JP2008084655A - 高分子系有機el素子の発光層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキソ印刷法による高分子系有機EL素子の発光層の作成において、発光層の厚さの均一性を向上するため、マージナルゾーンの発生を防止する。
【解決手段】高分子系有機EL材料を含むインクの粘度をマージナルゾーンを発生しない低粘度とする。低粘度インクが濡れ広がることを防止するため、隔壁を各画素の周囲に設ける。フレキソ版の凸部のサイズを対応する画素部のサイズより小さくして、インクが隔壁を越えて溢れることがないようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディスプレイ、表示光源などに用いられる電気的発光素子である高分子系有機EL(エレクトロルミネッセント)素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、高分子系有機EL発光材料を使用し,発光層の形成方法として印刷法を使用した場合における膜厚の均一性を向上させる製造方法に関するものである。
近年、液晶ディスプレイに替わる自発光型ディスプレイとして、発光層に有機EL材料を使用した有機EL素子、およびカラー画像表示装置の開発が盛んに行われている。有機EL材料としては、低分子量系のものと、高分子量系のものがある。低分子量系のものは、画素内に層形成する方法がパターン真空蒸着法であるので、生産性が低いこと、大面積のものを作成することが難しいという難点がある。一方、高分子量系のものは、有機溶剤で溶解してインク化することができるので、発光層のパターン形成をフォトリソグラフィやインクジェット法やフレキソ印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法等の方法で形成することができるので、開発が進められている。
現在、高分子系有機EL材料として知られているポリフェニレンビニレン(PVP)等のπ共役ポリマー系の化合物はいずれも溶解性が低いので、インク化するには芳香族炭化水素系の溶剤を使用する必要がある。インクジェット法においては、ノズル詰まりを防止するため比較的沸点の高い溶剤を使用する必要があり、また低粘度ほど噴射特性が良好になるので、インク中の該有機EL材料の含有量を数重量%、好ましくは1重量%程度にする必要があった。そのため、所定の膜厚にするためには、多量のインクを供給する必要があった。対策として各画素を隔壁(バンク)で囲み、その中へインクを供給、塗布、充填する方法が開示されている。(特許文献1、2)。
供給すべきインクの量が非常に多いので、隔壁を必要以上に高くしたり、隔壁の上面を撥インク性としたり、インク供給を1回でなく2回以上に分け、インクが乾燥してから次の充填を行っている。例えば、特許文献1では、隔壁の高さを2000nmとし、乾燥厚さ50nm〜70nmの発光層を形成している。インクの濃度は約1重量%なので、必要なインク供給量は厚さにして5000〜7000nmである。従って、隔壁全体や隔壁の上面をフッ素プラズマ処理して撥インク性として、インクが隔壁の高さ以上供給されたとしても、溢れださないようにしているが、1回で供給することは難しい。例えば一回に3000nmの厚さのインクを供給したとしても、少なくとも2〜3回供給する必要がある。そして、一度インクを供給した後は、インクの溶剤が揮発して、インクの体積が減少してから、次回のインク供給を行う必要がある。特許文献1にはインクを多数回供給すること、およびインクを供給した後、乾燥させることが開示されている。
多数回塗布することによって、発光層の平坦性が向上するという好ましい結果も得られる。しかし、隔壁の高さが高いため、発光層との間に、かなりの段差が発生し、それらの上に形成する陰極層をかなり厚くしないと、断線が発生してしまうという問題点があった。特許文献1の場合、段差は約2000nmである。もちろん、隔壁の高さを実際に必要な100nm程度にすると、上記の断線の問題は容易に回避することができるようになるが、インクの供給が数十回必要であるという、実際的には好ましくない状況になる。
一方、フレキソ印刷法(特許文献3、4)、グラビア印刷法(特許文献5)、オフセット印刷法(特許文献6)などの印刷法では、インクはインクジェット法ほど低粘度である必要はないので、インク中の高分子系有機EL材料の濃度を飽和濃度近くまで、例えば1
0〜15重量%程度にまで高くすることができる。
