JP2007091948A - インクジェット用ビーズ含有インクおよびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、ビーズが溶液中で沈降すること等がなく、安定してインクジェット方式により塗布可能なインクジェット用ビーズ含有インク、およびそれを用いたカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、少なくともビーズと、エポキシ系樹脂バインダと、比重が0.9〜1.3の範囲内であり、かつ沸点が170℃〜260℃の範囲内である溶剤とを含有するインクジェット用ビーズ含有インクであって、前記エポキシ系樹脂バインダの含有量(質量%)を1とすると、前記溶剤の含有量(質量%)が4〜200の範囲内であることを特徴とするインクジェット用ビーズ含有インクを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタのスペーサの形成に用いられるインクジェット用ビーズ含有インク、およびそのインクジェット用ビーズ含有インクを用いたカラーフィルタの製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、カラーフィルタと液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入して薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御してカラーフィルタの透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行う。
このような液晶表示装置には、スタティック駆動方式、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方式など種々の駆動方式があるが、近年、パーソナルコンピューターや携帯情報端末などのフラットディスプレーとして、アクティブマトリックス方式又は単純マトリックス方式の液晶パネルを用いたカラー液晶表示装置が急速に普及してきている。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置パネルの一例である。液晶表示装置101は、カラーフィルタ11と液晶駆動側基板であるTFTアレイ基板12とを対向させて1〜10μm程度の間隙部13を設け、この間隙部13内に液晶Lを充填し、その周囲をシール材14で密封した構造をとっている(例えば特許文献1等)。カラーフィルタ11は、基材15上に、着色層17間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成された遮光部16と、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した着色層17と、オーバーコート層18と、透明電極膜19とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。
一方、TFTアレイ基板12は、透明基板上にTFT素子を配列し、透明電極膜を設けた構造をとっている(図示せず)。また、カラーフィルタ11及びこれと対向するTFTアレイ基板12の内面側には配向膜20が設けられる。そして、着色層の背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
ここで、間隙部13の厚さ、すなわちセルギャップ(カラーフィルタと液晶駆動側基板の間隙距離)は液晶層の厚さそのものであり、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能をカラー液晶表示装置に付与するためには、セルギャップを一定且つ均一に維持する必要がある。
セルギャップを維持する方法としては、例えば図2に示すように、間隙部13内にスペーサとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズスペーサ21を多数散在させ、カラーフィルタ11とTFTアレイ基板12とを貼り合わせ、液晶を注入する方法がある。この方法においては、ビーズスペーサの大きさをもってセルギャップが決定され、維持される。しかしながら、上記方法では、カラーフィルタ全面にビーズスペーサが散布されることから、着色層上にもビーズスペーサが散布され、この部分での光の透過率が低くなり、液晶表示装置の輝度が低くなる、という問題があった。
また、例えば図3に示すように、カラーフィルタ11の内面側であって遮光部16上(非表示領域)に、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサ22を形成する方法も一般的に行われている(例えば特許文献2等)。このような柱状スペーサ22は、カラーフィルタの透明基板上に光硬化性樹脂を均一な厚みに塗布し、得られた塗膜をフォトリソグラフィーによってパターン露光して硬化させることにより、液晶表示装置の非表示領域に形成される。しかしながら、この方法においては、液晶表示装置が大面積化された場合等、柱状スペーサの高さを一定に形成することが難しく、液晶表示装置の表示ムラや表示不良が発生する場合がある、という問題があった。
そこで、ビーズを含有するビーズ分散液を、インクジェット方式により、液晶表示装置の非表示領域となる部分に塗布する方法も考えられている。しかしながらこの場合、ビーズ分散液の種類等によっては、インクジェット装置内部でビーズが沈降してしまい、塗布されるビーズの数に、バラつきが生じてギャップムラが生じたり、ビーズによってインクジェット装置のヘッドが詰まってしまう等の問題が生じる場合があった。
特開平8−194216号公報 特開2001−159707号公報
そこで、ビーズが溶液中で沈降すること等がなく、安定してインクジェット方式により塗布可能なインクジェット用ビーズ含有インク、およびそれを用いたカラーフィルタの製造方法の提供が望まれている。
本発明は、少なくともビーズと、エポキシ系樹脂バインダと、比重が0.9〜1.3の範囲内であり、かつ沸点が170℃〜260℃の範囲内である溶剤とを含有するインクジェット用ビーズ含有インクであって、上記エポキシ系樹脂バインダの含有量(質量%)を1とすると、上記溶剤の含有量(質量%)が4〜200の範囲内であることを特徴とするインクジェット用ビーズ含有インクを提供する。
