JP2008090054A - カラートナーセット、静電潜像現像剤セット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

カラートナーセット、静電潜像現像剤セット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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【課題】低温定着性とクリーニング維持性とに優れたカラートナーセット及び静電潜像現像剤セット、並びに、それらを用いた画像形成装置を提供することである。
【解決手段】無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有し、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のトナーを有するカラートナーセットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラートナーセット、静電潜像現像剤セット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真法などにより、静電荷潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により感光体表面に、画像情報を静電潜像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、前記静電潜像をトナー像として現像し、該トナー像を、中間転写体を介してまたは直接記録媒体に転写する転写工程、さらに、トナー像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
また、近年の普及が著しいフルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、一般に減法3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーと、黒色のトナーと、から構成される4色のトナーを用いてカラー画像の再現が行なわれる。
一般的なフルカラー電子写真法では、まず原稿(画像情報)をイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色に色分解し、各色ごとに感光体表面に静電潜像を形成する。この際、各色毎に形成された静電潜像を、各色のトナーを含む現像剤を用いて現像してトナー像を形成し、転写工程を経てトナー像が記録媒体表面に転写される。この静電潜像の形成からトナー像の記録媒体表面への転写といった一連の工程を、各色毎に順次行い、同一の記録媒体表面に各色のトナー像が画像情報と一致するように重ね合せられて転写される。こうして記録媒体表面に各色のトナー像が転写されて得られたフルカラーのトナー像は、定着工程を経てフルカラー画像として形成される。
従来、電子写真用トナーの定着方式としては、熱を用いたオーブン定着方式や接触加熱型定着方式は信頼性や安全性の面から主に使用されているが、これらの熱定着方式では、電源を入れてから定着機の温度が使用温度まで迅速に上昇し定着可能な状態となるまでの時間、いわゆるウォームアップタイムの短縮とともに、エネルギー使用量を低減するためにより低温(最低定着温度が140℃程度以下)で定着できることが望まれている。特に近年では省エネルギーの徹底のため使用時以外は定着機への通電を停止することが望まれており、定着機温度は通電とともに瞬時に定着可能温度に達する必要があるため、より一層低温での定着が必要となっている。
また、定着温度を低減することにより同じ消費電力であってもプリントスピードの高速化が可能であり、さらに接触加熱型定着方式では加熱ロールなどの定着部材の長寿命化が可能となり、コストの面からも好ましい。従来の方法でトナーの定着温度を低温化させることは、同時にトナー粒子のガラス転移点をも低下させてしまうことになり、トナーの保存性との両立が困難となる。従って、低温定着化とトナー保存性との両立のためには、トナーのガラス転移点をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度が急速に低下するいわゆるシャープメルト性をもつことが必要である。
上記低温定着性を実現するために、結着樹脂として結晶性樹脂を使用する方法が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。結晶性樹脂を使用することにより、結晶の融点以下ではトナーの硬さが保持され、融点を超えたところで結晶の融解とともに粘度が急に低下することにより、低温定着が図られる。
また、紙への定着性が改善期待される結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂が挙げられ、これを用いる例としては、ガラス転移温度40℃以上の無定形ポリエステル樹脂と、融点130℃〜200℃の結晶性ポリエステル樹脂とを混合して用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)さらに、結晶性樹脂の融点として110℃以下の樹脂を用い、無定形高分子を混合させトナーとして使用する方法や、結晶性樹脂が主成分なコア粒子に対して無定形高分子樹脂から構成されるシェル層を設け、その粒子形状が紡錘状なるトナーも提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
一方、画像形成装置への新機構導入や画像形成条件の最適化に加えて、カラートナーにおいても、その粒子径分布が狭くばらつきのないものを作製し得る技術の開発とその採用により、記録媒体表面への均質な転写像の形成と、安定した転写率と、を達成し、カラートナーの性能を格段に向上してきた経緯がある。
上記カラートナーの改良方法の一つとして、樹脂の原料となる単量体および着色剤を溶解させた油相を水相中に分散させた溶液を用いて重合し、トナーを形成することにより、従来のように重合してえら得たトナーを分級することなく、重合反応により粒子径分布を狭く制御することが可能なトナーの製造方法が提案されている。
この場合、ポリエステル樹脂は重縮合反応によって合成されるため、合成の際に乳化重合を用いて乳化状態のポリエステル樹脂を得ることは不可能であるため、分散処理を施して乳化液を作製する方法が採られており、電子写真用トナーの製造方法の一つとしては、乳化凝集法が提案されている(例えば、特許文献6〜8参照)。
この乳化凝集法では、バルク状の樹脂から乳化重合あるいは分散乳化等の方法により樹脂分散液を作製し、一方で、溶媒に着色剤を分散させた着色剤粒子分散液を作製し、これらを混合する。樹脂分散液中の粒子は、粒径にばらつきがなく微小なものが望まれる。続いて、混合溶液中の粒子を凝集させ凝集粒子を得、その後、凝集粒子を熱融合させることで電子写真用トナーを得る。この乳化凝集法によれば、融合時の加熱温度を調整することにより、トナー粒子の形状を不定形から球状まで制御することが可能である。
このトナーの製造方法は、高い転写性を得るのに有効な狭粒子径分布の制御が容易なこと以外にも、分散液中の粒子から凝集体を形成していくという造粒の原理から、トナー中に内包される離型剤含有量の制御性や、トナー形状の制御、特に小粒子径化したトナーの製造に有利である。これらの製造方法等により得られた小粒子径化したトナーを用いて画像形成を行った場合、高精細な画質を提供できるだけでなく、トナー消費量を抑制することにより記録媒体1枚当たりの画像形成コストの低減を実現することをも可能である。
特公昭56−13943号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公平4−30014号公報 特開2005−227672号公報 特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開2002−351140号公報
本発明の目的は、低温定着性とクリーニング維持性とに優れたカラートナーセット及び静電潜像現像剤セット、並びに、それらを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有し、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のトナーを有するカラートナーセットである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が5〜10mgKOH/gの範囲であるカラートナーセットである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の無定形ポリエステル樹脂の酸価が5〜30mgKOH/gの範囲であるカラートナーセットである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のカラートナーセットが黒トナーを含み、該黒トナーの酸価が10〜30mgKOH/gの範囲、黒トナー以外の色のトナーの酸価が7〜27mgKOH/gの範囲であるものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の黒トナーの酸価が、前記各色トナーの酸価のうちの最大値であるカラートナーセットである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂のトナー全量中の質量比が5〜40%の範囲であるカラートナーセットである。
請求項7に係る発明は、無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有し、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のカラートナーを各々含んで構成される静電潜像現像剤セットである。
請求項8に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項7に記載の静電潜像現像剤セットを収容するプロセスカートリッジである。
請求項9に係る発明は、像保持体と、該像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該像保持体上の静電潜像を各々異なる色のトナーを含む現像剤により各色トナー像に現像する現像手段と、該各色トナー像を被転写体上に重ね合わせるトナー像重ね合わせ手段と、を有し、
前記各々異なる色のトナーを含む現像剤として、請求項7に記載の静電潜像現像剤セットを用いる画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の画像形成装置が、さらに、前記転写後の像保持体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング手段を有するものである。
請求項11に係る発明は、請求項9または10に記載のトナー像重ね合わせ手段が、中間転写ベルトを備える画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着性とクリーニング維持性とに優れたカラートナーセットを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着性とクリーニング維持性とをより向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、各色トナー間の酸価の調整を効率的に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、黒トナーを含む場合にも各色トナー間の酸価の調整を効率的に行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、黒トナーのクリーニング性をより向上させることができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着性を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、本構成を有していない場合に比較して、低温定着性とクリーニング維持性とに優れた静電潜像現像剤セットを提供することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、クリーニング維持性に優れ、低温定着条件で画像形成が可能な静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着性とクリーニング維持性とに優れた画像形成を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、トナーのクリーニング効果をより高めることができる。
