JP2008087610A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト補強層の加硫拡張時におけるコードの伸長性を確保することができるとともに、タイヤの耐久性を低下させることなく、高周波ロードノイズを効果的に低減する。
【解決手段】スチールコードから成る補強コードを互いに平行に引き揃えてゴムに埋設して集束した、コード角が略0°のストリップを巻き回したベルト補強層16を、径方向外側に位置するベルト層15aの外側、もしくは、径方向内側に位置するベルト層15bの内側、あるいは、上記ベルト層15a,15bの間に設けるとともに、上記ベルト補強層16の全ての補強コードに分断部を設けるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】スチールコードから成る補強コードを互いに平行に引き揃えてゴムに埋設して集束した、コード角が略0°のストリップを巻き回したベルト補強層16を、径方向外側に位置するベルト層15aの外側、もしくは、径方向内側に位置するベルト層15bの内側、あるいは、上記ベルト層15a,15bの間に設けるとともに、上記ベルト補強層16の全ての補強コードに分断部を設けるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関するもので、特に、タイヤの耐久性の向上と高周波ロードノイズの低減に関する。
近年、空気入りラジアルタイヤにおいては、操縦安定性の改善などのため、タイヤの偏平化が進められているが、上記偏平化に伴いベルト層に対する負荷が増大するため、ベルト層の両端部踏面側、あるいは、ベルト層の全幅にわたる踏面側にベルト補強層を設けて、高速走行時におけるベルト層のせり上がりを抑制してタイヤの高速耐久性を向上させるようにしている。
一方、車両の静粛化に伴って、タイヤ騒音の低減が求められている。上記タイヤ騒音のうち、帯域が400Hz〜700Hzの高周波のタイヤ放射音(高周波ロードノイズ)はタイヤの表面振動に起因するもので、この振動は両ビード部を固定端とし、その間に定常波を作ることにより発生し、タイヤ軸方向に振動モード(径方向モード)を形成する。
そこで、図6に示すように、ベルト層51,52の外側に、繊維コードを、最外層のベルト層52を構成するコードの配列角度よりも5°〜25°のより大きな傾斜角度で交差するように積層して形成したベルト補強層53を配置することによりタイヤ軸方向の剛性を高め、同図の破線で示す振動モード(ここでは、径方向2次モードを例示した)の振幅を抑制して、タイヤ放射音を低減するようにした空気入りラジアルタイヤ50が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3364251号公報
一方、車両の静粛化に伴って、タイヤ騒音の低減が求められている。上記タイヤ騒音のうち、帯域が400Hz〜700Hzの高周波のタイヤ放射音(高周波ロードノイズ)はタイヤの表面振動に起因するもので、この振動は両ビード部を固定端とし、その間に定常波を作ることにより発生し、タイヤ軸方向に振動モード(径方向モード)を形成する。
そこで、図6に示すように、ベルト層51,52の外側に、繊維コードを、最外層のベルト層52を構成するコードの配列角度よりも5°〜25°のより大きな傾斜角度で交差するように積層して形成したベルト補強層53を配置することによりタイヤ軸方向の剛性を高め、同図の破線で示す振動モード(ここでは、径方向2次モードを例示した)の振幅を抑制して、タイヤ放射音を低減するようにした空気入りラジアルタイヤ50が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ベルト補強層として、上記のようなベルト補強層53を用いた場合には、従来の赤道面に対して平行配列したベルト補強層を用いたタイヤに比較して、タイヤ軸方向の剛性を高めることはできるが、タイヤ周方向の剛性が低下してしまうため、タイヤの耐久性が低下してしまうといった問題点があった。
一方、一般のベルト補強層では、補強層中に埋設される補強コードを、タイヤ周方向に沿って略0°に配列するようにしているが、コードの配列角度が小さいと加硫時にモールド内で拡張するときに十分に伸びることができず、そのため、タイヤ形状不良が発生する恐れがあった。
一方、一般のベルト補強層では、補強層中に埋設される補強コードを、タイヤ周方向に沿って略0°に配列するようにしているが、コードの配列角度が小さいと加硫時にモールド内で拡張するときに十分に伸びることができず、そのため、タイヤ形状不良が発生する恐れがあった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、ベルト補強層の加硫拡張時におけるコードの伸長性を確保することができるとともに、タイヤの耐久性を低下させることなく、高周波ロードノイズを効果的に低減することのできる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、タイヤトレッドゴムとカーカス層との間に少なくとも1層のベルト層を備えた空気入りラジアルタイヤであって、幅が15〜40mm程度であるストリップ、もしくは、幅広な1枚もののベルトのような、1本もしくは複数本の補強コードを互いに平行に引き揃えてゴムに埋設して集束したものを1層以上巻回したベルト補強層であって、タイヤ周方向に対するコード角が実質的に0°であり、かつ、上記ベルト補強層中に埋設されているコードが1周中で少なくとも1箇所分断されているベルト補強層を設けたことを特徴とするものである。
