JP2008089659A - 防振機能を有する対物レンズ、ならびにそれを用いた望遠鏡および双眼鏡 - Google Patents

防振機能を有する対物レンズ、ならびにそれを用いた望遠鏡および双眼鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】特に接眼ズームレンズ等と組み合わされて好適に使用され、防振時の諸収差を良好に補正すると共に性能劣化が抑制された対物レンズおよびそれを用いた望遠鏡光学系を提供する。
【解決手段】この対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1群10と、正の屈折力を有する第2群20と、負の屈折力を有する第3群30と、第1群10、第2群20および第3群30が作る物体像を正立正像とする正立プリズム群Pとを備えている。特に、第1群10の最も物体側に、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL11を含み、かつ、第3群30を光軸Z1に対して垂直に移動することにより像ぶれ補正を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、手振れや三脚等の固定具の振動による観察画像の振れ(像振れ)を補正する機能を有した対物レンズならびにそれを用いた望遠鏡および双眼鏡に関する。
望遠鏡や双眼鏡などの観察用途の光学装置では、観察時の手振れや固定具である三脚等の振動により、観察物体からの光束の光軸に対する射出角度が変動し、観察画像の振れ(像振れ)を生じる。特許文献1には、機構上の簡素化を図りつつ、上記のような振動による像振れを防止する防振機能を有した双眼鏡用対物レンズが提案されている。具体的には、物体側から順に、正の第1群と、正の第2群と、負の第3群と、これらのレンズ群により形成される物体像を正立正像とする正立プリズムとを備えている。また、第1群は、物体側から順に正レンズおよび負レンズからなる接合レンズにより構成され、正レンズの物体側の面は、物体側に凸形状となっている。このような構成において、3つのレンズ群のいずれか一つの群を光軸と垂直な方向に移動させることにより、像振れの補正を行っている。この対物レンズは、主に倍率が15倍程度の双眼鏡に好適に用いられるものである。
特開2001−116989号公報
ところが、特許文献1の構成では、更に倍率の高い望遠鏡、例えばスポッティングスコープ(30〜60倍程度)等に用いられる場合や、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズと共に使用される場合には、接眼レンズの像面湾曲や倍率色収差を勘案した諸収差をより効果的に補正し、防振時の性能劣化をさらに抑える必要がある。これは、倍率が高くなるに従って、視界が狭くなることや、接眼レンズにより光束の射出角度が拡大されること等から、像ぶれの画像劣化への寄与が大きくなるためである。従って、従来よりも諸収差を良好に補正すると共に、防振時の性能劣化を効果的に抑制した対物レンズの実現が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズ等と共に好適に使用され、諸収差を良好に補正すると共に、防振時の性能劣化を効果的に抑制した防振機能を有する対物レンズならびにそれを用いた望遠鏡および双眼鏡を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、負の屈折力を有する第3群と、これら第1群、第2群および第3群が作る物体像を正立正像とする正立プリズムとからなる対物レンズであって、第1群の最も物体側に、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズを含み、かつ、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像振れ補正を行うものである。
本発明の第1の観点に係る対物レンズでは、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより、像振れの補正(防振)が行われる。これにより、他の群を移動群とした場合に比べて移動量を少なくできると共に、径を小さくし易いので、機構上の簡素化を図り易くなる。また、特に第1群の最も物体側に、物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズを配置したことにより、像面湾曲や倍率色収差等の諸収差の補正に有利になると共に、防振時の収差変動が効果的に抑制される。
また、本発明の第1の観点に係る対物レンズでは、各群の焦点距離および群間隔を、以下のような好ましい範囲に設定することにより、防振時の諸収差の補正により有利となる。
本発明の第1の観点に係る対物レンズでは、以下の条件式を満足することが好ましい。条件式(1)を満足することにより、第1群の屈折力が最適化されて、全長を抑えつつ、球面収差の増大が抑制され、像面湾曲のバランスが良好に保たれる。条件式(2)を満足することにより、第2群の屈折力が最適化されて、球面収差の増大が抑制され、像面湾曲のバランスが良好に保たれる。条件式(3)を満足することにより、第3群の屈折力が最適化され、防振時の諸収差が良好に補正されつつ、第3群の移動量が抑えられる。ただし、fを全系の焦点距離、f1を第1群の焦点距離、f2を第2群の焦点距離、f3を第3群の焦点距離とする。
