JP2008088868A - 排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法及び排熱回収装置付圧縮機 - Google Patents

排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法及び排熱回収装置付圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】 排熱回収を行う圧縮機において,容量制御による燃費が向上された運転を行うと共に,排熱利用機器に対して安定した熱の供給を行う。
【解決手段】 圧縮機本体2の吸気制御と,この圧縮機本体2を駆動するエンジン3等の原動機の速度制御を行う容量制御手段7を備えた圧縮機1に,圧縮機本体2やエンジン3等の発熱部で生じた排熱の回収と放熱とを行う排熱回収装置8を設け,該装置8で回収された排熱を消費する排熱利用機器14で消費される熱量の変化に応じて,生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変として,前記排熱利用機器14において消費される熱量を超える余剰の排熱を放出可能とし,前記回収装置8において前記排熱の回収が所定の割合以上で行われているとき,前記容量制御手段7の動作を,消費側に供給される圧縮気体の圧力が前記所定値以上となっても,前記原動機の低速運転への移行を行わずに前記原動機の前記高速運転を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は,圧縮機の作動によりエンジン等の原動機や圧縮機本体で生じた熱を回収してエネルギーとして利用する排熱回収装置を備えた圧縮機の運転制御方法,及び前記運転制御方法が実施される排熱回収装置付圧縮機に関する。
圧縮機は一般に、消費側に供給される圧縮気体の圧力が一定となるように圧縮機の運転を制御する容量制御手段を備えており,この容量制御手段による制御により圧縮機本体の吸気制御と,圧縮機本体を駆動する原動機であるエンジンやモータ等の運転速度を制御する速度制御が行われ,これにより消費側に供給される圧縮気体の圧力を一定に維持すると共に,原動機の燃費向上や消費電力の低減が図られている。
このような容量制御手段を備えた圧縮機の一例として,前述した原動機がエンジン3であるエンジン駆動型圧縮機の一例を図9を参照して説明すれば,図9に示すエンジン駆動型圧縮機1において、エンジン3により駆動される圧縮機本体2の吐出口はレシーバタンク12に連通されており、圧縮機本体2より吐出された圧縮空気がレシーバタンク12内に導入されるよう構成されていると共に、このレシーバタンク12を、消費側において図示せざる空気作業機等に連通している。
このレシーバタンク12にはレシーバタンク12内の圧力に応じて開閉する圧力レギュレータ75の一次側を連通し,この圧力レギュレータ75の二次側に配管等である回路71を連通し、この回路71より分岐した分岐回路の一つ53をアンローダレギュレータ52に連通している。
このアンローダレギュレータ52は、圧縮機本体2の吸気口を開閉するアンローダ51に連結され、このアンローダ51と共に圧縮機本体2の吸気口を開閉する吸気制御手段5を構成する。
また、他の分岐回路62はエンジン3のガバナレバー31を揺動するスピードレギュレータ61に連通され、このガバナレバー31とスピードレギュレータ61によりエンジンを変速する速度制御手段6が構成されている。
以上のように構成されたエンジン駆動型圧縮機1において,消費側における圧縮気体の消費量が減少し,又は圧縮気体の消費が停止する等してレシーバタンク12内の圧力が上昇すると,圧力レギュレータ75は、レシーバタンク12内の圧力を受け、この圧力が予め設定された圧力(作動圧力)になると開弁して前述のアンローダレギュレータ52及びスピードレギュレータ61にレシーバタンク12内の圧縮気体,例えば圧縮空気の供給を開始する。
この圧縮気体の導入により,アンローダレギュレータ52は圧縮機本体2の吸気口を開閉するアンローダ51の閉動作を開始して,レシーバタンク12に対する圧縮気体の導入を停止し,また、スピードレギュレータ61はエンジンガバナレバー31を低速側に揺動してエンジンを低速運転とすることで,燃費の向上が図られる。
一方,消費側における圧縮気体の消費量が増加する等してレシーバタンク12内の圧力が低下すると,圧力レギュレータ75が回路71を閉じ,アンローダレギュレータ52及びスピードレギュレータ61に対する圧縮気体の導入が停止する。
その結果,アンローダレギュレータ52がアンローダ51を操作して圧縮機本体2の吸気口を開き,圧縮機本体2を全負荷運転に移行すると共に,スピードレギュレータ61はエンジン3のガバナレバー31を高速側に揺動させてエンジン3を高速運転に移行し,レシーバタンク12に対する圧縮気体の導入を開始する。
特開2002−168177号公報
資源の枯渇に対する危機感や,環境の保全等に対する人々の感覚が鋭敏化した今日にあっては,資源を可能な限り有効に利用することが求められており,このような要求は前述した圧縮機の分野においても生じている。
ところで,前述した圧縮機1で圧縮気体を得るためには,圧縮機本体2をモータやエンジン3等の原動機によって駆動する必要があり,この原動機を作動させるために電力や燃料が消費されている。
しかし,ここで消費される電力や燃料は,その全てが圧縮気体のエネルギーに変換されている訳ではなく,その一部は圧縮機本体2が気体を圧縮する際に生じる圧縮熱として,また,原動機がエンジン3である場合には燃料の燃焼時に発生する熱として,熱エネルギーに変換されており,しかもこのようにして発生した熱エネルギーは,何ら有効に利用されることなく排熱として例えば空気中に放出されることから,このような熱エネルギーに変換されて放出等される分,エネルギー損失が生じている。
そこで,エネルギーのより一層の有効な利用を図るためには,単に圧縮機1に対し燃費向上や消費電力の低減を図った運転制御を行うだけでなく,前述したような圧縮機1の運転により発生した熱,例えば圧縮機本体2で生じた圧縮熱や,エンジン3における燃料の燃焼によって生じた熱を熱エネルギーとして回収して利用することが望まれている。
ところで,このように圧縮機1の運転によって生じた熱エネルギーを回収し,これを例えば排熱利用機器で利用することを考える場合,排熱利用機器に対して熱エネルギーを安定して供給する必要がある。
一方,前述した通りの容量制御が行われる圧縮機1にあっては,消費側に供給される圧縮気体の圧力変化,例えばレシーバタンク12内の圧力変化に応じて圧縮機本体2の吸気制御やエンジン3の速度制御が行われるために,圧縮機本体2における発熱量,エンジン3における発熱量共に運転状態の変化に伴って変動し,その結果,排熱量,すなわち,回収して利用できる熱量が変動するためにこれを安定して利用することができない。
因みに,エンジン駆動型圧縮機1において,圧縮機本体2の吸気口を開いた全負荷状態で,かつ,エンジン3を高速回転で運転した場合における排熱発生量を100%とすると,圧縮機本体2の吸気口を閉じて無負荷状態とし,かつ,エンジンを低速運転とした場合の排熱発生量は,54%程度に迄低下する。
そのため,例えば圧縮機1の全負荷運転時における排熱発生量を基準として,この排熱を利用する排熱利用機器における消費熱量を選択すると,圧縮機1が無負荷運転に移行した際に排熱利用機器に十分な熱量を供給できない。
このように,容量制御手段による容量制御を行うことにより,圧縮機1で発生する排熱量は変動することから,前述した容量制御を行いつつ,利用可能な熱量の減少分を補って安定した熱の供給を行おうとすれば,無負荷運転等に移行した際に減少する熱量を補うための,例えば補助ボイラの追加等,追加設備を設けることが必要となり,装置構成が大掛かりとなる。
また、圧縮機と排熱利用機器との間に前述の補助ボイラを追加したとしても、圧縮機が全負荷運転時から無負荷運転時へ移行したときの排熱量は短時間で大幅に低下変動することから、補助ボイラにおける熱量の補充が間に合わず排熱利用機器へ供給する排熱回収媒体の温度が一時的に下がってしまうことがある。
なお,排熱利用機器に対する安定した熱の供給を考える場合,例えば前述したエンジンの速度制御を行なわず,エンジンの回転数を常に一定で運転して発生する熱量が大幅に減少しないようにすることも考えられるが,排熱の利用が行われていなかったり,又は排熱の利用量が僅かである場合にまで無負荷運転時のエンジンを高速運転する場合には,無駄な燃料の消費が行われることとなり,燃料等のエネルギーを有効に利用するために排熱を回収する構成を採用したにも拘わらず,排熱を得るために燃料の余分な消費が行われるという本末転倒な運転が行われることとなる。
これらの運転時における容量制御動作は予め設定された条件に従って行われるように圧縮機1毎に設定が固定されており,必要に応じて簡単に設定を変更することができるようにはなっていない。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,容量制御が行われる圧縮機において,排熱利用機器へ安定して排熱を供給することができると共に,燃費等の向上された排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法及び前記運転制御方法が実施される排熱回収装置付圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の排熱回収装置付圧縮機1の運転制御方法,及び前記方法を実現する排熱回収装置付圧縮機は,圧縮機本体2と,圧縮機本体2を駆動するエンジン3やモータ3’等の原動機を備えると共に,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値未満であるとき,前記圧縮機本体2を全負荷運転と成すと共に前記原動機(3,3’)を高速運転し,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値以上であるとき,前記圧縮機本体2を無負荷運転に移行すると共に,前記原動機(3,3’)を低速運転に移行する容量制御手段7を備えた圧縮機において,
