JP2008089896A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インクジェット法によって着色層に混色が少なく、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができる、カラーフィルターの製造方法である。
【解決手段】着色層形成用層形成工程が、遮光部を撥液化する撥液化処理工程と、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された上記遮光部の開口部内に上記着色層形成用塗工液を充填する塗布工程と、開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化する仮硬化処理工程とにより、上記開口部内に単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、上記複数色の着色層形成用層を形成するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターの製造方法に関するものであり、より詳しくはインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶ディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶ディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶ディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
このような状況において、液晶ディスプレイを構成する部材についてはより低コストで高品質なものを高生産性で製造することが望まれており、特に液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルターは、従来高コストであったことからこのような要望が高まっている。
上記カラーフィルターは、通常、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の3原色の着色層からなるR、G、Bパターンを備えるものである。カラー液晶ディスプレイは、このようなカラーフィルターのR、G、Bのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで、液晶をバックライトのシャッターとして作動させてカラー表示を行うものである。
このようなカラーフィルターを製造する方法としては、従来、染色法や顔料分散法等のR、G、Bの3色の着色層を形成するために同一の工程を3回繰り返す方法が用いられてきた。しかしながら、このような製造方法は高精度なR、G、Bパターンが形成されたカラーフィルターを形成できるという点においては有用であったが、同一の工程を3回繰り返す必要があるということから必ずしも生産性の高いものではなかった。
上記の点が改善されたカラーフィルターの製造方法として、特許文献1にはインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法が開示されている。インクジェット法は、基材上に複数の開口部を有する遮光部が形成されたカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内にインクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗工することによりカラーフィルターを製造するものである。このようなインクジェット法は、同一工程を繰り返す必要がなく、さらにインクジェットヘッドを順次移動させることにより、大面積のカラーフィルターを高生産性で製造できる点において有効であり、低コストでカラーフィルターを製造できる方法として着目されている。
ところで、従来のインクジェット法においては、複数色の着色層形成用塗工液を同時に滴下する方法が一般的に用いられている。このような方法は、上記カラーフィルター用基板の有効画素範囲内に着色層を形成するために必要なインクジェットヘッドの走査回数を低減できるため、高生産性でカラーフィルターを製造できるという利点を有する。しかしながら、複数色の着色層形成用塗工液を同時に滴下することで、滴下された着色層形成用塗工液が互いに接触してしまい、形成される着色層に混色が生じてしまうという問題点が懸念されていた。
また、上記のように複数色の着色層形成用塗工液を同時に滴下すると、形成される着色層がすべて凸形状となってしまうことに起因して色度特性が低下してしまう問題があった。このような問題点は、上記着色層形成用塗工液の滴下量を増加させることにより改善できるが、このような方法で上記色度特性を改善すると、形成される着色層の厚みが大きくなってしまうため、輝度特性が低下してしまうことが指摘されていた。
このようなことから、従来のインクジェット法では、輝度特性および色度特性に優れたカラーフィルターを製造することが困難であるという問題点が懸念されていた。
特開2000−187111号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされてものであり、インクジェット法によって着色層に混色が少なく、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができる、カラーフィルターの製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる複数色の着色層形成用層を形成する着色層形成用層形成工程と、上記硬化型樹脂を硬化させる硬化処理工程とを有するカラーフィルターの製造方法であって、上記着色層形成用層形成工程が、上記遮光部を撥液化する撥液化処理工程と、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された上記遮光部の開口部内に上記着色層形成用塗工液を充填する塗布工程と、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化する仮硬化処理工程とにより、上記開口部内に単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記着色層形成用層形成工程が、上記撥液化処理工程を有する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることにより、複数色が混合された着色層形成用層が形成されることを防止できる。したがって、本発明によればインクジェット法により着色層に混色の少ないカラーフィルターを製造することができる。
また本発明によれば、上記着色層形成用層形成工程が複数色の着色層形成用層を同時に形成するのではなく、上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることにより、形成される着色層形成用層が凸形状となることを防止することができる。したがって、本発明によれば、インクジェット法により色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができる。