なかでも、フレキソ印刷法が注目されている。フレキソ印刷法では、アニロックスロールと呼ばれる定量性の高いインキングロールにインクを供給して、そのインクをフレキソ版と呼ばれる多少柔軟な樹脂製の凸版に転写し、さらに被印刷体であるガラス基板へ転写する。厚さ1000nm以下薄膜を通常の画像表示装置の画素サイズ(50〜400μm)に対して、位置精度が十分で、インクの定量性が高い印刷を行うことができる。また、多少柔軟な凸版であるので基板を傷つけることがないことが、高分子系有機EL素子の発光層を形成する場合に好都合である。
しかし、フレキソ印刷においては発光層の厚さが画素周辺で厚くなってしまうという、凸版印刷に特有なマージナルゾーンの発生の問題があった。すなわち、凸版印刷において、インクの粘度が低い場合、塗布したインクは被印刷物、本発明の場合は正孔輸送層、の上で広がってしまい、所定の形状を得ることができないので、塗布した後に広がらない程度の粘度のインクを使用する必要がある。すると、凸部で押された凸部上のインクは、凸部の外に多少広がり、その状態で転写される。結果として、インクの厚さは凸部の周辺が厚くなる。発光層の厚さは発光輝度に直接関係するので、厚さが均一であることが必要であり、厚さムラは少なくとも10%以下、好ましくは5%以下であることが必要であるが、この範囲を超えてしまうという問題があった。
以下に先行技術文献を示す。
特開2001−291583号公報 特開2002−305077号公報 特開2004−322329号公報 特開2005−059348号公報 特開2005−305674号公報 特開2006−019157号公報
高分子系有機EL素子の発光層をフレキソ印刷法で形成する場合におけるマージナルゾーンの発生による発光層の厚さの不均一性を解消する方法を提供することである。
フレキソ印刷法であれば隔壁がある場合でも、画素部にインクを供給(塗布)することが可能であり、またフレキソ印刷におけるマージナルゾーン発生によるインク厚さのムラの問題は、低粘度のインクを使用し、画素の周囲に隔壁を設けることにより解消できること、さらにインクの濃度をインクジェット法のインクよりかなり高くすることができるので、隔壁の高さはインクジェット法に比較して低くすることができ、隔壁と発光層の間の段差による陰極の断線発生の問題を軽減することができることに着目し、検討を進め、本願発明に到った。
請求項1の発明は、フレキソ印刷法で高分子系有機EL素子の各画素の発光層を形成する方法であって、該画素を隔壁で囲んだ構造とし、フレキソ版として各凸部のサイズが対応する画素のサイズより小さく、かつ各凸部の面積が対応する画素の面積の0.3倍から0.8倍である版を用いて、該画素内に所定の高分子系有機EL材料を含む粘度が20℃において40mPa・s以下のインク組成物を塗布して該発光層を形成することを特徴とする高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項2の発明は、該隔壁の高さを、各画素部の発光層の表面以上から該表面+500
nmまでの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項3の発明は、各画素に対応するフレキソ版の凸部の面積が、該画素の面積の0.5〜0.7倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項4の発明は、該インクの供給量を、隔壁をこえてインクが溢流しないように調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項5の発明は、該インクの供給を2回以上とし、前回塗布した該インク組成物を乾燥させた後に、次回のインク塗布を行うことにより、発光層の平坦性を高めることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項6の発明は、n回目(nは2以上の整数)に塗布する該インク中の高分子系有機EL材料の濃度が、n−1回目の濃度と等しいか、もしくは低いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項7の発明は、該インク中の高分子系有機EL材料の濃度が0.05から3.0重量%であり、該インクの25℃における粘度が1から40mPa・sであり、表面張力が20から40mN/mであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法である。
請求項1の発明により、フレキソ印刷におけるマージナルゾーン発生によるインク厚さのムラの問題は、画素部内にぬれ広がる低粘度(40mPa・s以下)のインクを使用し、ぬれ広がりを画素の周囲に隔壁を設け制限することによって、解消できた。なお、フレキソ版の凸部の面積を対応する画素部の面積の0.8倍以下にすることによって、フレキソ版の凸部が対応する画素部と接した時の凸部側面に押し出されるインクの溜まり場所を設け、隔壁を越えて溢れてしまうことがないようにすることができた。また、上記の凸部の面積が対応する画素部の面積の0.3倍以下では、必要量のインクを塗布するための回数が、実用的な範囲を超えてしまう。