前記圧縮機1に,前記圧縮機1の運転によって発熱する,圧縮機本体2やエンジン3等の発熱部で生じた排熱の回収と放熱とを行う排熱回収装置8を設けると共に,該排熱回収装置8で回収された排熱が供給される排熱利用機器14を接続可能に構成し,接続された排熱利用機器14で消費される熱量の変化に応じて,圧縮機の発熱部で生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変として,前記排熱利用機器14において消費される熱量を超える余剰の排熱を放出可能とすると共に,
前記排熱回収装置8において前記排熱の回収が所定の割合以上で行われているとき,前記容量制御手段7の動作を変更して,消費側に供給される圧縮気体の圧力が前記所定値以上となっても,前記原動機の低速運転への移行を行わずに前記原動機の前記高速運転を行う容量制御動作変更手段4を備えることを特徴とする(請求項1,10)。
前記構成において,前記排熱回収装置8に,前記圧縮機1の発熱部(圧縮機本体2やエンジン3等)を冷却した冷媒(前記発熱部が油冷式の圧縮機本体2であれば潤滑油,エンジン3であればクーラント等)を導入して、例えば水である排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と,前記冷媒の排熱を回収することなく放熱により冷却する,オイルクーラやラジエータ等の放熱用熱交換器82(82a,82b)と,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入する前記冷媒と前記放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する前記冷媒の流量配分を変化させる流量配分調整手段83を設けると共に,
前記容量制御動作変更手段4に,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以上となったこと,又は,前記放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以下となったことを検知する,流量配分検知手段を設け,この流量配分検知手段による検知結果に基づいて前記容量制御手段7の容量制御の動作を変更するように構成することができる(請求項2,11;図1〜6)。
又は,前記排熱回収装置8に,前記圧縮機1の発熱部を冷却した冷媒を導入して該冷媒を排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と,前記熱交換後の排熱回収媒体を導入して放熱により冷却する放熱用熱交換器82と,前記排熱利用機器14に導入する前記排熱回収媒体の流量と,前記放熱用熱交換器82に導入する前記排熱回収媒体の流量配分を変化させる流量配分調整手段83を設けると共に,
前記容量制御動作変更手段4に,前記排熱利用機器14に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以上となったこと,又は前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以下となったことを検知する,流量配分検知手段を設け,この流量配分検知手段による検知結果に基づいて前記容量制御手段7の容量制御の動作を変更するように構成しても良い(請求項3,12;図7)。
前記流量配分検知手段としては,前記流量配分調整手段83が排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と前記放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する前記冷媒の配分を制御するものである場合,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)を流れる前記冷媒の流量を検知する例えばフロースイッチ10(10a,10b)等の流量検知手段(図1参照),又は前記放熱用熱交換器82(82a,82b)を流れる前記冷媒の流量を検知する同様の流量検知手段(図示せず)であっても良く(請求項4,13),
また,前記流量配分調整手段83が前記排熱利用機器14と前記放熱用熱交換器82に導入する前記排熱回収媒体の配分を制御するものである場合,前記流量配分検知手段は,前記排熱利用機器14を流れる前記排熱回収媒体の流量を検知する例えばフロースイッチ10等の流量検知手段(図7参照),又は前記放熱用熱交換器82を流れる前記排熱回収媒体の流量を検知する同様の流量検知手段(図示せず)であっても良い(請求項5,14)。
さらに,排熱回収装置8の前記流量配分調整手段83が排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と前記放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する前記冷媒の配分を制御するものであると共に,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)を通過した前記冷媒と,前記放熱用熱交換器82(82a,82b)を通過した前記冷媒とを合流して前記発熱部に導入可能とし,さらに,前記合流後の前記冷媒の温度を検知する温度センサ85(85a,85b)等の温度検知手段と,前記温度検知手段により検知される温度が所定の温度となるように前記流量配分調整手段83を制御する制御信号を出力する,例えば電子制御装置等で構成される温度調整手段〔コントローラ86(86a,86b)〕を設け,
前記温度検知手段85(85a,85b)と温度調整手段86(86a,86b)を前述の流量配分検知手段と成し,前記温度調整手段86(86a,86b)の制御信号に基づいて前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入する前記冷媒の流量配分,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分を判断するように構成しても良い(請求項6,15;図2参照)。
また,排熱回収装置8の前記流量配分調整手段83が排熱利用機器14と前記放熱用熱交換器82に導入する前記排熱回収媒体の配分を制御するものであると共に,前記排熱利用機器14を通過した前記排熱回収媒体と,前記放熱用熱交換器82を通過した前記排熱回収媒体とを合流して前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入可能とし,前記合流後の前記排熱回収媒体の温度を検知する温度センサ10等の温度検知手段と,前記温度検知手段10により検知される温度が所定の温度となるように前記流量配分調整手段83を制御する制御信号を出力する,コントローラ86等の温度調整手段を設けた場合には,前記温度検知手段10と前記温度調整手段86とを前述の流量配分検知手段と成し,前記温度調整手段86の制御信号に基づいて前記排熱利用機器14に導入する前記排熱回収媒体の流量配分,又は,前記放熱用熱交換器82に導入する前記排熱回収媒体の流量配分を判断するように構成しても良い(請求項7,16;図示せず)。
なお,前記原動機がエンジン3である場合,該エンジン3を前記発熱部として排熱を回収しても良く(請求項8,17:図4),前記圧縮機本体2を前記発熱部として排熱を回収しても良く(請求項9,18:図5,6),エンジン3と圧縮機本体2の双方を前記発熱源として排熱を回収しても良い(図1〜3,図7)。
以上説明した本発明の構成より,本発明の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法及びこの運転制御方法を実現する排熱回収装置付圧縮機1によれば,排熱利用機器14において消費される熱量が比較的少ない場合には,既知の容量制御に従って原動機の速度制御を行うことで燃費や消費電力を軽減することができ,一方,排熱利用機器14において消費される熱量が比較的多い場合には,消費側に供給される圧縮気体の圧力が(例えばレシーバタンク12内の圧力)が所定圧力以上となった場合であっても原動機を低速運転に移行せず,高速運転を行うことで,排熱の発生量が大幅に低下することを防止でき,排熱利用機器14に対する十分な熱量の供給を行うことができた。
その結果,排熱利用機器14に供給する熱量が不足する等の弊害が生じることを防止でき,装置構成を比較的単純なものとすることができる一方,可及的に低燃費,低電力で圧縮機の運転を行うことが可能であった。
冷媒や排熱回収媒体の流量を検知するフロースイッチ10(10a,10b)等の流量検知手段を設けた構成にあっては,前記冷媒や排熱回収媒体の流量に基づいて,排熱のうち回収に供される割合を容易に判断することができた。
また,温度制御手段86(86a,86b)によって制御される流量配分調整手段83(83a,83b)の動作状態を,例えば前記温度制御手段86(86a,86b)が前記流量配分調整手段83(83a,83b)に出力する制御信号の変化に基づいて,排熱のうち回収される割合を判断する場合には,フロースイッチ10(10a,10b)等によって流量変化を検知する場合に比較して,排熱利用機器14側における消費熱量の変化に対する応答性がより一層向上した。
次に,本発明の実施形態を添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
〔実施形態1〕
圧縮機の構成
図1中,1は排熱回収装置を備えた圧縮機であり,この圧縮機1は,圧縮機本体2,この圧縮機本体2を駆動する,本実施形態ではエンジン3である原動機,前記圧縮機本体2より吐出された圧縮気体を貯溜するレシーバタンク12を備えていると共に,前記圧縮機本体2の吸気制御を行う吸気制御手段5と,前記エンジン3の運転速度を制御する速度制御手段6とから成る容量制御手段7,該圧縮機1における発熱源で発生した排熱を回収する排熱回収装置8を備えていると共に,前記排熱回収装置8において,排熱のうち回収する割合が所定の割合以上であるとき,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定圧力以上となっても,容量制御手段7によりエンジン3の低速運転への移行を行わず,高速(全負荷運転時における速度)で運転する容量制御動作変更手段4を備えている。