本発明によれば、上記エポキシ系樹脂バインダと、上記比重を有するバインダとが、上記範囲内の比率で含有されていることから、インクジェット用ビーズ含有インク全体の比重を所定の範囲内とすることが可能となる。したがって、上記インクジェット用ビーズ含有インク中で、ビーズが沈降してしまうこと等の少ないものとすることができ、インクジェット法により、安定して塗布することが可能なインクジェット用ビーズ含有インクとすることが可能となる。また本発明においては、上記溶剤の沸点が、上記範囲内とされていることから、インクジェット装置により塗布する際、インクジェット装置内で固化してしまうこと等がないものとすることもできる。
上記発明において、上記インクジェット用ビーズ含有インクは、比重が、1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記インクジェット用ビーズ含有インク中で、よりビーズが沈降等することのないものとすることができるからである。
またさらに、上記発明においては、粘度が3cP〜20cPの範囲内であることが好ましい。これにより、上記インクジェット用ビーズ含有インクを、インクジェット装置により塗布しやすく、かつ上記ビーズが沈降し難いものとすることができるからである。
また本発明は、上述したインクジェット用ビーズ含有インクを、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層とを有するカラーフィルタ用基板の、上記着色層どうしの境界領域上にインクジェット法により塗布し、スペーサを形成するスペーサ形成工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記インクジェット用ビーズ含有インクを用いて上記スペーサを形成することから、上記境界領域に滴下されたインクジェットビーズ含有インク中に含まれるビーズの個数に偏りが少ないものとすることができる。したがって、均一な高さにスペーサを形成することが可能となり、カラーフィルタと液晶駆動側基板とのギャップを一定に保つことが可能なカラーフィルタとすることができる。
本発明によれば、ビーズが沈降してしまうこと等が少なく、安定してインクジェット法により塗布可能なインクジェット用ビーズ含有インクとすることができる。また本発明においては、インクジェット装置によりインクジェット用ビーズ含有インクを塗布する際、インクジェット用ビーズ含有インクがインクジェット装置内で固化してしまうこと等のないものとすることができるという効果も奏するものである。
本発明は、カラーフィルタのスペーサの形成に用いられるインクジェット用ビーズ含有インク、およびそのインクジェット用ビーズ含有インクを用いたカラーフィルタの製造方法に関するものである。以下、それぞれについてわけて説明する。
A.インクジェット用ビーズ含有インク
まず、本発明のインクジェット用ビーズ含有インクについて説明する。本発明のインクジェット用ビーズ含有インクは、少なくともビーズと、エポキシ系樹脂バインダと、比重が所定の範囲内であり、かつ沸点が所定の範囲内である溶剤とを含有するものであって、上記エポキシ系樹脂バインダの含有量(質量%)に対して上記溶剤の含有量(質量%)が所定の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明のインクジェット用ビーズ含有インクは、カラーフィルタのスペーサを形成するために用いられるものであって、インクジェット装置により塗布されるものである。本発明においては、上記インクジェット用ビーズ含有インク中に、上記エポキシ系樹脂バインダと、上記比重を有する溶剤とが、所定の比率で含有されていることから、インクジェット用ビーズ含有インク全体の比重を所定の範囲内とすることが可能となる。したがって、上記インクジェット用ビーズ含有インク中で、ビーズが沈降してしまうこと等の少ないものとすることができ、このインクジェット用ビーズ含有液内が塗布されて上記スペーサが形成された際、スペーサ内に含まれるビーズの個数をほぼ一定のものとすることが可能となる。またさらに、上記ビーズが沈降し難いものとされていることから、インクジェット用ビーズ含有インクを塗布する際、ビーズがインクジェット装置内で詰まってしまうこと等の少ないものとすることができるという利点も有している。
また本発明においては、上記溶剤の沸点が、上記範囲内とされていることから、インクジェット用ビーズ含有インクがインクジェット装置内で固化してしまうこと等がないものとすることができ、インクジェット法により安定して供給可能なインクジェット用ビーズ含有インクとすることができる。
以下、本発明のインクジェット用ビーズ含有バインダの各構成ごとに詳しく説明する。
1.エポキシ系樹脂バインダ
まず、本発明に用いられるエポキシ系樹脂バインダについて説明する。本発明に用いられるエポキシ系樹脂バインダは、インクジェット用ビーズ含有インクが塗布されてスペーサが形成される際、ビーズを固定することが可能なものであって、硬化性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば光硬化性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂等であってもよい。本発明においては、特に熱硬化性樹脂が用いられることが好ましい。
本発明に用いられる熱硬化性のエポキシ系樹脂バインダとしては、例えば1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が挙げられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物としては、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するものであることが好ましい。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。上記エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
