すなわち、1)定着液の溶媒として水が用いられた場合には、この多量の水が記録材としての紙の繊維を膨潤させてしまうこととなる。この結果、溶解したトナーが記録材の裏面にまで達して画像の裏抜けを生じ、画像品質を劣化させることとなる。また、2)多量の水分の吸収により記録材に皺やカールが発生し、画像形成装置としての安定かつ高速な記録材搬送を著しく損なうこととなる。さらに、3)この多量の水を乾燥装置を用いて蒸発させて除去しようとすると、上記熱定着方式に匹敵する電力消費を必要とすることとなる。またさらに、4)多量の定着液を使用するために、頻繁に定着液を交換する必要があり、また大容量の定着液タンクを使用すると、定着装置が大型化し、ひいては画像形成装置の小型化を阻害するなどの課題があった。
このため、このような1)ないし4)などの問題を解決すべく、従来の定着方式の中には、例えば下記の特許文献2に記載されるように、インクジェット方式を用い、記録材上のトナー像の位置情報、または記録材に転写される前の像担持体上のトナー像の位置情報に基づき、トナー像にのみ定着液を付与することが提案されている。
特許第3290513号公報 特開2004−109751号公報
このような定着液を用いる定着装置では、定着液は中間転写体上に付与するよりも記録材上に付与することが好ましい。なぜなら、中間転写体上に定着液を付与すると、中間転写体上に残留した定着液が、電子写真方式の帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプロセスに悪影響を及ぼす可能性が大きいためである。
また、電子写真方式の画像形成装置では、現状においては、普通紙が最も広く用いられている。しかし、普通紙である記録材上のトナーに定着液を付与して定着する場合、従来の方法では、以下のような課題のあることが判明した。
すなわち、定着液は、少なくともトナーを溶解または膨潤させる軟化材と、この軟化材を分散または溶解する溶媒とから形成される。トナー定着効率(溶解、膨潤効率)は、軟化材種が一定の場合、軟化材濃度が支配的となる。定着液が普通紙上のトナーに付与されると、定着液は、トナー間を通過し、続いて紙繊維で構成される紙の厚さ方向に所定深さ浸透する。このため、トナーの定着に実効的に寄与するのは、トナーが存在する紙表面近傍の定着液量と、その軟化材量で決定される。トナーが存在しない場所での定着液量とその軟化材量は、トナー定着にほとんど寄与しないこととなる。
したがって、単に定着液量や軟化材濃度を増やすことは、トナー定着効率向上、定着液消費量低減には効果が少なく、新規な定着液付与方法が必要となる。
そこで、この発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を向上し、定着液消費量の低減が可能な定着装置、およびその定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、
用紙、布、OHPフィルム等の記録材を搬送しながら、定着液付与手段で噴霧、滴下、塗布などにより定着液を付与して、記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着液付与手段を記録材搬送方向に沿って複数配置することを特徴とする。
ここで、定着液としては、トナーを溶解または膨潤させる軟化材と、この軟化材を分散または溶解する溶媒とからなるものを使用する。
そして、定着時、記録材を搬送しながら、記録材搬送方向に沿って複数配置する定着液付与手段により、実際に定着に寄与する量の定着液を少しずつ分けて付与して記録材上のトナー像を定着する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、1つの前記定着液付与手段を、定着液を含浸するスポンジローラと、そのスポンジローラとの間で挟んで記録材を搬送するゴムローラとで構成することを特徴とする。
そして、定着時、記録材搬送方向に沿って複数対配置するスポンジローラとゴムローラにより各定着液付与手段を構成し、各定着液付与手段のスポンジローラとゴムローラとで挟んで記録材を搬送しながら、それぞれスポンジローラに含浸する定着液を付与して記録材上のトナー像を定着する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の定着装置において、1つの前記定着液付与手段により付与した定着液が、少なくとも記録材上のトナー層を通して記録材に至るまで浸透することを特徴とする。
そして、定着時、記録材を搬送しながら、記録材搬送方向に沿って複数配置する定着液付与手段により定着液を付与し、記録材上のトナー層を通して記録材に至るまで浸透することによりトナー像を定着する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置において、前記定着液付与手段を記録材搬送方向に沿って2個配置し、記録材に対する定着液の浸透深さを下流側の定着液付与手段よりも、上流側の定着液付与手段の方を浅くすることを特徴とする。
