JP2008088388A - 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸基価が5〜112mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、アミノ変性シリコーン(E)0.001〜1質量部の存在下で反応させることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【選択図】なし
Description
該粗大セルフォームのなかでも、セル数の均一なものが特に好ましく、機能性フィルター用においては、圧力損失と集塵効率の観点から、さらにセル数が20個/インチ以下のものが好適なものとして求められている。
特許文献2に記載の方法では、機械条件の設定によりセル数を制御するため、セル数の均一化には限度がある。さらに、エアーを注入できる設備が必須となるため、製造方法が限られてしまう。
特許文献3に記載の方法によれば、製造の際に発泡剤(水、不活性ガス等)を使用せず、比重が0.87であり、平均セル数が390〜635個/インチの微細セル構造を有するポリウレタン発泡体が得られる。しかし、該ポリウレタン発泡体は、セル数の点から粗大セルフォームとは異なるものであり、また、気泡径の分布が大きいためにセル数が不均一なものであり、機能性フィルター用としては不適切なものである。
同様に、特許文献4に記載の方法によれば、セル数が50〜200個/インチの微細セル構造を有する弾性部材が得られる。該弾性部材は、主に画像形成装置用のトナー供給ローラ等に使用されるものであり、また、セル数の点からも粗大セルフォームとは異なるものである。
また、特許文献5に記載の方法によれば、密度が1.0〜1.15g/cm2であり、自動車のバンパーカバーなどに使用される、可撓性ないし半硬質ポリウレタンが得られる。該ポリウレタンは、密度が高く、極微細セルであり、機能性フィルター用としては不適切なものである。
前記ポリオキシアルキレンポリオールは、ポリマー微粒子を含んでいることが好ましい。
前記アミノ変性シリコーン(E)は、下式(1)および/または下式(2)で表される化合物であることが好ましい。
式(2)において、mは0〜100の整数であり;nは1〜2000の整数であり;R3、R4およびR5は、互いに同じであっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、および窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基からなる群から選ばれる基である(ただし、mが0の場合はR3またはR5のうち少なくともどちらかが窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、mが1〜100の整数の場合はR3、R5およびm個のR4のうち少なくとも1つは窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基である。)。
前記軟質ポリウレタンフォームは、コア密度が15〜50kg/m3であることが好ましい。
前記軟質ポリウレタンフォームは、セル数が30個/インチ以下であることが好ましい。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、粘度の高い特殊なポリオールを使用することなく、また、機械条件に制限されることなく、セル数の均一な粗大セルを有する軟質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、水酸基価が5〜112mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、アミノ変性シリコーン(E)0.001〜1質量部の存在下で反応させる製造方法である。
該軟質ポリウレタンフォームの製造方法としては、たとえばポリイソシアネート化合物以外の全原料の混合物に、後述するイソシアネートインデックスになるようにポリイソシアネート化合物を加え、撹拌混合して反応性混合物を調製し、該反応性混合物を、型等に注入して発泡させる方法が挙げられる。
以下、反応性混合物を調製する工程、発泡工程に分けて、本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法の一例について説明する。
本工程では、ポリイソシアネート化合物以外の全原料(水酸基価が5〜112mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオール、アミノ変性シリコーン(E)、整泡剤、発泡剤、触媒、架橋剤、その他の成分)の混合物(以下、ポリオールシステム液ということがある。)に、ポリイソシアネート化合物を加え、撹拌混合して反応性混合物を調製する。
本発明においては、水酸基価が5〜112mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールを使用する。また、前記ポリオキシアルキレンポリオールは、ポリマー微粒子を含んでいることが好ましい。
本発明において「平均水酸基数」とは、開始剤中の活性水素原子数の平均値を意味する。平均水酸基数を2以上とすることで、フォームの伸び、引張強度、乾熱圧縮永久歪等のフォーム物性が向上する。一方、平均水酸基数を6以下とすることで、製造される軟質ポリウレタンフォームが硬くなり過ぎず、伸び、引張強度等のフォーム物性が向上する。
該開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシアルキレンポリオールの平均水酸基数は、用いた開始剤の平均水酸基数と同じである。
該重合触媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該環状エーテルは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドおよび2,3−ブチレンオキシドから選ばれる少なくとも1種と、エチレンオキシドとを併用することが特に好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールの内部にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールは、たとえば、開始剤と、炭素数3以上のアルキレンオキシドとエチレンオキシドとを順次、または炭素数3以上のアルキレンオキシドとエチレンオキシドの混合物とを開環重合させることにより得ることができる。