請求項2の発明により、隔壁と発光層の間の段差が少なくなり、陰極の断線対策が容易な段差範囲に納めることができる。
請求項3の発明により、より実用的な塗布回数で発光層を形成することができる。また、請求項4については、後に記す。
請求項5の発明により、発光層の厚さムラを減少することができる。なお、画素部へ複数回インクを塗布することが、インクジェット法に比較して高濃度の高分子系有機ELインクを使用することができるので、インクジェット法より塗布供給回数を減らすことができる。また、請求項6および請求項7の発明により、発光層の厚さムラをより少なくすることができる。なお、インクと隔壁の間の接触角によっても、厚さムラが発生するが、適度なインク物性を求めた結果を請求項7に記した。
画素の周囲を隔壁で囲み、その画素内にインクを充填、塗布して有機高分子系発光材料
の層を形成した場合の高分子系有機EL素子の製造順を構造図1に基づいて説明する。
図1において、透光性基板1の上に開口径が画素サイズであり高さ2μmが程度(IJの場合、隔壁が高いことが必要、印刷の場合、の隔壁(BM兼用)04を形成し、厚さ200nm程度の透明導電膜の陽極02を形成し、その上に厚さ50〜100nm程度の正孔注入/輸送層03を形成し、さらに厚さ100nm程度の発光層(高分子系発光材料)を形成し、最後に厚さ100〜200nm程度の金属陰極を形成する。
発光層05は厚さが発光輝度に関係するので、一画素内においても、また各画素間においても均一であることが必要である。また、隔壁との間の段差が大きいと、陰極の導電性を確保することが難しくなるので、段差は通常0.5μm以下にすることが好ましい。
請求項1に係わるフレキソ印刷法は、通常のフレキソ印刷法であってよい。さらに好ましいものとしては、フレキソ版としては、特許文献3に記載されているところの、金型を用いてフッ素化ポリエーテル樹脂を表面として耐溶剤性が高くしたものがある。印刷機としては例えば液晶ディスプレイの配向膜の印刷に使用されるフレキソ印刷機が好ましく使用できる。
フレキソ版の凸部のサイズを印刷すべき画素部のサイズより小さくすることは、当然必要である。一方、該凸部の面積を印刷すべき画素部の0.8倍以下にすることは、塗布したインクが隔壁を越えて溢れないようにするためであり、必ずしも必要でなく、0.9倍であってもよいが、実際的には0.8倍以下が好ましい。なお、通常のフレキソ印刷版においては、凸部の位置精度、および凸部の形状は、製品仕様に適合したものにする必要があるが、本発明では、隔壁で規定されている場所内にインクを塗布することができればよいので、その分、精度が低くてもよい。
発光層の形成に使用されるインクは、基本的に、π共役ポリマー系の化合物等の高分子系有機EL材料を、有機溶剤に溶解したものである。上記高分子系有機EL材料としては、特に限定されるものではなく、例えばクマリン系,ペリレン系,ピラン系,アンスロン系,ポリフィレン系,キナクリドン系,N,N'−ジアルキル置換キナクリドン系,ナフタルイミド系,N,N'-ジアリール置換ピロロピロール系,インジウム錯体系等の公知の材料が挙げられる。
上記溶剤は、上記の高分子系有機EL材料を十分に溶解または安定に分散させ得るものであればよく、具体的にはキシレン、トルエン等の一般的な芳香族炭化水素系の溶剤やスチレン、メチルメタクリレート、ビニルカルバゾール等の溶剤がある。インクの表面張力、粘度を調整するためには溶剤を1種類でなく、数種類混合してもよい。さらに粘度を調整するために貧溶媒を添加してもよい。
該インクにおける高分子系有機EL発光材料の含有割合は、特に限定されるものではなく、インクの表面張力、粘度、該材料の溶解度に応じて、適宜設定することができる。一般にこれら高分子系有機EL材料の溶解度はかなり低いので、インク中の濃度すなわち含有割合(固形分含量)は、通常15重量%、好ましくは10重量%以下に設定される。なお、該インクをフレキソ版に載せた後に、溶剤をある程度蒸発させて、体積を減少させてから、画素部へ塗布する方法をとることができる。この場合、版上のインクの固形分含量は20重量%程度まで、高くすることができる。しかし、固形分含量が上がると、粘度も上昇しマージナルゾーンが発生しやすくなる。本発明では粘度の低いインクを使用することができるので、10重量%以下の固形分含量のインクを使用することができる。さらには、マージナルゾーンが発生した場合でも、またインクの乾燥が早くて厚さむらが発生した場合でも、より後の回のインク塗布において濃度が低い低粘度のインクを使用することによって、乾燥したインクを再溶解させて、厚さむらを減少させることができる。その際