なお、上記ベルト補強層は、ベルト層の径方向外側に配置してもよいし、径方向内側に配置してもよい。また、ベルト層が2層以上の場合には、ベルト層の径方向外側、内側、及びベルト層の間のいずれかまたは複数箇所に配置してもよい。また、カーカス層の径方向内側に配置してもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記分断されているコードの分断位置をタイヤ1周にわたって分散させたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト補強層中に埋設されている全てのコードに少なくとも1箇所以上の分断箇所を設けたものである。
なお、上記ベルト補強層は、ベルト層の径方向外側に配置してもよいし、径方向内側に配置してもよい。また、ベルト層が2層以上の場合には、ベルト層の径方向外側、内側、及びベルト層の間のいずれかまたは複数箇所に配置してもよい。また、カーカス層の径方向内側に配置してもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記分断されているコードの分断位置をタイヤ1周にわたって分散させたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト補強層中に埋設されている全てのコードに少なくとも1箇所以上の分断箇所を設けたものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト補強層の引張剛性を上記ベルト層の引張剛性よりも大きくしたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト補強層をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記補強コードをスチールコードとしたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記補強コードをタイヤ幅方向に束状に配置したものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト補強層をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記補強コードをスチールコードとしたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、上記補強コードをタイヤ幅方向に束状に配置したものである。
本発明によれば、タイヤトレッドゴムとカーカス層との間に少なくとも1層のベルト層を備えた空気入りタイヤにおいて、幅の細いストリップ、もしくは、幅広な1枚もののベルトのような、1本もしくは複数本の補強コードを互いに平行に引き揃えてゴムに埋設して集束したものを1層以上巻回したものであって、かつ、タイヤ周方向に対するコード角が実質的に0°であるベルト補強層を設けるとともに、上記ベルト補強層を補強層中に埋設されているコードを1周中で少なくとも1箇所分断することにより、加硫拡張時におけるコードの伸長性を確保することができるようにしたので、加硫後のタイヤ形状を適切に保持しつつ、高剛性を確保することができる。したがって、タイヤの耐久性を低下させることなく、タイヤ放射音の原因であるタイヤ径方向の振動モードの振幅を抑制することができるので、高周波ロードノイズを効果的に低減することができる。
このとき、上記分断されているコードの分断位置をタイヤ1周にわたって分散させるようにすれば、タイヤ加硫拡張時におけるコードの伸長性を周方向に均一にできるので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができる。
このとき、上記分断されているコードの分断位置をタイヤ1周にわたって分散させるようにすれば、タイヤ加硫拡張時におけるコードの伸長性を周方向に均一にできるので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができる。
また、上記ベルト補強層中に埋設されている全てのコードに少なくとも1箇所以上の分断箇所を設けるようにすれば、コードの伸長性を十分に確保することができる。
また、上記ベルト補強層の引張剛性を上記ベルト層の引張剛性よりも大きくして、ベルト層へのタガ効果を更に高めるようにすれば、高周波ロードノイズを更に効果的に低減することができる。
更に、上記ベルト補強層をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けるようにすれば、タイヤ放射音の発生を効果的に低減できる。このとき、上記ストリップのタイヤ幅方向の位置を、タイヤ振動の径方向モードの振幅が最大になる位置とすることが好ましい。
また、上記補強コードとして周方向剛性の高いスチールコードを用いたり、上記補強コードをタイヤ幅方向に束状に配置したりすれば、周方向剛性を更に高めることができ、タイヤ振動振幅の抑制効果を更に高めることができる。
また、上記ベルト補強層と、有機繊維コードから成るキャップなどの従来のベルト補強層とを併用しても、同様の効果を得ることができる。
また、上記ベルト補強層の引張剛性を上記ベルト層の引張剛性よりも大きくして、ベルト層へのタガ効果を更に高めるようにすれば、高周波ロードノイズを更に効果的に低減することができる。