ポリオキシアルキレンポリオールの末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールは、たとえば、開始剤と炭素数3以上のアルキレンオキシドとを開環重合させた後、エチレンオキシドを開環重合させることにより得ることができる。また、前記開始剤と、炭素数3以上のアルキレンオキシドとエチレンオキシドとを順次、または炭素数3以上のアルキレンオキシドとエチレンオキシドの混合物とを開環重合させた後、エチレンオキシドを開環重合させることにより得ることもできる。
ポリオキシアルキレンポリオールの分子量は、JIS K1557(1970年版)に準拠して測定される水酸基価を用いて、下式により算出される値とする。
ポリマー微粒子を含む前記ポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリマー分散ポリオールということがある。)は、ポリオキシアルキレンポリオールマトリックス中にポリマー微粒子が含まれる。
付加重合系ポリマーの具体例としては、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニルモノマーが重合してなるホモポリマー、コポリマー等が挙げられる。
また、縮重合系のポリマーの具体例としては、ポリエステル、ポリウレア、ポリウレタン、メラミン樹脂等が挙げられる。
該ポリマーは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシアルキレンポリオール中のポリマー微粒子の含有量は、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、3〜45質量部とすることがより好ましい。ポリマー微粒子の含有量を50質量部以下とすることで、粘度の増加が抑制される。
本発明においては、分子内にケイ素原子と窒素原子を有するアミノ変性シリコーン(E)(以下、(E)成分ということがある。)を使用する。本発明においては、前記ポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、触媒、発泡剤および整泡剤とともに該(E)成分の存在下で反応させる。
該(E)成分を使用することにより、セル径がほぼ均一となって、セル数の均一な粗大セルが形成される。その理由は、該(E)成分の存在下で反応させることにより、発泡により形成される気泡が適度に破泡して、気泡同士が合一しやすくなるためと推測される。
アミノ当量は、一般的な中和滴定法により求めることができる。たとえば、JIS K7245(2000年版)に記載の中和滴定法を用いて算出することができる。
R2は炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルキル基の炭素数は1〜10であり、1〜8であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。ただし、3つのR2は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
kは1〜2000の整数であり、1〜1500の整数であることが好ましく、1〜1000の整数であることがより好ましい。kが1〜2000の範囲であることにより、フォームの発泡がより安定になる。ただし、3つのkは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
nは1〜2000の整数であり、1〜1500の整数であることが好ましく、1〜1000の整数であることがより好ましい。nが1〜2000の範囲であることにより、フォームの発泡がより安定になる。
該アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルキル基の炭素数は1〜10であり、1〜8であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
該アルコキシ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルコキシ基の炭素数は1〜10であり、1〜8であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
該アミンは、1級アミン、2級アミンまたは3級アミンのいずれであってもよい。1級アミンは、アミンの水素原子の1個が「窒素原子を有するアルキル基」におけるアルキル基で置換されたものである。2級または3級のアミンは、前記アルキル基以外の炭化水素基でさらに置換されたもの(ただし、該炭化水素基は、さらにアミンで置換されていてもよい。)である。その場合、該炭化水素基に存在する炭素原子も炭素数に含めるものとする。
該窒素原子を有するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルキル基の炭素数は1〜10であり、1〜8であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
該アルキル基が有する窒素原子の数、すなわち置換基としてのアミンの数は1〜3であることが好ましい。
該窒素原子を有するアルキル基の具体例としては、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノヘキシル基、アミノオクチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基、N−(アミノエチル)アミノプロピル基(−C3H6−NH−C2H4−NH2)、N−(N’−(アミノエチル)アミノエチル)アミノプロピル基(−C3H6−NH−C2H4−NH−C2H4−NH2)等が挙げられる。
なかでも、最終的に製造される軟質ウレタンフォームからブリードアウトすることがない点から、窒素原子に結合した活性水素原子を有している、すなわち1級アミンまたは2級アミンで置換されたアルキル基が好ましい。
mが1〜100の整数の場合、R3、R5およびm個のR4のうち少なくとも1つは窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましい形態はR4が窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基、R3、R5が炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシ基のいずれかからなる場合、または、R3、R4およびR5のうち2つ以上が窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基となる場合である。