請求項11に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、トナー像の重ね合わせとクリーニング性の両立を図ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<カラートナーセット>
本発明のカラートナーセットは、無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有して構成され、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のトナーを有することを特徴とする。
前記結晶性ポリエステル樹脂をトナーの結着樹脂に用いると、結晶性ポリエステル樹脂の融点以上の温度で急にトナーの粘度が下がるため、融点を調整することでトナーとしての低温定着性を得ることができる。しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂はそれ自体の機械的強度が大きくないためトナーとして必要な機械的強度を満たすことが難しく、それを補うために無定形ポリエステル樹脂を併用して用いることも必要である。
ところで、フルカラー画像を電子写真方式で形成する場合には、像保持体及び現像器を1つの画像形成ユニットとして、それを複数備えて各色のトナー像を各々の画像形成ユニットにより形成して、それらのトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する場合がある(いわゆるタンデム方式)と、1つの像保持体に対して複数の現像器により各色トナー像を形成する場合(いわゆる4サイクル方式)とがある。
例えば後者の場合、像保持体上に形成されたトナー像が被記録体或いは中間転写体に転写された後に、像保持体上に残留するトナーはブレード或いはブラシ等の方法でクリーニングされる。この場合、1つの像保持体に対して複数の現像器により各々現像するためクリーニング部では複数の色のトナーが混在することになる。そして、トナー中に結晶性ポリエステル樹脂を含む場合には、前記のようにトナーの機械的強度が低いためクリーニングのための圧力等を高くすることができないため、良好なクリーニング性を確保することが困難になりやすい。
一方、クリーニングにおいては、トナーには像保持体に対する付着力とクリーニング部材に対する付着力とが働き、クリーニング性を良好にするには、この二つの力のバランスを制御する必要がある。このため、トナーとしてはトナーのサイズを大きくしたり形を不定形にする方法、トナー表面材料と像保持体との静電的なインタラクションを小さくする目的でトナーを構成する材料を制御する方法、クリーニング掻き取り力を向上させる為に研磨剤と称する硬い無機粉末をトナーに添加する方法などが知られている。
通常、トナー表面にはトナーの保管特性、帯電特性、現像特性、転写特性、クリーニング特性を改善するために外添剤と称する粒子が添加される。しかし、クリーニング部においては、ブレード或いはブラシによる機械力によって脱落や埋まりこみが発生するため、トナー表面の樹脂特性を積極的に制御することが有効である。
上記の状況の下、本発明者等は、クリーニング性向上のためのトナーの表面特性に着目し、クリーニング部に異なる酸価を有するトナーを混在させることによって、クリーニング性が向上することを見出した。
具体的には、カラー画像を形成する各色トナーにおいて、少なくとも1色のトナーが他と異なる酸価を有し、これによる各色トナーの酸価の最大値と最小値との差を3〜20mgKOH/gの範囲とすることで良好なクリーニング性を得ることができることを見出した。
上記効果が得られる理由は定かではないが、トナー酸価を制御する樹脂酸価はトナー帯電特性に影響する樹脂特性であり、酸価が異なる樹脂が接触、衝突すると電荷交換が行われ、静電的付着力が発生することから、クリーニング部においてブレード或いはブラシによって機械的にトナーが掻き取られる時に、異なる酸価を示すトナーがあると接触、衝突によって互いに静電的な付着力が発生してトナー同士の凝集体になり、クリーニング性が向上したものと思われる。
前記各色トナーの酸価の最大値と最小値との差が3mgKOH/gに満たないと、前記トナー同士が凝集体を形成するほどトナー相互間の静電的な付着力を得ることができない。20mgKOH/gを超えると、例えば感光体表面からトナーをはずすことはできるが、静電力が強く発生する為にクリーニング部材、例えばクリーニングブレードに付着堆積するようになる。クリーニングブレードと感光体の接触部手前の空間(プレニップ部)ではかきとられたトナーが流動良く流れて回収される必要があるが、クリーニングブレードへの付着堆積はこのトナーの流れを阻害するようになり、クリーニング不良となる。
酸価の最大値と最小値との差は5〜10mgKOH/gの範囲であることが望ましく、5〜7mgKOH/gの範囲であることがより望ましい。
本発明のカラートナーセットは、2色以上の複数色のトナーを含むものであるが、各色のトナーの酸価は5〜30mgKOH/gの範囲が望ましく、より望ましくは10〜25mgKOH/gの範囲である。酸価が5mgKOH/g未満では、トナー帯電性が低い場合があり、30mgKOH/gより大きいと、トナーの親水性が増して電荷漏洩しやすくなりやはりトナー帯電性が低くなる場合がある。
また、カラートナーセットに黒トナーが含まれる場合には、該黒トナーの酸価が10〜30mgKOH/gの範囲、黒トナー以外の色のトナーの酸価が7〜27mgKOH/gの範囲であることが望ましい。
黒トナーの酸価と黒トナー以外の酸価の関係を上記のようにすることにより、黒トナーを含む場合にも、前記各色トナー間の酸価を効率的に制御することができるため好適である。
さらに、前記黒トナーが含まれる場合には、該黒トナーの酸価が各色トナーの酸価のうちの最大値であることが望ましい。
カラートナーセットに黒トナーが含まれる場合、カラー画像形成において黒トナーが像保持体表面に近い側(トナー層の最下層)となることが多く、この像保持体表面から剥がれにくいトナーについては、トナーの酸価を最も大きくすることが他のトナーとの接触による帯電を大きくして凝集しやすくさせることが望ましいからである。
また、フルカラー画像形成用のカラートナーセットに黒トナーが含まれる場合、黒トナーの着色剤としては、黒色の濃度の面から少なくともカーボンブラックが用いられるが、結着樹脂として無定形ポリエステル樹脂だけでなく結晶性ポリエステル樹脂も使用する場合、カーボンブラックのトナー内の分散性は良くない。これに対しても、結着樹脂の酸価を高くすると分散性が改善するので、結果として前記クリーニング性向上との両立を図ることができる。
以下、本発明のカラートナーセットの構成、製法等について説明する。
本発明のカラートナーセットは、少なくとも2色以上のトナーを含んで構成され、これらの各トナーは、トナー粒子とその表面に外添された外添剤とから構成される。また、トナー粒子は、無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含んで構成される。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、JIS K7121−1987における示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化、すなわちDSC曲線がそれまでのベースラインから離れ、新しいベースラインに移行するのではなく、DSC曲線がそれまでのベースラインから離れ吸熱ピークを有し、再度ベースラインに戻るものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが望ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して粒子を作成する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで、乳化或いは懸濁が可能である。
このようにスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらスルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対して0〜20モル%、望ましくは0.5〜10モル%含有する。含有量が少ないと乳化粒子の経時安定性が悪くなる一方、10モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下するばかりではなく、凝集後、粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなるという不具合が生じる。
さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することがより好ましい。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。2重結合を持つジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。前記脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下してしまう為、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより望ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であることが望ましく、より好適には、90モル%以上である。前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下する為、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、50〜150℃の範囲が望ましく、より好適には60〜90℃の範囲である。融点が50℃未満ではトナーブロッキング性が悪化し、150℃を超えると低温定着性が得られない場合がある。
なお、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
本発明における結晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜40000の範囲であることが望ましく、より好適には1000〜25000の範囲であり、数均分子量(Mn)は2000〜10000の範囲であることが望ましく、より好適には3000〜8000の範囲である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)としては、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
以下の無定形樹脂等の分子量測定もこれに準ずる。
また、トナー全量中の結晶性ポリエステル樹脂の質量比率は5〜40%の範囲であることが望ましく、より好適には7〜20%の範囲である。5%未満だとトナーの低温定着性が不十分な場合があり、40%を超えるとトナーの機械的強度が不十分となり、感光体表面へのフィルミングが発生しやすくなり、定着画像が容易に破壊されるといった不具合が生じる場合がある。
(無定形ポリエステル樹脂)
本発明において、「無定形ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化を示すポリエステル樹脂をいう。
本発明において用いる無定形ポリエステル樹脂は、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類;が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸およびモノアルコールの少なくともいずれかを加えて、重合末端のヒドロキシル基及びカルボキシル基の少なくともいずれかをエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
無定形ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸とを常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
この無定形ポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。上記触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1.00質量%とすることが望ましい。
