JP2008084609A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非発電時における不必要な燃料消費等を抑制するために、燃料収容部から膜電極接合体への燃料の供給を制御することが可能な燃料電池を提供すること。
【解決手段】燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置された燃料収容部とを有する燃料電池であって、前記膜電極接合体と前記燃料収容部との間には、前記燃料収容部から前記膜電極接合体への燃料の供給を遮断する燃料遮断機構部が設けられているもの。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池に係り、特に燃料収容部から膜電極接合体への燃料の供給を遮断することが可能な燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することができるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料タンク等の燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。これらのうち、パッシブ方式はDMFCの小型化に対して特に有利である。
内部気化型等のパッシブ型DMFCとして、例えば樹脂製の箱状容器からなる燃料収容部上に、燃料極、電解質膜および空気極からなる膜電極接合体等が配置された構造のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2005/112172号パンフレット(例えば、図1参照。)
ところで、上記したようなパッシブ型DMFC等については、非発電時においても燃料が消費されることがある。すなわち、発電時においては、燃料極のアノード触媒層での酸化反応によって燃料が消費されるが、非発電時においては、燃料極のアノード触媒層で燃料が消費される代わりに、このアノード触媒層および電解質膜を透過した燃料が空気極のカソード触媒層での酸化反応によって消費される。また、空気極のカソード触媒層に達したものの酸化反応によって消費されなかった燃料については、そのまま外部へと放出される。このため、上記したようなパッシブ型DMFC等については、非発電時においても燃料が消費、放出されて減少するため、この燃料の消費、放出を抑制することが求められている。
本発明は、上記したような課題を解決するためになされたものであって、非発電時における不必要な燃料の消費、放出等を抑制することが可能な燃料遮断機構部が設けられた燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池は、燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置された燃料収容部とを有する燃料電池であって、前記膜電極接合体と前記燃料収容部との間には、前記燃料収容部から前記膜電極接合体への燃料の供給を遮断する燃料遮断機構部が設けられていることを特徴とする。
前記燃料遮断機構部は、例えば、一方の主面における開孔部の孔径が他方の主面における開孔部の孔径よりも小径な貫通孔を有する保持板と、前記貫通孔内に主として配置され、前記小径な開孔部の孔径よりも直径の大きな球状部材と、前記保持板の前記小径な開孔部側に配置され、前記小径な開口部に対向する位置に凹部または貫通孔が形成されたスライド板と、前記保持板の大径な開孔部側に配置された弾性板とを有するものである。
前記燃料遮断機構部における前記弾性板は気液分離膜であることが好ましい。また、前記燃料遮断機構部は複数設けられていることが好ましく、前記複数の燃料遮断機構部は平面方向にマトリックス状に配置されていることが好ましい。これは、膜を弾性板として使用することにより、バネ等の弾性体を使用する必要がなく、燃料遮断機構を設けた本発明においても、燃料電池を薄く構成することが可能となる。
本発明によれば、燃料電池における膜電極接合体と燃料収容部との間に燃料の供給を遮断する燃料遮断機構部を設けることで、燃料収容部から膜電極接合体への燃料の供給を制御することが可能となる。このため、例えば非発電時に燃料収容部から膜電極接合体への燃料の供給を遮断することで、非発電時における非必要な燃料の消費、放出を抑制することが可能となる。
以下、本発明の燃料電池について、パッシブ型DMFCを例に挙げて説明する。図1は、本発明に係るパッシブ型DMFC1の断面構造の一例を示す断面図である。
図1に示すように、このパッシブ型DMFC1は内部気化方式を適用したものであり、起電部を構成する燃料電池セルとも呼ばれる膜電極接合体2と、この膜電極接合体2に液体燃料(メタノール燃料等)Fを供給する燃料収容部3と、これら膜電極接合体2と燃料収容部3との間に設けられ、液体燃料Fの供給を遮断する燃料遮断機構部4とから主として構成されている。