ただし、mが2以上の整数の場合、m個のR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、(m+n)個のシロキサンユニットからなる主鎖は、ブロック共重合鎖であってもランダム共重合鎖であってもよい。
アミノ変性シリコーン(E)の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、0.001〜1質量部であり、好ましくは0.01〜1質量部である。0.001質量部以上とすることにより、本発明の効果が得られる。また、前記フォーム特性が向上する。1質量部以下とすることにより、発泡時のフォーム安定性が向上する。
本発明において使用する整泡剤としては、フォームの安定性等の点から、シリコーン系化合物が好ましい。シリコーン系化合物としては、通常軟質ポリウレタンフォームに使用されるシリコーン系整泡剤が使用できる。
整泡剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
整泡剤の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、0.001〜3質量部とすることが好ましい。
本発明において使用する発泡剤としては、たとえば水、不活性ガスが好適なものとして挙げられる。
不活性ガスとしては、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。
該発泡剤のなかでも、水が好ましい。
発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、水および不活性ガスから選ばれる1種以上の発泡剤を用いることが好ましく、水を用いることがより好ましく、水のみを用いることが特に好ましい。
発泡剤の使用量は、特に限定されず、たとえば水のみが使用される場合、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、1.5〜8質量部であることが特に好ましい。その他の発泡剤が使用される場合についても、発泡倍率等の要求に応じて適切な量を使用することができる。
本発明において使用する触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒を使用でき、たとえばトリエチレンジアミン、ビス[(2−ジメチルアミノ)エチル]エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の有機金属化合物等が挙げられる。
触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、開放系の軟質ポリウレタンフォームの製造安定性に優れることから、アミン触媒と金属触媒との併用が好ましい。その場合、アミン触媒と金属触媒との混合割合は、質量比で1/100〜100/1であることが好ましく、1/10〜10/1であることがより好ましい。
触媒の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、0.01〜5質量部とすることが好ましい。
本発明においては架橋剤を使用してもよい。架橋剤を使用することにより、製造される軟質ポリウレタンフォームの引張強度等のフォーム物性に優れる。
架橋剤としては、平均水酸基数が2〜8で、水酸基価が200〜2000mgKOH/gのポリオールが好ましい。
架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋剤の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜10質量部とすることがより好ましい。
本発明の軟質ポリウレタンフォームを製造する際には、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤等の公知の各種添加剤、助剤を必要に応じて使用できる。
本発明において使用するポリイソシアネート化合物としては、たとえば2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、粗トリレンジイソシアネート(粗TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体混合物(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、トルイジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート、これらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビュレット変性体、二量体、三量体、またはそれらのプレポリマー等が挙げられる。なかでも、2,4−TDI、2,6−TDI、粗TDI、またはそれらの混合物が好ましい。
該イソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、2,4−TDIと2,6−TDIとの質量比で80/20の混合物(80/20−TDIと略記する。)、または質量比で65/35の混合物(65/35−TDIと略記する。)が特に好ましい。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオールおよび水等の総活性水素原子数に対するイソシアネート基の数の100倍で表される数値(通常、該数値を「イソシアネートインデックス」という。)を80〜120とすることが好ましく、85〜115とすることが特に好ましい。
軟質ポリウレタンフォームを発泡させる方法としては、たとえば密閉された金型内に反応性混合物を注入し、反応性混合物を発泡成形する方法(モールド法)、開放系で反応性混合物を型等に注入して発泡させる方法(スラブ法)が挙げられる。なかでも、本発明の効果が得られやすいことから、スラブ法が好ましい。
具体的には、ワンショット法、セミプレポリマー法、プレポリマー法等の公知の方法により行うことができる。
また、軟質ポリウレタンフォームの製造には、通常、用いられる製造装置を用いることができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、前記軟質ポリウレタンフォームの製造方法により製造されるものである。
本発明において、「コア密度」とは、軟質ポリウレタンフォームの中央部で、かつ表層部を除いた部位の密度を意味する。
該コア密度は、発泡剤の使用量によって調整することができる。たとえば発泡剤として水のみが使用される場合、水の使用量を、前記ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、1.5〜8質量部とすることにより、軟質ポリウレタンフォームのコア密度を15〜50kg/m3に調整することができる。
