JP2008086488A - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【目的】遊技盤の中に第1種と第2種の遊技装置を独立した形態で設置し、一方の遊技装置が当りとなったとき打球をこの遊技装置に優先的に誘導するようにする。
【構成】遊技領域(6)を上中下3段に区分し中段領域部分(6b)に第1種の可変表示装置の画像表示部(2)と第2種の役物入賞装置(3)と打球の通過領域(30)を横並びに配置し、上段領域部分(6a)と通過領域(30)の何れかに役物入賞装置に打球を取込む取込み扉(12)を備える取込み口(10)を開設する。一方、前記上段領域部分若しくは前記通過領域に前記可変表示装置の第1始動入賞口(14)と前記役物入賞装置(2)の取込み扉(12)を開放する第2始動入賞口(31)を前記取込み扉(12)の位置より下流側に設けて前記扉(12)の開放時には前記取込み口(10)に前記各始動入賞口より優先的に打球の飛入を可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機には遊技方式を異にする複数種類の遊技機がある。一般に第1種パチンコ遊技機、第2種パチンコ遊技機、或は更に略称して1種、2種等と呼ばれている遊技機がその例であり、近時市販されているパチンコ遊技機の多くがこれらの機種のいずれかに属している。
所謂第1種乃至単に1種と称されているパチンコ遊技機は、画像表示部を備えた可変表示装置と、打球を受け入れることによって上記可変表示装置を起動する始動入賞口と、抽選の結果大当りとなったとき開放して多数の賞球を放出する大入賞口とを有し、始動入賞口に打球が入賞したとき予め設定する「当り」の抽選を実行し、この抽選の結果に基づいて色々の演出の画像を前記画像表示部に表示する。そして、抽選の結果「当り」であったとき前記大入賞口を開放して打球の入賞を図り、短時間に大量の賞球の放出が実行されるようになっている。
一方、第2種或は2種と称されるパチンコ遊技機の場合は、羽根ものと称される役物入賞装置(通常センター役物とも言われる。)を遊技盤の中央に据えて、始動入賞口に打球が入賞したとき役物入賞装置に備える扉(羽根)を開放して入賞を可能乃至容易にする一方、装置の内部に備える特定入賞口、所謂Vゾーンと普通入賞口とを設けて、上記特定入賞口に入賞球が飛入したとき、再度の扉の開放(継続)を促し予め定めた回数或は時間、この開放状態を続けることで大量の入賞を可能にし、賞球の放出が行われるようにしてある。
これらのパチンコ遊技機において、第1種の遊技機は、画像表示部に表れる画像の変化を通して抽選の結果、つまり「当り」を表示する画像が出現するのを注視し、遊技を楽しむものとなっており、また第2種の遊技機においては役物入賞装置の羽根の開放と、この開放後において内部に備えられた特定入賞口と普通入賞口に振分ける装置を介して入賞球が誘導される過程を通して遊技を楽しむことができるものとなっている。
この様なことから、前者においては主に画像の変化を通して楽しむ構造であるのに対して後者は機械的動作の変化を楽しむものとなっており、遊技仕様の違いに併せて楽しみ方が異なるものとなっている。
しかし、この2種類のパチンコ遊技機は、それぞれ異なる特徴を有すると同時に、固有の魅力を有することから、この両者の特徴を備えた遊技機の開発が進められている。その成果として現在までに幾つかの提案がなされているが、例えば、特許文献1乃至3において提案される発明がその一例である。
特開2000−33141号公報。 特開2006−34605号公報。 特開2006−51100号公報。
上記特許文献1に記載の発明は、第1種のパチンコ遊技機と第2種のパチンコ遊技機とを一つに結合して両機種の特徴を融合したものになっている。更に言えば、第2種の役物入賞球装置に第1種の可変表示装置を組入れて可変表示装置付役物可変入賞球装置32を構成したものとなっている。これを1つの遊技領域11に備えて1つの共通始動口37に入賞した打球を原因にして上記可変入賞球装置、そして可変表示装置と順次作動するようにして第1種及び第2種に係る両装置を次々と連動する構造としたものになっている。
一方、特許文献2に記載の発明は、遊技領域31内に開閉部材71を有するセンター役物60、そして、その上部に可変表示装置34を一体に組付け構成した装置を設置して共通の始動口となる始動入賞口2に打球が入賞すると、先ず前記可変表示装置34を始動させ、抽選の結果「当り」となったとき、前記センター役物60を開放するものとしたもので、両装置が次々と関連し、連動する関係をもつものとなっている。
この発明は始動入賞口2を共通にする点、そして可変表示装置34とセンター役物60が順次関連して作動する関係にある点で前記特許文献1の発明に共通するものとなっている。
また一方、特許文献3に記載の発明は、遊技領域10に設置するセンター役物100の内部に第1種の演出図柄表示装置12を組入れ、始動入賞装置(口)13に打球が入賞したときセンター役物100の第2入賞装置120の開閉装置130を開放してセンター役物100内部への打球の入賞を可能にし、ここから入賞した球を第2抽選手段150に送って特別入賞口156若しくは球排出口151に導く構成に係るものとなっており、第1種の図柄表示装置12と第2種のセンター役物100とを一つに組合せた構造のものとなっている。
これら特許文献1乃至3に記載の発明は、上述のとおり、第1種と第2種のパチンコ遊技機を結合した構造になっており、主として機械的なセンター役物と図柄を以て表示する画像表示装置のそれぞれの特徴を組合せ、一つの装置としており、実際の遊技仕様においても1個の入賞球の入賞を原因に次々に関連させてセンター役物と画像表示装置を作動させる構造になっている。
言うまでもなく、これらのセンター役物を主体とする第2種遊技機と、可変表示装置を主体とする第1種遊技機とを一つに結合し、それぞれの特徴を表現するパチンコ遊技機は2種類の遊技を楽しみ興趣を盛り上げる効果があることは各特許文献に挙げられている通りである。
しかし、この両装置を結合させ融合させた新たな機種は、第1種と第2種の特徴的部分が現れてはいるが、反面両機種の一部を共用することによって、或は順序を付けて関連させ、連動させることによって、それぞれの独立性が失われることになっている。また同時に、個々の独自性も犠牲にされ、それぞれの特徴が殺がれるものとなっている。つまり、第1種、第2種におけるそれぞれの機種が固有の機能として保有する特徴を喪失し、実質的には全く別の遊技機を作ることになっているのである。