そして、定着時、記録材を搬送しながら、記録材に定着液をはじめ上流側の定着液付与手段により付与して浅く浸透し、次いで下流側の定着液付与手段により付与して深く浸透することによりトナー像を定着する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の定着装置において、定着液の粘度を下流側の定着液付与手段により付与する定着液よりも、上流側の定着液付与手段により付与する定着液の方を高くすることを特徴とする。
そして、定着液の粘度を下流側の定着液付与手段により付与する定着液よりも、上流側の定着液付与手段により付与する定着液の方を高くし、定着時、記録材を搬送しながら、記録材に定着液をはじめ上流側の定着液付与手段により付与して浅く浸透し、次いで下流側の定着液付与手段により付与して深く浸透することによりトナー像を定着する。
請求項6に記載の発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、請求項1ないし5に記載の定着装置を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、定着時、記録材を搬送しながら、記録材搬送方向に沿って複数配置する定着液付与手段により、実際に定着に寄与する量の定着液を少しずつ分けて付与して記録材上のトナー像を定着するので、定着に寄与しない定着液量の消費を少なくして、定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を向上し、結果的に定着液の消費量を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、各定着液付与手段のスポンジローラとゴムローラとで挟んで記録材を搬送しながら、それぞれスポンジローラに含浸する定着液を付与して記録材上のトナー像を定着するので、記録材を確実に搬送しながら少ない定着液を用いて記録材を確実に定着することができる。
請求項3に記載の発明によれば、定着時、記録材を搬送しながら、記録材搬送方向に沿って複数配置する定着液付与手段により定着液を付与し、少なくとも記録材上のトナー層を通して記録材に至るまで浸透するので、トナー像を確実に定着することができる。
請求項4に記載の発明によれば、定着時、記録材を搬送しながら、記録材に定着液をはじめ上流側の定着液付与手段により付与して浅く浸透し、次いで下流側の定着液付与手段により付与して深く浸透することにより記録材上のトナー像を定着するので、定着に寄与しない定着液量の消費を少なくして、定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を一層向上し、結果的に定着液の消費量をさらに低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、定着液の粘度を下流側の定着液付与手段により付与する定着液よりも、上流側の定着液付与手段により付与する定着液の方を高くし、定着時、記録材を搬送しながら、記録材に定着液をはじめ上流側の定着液付与手段により付与して浅く浸透し、次いで下流側の定着液付与手段により付与して深く浸透することによりトナー像を定着するので、定着液の粘度の調整で記録材に対する定着液の浸透深さを容易に変更し、定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を一層向上し、定着液の消費量をさらに低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、画像形成装置において、請求項1ないし5に記載の定着装置を備えるので、定着に寄与しない定着液量の消費を少なくして、定着に有効に働く定着液のトナー定着効率を向上し、結果的に定着液の消費量を低減した定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置の要部構成を示す。図示のものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置である。
図中符号10は、無端ベルト状の像担持体である中間転写体である。中間転写体10は、図示例では1つの駆動ローラ12と2つの従動ローラ13・14に掛けまわして図中時計まわりに回転走行可能に設ける。もちろん、中間転写体10を掛けまわすローラは、3つに限らず、別途中間転写体10の片寄りを調整するローラなど、4つ以上のローラに掛けまわすようにしてもよい。
中間転写体10のまわりには、駆動ローラ12と従動ローラ13間に張り渡した水平部分上に、中間転写体10の走行方向に沿って順に、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの4つの作像ステーション15K・15Y・15M・15Cを横に並べて配置し、タンデム作像装置16を構成する。タンデム作像装置16の上には、図示省略するが、さらに露光装置などが設けられている。