コア密度の測定は、JIS K6400(1997年版)に準拠した方法により行うことができる。
該セル数は、上記アミノ変性シリコーン(E)の使用量によって調整することができる。本発明においては、該(E)成分を、ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対して0.001〜1質量部の範囲内で使用し、通常、その使用量が多いほどセル数を少なく調整することができる。
セル数の測定は、JIS K6400(1997年版)に準拠した方法により行うことができる。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、粘度の高い特殊なポリオールを使用することなく、また、機械条件に制限されることなく、セル数の均一な粗大セルを有する軟質ポリウレタンフォームを安定に製造できる。
軟質ポリウレタンフォーム製造時の配合組成、ならびに得られた軟質ポリウレタンフォームのフォーム物性を表2、3にそれぞれ示す。
表2、3中、例1〜2は実施例、例3〜5は比較例をそれぞれ表す。
また、配合組成において、各原料の使用量の単位は「質量部」である。触媒C1、触媒C2、シリコーン整泡剤D1、アミノ変性シリコーンE1、アミノ変性シリコーンE2、発泡剤Fの使用量は、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリオールA1、ポリオールB1)の100質量部に対する値をそれぞれ示す。
また、ポリイソシアネートGの使用量は、イソシアネートインデックスを示す。
ポリオールA1:水酸化カリウム触媒を用いて、グリセリンを開始剤としてプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られた平均官能基数が3、水酸基価が56mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールB1:水酸化カリウム触媒を用いて、グリセリンを開始剤としてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物(10:90質量比)を開環付加重合させて得られたポリエーテルポリオール中で、アクリロニトリルとスチレンを共重合させて得られたポリマー微粒子の含有量が42質量%であり、平均官能基数が3、水酸基価が31mgKOH/gのポリマー微粒子分散ポリオール。
触媒C2:オクチル酸スズ(エアプロダクツ アンド ケミカルズ社製、商品名:ダブコT−9)。
ポリイソシアネートG:TDI−80(2,4−TDIと2,6−TDIとの質量比で80/20の混合物:80/20−TDI)、イソシアネート基含有量48.3質量%(日本ポリウレタン工業社製、商品名:コロネートT−80)。
表2、3に示す原料のうち、ポリイソシアネートG以外の全原料の混合物(ポリオールシステム液)の液温を22℃±1℃、イソシアネートGを22℃±1℃に調整した。
次いで、ポリオールシステム液に、表2、3に示すイソシアネートインデックスになるようにポリイソシアネートGを加えて、高速ミキサー(毎分2000回転)で5秒間撹拌混合し、反応性混合物を調製した。
その後、室温状態で上部が開放になっている縦、横および高さが各々250mmの木箱にビニールシートを敷き詰めた型に、前記反応性混合物を注入して軟質ポリウレタンフォームを製造した。
前記製造方法により製造された軟質ポリウレタンフォームを木箱から取り出して、室温(23℃)、湿度50%に調整された室内に24時間以上放置した後、以下に示す各種のフォーム物性の測定を行った。その測定結果を表2、3に示す。
また、実施例1〜2の軟質ポリウレタンフォームは、耐久性の指標である乾熱圧縮永久歪が5%以下と小さいことから、耐久性も良好であることが確認できた。
また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低い圧力損失と高い集塵効率が求められる機能性フィルター用フォームとして特に好適である。
Claims (7)
- 水酸基価が5〜112mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
ポリオキシアルキレンポリオールの100質量部に対し、アミノ変性シリコーン(E)0.001〜1質量部の存在下で反応させることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。 - 前記ポリオキシアルキレンポリオールがポリマー微粒子を含んでいる請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 前記アミノ変性シリコーン(E)のアミノ当量が100〜100000g/molである請求項1または2に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 前記アミノ変性シリコーン(E)が、下式(1)および/または下式(2)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
式(2)において、mは0〜100の整数であり;nは1〜2000の整数であり;R3、R4およびR5は、互いに同じであっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、および窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基からなる群から選ばれる基である(ただしmが0の場合はR3またはR5のうち少なくともどちらかが窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、mが1〜100の整数の場合はR3、R5およびm個のR4のうち少なくとも1つは窒素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基である。)。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法により製造される軟質ポリウレタンフォーム。
- コア密度が15〜50kg/m3である、請求項5に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
- セル数が30個/インチ以下である、請求項5または6に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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