容量制御手段
前述した容量制御手段7としては,既知の各種の構成を採用することができ,消費側に供給される圧縮気体の圧力,本実施形態にあっては,レシーバタンク12内の圧力に応じて圧縮機本体2の吸気を制御する吸気制御手段5と,同じくレシーバタンク12内の圧力に応じて,原動機であるエンジン3の回転数を制御する速度制御手段6によって構成されている。
一例として,図示の実施形態にあっては,レシーバタンク12に連通した空気回路71を,この回路に設けた圧力レギュレータ75の二次側において3方向に分岐し,そのうちの1つ(62)をエンジン3のガバナレバー31を操作するスピードレギュレータ61の受圧室に,他の1つ(53)を圧縮機本体2の吸気口に設けたアンローダ51を開閉制御するアンローダレギュレータ52に,残りの1つ(72)を絞り73を介してアンローダ51の二次側に連通している。
従って,前記圧力レギュレータ75,スピードレギュレータ61及びこれらをレシーバタンク12に連通する回路62,71が,レシーバタンク12内の圧力に応じてエンジン3の運転速度を制御する前述の速度制御手段6を,また,圧力レギュレータ75,アンローダレギュレータ52及びこれらをレシーバタンク12に連通する前記回路53,71が,レシーバタンク12内の圧力に従って圧縮機本体2の吸気制御を行う吸気制御手段5をそれぞれ構成している。
この容量制御手段7は,前述のように消費側における圧縮気体の消費量が減少し,又は消費が停止する等してレシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上に上昇すると,レシーバタンク12内の圧縮気体が回路71及び分岐回路62を介してスピードレギュレータ61に導入され,スピードレギュレータ61がエンジンガバナレバー31を操作してエンジン3を低速運転に移行する(なお,分岐管路62中の電磁弁41の作用については後述する。)。
また,分岐回路53を介してアンローダレギュレータ52に圧縮空気を導入することにより,このアンローダレギュレータ52がアンローダ51を操作して圧縮機本体2の吸気口を閉じて無負荷運転に移行する。
なお,以上で説明した吸気制御手段5及び速度制御手段6を備えた容量制御手段7は,図示の実施形態に限定されず,消費側へ供給される圧縮気体を一定圧力と成すと共に,原動機3の運転速度を制御し得るものであれば既知の各種構成を採用することができる。
排熱回収装置
排熱回収装置8は,圧縮機1の運転によって発生した排熱を回収して,圧縮機1に連通された排熱利用機器14に排熱を供給可能と成すものであり,圧縮機1の運転によって発熱源となる機器,エンジン駆動型圧縮機を対象とした本実施形態にあってはエンジン3及び圧縮機本体2で発生した排熱を回収する排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と,前記排熱利用機器14において消費される熱量を越えた排熱を放出するための放熱用熱交換器82(82a,82b)と,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)による排熱の回収と,前記放熱用熱交換器82(82a,82b)による排熱の放出との配分調整を行う流量配分調整手段83(83a,83b)を備えている。
排熱回収用熱交換器
前述の排熱回収用熱交換器81(81a,81b)は,圧縮機1を運転した際に発熱源となる機器,本実施形態にあってはエンジン3や圧縮機本体2の冷却媒体(エンジンのクーラントや圧縮機本体の潤滑油)と,前述の排熱利用機器14に導入される排熱回収媒体(例えば「水」等)とを熱交換して,排熱回収媒体に前記エンジン3や圧縮機本体2の排熱を回収して排熱利用機器14に供給可能とするもので,エンジン駆動型圧縮機を対象とした本実施形態にあっては,圧縮機本体2で発生した排熱を回収するための熱交換器(以下,「第1排熱回収用熱交換器」という。)81aと,エンジン3で発生した熱を回収するため熱交換器(以下,「第2排熱回収用熱交換器」という。)81bをそれぞれ備えている。
そして,圧縮機本体2より圧縮気体と共に吐出されてレシーバタンク12内に回収された潤滑油を前記第1排熱回収用熱交換器81aに導入し,この潤滑油を排熱利用機器14より導入された排熱回収媒体(本実施形態では水)と熱交換して,圧縮機本体2の駆動により生じた圧縮熱を回収すると共に,第2排熱回収用熱交換器81bに,エンジン3のウォータジャケット内を通過したクーラントを導入すると共に,前記第1排熱回収用熱交換器81aで熱交換した後の排熱回収媒体を,第2排熱回収用熱交換器81b内に導入して前記エンジンのクーラントと熱交換して,エンジン3の排熱を回収した後,熱交換後の前記排熱回収媒体を,排熱利用機器14に導入して,排熱利用機器14に排熱を導入可能としている。
このようにして熱交換された排熱回収媒体は,排熱利用機器14において,例えば暖房やボイラの予熱,各種機器や製品等の洗浄用温水を得るために使用することができる。
放熱用熱交換器
前述の放熱用熱交換器82(82a,82b)は,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)によって前述した潤滑油やクーラント等の冷媒が十分に冷却されない場合,すなわち,排熱利用機器14側での熱の消費量が減少し,又は熱の消費が行われていない場合等,排熱利用機器14における消費量を超えた余剰の排熱を冷却風等との熱交換によって放熱するもので,図示の実施形態にあっては,前記レシーバタンク12からの潤滑油を導入して冷却風と熱交換して冷却する熱交換器(オイルクーラ)82aと,エンジン3のクーラントを導入して冷却風との熱交換により冷却する熱交換器(ラジエータ)82bによって構成されている。
これらの放熱用熱交換器82(82a,82b)は,発熱源の冷却媒体を循環する循環系内に,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と並列に設けられており,図示の実施形態にあっては,レシーバタンク12から圧縮機本体2の給油口21に至る給油回路23を二経路(23a,23b)に分岐して一方(23a)に第1排熱回収用熱交換器81aを,他方(23b)にオイルクーラ82aを設け,両熱交換器81a,82aを通過した潤滑油を合流して圧縮機本体2の給油口21に導入するように構成し,また,エンジン3のクーラント排出口32とクーラント導入口33に至るクーラント循環回路34についても同様に二経路(34a,34b)に分岐して,一方(34a)に第2排熱回収用熱交換器81bを,他方(34b)にラジエータ82bを設け,両熱交換器81b,82bを通過したクーラントを合流してエンジン3のクーラント導入口33に導入するように構成している。
流量配分調整手段
以上のように,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と放熱用熱交換器82(82a,82b)とが設けられた冷却媒体の循環回路(給油回路23,クーラント循環回路34)には,前記排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に対する冷却媒体の導入量と,放熱用熱交換器82(82a,82b)に対する冷却媒体の導入量を調整する流量配分調整手段83(83a,83b)が設けられている。
圧縮機本体2とエンジン3という,二つの発熱源を備えた図1の圧縮機1にあっては,前述の給油回路23中で前記第1の排熱回収用熱交換器81aの二次側と,前記オイルクーラ82aの二次側とを合流する流量配分調整手段83aと,前述のクーラント循環回路34中で,前記第2の排熱回収用熱交換器81bの二次側と,前記ラジエータ82bの二次側とを合流する前述の流量配分調整手段83bという,2つの流量配分調整手段83a,83bを設けている。
この流量配分調整手段83(83a,83b)は,一例として図8に示すように2つの導入孔831,832より導入された流体を合流して,一の排出孔833より排出可能に構成されたバルブであり,この流量配分調整手段83が,給油回路23に設けた流量配分調整手段83aである場合,各導入孔831,832を前記第1の排熱回収用熱交換器81aの二次側,前記オイルクーラ82aの二次側にそれぞれ連通し,排出孔833を前記圧縮機本体2の給油口21に連通し,第1の排熱回収用熱交換器81a及びオイルクーラ82aを通過して冷却された潤滑油を合流して圧縮機本体2の給油口21を介して圧縮機本体2内に供給可能に構成されている。
この2つの導入孔831,832は,サーボモータ84(図1参照)によって回転するロータ834により,一方の導入孔831の開度を拡大するに従い,他方の導入孔832の開度が減少し,逆に,他方の導入孔832の開度を拡大するに従い,一方の導入孔831の開度が減少し,2つの導入孔831,832の開度が合計で100%となるように調整可能に構成されている。なお,両導入孔831,832は,全開及び全閉するように構成しても良い。
図示の実施形態では,導入孔831,832がいずれも開度50%である図示の状態から,前記ロータ834を紙面時計回り方向に回転すると,導入孔831が徐々に狭まると共に,導入孔832が徐々に拡大し,やがて導入孔832が全開,導入孔831が全閉となり,ロータ834を反時計回りに回転するとこれとは逆の動作が行われるよう構成した。
このように構成することで,サーボモータ84によるロータ834の回転により,一方の導入孔831を介して導入される潤滑油量と,他方の導入孔832を介して導入される潤滑油量の配分が調整可能となっており,従ってこれにより第1排熱回収用熱交換器81aに導入する潤滑油の流量と,オイルクーラ82aに導入する潤滑油の流量との配分を調整することができるように構成されている。
この流量配分調整手段83aの前記サーボモータ84aは,前記流量配分調整手段83aの二次側に設けられた温度センサ等の温度検知手段85aより受信した検知信号に従って制御信号を出力する,温度制御手段(コントローラ86a)からの制御信号によって制御されており,温度検知手段である温度センサ85aにより検知される前記潤滑油の温度が所定の温度となるように第1の排熱回収用熱交換器81aに導入する潤滑油と,オイルクーラ82aに導入する潤滑油の流量配分を調整する。