具体的には、少なくとも下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
Figure 2007091948
(R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の炭化水素基である。)
Figure 2007091948
(R3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。)
式(1)で表される構成単位は、下記式(3)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2007091948
(R1およびR2は式(1)と同じである。)
式(3)で表されるモノマーを上記エポキシ系樹脂バインダの構成単位として用いることにより、形成されるスペーサに充分な硬度および透明性を付与することができる。式(3)において、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基であり、直鎖脂肪族、脂環式、芳香族いずれの炭化水素基であってもよく、さらに付加的な構造、例えば二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
上記式(3)で表されるモノマーとして具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、パラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
式(3)において、R1として好ましいのは水素またはメチル基であり、R2として好ましいのは炭素数1〜12のアルキル基であり、そのなかでも特にメチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。上記式(3)で表されるモノマーのなかで好ましいものとして、具体的にはメチルメタクリレート(MMA)及びシクロヘキシルメタクリレート(CHMA)を挙げることができる。
重合体中の式(2)で表される構成単位は、下記式(4)で表されるモノマーから誘導される。
Figure 2007091948
(R3は式(2)と同じである。)
式(4)で表されるモノマーは、重合体中にエポキシ基(エポキシの反応点)を導入するために用いられる。当該重合体を含有するインクジェット用ビーズ含有インクは保存安定性に優れており、保存中および吐出作業中に粘度上昇を生じ難いが、その理由の一つは式(2)または式(4)中のエポキシ基がグリシジル基だからであると推測される。式(4)で表されるモノマーの代わりに脂環式エポキシアクリレートを用いると、インクジェット用ビーズ含有バインダの粘度が上昇しやすい。
式(4)において、R3として好ましいのは水素またはメチル基である。式(4)で表されるモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
上記重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、上記重合体は、スペーサに必要とされる性能、例えば硬度等が確保できる限り、式(1)あるいは式(2)以外の主鎖構成単位を含んでいてもよい。そのようなモノマーとして具体的には、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
上記エポキシ化合物中の式(1)の構成単位と式(2)の構成単位の含有量は、式(1)の構成単位を誘導する単量体と式(2)の構成単位を誘導する単量体との仕込み質量比(式(1)を誘導する単量体:式(2)を誘導する単量体)で表した時に、10:90〜90:10の範囲にあるのが好ましい。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
また、上記エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000以上、特に4,000以上であることが好ましい。上記エポキシ化合物の分子量が3,000よりも小さすぎるとスペーサに要求される強度等の物性が不足し易いからである。また特に、上記エポキシ化合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に20,000以下であることが好ましく、更に15,000以下であることが特に好ましい。上記分子量が20,000よりも大きすぎると粘度上昇が起こり易くなり、吐出ヘッドから吐出する時の吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなるおそれや、長期保存の安定性が悪くなるおそれがあるからである。
上記エポキシ化合物としては、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるグリシジルメタクリレート(GMA)/メチルメタクリレート(MMA)系共重合体を用いるのが特に好ましい。なお、GMA/MMA系共重合体は本発明の目的を達成し得るものである限り、他のモノマー成分を含有していてもよい。
上記エポキシ化合物の合成例としては、例えば、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、水酸基を含有しない溶剤を仕込み、攪拌しながら120℃に昇温する。水酸基を含有しない溶剤を用いるのは、合成反応の最中にエポキシ基が分解するのを避けるためである。次いで上記式(3)で表されるモノマー、上記式(4)で表されるモノマー、及び、必要に応じて他のモノマーを組み合わせた組成物と重合開始剤の混合物(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下する。滴下終了後、120℃に降温して触媒を追加し3時間反応させ、130℃に昇温し2時間保ったところで反応を終了することにより、上記エポキシ化合物が得られる。