0.5<f1/f<0.8 ・・・・・・・(1)
0.4<f2/f<0.8 ・・・・・・・(2)
0.2<|f3|/f<0.4 ・・・・・・・(3)
また、本発明の第1の観点に係る対物レンズでは、以下の条件式を満足することが好ましい。条件式(4)を満足することにより、第1群および第2群の屈折力の増大が抑えられ、球面収差の劣化が防止される。条件式(5)を満足することにより、防振機構を実質的に確保しつつ、重量増加を防ぐことができる。ただし、d12を第1群と第2群との光軸上の間隔、d23を第2群と第3群との光軸上の間隔とする。
0.1<d12/f<0.3 ・・・・・・・(4)
0.005<d23/f<0.1 ・・・・・・・(5)
さらに、本発明の第1の観点に係る対物レンズでは、第1群、第2群および第3群の各群が、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを含み、かつ、第1群および第2群のそれぞれが、アッベ数が70以上である少なくとも1枚の正レンズを含むことが好ましい。これにより、色収差をはじめとして、防振時の諸収差の補正により有利となる。
本発明の第2の観点に係る対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、負の屈折力を有する第3群と、第1群、第2群および第3群が作る物体像を正立正像とする正立プリズムとからなる対物レンズであって、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像ぶれ補正を行うものであり、かつ以下の条件式を満足する。ただし、fを全系の焦点距離、f1を第1群の焦点距離、f2を第2群の焦点距離とする。
0.5<f1/f<0.8 ・・・・・・・(1)
0.4<f2/f<0.8 ・・・・・・・(2)
本発明の第2の観点に係る対物レンズでは、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより、像振れの補正(防振)が行われる。この場合において、他の群を移動群とした場合に比べて移動量を少なくできると共に、径を小さくし易いので、機構上の簡素化を図り易くなる。特に、第1群および第2群の屈折力を所定の範囲内に設定することにより、諸収差が良好に補正されると共に、防振時の収差変動が抑制される。
本発明に係る望遠鏡および双眼鏡は、上記のような構成の対物レンズを備えたものである。これにより、高倍率であっても、防振時の諸収差が良好に補正されると共に収差変動が抑制される。
本発明の第1の観点に係る対物レンズによれば、全体として3群構成で、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像振れを補正し、特に、第1群の最も物体側のレンズの屈折力や形状を適切に設定するようにしたので、諸収差を良好に補正すると共に、防振時の性能劣化を効果的に抑制することができる。従って、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズ等と組み合わされて好適に使用される対物レンズを実現できる。
本発明の第2の観点に係る対物レンズによれば、全体として3群構成で、第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像振れを補正し、特に、第1群および第2群の屈折力を所定の範囲内となるように設定するようにしたので、像面湾曲や倍率色収差を勘案した諸収差を良好に補正すると共に、防振時の性能劣化を効果的に抑制することができる。従って、防振機能を有する望遠鏡用途として、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズ等と組み合わされて好適に使用される対物レンズを実現できる。
本発明に係る望遠鏡または双眼鏡によれば、本発明の第1の観点に係る対物レンズあるいは本発明の第2の観点に係る対物レンズを用いるようにしたので、防振時の諸収差が良好に補正されると共に性能劣化が効果的に抑制される。従って、特に接眼ズームレンズ等を好適に使用することができ、防振機能を有する高倍率で高性能の望遠鏡光学系を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第1の構成例を示すものである。この構成例は、後述の数値実施例1(図7)のレンズ構成に対応している。図2は、第2の構成例を示しており、後述の数値実施例2(図8)のレンズ構成に対応している。図3は、第3の構成例を示しており、後述の数値実施例3(図9)のレンズ構成に対応している。図4は、第4の構成例を示しており、後述の数値実施例4(図10)のレンズ構成に対応している。図5は、第5の構成例を示しており、後述の数値実施例5(図11)のレンズ構成に対応している。図1〜図5において基本的な構成は同じなので、以下では、図1の構成例を基本にして説明する。