従って,この流量配分調整手段83aにおける導入孔831と導入孔832の開度割合に応じて,レシーバタンク12から第1排熱回収用熱交換器81aに導入される潤滑油量と,オイルクーラ82aに対して導入される潤滑油量の配分を制御することができ,例えば排熱利用機器14において消費される熱量が減少して,第1排熱回収用熱交換器81aにおいて潤滑油の熱交換が十分に行われなくなると,これに伴う流量配分調整手段83aの二次側における温度上昇を検知した温度検知手段85aの検知信号に従い,温度調整手段であるコントローラ86aが前記サーボモータ84aに対して制御信号を出力し,これによりオイルクーラ82aに導入する潤滑油量を増加するように前記サーボモータ84が動作して,第1排熱回収用熱交換器81aによって回収できない排熱をオイルクーラ82aによって放熱して,圧縮機本体2に供給される潤滑油を設定温度に近付けることができるように構成されている。
また逆に,排熱利用機器14における消費熱量が増加する等して流量配分調整手段83aの二次側における温度が低下すると,温度調整手段86aは第1排熱回収用熱交換器81aに導入する潤滑油量を増加するように前記サーボモータ84を動作させ,第1排熱回収用熱交換器81aにおいて回収する熱量を増加して,排熱利用機器14に必要な熱量の供給を行うことができるように構成されている。
圧縮機本体2を駆動する原動機3がエンジンであり,このエンジン3の排熱についても回収する本実施形態の圧縮機1にあっては,前記クーラントの循環回路34に設けた第2排熱回収用熱交換器81bの二次側と前記ラジエータ82bの二次側を,前述したと同様の構成を備えた流量配分調整手段83bを介して合流すると共に,合流後のクーラントをエンジン3のクーラント導入口33に導入可能としている。
また,前記流量配分調整手段83bによって合流されたクーラントの温度を検知する温度センサ等の温度検知手段85bと,この温度検知手段85bの検知信号に基づいて,合流後のクーラントの温度が所定の温度となるように前記流量配分調整手段83bのサーボモータ84bに制御信号を出力する,温度調整手段であるコントローラ86bを設けている。
このように構成することで,エンジン3のクーラント導入口33に導入されるクーラントの温度を検知する温度検知手段85bの検知信号に従って,予め設定された所定温度となるように,前記第2排熱回収用熱交換器81bに対するクーラントの導入量と,ラジエータ82bに対するクーラントの導入量が調整可能に構成されている。
なお,図1に示す実施形態にあっては,前述の流量配分調整手段83(83a,83b)を,いずれも熱交換器81,82の二次側に設けた構成としたが,これを熱交換器81,82の一次側に設けても良い。
この流量配分調整手段83が給油回路23に設けられるものである場合を例に説明すると,この場合には図8を参照して説明した排出孔833を,レシーバタンク12に連通して潤滑油の導入孔とし,導入孔831,832をそれぞれ第1排熱回収用熱交換器81a,オイルクーラ82aの一次側に連通して排出孔として使用する。
容量制御動作変更手段
以上のように構成された本発明の圧縮機1では,容量制御動作変更手段4を設け,これにより,前記排熱回収装置8における排熱のうち回収に回される割合が所定の割合以上であるとき,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値以上となっても,原動機であるエンジン3を低速運転に移行することなく,高速(全負荷運転時における速度)で運転するように構成している。
前述の従来技術で説明したように,容量制御手段7による容量制御が行われている圧縮機1では,レシーバタンク12内の圧力が所定値以上に上昇すると,圧縮機本体2が無負荷運転に移行すると共に,原動機3が低速運転に移行して,エンジンの燃費向上が図られている。
しかし,本発明の圧縮機1にあっては,排熱利用機器14における消費熱量が比較的多い場合,レシーバタンク12内の圧力変化に伴う前記速度制御手段6によるエンジン3の速度制御を行わず,レシーバタンク12内の圧力が所定値以上に上昇した場合であってもエンジン3を低速運転に移行せず,高速運転に維持して,排熱利用機器14に対して供給可能な排熱量が減少することを防止している。
前述したように,エンジン駆動型圧縮機において圧縮機本体2を全負荷運転とし,エンジン3を高速で運転した状態における排熱量を100%とする場合,圧縮機本体2を無負荷運転とし,かつ,エンジン3を低速運転とした場合における排熱量は54%(46%減)となるが,エンジン3を高速運転に維持する場合には85%(15%減)に留めることができ,排熱利用機器14に対して供給する熱量が不足することを防止できる。
このように,容量制御手段7による速度制御を変更する容量制御動作変更手段4としては,圧縮機1に設けた容量制御手段7の構成に対応して,容量制御手段7の動作を前述した通りに変更することができるものであれば如何なる構成を採用しても良く,圧力レギュレータ75を通過したレシーバタンク12内の圧縮気体がスピードレギュレータ61に導入されることにより,エンジン3の低速運転への移行を行う本実施形態の容量制御手段7の構成にあっては,レシーバタンク12内の圧縮気体をスピードレギュレータ61に導入する分岐回路62中に電磁弁41を設け,この電磁弁41によって分岐回路62を閉塞することで,レシーバタンク12内の圧力変化に基づいて行われる容量制御手段7によるエンジン3の速度制御が行われないようにした。
そして,第1排熱回収用熱交換器81aを通過した潤滑油が所定の流量以上となるとこれを検知して検知信号を出力する,フロースイッチ等の流量検知手段10aと,第2排熱回収用熱交換器81bを通過したクーラントが所定の流量以上となるとこれを検知して検知信号を出力するフロースイッチ等の流量検知手段10bをそれぞれ設け,前記流量検知手段10a,10bからの検知信号をいずれも受信することにより,前記電磁弁41に前記分岐回路62を閉塞する動作を行わせる制御信号を出力するコントローラ42を設け,これらにより,前記容量制御動作変更手段4を構成した。
なお,上記実施形態にあっては,流量検知手段10(10a,10b)により排熱回収用熱交換器81(81a,81b)を通過した潤滑油及びクーラントの流量を検知し,所定量以上の潤滑油及びクーラントが通過したことを検知した検知信号により電磁弁41を閉じるように構成したが,例えば同様のフロースイッチ等の流量検知手段によって放熱用熱交換器82(オイルクーラ82a,ラジエータ82b)を通過する潤滑油及びクーラントの流量が所定の流量以下となったときに前記電磁弁41を閉じるように構成しても良い。
また,本実施形態にあっては,前述の流量検知手段10(10a,10b)を給油回路23とクーラント循環回路34の双方共に設け,2つの流量検知手段10a,10bがいずれ共に所定の流量を検知したとき,電磁弁41を閉じるものとして説明したが,いずれか一方の流量検知手段10a又は10bが所定の流量を検知したとき,電磁弁41を閉じるように構成しても良く,また,前記流量検知手段10a又は10bのいずれか一方を省略しても良い。
作用等
以上のように構成された本発明の圧縮機1にあっては,排熱利用機器14によって排熱の利用が行われておらず,又は,排熱の利用量が少ないとき,すなわち第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bを通過する潤滑油の流量及びクーラントの流量が,それぞれ所定値未満である場合には,流量検知手段10a,10bはいずれも検知信号を出力しておらず,電磁弁41は分岐回路62を開いた状態にある。
従って,この状態でレシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上に上昇すると,レシーバタンク12内の圧縮気体が導入されたアンローダレギュレータ52が圧縮機本体2の吸気口を閉じて無負荷運転に移行すると共に,レシーバタンク12内の圧縮気体がスピードレギュレータ61にも導入されてエンジン3が低速運転に移行される,既知の容量制御が行われ,圧縮機本体2の無負荷運転時におけるエンジン3の燃費向上が図られている。
一方,排熱利用機器14による排熱利用量が多いときには,流量配分調整手段83a,83bによって第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bを通過する潤滑油,及びクーラントの流量が増加し,これらの流量が,各流量検知手段10a,10bにおいて設定された所定の流量以上となると,流量検知手段10a,10bがこれを検知した検知信号を出力する。
このようにして2つの流量検知手段10a,10bが出力した検知信号をいずれも受信すると,コントローラ42は前記電磁弁41に対して,該電磁弁41を閉じる制御信号を出力し,電磁弁41はこの制御信号の受信により分岐回路62を閉じる。
従って,このように排熱利用機器14において所定量以上の排熱利用が行われている場合では,消費側における圧縮気体の使用が停止する等してレシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上に上昇しても,アンローダレギュレータ52によって圧縮機本体2は無負荷運転に移行するものの,スピードレギュレータ61に対する圧縮気体の導入は行われず,エンジン3は低速運転に移行せずに高速運転を継続し,このエンジン3の高速運転と,これに伴う圧縮機本体の高速運転とにより,発生する排熱量の減少が抑制されている。
〔実施形態2〕
図1を参照して説明した実施形態1の圧縮機1では,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する冷媒(潤滑油及びクーラント)の流量配分を,第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bを通過する潤滑油及びクーラントの流量を検知するフロースイッチ等の流量検知手段10(10a,10b)からの検知信号に基づいて判断し,これに基づいて分岐回路62に設けた電磁弁41を開閉制御をしていたが,図2に示す本実施形態の圧縮機1では,このようなフロースイッチ等の流量検知手段を設けることなく,流量配分調整手段83a,83bのサーボモータ84a,84bに対して制御信号を出力するコントローラ86a,86b(温度調整手段)が出力した制御信号を,電磁弁41の制御用コントローラ42に入力し,この電磁弁制御用のコントローラ42が,受信した制御信号に基づいて,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)と放熱用熱交換器82(82a,82b)に導入する冷媒(潤滑油及びクーラント)の流量配分を判断し,分岐管路62に設けた電磁弁41の開閉制御を行うように構成した。