このようなことから、本発明によればインクジェット法によって着色層に混色が少なく、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができる。
本発明においては、上記着色層形成用層の硬度が3N/mm〜250N/mmの範囲内であることが好ましい。上記着色層形成用層の硬度が上記範囲内であることにより、上記着色層形成用層形成工程により形成される着色層形成用層の形状を均一にすることができ、さらに着色層形成用層の形状が凸形状となることをより効果的に防止できるため、本発明により色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することが容易になるからである。
また本発明においては、上記基材が無機材料からなるものであり、かつ、上記遮光部が樹脂および遮光性材料から構成されるものであり、さらに、上記撥液化処理工程がフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射により上記遮光部を撥液化するものであることが好ましい。このような実施態様によれば、樹脂を含有する上記遮光部のみに選択的にフッ素を導入することができるため、上記撥液化処理工程において上記遮光部の撥液性を向上させることが容易になるからである。
また、上記着色層形成用層形成工程おける2回目以降の単色層形成工程においては、上記撥液化処理工程によって既に形成されている着色層形成用層にもフッ素を導入して撥液性を向上させることができるため、複数色が混合された着色層形成用層が形成されることをさらに防止することができるからである。
さらに本発明においては、上記硬化型樹脂が熱硬化型樹脂であることが好ましい。例えば、上記硬化型樹脂として光硬化型樹脂を用いた場合には、硬化するために重合開始剤等の他の添加剤を併用する必要があるが、熱可塑型樹脂であれば硬化するために際して他の添加剤を必要としないため、本発明により発色性に優れた着色層を有するカラーフィルターを製造することが容易になるからである。
本発明は、インクジェット法によって着色層に混色がなく、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材と、上記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる複数色の着色層形成用層を形成する着色層形成用層形成工程と、上記硬化型樹脂を硬化させる硬化処理工程とを有するものであって、上記着色層形成用層形成工程が、上記遮光部を撥液化する撥液化処理工程と、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された上記遮光部の開口部内に上記着色層形成用塗工液を充填する塗布工程と、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化する仮硬化処理工程とにより、上記開口部内に単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルターの製造方法について詳細に説明する。図1は本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材1aと、上記基材1a上に形成され、複数の開口部を備える遮光部1bとを有するカラーフィルター用基板1を用い(図1(a))、熱硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる単色の着色層形成用層2aを形成する単色層形成工程を行った後(図1(b)−1)、同様の方法により単色の着色層形成用層2b、2cを形成する単色層形成工程(図1(b)−2、(b)−3)を繰り返して行うことにより、上記カラーフィルター用基板1上に複数色の着色層形成用層2(2a、2b、および、2c)を形成する着色層形成用層形成工程(図1(b))と、上記着色層形成用層2に含有される熱硬化型樹脂を加熱硬化させる硬化処理工程(図1(c))とにより、上記カラーフィルター用基板1の遮光部1bが有する開口部内に着色層3が形成された構成を有するカラーフィルター10を製造するものである(図1(d))。
次に、本発明における単色層形成工程について図を参照しながら説明する。図2は本発明のカラーフィルターの製造方法における単色層形成工程の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明における第1回目の単色層形成工程は、フッ素化合物を導入ガスとして用いたプラズマ照射処理により、少なくともカラーフィルター用基板1が有する上記遮光部1bを撥液化する撥液化処理工程と(図2(a))、インクジェットヘッド20を用いて硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液2a’を滴下することにより、撥液化された上記遮光部1bの開口部内に上記着色層形成用塗工液2a’を充填する塗布工程と(図2(b))、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液2a’を乾燥させることにより仮硬化する仮硬化処理工程(図2(c))とにより、上記開口部内に単色の着色層形成用層2aを形成するものである。そして、第2回目の単色層形成工程は、上記遮光部1bと着色層形成用層2aとを、上記プラズマ照射処理により撥液化する撥液化処理工程と(図2(d))、インクジェットヘッド20’を用いて着色層形成用塗工液2b’を滴下することにより、上記着色層形成用層2aに隣接する開口部内に着色層形成用塗工液2b’を充填する塗布工程と(図2(e))、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液2b’を乾燥させることにより仮硬化する仮硬化処理工程と(図2(f))により、上記開口部内に2色目の着色層形成用層2bを形成するものである。
なお、3回目以降の単色層形成工程は、通常、上記第2回目の単色層形成工程と同様の方法によって着色層形成用層を形成するものになる。
上述したように、本発明における着色層形成用層形成工程はこのような単色層形成工程を繰り返し実施することにより、上記カラーフィルター用基板上に複数色の着色層形成用層を形成するものである。
本発明によれば、上記着色層形成用層形成工程が、従来のように複数色の着色層形成用塗工液を同時に滴下して複数色の着色層形成用層を形成するものではなく、単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって複数色の着色層形成用層を形成するものであり、かつ、上記単色層形成工程が上記撥液化処理工程を有するものであることにより、連続する単色層形成工程によって形成される着色層形成用層に混色が生じることを防止できる。したがって、本発明によればインクジェット法により着色層に混色のないカラーフィルターを製造することができる。
ここで、上記着色層形成用層は、上記着色層形成用塗工液が仮硬化されてなるものであるが、上記硬化処理工程において上記着色層形成用層に含まれる硬化型樹脂が硬化されることによって着色層となるものである。