この対物レンズは、手振れ等の振動による像ぶれを補正する防振機能を有しており、例えば望遠鏡や双眼鏡などの観察用途の光学装置に用いられるものである。特に、スポッティングスコープ(30〜60倍)等の高倍率の望遠鏡に好適に用いられ、また、接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズと組み合わされて好適に使用されるものである。この対物レンズは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、正の屈折力を有する第1群10と、正の屈折力を有する第2群20と、負の屈折力を有する第3群30と、正立プリズムPとを備えている。正立プリズムPと結像面Simgとの間には、保護用のカバーガラスCGが配置されている。
第1群10は、最も物体側に、負の屈折力を有すると共に、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第11レンズL11を備えている。第1群10は、例えば、2枚構成となっており、第11レンズL11の後続に、例えば、両凸形状の第12レンズL12を備えている。ただし、図2〜図5の構成例では、第1群10は3枚構成となっており、最も像側に、両凸形状の第13レンズL13を更に備えている。なお、第1群10は、像振れ補正(防振)に際しては、光軸Z1に対して固定群となっている。
第2群20は、物体側から順に、例えば、両凸形状の第21レンズL21と、負の屈折力を有するメニスカス形状の第22レンズL22とを備えている。なお、第2群20は、像振れ補正(防振)に際しては、光軸Z1に対して固定群となっている。
第3群30は、物体側から順に、例えば両凹形状の第31レンズL31および物体側に凸面を向けた正のメニスカス形状の第32レンズL32の接合レンズにより構成されている。第3群30は、像振れ補正(防振)を行う際、光軸Z1に対して垂直方向に移動する機構を有している。
正立プリズムPは、第1群10〜第3群30で形成された物体像を倒立させて、正立正像とする機能を有する像反転光学系であり、反射面を有する複数のプリズムが組み合わされて構成されている。正立プリズムとしては、例えば、ポロプリズム(poloprism)やダハプリズム(roof prism)等を用いることができる。なお、図1において、正立プリズムPは、光軸上で等価的に平行平面ブロックとして展開されて示されている。
また、この対物レンズでは、以下の条件式を満足することが好ましい。ただし、fを全系の焦点距離、f1を第1群10の焦点距離、f2を第2群20の焦点距離、f3を第3群30の焦点距離とする。
0.5<f1/f<0.8 ・・・・・・・(1)
0.4<f2/f<0.8 ・・・・・・・(2)
0.2<|f3|/f<0.4 ・・・・・・・(3)
さらに、以下の条件式を満足することが好ましい。ただし、d12を第1群10と第2群20との光軸上の間隔、d23を第2群20と第3群30との光軸上の間隔とする。
0.1<d12/f<0.3 ・・・・・・・(4)
0.005<d23/f<0.1 ・・・・・・・(5)
また、第1群10、第2群20および第3群30の各群は、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを含み、かつ、第1群10および第2群20のそれぞれが、アッベ数が70以上である少なくとも1枚の正レンズを含むことが好ましい。また、より好ましくは、アッベ数が80以上である少なくとも1枚の正レンズを含むようにする。
図6は、この対物レンズを用いた望遠鏡光学系の断面構成を表す図である。この望遠鏡光学系は、光軸Z1に沿って、物体側から順に、対物レンズ100と、正立プリズム101と、保護ガラス102と、接眼レンズ103とを備えている。対物レンズ100としては、代表例として図3に示した第3の構成例に係る対物レンズを用いている。正立プリズム101は、例えば3つのプリズム101a,101b,101cにより構成されている。接眼レンズ103としては、3群構成の接眼ズームレンズ等が好適に用いられる。なお、同様の構成の望遠鏡光学系を2つ並列的に配置することにより、双眼鏡を構成することができる。
次に、上記のような構成を有する対物レンズおよび望遠鏡光学系の作用・効果について説明する。
この対物レンズでは、正の第1群10、正の第2群20、負の第3群30と、これらによって作られた物体像を正立正像とする正立プリズムからなる対物レンズにおいて、像振れを補正(防振)する際に、第3群30を光軸に対して垂直方向に移動することにより、第1群10および第2群20を移動して補正を行う場合に比べて、移動量が低減されると共に、径を小さくできるため、機構上の簡素化を図り易くなる。また、特に、第11レンズL11を、物体側に凹面を向けた負のメニスカス形状とすることにより、防振時の像面湾曲等の諸収差が良好に補正されると共に、防振時の収差変動が効果的に抑制される。
条件式(1)は、全系の焦点距離fに対する第1群10の焦点距離f1に関する式である。条件式(1)の下限を超えると、第1群10の屈折力が強くなりすぎ、球面収差が増大する。上限を超えると、第1群10の焦点距離が長くなり、全長が長くなると共に第2群20への負荷が増大し、球面収差の増大を生じて、像面湾曲のバランスを良好に保つことができないため好ましくない。