更に言えば、これら既提案に係る各特許文献記載の発明は、第1種の可変表示装置と第2種の可変入賞球装置、即ちセンター役物という各機種における主要部同士を結合させただけの言わば新種のパチンコ遊技機を作るものとなっており、ここには第1種、第2種の遊技機が本来有している固有の特徴を失うものとなっているのである。
本発明は、所謂第1種と称されるパチンコ遊技機と、第2種と称されるパチンコ遊技機の各遊技方式(仕様)を1つの遊技盤面(遊技領域)に相互に干渉することなく取込み、それぞれの独立性を失うことなく作動できるようにしてそれぞれが保有する遊技の特徴をそのまゝ発揮、実現するようにしたパチンコ遊技機を提供することにある。
前述した特許文献記載の各発明は、第1種、第2種の遊技方式を同時に採用するに当って遊技盤の限られた遊技領域内にそれぞれの遊技方式を実現する諸装置を個別に組込むことの困難さから、両装置において共用できる部分を一本化し、その一方を省略し、更には両遊技機の最も特徴とする部分、つまり画像表示部とセンター役物等可変入賞球装置を一つに組合せて合体し、これによって遊技盤前面の限られた遊技領域の設置空間内への組入れを可能にしている。
しかし、かかる従来方式は、前述したように両機種の特徴とする主要部の取込みを実現することはできたが、両機種が有する個々の遊技仕様を、個別にそのまゝ1つの遊技盤面に再現することまではできておらず、一部を犠牲にした言わば新機種の遊技機を創造するものとなっている。
言うまでもなく元来、第1種にしても、また第2種にしても遊技設定は独立完結型であり、それぞれ遊技を個別に完結することによって各機種本来の遊技の醍醐味が味わえるものとなっている。
従って、第1種、第2種の遊技機の特徴を1台の遊技機に実現するためには、これらの機種における遊技を両者独立した状態で実現し、それぞれの特徴を発揮するものであることが求められる。
前記従来のものにおいて、この要請を妨げる第1の要因は、遊技盤上の遊技領域の面積である。そして、第2の要因は一方の遊技が進行したとき、例えば第2種のセンター役物が特定入賞状態に入って打球を優先的にセンター役物内に取り入れる状態となったとき、他方の第1種遊技装置には打球が振り分けられずに実質的に休止状態になってしまうことにある。この中で、後者は2種類の遊技を実行可能にしながら一方が作動すると、他方が休止状態になってしまうことであり、実質的に2種類の遊技装置を設置するにも拘わらず、その意味を失うものになる。
本発明は、これらの点に鑑み、遊技領域の限られた空間内に第1種の主要構成要素となる可変表示装置、始動入賞口、大入賞口を備える一方、第2種の可変入賞球装置、つまり開閉する扉手段、入賞球の振分け手段及び特定入賞口、普通入賞口等を備えるセンター役物、そして前記可変表示装置を起動させ、また前記扉手段を開放作動する始動入賞口を独立して個別に設置し、且つ同時に、一方の、例えば第2種に係る遊技装置が入賞し易い状態に転じてセンター役物の扉手段が開放し、打球の受け入れが容易になった場合において、他方の遊技装置(第1種の装置)の始動入賞口、大入賞口への打球の流れが断たれることのないようにしたこと、つまり常時2つの機種におけるそれぞれの装置が独立して稼動し、例えば一方における遊技の進行中に他方に向けての打球の流れが中断して止められるようなことがないようにしたパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
従って、本発明は、上述のように1つの遊技領域内に第1種と第2種の遊技機の遊技仕様を実現する遊技装置を設備することによって、それぞれの機種における特徴を1台のパチンコ遊技機において実現し、楽しめるようにした遊技機を提供しようとするものであり、個々の遊技仕様を独立した状態に保ち、他方に影響されることなく自己完結的に遊技を実行し、これを楽しむことができるようにしたパチンコ遊技機を提供するものである。
また、本発明は上記パチンコ遊技機において、前記第1種及び第2種の遊技装置をそれぞれ始動する各始動入賞口の配置位置を特定することによって、更に言うならば始動入賞口を遊技領域の上段領域部分に、或は中段領域部分に、又は下段領域部分に配置することによってそれぞれの遊技装置の特性を効果的に発揮し、更に変化のあるようにしたパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
ことに、本発明では遊技領域内に打出される打球の落下過程において、打球が集中する領域と分散する領域とが現れることに合せてこれらの領域を適宜選択し、前記第1種、第2種遊技装置のそれぞれの始動入賞口を選択配置し、各遊技装置の始動チャンスに差を付けるなどして遊技に変化を与え一層興趣あるものにしたことにある。
本発明は、上述の目的を達成するため、遊技盤前面の遊技領域内を上、中、下段の3段に区分設定し、その中央に位置する中段領域部分に第1種遊技機における可変表示装置の画像表示部、第2種遊技機における可変入賞球装置たるセンター役物、そして上段領域部分に打出される打球を下段領域部分に落下誘導する通過領域を横並びに配置形成したことにある。
そして、前記上段領域部分には振分け障害物を設置し、打込まれる打球を振分ける構造にする一方、該上段領域部分乃至前記中段領域部分から下段領域部分のいずれかの位置に前記可変表示装置並びにセンター役物を始動する第1,第2の始動入賞口を設置し、更に下段領域部分には前記可変表示装置による大当り表示に伴わせて開放する大入賞口を設置して前記上段領域部分、そして中段領域部分に形成する通過領域を通して案内される打球をそれぞれに対して常に入賞可能な状態にしたことにある。
本発明を更に詳述すると、本発明は遊技盤前面の遊技領域内部を上、中、下段の3領域部分に区分設定し、上段領域部分を打球の打込み空間とすると共に該空間内に打球の障害物を設置し、一方前記中段領域部分には可変表示装置の画像表示部と、入賞球の振分手段、特定入賞口、普通入賞口を内蔵する役物入賞装置と、前記上段領域部分に打込まれる打球を下段領域部分に落下誘導する打球の通過領域とを横並びに配置し、また前記上段領域部分若しくは前記通過領域のいずれかに前記役物入賞装置に打球を取込む取込み口を開設して該取込み口に開閉自由な取込み扉を設置する一方、該取込み扉の設置位置より下流域に前記可変表示装置を始動する第1始動入賞口と前記役物入賞装置の前記取込み口の取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置して前記第1始動入賞口に打球が入賞したとき前記可変表示装置を起動して前記画像表示部に抽選の結果を表示し、また第2始動入賞口に打球が入賞したとき前記打球取込み扉を開放して前記役物入賞装置への打球の取込みを可能にし、該役物入賞装置と前記可変表示装置とをそれぞれ独立した状態で前記遊技領域内に併設し、且つこれら両装置を個別に独立稼動するようにしてなることを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記中段領域部分に可変表示装置の画像表示部と打球の通過領域と共に横並びに配置形成する役物入賞装置には打球の取込み口を上段領域部分に開設する打球誘導路を形成し、この取込み口に開閉自由な取込み扉を備えて前記上段領域部分から前記役物入賞装置に打球を取込むようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記中段領域部分に可変表示装置の画像表示部と打球の通過領域と共に横並びに配置形成する役物入賞装置は前記通過領域に隣接して設置し、該通過領域に接する側壁部分に打球の取込み口を開設して該取込み口に備える取込み扉を通過領域に向けて開閉するようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記取込み扉は開放時に通過領域を落下する打球の一部の通過が可能となる空間を残して開放することを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記中段領域部分の打球通過領域に可変表示装置の第1始動入賞口を設置し、下段領域部分に役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置することを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記中段領域部分の打球通過領域に役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置し、下段領域部分に可変表示装置の第1始動入賞口を設置することを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記中段領域部分の打球通過領域に可変表示装置の第1始動入賞口と役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口とを併設することを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
また本発明は、前記パチンコ遊技機において、前記下段領域部分に可変表示装置の第1始動入賞口と役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口とを併設することを特徴としたパチンコ遊技機を提供することにある。
ところで、上記する本発明に係るパチンコ遊技機にあって、遊技盤前面の遊技領域内に区分設定される上、中、下段の各領域部分は、遊技領域を上下方向に3分割することで区分けされることになる。この区分けは均等である必要はなく縦に略3つの領域に分けられるものであればよい。
この様に区分された領域にあって中段部に位置し、最も遊技者の視線の中心に位置する中段領域部分に第1種のパチンコ遊技機を象徴する可変表示装置の画像表示部と、第2種のパチンコ遊技機を象徴する役物入賞装置、つまりセンター役物と、上下段の両領域部分を連絡し、打球の落下を誘導する通過領域とが横一列に配置形成される。
上記画像表示部は、始動入賞口に打球が入賞し、予め設定する「当り」の抽選が実行され、その確定した抽選の結果に応じて、これを画像に、更に言えば動画を通して画像表示するものであり、またセンター役物は、同様に打球が始動入賞口に入賞して扉が開放し、役物内部に打球の入賞が可能となるもので、このセンター役物は、ここに入賞した球が次に特定入賞口に入り、再度の扉の開放を約束する継続状態となるか、普通入賞口に入って通常の入賞球となるかを入賞球の動きを通して直接的に表示するものとなる。
本発明ではこれら2つの表示媒体を通して2種類の遊技を別々に表示しながらこれを一つの視界の中で視認可能にすることになる。
一方、前記遊技領域における上段領域部分は、発射装置によって打出される打球が飛び込む領域であり、この領域部分には発射装置から発射され誘導レールを通して打出される打球を振り分けるための障害釘等からなる障害物が設置される。
また、遊技領域の下段領域部分には後述する始動入賞口に打球が入賞し、前記可変表示装置が起動して抽選の結果「大当り状態」となったとき開放する大入賞口、所謂アタッカーが設置される。
前記打球の取込み口は、役物入賞装置に打球を引込む入口であって開閉する取込み扉が備えられる。この取込み口は上段領域部分に開設される場合と、中段領域部分の通過領域に向けて開設される場合とがある。
この開設位置の相違は、遊技仕様を異にする設計的意図によって選択され、上段領域部分に開設する場合は、遊技者の狙い打ちに合せて開設するものとなり、また通過領域に開設する場合は、遊技領域に打出された全ての打球が集中する所に設けることで打球の入賞を積極的に進めるものとなる。そして、後者の場合は更にこの取込み口に対する入賞状態を画像表示部、役物入賞装置と共に一つの視界の中に置くことになり、これによって遊技者に入賞の醍醐味を実感させることになる。
一方、前記取込み扉は、役物入賞装置に連動する前記第2の始動入賞口に打球が飛入したとき開放し、上段領域部分若しくは通過領域を落下する打球を積極的に取込むことになる。
上記役物入賞装置は内部に特定入賞口と普通入賞口とを有し、これらの入賞口に対して飛入球(打球)を振り分ける振分手段を備え、打球取込み扉を通して取込まれる飛入球を該振分手段で振分け、前記特定入賞口と普通入賞口のいずれかに入賞させることになる。
特定入賞口は、所謂Vゾーンと称される大当り発生入賞口であり、継続入賞口に当るものである。この特定入賞口に飛入球が入賞すると、上記打球取込み扉を再開放させて遊技者にとって有利な状態を作ることになる。この入賞口は予め定める数の飛入球を受け入れることによって上記扉をその入賞球の数に合せるなどして連続して開放させることを可能にする。
さて、前記第1,第2の始動入賞口は、前記可変表示装置の当り抽選に伴う画像の起動を促し、また前記役物入賞装置への打球の飛入を誘導する前記取込み扉の開放を促すための始動用の入賞口であり、第1の始動入賞口に打球が入賞したとき、前記可変表示装置における予め定めた抽選を実行し、可変表示装置の画像表示器の画像を変動させ、抽選の結果を表示する。そして、第2の始動入賞口に打球が入賞すると、前記役物入賞装置の取込み扉を開放して打球の取込みを開始することになる。
この2つの始動入賞口は、前記打球の取込み口に設けられる取込み扉の設置位置より下方、つまり下流側に設置されることになる。従って、取込み扉が上段領域部分に設置される場合は、この上段領域部分を含む下流側の何れかに、そして、この取込み扉が通過領域に設置される場合は、この通過領域を含む下流側の何れかに設置されることになる。