更に、上記ベルト補強層をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けるようにすれば、タイヤ放射音の発生を効果的に低減できる。このとき、上記ストリップのタイヤ幅方向の位置を、タイヤ振動の径方向モードの振幅が最大になる位置とすることが好ましい。
また、上記補強コードとして周方向剛性の高いスチールコードを用いたり、上記補強コードをタイヤ幅方向に束状に配置したりすれば、周方向剛性を更に高めることができ、タイヤ振動振幅の抑制効果を更に高めることができる。
また、上記ベルト補強層と、有機繊維コードから成るキャップなどの従来のベルト補強層とを併用しても、同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本最良の形態に係る空気入りラジアルタイヤ10の構成を示す断面図で、同図において、11は踏面側にトレッドパターンを有するタイヤトレッド、12はサイド部、13はビード部、14はタイヤ赤道面に対してほぼ90°に配列するように設けられたカーカスコードを備えたカーカス層、15a,15bは上記タイヤトレッド11とカーカス層14との間にそれぞれ設けられたベルト層、16は上記ベルト層15a,15bの径方向外側に設けられたベルト補強層である。
上記ベルト補強層16は、図2(a),(b)に示すように、スチールコードから成る複数本(図では5本)の補強コード16aを互いに平行に引き揃えてゴム16bに埋設して集束した、幅が15〜40mmのストリップをタイヤ周方向に1層巻き回したもので、上記ベルト層15a,15bの図示しないコードがタイヤ周方向に対してそれぞれ20°前後のコード角で互いに交差するように配置されているのに対し、上記補強コード16aのコード角を略0°としている。
図1は、本最良の形態に係る空気入りラジアルタイヤ10の構成を示す断面図で、同図において、11は踏面側にトレッドパターンを有するタイヤトレッド、12はサイド部、13はビード部、14はタイヤ赤道面に対してほぼ90°に配列するように設けられたカーカスコードを備えたカーカス層、15a,15bは上記タイヤトレッド11とカーカス層14との間にそれぞれ設けられたベルト層、16は上記ベルト層15a,15bの径方向外側に設けられたベルト補強層である。
上記ベルト補強層16は、図2(a),(b)に示すように、スチールコードから成る複数本(図では5本)の補強コード16aを互いに平行に引き揃えてゴム16bに埋設して集束した、幅が15〜40mmのストリップをタイヤ周方向に1層巻き回したもので、上記ベルト層15a,15bの図示しないコードがタイヤ周方向に対してそれぞれ20°前後のコード角で互いに交差するように配置されているのに対し、上記補強コード16aのコード角を略0°としている。
本例では、上記ベルト補強層16を、図1に示すように、径方向外側に位置するベルト層15aの外側で、上記タイヤトレッド11のタイヤ赤道面上に位置する陸部(中央陸部)11aの径方向内側に設けることにより、タイヤの表面振動に起因する400Hz〜700Hzの高周波のタイヤ放射音を抑制するようにしている。
上記タイヤ放射音は、径方向2次の振動モードと、図1の破線で示した径方向3次の振動モードの振幅が大きいことから、上記のように、上記ベルト補強層16を、上記2つの振動モードの腹の部分に当たるタイヤトレッド11の中央陸部11aとショルダー部11b,11bの径方向内側にそれぞれ設けるようにすれば、タガ効果により上記各振動モードの振幅を効果的に低減することができるので、400Hz〜700Hzの高周波のタイヤ放射音を大幅に抑制することができる。
なお、上記ベルト補強層16は、本例のように、上記2つの振動モードの腹の部分に当たる部分に設けることが肝要で、従来例のように、上記ベルト層15a,15bの全幅を覆うようにしても振幅の低減効果は少ないので、本発明のように、タイヤ放射音を大幅に抑制することは困難である。
上記タイヤ放射音は、径方向2次の振動モードと、図1の破線で示した径方向3次の振動モードの振幅が大きいことから、上記のように、上記ベルト補強層16を、上記2つの振動モードの腹の部分に当たるタイヤトレッド11の中央陸部11aとショルダー部11b,11bの径方向内側にそれぞれ設けるようにすれば、タガ効果により上記各振動モードの振幅を効果的に低減することができるので、400Hz〜700Hzの高周波のタイヤ放射音を大幅に抑制することができる。
なお、上記ベルト補強層16は、本例のように、上記2つの振動モードの腹の部分に当たる部分に設けることが肝要で、従来例のように、上記ベルト層15a,15bの全幅を覆うようにしても振幅の低減効果は少ないので、本発明のように、タイヤ放射音を大幅に抑制することは困難である。
また、本例では、上記ベルト補強層16のコードとして、スチールコードを用いることにより、その引張剛性を上記ベルト層15a,15bの引張剛性よりも2倍以上大きくしている。これにより、上記ベルト補強層16の周方向剛性が高められるので、タイヤ放射音を効率よく低減することができる。
しかしながら、引張剛性の大きなスチールコードを用いると、上記ベルト補強層16のコード角を略0°とした場合には、加硫時にタイヤが拡張するときにコードが伸びにくく、タイヤ形状が整わなくなる恐れがある。