条件式(2)は、全系の焦点距離fに対する第2群20の焦点距離f2に関する式である。条件式(2)の下限を超えると、第2群10の屈折力が強くなりすぎ、球面収差が増大する。上限を超えると、第2群20の焦点距離が長くなることで、第1群10の屈折力の増大を引き起こし、球面収差性能の劣化を生じると共に像面湾曲のバランスを良好に保つことができないため好ましくない。
また、この対物レンズでは、各レンズ群が、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを含み、第1群10および第2群20の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数が70以上、より好ましくは80以上であることにより、防振時の諸収差の補正により有利となる。
条件式(3)は、全系の焦点距離fに対する第3群30の焦点距離f3に関する式である。条件式(3)の下限を超えると、第3群30の屈折力が強くなりすぎ、高次の収差が増大して、防振時の収差性能を良好に保つことができなくなる。上限を超えると、第3群30の屈折力が弱くなり、防振時の第3群30の移動量が大きくなり好ましくない。
条件式(4)は、第1群10と第2群20との光軸上の間隔d12に関する式である。条件式(4)の下限を超えると、第1群10の屈折力の増大を引き起こし、球面収差性能が劣化する。上限を超えると、第2群20の屈折力の増大を引き起こし、球面収差性能が劣化するため好ましくない。
条件式(5)は、第2群20と第3群30との光軸上の間隔d23に関する式である。条件式(5)の下限を超えると、第2群20と第3群30との間隔が狭くなりすぎ、防振機構の確保が困難となる。上限を超えると、第2群20の有効径が大きくなり重量増加を生じるため好ましくない。
以上説明したように、本実施の形態に係る対物レンズまたはそれを用いた望遠鏡光学系によれば、特に、第1群10の最も物体側のレンズの形状や屈折力を適切に設定し、あるいは第1群10および第2群20の屈折力を適切な範囲に設定し、さらに、上述した好ましい態様を適宜採用することにより、像面湾曲や倍率色収差を勘案した諸収差が良好に補正されると共に、防振時の性能劣化が効果的に抑制される。従って、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズ等と組み合わされて好適に使用される対物レンズおよびそれを用いた望遠鏡光学系を実現できる。
次に、この対物レンズの具体的な数値実施例1〜5について、実施例1を基本にしてまとめて説明する。
実施例1として、図1に示した対物レンズの構成に対応する基本的なレンズデータを、図7に示す。図7では、面番号Siの欄には、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndj,νdjの欄には、それぞれ、物体側からj番目の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数の値を示す。
上記実施例1と同様にして、実施例2に係る対物レンズのレンズデータを、図8に示す。同様に、実施例3に係る対物レンズのレンズデータを図9に示す。同様に、実施例4に係る対物レンズのレンズデータを図10に示す。同様に、実施例5に係る対物レンズのレンズデータを図11に示す。
図12には、上述の条件式(1)〜(5)に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。図12に示したように、いずれの実施例においても、各条件式の数値範囲内となっている。
図13(A)〜図13(I)には、実施例1に係る対物レンズの通常時における横収差を、画角ごとに示す。特に、図13(A)〜図13(E)には、タンジェンシャル方向の収差を示し、図13(F)〜図13(I)には、サジタル方向の収差を示す。各収差図には、d線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、およびg線(波長435.8nm)についての収差を示す。なお、「通常時」とは、図23(A)に示したように、光軸Z1の傾きが水平軸に対して0°(無振動状態)で、第3群の光軸Z1に対する垂直方向の移動量が0mm(基準位置)である場合とする。また、ωは半画角を示しており、光軸Z1に水平に入射した光束をω=0.0°の光束とし、時計回りにα°で入射した光束をω=+α°、反時計回りにα°で入射した光束をω=−α°として、ω=−1.0°〜+1.0°における収差について示す。また、FNO.(F値)は5.5とする。
図14(A)〜図14(J)には、実施例1に係る対物レンズの防振時における横収差を、画角ごとに示す。特に、図14(A)〜図14(E)には、タンジェンシャル方向の収差を示し、図14(F)〜図14(J)には、サジタル方向の収差を示す。各収差図には、d線、C線、F線およびg線についての収差を示す。なお、「防振時」とは、図23(B)に示したように、光学系が0.25°傾き(振動状態)、それに連動して第3群を1mmシフトさせた場合を示す。また、光学系の傾き0.25°とは、水平軸Z2に対して光軸Z1が反時計回りに0.25°傾いている状態を示し、第3群1mmシフトとは、光軸Z1に対して垂直方向に第3群を1mm移動させることを示す。また、ωは半画角を示しており、水平軸Z2に水平に入射した光束をω=0.0°の光束とし、時計回りにα°で入射した光束をω=+α°、反時計回りにα°で入射した光束をω=−α°として、ω=−1.0°〜+1.0°における収差について示す。また、FNO.(F値)は5.5とする。