すなわち,流量配分調整手段83a,83bは,前述したように第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bを通過する潤滑油又はクーラントの流量と,オイルクーラ82a又はラジエータ82bを通過する潤滑油又はクーラントの流量との配分を調整するためのものであり,この流量配分調整手段83a,83bのサーボモータ84に対して入力される制御信号の変化は,第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bを通過する潤滑油やクーラントの流量変化に対応する。
従って,排熱回収装置8における排熱回収量は,この流量配分調整手段83(83a,83b)のコントローラ(温度調整手段86a,86b)からの電気信号に基づいて判断することができ,電磁弁制御用コントローラ42が,流量配分調整手段制御用のコントローラ86の信号に基づいて判断し,分岐回路61に設けた電磁弁41を閉じることで,図1を参照して説明した実施形態1と同様の制御が可能となる。
このように,本実施形態の構成にあっては,温度検知手段10a,10b及びこの温度検知手段10a,10bが検知した冷媒の温度に基づいて制御信号を出力する温度調整手段86a,86bの前記制御信号を,排熱のうち回収される配分が所定の配分以上となっていることの検知信号として利用するものであり,この温度検知手段10a,10bと温度調整手段86a,86bによって,流量配分の検知手段が構成されている。
このように,流量配分調整手段83a,83bを制御する温度調整手段86a,86bからの制御信号によって電磁弁41の開閉を制御するものであることから,この制御信号に基づいて流量配分調整手段83a,83bが動作した後に変化が生じる第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bに導入される潤滑油やクーラントの流量変化を制御の基準とした前記実施形態1の構成に比較して応答性が高いものとなる。
なお,以上で説明した実施形態にあっては,2つの流量配分調整手段83a,83bにそれぞれ設けられた2つのコントローラ(温度調整手段86a,86b)の双方からの制御信号に基づいて前記電磁弁41制御用のコントローラ42が電磁弁41を制御するように構成した例を説明したが,いずれか一方の流量配分調整手段83a,83bに対して制御信号を出力する温度調整手段86a,86bのいずれか一方が出力する制御信号に基づいて前記電磁弁41を制御するように構成しても良い。
〔実施形態3〕
図1,図2を参照して説明した実施形態1,実施形態2の圧縮機1にあっては,エンジン3の速度制御装置6として,エンジン3のガバナレバー31を操作するスピードレギュレータ61を設けると共に,このスピードレギュレータ61に対し,圧力レギュレータ75を介してレシーバタンク12内の圧縮空気を導入することでエンジン3の速度制御を行うことができるように構成し,このスピードレギュレータ61に対して圧縮気体を導入する分岐回路62に電磁弁41を設け,この電磁弁41を制御することにより,レシーバタンク12内の圧力変化に伴って容量制御手段7が行うエンジン3の速度制御を無効とできるように構成したが,本実施形態の圧縮機1にあっては,前述のスピードレギュレータ61に代えて,受信した制御信号に従ってエンジン3のガバナレバー31を操作するサーボ機構63を設けた。
そして,このサーボ機構63に対して制御信号を出力するコントローラ43に,レシーバタンク12内の圧力を検知する圧力センサ76の検知信号を入力すると共に,流量配分調整手段83(83a,83b)を制御するコントローラ(温度調整手段86)の制御信号を入力し,レシーバタンク12内の圧力変化と,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に対する潤滑油やクーラントの配分量の変化に伴って,エンジン3の回転数を制御できるように構成した。
従ってコントローラ43とサーボ機構63により,既知の容量制御手段7における速度制御手段6が実現されていると共に,この容量制御手段7による制御動作を変更する制御動作変更手段4が実現されている。
以上の構成から,サーボ機構63のコントローラ43は,排熱利用機器側14における熱の消費量が少ないとき,すなわち,第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81bに対する潤滑油及びクーラントの通過が無いか,又は通過する潤滑油及びクーラントの流量が所定値未満であることを流量配分調整手段83a,83bに対する制御信号に基づいて判断すると,レシーバタンク12内の圧力を検知する圧力センサ76からの信号に従ってサーボ機構63を制御し,従来技術として説明したと同様の既知の容量制御を行う。
すなわち,消費側における圧縮気体の使用が停止する等してレシーバタンク12内の圧力が上昇し,圧力レギュレータ75の作動圧力以上になると,レシーバタンク12内の圧縮気体がアンローダレギュレータ52に導入されて,圧縮機本体2の吸気が閉塞されて無負荷運転に移行する。
また,このレシーバタンク12内の圧力上昇は,レシーバタンク12内の圧力を検知する圧力センサ76によっても監視され,圧力レギュレータ75の作動圧力以上の圧力以上となるとこれを圧力センサ76が検知する。
圧力センサ76からの検知信号を受信したコントローラ43は,サーボ機構63に対してエンジン3を低速運転に移行する制御信号を出力し,これによりエンジン3は低速運転に移行されて,既知の容量制御と同様,エンジンの燃費向上が図られる。
一方,コントローラ43が,流量配分調整手段83a,83bのコントローラ86からの制御信号に基づいて,排熱回収装置8における排熱回収量が所定量以上であると判断すると,前記圧力センサ76の検知信号によりレシーバタンク12内の圧力が所定の圧力(圧力レギュレータ75の作動圧力以上)であることが検知されても,エンジン3を低速運転に移行する速度制御を行わず,エンジン3を予め設定した高い速度で運転する制御を行う。
このエンジン3の運転速度は,全負荷運転時におけるエンジン3の運転速度(高速運転)であっても良く,又は,全負荷運転時におけるエンジンの運転速度よりも高速であっても良い。
圧縮機本体2が全負荷運転から無負荷運転に移行する場合,エンジン3を減速することなくそのままの速度で運転した場合であっても,該圧縮機1の排熱量は,全負荷運転時を100%とすると,約85%に迄低下することは既に説明した通りである。
そのため,例えば排熱利用機器14における排熱の消費量が,圧縮機1の全負荷運転時における排熱量,乃至はそれに近い排熱量の消費を予定するものである場合には,前述のエンジン3の回転数を,全負荷運転時におけるエンジン3の回転数以上の回転数に設定することで,前記15%の排熱量の低下を補うように構成することができる。
また,回転数の設定を排熱回収の割合に対応して複数設定しておき,流量配分調整手段83a,83bのコントローラ86からの制御信号に基づいて特定された排熱回収量に従って,設定されたいずれかの回転数でエンジン3を運転するように構成しても良い。
なお,図3を参照して説明した本実施形態の圧縮機1にあっては,サーボ機構63を制御するコントローラ43に,流量配分調整手段83a,83bを制御するコントローラ86からの制御信号を入力することで,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に対する潤滑油やクーラントの導入量,従って排熱回収装置8における回収割合が所定の割合以上であることを検知する構成としたが,この流量配分調整手段83a,83bのコントローラ86からの検知信号に代え,図1を参照して説明した実施形態1と同様,第1,第2排熱回収用熱交換器81a,81b内を流れる潤滑油やクーラントの流量,又はオイルクーラ82aやラジエータ82b内を流れる潤滑油やクーラントの流量を検知するフロースイッチ等の流量検知手段10a,10b(図1参照)を設け,これらの流量検知手段10a,10bからの検知信号によってコントローラ43がサーボ機構63を制御するように構成しても良い。
さらに,図3に示す実施形態にあっては,2つの流量配分調整手段83a,83bに対する2つのコントローラ86からの制御信号を,サーボ機構63のコントローラ43がいずれも受信するように構成しているが,受信する制御信号はいずれか一方の流量配分調整手段83a又は83bに対するコントローラ86からの制御信号としても良い。
〔実施形態4〕
以上,図1〜3を参照して説明した実施形態にあっては,本発明の圧縮機1に設けた排熱回収装置8が,圧縮機本体2で生じた排熱とエンジン3で生じた排熱のいずれとも回収するものとして説明したが,図4を参照して説明する実施形態にあっては,エンジン3の運転によって生じた排熱のみを回収し,圧縮機本体2で生じた排熱については利用せずに放熱するように構成した例である。
例えば,排熱利用機器14側における熱の最大消費量が比較的少ない場合等,エンジン3で生じた排熱利用のみで排熱利用機器14で消費する熱量を補うことができる場合には,図1を参照して説明した第1排熱回収熱交換器81a,及びこの熱交換器81aを設けるために設けられていた配管,流量配分調整手段83a及びこれらの付属機器を省略しても良い。
本実施形態にあっては,エンジン3のウォータジャケット内を通過した後のクーラントを,排熱回収用熱交換器81に導入する前に,マフラ35との熱交換を行う熱交換器87内に導入して熱交換し,その後,クーラントを排熱回収熱交換器81に導入することで,エンジン3で発生した熱を余すことなく回収することができるように構成しているが,クーラントとマフラ35とを熱交換する前記熱交換器87については必ずしも設ける必要はない。