本発明では、膜電極接合体2と燃料収容部3との間に液体燃料Fの供給を遮断する燃料遮断機構部4を設けることで、燃料収容部3から膜電極接合体2への液体燃料Fの供給を制御することが可能となる。このため、例えば非発電時に、燃料収容部3から膜電極接合体2への液体燃料Fの供給を遮断することで、非発電時における液体燃料Fの不必要な消費、放出を抑制することができる。
ここで、上記したような内部気化方式を適用したパッシブ型DMFC1については、実際には燃料収容部3の液体燃料Fが気化してできた気化成分が膜電極接合体2に供給されるため、燃料遮断機構部4によって遮断されるものは、厳密にはこの液体燃料Fの気化成分である。なお、液体燃料Fの気化成分には、例えば液体燃料Fが純メタノールである場合にはメタノールの気化成分が含まれ、また例えば液体燃料Fがメタノール水溶液である場合にはメタノールの気化成分の他に水の気化成分も含まれる。
図2は、図1に示す燃料遮断機構部4を拡大して示したものである。燃料遮断機構部4は、例えば貫通孔20aを有する保持板20と、この保持板20の貫通孔20a内に主として配置された球状部材21と、この保持板20の両主面のそれぞれの主面上に配置されたスライド板22および弾性板23とからなるものである。
ここで、保持板20の貫通孔20aは、一方の主面側における開孔部20eの孔径Deが他方の主面側の開孔部20fの孔径Dfよりも小径とされており、大径な開孔部20f側から小径な開孔部20e側へと向かって徐々に孔径が小さくなるように形成されている。
また、球状部材21はその直径Dが小径な開孔部20eの孔径Deよりも大径なものとされ(D>De)、またこの球状部材21の直径Dは保持板20の厚さTよりも大きいものとされている(D>T)。これら保持板20および球状部材21は液体燃料Fの気化成分を透過させない材料からなるものである。
さらに、スライド板22は保持板20の両主面のうち小径な開孔部20eが形成された側に配置されており、弾性板23は保持板20の他方の主面である大径な開孔部20fが形成された側に配置されている。この弾性板23は液体燃料Fの気化成分を透過させる材料からなるものである。
このような燃料遮断機構部4においては、以下のようにして液体燃料Fの気化成分の遮断が行われる。すなわち、球状部材21の直径Dは保持板20の厚さTよりも大きいものとされているため(D>T)、球状部材21は弾性体23によって小径な開孔部20e側へと押し付けられる。そして、球状部材21の直径Dは小径な開孔部20eの孔径Deよりも大きいものとされているため(D>De)、球状部材21は貫通孔20aの貫通方向のいずれかの位置で内壁に接触して制止する。このように球状部材21が貫通孔20aの内壁に接触して制止することで、貫通孔20aは球状部材21によって塞がれる。また、保持板20および球状部材21はそれぞれ液体燃料Fの気化成分を透過させない材料からなるため、それ自体の内部を液体燃料Fの気化成分が透過することもない。このため、燃料収容部3から弾性板23を透過してきた液体燃料Fの気化成分は、保持板20と球状部材21とによって遮断される。
また、スライド板22のうち、小径な開孔部20eに対向する部分には凹部22aが形成されているため、小径な開孔部20eから球状部材21の一部が突出していても、球状部材21がスライド板22によって貫通孔20a内に押し戻されることもない。このため、貫通孔20aは球状部材21によって完全に塞がれたままとなる。なお、上記したような理由から、スライド板22の凹部22aの深さは、小径な開孔部20eから球状部材21が突出した部分の高さと同じかそれ以上とされる。
一方、燃料収容部3から膜電極接合体2へ液体燃料Fの気化成分を供給する場合には、図3に示すようにスライド板22を水平方向に移動させる。スライド板22を水平方向に移動させることで、その凹部22aの内壁に沿って球状部材21が貫通孔20aの内部へと押し下げられ、貫通孔20aの内壁と球状部材21との間には隙間が形成される。このため、弾性板23を透過してきた液体燃料Fの気化成分は、この貫通孔20aの内壁と球状部材21との間の隙間から、スライド板22側へと透過する。
この貫通孔20a内を通過した液体燃料Fの気化成分は、スライド板22が多孔質なものであればその空隙を透過して膜電極接合体2へと達する。スライド板22自体が液体燃料Fの気化成分を透過しにくいものである場合、例えば図4に示すように、図2、3に示されるような凹部22aに替えて貫通孔22bを設けることで、この貫通孔22bを通して液体燃料Fの気化成分を透過させることができる。また、例えば図5に示すように、図2、3に示されるような凹部22aとは別に貫通孔22cを設けることで、この貫通孔22cを通して液体燃料Fの気化成分を透過させることもできる。