この設置位置の特定は、取込み扉が開放されたとき、つまり役物入賞装置が大当り状態になったとき、打球の取込みを優先させ、役物入賞装置の可動状態を止めることなく実行させることにある。
尚、この設置位置において取込み扉を通過領域に設置する場合は、この扉が開放したとき、この扉によって通過領域全体が閉塞されないことが望まれる。通過領域全体の閉塞は流下する打球の全てを取込むことになるが、この状態が発生すると、他の始動入賞口及び大入賞口への入賞が閉ざされ、結果的に可変表示装置、つまり第1種装置側の遊技が一時的に中断することになるからである。
ところで、第1、第2の始動入賞口のいずれを打球の流れの上流側に配置するかは遊技者の設計に基づき任意定められることになる。
ここで上流側とは、遊技領域内に打出された打球が下端のアウト口に至る球の流れにおける上流側(上方)を指すが、より具体的には、下段領域部分に対して中段領域部分、中段領域部分に対して上段領域部分を指すことに加えて、同一領域部分の中で上下に位置することで一方を上流側とすることもある。
始動入賞口を上下に差を付けて配置することは、入賞率に差を付けることに繋がるが、入賞率は実際には打球を誘導する障害釘の配置等によって自由に調整することができるので、設計者において第1種装置と第2種装置のいずれを中心的装置とするか、或は遊技者の期待感に合せていずれの装置を優先的に大当り状態にしたいか等によってその設置位置を決定することになる。
この2種類の始動入賞口は、前述のように上、中、下段のいずれの領域部分に設置してもよいが、好ましくは上段と中段に、或は中段と下段に分けて設置するようにすると、遊技に変化を付けることが容易になる。ことに、中段領域部分の通過領域は画像表示部と共に一つの視界に入る位置関係にあることから入賞状態を監視することが容易な場所となる。また、大当り確率の関係から比較的頻繁に入賞が求められる第1種に係る可変表示装置の第1始動入賞口の設置位置として好適な場所にもなる。
尚、上記可変表示装置のための第1始動入賞口、また役物入賞装置のための第2始動入賞口は単一の入賞口に限られるものではなく、例えば第1始動入賞口を複数個としてもよく、これらを同一の領域部分に2個、3個と分散配置しても、また異なる領域部分に分けて1個づつ配置しても本発明の実施を妨げるものではない。
次に、上記構成に係る本発明のパチンコ遊技機について、遊技領域内に打出される打球の流れを通して説明すると、先ず打球発射装置により打出された打球は上段領域部分に打出され、釘等の障害物によって方向を変えられながらこの領域部分を通過し、次に中段領域部分の通過領域に集められるようにしてこの空間を通過する。そして、この打球は通過領域を通過した後下段領域部分を通り、遊技領域下端のアウト口に向けて流下する経路を辿ることになる。
この中で、役物入賞装置の取込み口が上段領域部分に開設される場合は、その取込み扉が開放状態にあるとき、この扉に受けられた打球は役物入賞装置に取込まれ、装置の内部において振分け手段を通して特定入賞口か普通入賞口のいずれかに導かれ入賞することになる。また、前記取込み口を中段領域部分の通過領域に開設した場合は、この取込み口に備える取込み扉が開放するとき、前記同様にこの取込み扉に受けられ、前記役物入賞装置に送り込まれ、いずれかの入賞口に振分け入賞することになる。
そして、上記設定される何れかの場合の取込み口に対して入賞しなかった打球は、上段領域部分から下段領域部分に向けて落下誘導され、この間に配置される第1始動入賞口、若しくは第2始動入賞口、または大入賞口に入賞する機会が与えられることになる。
前述したように、第1、第2の始動入賞口は、前記取込み扉の下流側に設けられることを条件に上、中、下段の何れかの領域部分に設置され、第1始動入賞口に打球が入賞したとき前記可変表示装置が起動し、予め設定する抽選が開始し、その結果が画像表示部に表示されることになり、ここで大当りの結果が出たとき、大入賞口が開放し、落下する打球の受け入れが実行されることになる。
その一方、第2始動入賞口に打球が入賞すると、前記取込み扉が開放し、前記役物入賞装置への打球の取込が開始されることになる。
尚、前記取込み扉は、常には閉塞した状態におかれるもので、従って上段領域部分に打出された打球は、そのまゝ上段領域部分から通過領域を通して下段領域部分に誘導されることになり、この間に第1乃至第2始動入賞口に入賞する機会が与えられる。
前記第1及び第2の始動入賞口は、打球の落下流域内に位置するよう配置されて入賞の機会に恵まれるようにしてあり、このうち第2の始動入賞口に打球が入賞すると、この入賞球を入賞口内に設置する検出スイッチが検出し、前記役物入賞装置に打球を取入れる扉を開放することになり、ここで遊技者にとって有利な状態を1つ作ることになる。
上記取込み扉の開放は、一定時間開閉動を繰り返し、この間に打球を受け入れるものであっても、また一定時間連続して開放するものであってもよく、開放時に飛入した入賞球は全て役物入賞装置(センター役物)に誘導される。
上記役物入賞装置に誘導された入賞球は、前記内部に装置する振分手段に衝合して振分けが実行され、特定入賞口か普通入賞口のいずれかに誘導され、入賞することになる。
特定入賞口は一般にセンター役物として知られる入賞装置における継続入賞口、つまりVゾーンに当るものであり、この入賞口に入賞球が入賞すると一旦閉じられた前記扉手段が再び開放することになり、予め定める回数の開放が繰り返されることになる。尚、特定入賞口への連続的な入賞は特定の個数まで保留してもよく、保留する個数分取込み扉の開放回数を増加させるようにしてもよい。
この様にして役物入賞装置が作動し、「大当り状態」となる一方で、前記取込み扉によって拾われなかった打球は、上段領域部分から中段領域部分の通過領域を通してそのまゝ下段領域部分に誘導されることになる。
この下段領域部分に誘導される中で第1の始動入賞口に打球が入賞すると、検出スイッチの検出により遊技制御回路中に設置する大当り抽選回路が起動し、当り抽選が実行されることになる。同時にこの抽選に連動して可変表示装置が作動し、画像表示器に抽選結果に基づいた演出が画像表現され、更にこの抽選の結果「大当り」の抽選があると、この結果を大当り表現として画像表示器に表示し、遊技者に告知することになる。そして、上記「大当り」に対応させて下段領域部分に設置する前記大入賞口を開放し、前記通過領域を通して落下する打球の受け入れを可能にし、短時間に多量の入賞球の受入れを可能にするのである。