本発明に使用される無定形ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、35〜100℃であることが望ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜80℃であることがより望ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
なお、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点、無定形ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、0℃から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、融点は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移点は階段状の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
また、本発明における無定形ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000の範囲であることが望ましく、より好適には10000〜50000の範囲であり、数均分子量(Mn)は2000〜30000であることが望ましく、より好適には3000〜15000の範囲である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が悪くなることがあり、また樹脂強度が低下する為、用紙に定着した画像強度が低下してしまう懸念がある。またトナーのガラス転移点を低下させる為、トナーのブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼすことがある。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性が低下する傾向にあり、トナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることが容易となる。
本発明におけるポリエステル樹脂(結晶性、無定形)の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記の分子量分布を得やすいことや、後述する乳化凝集法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、4〜30mgKOH/gの範囲であることが望ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
特に、本発明におけるトナーの酸価を支配するのは無定形ポリエステル樹脂であることから、得られたトナー間の酸価の差を前記の好適な範囲に効率的に制御する観点から、無定形ポリエステル樹脂の酸価を5〜30mgKOH/gの範囲とすることが望ましく、7〜20mgKOH/gの範囲とすることがより望ましい。
また本発明において、前述のようにカラートナーセットが黒トナーを含む場合には、黒トナーの酸価が最大値であることが好適であることから、黒トナーに用いる無定形ポリエエステル樹脂の酸価を最も大きくすることが望ましい。
なお、酸価の測定法については後述する。
本発明において結晶性ポリエステル樹脂と併用して用いられる無定形ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂とある程度親和性をもつことが必要である。親和性がないと、後述するトナー粒子製造工程の凝集、溶融合一工程で、結晶性ポリエステル粒子がとりこまれずにトナー粒子形成がなされ、意図した成分で構成されず、その結果、低温定着性が得られない等、トナー特性が不良になる。また、この親和性は先に述べたトナーの定着強度の経時変化にも影響し、親和性がないと悪化する場合がある。
親和性を持たせるには無定形ポリエステル樹脂の溶解性パラメーター(SP値)を結晶性ポリエステル樹脂のSP値に近づける方法、無定形ポリエステル樹脂を構成するモノマーに直鎖状の炭素鎖をもつものを選択する方法がある。直鎖状の炭素鎖をもつモノマーとしてはドデセニル無水琥珀酸が例示できるがこれに制限されるものではない。
以上の観点から、本発明に用いる結晶性ポリエステル樹脂としては、直鎖状ジカルボン酸と直鎖状ジオールによる構造を含む樹脂などを用いることが望ましく、これと組み合わせて用いる無定形ポリエステル樹脂としては、ドデセニル無水琥珀酸が例示できる直鎖状の炭素鎖の構造を含む樹脂などを用いることが望ましい。
さらに、トナー特性を調整する目的で、公知の無定形高分子樹脂として、スチレンアクリル系樹脂も併用して使用できる。この場合使用できる単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
黒顔料としては、例えばカーボンブラック、磁性粉等が使用できる。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等があげられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどがあげられる。また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。
本発明におけるトナーへの着色剤の添加量は、トナーに含まれる樹脂100質量部に対して4〜20質量部の範囲内が好適である。
(その他の成分)
さらに、本発明におけるトナーには、上記各成分以外に他の成分が含まれていてもよい。
例えば本発明に使用できる離型剤の例としては、特に限定されるものではなく、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス;天然ガス系ワックス及びそれらの変性物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;などを挙げることができ、また改質助剤成分として、炭素数10から18である高級アルコールやその混合物、及び炭素数16から22の高級脂肪酸モノグリセライドやその混合物を挙げることができ、これらのものから組み合わせて用いることができる。
離型剤はトナー全体に対して3〜30質量%含まれることが望ましく、5〜15質量%含まれることがより望ましい。3質量%未満では、十分な定着性が得られず、30質量%を超えると感光体表面へのフィルミングが発生しやすくなり、定着画像が容易に破壊される不具合が生じる場合がある。
また、帯電性をより向上させるために帯電制御剤を添加することができる。帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体から構成される染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、後述する凝集工程や融合・合一工程において、凝集粒子の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
さらに、帯電制御剤として湿式で無機粒子をトナーに添加する場合、この無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべての無機粒子を挙げることができる。この場合、これら無機粒子はイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等を用いて溶媒中に分散させて利用することができる。
次に、本発明におけるトナーを製造する際に好適なトナー製造方法について説明する。
トナー製造方法としては、例えば、少なくとも粒子径が1μm以下の結晶性ポリエステル粒子を分散した第1樹脂粒子分散液と、無定形ポリエステル粒子を分散した第2樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合し、前記結晶性ポリエステル樹脂粒子及び無定形ポリエステル粒子と、前記着色剤粒子及び前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第3の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記結晶性ポリエステル樹脂の融点または前記無定形樹脂あるいは第3の粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を有する製造方法を用いることができる。ここで第3の樹脂粒子は無定形ポリエステル粒子と同一であっても異なっても良い。
結晶性ポリエステル樹脂、無定形ポリエステル樹脂から構成される樹脂粒子分散液を作製するには公知の乳化方法を用いることができるが、得られる粒度分布がシャープであり、且つ体積平均粒径が0.08〜0.40nmの範囲に得やすい転相乳化法が有効である。また、この際に用いる結晶性ポリエステル樹脂、無定形ポリエステル樹脂としてはカルボキシル基を有するポリエステル樹脂が好適である。
特にポリエステル樹脂の場合は、樹脂の酸価の調整と中和アミンとを用い転相乳化法により樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の無定形高分子としてビニル系単量体を用いる場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。なお、無定形樹脂は水中にて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
転相乳化法は、樹脂を溶かす有機溶剤、更に両親媒性の有機溶剤の単独、又は混合溶剤に樹脂を溶かして油相とする。その油相を攪拌しながら塩基性化合物を少量滴下し、更に攪拌しながら水を少しずつ滴下し、油相中に水滴が取り込まれる。次に、水の滴下量がある量を超えると油相と水相が逆転して油相が油滴となる。その後、減圧化の脱溶剤工程をへて水分散液が得られる。
ここで上記両親媒性の有機溶剤とは、20℃における水に対する溶解性が少なくとも5g/L(リットル)以上、望ましくは10g/L以上であるものをいう。この溶解性が5g/L未満のものは、水性化処理速度を加速させる効果に乏しく、得られる水分散体も貯蔵安定性に劣るという問題がある。
有機溶剤の具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体;さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等を例示することができる。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を混合しても使用できる。
次に、前記塩基性化合物に関しては、本発明におけるポリエステル樹脂は、水媒体に分散させる際に塩基性化合物で中和される。この際、ポリエステル樹脂のカルボキシル基との中和反応が水性化の起動力であり、しかも生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって、粒子間の凝集を防ぐことができる。
塩基性化合物としてはアンモニア、沸点が250℃以下の有機アミン化合物等が挙げられる。望ましい有機アミン化合物の例としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
塩基性化合物は、ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に応じて、少なくとも部分中和し得る量、すなわち、カルボキシル基に対して0.2〜9.0倍当量を添加することが望ましく、0.6〜2.0倍当量を添加することがより望ましい。0.2倍当量未満では塩基性化合物添加の効果が認められず、9.0倍当量を超えると、油相の親水性が過剰に増すためと思われるが、粒径分布がブロードになり良好な分散液を得ることができない。
前記第1の凝集工程においては、まず、結晶性ポリエステル粒子を分散した第1樹脂粒子分散液と、無定形ポリエステル粒子を分散した第2樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。樹脂粒子分散液は、樹脂を溶解可能な溶媒に溶かして転相乳化によって調製する。着色剤粒子分散液は、樹脂粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対極性イオン性界面活性剤を用いて、黒色、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調製する。