また、本発明によれば、上記着色層形成用層形成工程が複数色の着色層形成用層を同時に形成するのではなく、上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることにより、形成される着色層形成用層が凸形状となることを防止することができる。したがって、本発明によればインクジェット法により、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができる。
さらに、本発明によれば上記着色層形成用層形成工程が上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることにより、有効画素内の最端部に位置する開口部内に形成される着色層の形状も均一化することができる。
ここで、本発明が上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって複数色の着色層形成用層を形成するものであることにより、形成される着色層形成用層が凸形状となることを防止することができる理由については明らかではないが、次のような理由によるものであると推定される。すなわち、複数色の着色層形成用塗工液を同時に滴下した場合に、形成される着色層形成用層が凸形状となってしまうのは、例えば、図3に例示するように、上記着色層形成用層形成工程において、複数色の着色層形成用塗工液2’(2’a、2’b、および、2’c)が同時に滴下された場合、上記着色層形成用塗工液2’が乾燥する際には主にカラーフィルター用基板の1の上方向へ溶媒が揮発することに起因すると考えられる(図3(a),(b))。
しかしながら、本発明によれば上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって複数色の着色層形成用層を形成することにより、単色ずつ滴下された着色層形成用塗工液2’が乾燥する際に溶媒が乾燥する方向に異方性が生じることを防止し、開口部端への溶質フローが生じるため、形成される着色層形成用層2が凸形状となることを防止できると考えられる(図3(c),(d))。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、少なくとも上記着色層形成用層形成工程および上記硬化処理工程を有するものであり、必要に応じて他の工程を有していてもよいものである。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法に用いられる各工程について詳細に説明する。
1.着色層形成用層形成工程
まず、本発明における着色層形成用層形成工程について説明する。本工程は、基材と、上記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる複数色の着色層形成用層を形成する工程である。そして、本発明における着色層形成用層形成工程は、少なくとも上記遮光部を撥液化する撥液化処理工程と、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された上記遮光部の開口部内に上記着色層形成用塗工液を充填する塗布工程と、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化する仮硬化処理工程とにより、上記開口部内に単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、上記複数色の着色層形成用層を形成することを特徴とするものである。
ここで、本工程によって形成された着色層形成用層は、後述する硬化処理工程において上記硬化型樹脂が硬化されることより着色層となるものである。
以下、このような着色層形成用層形成工程について詳細に説明する。
(1)単色層形成工程
まず、上記単色層形成工程について説明する。本発明における単色層形成工程は、撥液化処理工程と、塗布工程と、仮硬化処理工程とにより、後述するカラーフィルター用基板が有する遮光部の開口部内に、着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる単色の着色層形成用層を形成するものである。本発明のカラーフィルターの製造方法は、このような単色層形成工程を繰り返し、単色ずつ上記着色層形成用層を形成することによって、着色層に混色がなく、色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することができるのである。
以下、このような単色層形成工程に用いられる撥液化処理工程、塗布工程、および、仮硬化工程について順に説明する。
a.撥液化処理工程
まず、上記撥液化処理工程について説明する。本工程は少なくとも後述するカラーフィルター用基板が有する遮光部の撥液性を向上させる工程である。ここで、上記「撥液性」とは、後述する着色層形成用塗工液に対する撥液性を意味するものである。
本工程は、少なくとも遮光部の撥液性を向上できるものであればよいものであるが、なかでも、本工程において撥液性を向上させる遮光部の開口部内に着色層形成用層が形成されている場合においては、上記遮光部および上記着色層形成用層の撥液性を向上するものであることが好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、本発明における着色層形成用層形成工程は、上記単色層形成工程を複数回繰り返すことによって複数色の着色層形成用層を形成するものであるため、2回目以降の単色層形成工程においては、撥液化処理工程において撥液性を向上させる遮光部の開口部内に、1回目の単色層形成工程によって形成された着色層形成用層が存在していることになる。このような場合においては、上記遮光部のみならず1回目の単色層形成工程で形成された着色層形成用層についても撥液性を向上することにより、2回目の単色層形成工程において上記開口部内に着色層形成用塗工液を滴下した際に、上記着色層形成用塗工液が既に形成されている着色層形成用層に付着することを防止することができるため、遮光部のみを撥液化した場合と比較して、形成される着色層形成用層に混色が生じることをより効果的に防止できる。このため、本工程が、上記遮光部および上記着色層形成用の撥液性を向上するものであることにより、本発明により製造されるカラーフィルターの着色層に混色が生じることをより効果的に抑制することができるからである。
本工程に用いられる撥液化処理方法としては、少なくとも上記遮光部の撥液性をカラーフィルター用基板に用いられている基材表面の撥液性よりも高くすることができる方法であれば特に限定されない。なかでも本工程おいては、撥液性を向上させる遮光部の開口部内に着色層形成用層が形成されている場合に、上記遮光部および上記着色層形成用層の撥液性も向上できる方法が好ましい。
このような撥液化処理方法としては、通常、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法が用いられる。このような方法によれば、樹脂を含有する上記遮光部および上記着色層形成用層のみに選択的にフッ素を導入することができるため、上記遮光部および上記着色層形成用の撥液性を同時に向上することが可能であるからである。
上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。