再度、燃料収容部3から膜電極接合体2への液体燃料Fの気化成分の供給を遮断する場合には、図2に示されるように、スライド板22を元の方向に水平移動させる。このようにすることで、小径な開孔部20eに対向する位置に凹部22aが位置することとなり、それまで球状部材21を押さえつけていたものがなくなるため、球状部材21は弾性板23の弾性力によって小径な開孔部20e側へと押し返される。そして、球状部材21は貫通孔20aの貫通方向のいずれかの位置で内壁に接触して制止する。このように球状部材21が貫通孔20aの内壁に接触して制止することで、再び貫通孔20aは球状部材21によって塞がれる。
上記した燃料遮断機構部4では、膜電極接合体2側にスライド板22側が配置され、燃料収容部3側に弾性板23側が配置されたものとしたが、燃料遮断機構部4はその両主面の位置関係が逆に配置されていてもよい。すなわち、図7に示すように、膜電極接合体2側に弾性板23側が配置され、燃料収容部3側にスライド板22側が配置されていてもよい。このようなものについては、液体燃料Fの気化成分の透過方向がスライド板22側から弾性板23側へと変わるだけであり、液体燃料Fの気化成分を遮断する効果については何ら変わるものではない。
また、上記した燃料遮断機構部4では、例えば図2等に示されるように、貫通孔20aの内壁の断面形状が大径な開孔部20f側から小径な開孔部20e側へと向かって直線上となる例を示したが、貫通孔20aの内壁の断面形状は例えば内側あるいは外側に膨らむような曲線状であってもよく、少なくとも大径な開孔部20f側から小径な開孔部20e側へと向かって孔径が減少するものであればよい。さらに、スライド板22の水平方向の移動は手動により行われるものであってもよいし、図示しないが各種装置を利用して機械的に行われるものであってもよい。
また、必ずしも限定されるものではないが、燃料遮断機構部4を有効に動作させ、液体燃料Fの気化成分を確実に遮断する観点から、保持板20の厚さTは0.3mm以上1.5mm以下が好ましく、その小径な開孔部20eの孔径Deは0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。一方、スライド板22の厚さは0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましく、弾性板23の厚さは0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましい。また、球状部材21の直径Dについては、上記したような保持板20の厚さTおよび小径な開孔部20eの孔径De等を考慮して、適宜決定することが好ましい。
燃料遮断機構部4の具体例を挙げるとすれば、例えば保持板20の厚さTが0.4mmであり、その貫通孔20の小径な開孔部20eの孔径Deが0.4mm、大径な開孔部20fの孔径Dfが0.8mmであり、球状部材21の直径Dが0.6mmであり、スライド板22の厚さが0.3mmであり、その凹部22aの深さが0.2mmであり、弾性板23の厚さが0.4mmであるものである。なお、燃料遮断機構部4はこのようなものに限定されるものではないことはいうまでもない。
弾性板23としては、液体燃料(メタノール燃料等)Fの気化成分を通過させることができ、かつ、弾性体であれば特に制限されるものではなく、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂を用いることができる。
このような弾性板23としては、従来のパッシブ型DMFCにおいて燃料収容部3内で気化した液体燃料Fの気化成分のみを透過させ、液体成分は透過させないようにするために用いられている気液分離膜を用いることが好ましい。このような気液分離膜は、例えば上記したようなポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂からなるものであり、弾性体でもあるため弾性板23として好適に用いることができる。また、このような気液分離膜を用いることで、従来のパッシブ型DMFCの構造を大きく変えることなく燃料遮断機構部4を設けることができると共に、燃料遮断機構部4と別に気液分離膜を設ける場合に比べて全体の厚さを抑制することができる。
保持板20および球状部材21については、液体燃料Fの気化成分を透過させない材料からなる必要があり、かつ、液体燃料Fがメタノール燃料である場合には耐メタノール性等が要求される。保持板20および球状部材21を構成する材料としてはこのような条件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、樹脂材料、金属材料、セラミックス材料板等、特に制限されるものではない。樹脂材料としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等が挙げられる。