また、離型剤粒子分散液は、離型剤を水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられる装置により粒子化することにより調製する。
なお、トナー製造に際し、乳化重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその分散安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。
上記粒子化させるための装置としては、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)、連続式超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、ハレル型ホモジナイザー、スラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)などのほか、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
次に、樹脂粒子分散液(第1、第2)と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
第2の凝集工程は、第1の凝集工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第3の樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、第3の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第3の樹脂粒子は、無定形樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
この際、前記第1の凝集工程において、樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、無定形樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
上記の場合、第2の凝集工程においては、上記2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填する極性および量の分散剤で処理された第3の樹脂粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または第2の凝集工程において用いられる第3の樹脂粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、第1および第2の凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
なお、第1および第2の凝集工程において用いられる、結晶性樹脂粒子、無定形樹脂粒子、第3の樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤複合粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが望ましく、100〜300nmの範囲内であることがより望ましい。
樹脂粒子等の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700、0堀場製作所製)で測定することができる。
次に、融合・合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる無定形樹脂粒子または第3の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。
融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナーを、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
なお、洗浄工程は、帯電性の点からイオン交換水による置換洗浄をかなり施すことが望ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好適に用いられる。
得られたトナー粒子には、流動性付与やクリーニング性向上の目的で、乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を流動性助剤やクリーニング助剤として、乾燥状態でせん断をかけてトナー表面へ添加することができる。
トナーに添加される無機酸化物粒子としては、SiO2、TiO2、Al23、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe23、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al23・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。該無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。
前記疎水化処理は、疎水化処理剤に前記無機酸化物粒子を浸漬等することにより行うことができる。前記疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。前記疎水化処理剤の量としては、前記無機酸化物粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常、無機酸化物粒子100質量部に対して、1〜50質量部程度である。
本発明におけるトナーの体積平均粒径は、3〜9μmの範囲が望ましく、3〜8μmの範囲がより望ましい。体積平均粒径が3μm未満だと帯電性が不足し、現像性が低下することがあり、9μmを超えると画像の解像性が低下する場合がある。
また、トナーの体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であり、且つ、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であることが望ましい。
体積分布指標GSDvが1.30を超えた場合には、画像の解像性が低下する場合があり、また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、トナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等が発生し画像欠陥を招く場合がある。
なお、本発明において、トナーの体積平均粒径や、上記体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出した。まず、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積および数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、および、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v、および、数平均粒子径D50pと定義する。これに準じて、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、および、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2として定義され、数平均粒度指標(GSDp)は、(D84p/D16p)1/2として定義される。これらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)および数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
また、本発明におけるトナーは、形状係数SF1が、110〜160の範囲が望ましく、より好適には120〜140の範囲である。形状係数SF1が110未満の場合には、一般に画像形成の際に転写工程で残存トナーが生じるため、この残存トナーの除去が必要となるが、残存トナーをブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性を損ないやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。一方、形状係数SF1が160を超える場合には、トナーを現像剤として使用する場合に、現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊される場合がある。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なうことがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
<静電潜像現像剤セット>
本発明の静電潜像現像剤セットは、前記各色のトナーを含み、好適には該各色トナーとキャリアとを各々混合してなるが(2成分現像剤)、キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば、芯材の表面に被覆樹脂をコーテイングしたものが使用される。また、マトリックス樹脂に磁性粉末などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアの芯材としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられるが、芯材表面性、芯材抵抗の観点から、好適にはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が挙げられる。
本発明で用いるキャリアは、芯材表面に樹脂を被覆してなることが望ましく、該樹脂としては、マトリックス樹脂として使用できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂、等のそれ自体公知の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの樹脂の中でも、フッ素系樹脂及びシリコーン樹脂のうちの少なくとも1種を使用することが好ましい。
前記樹脂による被膜は、前記樹脂中に樹脂粒子及び導電性(体積抵抗率で10Ωcm以下、以下もこれに準ずる)の粒子の少なくとも一方が分散されてなる。前記樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が望ましい。尚、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記樹脂粒子の平均粒径としては、0.1〜2μm程度が望ましく、より好適には0.2〜1μmである。前記樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、前記被膜における樹脂粒子の分散性が悪く、一方、2μmを超えると前記被膜から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
前記導電性の粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れているため望ましい。
前記被膜を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂粒子及び前記導電性の粒子の少なくとも一方と、マトリックス樹脂としてのスチレンアクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の前記樹脂とを溶剤中に含む被膜形成用液を用いる方法等が挙げられる。具体的には前記キャリア芯材を、前記被膜形成用液に浸漬する浸漬法、被膜形成用液を前記キャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、前記キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で前記被膜形成用液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本発明において、ニーダーコーター法が好ましい。