また、上記導入ガスとしては、上記フッ素ガスと他のガスとが混合されたものであってもよい。上記他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができるが、なかでも窒素を用いることが好ましい。さらに上記他のガスとして窒素を用いる場合、窒素の混合比率は50%以上であることが好ましい。
また、上記プラズマ照射を実施する方法としては、上記遮光部の撥液性を向上できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。なかでも、本工程においては特に大気圧下でプラズマ照射が行うことが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面おいて有利になるからである。
なお、上記プラズマ照射を行った後の、上記遮光部等におけるフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、遮光部の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
本工程において、撥液性が向上された上記遮光部および着色層形成用層の濡れ性としては、上記開口部内の基材表面よりも相対的に上記着色層形成用塗工液に対する撥液性が高ければ特に限定されるものではない。なかでも、本工程おいては、40mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、特に表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、さらには表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましい。また、純水との接触角が11°以上となる程度であることが好ましい。
一方、上記開口部内の基材表面の親液性の程度としては、上記遮光部および上記着色層形成用層よりも親液性が高ければ特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、40mN/mの液体との接触角が9°未満となる程度であることが好ましく、特に表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましく、さらには表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましい。
b.塗布工程
次に、上記塗布工程について説明する。本工程は、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された上記遮光部の開口部内に上記着色層形成用塗工液を充填する工程である。本工程においては、上記撥液化処理工程において撥液性が向上された遮光部の開口部内に、着色層形成用塗工液を滴下するため、滴下された着色層形成用塗工液が遮光部を超えて濡れ拡がることなく、着色層形成用塗工液を上記開口部内に充填することができる。
本工程に用いられる上記着色層形成用塗工液としては、硬化型樹脂を含有するものであり、かつ、所望の発色性を有する着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではない。本発明においては、通常、このような着色層形成用塗工液として、硬化型樹脂と、着色剤と、溶媒とを含有するものが用いられる。
上記硬化型樹脂としては、後述する硬化処理工程において硬化されることにより、本工程によって形成された着色層形成用層を、所望の機械強度を備える着色層とすることができるものであれば特に限定されるものではない。このような硬化型樹脂としては、加熱処理により硬化する熱硬化型樹脂、紫外線等の光照射によって硬化する光硬化型樹脂を挙げることができる。
本工程においては、上記硬化型樹脂として、上記熱硬化型樹脂および上記光硬化型樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。上記硬化型樹脂として光硬化型樹脂を用いた場合には、例えば、硬化処理する際に光重合開始剤等の他の添加剤を併用する必要があるが、熱可塑性樹脂であればそのような他の添加剤を必要とすることがなく、本発明により発色性に優れた着色層を有するカラーフィルターを製造することが容易になるからである。
本工程に用いられる熱硬化型樹脂としては、通常、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物が、硬化剤と組み合わせて用いられる。また、本工程においては、必要に応じて熱硬化反応を促進できる触媒や重合反応性のない重合体を上記熱硬化型樹脂と併用してもよい。
上記1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物としては、インクジェットの吐出安定性、及び成される着色層の耐溶剤性、密着性等の膜物性の点から、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」と称する場合がある。)が好適に用いられる。なかでも工程においては、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有する(以下、「バインダー性エポキシ化合物」と称する場合がある。)(エポキシ樹脂と称されるものを含む)ものを用いることが好ましい。
ここで、上記エポキシ基としては、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。
なお、上記バインダー性エポキシ化合物は、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と併用したり、あるいは、硬化膜の架橋密度を高くしたり、低粘度化によりインクジェット吐出性能を向上させるために、比較的分子量の低い化合物と併用することができる。
以下、本工程に用いられるバインダー性エポキシ化合物について詳細に説明する。
本工程に用いられるバインダー性エポキシ化合物としては、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2008089896
(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数1〜12の炭化水素基である。)
Figure 2008089896
(Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2008089896
(RおよびRは式(1)と同じである。)
式(3)で表されるモノマーをバインダー性エポキシ化合物の構成単位として用いることにより、形成される着色層に充分な硬度および透明性を付与することができる。
ここで、式(3)において、Rは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、Rとして好ましいのは水素またはメチル基であり、Rとして好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導
される。
Figure 2008089896
(Rは式(2)と同じである。)