スライド板22については、液体燃料Fの気化成分を透過させるものであってもそうでないものであってもよいが、液体燃料Fの気化成分を透過させないものの場合には例えば図4、5に示されるような貫通孔22b、22cを設ける必要がある。また、スライド板22についても、液体燃料Fがメタノール燃料である場合には耐メタノール性等が要求される。スライド板22を構成する材料としてはこのような条件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、樹脂材料、金属材料、セラミックス材料板等、特に制限されるものではない。樹脂材料としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等が挙げられる。
このような燃料遮断機構部4は複数設けられていることが好ましい。図6は保持板20における貫通孔20a(小径な開孔部20e)の配置例を示したものであるが、このように保持板20として複数の貫通孔20aがマトリックス状に設けられたものを用い、図示しないがその各貫通孔20a内に球状部材21を配置し、さらに保持板20の一方の主面の全体を覆うようにスライド板22を配置し、他方の主面の全体を覆うように弾性板23を配置することにより、複数の燃料遮断機構部4をマトリックス状に設けることが好ましい。このようにすることで、平面方向の略全体に渡って均等に液体燃料Fの気化成分の供給・遮断を行うことができる。
次に、燃料遮断機構部4以外の部分について説明する。図2に示されるように、膜電極接合体2は、アノード触媒層5とアノードガス拡散層6とを有するアノード(燃料極)と、カソード触媒層7とカソードガス拡散層8とを有するカソード(空気極/酸化剤極)と、アノード触媒層5とカソード触媒層7とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜9とを有している。
アノード触媒層5およびカソード触媒層7に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層5にはメタノールや一酸化炭素に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層7には白金やPt−Ni等を用いることが好ましい。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜9を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜9はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層5に積層されるアノードガス拡散層6は、アノード触媒層5に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層5の集電体も兼ねている。一方、カソード触媒層7に積層されるカソードガス拡散層8は、カソード触媒層7に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層7の集電体も兼ねている。
アノードガス拡散層6にはアノード導電層10が積層され、カソードガス拡散層8にはカソード導電層11が積層されている。これら導電層10、11は、例えば金のような導電性金属材料からなるメッシュ、多孔質膜、薄膜等で構成される。なお、電解質膜9とアノード導電層10およびカソード導電層11との間には、それぞれゴム製のOリング12、13が介在されており、これらによって膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
上述した膜電極接合体2のアノード(燃料極)側には、燃料遮断機構部4を介して燃料収容部3が配置されている。燃料収容部3は、例えば膜電極接合体2と同一矩形の平面形状を有している。燃料収容部3は膜電極接合体2のアノードと対向する面に開口部3aが設けられた形状を有している。すなわち、燃料収容部3は上面全面が開口された箱状容器で構成されている。このような燃料収容部3の内部には、液体燃料Fとしてメタノール燃料等が収容されている。
メタノール燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等が用いられる。なお、液体燃料Fは必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部3には膜電極接合体2に対応した液体燃料Fが収容される。