前記被膜形成用液に用いる溶剤としては、マトリックス樹脂としての前記樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。前記被膜に前記樹脂粒子が分散されている場合において、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、前記樹脂粒子及びマトリックス樹脂としての前記粒子がばらつきなく分散しているため、該キャリアを連続使用して該被膜が摩耗したとしても、常に未使用時に近い表面形成を保持でき、前記トナーに対し良好な帯電付与能力を維持することができる。また、前記被膜に前記導電性の粒子が分散されている場合においては、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、前記導電性の粒子及びマトリックス樹脂としての前記樹脂がばらつきなく分散しているため、該キャリアを連続使用して該被膜が摩耗したとしても、常に未使用時に近い表面形成を保持でき、キャリア劣化を防止することができる。尚、前記被膜に前記樹脂粒子と前記導電性の粒子とが分散されている場合において、上述の効果を同時に奏することができる。
二成分現像剤として用いる場合は、以上説明した各色のトナーとキャリアとを混合することで製造される。当該現像剤における前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100〜20:100程度の範囲であることが望ましく、3:100〜12:100の範囲であることがより望ましい。
<プロセスカートリッジ及び画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該像保持体上の静電潜像を各々異なる色のトナーを含む現像剤により各色トナー像に現像する現像手段と、該各色トナー像を被転写体上に重ね合わせるトナー像重ね合わせ手段と、を有し、現像剤として前記本発明の静電潜像現像剤セットを用いるものであれば、以下の構成に限定されるものではない。
ここで、前記トナー像重ね合わせ手段とは、通常色分解されて形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々のトナー像を、位置ずれなく重ねてフルカラー画像とする手段をいうが、本発明においては、フルカラー画像だけでなく2色、3色のトナー像を重ねるカラー画像の場合も含める。
上記トナー像重ね合わせ手段としては、例えば、像保持体及び被記録体間に中間転写体を設け、該中間転写体上で複数色のトナー像を重ね合わせるもの(この場合は、中間転写体が被転写体となる)であってもよいし、被記録体上で直接複数色のトナー像を重ね合わせるもの(この場合は、被記録体が被転写体となる)であってもよい。
前記中間転写体としては、像保持体に形成されたトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、二次転写手段として中間転写ベルトを備える画像形成装置が高品質の転写画質を得ることができるため望ましい。
また、上記の構成の画像形成装置は、例えば、現像装置内に単色のトナーを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像保持体上に保持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等であってもよい。
この画像形成装置において、前述の本発明のカラートナーセットの効果が発揮されるのは、各種部材に付着した複数色のトナーをクリーニングする部分においてであるが、特に転写後の像保持体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング手段や、中間転写ベルトを有する場合のベルト上の残留トナーのクリーニング手段を設けた場合に有効である。
次に、本発明の画像形成装置の一例を図面を用いて説明する。但し、本発明の画像形成装置は、以下に説明する構成に限定されるものではない。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、1は感光体ドラム(像保持体)、2は中間転写ベルト(中間転写体)、3は導電ローラ(第一転写手段)、4は用紙補給部、5はブラック現像器、6はイエロー現像器、7はマゼンタ現像器、8はシアン現像器、9は中間転写体クリーナ、10は感光体クリーナ(クリーニング手段)、44は剥離爪、21はベルトローラ、22はバックアップローラ、23はベルトローラ、24はベルトローラ、25はバイアスローラ(第二転写手段)、26は電極ローラ、31はクリーニングブレード、41は用紙、42はピックアップローラ、43はフィードローラを表す。
次に、図1に示す画像形成装置の構成について説明する。感光体ドラム1の周囲には、これに近接し矢印A方向に沿って、ブラック現像器5、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、感光体クリーナ10が順次配置されている。また、感光体ドラム1に対して、これら4色の現像器が配置された側と反対側に、中間転写ベルト2を挟んで導電ローラ3が、感光体ドラム1と圧接するように配置されている。
中間転写ベルト2は、その内周面に接して矢印B方向に順次配置された導電ローラ3、ベルトローラ21、ベルトローラ23、支持ローラ22、ベルトローラ24により張架されており、中間転写ベルト2を挟んで、ベルトローラ24の反対側には中間転写体クリーナ9が配置されている。また、中間転写ベルト2の、支持ローラ22とベルトローラ24とにより張架された部分の外周面に接触するように剥離爪13が配置されている。
支持ローラ22は、中間転写ベルト2を介して、バイアスローラ25と圧接しており、記録紙41が、支持ローラ22(に押圧された中間転写ベルト2)及びバイアスローラ25間を挿通可能である。バイアスローラ25の周囲には、この表面に接触するようにクリーニングブレード31が設けられている。また、支持ローラ22のバイアスローラ25が配置された側の反対側に、支持ローラ22と接して電極ローラ26が配置されている。
支持ローラ22及びバイアスローラ25間を記録紙41が通過する方向には、一対のお互いに接触した搬送ローラ43が配置され、2つの搬送ローラ43間を記録紙41が挿通可能である。また、一対の搬送ローラ43の、支持ローラ22およびバイアスローラ25が設けられた側の反対側には、記録紙41をストックした用紙補給部4と、用紙補給部4から記録紙41を一対の搬送ローラ43の接触部に供給する給紙ローラ(ピックアップローラ)42が配置されている。
次に、図1に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、感光体ドラム1が矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書込み装置等の静電潜像形成手段(不図示)により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。
この静電潜像はブラック現像器5によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム1の回転で導電ロール3(第一転写手段)が配置された一次転写部に到り、導電ロール3からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、上記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト2外周面に吸着されつつ中間転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。尚、トナー像の中間転写ベルト2への転写の終了した感光体ドラム1は、一次転写部の下流に設けた感光体クリーナ10で残留トナーの除去が行われて次の画像形成に備える。
以下、これに準じて第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、各色のトナー像が、中間転写ベルト2外周面において画像情報と対応するように重ね合わされ、多重トナー像が形成される。中間転写ベルト2に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスロール25(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は、中間転写ベルト2のトナー像を保持する外周面側に接して配置されたバイアスロール25と、中間転写ベルト2の内周面側からバイアスロール25に対向するように配置されたバックアップロール22と、このバックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26と、から構成される。
記録紙41は、用紙補給部4に収容された記録紙束から給紙ロール42で一枚ずつ取り出され、搬送ロール43を経て二次転写部の中間転写ベルト2とバイアスロール25との圧接部に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙41は、バイアスロール25及び支持ロール22による圧接搬送と中間転写ベルト2の回転により、中間転写ベルト2外周面に保持された多重トナー像が転写される。
多重トナー像が転写された記録紙41は、最終トナー像の二次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより中間転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送される。次に、記録紙41が定着装置により加圧/加熱処理されることにより、その表面に多重トナー像が定着されることによって画像が形成される。尚、多重トナー像の記録紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けた中間転写体クリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスロール25は、金属のクリーニングブレード31が常時圧接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
上記二次転写部では、バイアスロール25と中間転写ベルト2を介して対向配置した支持ロール22に圧接した電極ロール26に、トナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙41に静電反発で転写する。
以上の画像形成においては、感光体クリーナ10、中間転写体クリーナ9で、各色のトナーが混合してクリーニングされることとなるため、前記本発明のカラートナーセットを用いた場合の効果が奏され、クリーニング性が向上する。
本発明の画像形成装置は、図1に示した1つの像保持体の周囲に各色に対応した現像器を配置した所謂4サイクル機であってもよいが、画像形成速度の高速化の点では、各色毎の現像ユニットを備えた所謂タンデム機であってもよい。
次に、本発明の画像形成装置に関し、上記タンデム機を例に挙げて図面により説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体としての感光体が複数、即ち画像形成ユニット(画像形成手段)が複数設けられたタンデム型の構成に係るものである。
本実施形態に係る画像形成装置は、図2に示すように、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する4つの画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kが、所定の間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。ここで、各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kは、収容されている現像剤中のトナーの色を除き基本的に同等に構成されているので、以下、イエローの画像形成ユニット50Yを代表させて説明する。
イエローの画像形成ユニット50Yは、像保持体としての感光体11Yを備えており、この感光体11Yは、図2が描かれた紙面に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって所定のプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体11Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
なお、所定の条件により自動で、あるいは、手動で、プロセススピードの切り替えが可能であってもよい。本発明の画像形成方法は、このようにプロセススピードの切り替えが途中で行われる装置であっても、高画質な画像形成と現像剤の維持性とを実現し得るものである。ここで、「所定の条件により自動」としては、例えば、写真画像等高精細な画像部分を含む画像情報が入力された場合に、高画質な画像を得るため、自動で通常モードから低速モードに切換える場合が挙げられる。