そこで、本発明では、更に、上記ベルト補強層16の全ての補強コード16aに1周中で少なくとも1つの分断部16kを設けて加硫時におけるコードの伸びを許容できるようにすることにより、加硫拡張時における上記ベルト補強層16のコードの伸長性を確保するようにしている。これにより、加硫後のタイヤ形状を適切に保持することができるとともに、加硫後においても高剛性を維持することができるので、タイヤ放射音を効果的に低減することができる。
また、上記各補強コード16aの分断部16kの位置をタイヤ1周にわたって分散させるようにすれば、タイヤ加硫拡張時におけるコードの伸長性を周方向に均一にできるので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができるだけでなく、周方向剛性も均一になるので、高周波ロードノイズを確実に低減することができる。
なお、上記ベルト補強層16中のコードを全て分断する必要は必ずしもないが、本例のように、全てのコードが少なくとも1箇所以上の分断部16kを設けた方が、コードの伸長性を十分に確保することができる。
しかしながら、引張剛性の大きなスチールコードを用いると、上記ベルト補強層16のコード角を略0°とした場合には、加硫時にタイヤが拡張するときにコードが伸びにくく、タイヤ形状が整わなくなる恐れがある。
そこで、本発明では、更に、上記ベルト補強層16の全ての補強コード16aに1周中で少なくとも1つの分断部16kを設けて加硫時におけるコードの伸びを許容できるようにすることにより、加硫拡張時における上記ベルト補強層16のコードの伸長性を確保するようにしている。これにより、加硫後のタイヤ形状を適切に保持することができるとともに、加硫後においても高剛性を維持することができるので、タイヤ放射音を効果的に低減することができる。
また、上記各補強コード16aの分断部16kの位置をタイヤ1周にわたって分散させるようにすれば、タイヤ加硫拡張時におけるコードの伸長性を周方向に均一にできるので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができるだけでなく、周方向剛性も均一になるので、高周波ロードノイズを確実に低減することができる。
なお、上記ベルト補強層16中のコードを全て分断する必要は必ずしもないが、本例のように、全てのコードが少なくとも1箇所以上の分断部16kを設けた方が、コードの伸長性を十分に確保することができる。
このように、本最良の形態によれば、スチールコードから成る補強コード16aを互いに平行に引き揃えてゴム16bに埋設して集束した、コード角が略0°のストリップを巻き回したベルト補強層16を、径方向外側に位置するベルト層15aの外側で、上記タイヤトレッド11の中央陸部11aの径方向内側に設けて、タイヤ放射音になりやすい振動モードの振幅を低減させるとともに、上記ベルト補強層16の全ての補強コード16aに分断部16kを設けて加硫時におけるコードの伸びを許容できるようにしたので、加硫後のタイヤ形状を適切にできるとともに、加硫後においても高剛性を維持することができるので、タイヤ放射音を効果的に低減することができる。
また、上記各補強コード16aの分断部16kの位置をタイヤ1周にわたって分散させて、コードの伸長性が周方向で均一になるようにしたので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができる。
また、上記各補強コード16aの分断部16kの位置をタイヤ1周にわたって分散させて、コードの伸長性が周方向で均一になるようにしたので、タイヤのユニフォミティの悪化を防止することができる。
なお、上記最良の形態ではベルト補強層16をベルト層15a,15bの径方向外側に設けたが、これに限るものではなく、ベルト層15a,15bの径方向内側、もしくは、ベルト層15aとベルト層15bとの間に設けてもよい。また、カーカス層14の径方向内側に設けてもよい。
また、ベルト補強層16をベルト層15a,15bの径方向外側と内側の両方に設けるなど、ベルト補強層16を複数箇所に配置してもよい。
また、上記例では、ベルト補強層16をタイヤトレッド11のタイヤ赤道面上に位置する中央陸部11aの径方向内側に設けたが、これは、当該タイヤ10が中央陸部11aを有するトレッドパターンを備えたタイヤであるためで、中央陸部がないトレッドパターンを有するタイヤの場合には、上記ベルト補強層16をタイヤトレッドの幅方向中心の内側に設けるようにすれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記例では、ベルト補強層16として、幅が15〜40mmのストリップをタイヤ周方向に1層巻き回したものを用いたが、ストリップの層数としては1層に限るものではなく、図3に示すように、ストリップを2層巻き回したベルト補強層16Zのように、1層以上巻き回したものであればよい。なお、この場合にも、補強コード16aは1周中で少なくとも1箇所の分断部16kが設けられた構成とすることが肝要で、全ての補強コード16aが少なくとも1箇所以上の分断部16kを有していることが好ましく、上記分断部16kがタイヤ1周にわたって分散されていれば、特に好ましい。
また、上記ストリップに代えて、幅広な1枚もののベルトをタイヤ周方向に1層以上巻き回したものをベルト補強層として用いてもよい。
また、ベルト補強層16のコードとしては、有機繊維コードを用いてもよいが、本例のように、スチールコードを用いた方がベルト補強層16の引張剛性を高くできるので、タイヤ放射音を効率よく低減するためには、スチールコードを用いることが好ましい。