同様に、実施例2に係る対物レンズについての横収差を、図15(A)〜図15(I)(通常時)および図16(A)〜図16(J)(防振時)に示す。同様に、実施例3に係る対物レンズについての横収差を、図17(A)〜図17(I)(通常時)および図18(A)〜図18(J)(防振時)に示す。同様に、実施例4に係る対物レンズについての横収差を、図19(A)〜図19(I)(通常時)および図20(A)〜図20(J)(防振時)に示す。同様に、実施例5に係る対物レンズについての横収差を、図21(A)〜図21(I)(通常時)および図22(A)〜図22(J)(防振時)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、諸収差が良好に補正され、収差変動が抑制されている。従って、高倍率の望遠鏡用途して、特に接眼ズームレンズや高倍率の接眼レンズと共に好適に使用される対物レンズが実現できている。
次に、上記のような対物レンズと組み合わされて使用される接眼レンズの一例を示す。接眼レンズとしては、図24(A)および図24(B)に示したような接眼ズームレンズを用いることができる。図24(A)には、この接眼ズームレンズ単体での最長焦点距離状態(対物レンズと組み合わせて使用した場合の光学系全体としての低倍側)でのレンズ配置を示し、図24(B)には、この接眼ズームレンズ単体での最短焦点距離状態(対物レンズと組み合わせて使用した場合の光学系全体としての高倍側)でのレンズ配置を示す。また、図25(A)には、その基本的なレンズデータ、図25(B)には、その他のレンズデータを示す。
この接眼ズームレンズは、正立プリズムによって正立像とされた対物レンズによる物体像を拡大観察するものであり、図24(A)および図24(B)に示したように、光軸Z1に沿ってアイポイントE.P側から順に、正の屈折力を有する第1群G1と、正の屈折力を有する第2群G2と、負の屈折力を有する第3群G3とを備えており、第2群G2と第3群G3との間に焦点面を持っており、ここに物体像(対物像)Iがくる。また、第1群G1は、アイポイントE.P側から順に、2枚のレンズ11,12よりなる接合レンズから構成され、第2群G2は、アイポイントE.P側から順に、2枚の単レンズ21A,21Bと、2枚のレンズ22,23よりなる接合レンズとから構成され、第3群G3は、アイポイントE.P側から順に、2枚のレンズ31,32よりなる接合レンズから構成されている。このような構成において、第1群G1を固定群とし、第2群G2と第3群G3とを変倍群として光軸Z1に沿って互いに逆方向に移動させることにより、焦点距離を連続的に変化させ、変倍を行うようになっている。
また、図12および図25(B)より、上記のような接眼レンズを本実施の形態に係る対物レンズと組み合わせて使用することにより、光学系全体として約20〜60倍の倍率を確保できることがわかる。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る対物レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る望遠鏡の構成を示す断面図である。 実施例1に係る対物レンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例2に係る対物レンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例3に係る対物レンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例4に係る対物レンズの基本的なレンズデータを示す図である。 実施例5に係る対物レンズの基本的なレンズデータを示す図である。 条件式に関する値を各実施例についてまとめて示した図である。 実施例1に係る対物レンズの横収差を示す図(通常時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(I)はサジタル方向の収差を示す。 実施例1に係る対物レンズの横収差を示す図(防振時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(J)はサジタル方向の収差を示す。 実施例2に係る対物レンズの横収差を示す図(通常時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(I)はサジタル方向の収差を示す。 実施例2に係る対物レンズの横収差を示す図(防振時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(J)はサジタル方向の収差を示す。 実施例3に係る対物レンズの横収差を示す図(通常時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(I)はサジタル方向の収差を示す。 