式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いられる。当該重合体を含有する着色層形成用塗工液は保存安定性に優れており、保存中および吐出作業中に粘度上昇を生じ難いが、その理由の一つは式(2)または式(4)中のエポキシ基がグリシジル基だからであると推測される。式(4)で表されるモノマーの代わりに脂環式エポキシアクリレートを用いると、着色層形成用塗工液の粘度が上昇しやすい。
式(4)において、Rとして好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、カラーフィルターの各細部に必要とされる性能、例えば硬度や透明性等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記バインダー性エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み重量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
また、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記バインダー性エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとカラーフィルターの細部としての硬化層に要求される強度、耐溶剤性等の物性が不足し易いからである。一方、上記バインダー性エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。当該分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、インクジェット方式で吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。
上記バインダー性エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあり、少なくともグリシジルメタクリレート(GMA)及びメチルメタクリレート(MMA)を用いて重合させたGMA/MMA系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有して重合させたものであってもよい。
上記バインダー性エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み、攪拌しながら140℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物と重合開始剤の混合物を2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、110℃に降温して、上記水酸基を含有しない溶剤および上記重合開始剤の混合物を添加し、110℃で2時間保ったところで反応を終了することにより、上記バインダー性エポキシ化合物が得られる。
本発明に係る熱硬化性バインダーには、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)であって、上記バインダー性エポキシ化合物よりも分子量が小さいものを用いてもよい。中でも、上述のように上記バインダー性エポキシ化合物と当該多官能エポキシ化合物を併用することが好ましい。この場合、多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせるバインダー性エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。
上記バインダー性エポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。インクジェットインクに比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、インクジェットインク中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
多官能エポキシ化合物の中でも、酸−エポキシ反応の架橋密度を上げるためには、一分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物を用いるのが好ましい。特に、インクジェット方式の吐出ヘッドからの吐出性を向上させるために前記バインダー性エポキシ合物の重量平均分子量を10,000以下とした場合には、硬化層の強度や硬度が低下し易いので、そのような4官能以上の多官能エポキシ化合物をインクジェットインクに配合して架橋密度を充分に上げるのが好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
より具体的には、商品名エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(ジャパンエポキシレジン社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(ジャパンエポキシレジン社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(ジャパンエポキシレジン社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(ジャパンエポキシレジン社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
なお、本工程に用いられる熱硬化型樹脂としては、上記以外にカルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができる。このようなエポキシ化合物の具体例としては、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に開示されているものを挙げることができる。
上記着色層形成用塗工液に用いられる硬化型樹脂としては、1種類のみを用いてもよく、または、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記着色層形成用塗工液に用いられる着色剤としては、所望の波長の光を吸収することができるものであれば特に限定されるものではない。また、本工程に用いられる着色剤は染料系材料であってもよく、または、顔料系材料であってもよい。このような着色剤の具体例としては、一般的にカラーフィルターに用いられる着色剤と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、上記着色層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上記着色剤および上記硬化型樹脂を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。なかでも本工程おいては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、マロン酸ジメチルなどが好適に用いられる。
なお、上記有機溶媒は2種類以上を混合して用いてもよい。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液には、上記着色剤、硬化型樹脂、および、有機溶媒以外に他の化合物が含まれていてもよい。このような他の化合物としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、架橋剤、光開始重合開始剤等を挙げることができる。