また,図4に示す実施形態にあっては,排熱利用機器14による排熱消費量を,排熱回収用熱交換器81に導入されるクーラントの流量を検知するフロースイッチ等の流量検知手段10により検知するものとしているが,図2を参照して説明した実施形態同様,流量配分調整手段83のコントローラ86の制御信号を電磁弁制御用のコントローラ42に入力し,電磁弁41の制御を行うように構成しても良い。
さらに,図4に記載の圧縮機1にあっては,図1及び図2を参照して説明した圧縮機1同様,エンジン3のガバナレバー31の操作を,レシーバタンク12より供給される圧縮空気の圧力を作動圧力とするスピードレギュレータ61によって行うと共に,前記スピードレギュレータ61に対してレシーバタンク12内の圧縮空気を導入する分岐回路62に設けた電磁弁41を操作することでレシーバタンク12内の圧力に応じたエンジン3の運転制御を無効とすることができるように構成しているが,図3を参照して説明した実施形態同様,スピードレギュレータ61に代えて,受信した制御信号に従ってガバナレバー31を制御するサーボ機構63(図3参照)を設け,このサーボ機構63に制御信号を出力するコントローラ43に前記流量配分調整手段83のコントローラ86からの制御信号を入力すると共に,レシーバタンク12内の圧力を検知する圧力センサ76(図3参照)の検知信号を入力するよう構成しても良い。
〔実施形態5〕
図5は,図4を参照して説明した実施形態とは逆に,圧縮機本体2によって発生した排熱を回収する一方,エンジン3で発生した排熱を回収せずに放熱する構成とした例であり,上記構成に伴い,図1を参照して説明した圧縮機1に設けられていたエンジン3で発生した排熱を回収するための排熱回収用熱交換器81b及びこれにクーラントを導入するための回路,クーラント循環回路34に設けた流量配分調整手段83b及びその付属機器等を省略した点を除き,図1を参照して説明した実施形態1の圧縮機1と同様の構成である。
なお,図5の構成においても,フロースイッチ10に代えて流量配分調整手段83のコントローラ86からの制御信号によって,電磁弁41のコントローラ42が分岐回路61に設けた電磁弁41を制御するようにしても良く,また,スピードレギュレータ61によるエンジンの制御に代えて,図3を参照して説明したように,サーボ機構63によりエンジン3の速度制御を行うように構成しても良い。
以上のように構成された圧縮機1において,レシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上に上昇すると,圧力レギュレータ75を介してレシーバタンク12内の圧縮気体がアンローダレギュレータ52に導入されて,アンローダレギュレータ52が圧縮機本体2の吸気口を閉じ,圧縮機本体を無負荷運転に移行する。
このとき,排熱回収用熱交換器81に導入される潤滑油の流量を検知するフロースイッチ10の検知信号に基づいて,コントローラ42は排熱回収用熱交換器81に導入されている潤滑油量が,設定した流量未満であること,すなわち排熱回収装置8における排熱回収量が所定量未満であると判断すると,分岐回路61に設けた電磁弁41を開いた状態に維持する。その結果,レシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上になるとレシーバタンク12内の圧縮空気がスピードレギュレータ61に導入され,エンジン3が低速運転に移行して燃費の向上が図られる。
一方,流量検知手段10の検知信号に基づいて,電磁弁41を制御するコントローラ42が排熱回収用熱交換器81に導入されている潤滑油量が設定した流量以上であること,すなわち,排熱回収装置8における排熱回収量が所定量以上であると判断すると,分岐回路61に設けた電磁弁41に対してこれを閉じる制御信号を出力して,分岐回路61を閉塞する。
その結果,レシーバタンク12内の圧縮空気はスピードレギュレータ61に導入されず,エンジン3は高速運転に維持される。
このように,エンジン3が高速運転に維持される結果,圧縮機本体2も高速で運転され,無負荷運転への移行に伴い圧縮機本体2で生じる排熱量の減少幅を少なくすることができ,排熱利用機器14側に対して安定した排熱の供給を行うことが可能となる。
〔実施形態6〕
前述の図5を参照して説明した実施形態のように,圧縮機本体2で発生した排熱のみを回収する構成とする場合には,図6に示すように圧縮機本体2を駆動する原動機としてモータ3’を使用した圧縮機の運転制御にも本発明を適用可能である。
このように,モータ3’によって圧縮機本体2を駆動する圧縮機1にあっては,前記モータ3’に電力を供給する電源15と,前記モータ3’間にインバータ18を設け,回転数に対応した周波数の電力を前記モータ3’に入力することができるように構成している。
また,図5を参照して説明した圧縮機1にあっては,圧縮機本体2の吸気制御をアンローダレギュレータ52と圧力レギュレータ75により行っていたが,本実施形態にあっては,アンローダ51自体に例えばダイヤフラム等で画成された閉弁受圧室を設け(図示せず),圧縮気体の導入により圧縮機本体2の吸気口を閉じることができるように構成して前記アンローダレギュレータ52を省略すると共に,このアンローダ51の閉弁受圧室とレシーバタンク12間を連通する回路54中に電磁弁55を設け,後述するコントローラ77からの制御信号によって前記電磁弁55を開閉制御して前記アンローダ51の開閉制御を行うことができるように構成した。
前述のコントローラ77には,消費側に供給される圧縮空気の圧力を検知する圧力センサ76からの検知信号と,排熱回収用熱交換器81に導入される潤滑油の流量を検知する流量検知手段であるフロースイッチ10からの検知信号が入力されていると共に,前述したようにレシーバタンク12とアンローダ51の閉弁受圧室間を連通する回路54に設けられた電磁弁55の制御信号,及びインバータ18が出力すべき周波数を指令する制御信号を出力可能に構成している。
そして,前記コントローラ77が,受信した検知信号に基づいて各部を以下のように動作させる制御を行うことにより,速度制御手段6,容量制御手段5,及び制御動作変更手段4の各手段が実現されている。
消費側に供給される圧縮空気の圧力が所定の設定圧力以上に上昇すると,この圧力上昇を圧力センサ76が検知して,この検知信号がコントローラ77に出力される。
圧力センサ76からの検知信号を受信したコントローラ77は,レシーバタンク12とアンローダ51の閉弁受圧室間を連通する回路54に設けた電磁弁55に対して制御信号を出力し,レシーバタンク12とアンローダ51の受圧室間の回路54を開き,これによりレシーバタンク12内の圧縮気体がアンローダ51の閉弁受圧室に導入されて圧縮機本体2の吸気口が閉塞される。
また,圧力センサ76からの検知信号を受信したコントローラ77は,さらに前記フロースイッチ10からの検知信号に基づいて排熱回収用熱交換器81を通過する潤滑油の流量を判断し,この潤滑油の流量が所定の流量未満である場合,インバータ18に対して,モータ3’を低速運転に移行するための制御信号を出力し,この制御信号を受信したインバータ18は電源からの電力を,モータ3’を低速に移行するに必要な周波数に変換してモータ3’に出力する。
一方,コントローラ77がフロースイッチ10の検知信号に基づいて排熱回収用熱交換器81を通過する潤滑油の流量が所定の流量以上であることを判断すると,圧力センサ76からの検知信号によって消費側に供給される圧縮気体の圧力が設定値以上であると判断した場合であても,モータ3’の回転数を低減するための制御信号をインバータ18に出力せず,モータ3’を高速運転に維持し,又は前記高速運転よりも高速となる範囲で予め設定した回転数にモータの回転数を変更するための制御信号をインバータ18に出力し,これにより圧縮機本体2の無負荷運転への移行に拘わらず,モータを高速運転に維持し,又は,より高速の運転に移行する。
このように,モータ3’を高速運転に維持することで,又はモータ3’を全負荷運転時以上に高速で運転することで,圧縮機本体2が高速回転し,無負荷運転への移行に拘わらず圧縮機本体の排熱量の大幅な減少が防止されている。
その結果,排熱利用機器14に対して供給し得る排熱量を安定したものとすることができる。
〔実施形態7〕
以上,図1〜6を参照して説明した実施形態にあっては,いずれも圧縮機1の発熱源の冷媒(潤滑油,クーラント)の循環系を2系統に分岐して,一方に排熱回収用熱交換器81(81a,81b)を,他方に放熱用熱交換器82(82a,82b)を配置して,各熱交換器に導入する冷媒の流量配分を制御することで,発熱源であるエンジン3や圧縮機本体2に再度導入される冷媒(潤滑油,クーラント)の温度を一定温度迄冷却できるように構成しているが,図7に示した本実施形態の圧縮機1の構成にあっては,発熱源からの冷媒(潤滑油,クーラント)の循環系を分岐せず,冷媒を全量,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入し,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)に導入された排熱回収媒体と熱交換するように構成している。
そして,前記排熱回収媒体の流路88中に,排熱回収用熱交換器81(81a,81b)を通過した排熱回収媒体を排熱回収用熱交換器81(第1排熱回収用熱交換器81a)の一次側に戻すバイパス回路88aを設け,このバイパス回路88a中に放熱用熱交換器82を設け,排熱利用機器14で消費される熱量が,排熱回収媒体が回収した熱量に対して少ないとき,又は排熱利用機器14における排熱の利用が無いとき,前記バイパス回路88aに排熱回収媒体の全部又は一部を導入して余剰に回収した排熱を放熱用熱交換器82で冷却風と熱交換して放熱することができるように構成した。