また、中間転写体10の一方の従動ローラ13の左には、二次クリーニング装置17を設ける。また、他方の従動ローラ14の下には、二次転写装置18を備える。二次転写装置18は、図示例では、2つのローラ19間に、無端ベルトである二次転写ベルト20を掛けまわして構成する。この二次転写装置は、図示例のものに代えて、ローラ状のものでもよく、非接触のチャージャを配置してもよい。
中間転写体10の下には、中間転写体10と二次転写ベルト20間の二次転写位置22を通過して記録材である用紙23を搬送する用紙搬送路Pを設け、用紙搬送路Pに沿って二次転写位置22の上流にはレジストローラ24を配置し、下流には定着装置25を設置する。
4つの作像ステーション15K・15Y・15M・15Cは、それぞれ図2に示すような同一の構成をなす。
図中符号30は、ドラム状の像担持体である感光体である。感光体30のまわりには、上方に配置する帯電装置31から図中矢示する回転方向に順に、現像装置32、一次転写装置33、一次クリーニング装置34、除電装置35などを配置する。
ところで、帯電装置31は、帯電ローラを用いる接触帯電方式を採用したが、スコロトロンチャージなどを用いる非接触帯電方式を採用してもよい。現像装置32は、不図示の攪拌部と現像部とで構成し、それぞれには各色現像剤を収納してなる。現像部で現像に寄与しなかった現像剤は、攪拌部に戻されて再利用される。攪拌部のトナー濃度は、不図示のトナー濃度センサで検出されて一定になるように制御されている。現像剤を構成するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなる。トナーを構成する樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂などを上げることができる。
また、一次転写装置33は、図示例では転写ローラ方式を採用し、中間転写体10を挟んで感光体30に押し当てるように配置するが、転写ローラ方式の他に導電性ブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用することもできる。一次クリーニング装置34には、クリーニング部材として、ここでは先端を感光体30に押し当てるクリーニングブレード36を用いている。クリーニングブレード36で掻き落とされたトナーは、不図示の回収スクリュやトナーリサイクル装置で現像装置32に回収して再利用することができる。除電装置35としては、例えばランプを用いる。
そして、感光体30の反時計まわりの回転とともに、感光体30の表面を帯電装置31で一様に帯電し、不図示の露光装置で書込み光L(図1ではLk・Ly・Lm・Lc)を照射してそれぞれ感光体30上に静電潜像を形成して後、現像装置32で各色トナーを付着してその静電潜像を可視像化し、各感光体30上に各色の単色トナー像を形成する。
各感光体30の回転とともに中間転写体10も同期して回転し、各感光体30上の単色トナー像をそれぞれ一次転写装置33で順次転写し、中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。トナー像転写後の感光体30は、表面を一次クリーニング装置34で清掃して後、除電装置35で除電して初期化し、再び帯電装置31からはじまる再度の画像形成に備える。
再び図1において、用紙23は、用紙搬送路Pを通して搬送し、中間転写体10上に形成した合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ24で二次転写位置22へと送り込む。そして、二次転写装置18で中間転写体10上の合成カラー画像を用紙23に転写し、二次転写装置18で搬送して定着装置25へと導き、その定着装置25で未定着トナーを用紙23に定着して後、不図示の排紙スタック部へと排出する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、表面を二次クリーニング装置17で清掃して再度の画像転写に備える。
図3には、図1に示すカラー画像形成装置に備える定着装置25の一例の構成を示す。
図示定着装置25は、記録材である用紙23の搬送方向に沿って2つの定着液付与手段40A、40Bを配置する。
定着液付与手段40A、40Bは、非接触塗布が可能なインクジェット方式やスプレー方式などを用いたり、接触塗布方式と非接触塗布方式を組み合わせた方式を用いたりして、噴霧、滴下、塗布などにより用紙23に定着液を付着することもできるが、この例では、接触塗布方式として、それぞれ定着液を含浸した発泡ポリウレタンからなるスポンジローラ41A、41Bと、それに対向配置されたEPDMからなるゴムローラ42A、42Bとで構成する。
そして、定着時は、用紙23の搬送方向に沿って2対配置する各定着液付与手段40A、40Bのスポンジローラ41A、41Bとゴムローラ42A、42Bとで挟んで用紙23を搬送しながら、それぞれスポンジローラ41A、41Bに含浸する定着液を付与して用紙23上のトナー像tを定着する。