本発明パチンコ遊技機は、上述するところから明らかなように1つの遊技領域内に第1種パチンコ遊技機の可変表示装置と、第2種パチンコ遊技機の役物入賞装置とを並列的に設置することに併せて、両装置が干渉することなくそれぞれ独立した状態におかれ個別に作動することを可能にするものであり、これらを別々に、時には同時に作動させて両装置が演出する遊技をそれぞれ楽しむことができるものにしてあるのである。
ところで、前記遊技領域内の中段領域部分に形成される通過領域は、打込まれる打球を下段領域部分に誘導する通路となる部分であるが、役物入賞装置の打球取込み扉が開放されこの役物入賞装置が「大当り状態」になった場合でも上記取込み扉に受けられなかった打球はそのまま下段領域部分に誘導されることになる。このため、第1,第2始動入賞口、更には大入賞口への入賞が可能であると共に、常時可変表示装置を起動させる大当り抽選の開始を可能にしているのである。そして、更には大当り状態となることによって開放する大入賞口に対して引き続き打球を送ることを可能にし、入賞球とすることを可能にしているのである。
勿論、上記2つの装置は第1,第2の始動入賞口に対する打球の入賞状況によってその始動は逆の順序になることもあり、一方のみが始動することもあることは言うまでもない。
尚、前記上段領域部分から通過領域、下段領域部分には打球の流れを作るため、適宜障害釘、風車等の障害物を配置し、前記第1,第2の始動入賞口、大入賞口に対して打球の配分、誘導を適宜行うこととし、特に各始動入賞口に対しては入賞確率の調整を含んで釘の配置位置、間隔等を決めるなどして更に興趣を高めることができる。
本発明は以上の様に構成されることから、1つの遊技盤の遊技領域に第1種と第2種の遊技機に係る遊技仕様をそのまま組入れることができる。しかも、両機種の遊技仕様が他方を拘束して遊技を中止させたり、順番を付けて連動する関係に置くことなく設置できるため、それぞれ独立して稼動することが可能であり、従って両機種固有の特徴をそのまゝ楽しむことができるものとなる。
そして、本発明は前記第1種と第2種に係る遊技仕様が別々に独立した状態で遊技領域内に設置されながら、これらの機種の中心となる装置、つまり第1種における画像表示部と第2種の役物入賞装置とが揃って遊技領域の中段領域部分において横に並ぶことから、遊技者の静止した視界の中に両装置を同時に捉えることができ、従って一方が始動したとき、或は大当り状態となったとき、更には双方が始動し、或は大当り状態となったとき、一方の表示を視界の中に捉えることによって他方も同時に視認することが可能であり、遊技者にとって容易に両者を注視し監視することができるものとなる。しかも、このとき視線を移動させることなく視認できるため、遊技者の疲労を大幅に緩和、軽減することができる。
更に本発明は、可変表示装置の第1始動入賞口と役物入賞装置の第2始動入賞口は上、中、下段の領域部分に対して両者揃えて設置する場合の外、領域部分を異にして設置し、両始動入賞口に対する入賞状況に変化を付けることが可能であると共に、この始動入賞口を中段領域部分の通過領域に設置した場合には画像表示部、役物入賞装置と共に同一の視野の中に捉えることができるため、視線を移動させることなく遊技の進行全体を容易に捉えることができる利点がある。
次に、本発明に係るパチンコ遊技機の実施の形態を図面に示す実施例1から実施例5に基づき説明することにする。
図1は、パチンコ遊技機に着脱自由に装着される遊技盤1の概略を説明する正面図で、図2は、遊技盤1に組込まれる可変表示装置の画像表示部2と役物入賞装置3とを一体にした構造体4の一部欠截する概略説明斜視図である。
遊技盤1は、前面部に略円形状にレール5を配置して遊技領域6を形成し、左方の発射球誘導通路7を通して打出される打球をこの遊技領域6の上部に受け入れるようにしてある。
遊技領域6は、目安として示す2本の一点鎖線a,bによって区分するように内部を上、中、下段の3段に分け、上段領域部分6a、中段領域部分6b、下段領域部分6cを設定し、中央に位置する中段領域部分6bの中央部に可変表示装置の画像表示部2を、その右方に役物入賞装置3を配置する。
上段領域部分6aは、前述のように発射球誘導通路7を通しての打球を受け入れる進入部を構成し、ここには中央位置より右方に打球の直進を止める障害壁8を縦に形成してこの障害壁8に前記役物入賞装置3に通じる打球取込み通路9の入口となる取込み口10を開口する。そして、障害壁8の前方、つまり発射球誘導通路7との間の空間領域に打出される打球を分散し振分けるための障害釘11を多数本適宜植設し、釘列群を形成して前記取込み口10に向けて打出される打球が直接飛込むことのないように進路を妨害するようにしてある。
上記取込み口10には後述する開放指示を受けたとき開放し、打球の受け入れを可能にする取込み扉12を設置して開放時には支軸13を支点に上端を左方に倒し、打球の受け入れを可能にしている。
中段領域部分6bの略中央部に位置する可変表示装置の画像表示部2は、前述する第1種パチンコ遊技機における画像表示部であり、液晶表示画面からなり、後述する第1の始動入賞口14に打球が入賞したとき、図示しない遊技制御装置内に組込む大当り抽選回路の作動に伴う抽選の結果と、この結果に至る過程を画像を通して表示する。
一方、役物入賞装置3は、第2種パチンコ遊技機における所謂センター役物に当る装置であり、上記画像表示部2の右方に隣接して設けられる。
この役物入賞装置3は中空の部屋の内部を後方に向けて傾斜する床15によって上下に区画し、上室3aには前記打球取込み通路9が連通し、内部にこの通路9を通して送られる入賞球を振り分ける振分装置16が設けてある。
この振分装置16は倒カップ形に形成してあり、前記床15に開設する落下口17を上方から被うようにしてあり、上室3aの上に設置するモータ18によって回転し、前記打球誘導通路9を通して上方から落される入賞球を周囲に形成する窓19を通して前記落下口17に通すようにしてある。そして、この窓19に入らなかった入賞球は床15の傾斜に沿って後方の落下口20に通され、そのまま下室3bに落されて振分けが行われる。
下室3bには上記落下口17を通して落下する入賞球を受ける案内台21が直下にあり、この案内台21の前方に特定入賞口22を中央にしてその左右に普通入賞口23,23を配置している。
案内台21は、前方に向けて傾斜する床15aの上面にあってこの床15aの下に設置する図示しないモータによって正逆方向に回転するようにしてある。この案内台21の上面には前方に向けて傾斜し、且つ並行する2本の案内棒24,24が設けてあり、前記落下口17を通して落下する入賞球はこの2本の棒に受け取られ、案内台21の正逆回転による左右方向の振りによって前記特定入賞口22と普通入賞口23,23に振り分けられる。