には、揮発の遅い溶剤を使用したインクや、さらには揮発の遅い溶剤のみを塗布することによって、厚さの均一性をさらに向上することができる。
基板01、陽極02、正孔輸送・注入層03、陰極06の材質および形成方法については、本発明において特に限定されるものではない。従って、それらの材質、形成方法については、常法に従って適宜選択すればよい。
請求項2に係わる隔壁の形成方法は例えば、感光性ポリイミド樹脂を使用して、フォトリソグラフィによって形成する方法がある。この場合、隔壁の上面を撥インク性にするには、フッ素樹脂系の撥インク剤を塗布したり、転写したりする方法がある。さらに、隔壁上面を撥インク性にする他の方法として、インクジェット法によるカラーフィルタの形成において使用される上面撥インク性隔壁を作成する方法を使用することができる。すなわち、カラーフィルタのブラックストライプに使用される感光性黒色塗料に撥インク剤を添加する方法がある。この方法は、黒色塗料を使用することによって、隔壁がブラックマトリクスの作用も有するので、好ましい。なお、上記の感光性ポリイミド樹脂やインクジェット方式カラーフィルタに使用される隔壁は、本発明に使用する上記組成のインクに対して親インク性である。
隔壁の厚さは、図1において示されているように、隔壁と発光層の段差がゼロであることが好ましく、従って正孔注入・輸送層と発光層の厚さの合計であることが理想的である。しかし、インクの塗布回数が多くなってしまうので、該厚さの合計より500nm高い範囲の間で、必要な塗布回数と陰極の断線対策の難易度を比較して好ましい値を設定する。ただし、隔壁の高さが4000nmであっても、フレキソ版であれば画素部にインクを塗布することができる。
インクの塗布回数を減らすため、隔壁の上表面を撥インク性とすることによって、隔壁の高さ以上にインクを塗布することができる。この場合、インクは隔壁の上面角部から凸レンズ状に盛り上がった形状になる。盛り上げることができる程度は、隔壁の上表面の撥インク性の強さによって異なるが、隔壁の高さの2倍程度が限度である。また、インクの濃度をフレキソ版上で高くしても20%程度が限度である。従って、塗布回数を現実的な回数すなわち5回程度以下に抑えるためには、隔壁の高さは少なくとも、正孔注入・輸送層と発光層の厚さの合計より50nm程度は高くすることが必要である。
請求項3に係わるフレキソ版の凸部の面積が対応する画素部の面積の0.5倍から0.7倍であることが好ましい理由は、隔壁の高さをできるだけ理想値に近づけることと、塗布回数を実用的な範囲、すなわち5回以内に抑えることができる範囲であるからである。すなわち、図2に示したフレキソ版の凸部08に付着したインク07が、基板01に接触して基板上に広がると共に、版の側面にも盛り上がった状態で広がるが、隔壁と版凸部の間に隙間があるので、ある範囲内であれば隔壁から溢れてしまうことはない。実際に凸部へ載せることができるインクの厚さは最大数μm程度である。塗布時の凸部下のインクの厚さは、インクの粘度や、凸部にかかる圧力、によって異なるが、通常1μm程度であるので、凸部以外に溢れるインク量は2〜10割程度になる。従って、隔壁からあふれ出ないようにするためには、面積の割合が0.8倍以下であることが好ましい。隔壁の上面を撥インク性とした場合には、上記のようにインクが隔壁の上面よりある程度高くなってもよいが、上記面積比は0.5倍〜0.7倍程度が安全限度である。
請求項4に係わる画素部へのインク塗布量の調整は、通常のフレキソ印刷法における方法と同じく、凹部の深さ、面積密度が異なるアニロックスロールを使用して、フレキソ版の凸部に供給するインクの量を調整することによって行う。
請求項5、6に係わる画素内の発光層の平坦性を高める方法の効果については、シミレーションによって検討した。その結果、該インク中の高分子系有機EL材料の濃度が0.05から3.0重量%であり、該インクの25℃における粘度が1から40mPa・sであり、表面張力が20から40mN/mであるインクを使用することによって、良好な平坦性が得られることを確認した。すなわち、図2において、画素部内に最初塗布されたインクは、一度は画素内へ均一な厚さで広がるが、溶剤が蒸発して乾燥すると、隔壁が親インク性である場合には、その形状は図2の05−1に示したように、隔壁に接した部分が厚く、中央付近が薄い形状凹レンズ形状になる。
一方、隔壁の側面が撥インク性である場合には、中央部が厚く、隔壁の側面に接する部分が薄い凸レンズ形状になる。この凸レンズ形状は、隔壁側面に接する付近ではインクが入らない部分が発生して、気泡が残留しやすく、好ましい形状でない。シミレーションは、隔壁側面が親インク性であって、乾燥後のインクの形状が凹レンズ形状になる場合について、繰り返してインクを塗布した場合について行った。