また、上記熱硬化性のエポキシ系樹脂バインダを用いる場合には、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(以下、「多官能エポキシ化合物」ということがある。)であって、上述したエポキシ化合物よりも分子量が小さいものを添加することが好ましい。多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、これと組み合わせる上記エポキシ化合物よりも小さいことを条件に、4,000以下が好ましく、3,000以下が特に好ましい。
なお、多官能エポキシ化合物のポリスチレン換算重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めることができ、測定条件としては、例えば、テトラヒドロフランを展開液とし、HLC−8029(東ソー株式会社製)を用いて測定することができる。
上述したエポキシ化合物には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているため、上記共重合体の分子内に導入できるエポキシ量には限界がある。インクジェット用ビーズ含有インクに比較的分子量が小さい多官能エポキシ化合物を添加すると、インクジェット用ビーズ含有インク中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点濃度が増加し、架橋密度を高めることができる。
多官能エポキシ化合物の中でも、酸−エポキシ反応の架橋密度を上げるためには、一分子中にエポキシ基を4個以上有するエポキシ化合物を用いるのが好ましい。特に、本発明のインクジェット用ビーズ含有バインダの吐出ヘッドからの吐出性を向上させるために上記エポキシ化合物の重量平均分子量を10,000以下とした場合には、スペーサの強度や硬度が低下し易いので、そのような4官能以上の多官能エポキシ化合物をインクジェット用ビーズ含有バインダに配合して架橋密度を充分に上げるのが好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上含有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
より具体的には、商品名エピコート828(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名YDF−175S(東都化成社製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名YDB−715(東都化成社製)などの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製)などのビスフェノールS型エポキシ樹脂、商品名YDC−1312(東都化成社製)などのハイドロキノン型エポキシ樹脂、商品名EPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製)などのナフタレン型エポキシ樹脂、商品名エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ社製)などのビフェニル型エポキシ樹脂、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、商品名エピコート154(油化シェルエポキシ社製)、商品名YDPN−638(東都化成社製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、商品名EPICLON HP−7200(大日本インキ化学工業社製)などのジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、商品名エピコート1032H60(油化シェルエポキシ社製)などのトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、商品名VG3101M80(三井化学社製)などの3官能型エポキシ樹脂、商品名エピコート1031S(油化シェルエポキシ社製)などのテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、商品名デナコールEX−411(ナガセ化成工業社製)などの4官能型エポキシ樹脂、商品名ST−3000(東都化成社製)などの水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名エピコート190P(油化シェルエポキシ社製)などのグリシジルエステル型エポキシ樹脂、商品名YH−434(東都化成社製)などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、商品名YDG−414(東都化成社製)などのグリオキザール型エポキシ樹脂、商品名エポリードGT−401(ダイセル化学社製)などの脂環式多官能エポキシ化合物、トリグリシジルイソシアネート(TGIC)などの複素環型エポキシ樹脂などを例示することができる。また、必要であれば、エポキシ反応性希釈剤として、商品名ネオトートE(東都化成社製)などを混合することができる。
これらの多官能エポキシ化合物の中でも、商品名エピコート157S70(油化シェルエポキシ社製)などのビスフェノールA型ノボラック系エポキシ樹脂、及び、商品名YDCN−701(東都化成社製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
上記熱硬化性のエポキシ系樹脂バインダには、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる硬化剤の配合量は、エポキシ基を含有する成分(モノマーと樹脂)100質量部当たり、通常は1〜100質量部の範囲であり、好ましくは5〜50質量部である。硬化剤の配合量が1質量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができない。また、硬化剤の配合量が100質量部を超えると、スペーサの密着性が劣ることとなる。