尚、上記特定入賞口22は、所謂Vゾーンと称される継続入賞口となっており、入賞球がこの特定入賞口22に入賞したとき、遊技者にとって有利な再開放状態が得られるものとなる。また普通入賞口23に入賞した場合は単なる入賞球の飛入として1つのカウントが数えられ、これに応じた賞球が遊技者に払い出されることになる。
ところで、この実施例では隣接して設けられる可変表示装置2と役物入賞装置3とを遊技盤1に対する組付けを容易にするため、1つの構造体4として纏めてある。
この構造体4は、プラスチックを素材にして形成してあり、左方の矩形の枠部分25の背後から可変表示装置の画像表示部2を臨ませて一体に組付け、またこの枠部分25の右側部に前記した役物入賞装置3の上下の室3a,3bを一体に設けて役物入賞装置3と画像表示部2とが左右に並んで1つになるようにしてある。
この構造体4の形成に併せて打球の取込み通路9を形成し、更に枠部分25の上部に左下りの傾斜面26を有する庇27を設け、また上記通路9の形成に併せて扉12の支軸13を支持するようにしてある。
この構造体4は、遊技領域6の中段領域部分6bに開設する穴(図示せず)に遊技盤1の前面側から嵌め入れ、周縁部に形成する取付フランジ28を遊技盤の前面に当接し、ねじ穴29にビスを通すことで固定される。
この構造体4の装着によってその左方に形成される空間は、前記上段領域部分6aと前記下段領域部分6cとを繋ぎ、上段領域部分に打出される打球を落下誘導する通過領域30を形成し、この通過領域30に前記第1の始動入賞口14を設置することになる。
一方、前記下段領域部分6cにはその略中央部に第2始動入賞口31を、そして、その下方に大入賞口32を設けてある。
第2始動入賞口31は役物入賞装置3に打球を取入れるための始動入賞口であり、ここでは左右に開閉するチューリップ形入賞装置が使われている。図示しない表示装置の抽選の結果に応じて左右の翼片を開放し、打球の入賞が容易になる構造にしてある。
大入賞口32は前方に向けて開放する扉を備えた所謂アタッカーと称される入賞装置であり、前記第1始動入賞口14に打球が入賞し、これを原因に抽選が実行された結果大当りとなったとき開放し打球の受け入れを容易にすると共に、内部には特定入賞口を備え、開放時にこれに入賞球が飛入したとき閉じられる扉を再開放し、大当り状態を継続する構造にしてある。
下段領域部分6cには中段領域部分6bに形成される前記通過領域30を通して落下する打球を前記第2始動入賞口31に、そして大入賞口32に誘導するための釘列33が形成され、下端部にはアウト口34が形成される。
釘列33は打球の流れを作るもので、複数本の障害釘を傾斜に沿って植設し、釘の上を打球が渡り、始動入賞口31に向けて誘導できるように設けてある。尚、図示するように一列に形成する場合の外に、間隔を置いて2列に形成しても、また列の途中に任意の間隔を設けて渡れなかった打球が脱落する空間を作ってもよい。また下段領域部分6cには打球の流れに方向性を与えるため上述のように釘列を形成する外に、不規則な変化を与えるため複数本の障害釘を配置し、打球の流れから外れたものを戻したり、流れに乗ったものを外すようにしてもよい。
次に、本発明を使用の実際を通して更に説明することにする。
図示しない発射装置によって遊技領域6内部に打出された打球は、障害釘11によって進路を妨害されながら進路を適宜変更し、強く打出された打球はレール5の右内側に沿って形成される通過通路35を通してそのまゝ下段領域部分6cの右側に誘導され、アウト口34に至る。一方、適度に打出された大部分の打球は障害釘11に衝突しながら庇27の上面26に落下し、傾斜に誘導されて打球の通過領域30に案内される。
初期における本発明パチンコ遊技機は、打球の全てが上記の経路を通して通過領域30に誘導されることになる。
通過領域30には図示しないが、ここには障害釘等の障害物が適宜配置され、これらの間を抜けた打球は、この領域に設置する前記第1始動入賞口14に入賞するものを除いて全て下段領域部分6cに達し、釘列33等に導かれて第2始動入賞口31、大入賞口に臨むことになる。
この中で、打球が第1始動入賞口14に入賞すると、内蔵する検出スイッチがこの入賞球を検出し、図示しない遊技制御装置の大当り抽選回路を起動して抽選を実行することになる。同時にこの抽選の結果を可変表示装置に伝えて画像表示部2に演出を含んで適宜画像表示し、遊技者に結果を告知することになる。
遊技者は画像表示部2の作動により動画の動きに注目することになり、抽選の結果を見守ることになる。
この様な状況の中で大当り抽選が実行され、「大当り」となると、画像表示部2に大当り状態が予め定めた画像を介して表現され、同時に大入賞口32が予め定めた時間、或は所定数の入賞球数をカウントするまでその扉を前方に倒して入賞球の受け入れを開始することになる。
第1種パチンコ遊技機における画像表示部2の始動、そして大入賞口32の開放という大当り状態の発生の一方で、第2始動入賞口31に打球が入賞すると、遊技制御装置中に設置する第2の大当り回路が起動し、前記取込み扉12を短時間開放し、打球取込み通路9への打球の飛び込みを許すことになる。
上記取込み扉12の開放は、短時間であってこの間に入賞した球は役物入賞装置3の上室3aに入り、モータ18の回転する振分装置16を通して案内台21の案内棒24,24に乗り、その先端から特定入賞口22に球が入賞したとき、大当り状態となり所定時間、或いは一定個数入賞するまで前記取込み扉12を開放することになる。
この扉12の開放時に前記取込み通路9を通して上室3aに入った球は、床15上を転がり、回転する振分装置16の窓19を通して落下口17に達したところで、これを通過して2本の案内棒24,24上に落下し、また窓19を通過しなかった球は後部の落下口20から下室3bに落下する。
上記案内棒24,24は左右に振られるため、この上に落下した入賞球は案内棒の傾斜に誘導されて先端に向い、この先端から落下する時点で下に位置するいずれかの入賞口22,23に入ることになる。
そして、前述したように特定入賞口22に再び入賞球が入ると、一定数の入賞球を受け入れて閉じられることになる扉12を再開放することになり、この扉12を予め定めた回数、例えば10回の再開放を可能にする等一定の範囲で繰り返し反復させて大当りを実現することになる。
その一方、普通入賞口23に入賞した場合は、これをカウントして1回の扉の開放時の入賞球数の1つとし、全ての入賞球が普通入賞口23に入賞した場合は、前記継続の開放はなされないことになる。