そして,排熱回収用熱交換器81(第1排熱回収用熱交換器81a)の一次側における前記排熱回収媒体の流路と前記バイパス回路88aとの合流点に,図8を参照して説明したと同様の流量配分調整手段83を設けると共に,前記合流点の下流側における排熱回収媒体の温度を検知する温度センサ85を設け,この温度センサ85からの検知信号を受信した,流量配分調整手段83のコントローラ86からの制御信号によって前記流量配分調整手段83を制御することで,排熱回収用熱交換器81(第1排熱回収用熱交換器81a)に導入される排熱回収媒体の温度が予め設定された温度となるように,回路88bを介して排熱利用機器14から導入される排熱回収媒体の導入流量と,前記バイパス回路88aを介して導入される排熱回収媒体の導入流量の配分を調整している。
なお,図7中,符号19はポンプであり,排熱回収媒体の流路88における排熱回収媒体の流動を生じさせる。
以上のように構成された本実施形態の回路構成において,前記流量配分調整手段83に排熱利用機器14からの排熱回収媒体を導入する回路88bに,この回路88b内を流れる排熱開始中媒体の流量を検出するフロースイッチ10を設け,このフロースイッチ10が所定量以上の流量を検知した検知信号を,分岐回路62に設けた電磁弁41を制御するコントローラ42に入力して,エンジン3の速度制御を行うように構成している。
その他の構成については,図1を参照して説明した実施形態1と同様である。
以上のように構成された圧縮機1において,排熱利用機器14における排熱の消費量が多い場合には,バイパス回路88aを経由した排熱回収媒体の導入量を減少し,又は,導入を停止しても,流量配分調整手段83の二次側における温度を所定の温度に維持することができる。
一方,排熱利用機器14における排熱の消費量が減少すると,排熱利用機器14より導入される排熱回収媒体の温度が上昇し,又は排熱回収媒体の導入量自体が減少する等して,流量配分調整手段83の二次側における排熱回収媒体の温度が上昇する。
この温度上昇が,所定温度以上となるとこれを検知した温度センサ85の検知信号に基づいて,流量配分調整手段83のコントローラ86がサーボモータ84を制御して,排熱利用機器14からの排熱回収媒体の流れを絞ると共に,バイパス回路88aをバイパスして循環する排熱回収媒体の流量を増加し,排熱利用機器14で利用されない余剰の排熱を,バイパス回路88aに設けた放熱用熱交換器82によって放熱している。
このようにして,流量配分調整手段83による流量配分の制御によって,排熱利用機器14から流量配分調整手段83に至る回路88b内を流れる排熱回収媒体の流量が減少して,所定の流量未満に減少すると,この流量減少を検知したフロースイッチ10の検知信号を受信した電磁弁のコントローラ42は,排熱回収装置8における排熱回収量が所定量未満であると判断し,分岐回路62に設けた電磁弁41を開き,前記分岐管路を開く。
その結果,レシーバタンク12内の圧力が,圧力レギュレータ75の作動圧力以上となってアンローダレギュレータ52に対して圧縮気体が導入され,圧縮機本体2がアンロード運転に移行すると共に,スピードレギュレータ61に対しても圧縮気体の導入が行われてエンジン3は低速運転に移行して,燃費の向上が図られる。
一方,前記フロースイッチ10が所定値以上の流量を検知した検知信号を電磁弁のコントローラ42が受信すると,前記コントローラ42は電磁弁41を閉じて,スピードレギュレータ61に圧縮気体を導入する前記分岐回路62を閉じる。
その結果,容量制御手段7によるエンジン3の速度制御は行われず,レシーバタンク12内の圧力が圧力レギュレータ75の作動圧力以上となった場合であっても,エンジン3は高速運転を維持して,排熱の発生量が減少することが防止されている。
その結果,圧縮機本体2が無負荷運転となった場合であっても安定した排熱の供給が確保される。
なお,以上の説明では,流量配分調整手段83の一次側に設けたフロースイッチ10の検知信号により,電磁弁41の開閉制御を行うものとてして説明したが,この構成に限定されず,例えばバイパス回路88a中にフロースイッチを設けてこのフロースイッチからの検知信号によって前記電磁弁41を制御しても良く,さらに,図2を参照して説明した実施形態同様,流量配分調整手段83を制御するコントローラ86の制御信号に基づいて,前記電磁弁41を制御するものとしても良い。
また,エンジン3の速度制御手段6として,図3を参照して説明したサーボ機構63等により,エンジン3のガバナレバー31の操作を電気的に行うように構成しても良く,さらに,図4〜6を参照して説明したように,エンジンのみ,又は圧縮機本体のみから排熱を回収するように構成しても良く,本実施形態において採用可能である限り,他の構成に変更しても良い。
実施形態1における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態2における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態3における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態4における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態5における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態6における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 実施形態7における排熱回収装置付圧縮機の説明図。 流量配分調整手段の説明図。 従来の容量制御装置付圧縮機の説明図。
符号の説明
1 圧縮機
2 圧縮機本体
21 給油口
23 給油回路
23a,23b 分岐回路(給油回路23の)
3 原動機(エンジン)
3’原動機(モータ)
31 ガバナレバー
32 クーラント排出口
33 クーラント導入口
34 クーラント循環回路
35 マフラ
4 容量制御動作変更手段
41 電磁弁
42 コントローラ(電磁弁制御用)
43 コントローラ
5 吸気制御手段
51 アンローダ
52 アンローダレギュレータ
53 分岐回路
54 回路
55 電磁弁
6 速度制御手段
61 スピードレギュレータ
62 分岐回路
63 サーボ機構
7 容量制御手段
71,72 回路
73 絞り
75 圧力レギュレータ
76 圧力センサ
77 コントローラ(容量制御用)
8 排熱回収装置
81 排熱回収用熱交換器
81a 第1排熱回収用熱交換器(圧縮機本体の潤滑油用)
81b 第2排熱回収用熱交換器(エンジンクーラント用)
82 放熱用熱交換器
82a オイルクーラ
82b ラジエータ
83(83a,83b) 流量配分調整手段
831,832 導入孔
833 排出孔
834 ロータ
84(84a,84b) サーボモータ
85(85a,85b) 温度検知手段(温度センサ)
86(86a,86b) 温度調整手段(コントローラ)
87 熱交換器(マフラ用)
88 排熱回収媒体の流路
88a バイパス回路
88b 回路(排熱利用機器と流量配分調整手段間の)
10(10a,10b) 流量検知手段(フロースイッチ)
12 レシーバタンク
14 排熱利用機器
15 電源
18 インバータ
19 ポンプ

Claims (18)

  1. 圧縮機本体と,圧縮機本体を駆動する原動機を備えると共に,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値未満であるとき,前記圧縮機本体を全負荷運転と成すと共に前記原動機を高速運転し,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値以上であるとき,前記圧縮機本体を無負荷運転に移行すると共に,前記原動機を低速運転に移行する容量制御を行う圧縮機において,
    前記圧縮機に,前記圧縮機の運転によって発熱する発熱部で生じた排熱の回収と放熱とを行う排熱回収装置を設けると共に,該排熱回収装置で回収された排熱が供給される排熱利用機器を接続可能に構成し,接続された排熱利用機器で消費される熱量の変化に応じて,圧縮機の発熱部で生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変として,前記排熱利用機器において消費される熱量を超える余剰の排熱を放出可能とすると共に,
    前記排熱回収装置において前記排熱の回収が所定の割合以上で行われているとき,前記容量制御の動作を変更して,消費側に供給される圧縮気体の圧力が前記所定値以上となっても,前記原動機の低速運転への移行を行わずに前記原動機の前記高速運転を行うことを特徴とする排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  2. 前記排熱回収装置に,前記圧縮機の発熱部を冷却した冷媒を導入して該冷媒を排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器と,前記冷媒の排熱を回収することなく放熱により冷却する放熱用熱交換器と,前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒と前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分を変化させる流量配分調整手段を設け,圧縮機の発熱部で生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変と成すと共に,
    前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以上となったとき,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以下となったとき,前記容量制御の動作を変更する請求項1記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  3. 前記排熱回収装置に,前記圧縮機の発熱部を冷却した冷媒を導入して該冷媒を排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器と,熱交換後の前記排熱回収媒体を導入して放熱により冷却する放熱用熱交換器と,前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体と前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分を変化させる流量配分調整手段を設け,圧縮機の発熱部で生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変と成すと共に,