実施例3に係る対物レンズの横収差を示す図(防振時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(J)はサジタル方向の収差を示す。 実施例4に係る対物レンズの横収差を示す図(通常時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(I)はサジタル方向の収差を示す。 実施例4に係る対物レンズの横収差を示す図(防振時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(J)はサジタル方向の収差を示す。 実施例5に係る対物レンズの横収差を示す図(通常時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(I)はサジタル方向の収差を示す 実施例5に係る対物レンズの横収差を示す図(防振時)であり、(A)〜(E)はタンジェンシャル方向、(F)〜(J)はサジタル方向の収差を示す。 本実施例に係る対物レンズに入射する光束の角度についての説明図であり、(A)は通常時、(B)は防振時での入射角度を示す。 接眼レンズの一例を示す断面構成図であり、(A)は最長焦点距離状態、(B)は最短焦点距離状態を示す。 接眼レンズのレンズデータを示す図であり、(A)は基本的なレンズデータ、(B)は変倍時のデータを示す。
符号の説明
10…第1群、20…第2群、30…第3群、P,101…正立プリズム、CG,102…カバーガラス、Z1…光軸、100…対物レンズ、103…接眼レンズ。

Claims (7)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、負の屈折力を有する第3群と、前記第1群、前記第2群および前記第3群によって作られる物体像を正立正像とする正立プリズムとからなる対物レンズであって、
    前記第1群の最も物体側に、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズを含み、かつ
    前記第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像ぶれ補正を行う
    ことを特徴とする防振機能を有する対物レンズ。
  2. さらに、以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振機能を有する対物レンズ。
    0.5<f1/f<0.8 ・・・・・・・(1)
    0.4<f2/f<0.8 ・・・・・・・(2)
    0.2<|f3|/f<0.4 ・・・・・・・(3)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f1:第1群の焦点距離
    f2:第2群の焦点距離
    f3:第3群の焦点距離
    とする。
  3. さらに、以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の防振機能を有する対物レンズ。
    0.1<d12/f<0.3 ・・・・・・・(4)
    0.005<d23/f<0.1 ・・・・・・・(5)
    ただし、
    d12:第1群と第2群との光軸上の間隔
    d23:第2群と第3群との光軸上の間隔
    とする。
  4. 前記第1群、前記第2群および前記第3群の各群が、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとを含み、かつ
    前記第1群および前記第2群のそれぞれが、アッベ数が70以上である少なくとも1枚の正レンズを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防振機能を有する対物レンズ。
  5. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、負の屈折力を有する第3群と、前記第1群、前記第2群および前記第3群が作る物体像を正立正像とする正立プリズムとからなる対物レンズであって、
    前記第3群を光軸に対して垂直に移動することにより像ぶれ補正を行い、かつ
    以下の条件式を満足する
    ことを特徴とする防振機能を有する対物レンズ。
    0.5<f1/f<0.8 ・・・・・・・(1)
    0.4<f2/f<0.8 ・・・・・・・(2)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f1:第1群の焦点距離
    f2:第2群の焦点距離
    とする。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の防振機能を有する対物レンズを有する望遠鏡。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の防振機能を有する対物レンズを有する双眼鏡。
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