ここで、適用可能なプロセススピードとしては、200以上mm/secの範囲であることが好ましく、200〜400mm/secの範囲であることがより好まく、200〜350mm/secの範囲であることがさらに好ましい。
感光体11Yの上部には、帯電ロール(帯電手段)18Yが設けられており、帯電ロール18Yには、不図示の電源により所定の電圧が印加され、感光体11Yの表面が所定の電位に帯電される(帯電ロール18M,18C,18Kおよび感光体11M,11C,11Kにおいてもこれに準ずる)。
感光体11Yの周囲には、帯電ロール18Yよりも当該感光体11Yの回転方向下流側に、当該感光体11Yの表面に画像露光を施して静電潜像を形成する露光装置19Yが配置されている。なお、ここでは露光装置19Yとして、スペースの関係上、小型化が可能なLEDアレイを用いているが、これに限定されるものではなく、他のレーザービーム等による潜像形成手段を用いても勿論問題無い。
また、感光体11Yの周囲には、露光装置19Yよりも当該感光体11Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像装置20Yが配置されており、感光体11Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化され、感光体11Y表面にトナー画像を形成する構成になっている。
感光体11Yの下方には、感光体11Y表面に形成されたトナー画像を一次転写する中間転写ベルト33が、4つの感光体11Y,11M,11C,11Kの下方に渡るように配置されており、この中間転写ベルト33は、一次転写ロール17Yによって感光体11Yの表面に押し付けられている。また、中間転写ベルト33は、駆動ロール12、支持ロール13およびバイアスロール14の3つのロールによって張架され、感光体11Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。そして、中間転写ベルト33表面には、上記のようにして一次転写されたイエローのトナー画像の他、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
また、感光体11Yの周囲には、一次転写ロール17Yよりも感光体11Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体11Yの表面に残留したトナーやリトランスファーしたトナーを清掃するためのクリーニング装置15Yが配置されており、クリーニング装置15Yにおけるクリーニングブレードは、感光体11Yの表面にカウンター方向に圧接するように取り付けられている。
中間転写ベルト33を張架するバイアスロール14には、中間転写ベルト33を介して二次転写ロール34が圧接されており、中間転写ベルト33表面に一次転写され積層されたトナー画像を、バイアスロール14と二次転写ロール34との圧接部に、図示しない用紙カセットから給紙される記録紙表面に、静電的に転写するように構成されている。
また、中間転写ベルト33の支持ロール13の下方には、記録紙上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって記録紙表面に転写して、永久像とするための定着器35が配置されている。
次に、上記のように構成されたイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kの動作について説明する。各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kの動作は、それぞれ同等であるため、ここでは、イエローの画像形成ユニット50Yの動作を、その代表として説明する。
イエローの現像ユニット50Yにおいて、感光体11Yは、矢印A方向に所定のプロセススピードで回転しており、感光体11Yの表面は、不図示の電源によって帯電ロール18Yに所定の電圧を印加することにより、帯電ロール18Y及び感光体11Y間の微小間隙に生じる放電、又は電荷の注入によって、所定の電位にマイナス帯電される。その後、感光体11Yの表面には、露光装置19Yによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。続いて、感光体11Yの表面に形成された静電潜像は、現像装置20Yによりマイナス帯電されたトナーが反転現像され、感光体11Y表面に可視像化され、トナー画像が形成される。その後、感光体11Y表面のトナー画像は、一次転写ロール17Yにより中間転写ベルト33表面に一次転写される。一次転写後、感光体11Yは、その表面に残留したトナー等がクリーニング装置15Yのクリーニングブレードにより掻き取られ、清掃され、次の画像形成工程に備える。
以上の動作が各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kで行われ、各感光体11Y,11M,11C,11K表面に可視像化されたトナー画像が、次々と中間転写ベルト33表面に多重転写されていく。フルカラーモード時は、イエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの順に各色のトナー画像が多重転写されるが、二色、三色モード時のときもこの順番で、必要な色のトナー画像のみが単独または多重転写されることになる。その後、中間転写ベルト33表面に単独または多重転写されたトナー画像は、二次転写ロール34により、図示しない用紙カセットから搬送されてきた記録紙表面に二次転写され、続いて、定着器35において加熱・加圧されることにより定着される。二次転写後に中間転写ベルト33表面に残留したトナーは、中間転写ベルト33用のクリーニングブレードで構成さえたベルトクリーナ16により清掃される。
本実施形態では、タンデム方式の構成において、クリーニング装置15、ベルトクリーナ16を設ける。この方式の画像形成装置においても、クリーニング部では各色トナーが混合されるため、前記本発明のカラートナーセットを用いることにより、一般的にブレードライフが短いタンデム方式の構成においても、長期に渡って良好なクリーニング特性が維持される。
なお、本発明におけるプロセスカートリッジとは、例えば図1における符号5、6、7、8の各々の現像器を含み脱着可能な現像部を含有するカートリッジ、または図2における各画像形成ユニット50(Y、M,C,K)のうち、20(Y、M、C、K)の現像装置を含み脱着可能な現像部を含有するカートリッジであり、該現像部以外にも、例えば感光体11、帯電ロール18、クリーニング装置15等を有していても良い。
以下、実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<トナー、樹脂の酸価測定方法>
トナー、樹脂の酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料としては、予めトナー、樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(2)により酸価を計算した。式(2)中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(2)
<トナーの作製>
(各分散液の調製)
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル 100mol%及びノナンジオール 100mol%の比率で構成されるモノマー成分と、触媒として該モノマー成分100部に対しジブチル錫オキサイド0.3部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で4時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は15300で数平均分子量(Mn)は3800、酸価は13.5mgKOH/gであった。
また、結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は77.2℃であった。
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(1)を用い、樹脂粒子分散液を調製した。
・結晶性ポリエステル樹脂(1):90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上を混合して100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径210nm、固形分量30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル 100mol%及びノナンジオール 100mol%の比率で構成されるモノマー成分と、触媒として該モノマー成分100部に対してジブチル錫オキサイド0.3部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(2)を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は23300で数平均分子量(Mn)は7500、酸価は11.5mgKOH/gであった。
また、結晶性ポリエステル樹脂(2)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は77.2℃であった。
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(2)を用い樹脂粒子分散液を調製した。
・結晶性ポリエステル樹脂(2):90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上を混合して100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径230nm、固形分量30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を得た。
−無定形ポリエステル樹脂分散液(A)−
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:80mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:20mol%
・テレフタル酸:60mol%
・フマル酸:20mol%
・ドデセニル無水琥珀酸:20mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記の比率のモノマー成分を仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、前記モノマー成分100部に対しジブチル錫オキサイドの1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が63℃、酸価10.5mgKOH/g、重量平均分子量が16000、数平均分子量4200の無定形ポリエステル樹脂(1)を得た。
次に、無定形ポリエステル樹脂(1)を用いて樹脂粒子分散液を調製した。
・無定形ポリエステル樹脂(1):100部
・酢酸エチル:50部
5リットルのセパラブルフラスコに酢酸エチルを投入し、その後上記樹脂成分を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、完全に溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に10%アンモニア水溶液を合計で2部となるようにスポイトで徐々に滴下し、更にイオン交換水230部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、無定形ポリエステル樹脂分散液(A)を得た。この分散液における無定形ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は120nmであり、固形分濃度は30%であった。
−無定形ポリエステル樹脂分散液(B)−
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:80mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:20mol%
・テレフタル酸:60mol%
・フマル酸:20mol%