また上記エポキシ系樹脂バインダが、熱硬化性である場合には、スペーサの硬度および耐熱性を向上させるために、インクジェット用ビーズ含有インク中に、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、形成されるスペーサに良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。具体的には、(イ)ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、リン酸モノ及びジエステル類などを、アンモニア、モノメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールアミン類などの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン等で中和した化合物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[RNR´]、スルホニウム化合物[RSR´]、オキソニウム化合物[ROR´]等を挙げることができる。なお、ここでR及びR´はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
ここで本発明においては、上述したいずれのエポキシ系樹脂バインダにおいても、インクジェット用ビーズ含有インク中に0.5質量%〜20質量%程度、特に1質量%〜10質量%程度含有されることが好ましい。
また上記エポキシ系樹脂バインダは、インクジェット用ビーズ含有インク中の固形分中に20質量%〜98質量%程度、中でも30質量%〜95質量%程度含有されていることが好ましい。これにより、インクジェット用ビーズ含有インクをカラーフィルタ用基板に塗布してスペーサを形成する際に、後述するビーズが剥がれてしまうこと等のないものとすることができ、スペーサとカラーフィルタ用基板との密着性を良好なものとすることができるからである。
2.溶剤
次に、本発明に用いられる溶剤について説明する。本発明に用いられる溶剤は、所定の比重を有し、かつ所定の沸点を有するものであって、上述したエポキシ系樹脂バインダと相溶性が良好なものであれば特に限定されるものではない。
本発明おいては上記溶剤として、比重が0.9g/cm〜1.3g/cmの範囲内のものが用いられるが、特に1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲内のものが用いられることが好ましい。これにより、上記エポキシ系樹脂バインダと上記溶剤とを、後述する割合で用いることにより、インクジェット用ビーズ含有インク全体の比重を、ビーズの比重とほぼ同等とすることが可能となり、ビーズがより沈降することの少ないものとすることができるからである。
また本発明においては、インクジェット用ビーズ含有インク中に含有される上記エポキシ系樹脂バインダの量(質量%)を1としたとき、インクジェット用ビーズ含有インク中に含有される溶剤の量(質量%)が4〜200の範囲内とされるが、本発明においては上記の中でも10〜100の範囲内とされることが好ましい。これにより、インクジェット用ビーズ含有インクの比重を所定の範囲内とすることができ、ビーズがより沈降することの少ないものとすることができるからである。
また本発明において、上記溶剤の沸点は、170℃〜260℃の範囲内とされ、中でも210℃〜260℃の範囲内であることが好ましい。また常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、特に0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を有機溶剤の全量に対して80質量%以上、特に85質量%以上の割合で配合するのが好ましい。また、主溶剤の表面張力は、29dyn/cm以上であることが好ましい。
沸点が170℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分は適度な乾燥性及び蒸発性を有している。そのため、このような溶剤成分を高い配合割合で含有する単独溶剤又は混合溶剤を用いると、インクジェット用ビーズ含有インクとした場合に吐出ヘッドのノズル先端において急速には乾燥しないので、インクジェット用ビーズ含有インクの急激な粘度上昇や目詰まりが発生せず、吐出の直進性や安定性に悪影響を及ぼさないからである。またカラーフィルタ用基板上に塗布された後は乾燥が適度な速度で進行するので、インクジェット用ビーズ含有インクがカラーフィルタ用基板表面になじんでスペーサ表面が水平且つ滑らかになってから、自然乾燥又は一般的な加熱工程によってインクジェット用ビーズ含有インクを速やかに且つ完全に乾燥させることができる。またこれにより、湿潤剤や極めて沸点の高い溶剤を用いる場合と比べて、乾燥工程後の塗膜中に溶剤が残留するおそれも少ないからである。
上記溶剤として具体的には、ジエチレングリコールジアセテート、マロン酸ジメチル、グリコールトリアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。本発明においては、上記の中でも特に、上記主溶剤としてジエチレングリコールジアセテート、マロン酸ジメチル、グリコールトリアセテートが用いられることが好ましい。これにより、インクジェット用ビーズ含有インク中でビーズの沈降等が少なく、かつインクジェット装置内でインクジェット用ビーズ含有インクが乾燥してしまうこと等のないものとすることができるからである。
3.ビーズ
次に本発明のインクジェット用ビーズ含有インクに用いられるビーズについて説明する。本発明に用いられるビーズとしては、カラーフィルタを形成するためのカラーフィルタ用基板上に塗布されて、スペーサとしての機能を果たすことが可能なものであって、インクジェット用ビーズ含有インクとされた際に、インクジェット装置から吐出可能なものであれば、特に限定されるものではない。
このようなビーズとしては、一般的なカラーフィルタにビーズスペーサとして用いられるものと同様のものを用いることができ、例えば、ガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al23)などの無機化合物の多孔質体や非多孔質体、中空体等や、ジビニルベンゼンポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン、シリコーン樹脂などのプラスチック類等を用いることができる。またこのようなビーズの表面は、インクジェット用ビーズ含有インク中に含有されるバインダ等との相溶性を良好なものとするために、表面処理が施されたもの等であってもよい。