<シミレーションによる繰り返し塗布の発光層の平坦性とインク物性の関係の検討>
解析ソフトはFluent inc.社製のFluent Release 6.2.16を使用した。このソフトは、流動体関係の数値計算用に開発されたものであり、流動体の表面形状をシミレート(数値計算)するのに、よく使用され、実際のテスト結果との一致性が高いことに定評があるものである。
数値計算に必要なデータは、寸法、液体の密度、表面張力、粘度、液量、圧力、隔壁側面における接触角、1層目と2層目の接触角、境界条件等である。また、乾燥を考慮する場合には蒸気圧、拡散係数、濃度、乾燥速度、物質移動係数等の数値が必要である。これらの数値を各種物性表や経験値、実験値より求め、フレキソ印刷法により,発光層を印刷したときの数値計算を、各種の場合を想定して行った。
計算に使用した物性値の例を以下に示す。
隔壁側面に対する液体の接触角:30度
密度:1.0g/cm3
表面張力:20dyne/cm
粘度:0.1 poise
シミレーションの結果、以下のことが判明した。(1)発光層を2回以上塗布する場合、インクの濃度はn(n=2、3、4…・)回目の濃度と同じにするか、低くすることが好ましい。(2)25℃におけるインクの好ましい物性値は以下の通りである。濃度は0.05から4.0重量%、粘度は1〜40mPa・s、表面張力は20から40mN/m、密度は0.5〜1.5g/cm3。(3)接触角は隔壁等の材質により、同じインクでも異なる場合があるので、隔壁側面に表面処理等を施し調整する。隔壁の断面形状は、台形、長方形、正方形、三角形、半円等や2層以上に重ねたものでもよい。
図3に、画素幅を70μmと設定し、1層目のインク濃度(高分子系有機EL材料の含有量)を3.0重量%、塗布厚を3μmとし、2層目のインク濃度を2.0重量%、塗布厚を3μmとしたときの、2次元の数値計算例を示した。この計算結果により、2層目は1層目のメニスカス内に塗布され2層目の表面は,平坦に近い形状となった。
有機EL素子断面の概略説明図である。 フレキソ印刷法による画素部分へのインク塗布の説明図である。 発光層2層目を形成したときの断面形状のシミレーション結果図である。
符号の説明
01 透光性基板
02 陽極
03 正孔注入輸送層
04 隔壁
04−1 隔壁側面表面
05 発光層
05−1 発光層1層目
05−2 発光層2層目
06 陰極
07 高分子系有機ELインク
08 フレキソ版の凸部

Claims (7)

  1. フレキソ印刷法で高分子系有機EL素子の各画素の発光層を形成する方法であって、該画素を隔壁で囲んだ構造とし、フレキソ版として各凸部のサイズが対応する画素のサイズより小さく、かつ各凸部の面積が対応する画素の面積の0.3倍から0.8倍である版を用いて、該画素内に所定の高分子系有機EL材料を含む粘度が20℃において40mPa・s以下のインク組成物を塗布して該発光層を形成することを特徴とする高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  2. 該隔壁の高さを、各画素部の発光層の表面以上から該表面+500nmまでの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  3. 該各画素に対応するフレキソ版の凸部の面積が、該画素の面積の0.5〜0.7倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  4. 該インクの供給量を、隔壁をこえてインクが溢流しないように調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  5. 該インクの供給を2回以上とし、前回塗布した該インク組成物を乾燥させた後に、次回のインク塗布を行うことにより、発光層の平坦性を高めることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  6. n回目(nは2より大きな整数)に塗布する該インク中の高分子系有機EL材料の濃度が、n−1回目の濃度と等しいか、もしくは低いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
  7. 該インク中の高分子系有機EL材料の濃度が0.05から3.0重量%であり、該インクの25℃における粘度が1から40mPa・sであり、表面張力が20から40mN/mであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の高分子系有機EL素子の発光層の形成方法。
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