・ドデセニル無水琥珀酸:20mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに 上記の比率のモノマー成分を仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、前記モノマー成分100部に対しジブチル錫オキサイドの1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が64℃、酸価6.6mgKOH/g、重量平均分子量が19000、数平均分子量4500の無定形ポリエステル樹脂(2)を得た。
次に、無定形ポリエステル樹脂(1)を用いて樹脂粒子分散液を調製した。
無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製において、無定形ポリエステル樹脂(1)の代わりに無定形ポリエステル樹脂(2)を用いた以外は無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製に準じて、無定形ポリエステル樹脂分散液(B)を得た。この分散液における無定形ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は135nmであり、固形分濃度は30%であった。
−無定形ポリエステル樹脂分散液(C)−
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:50mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50mol%
・無水トリメリット酸:2mol%
・テレフタル酸:75mol%
・ドデセニル無水琥珀酸 :23mol%
上記の比率のモノマー成分のうち無水トリメリット酸以外のモノマーを用いて前記無定形ポリエステル樹脂(2)の合成に準じて、軟化点が110℃になるまで反応をさせた。次いで、温度を190℃まで下げ無水トリメリット酸の2mol%を徐々に投入し、同温度で1.5時間反応を継続し、ガラス転移点が59℃、酸価39.2mgKOH/g、重量平均分子量25000、数平均分子量5300の無定形ポリエステル樹脂(3)を得た。
次に、無定形ポリエステル樹脂(3)を用いて樹脂粒子分散液を調製した。
無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製において、無定形ポリエステル樹脂(1)の代わりに無定形ポリエステル樹脂(3)用いた以外は無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製に準じて、無定形ポリエステル樹脂分散液(C)を得た。この分散液における無定形ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は160nmであり、固形分濃度は30%であった。
−無定形ポリエステル樹脂分散液(D)−
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:50mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50mol%
・無水トリメリット酸:5mol%
・テレフタル酸:85mol%
・ドデセニル無水琥珀酸:10mol%
上記の比率のモノマー成分のうち無水トリメリット酸以外のモノマーを用いて前記無定形ポリエステル樹脂(3)の合成に準じて、軟化点が110℃になるまで反応をさせた。次いで、温度を190℃まで下げ無水トリメリット酸の5mol%量を徐々に投入し、同温度で2時間反応を継続し、ガラス転移点が63℃、酸価19.5mgKOH/g、重量平均分子量46000、数平均分子量6800の無定形ポリエステル樹脂(4)を得た。
次に、無定形ポリエステル樹脂(4)を用いて樹脂粒子分散液を調製した。
無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製において、無定形ポリエステル樹脂(1)の代わりに無定形ポリエステル樹脂(4)を用いた以外は無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製に準じて、無定形ポリエステル樹脂分散液(D)を得た。この分散液における無定形ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は220nmであり、固形分濃度は30%であった。
−無定形ポリエステル樹脂分散液(E)−
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:79mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:20mol%
・テレフタル酸:61mol%
・フマル酸:20mol%
・ドデセニル無水琥珀酸:20mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記の比率のモノマー成分を仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、前記モノマー成分100部に対しジブチル錫オキサイドの1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が61℃、酸価26.6mgKOH/g、重量平均分子量が17000、数平均分子量4100の無定形ポリエステル樹脂(5)を得た。
次に、無定形ポリエステル樹脂(5)を用いて樹脂粒子分散液を調製した。
無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製において、無定形ポリエステル樹脂(1)の代わりに無定形ポリエステル樹脂(5)を用いた以外は無定形ポリエステル樹脂分散液(A)の調製に準じて、無定形ポリエステル樹脂分散液(E)を得た。この分散液における無定形ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分濃度は30%であった。
−着色剤粒子分散液1−
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330):50部
・アニオン界面活性剤(日本油脂(株)製、ニューレックスR):2部
・イオン交換水:198部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により10分予備分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機、杉野マシン製)を用い圧力245MPaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が354nmで固形分が20.0%の着色剤粒子分散液1を得た。
−着色剤粒子分散液2−
・青色顔料(銅フタロシアニンB15:3、大日精化製):50部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:195部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機、杉野マシン製)を用い圧力245MPaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が462nmで固形分量が20.0%の着色剤粒子分散液2を得た。
−着色剤粒子分散液3−
・マゼンタ顔料(ECR186Y、大日精化工業製):80部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製):8部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28kHzの超音波を10分間照射し、体積平均粒径が132nmで固形分量が29.0%着色剤粒子分散液3を得た。
−着色剤粒子分散液4−
・イエロー顔料(5GX03、クラリアント製):80部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製):8部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28kHzの超音波を20分間照射し、体積平均粒径が108nmで固形分量が29.0%の着色剤粒子分散液4を得た。
−離形剤粒子分散液−
・オレフィンワックス(融点:88℃):90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上を混合し100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径180nm、固形分量30%の離型剤粒子分散液を得た。
(トナーの作製)
−黒トナー粒子1−
・無定形ポリエステル樹脂分散液(A):166部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(A):50部
・着色剤粒子分散液1:25部
・離型剤複合粒子分散液1:40部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)で混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分間保持した後、ここに無定形ポリエステル樹脂分散液(A)を少しずつ60部追加した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpH8.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1リットルに再分散し、300rpmで15分間攪拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続して黒トナー粒子1を得た。
この黒トナー粒子1の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ、体積平均粒径D50は6.4μm、体積粒度分布指標GSDvは1.21、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は11.5mgKOH/gであった。
−シアントナー粒子1、マゼンタトナー粒子1、イエロートナー粒子1−
黒トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液1の25部を着色剤粒子分散液2の20部に変更した以外は、黒トナー粒子1の作製に準じてシアントナー粒子1を得た。このシアントナー粒子1の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.1μm、体積粒度分布指標GSDvは1.26、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は11.0mgKOH/gであった。
また、黒トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液1の25部を着色剤粒子分散液3の20部に変更した以外は、黒トナー粒子1の作製に準じてマゼンタトナー粒子1を得た。このマゼンタトナー粒子1の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.3μm、体積粒度分布指標GSDvは1.28、(GSDv/GSDp)は0.97、酸価は11.2mgKOH/gであった。
さらに、黒トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液1の25部を着色剤粒子分散液4の20部に変更した以外は、黒トナー粒子1の作製に準じてイエロートナー粒子1を得た。このイエロートナー粒子1の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.0μm、体積粒度分布指標GSDvは1.28、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は11.0mgKOH/gであった。
−黒トナー粒子2−
黒トナー粒子1の作製において、無定形ポリエステル樹脂分散液(A)に代わりに無定形ポリエステル樹脂分散液(B)を用いた以外は、黒トナー粒子1の作製に準じて黒トナー粒子2を得た。この黒トナー粒子2の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.3μm、体積粒度分布指標GSDvは1.28、(GSDv/GSDp)は0.97、酸価は8.0mgKOH/gであった。
−黒トナー粒子3−