また上記ビーズの形状についても、特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタにビーズスペーサとして用いられるものと同様の形状を有するものを用いることができるが、特にビーズ組成物層の高さの制御の面から球状であることが好ましい。またこの際、粒子径は1.0μm〜8.0μm程度、中でも2.5μm〜5.5μm程度であることが好ましい。これにより、インクジェット装置からビーズを吐出することが可能であり、またカラーフィルタ用基板上に吐出された際に、スペーサとして用いることが可能となるからである。上記粒子径は、本発明に用いられるビーズを走査型電子顕微鏡、もしくは光学顕微鏡により、観察して算出される。
本発明においては、特に上記ビーズの比重が0.9g/cm〜1.3g/cmの範囲内、特に1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲内であることが好ましい。これにより、インクジェット用ビーズ含有インク全体の比重とビーズの比重とをほぼ同等とすることができ、ビーズが沈降することの少ないものとすることができるからである。このようなビーズとして具体的には、上記の中でもジビニルベンゼンポリマー、ジビニルベンゼンスチレンポリマー等が挙げられる。
また本発明のインクジェット用ビーズ含有インクの固形分中に含有されるビーズの量としては、2質量%〜80質量%の範囲内、特に4質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、カラーフィルタを形成するためのカラーフィルタ用基板上にインクジェット用ビーズ含有インクが塗布されてスペーサが形成された際、ビーズが剥がれてしまうこと等のないものとすることができるからである。
また本発明のインクジェット用ビーズ含有インクを用いてスペーサを形成する場合、スペーサを形成する各領域にインクジェット用ビーズ含有インクが通常10pl(ピコリットル)〜30pl程度塗布されることから、上記ビーズは、インクジェット用ビーズ含有インク15pl(ピコリットル)中に1個〜10個程度、中でも3個〜7個程度含有されていることが好ましい。これにより、カラーフィルタと液晶駆動側基板との間隙を安定して支えることが可能なスペーサを形成可能なインクジェット用ビーズ含有インクとすることができるからである。
4.インクジェット用ビーズ含有インク
次に、本発明のインクジェット用ビーズ含有インクについて説明する。本発明のインクジェット用ビーズ含有インクは、上記エポキシ系樹脂バインダ、溶剤、およびバインダを含有するものであれば特に限定されるものではなく、エポキシ系樹脂バインダの種類等に合わせて適宜添加剤等を含有していてもよい。
ここで、本発明のインクジェット用ビーズ含有インクの比重は0.9g/cm〜1.3g/cmの範囲内、特に1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲内であることが好ましい。またさらに、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重が、上記ビーズの比重を1としたときに、0.9〜1.0の範囲内、中でも0.97〜1.0の範囲内とされていることが好ましい。これにより、上記ビーズが、インクジェット用ビーズ含有インク中で沈降すること等の少ないものとすることができるからである。
また、本発明のインクジェット用ビーズ含有インクの粘度は3cP〜20cPの範囲内、中でも6cP〜15cPの範囲内であることが好ましい。これにより、インクジェット用ビーズ含有インクを、インクジェット装置から吐出しやすいものとすることができるからである。また一般的に、粘度が低い場合には、ビーズが沈降しやすくなる傾向があるが、上記範囲内とすることにより、ビーズが沈降することの少ないものとすることができるからである。なお、上記粘度は回転振動型粘度計(VM−1G、山一電機社製)により測定される値である。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述したインクジェット用ビーズ含有インクを、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層とを有するカラーフィルタ用基板の、上記着色層どうしの境界領域上にインクジェット法により塗布し、スペーサを形成するスペーサ形成工程を有することを特徴とする方法である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、例えば図1に示すように、基材1と、その基材1上にパターン状に形成された着色層2とを有するカラーフィルタ用基板3の、上記着色層どうしの境界領域a上に、上述したインクジェット用ビーズ含有インク4をインクジェット法により塗布し(図1(a))塗布し、スペーサ5を形成する(図1(b))スペーサ形成工程を有する方法である。なお、上記境界領域とは、隣接する着色層と着色層との間隙、もしくは隣接する着色層どうしが重なる領域等、カラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色表示に寄与しない、隣接する着色層と着色層との間の領域をいうこととする。上記境界領域aには、例えば図1に示すように、遮光部6が形成されていてもよい。また上記着色層2上には、オーバーコート層やITO層等、他の層7が形成されていてもよい。
本発明によれば、上記インクジェット用ビーズ含有インクを用いて上記スペーサを形成することから、上記境界領域に滴下されたインクジェットビーズ含有インク中に含まれるビーズの個数に偏りが少ないものとすることができる。したがって、形成された各スペーサに含まれるビーズの個数をほぼ均一なものとすることができ、均一な高さでスペーサを形成することが可能となる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法のスペーサ形成工程について説明する。
(スペーサ形成工程)