また、ベルト補強層16をベルト層15a,15bの径方向外側と内側の両方に設けるなど、ベルト補強層16を複数箇所に配置してもよい。
また、上記例では、ベルト補強層16をタイヤトレッド11のタイヤ赤道面上に位置する中央陸部11aの径方向内側に設けたが、これは、当該タイヤ10が中央陸部11aを有するトレッドパターンを備えたタイヤであるためで、中央陸部がないトレッドパターンを有するタイヤの場合には、上記ベルト補強層16をタイヤトレッドの幅方向中心の内側に設けるようにすれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記例では、ベルト補強層16として、幅が15〜40mmのストリップをタイヤ周方向に1層巻き回したものを用いたが、ストリップの層数としては1層に限るものではなく、図3に示すように、ストリップを2層巻き回したベルト補強層16Zのように、1層以上巻き回したものであればよい。なお、この場合にも、補強コード16aは1周中で少なくとも1箇所の分断部16kが設けられた構成とすることが肝要で、全ての補強コード16aが少なくとも1箇所以上の分断部16kを有していることが好ましく、上記分断部16kがタイヤ1周にわたって分散されていれば、特に好ましい。
また、上記ストリップに代えて、幅広な1枚もののベルトをタイヤ周方向に1層以上巻き回したものをベルト補強層として用いてもよい。
また、ベルト補強層16のコードとしては、有機繊維コードを用いてもよいが、本例のように、スチールコードを用いた方がベルト補強層16の引張剛性を高くできるので、タイヤ放射音を効率よく低減するためには、スチールコードを用いることが好ましい。
また、上記例では、補強コード16aを面上に並べて配置したベルト補強層16を用いたが、補強コード16aをタイヤ幅方向に束状に配置した構成としてもよい。この場合には、補強コード16aが束状になっているので、ベルト補強層16の周方向剛性を更に高めることができ、タイヤ振動モードの振幅を更に低減することができる。
また、上記例では、ベルト補強層16をタイヤトレッド11のタイヤ赤道面上に位置する中央陸部11aの径方向内側にのみ設けたが、上記ベルト補強層16をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けるようにしてもよい。このとき、図4に示すように、各ベルト補強層16,16S,16Sの位置を、タイヤ振動の径方向モードの節部を避けて配置するようにすれば、上記径モードの腹を抑えることができるので、タイヤ放射音を効率よく低減することができる。なお、上記隣接するベルト補強層16,16Sの間隔については、タイヤの形状や構造等により適宜決定されるが、トレッド幅に対して、10%程度であることが好ましい。
また、上記例では、ベルト補強層16をタイヤトレッド11のタイヤ赤道面上に位置する中央陸部11aの径方向内側にのみ設けたが、上記ベルト補強層16をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けるようにしてもよい。このとき、図4に示すように、各ベルト補強層16,16S,16Sの位置を、タイヤ振動の径方向モードの節部を避けて配置するようにすれば、上記径モードの腹を抑えることができるので、タイヤ放射音を効率よく低減することができる。なお、上記隣接するベルト補強層16,16Sの間隔については、タイヤの形状や構造等により適宜決定されるが、トレッド幅に対して、10%程度であることが好ましい。
図1に示した、センター部にベルト補強層を備えた本発明によるタイヤ(本発明1)とセンター部とショルダー部とにベルト補強層を備えた本発明によるタイヤ(本発明2)と、ベルト補強層のない従来のタイヤ(従来例)とをそれぞれ装着した車両を走行させてタイヤ近接音を測定した結果を図5の表に示す。なお、測定は、帯域が400Hz〜700Hzの高周波ロードノイズについて行い、その大きさを、従来例を基準(0dB)とした値で示した。
表に示すように、センターにベルト補強層を備えた本発明1のタイヤでは、タイヤ形状も正常で、かつ、ロードノイズの大きさは、ベルト補強層のない従来例に比較して5.9dBも小さく、タイヤ放射音が大幅に低減されていることが分かった。なお、参考として、センターにベルト補強層を有するが、コードに分断部を有していないタイヤについても製造したが、加硫後のタイヤ形状が不良となったため、測定は行わなかった。
また、センター部とショルダー部とにベルト補強層を備えた本発明2のタイヤでは、ロードノイズの低減効果が7.0dBと、タイヤ放射音が更に低減された。
このように、本発明のベルト補強層を備えたタイヤは加硫時の伸長性を確保することができるとともに、タイヤ放射音を大幅に低減することができることが確認された。
これにより、本発明のベルト補強層を備えたタイヤは加硫時のコード切れもなく、タイヤ放射音を大幅に低減することができることが確認された。また、ショルダー部にもベルト補強層を設ければ、高周波ロードノイズを更に低減できることが確認された。
表に示すように、センターにベルト補強層を備えた本発明1のタイヤでは、タイヤ形状も正常で、かつ、ロードノイズの大きさは、ベルト補強層のない従来例に比較して5.9dBも小さく、タイヤ放射音が大幅に低減されていることが分かった。なお、参考として、センターにベルト補強層を有するが、コードに分断部を有していないタイヤについても製造したが、加硫後のタイヤ形状が不良となったため、測定は行わなかった。