なお、上記着色層形成用塗工液の具体的な組成は、本工程において着色層形成用層を形成する具体的な方法や、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて適宜調整して用いればよい。
本工程に用いられるインクジェットヘッドは、上記遮光部が備える開口部内の基材上に、所望量の着色層形成用塗工液を滴下できるものであれば特に限定されるものではない。このようなインクジェットヘッドとしては、例えば、帯電した着色層形成用塗工液を連続的に吐出し、磁場によって吐出量を制御する吐出方式のもの、圧電素子を用いて間欠的に着色層形成用塗工液を吐出する吐出方式のもの、または、着色層形成用塗工液を加熱しその発泡現象を利用して間欠的に吐出する吐出方式のもの等の一般的なインクジェットヘッドを用いることができる。
c.仮硬化処理工程
次に、上記仮硬化処理工程について説明する。本工程は、上記塗布工程により、上記開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化することにより、上記着色層形成用塗工液を着色層形成用層とする工程である。本発明は、単色層形成工程がこのような仮硬化処理工程を有することにより、単色層形成工程を複数回繰り返す間に、既に形成された着色層形成用層が変形することを防止できるため、着色層の変形に起因する色ムラの少ないカラーフィルターを製造することができる。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を仮硬化することにより形成される着色層形成用層の硬度としては、流動性を示さない範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、上記着色層形成用層の硬度が、3N/mm〜250N/mmの範囲内、特に5N/mm〜100N/mmの範囲内となる程度に、仮硬化することが好ましい。上記着色層形成用層の硬度が上記範囲内となるように硬化することにより、2回目以降の単色層形成工程において着色層形成用層を形成する際に、既に形成されている着色層形成用層に変形が生じることを効果的に防止できるため、本発明により色度特性および輝度特性に優れたカラーフィルターを製造することが容易になるからである。
なお、上記着色層形成用層の硬度は、超微小硬度計((株)フィッシャーインスツルメンツ製WIN−HCU)を用い、ビッカース圧子の最大荷重20mNとなる条件で表面硬度を測定した時のユニバーサル硬さ(試験荷重/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積:N/mm)により測定することができる。
本工程において、上記着色層形成用塗工液を仮硬化する方法としては、上記着色層形成用塗工液を所望の程度まで仮硬化できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、任意の乾燥手段によって上記着色層形成用塗工液に含まれる溶媒を揮発させる方法であってもよく、また、上記着色層形成用塗工液に含有される硬化型樹脂の一部を硬化させる方法であってもよい。さらには、上記溶媒を揮発させる方法と、上記硬化型樹脂を部分的に硬化させる方法を併用してもよい。
なお、本工程において、上記着色層形成用塗工液に含有される硬化型樹脂として熱硬化型樹脂を用いる場合、上記仮硬化方法としては、通常、後述するカラーフィルター用基板を加熱する方法が用いられる。このときの条件としては、上記硬化型樹脂の種類や、上記着色層形成用塗工液中の硬化型樹脂の含有量等に応じて任意に調整すればよい。
(2)カラーフィルター用基板
次に、本工程に用いられるカラーフィルター用基板について説明する。本工程に用いられるカラーフィルター用基板は基材と、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部とを有するものである。
a.遮光部
まず、上記遮光部について説明する。上記遮光部は後述する基材上に形成され、開口部を有するものである。
本工程に用いられる上記遮光部としては、通常、開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
このような上記遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光性材料および樹脂から構成されるもの、または、金属材料からなるものが用いられる。
上記遮光部が遮光性材料および樹脂から構成されるものである場合、上記遮光性材料としては、一般的なカラーフィルターの樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光性材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
一方、上記遮光部が金属材料からなるものである場合、上記金属材料としては、所望の遮光性を有する金属であれば特に限定されないが、一般的にはクロム材料が用いられる。
本工程に用いられる上記遮光部としては上記金属材料からなるもの、または、上記樹脂および遮光性材料からなるもののいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも本工程においては、上記樹脂および遮光性材料からなる遮光部を用いることが好ましい。このような遮光部を用いることにより、上述した撥液化処理工程においてフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法により上記遮光部を撥液化することが可能になるからである。
上記遮光部を形成する方法としては、上記開口部が所望の態様で配置された遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、例えばクロム等の金属を用いたスパッタ法により形成する方法、遮光性粒子を含有させた樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、および、上記樹脂組成物を用いた熱転写法等を挙げることができる。このような遮光部を形成する具体的な方法としては、一般的にカラーフィルターに用いられる遮光部を形成する方法と同様の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
b.基材
上記基材としては、上記遮光部および着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルターに用いられているものを用いることができる。このような基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基材、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基材等を挙げることができる。なかでも本工程においては無機基材を用いることが好ましい。上記基材として無機材料を用いることにより、上述した撥液化処理工程においてフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法により、上記遮光部等を撥液化することが可能になるからである。