    前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以上となったとき,又は前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以下となったとき,前記容量制御の動作を変更する請求項1記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  4. 前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量,又は前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量を測定し,
    前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量が所定値以上となったとき,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量が所定値以下となったとき,前記容量制御の動作を変更する請求項2記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  5. 前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量,又は前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量を測定し,
    前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量が所定値以上となったとき,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量が所定値以下となったとき,前記容量制御の動作を変更する請求項3記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  6. 前記排熱回収装置が,前記排熱回収用熱交換器を通過した前記冷媒と前記放熱用熱交換器を通過した前記冷媒とを合流して前記発熱部に導入すると共に,前記合流後の前記冷媒の温度を検知する温度検知手段と,前記温度検知手段により検知される温度が所定の温度となるように前記冷媒の流量配分を前記流量配分調整手段に行わせる温度調整手段を備え,
    前記温度調整手段による前記流量配分調整手段の作動状態に基づいて,前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以上であること,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以下であることを判断する請求項2記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  7. 前記排熱回収装置が,前記排熱利用機器を通過した前記排熱回収媒体と前記放熱用熱交換器を通過した前記排熱回収媒体とを合流して前記排熱回収用熱交換器に導入すると共に,前記合流後の前記排熱回収媒体の温度を検知する温度検知手段と,前記温度検知手段により検知される温度が所定の温度となるように前記排熱回収媒体の流量配分を前記流量配分調整手段に行わせる温度調整手段を備え,
    前記温度調整手段による前記流量配分調整手段の作動状態に基づいて,前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以上であること,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以下であることを判断する請求項3記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  8. 前記原動機がエンジンであり,該エンジンを前記発熱部として排熱を回収する請求項1〜7いずれか1項記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  9. 前記圧縮機本体を前記発熱部として排熱を回収する請求項1〜8いずれか1項記載の排熱回収装置付圧縮機の運転制御方法。
  10. 圧縮機本体と,圧縮機本体を駆動する原動機を備えると共に,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値未満であるとき,前記圧縮機本体を全負荷運転と成すと共に前記原動機を高速運転し,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定値以上であるとき,前記圧縮機本体を無負荷運転に移行すると共に,前記原動機を低速運転に移行する容量制御手段を備えた圧縮機において,
    前記圧縮機に,前記圧縮機の運転によって発熱する発熱部で生じた排熱の回収と放熱とを行う排熱回収装置を設けると共に,該排熱回収装置で回収された排熱が供給される排熱利用機器を接続可能に構成し,接続された排熱利用機器で消費される熱量の変化に応じて,圧縮機の発熱部で生じた排熱のうち回収する割合と放熱する割合を可変として,前記排熱利用機器において消費される熱量を超える余剰の排熱を放出可能とすると共に,
    前記排熱回収装置において前記排熱の回収が所定の割合以上で行われているとき,前記容量制御手段の動作を変更して,消費側に供給される圧縮気体の圧力が前記所定値以上となっても,前記原動機の低速運転への移行を行わずに前記原動機の前記高速運転を行う容量制御動作変更手段を備えることを特徴とする排熱回収装置付圧縮機。
  11. 前記排熱回収装置に,前記圧縮機の発熱部を冷却した冷媒を導入して該冷媒を排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器と,前記冷媒の排熱を回収することなく放熱により冷却する放熱用熱交換器と,前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒と前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分を変化させる流量配分調整手段を設けると共に,
    前記容量制御動作変更手段に,前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以上となったこと,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分が所定の割合以下となったことを検知する,流量配分検知手段を設けたことを特徴とする請求項10記載の排熱回収装置付圧縮機。
  12. 前記排熱回収装置に,前記圧縮機の発熱部を冷却した冷媒を導入して該冷媒を排熱回収媒体と熱交換して排熱を回収する排熱回収用熱交換器と,熱交換後の前記排熱回収媒体を導入して放熱により冷却する放熱用熱交換器と,前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体と,前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分を変化させる流量配分調整手段を設けると共に,
    前記容量制御動作変更手段に,前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以上となったこと,又は前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分が所定の割合以下となったことを検知する,流量配分検知手段を設けたことを特徴とする請求項10記載の排熱回収装置付圧縮機。
  13. 前記流量配分検知手段が,前記排熱回収用熱交換器を流れる前記冷媒の流量,又は前記放熱用熱交換器を流れる前記冷媒の流量を検知する流量検知手段である請求項11記載の排熱回収装置付圧縮機。
  14. 前記流量配分検知手段が,前記排熱利用機器を流れる前記排熱回収媒体の流量,又は前記放熱用熱交換器を流れる前記排熱回収媒体の流量を検知する流量検知手段である請求項12記載の排熱回収装置付圧縮機。
  15. 前記排熱回収装置が,前記排熱回収用熱交換器を通過した前記冷媒と,前記放熱用熱交換器を通過した前記冷媒とを合流して前記発熱部に導入すると共に,前記合流後の前記冷媒の温度を検知する温度検知手段と,前記温度検知手段により検知される温度が所定の温度となるように前記流量配分調整手段を制御する制御信号を出力する温度調整手段を備え,
    前記温度検知手段及び温度調整手段を前記流量配分検知手段として前記温度調整手段の制御信号に基づいて前記排熱回収用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記冷媒の流量配分を判断する請求項11記載の排熱回収装置付圧縮機。
  16. 前記排熱回収装置が,前記排熱利用機器を通過した前記排熱回収媒体と,前記放熱用熱交換器を通過した前記排熱回収媒体とを合流して前記排熱回収用熱交換器に導入可能とすると共に,前記合流後の前記排熱回収媒体の温度を検知する温度検知手段と,前記温度検知手段により検知される温度が所定の温度となるように前記流量配分調整手段を制御する制御信号を出力する温度調整手段を設け,
    前記温度検知手段及び前記温度調整手段を前記流量配分検知手段として,前記温度調整手段の制御信号に基づいて前記排熱利用機器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分,又は,前記放熱用熱交換器に導入する前記排熱回収媒体の流量配分を判断する請求項12記載の排熱回収装置付圧縮機。
  17. 前記原動機がエンジンであり,該エンジンを前記発熱部として排熱を回収する請求項10〜16いずれか1項記載の排熱回収装置付圧縮機。
  18. 前記圧縮機本体を前記発熱部として排熱を回収する請求項10〜17いずれか1項記載の排熱回収装置付圧縮機。
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