定着液としては、トナーを溶解または膨潤させる軟化材と、その軟化材を分散または溶解する溶媒とからなるものを使用する。この図3に示す例では、上流側のスポンジローラ41Aには、水59.45重量%(溶媒)、コハク酸ジエトキシエチル5重量%(軟化材)、プロピレングリコール35重量%(湿潤剤)、ポリアクリル酸0.05重量%(粘度調整剤)、トリエタノールアミン0.5重量%(pH調整剤)からなる定着液を使用する。この定着液の粘度は、50mPa・sである。一方、下流側のスポンジローラ41Bには、水59.5重量%(溶媒)、コハク酸ジエトキシエチル5重量%(軟化材)、プロピレングリコール35重量%(湿潤剤、増粘剤)、トリエタノールアミン0.5重量%(pH調整剤)からなる定着液を使用する。この定着液の粘度は、5mPa・sである。
これにより、上流側のスポンジローラ41Aから0.2g/A4の定着液を、下流側のスポンジローラ41Bから0.2g/A4の塗布するように調整したところ、塗布後の定着液量は0.4g/A4であった。定着トナー像をウエスで擦ったところウエスにトナーtがまったく付着しなかった。また、顕微鏡で観察したところ、トナーtは十分に溶解していることがわかった。
なお、上流側のスポンジローラ41Aから付与する定着液の粘度は、約50〜100mPa・sが望ましい。約50mPa・s以下では塗布量低減の効果が少なく、約100mPa・s以上では定着液の乾燥が遅いためにトナーtが固化するまでの時間が長いことがわかった。
また、下流側のスポンジローラ41Bから付与する定着液の粘度は、約5mPa・s以下が望ましい。約100mP・s以上では定着液の乾燥が遅いためにトナーtが固化するまでの時間が長いことがわかった。
図4には、比較例として、定着液付与手段を1つ備える定着装置を示す。
図示定着装置は、定着液を含浸した発泡ポリウレタンからなるスポンジローラ1と、それに対向配置されたEPDMからなるゴムローラ2とで構成する1つの定着液付与手段3を備える。
図5(A)には、図4に示す定着装置にA4サイズの記録材4を通してその記録材4に液量Qの定着液5を1回塗布した状態を示す。
図において、Dは、記録材4に対する定着液5の浸透深さを示す。Hは、トナーtの定着に寄与する定着液5の深さを示す。αは、定着液5中の軟化材濃度を示す。すると、実際の定着に寄与する軟化材量は、Q×α×(H/D)となる。
図5(B)には、図4に示す定着装置にA4サイズの記録材4を通してその記録材4に半分の液量0.5×Qの定着液5を1回塗布した状態を示す。
このとき、記録材4に対する定着液5の浸透深さは、定着液量にほぼ比例することから、0.5×Dとなる。トナーtの定着に寄与する定着液5の深さHは一定のため、実際の定着に寄与する軟化材量は(0.5×Q)×α×(H/(0.5×D)となり、図5(A)の場合と変わらないこととなる。すなわち、図5(A)の場合において、トナーtが存在しない場所での定着液量0.5×Q分は、トナー定着にほとんど寄与していないことがわかる。
図5(C)には、図3に示す定着装置にA4サイズの用紙23を通してその用紙23に2つの定着液付与手段40A、40Bにより液量0.5×Qの定着液43を2回に分けて塗布した状態を示す。
この場合、1回目の塗布であらかじめ用紙23の繊維間が定着液43で充填されているため、2回目塗布時の浸透深さは0.5×D以下となる。したがって、実際の定着に寄与する軟化材量は、Q×α×(H/(0.5×D))となり、図5(A)、(B)の場合の各々2倍となる。
以上のとおり、同じ塗布量の場合、塗布回数が多いほど実際の定着に寄与する定着液量は多くなり、定着に寄与しない定着液量の消費を少なくして、トナー定着効率が向上することとなる。このため、定着液43の消費量を低減するためには、できるだけ少量の定着液43をできるだけ多数回塗布することが好ましい。なお、この場合の1回当たりの最小塗布量は、定着液の浸透深さで決定される。1つの定着液付与手段40A、40Bにより付与した定着液は、少なくとも用紙23上のトナー層を通して用紙23に至るまで浸透するようにする。
図6には、図1に示すカラー画像形成装置に備えることができる他例の定着装置の構成を示す。
図示定着装置は、記録材である用紙23の搬送方向に沿って3つの定着液付与手段40A、40B、40Cを配置する。
定着液付与手段40A、40B、40Cは、それぞれ定着液を含浸した発泡ポリウレタンからなるスポンジローラ41A、41B、41Cと、それに対向配置されたEPDMからなるゴムローラ42A、42B、42Cとで構成する。そして、定着時は、用紙23の搬送方向に沿って3対配置する各定着液付与手段40A、40B、40Cのスポンジローラ41A、41B、41Cとゴムローラ42A、42B、42Cとで挟んで用紙23を搬送しながら、それぞれスポンジローラ41A、41B、41Cに含浸する定着液を付与して用紙23上のトナー像tを定着する。
定着液として、この例では、水94重量%(溶媒)、コハク酸ジエトキシエチル5重量%(軟化材)、およびショ糖ラウリン酸エステル1重量%(可溶化促進剤)を使用する。