燃料収容部3には、例えば樹脂製容器が用いられる。燃料収容部3は液体燃料Fの残量を外部から目視することが可能なように、透明樹脂で構成することが好ましい。なお、燃料収容部3は全体を透明樹脂で形成してもよいし、その一部を透明樹脂で形成してもよい。燃料収容部3を構成する透明樹脂は、耐メタノール性等を有していることが好ましい。
上記した透明樹脂としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリフェニルサルホン等が挙げられる。ただし、一般的なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂等で構成した燃料収容部3を除外するものではない。
膜電極接合体2のカソード導電層11上には保湿層15が積層されており、さらにその上には表面層16が積層されている。表面層16は酸化剤である空気の取入れ量を調整する機能を有し、複数の空気導入口17が設けられている。表面層16による空気の取入れ量は空気導入口17の個数や大きさ等で調整される。
保湿層15はカソード触媒層7で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制する役割を果たすと共に、カソードガス拡散層8に酸化剤を均一に導入することで、カソード触媒層7への酸化剤の均一拡散を促進する機能を有している。保湿層15は例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としてはポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体等が挙げられる。
次に、上記したようなパッシブ型DMFC1の発電動作について説明する。まず、燃料収容部3内のメタノール等の液体燃料Fが気化し、この気化成分が燃料遮断機構部4を透過して膜電極接合体2に供給される。このように燃料遮断機構部4に液体燃料Fの気化成分を透過させる場合、図3に示されるように、保持板20の小径な開孔部20eに対してスライド板22の凹部22aが若干ずれた位置となるようにする。このようにすることで、貫通孔20aの内壁と球状部材21との間に隙間を形成することができ、弾性板23を透過してきた液体燃料Fの気化成分をこの貫通孔20aの内壁と球状部材21との間の隙間からスライド板22側へと透過させることができる。
膜電極接合体2内において、液体燃料Fの気化成分はアノードガス拡散層6で拡散されてアノード触媒層5に供給される。アノード触媒層5に供給された気化成分は、下記の(1)式に示したメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
なお、メタノール燃料Fとして純メタノールを使用した場合には、燃料収容部3から水蒸気が供給されないため、カソード触媒層7で生成した水や電解質膜9中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起するか、あるいは上記した(1)式の内部改質反応によらず、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。内部改質反応で生成されたプロトン(H)は電解質膜9を伝導し、カソード触媒層7に到達する。
一方、表面層16の空気導入口17からは空気(酸化剤)が導入され、この空気は保湿層15、カソード導電層11およびカソードガス拡散層8を通過し、カソード触媒層7へと供給される。カソード触媒層7に供給された空気は、次の(2)式に示した反応を生じさせる。この反応によって、水の生成を伴う発電反応が生じる。
(3/2)O+6H+6e → 3HO …(2)
なお、液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が収容される。
次に、パッシブ型DMFC1の製造方法について説明する。まず、燃料遮断機構部4の製造について説明する。気液分離膜を兼ねる弾性板23は、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂を矩形状に整形して製造する。保持板20は、例えば図6に示されるように、樹脂板等の所定の位置に貫通孔20aを形成することにより製造する。なお、この貫通孔20aは一方の端部が小径な開孔部20eとされ、他方の端部が大径な開孔部20fとされ、大径な開孔部20fから小径な開孔部20eへと向かうにつれて、徐々に孔径が小さくなるように形成される。貫通孔20aの形成方法は特に限定されるものではなく、公知の形成方法を適用することができる。
スライド板22は、樹脂板等を用い、例えば図6に示されるような保持板20の貫通孔20aに対向する位置に凹部22aを形成することにより製造する。この凹部22aの形成方法についても特に限定されるものではなく、公知の形成方法を適用することができる。