本発明のスペーサ形成工程は、上述したインクジェット用ビーズ含有インクを、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層とを有するカラーフィルタ用基板の、上記着色層どうしの境界領域上にインクジェット法により塗布し、スペーサを形成する工程である。
本工程によりスペーサが形成される個数としては、カラーフィルタの種類等により、適宜選択され、例えば全ての上記境界領域上にスペーサが形成されてもよく、また上記境界領域のうち、一部の領域のみにスペーサが形成されてもよい。通常、1000μm角に形成されるスペーサの断面積の合計が2000μm〜96000μm程度、中でも5000μm〜13000μm程度となるように、個数が調整されて形成されていることが好ましい。このような密度でスペーサを形成することにより、カラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、カラーフィルタと液晶駆動側基板との間隙を一定に保つことが可能となるからである。
また、形成されるスペーサの高さは、カラーフィルタの種類や、上記ビーズの種類等により適宜選択されるが、通常1.0μm〜8μm程度、中でも2μm〜6μm程度とされることが好ましい。
また形成されるスペーサの大きさや形状等としては、カラーフィルタの種類等に応じて適宜選択されることとなるが、本発明においては、個々のスペーサの断面積が500μm〜8000μm程度、中でも700μm〜2800μm程度、特に1250μm〜1600μm程度となるように形成されることが好ましい。これにより、上記着色層どうしの境界領域上からはみ出すことなくスペーサを形成することが可能となり、カラーフィルタの輝度を低下させることの少ないものとすることができる。したがって、高輝度な液晶表示装置を形成可能なカラーフィルタとすることができるからである。
なお、上述したような形状にスペーサを形成するために、通常、スペーサを形成する各領域に、上記インクジェット用ビーズ含有インクを、10pl〜30pl程度塗布することが好ましい。
また、本工程に用いられるカラーフィルタ用基板としては、基材および、その基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、上述したように、着色層どうしの境界領域に遮光部が形成されているものであってもよく、また上記着色層上にオーバーコート層やITO層が形成されているもの等であってもよい。
このようなカラーフィルタ用基板に用いられる基材や着色層、遮光部、オーバーコート層、ITO層等については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
ここで、本発明において上記カラーフィルタ用基板は、上記カラーフィルタ用基板のうち、上記スペーサが形成される領域が、上記スペーサを形成するパターン状に親液化されているものであってもよく、また少なくともスペーサが形成される領域およびその周辺部が撥液性を有するものとされているもの等であってもよい。上記カラーフィルタ用基板の、スペーサを形成する領域が、パターン状に親液化されている場合には、この親液性のパターンを利用して高精細にスペーサを形成することが可能となる。一方、カラーフィルタ用基板の上記表面が撥液化されている場合には、上記インクジェット用ビーズ含有インクをインクジェット装置により滴下した際、インクジェット用ビーズ含有インクが濡れ広がらないものとすることができ、目的とする領域に、所定の量インクジェット用ビーズ含有インクを塗布することが可能となるからである。
上記カラーフィルタ用基板の、スペーサを形成する領域をパターン状に親液化する方法としては、例えばエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層をカラーフィルタ用基板表面に形成し、この濡れ性変化層の濡れ性をパターン状に変化させる方法等とすることができる。このような濡れ性変化層を利用して、親液性のパターンを形成する方法としては、例えば特開2002−40230公報や、特開2003−105029公報等に記載された方法を用いることができる。
また、カラーフィルタ用基板の、少なくともスペーサが形成される領域およびその周辺部を撥液化する方法としては、例えば上記境界領域に形成される部材を、撥液性を有する材料を用いて形成する方法や、撥液性を有する層をカラーフィルタ用基板全面、もしくはパターン状に形成する方法等が挙げられる。なお、上記撥液性を有する層としては、一般的な撥液性を有する層を形成する際に用いられるフッ化炭素や、フルオロアルキルシランを含有する層等とすることができる。なお、本発明においては、特に表面張力40mN/mの液体との接触角が、30°以上、中でも50°以上である層が用いられることが好ましい。
(その他の工程)
また、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上記スペーサ形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程や、上記スペーサや着色層等の上に、配向膜を形成する配向膜形成工程等を有していてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例>
(カラーフィルタ用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部および着色層を覆うように形成された透明導電膜とを有するカラーフィルタ用基板を準備した。
(カラーフィルタ用基板の撥液化)
テフロン(登録商標)AF1600(デュポン社製)1gをフロリナートFC−43(住友3M(株)製)200gに溶解させて、撥液層形成用塗工液とした。この撥液層形成用塗工液を、上記カラーフィルタ用基板の透明導電膜上にスピンコート法により塗布し、100℃で60分間の乾燥処理を行うことにより、厚さ10nmの撥液層を得た。上記撥液層の純水との接触角は、105°であった。上記水との接触角は、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)によって測定した。
(スペーサ形成工程)