効果を確認すべく、リコー製のデジタルカラー複写機(imagio Neo C455)の定着ユニットを外して普通紙上に未定着のトナー像を得た。そして、図6に示す定着装置を用いて、定着液付与手段40A、40B、40Cから各0.2g/A4の定着液を塗布するように調整したところ、塗布後の定着液量は、0.6g/A4であった。定着トナー像をウエスで擦ったところ、ウエスにトナーtがまったく付着しなかった。また、顕微鏡で観察したところトナーtは、十分に溶解していることがわかった。
また、比較のために、図6に示す定着装置の構成から2個の定着液付与手段を外し、図4に示すような1個の定着液付与手段で1回定着液の塗布を行った。定着液量が約0.6g/A4となるように調整して塗布を行い、ウエスで擦ったところ、ウエスにトナーtが付着するとともにトナー像が乱れた。また、顕微鏡で観察したところ、トナーtはほとんど溶解していないことがわかった。さらに、比較のために、定着液量1.0g/A4の塗布を行い、ウエスで擦ったところ、ウエスにわずかにトナーtが付着した。また、顕微鏡で観察したところ、トナーtはわずかに溶解していることがわかった。
ところで、実際の製品への定着装置の組み込みでは、定着液付与手段の個数はできるだけ少ない方がよい。これは、コスト以外にも、溶媒として水を用いる場合、用紙23が吸水により塗布回数が増えるにつれて徐々に変形し、その搬送性が損なわれるからである。また、塗布回数が増えるにつれてトナーが時間経過とともに徐々に溶解・膨潤するため、定着液付与手段へのトナーオフセットが発生するからである。
定着液付与手段の個数を少なくするためには、図5を用いた説明から明らかなように、1回目の塗布時の浸透深さを浅くすることである。浸透深さは定着液の粘度、動的表面張力等に依存するが、材料選択の自由度を高める観点から粘度を調整する方が好ましい。すなわち、定着液の粘度を下流側の定着液付与手段により付与する定着液よりも、上流側の定着液付与手段により付与する定着液の方を高くし、定着時、記録材を搬送しながら、記録材に定着液をはじめ上流側の定着液付与手段により付与して浅く浸透し、次いで下流側の定着液付与手段により付与して深く浸透することによりトナー像を定着する。
粘度調整剤としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオール、グリセリンなどの多価アルコール類が一般に用いられる。ただし、これら粘度調整剤を著しく増加すると、溶媒の蒸発が極端に遅くなるためトナーが溶解し、再び固化する定着完了までの時間が極端に長くなり、実用に供し得ない結果となる。
カラー画像形成装置の要部構成図である。 そのカラー画像形成装置に備える1つの作像ステーションの拡大構成図である。 図1に示すカラー画像形成装置に備える定着装置の一例の構成図である。 比較例として、定着液付与手段を1つ備える定着装置の構成図である。 定着液を塗布した記録材の説明断面図で、(A)には図4に示す定着装置にA4サイズの記録材を通してその記録材に液量Qの定着液を1回塗布した状態を示し、(B)にはその記録材に半分の液量0.5×Qの定着液を1回塗布した状態を示し、(C)には図3に示す定着装置にA4サイズの用紙を通してその用紙に2つの定着液付与手段により液量0.5×Qの定着液を2回に分けて塗布した状態を示す。 図1に示すカラー画像形成装置に備えることができる他例の定着装置の構成図である。
符号の説明
23 用紙(記録材)
25 定着装置
40A、40B、40C 定着液付与手段
41A、41B、41C スポンジローラ
42A、42B、42C ゴムローラ
43 定着液
t トナー

Claims (6)

  1. 記録材を搬送しながら定着液付与手段により定着液を付与して記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
    前記定着液付与手段を記録材搬送方向に沿って複数配置することを特徴とする、定着装置。
  2. 1つの前記定着液付与手段を、定着液を含浸するスポンジローラと、そのスポンジローラとの間で挟んで記録材を搬送するゴムローラとで構成することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 1つの前記定着液付与手段により付与した定着液が、記録材上のトナー層を通して記録材に至るまで浸透することを特徴とする、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着液付与手段を記録材搬送方向に沿って2個配置し、記録材に対する定着液の浸透深さを下流側の定着液付与手段よりも、上流側の定着液付与手段の方を浅くすることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置。
  5. 定着液の粘度を下流側の定着液付与手段により付与する定着液よりも、上流側の定着液付与手段により付与する定着液の方を高くすることを特徴とする、請求項4に記載の定着装置。
  6. 請求項1ないし5に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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