さらに、本工程においては上記無機材料のなかでもガラス基材を用いることが好ましく、上記ガラス基材のなかでも無アルカリタイプのガラス基材を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基材は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに好適に用いることができるからである。
上記基材は、透明な基材であってもよく、または、反射性の基材や白色に着色したものであってもよいが、本工程においては通常透明なものが用いられる。
また、上記基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施されたものであってもよい。このような表面処理としては例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしたプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
(3)着色層形成用層形成工程
本発明における着色層形成用層形成工程は、上記単色層形成工程を複数回繰り返すことにより、上記カラーフィルター用基板上に複数色の着色層形成用層を形成する工程である。上記着色層形成用層形成工程において上記単色層形成工程を繰り返す回数は、上記カラーフィルター用基板上に所定の色の着色層形成用層を形成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、上記カラーフィルター用基板上に形成される着色層形成用層の色の数と同数とされる。したがって、上記カラーフィルター用基板上にR、G、Bの3色の着色層形成用層を形成する場合は、上記着色層形成用層形成工程において上記単色層形成工程を3回繰り返すことになる。
2.硬化処理工程
次に、本発明における硬化処理工程について説明する。本工程は、上記着色層形成用層形成工程により上記カラーフィルター用基板上に形成された着色層形成用層中に含有される上記硬化型樹脂を硬化させる工程である。本工程において上記硬化型樹脂を硬化させることにより、上記着色層形成用層を着色層とすることができる。
本工程において上記硬化型樹脂を硬化させる方法としては、上記硬化型樹脂の種類に応じて任意に選択すればよいものである。すなわち、上記硬化型樹脂として熱硬化型樹脂を用いる場合、本工程に用いられる硬化方法は上記熱硬化型樹脂を加熱する方法となり、また、上記硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合、本工程に用いられる硬化方法は、上記紫外線硬化型樹脂の吸収波長に相当する紫外線を、上記紫外線硬化型樹脂に照射する方法となる。
3.その他の工程
本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記着色層形成用層形成工程および硬化処理工程以外に、通常、カラーフィルターの製造に用いられる他の工程を有していてもよい。このような他の工程としては、例えば、上記着色層形成用層形成工程前に上記カラーフィルター用基板の遮光部が形成された面にプラズマを照射することにより、カラーフィルター用基板の表面に付着した有機残渣をドライエッチングにより除去するプラズマ前処理工程、上記着色層形成工程により形成される着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO、IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、および、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例および比較例を通じてさらに詳述する。
1.実施例
本実施例においては、着色層形成用層形成工程において単色層形成工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色層形成用層を形成した後、これらを硬化処理することによってカラーフィルターを製造した。
(1)カラーフィルター用基板形成工程
カラーフィルター用ガラス基材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィー法にて樹脂製の遮光部を形成することにより、カラーフィルター用基板を得た。このとき、上記遮光部は開口部が150μm×490μm、遮光部分の線幅が20μmとなるように形成し、線状遮光部が170μmピッチ、連結遮光部が510μmピッチで、縦480画素、横1320画素ずつ配置されるものとした。また、遮光部の膜厚は平均1.5μmとした。
(2)着色層形成用層形成工程
a.R着色層形成用層の形成(R単色層形成工程)
(撥液化処理工程)
次に、上記基材の遮光部が形成された面にCFおよびNの混合ガス(混合比率=1:1)を導入ガスとして以下の条件にてプラズマ照射を行うことによって上記遮光部を撥液化した。このとき、上記遮光部上の濡れ性は、後述するR着色層形成用塗工液との接触角が60°となり、上記基材上の濡れ性は、後述するR着色層形成用塗工液との接触角が10°となった。
<プラズマ照射条件(撥液化処理工程)>
・導入ガス : CF 、N …13L/min.
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 200V − 5A
(塗布工程)
次に、インクジェット方式により撥液化された遮光部の開口部内に以下の組成を有するR着色層形成用塗工液を塗布した。
<R着色層形成用塗工液の組成>
(顔料)
・C.I.ピグメントレッド254 : 6.88重量部
・C.I.ピグメントレッド177 : 0.62重量部
(顔料分散剤)
・Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン社製) : 2.25重量部
・n−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体 : 2.25重量部
(バインダー)
・バインダー性エポキシ化合物(GMA/MMA系共重合体) : 3.00重量部
・多官能エポキシ樹脂(エピコート151S70 ジャパンエポキシレジン社製):
2.00重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル : 1.00重量部
・トリメリット酸 : 2.00重量部
(溶剤)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート : 80.00重量部
(仮硬化処理工程)
次に、上記R着色層形成用塗工液が塗布された基材をホットプレート上において80℃で10分加熱することにより上記R着色層形成用塗工液を仮硬化することにより、R着色層形成用層を形成した。なお、仮硬化処理後のR着色層形成用層の硬度は6.8N/mmであった。
b.G着色層形成用層の形成(G単色層形成工程)
上記R着色層形成用塗工液に代えて、以下の組成を有するG着色層形成用塗工液を用いたこと以外は、上記R単色層形成工程と同様の方法により、G着色層形成用層を形成した。なお、仮硬化処理後のG着色層形成用層の硬度は5.5N/mmであった。