尚、落下口17からの落下の際に案内棒24,24上に落下せず、床15a上に転落した入賞球は床15aの傾斜に沿って前方に転がり、この前縁部に開口する主として左右の普通入賞口23のいずれかに転入することになる。
以上、説明するように本発明パチンコ遊技機は、遊技領域6に打出された打球は、上段領域部分6aから下段領域部分6cまで落下し、このうち第1始動入賞口14に入賞したものは遊技制御装置による抽選を実行し、画像表示部2に抽選の結果を表示することになる。そして、大当りに際しては大入賞口32を開放することになる。
その一方、第2始動入賞口31に入賞したものは取込み扉12を開放して通路9を通して役物入賞装置3に入賞球を送り込み、特定入賞口22乃至普通入賞口23に誘導することになる。この間、振分装置16、案内台21を作動させて入賞球の振り分けを遊技者に視認させることになる。
この両装置の大当り状態は、全く個別に実行されることになるが、この両者は同時に実行される場合と、別個に実行される場合とがある。
そして、この両装置はそれぞれ独立していることに加えて、これらの装置に送られた打球は引続き打込まれる打球に対して全く影響を与えることがないことから、後続の打球が引続き同じ装置に向うことも、また他の装置に向うこともあり、この結果、一方の装置が大当り状態となっているとき、他の装置が同じく大当りになることもある。
例えば、第2始動入賞口30に打球が入賞して取込み扉12が開放し、役物入賞装置3が大当りを発生させたとき、打込まれる打球の全てが扉12を通して取込み通路9に入球するのではなく、障害釘11によって妨げられた一部の球は庇27の傾斜面26に受けられ、或は直接に通過領域30に達して次の大当りのため第1始動入賞口14、または第2始動入賞口31に向い、また大入賞口32に向うことが可能になっている。従って、役物入賞装置3において大当り状態になっているときでも、第1種に当る遊技制御装置の大当り抽選が行われることがあり、画像表示部2にその抽選の結果が表示され、大入賞口32の開放を可能にするのである。
この様に、本発明に係るパチンコ遊技機は、2種類の大当りが実現することから、遊技者は第1種及び第2種の遊技を同時に楽しむことができると同時に、この2種類の稼動状態を表示する画像表示部2と役物入賞装置3とが遊技領域6の中段領域部分6bにおいて隣接して並び1つの視界の中に入る構造となっていることから、両種の動きを視線を移動させることなく同時に視認することが可能であり、従って、遊技者は視線を一点に置いて監視し、遊技を楽しむことができるものとなる。
そして、本発明遊技機は、第1始動入賞口14を打球が集中する通過領域30に設置したのに対して、第2始動入賞口31を打球が分散する下段領域部分6cに設置したことからこれらに対する入賞割合に差を付けることが容易になっており、これによって比較的に第1種の可変表示装置2側を頻繁に作動させ、抽選を実行させることができるようになっている。
この入賞割合の差は、第1種装置の大当たり抽選の確率と、第2種装置のVゾーン入賞の確率の差に基づくもので、確率の低い第1種装置の始動入賞口、つまり第1始動入賞口14を打球の集中する通過領域30に設置することによって第2始動入賞口31とのバランスを図り、両装置の均衡した稼動を実現したのである。
そして、本実施例ではこれらの始動入賞口14、31を前記取込み扉12の設置位置より下流側に置くことによって、取込み口12が開放したとき打込まれた打球が優先的にこの取込み扉12に受けられて役物入賞装置3に送り込まれ、扉12の開放に伴う有利な状態が減少するのを止め、遊技者に安心して遊技が行えるようにしてある。
図3は、前記実施例1において第1始動入賞口14を通過領域30に設置したのに対して、この始動入賞口14を上段領域部分6aに設置した第2の実施例を示す遊技盤の概略正面図である。尚、この実施例において前記第1の実施例と同一の部所については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下、その他の実施例についても同様とする。
ここに示す第1始動入賞口14は、上段領域部分6aに開口する取込み口10の近傍に接近して設けてあると共に、この取込み口10に装備される取込み扉12の位置より下方に設置してある。これによってこの扉12が開放したとき、打球をこの扉が優先的に拾えるようにしてある。
この始動入賞口14の取込み扉12に対する接近は、扉の開放時にこの扉に向けて積極的に打込まれる打球を拾い易くするためであるが、両者間に多少の間隔を置いて設置してもここでは両者が上段領域部分6aに設置されることから取込み口10へ向けての打込みは第1始動入賞口14に対しても有効に作用することになる。
ところで、前述したように第1始動入賞口14は第1種の可変表示装置の始動入賞口であることから役物入賞装置3の取込み口10との接近は相互の間では無関係になるが、取込み口10が開放したときには必然的にこの取込み口に向けて打込みが集中することから接近位置に設置される可変表示装置の始動入賞口14にも打球が集まることになり、その結果、入賞確率も高くなることになる。つまり、この取込み口10と始動入賞口14との接近は役物入賞装置3における当り状態に併せて可変表示装置の起動を同時に達成させたいと望む遊技者の意欲に対応するもので、遊技に対する興趣を高める上で有効である。
図4は、本発明の第3の実施例を示す遊技盤の概略正面図である。この実施例は、前記実施例1において中段領域部分6bに配置された画像表示部2と役物入賞装置3の位置を左右入れ替えにして役物入賞装置3を左方に設ける通過領域30に隣接して設置した場合である。この実施例では打球誘導通路9を上方に延ばし、その取込み口10を上段領域部分6aに開口させると共に、この領域部分に取込み扉12を設置した例である。
ここでは、上記取込み口10を打球が集中する通過領域30の上方に位置させることによって取込み扉12の開放時の入賞が容易になっている。そして更に、上記通過領域30内に第1始動入賞口14を設置したことによってこの両者が接近することから前記実施例1に比較して第1始動入賞口14と取込み口10に対する打球の打込みを集中させることができ、またこの場合、この両者が中段領域部分の通過領域30にあることによって画像表示部2、役物入賞装置3に併せて容易に監視することができることになり遊技者の疲労を軽減することに役立つものとなる。
図5は、本発明の第4の実施例を示す遊技盤の概略正面図である。この実施例は、遊技領域6の左方に位置する通過領域30に隣接して設ける役物入賞装置3の側壁部分に取込み口10を開設し、これに取込み扉12を備えて開放時にはこの扉12を通過領域30に向けて突出す如く開放するようにした例である。この例は、前記実施例3に対して取込み口10の開口位置を変えたものであり、ここでは打球誘導通路9が省略される。そして、ここでは上記取込み扉12を避けて第1始動入賞口14を通過領域30内に設けてあり、この両者の接近によって前記実施例3において奏せられる効果と同じ効果が得られるものとなっている。