そして、製造された保持板20の各貫通孔20aに大径な開孔部20fから所定の大きさの球状部材21を挿入すると共に、保持板20の大径な開孔部20fが形成された側の全体を覆うようにして弾性板23を配置する。一方、保持板20の小径な開孔部20eが形成された側には、この小径な開孔部20eに凹部22aが対向するようにスライド板22を配置する。このように各部材を配置することで、燃料遮断機構部4を容易に製造することができる。なお、保持板20と弾性板23とは接合されていることが好ましいが、保持板20とスライド板22とは、液体燃料Fの気化成分の供給、遮断を制御ために摺動させることが必要であることから完全に接合せず、摺動可能な程度に押圧されて密着していることが好ましい。
一方、燃料遮断機構部4を除く他の部材、すなわち膜電極接合体2、燃料収容部3、保湿層15、表面層16は、この種のパッシブ型DMFCに一般に用いられるものを特に制限なく用いることができる。そして、図1に示されるように、燃料収容部3上に、燃料遮断機構部4、膜電極接合体2、保湿層15、表面層16を順に配置することで、パッシブ型DMFC1を製造することができる。
以上、パッシブ型DMFC1の製造について、図1に示されるような膜電極接合体2側に燃料遮断機構部4のスライド板22側が配置され、燃料収容部3側に燃料遮断機構部4の弾性板23側が配置されたものを例に挙げて説明したが、例えば図7に示されるように燃料遮断機構部4の両主面の位置関係が逆に配置されたものについても、図1に示されるようなものと同様の燃料遮断機構部4を用い、その両主面の位置関係を逆に配置することで容易に製造することができる。また、上記実施の形態では内部気化方式を適用したパッシブ型DMFCを例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこのような内部気化方式を適用したパッシブ型DMFCに限定されるものではなく、燃料収容部から膜電極接合体へと燃料が供給される構造のものであれば特に限定されることなく適用することが可能である。
本発明の燃料電池の一例を示す断面図。 燃料遮断機構部の遮断時の状態を示す断面図。 燃料遮断機構部の非遮断時の状態を示す断面図。 燃料遮断機構部の他の例を示す断面図。 燃料遮断機構部の他の例を示す断面図。 保持板における貫通孔の配置状態を示す平面図。 本発明の燃料電池の他の例を示す断面図。
符号の説明
1…燃料電池(パッシブ型DMFC)、2…膜電極接合体、3…燃料収容部、4…燃料遮断機構部、5…アノード触媒層、6…アノードガス拡散層、7…カソード触媒層、8…カソードガス拡散層、9…電解質膜、10…アノード導電層、11…カソード導電層、12、13…リング、15…保湿層、16…表面層、17…空気導入口、20…保持板(20a…貫通孔、20e…小径な開孔部、20f…大径な開孔部)、21…球状部材、22…スライド板(22a…凹部、22b…貫通孔、22c…貫通孔)、23…弾性板、D…球状部材の直径、De…小径な開孔部の孔径、Df…大径な開孔部の孔径、F…液体燃料、T…保持板の厚さ

Claims (4)

  1. 燃料極と空気極とによって電解質膜が挟持されてなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置された燃料収容部とを有する燃料電池であって、
    前記膜電極接合体と前記燃料収容部との間には、前記燃料収容部から前記膜電極接合体への燃料の供給を遮断する燃料遮断機構部が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料遮断機構部は、一方の主面における開孔部の孔径が他方の主面における開孔部の孔径よりも小径な貫通孔を有する保持板と、前記貫通孔内に主として配置され、前記小径な開孔部の孔径よりも直径の大きな球状部材と、前記保持板の前記小径な開孔部側に配置され、前記小径な開口部に対向する位置に凹部または貫通孔が形成されたスライド板と、前記保持板の大径な開孔部側に配置された弾性板とを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記燃料遮断機構部における前記弾性板は気液分離膜であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記燃料遮断機構部が複数設けられ、前記複数の燃料遮断機構部は平面方向にマトリックス状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池。
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