<G着色層形成用塗工液の組成>
(顔料)
・C.I.ピグメントグリーン36 : 1.93重量部
・C.I.ピグメントグリーン7 : 1.37重量部
・C.I.ピグメントイエロー138 : 2.46重量部
・C.I.ピグメントイエロー150 : 1.24重量部
(顔料分散剤)
・Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン社製) : 2.10重量部
・n−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体 : 2.10重量部
(バインダー)
・バインダー性エポキシ化合物(GMA/MMA系共重合体) : 3.30重量部
・多官能エポキシ樹脂(エピコート151S70 ジャパンエポキシレジン社製): 2.20重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル : 1.10重量部
・トリメリット酸 : 2.20重量部
(溶剤)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート: 80.00重量部
c.B着色層形成用層の形成(B単色層形成工程)
上記R着色層形成用塗工液に代えて、以下の組成を有するB着色層形成用塗工液を用いたこと以外は、上記R単色層形成工程と同様の方法によりB着色層形成用層を形成した。なお、仮硬化処理後のB着色層形成用層の硬度は8.7N/mmであった。
<B着色層形成用塗工液の組成>
(顔料)
・C.I.ピグメントブルー15:6 : 4.68重量部
・C.I.ピグメントブルー23 : 0.32重量部
(顔料分散剤)
・Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン社製) : 1.5重量部
・n−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体 : 1.5重量部
(バインダー)
・バインダー性エポキシ化合物(GMA/MMA系共重合体) : 4.50重量部
・多官能エポキシ樹脂(エピコート151S70 ジャパンエポキシレジン社製): 3.00重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル : 1.50重量部
・トリメリット酸 : 3.00重量部
(溶剤)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート : 80.00重量部
(4)硬化処理工程
上記赤(R)、緑(G)、および、青(B)の着色層形成用層が形成された基材をクリーンオーブン内で240℃,30分加熱することにより上記各色の着色層形成用層中に含まれる硬化型樹脂を硬化させ、カラーフィルターを製造した。
2.実施例2
仮硬化処理工程におけるホットプレート上での加熱条件を150℃で10分としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
なお、このとき上記仮硬化処理工程における仮硬化処理後のR、G、B着色層形成用層の硬度は、それぞれ109.2N/mm、98.9N/mm、103.4N/mmであった。
3.実施例3
仮硬化処理工程におけるホットプレート上での加熱条件を200℃で10分としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
なお、このとき上記仮硬化処理工程における仮硬化処理後のR、G、B着色層形成用層の硬度は、それぞれ200.9N/mm、191.5N/mm、219.1N/mmであった。
4.比較例
上記着色層形成用層形成工程において、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の着色層形成用塗工液を同時に塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
[評価]
上記実施例および比較例において作製したカラーフィルターについて、着色層の形状を評価した。評価は、マイクロマップ社製三次元非接触表面形状計測システム(マイクロマップ)にて断面形状を計測することにより行った。
その結果、上記実施例で作製したカラーフィルターにおいては、有効画素内の最端部まで均一な着色層が混色なく形成されていた。一方、上記比較例で作製したカラーフィルターは、有効画素内の最端部に形成された着色層の断面形状に、画素領域外へ向かって最大膜厚の偏りが認められた。また、実施例において作製したカラーフィルターと比較して、着色層の画素内最大膜厚が高く、凸形状となってしまっていた。
本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの製造方法における単色層形成工程の一例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの製造方法と、従来のカラーフィルターの製造方法とを比較した概略図である。
符号の説明
1 … カラーフィルター用基板
1a … 基材
1b … 遮光部
2,2a,2b,2c … 着色層形成用層
2’,2a’,2b’ … 着色層形成用塗工液
3 … 着色層
10 … カラーフィルター
20,20’ … インクジェットヘッド

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、前記開口部内に硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液が仮硬化されてなる複数色の着色層形成用層を形成する着色層形成用層形成工程と、前記硬化型樹脂を硬化させる硬化処理工程と、を有するカラーフィルターの製造方法であって、
    前記着色層形成用層形成工程が、前記遮光部を撥液化する撥液化処理工程と、インクジェット法によって硬化型樹脂を含有する着色層形成用塗工液を滴下することにより、撥液化された前記遮光部の開口部内に前記着色層形成用塗工液を充填する塗布工程と、前記開口部内に充填された着色層形成用塗工液を仮硬化する仮硬化処理工程とにより、前記開口部内に単色の着色層形成用層を形成する単色層形成工程を複数回繰り返すことによって、複数色の着色層形成用層を形成するものであることを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
  2. 前記着色層形成用層の硬度が3N/mm〜250N/mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 前記基材が無機材料からなるものであり、かつ、前記遮光部が樹脂および遮光性材料から構成されるものであり、さらに、前記撥液化処理工程がフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射により前記遮光部を撥液化するものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記硬化型樹脂が、熱硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
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