上記パターニング用層上に、下記の組成を有するインクジェット用ビーズ含有インクを、1滴(15pl)ずつ、510μmずつ間隙をあけて塗布した。その後、ホットプレートにて80℃で10分間乾燥させ、さらにオーブンで230℃で30分間加熱した。その結果、直径40μmの円形状のドットが形成され、そのドットの中には平均5個のビーズが含有されているスペーサを得た。なお、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重は1.12であった。
[インクジェット用ビーズ含有インクの組成]
下記組成を有するエポキシ系樹脂バインダA …10wt%
溶剤:ジエチレングリコールジアセテート(比重1.12、沸点250℃)
…88.5wt%
ビーズ:積水化学社製ミクロパール …1.5wt%
(エポキシ樹脂バインダAの組成)
バインダ性エポキシ樹脂 …16.39wt%
多官能エポキシ樹脂(商品名:Ep157 ビスフェノールA型(油化シェルエポキシ(株)製) …18.38wt%
酸(トリメット酸) …14.9wt%
触媒(商品名:ノフキュアーLC−1(日本油脂(株)製) …0.33wt%
溶剤(ジエチレングリコールジアセテート) …50.0wt%
<比較例1>
下記の組成を有するインクジェット用ビーズ含有インクを用いた以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作製した。その結果、インクジェット装置内でビーズの沈降が発生し、ビーズの数にばらつきが見られた。なお、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重は0.9であった。
[インクジェット用ビーズ含有インクの組成]
エポキシ樹脂(主成分:グリシジルメタクリレート) …10wt%
溶剤:ジエチレングリコールジブチルエーテル(比重0.89、沸点255℃)
…88.5wt%
ビーズ:積水化学社製ミクロパール …1.5wt%
<比較例2>
下記の組成を有するインクジェット用ビーズ含有インクを用いた以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作製した。その結果、直径40μmの円形状のドットが形成され、そのドットの中には平均5個のビーズが含有されているスペーサを得た。しかしながら、上記溶剤の揮発が不充分であり、パネルの表示不良が発生した。なお、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重は1.2であった。
[インクジェット用ビーズ含有インクの組成]
エポキシ樹脂(主成分:グリシジルメタクリレート) …10wt%
溶剤:酒石酸ジエチル(比重1.2、沸点280℃) …88.5wt%
ビーズ:積水化学社製ミクロパール …1.5wt%
<比較例3>
下記の組成を有するインクジェット用ビーズ含有インクを用いた以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作製した。その結果、直径40μmの円形状のドットが形成され、そのドットの中には平均5個のビーズが含有されているスペーサを得た。しかしながら、上記スペーサの高さにばらつきがあり、パネルの表示不良が発生した。なお、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重は1.12であった。
[インクジェット用ビーズ含有インクの組成]
エポキシ樹脂(主成分:グリシジルメタクリレート) …25wt%
溶剤:ジエチレングリコールジアセテート(比重1.12、沸点250℃)
…73.5wt%
ビーズ:積水化学社製ミクロパール …1.5wt%
<比較例4>
下記の組成を有するインクジェット用ビーズ含有インクを用いた以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作製した。その結果、直径40μmの円形状のドットが形成され、そのドットの中には平均5個のビーズが含有されているスペーサを得た。しかしながら、上記スペーサの密着性が不充分であり、その後の洗浄行程で約60%のビーズが剥離した。なお、上記インクジェット用ビーズ含有インクの比重は1.12であった。
[インクジェット用ビーズ含有インクの組成]
エポキシ樹脂(主成分:グリシジルメタクリレート) …0.4wt%
溶剤:ジエチレングリコールジアセテート(比重1.12、沸点250℃)
…98.1wt%
ビーズ:積水化学社製ミクロパール …1.5wt%
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 従来のカラーフィルタを説明するための説明図である。 従来のカラーフィルタを説明するための説明図である。
符号の説明
1 …基材
2 …着色層
3 …カラーフィルタ用基板
4 …インクジェット用ビーズ含有インク
5 …スペーサ

Claims (4)

  1. 少なくともビーズと、エポキシ系樹脂バインダと、比重が0.9〜1.3の範囲内であり、かつ沸点が170℃〜260℃の範囲内である溶剤とを含有するインクジェット用ビーズ含有インクであって、前記エポキシ系樹脂バインダの含有量(質量%)を1とすると、前記溶剤の含有量(質量%)が4〜200の範囲内であることを特徴とするインクジェット用ビーズ含有インク。
  2. 比重が、1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用ビーズ含有インク。
  3. 粘度が3cP〜20cPの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット用ビーズ含有インク。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載されたインクジェット用ビーズ含有インクを、基材と、前記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層とを有するカラーフィルタ用基板の、前記着色層どうしの境界領域上にインクジェット法により塗布し、スペーサを形成するスペーサ形成工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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