また、センター部とショルダー部とにベルト補強層を備えた本発明2のタイヤでは、ロードノイズの低減効果が7.0dBと、タイヤ放射音が更に低減された。
このように、本発明のベルト補強層を備えたタイヤは加硫時の伸長性を確保することができるとともに、タイヤ放射音を大幅に低減することができることが確認された。
これにより、本発明のベルト補強層を備えたタイヤは加硫時のコード切れもなく、タイヤ放射音を大幅に低減することができることが確認された。また、ショルダー部にもベルト補強層を設ければ、高周波ロードノイズを更に低減できることが確認された。
このように、本発明によれば、加硫後のタイヤ形状を適切に保持しつつ、高剛性を確保することができるので、高周波ロードノイズを効果的に低減することができ、車両の静粛性を一層向上させることができる。
10 空気入りラジアルタイヤ、11 タイヤトレッド、11a 中央陸部、
12 サイド部、13 ビード部、14 カーカス層、15a,15b ベルト層、
16 ベルト補強層、16a 補強コード、16b ゴム、16k 分断部。
12 サイド部、13 ビード部、14 カーカス層、15a,15b ベルト層、
16 ベルト補強層、16a 補強コード、16b ゴム、16k 分断部。
Claims (7)
- タイヤトレッドゴムとカーカス層との間に少なくとも1層のベルト層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、1本もしくは複数本の補強コードを互いに平行に引き揃えてゴムに埋設して集束したものを1層以上巻き回して成るベルト補強層であって、タイヤ周方向に対するコード角が実質的に0°であり、かつ、上記ベルト補強層中に埋設されているコードが1周中で少なくとも1箇所分断されているベルト補強層を設けたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
- 上記分断されているコードの分断位置がタイヤ1周にわたって分散されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 上記ベルト補強層中に埋設されている全てのコードが少なくとも1箇所以上の分断箇所を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 上記ベルト補強層の引張剛性を上記ベルト層の引張剛性よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 上記ベルト補強層をタイヤ幅方向に所定距離離隔して設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 上記補強コードをスチールコードとしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 上記補強コードをタイヤ幅方向に束状に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006270328A JP2008087610A (ja) | 2006-10-02 | 2006-10-02 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006270328A JP2008087610A (ja) | 2006-10-02 | 2006-10-02 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008087610A true JP2008087610A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39372201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006270328A Pending JP2008087610A (ja) | 2006-10-02 | 2006-10-02 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008087610A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008087608A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2011093368A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2011230538A (ja) * | 2010-04-23 | 2011-11-17 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
-
2006
- 2006-10-02 JP JP2006270328A patent/JP2008087610A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008087608A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2011093368A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
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