図6は、本発明の第5の実施例を示す遊技盤の概略正面図である。この実施例は下段流域部分6cに設置される第2始動入賞口31を複数個、ここでは3個の始動入賞口31と左右の始動入賞口31a,31aとした場合である。
この第2始動入賞口の数の増加は、入賞機会の分散化を図り遊技の変化性を高めるためのものであって、空間が広い下段領域部分6cの場合は個数と共に、その設置位置を選択して横一列に配置する場合の他、上下にずらして分散化を図るようにすることができる。
尚、ここでは第2始動入賞口31について説明しているが、この設置個数を増加することは第1始動入賞口14についても同様に実施することができる。つまり、設置個数は設置空間や入賞確率調整の観点等から設計者が自由に選択決定すればよく、必ずしも1個であることに限られない。
ところで、前記各実施例では第1始動入賞口14を上部に、第2始動入賞口31を下部に配置する関係の基で説明したが、第1始動入賞口14と第2始動入賞口31の配置位置を逆にしても本発明の実施を妨げるものではない。
つまり、上段領域部分6aに、或いは中段領域部分6bの通過領域30に役物入賞装置3の第2始動入賞口31を置き、下段領域部分6cに可変表示装置の第1始動入賞口14を設置しても本発明を実施することができる。
これらの配置位置の選択は、遊技仕様に合せて選択すればよく、前記実施例の形態に拘束されるものではない。ただこの場合各始動入賞口14,31は取込み口10の取込み扉12の下方、つまり下流側にあってこの扉の開放時に打球が優先的に取込み口10に誘導されるようにすることは前述した通りである。
本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の概略正面図。 可変表示装置の画像表示部と役物入賞装置とを一体に構成した構造体の一部欠截した斜視図。 本発明に係るパチンコ遊技機の第2の実施例を示す遊技盤の概略正面図。 本発明に係るパチンコ遊技機の第3の実施例を示す遊技盤の概略正面図。 本発明に係るパチンコ遊技機の第4の実施例を示す遊技盤の概略正面図。 本発明に係るパチンコ遊技機の第5の実施例を示す遊技盤の概略正面図である。
符号の説明
1 遊技盤
2 可変表示装置の画像表示部
3 役物入賞装置
4 構造体
6 遊技領域
6a 上段領域部分
6b 中段領域部分
6c 下段領域部分
9 打球誘導通路
10 役物入賞装置への打球の取込み口
11 障害釘
12 取込み扉
14 第1始動入賞口
16 振分装置
22 特定入賞口
23 普通入賞口
30 打球の通過領域
31 第2始動入賞口
32 大入賞口
a,b 遊技領域を上、中、下の3領域部分に区画設定する目安とした表示線

Claims (9)

  1. 遊技盤前面の遊技領域内部を上、中、下段の3領域部分に区分設定し、上段領域部分を打球の打込み空間とすると共に該空間内に打球の障害物を設置し、一方前記中段領域部分には可変表示装置の画像表示部と、入賞球の振分手段、特定入賞口、普通入賞口を内蔵する役物入賞装置と、前記上段領域部分に打込まれる打球を下段領域部分に落下誘導する打球の通過領域とを横並びに配置し、また前記上段領域部分若しくは前記通過領域のいずれかに前記役物入賞装置に打球を取込む取込み口を開設して該取込み口に開閉自由な取込み扉を設置する一方、該取込み扉の設置位置より下流域に前記可変表示装置を始動する第1始動入賞口と前記役物入賞装置の前記取込み口の取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置して前記第1始動入賞口に打球が入賞したとき前記可変表示装置を起動して前記画像表示部に抽選の結果を表示し、また第2始動入賞口に打球が入賞したとき前記打球取込み扉を開放して前記役物入賞装置への打球の取込みを可能にし、該役物入賞装置と前記可変表示装置とをそれぞれ独立した状態で前記遊技領域内に併設し、且つこれら両装置を個別に独立稼動するようにしてなることを特徴としたパチンコ遊技機。
  2. 請求項1に記載のパチンコ遊技機において、中段領域部分に可変表示装置の画像表示部と打球の通過領域と共に横並びに配置形成する役物入賞装置には打球の取込み口を上段領域部分に開設する打球誘導路を形成して上記取込み口に開閉自由な取込み扉を備え、前記上段領域部分から前記役物入賞装置に打球を取込むことを特徴としたパチンコ遊技機。
  3. 請求項1に記載のパチンコ遊技機において、中段領域部分に可変表示装置の画像表示部と打球の通過領域と共に横並びに配置形成する役物入賞装置は前記通過領域に隣接して設置し、該通過領域に接する側壁部分に打球の取込み口を開設し、該取込み口に備える取込み扉を通過領域に向けて開閉することを特徴としたパチンコ遊技機。
  4. 請求項3に記載のパチンコ遊技機において、取込み扉は開放時に通過領域を落下する打球の一部の通過が可能となる空間を残して開放することを特徴としたパチンコ遊技機。
  5. 請求項1乃至4に記載のパチンコ遊技機において、中段領域部分の打球通過領域に可変表示装置の第1始動入賞口を設置し、下段領域部分に役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置することを特徴としたパチンコ遊技機。
  6. 請求項1乃至4に記載のパチンコ遊技機において、中段領域部分の打球通過領域に役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口を設置し、下段領域部分に可変表示装置の第1始動入賞口を設置することを特徴としたパチンコ遊技機。
  7. 請求項1乃至4に記載のパチンコ遊技機において、中段領域部分の打球通過領域に可変表示装置の第1始動入賞口と役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口とを併設することを特徴としたパチンコ遊技機。
  8. 請求項1乃至4に記載のパチンコ遊技機において、下段領域部分に可変表示装置の第1始動入賞口と役物入賞装置の打球取込み扉を開放する第2始動入賞口とを併設することを特徴としたパチンコ遊技機。
  9. 請求項1乃至8に記載のパチンコ遊技機において、第1始動入賞口及び第2始動入賞口の一方若しくは双方は複数個であることを特徴としたパチンコ遊技機。
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