黒トナー粒子1の作製において、無定形ポリエステル樹脂分散液(A)に代わりに無定形ポリエステル樹脂分散液(C)を用いた以外は、黒トナー粒子1の作製に準じて黒トナー粒子3を得た。この黒トナー粒子3の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.3μm、体積粒度分布指標GSDvは1.28、(GSDv/GSDp)は0.97、酸価は33.5mgKOH/gであった。
−黒トナー粒子4−
黒トナー粒子1の作製において、無定形ポリエステル樹脂分散液(A)に代わりに無定形ポリエステル樹脂分散液(D)を用いた以外は、黒トナー粒子1の作製に準じて黒トナー粒子4を得た。この黒トナー粒子4の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.2μm、体積粒度分布指標GSDvは1.26、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は17.0mgKOH/gであった。
−黒トナー粒子5−
黒トナー粒子1の作製において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)に代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を用いた以外は、黒トナー粒子1の作製に準じて黒トナー粒子5を得た。この黒トナー粒子5の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.4μm、体積粒度分布指標GSDvは1.28、(GSDv/GSDp)は0.95、酸価は10.8mgKOH/gであった。
−黒トナー粒子6−
黒トナー粒子1の作製において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)に代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(E)を用いた以外は、黒トナー粒子1の作製に準じて黒トナー粒子6を得た。この黒トナー粒子6の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は6.1μm、体積粒度分布指標GSDvは1.25、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は22.5mgKOH/gであった。
−シアントナー粒子2−
シアントナー粒子1の作製の作製において、無定形ポリエステル樹脂分散液(A)を無定形ポリエステル樹脂分散液(D)に変更した以外はシアントナー粒子1の作製に準じて、シアントナー粒子2を得た。このシアントナー粒子2の粒子径をマルチサイザーIIにて測定したところ体積平均粒径D50は5.9μm、体積粒度分布指標GSDvは1.26、(GSDv/GSDp)は0.96、酸価は16.5mgKOH/gであった。
(外添剤処理)
黒トナー粒子1の100部と、平均粒子径15nmのデシルシラン処理の疎水性チタニア0.8部と、平均粒子径30nmの疎水性シリカ(NY50、日本アエロジル社製)1.3部とを混合し、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、黒トナー1を得た。他トナー粒子についてもこれに準じて外添剤処理して黒トナー2〜6、シアントナー1〜2、マゼンタトナー1、イエロートナー1を得た。
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm、体積抵抗率:108Ωcm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体(共重合比40/60、Mw:5万):1.6部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(数平均粒子径:0.3μm):0.3部
上記成分のうち、フェライト粒子以外の成分を混合し10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製した。この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
<現像剤の作製>
キャリア94部と黒トナー1:6部とを混合し、V−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより黒現像剤1を作製した。黒トナー2〜6、シアントナー1〜2、マゼンタトナー1、イエロートナー1についても各々これに準じて、黒現像剤2〜6、シアン現像剤1〜2、マゼンタ現像剤1、イエロー現像剤1を作製した。
<実施例1>
現像剤として黒現像剤2、シアン現像剤1、マゼンタ現像剤1及びイエロー現像剤1を用い(静電潜像現像剤セット)、画像形成装置として図1に示すプロセスを採用した市販の電子写真複写機(Docu Centre Color a450、富士ゼロックス社製)を用いて、22℃/50%RHの環境下のもと、各色濃度10%の全面ハーフトーン画像(A4サイズ)のフルカラープリントテストを行なった。なお、クリーニングは感光体表面にウレタンゴムブレードを圧接する方式である。
(画質、クリーニング性評価)
上記条件で40万枚の画像出しを行い、以下の評価を初期と40万枚後とについて以下の評価を行った。
−画質−
初期に濃度20%の全面ハーフトーン画像をサンプリングし、40万枚後に濃度20%の全面ハーフトーン画像を5枚プリントし、このサンプルと初期にサンプリングした画像とを比較することによって、視覚的な官能評価を行った。評価結果を表1に示す。
クリーニング性評価として、以下の指標により評価を行った。
−クリーニングブレード欠け/磨耗−
40万枚プリント後のクリーニングブレードを取り外し、キーエンス社製レーザフォーカス顕微鏡(VK−9500)を用い、1500倍で観察して磨耗/欠けの状態を観察した。クリーニングブレード欠け/磨耗は以下の判断基準で評価した。
◎:クリーニングブレード欠けはなく、偏りなく磨耗している。
○:クリーニングブレード欠けはないが、磨耗にばらつきが見られる。
△:軽微なクリーニングブレード欠けが見られる。
×:明らかなクリーニングブレード欠けが見られ、磨耗も大きい。
−耐フィルミング・汚染性−
40万枚プリント後の感光体を取り外し、目視によりフィルミング・汚染の状態を観察した。耐フィルミング・汚染性は以下の判断基準で評価した。
◎:フィルミング、汚染ともに発生していない。
○:フィルミング、汚染の少なくともいずれかの兆候が見られる。
△:フィルミング、汚染の少なくともいずれかが軽微に見られる。
×:明らかにフィルミング、汚染が観察される。
評価結果をまとめて表1に示す。
(低温定着性)
市販の電子写真複写機(Docu Centre Color a400、富士ゼロックス社製)を用いて未定着画像を得た後、ベルト圧接方式の外部定着機を用いて、定着温度を90℃から220℃間で5℃きざみに段階的に上昇させながら画像の定着性、ホットオフセット性を評価した。なお、低温定着性は、未定着のソリッド画像(25mm×25mm)を定着した後、紙の両端部を指であわせて画像部が曲がるようにし、その曲がった部分に重量がかかるように高さ50mm、直径70mm、総重量800gの円筒物を速度200mm/秒で転がして折り曲げ、その部分の画像欠損度合いグレード付けし、規定のグレード以上になる定着温度を最低定着温度とした。ホットオフセット温度は未定着画像を定着した後の定着ベルト面の1周後に該当する用紙白紙部分の汚れが目視で確認される最低温度とした。定着安定温度域は、最低定着温度及びホットオフセット温度から5℃引いた温度間の温度域とした。
評価結果を表1に示す。
<実施例2〜6、比較例1〜4>
現像剤として、表1に示す組み合わせを各々選択し、これらの静電潜像現像剤セットを用いて、実施例1に準じて評価を行った。なお、現像剤セットは必ずしも4色である必要はなく、3色以下の現像剤数の場合にはその色数でのカラー画像形成を行った。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008090054
表1に示すように、実施例の静電潜像現像剤セットを用いた画像形成では、カラープリントに必要な各色トナーの酸価に幅を持たせることで良好な画質とクリーニング性を維持できることがわかった。
一方、比較例に示すように、各色トナーの酸価の幅が小さいと初期は良好なものの、40万枚目のプリント画質に示すようにスジが確認され、ブレードを光学顕微鏡で観察すると部分的にカケが見られた。また感光体表面はトナー成分による汚染が感光体周方向にスジ状に確認された。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略模式図である。
符号の説明
1 感光体ドラム(像保持体)
2、33 中間転写ベルト(中間転写体)
3 導電ローラ(第一転写手段)
4 用紙補給部
5 ブラック現像器
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 中間転写体クリーナ
10 感光体クリーナ(クリーニング手段)
11 感光体
12 駆動ロール
13 支持ロール
15 クリーニング装置
16 ベルトクリーナ
17 一次転写ロール
18 帯電ロール
19 露光装置
20 現像装置
21、23、24 ベルトローラ
22 支持ローラ
14、25 バイアスローラ(第二転写手段)
26 電極ローラ
34 二次転写ロール
35 定着器
41 記録紙
42 給紙ローラ
43 搬送ローラ
44 剥離爪
50 画像形成ユニット

Claims (11)

  1. 無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有し、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のトナーを有することを特徴とするカラートナーセット。
  2. 前記各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が5〜10mgKOH/gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のカラートナーセット。
  3. 前記無定形ポリエステル樹脂の酸価が5〜30mgKOH/gの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラートナーセット。
  4. 黒トナーを含み、該黒トナーの酸価が10〜30mgKOH/gの範囲、黒トナー以外の色のトナーの酸価が7〜27mgKOH/gの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  5. 前記黒トナーの酸価が、前記各色トナーの酸価のうちの最大値であることを特徴とする請求項4に記載のカラートナーセット。
  6. 前記結晶性ポリエステル樹脂のトナー全量中の質量比が5〜40%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラートナーセット。
  7. 無定形ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を各々含有し、各色トナーの酸価のうちの最大値と最小値との差が3〜20mgKOH/gの範囲である複数色のカラートナーを各々含んで構成されることを特徴とする静電潜像現像剤セット。
  8. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項7に記載の静電潜像現像剤セットを収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 像保持体と、該像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該像保持体上の静電潜像を各々異なる色のトナーを含む現像剤により各色トナー像に現像する現像手段と、該各色トナー像を被転写体上に重ね合わせるトナー像重ね合わせ手段と、を有し、
    前記各々異なる色のトナーを含む現像剤として、請求項7に記載の静電潜像現像剤セットを用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. さらに、前記転写後の像保持体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記トナー像重ね合わせ手段が、中間転写ベルトを備えることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
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