JP2008084565A - 走査型電子顕微鏡及びその測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプル画像の良否を定量的に表すことができ、測定精度を向上することができるSEM及びその測定方法を提供する。
【解決手段】SEM1において、パターン領域及びその周囲の背景領域を有するサンプル画像4を入力する画像入力部31と、画像入力部31に入力されたサンプル画像4の画質の良否を判定する画像評価値を算出する演算処理部35と、演算処理部35において算出された画像評価値に基づきサンプル画像4の画質の良否を判定する画像解析部37と、画像解析部37においてサンプル画像4の良否が判定された結果を表示する結果表示部38とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査型電子顕微鏡(以下、単に「SEM(scanning electron microscope)」という。)及びその測定方法に関し、特に測定精度を定量的に把握し維持することができるSEM及びその測定精度を定量的に把握し維持するための測定方法に関する。
近年のLSI(large scale integration)の微細化の進展により、半導体ウェハ表面に製造されるLSIパターンやその製造に使用され原版となるフォトマスクのLSIパターンを測定し或いは観察する手法として、主に測長SEMが利用されている。パターン寸法が年々小さくなるに従い、測長SEMに要求される測定精度は厳しくなる傾向にある。例えば、次期45nm世代のCMOSの設計ルール(DRAM(dynamic random access memory)ハーフピッチ65nm)においては、3σで0.7nm以下の測定精度が要求されている。
測長SEMにおいては、電子銃から照射された電子線が収束レンズ(コンデンサレンズ)によって収束され、この電子線はアパーチャーを通って半導体ウェハ上やフォトマスクのパターン上の被測定体に照射される。電子線の照射によって被測定体から二次電子が放出され、この二次電子はディテクターにより捉えられ、このディテクターにおいて二次電子を電気信号に変換することにより二次元画像を取得することができる。この二次元画像の情報を利用して被測定体のパターンの寸法等を測定することができる。
この種の測長SEMの安定な測定精度を確保するためには、日常的な管理や保守点検が必要不可欠である。特に、電子線の収束を制御する収束レンズ、アパーチャー、非点補正、オートフォーカス等のパラメータを正しく調整し、良好な画質のパターン画像を安定的に取得する必要がある。
ユーザにおけるSEMの測定精度を調整する方法として、金等の金属粒子を高倍率において観察し、その観察画像の良し悪しを目視により定性的に判断する方法が知られている。なお、SEMの測定精度の調整方法は下記特許文献1に記載されている。
特開2005−265424号公報
しかしながら、従来のSEMの測定方法においては、以下の点について配慮がなされていなかった。すなわち、金属粒子の観察画像を目視により観察し良否を判断する方法は、以前に比べてどのくらい良くなった又は悪くなったのかを定量的(数値的)に表すことができない。また、観察するユーザが異なれば、ユーザの主観によって観察画像の良否にばらつきが生じ、同様に観察画像の良否を定量的に表すことができない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、サンプル画像の良否を定量的に表すことができ、測定精度を向上することができるSEM及びその測定方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、SEMにおいて、パターン領域及びその周囲の背景領域を有するサンプル画像を入力する画像入力部と、画像入力部に入力されたサンプル画像の画質の良否を判定する画質評価値を算出する演算処理部と、演算処理部において算出された画質評価値に基づきサンプル画像の画質の良否を判定する画像解析部と、画像解析部においてサンプル画像の良否が判定された結果を表示する結果表示部とを備える。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、SEMの測定方法において、パターン領域及びその周囲の背景領域を有するサンプル画像を入力する工程と、この入力されたサンプル画像の画質の良否を判定する画質評価値を算出する工程と、この算出された画質評価値に基づきサンプル画像の画質の良否を判定する工程と、サンプル画像の判定された良否の結果を表示する工程とを備える。
本発明によれば、サンプル画像の良否を定量的に表すことができ、測定精度を向上することができるSEM及びその測定方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[走査型電子顕微鏡のシステム構成]
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るSEM1は顕微鏡ユニット2及び測定制御ユニット3を備えている。
顕微鏡ユニット2は、中空円筒形状を有する筐体20により構成され、筐体20内の最上部に配設され電子線EBを照射する電子銃21と、電子線EBを収束させる電子レンズ系22と、電子線EBを走査させる走査ユニット23と、電子レンズ系22により収束され走査ユニット23により走査された電子線EBを照射する被測定体4を載置し筐体20の最下部に配設された載置部24と、被測定体4に照射される電子線EBにより発生した二次電子を画像情報として入力する検出器311とを備えている。電子レンズ系22は、電子銃21と載置部24との間に配設され、電子銃21から載置部24に向かって、収束レンズ221、222、対物レンズ223、対物レンズ絞り224のそれぞれを順次配列し構成されている。収束レンズ221及び222はコンデンサレンズである。走査ユニット23は、収束レンズ222と対物レンズ223との間に配設された走査コイル231と、この走査コイル231に供給する電流を制御し電子線EBを走査させる走査回路232とを備えている。
また、顕微鏡ユニット2はその筐体20の最下部において排気ポンプ25に連接されている。この排気ポンプ25は、筐体20内において電子線EBを発生させるための真空環境を生成する。
被測定体4は、実際の観察や測定の場合、例えば素子パターン、配線パターン等のパターンを有するLSI、素子パターン或いは配線パターン等のパターンを有するフォトマスク(レチクル)等である。本実施の形態に係るSEM1においては、実際の観察や測定前に測定精度を調整(補正又は評価)することが可能であり、この測定精度の調整の場合、被測定体4にはサンプル画像を得るための試料が使用される。以下の説明においては、被測定体4に基づき得られるサンプル画像に便宜的に符号「4」を付して説明する。このサンプル画像4を得るための試料には、例えば金(Au)等の金属粒子を含む試料を実用的に使用することができる。サンプル画像4は、例えば金属粒子の輪郭形状を示すパターン領域(41:図4参照。)と、このパターン領域以外の周囲の背景領域(42:図4参照。)とを有する。
測定制御ユニット3は、パターン領域及び背景領域を有するサンプル画像4を入力する画像入力部31と、画像入力部31に入力されたサンプル画像4上に存在するノイズを除去する画像処理部32と、画像処理部32においてノイズが除去されたサンプル画像4の画質の良否を判定する画質評価値を算出する演算処理部35と、演算処理部35において算出された画質評価値に基づきサンプル画像4の良否を判定する画像解析部37と、画像解析部37においてサンプル画像4の良否が判定された結果を表示する結果表示部38とを備えている。更に、測定制御ユニット3は、画像入力部31において入力された画像情報を表示する画像表示部33と、画像処理部32において画像処理された画像情報を格納する画像情報保存部34と、演算処理部35において演算された数値情報及び画像解析部37において演算された数値情報を格納する数値情報保存部36とを備えている。画像表示部33には例えばモニターを実用的に使用することができる。画像入力部37は、前述の二次電子を検出する検出部311と、この検出部311において検出された二次電子から電気信号に変換された画像情報を増幅する増幅回路312とを備えている。
本実施の形態において、演算処理部35は、画像処理部32において画像処理された画像情報からパターン領域の面積や背景領域の面積を算出し、又判別分析処理において画質評価値の計算を少なくとも行う。演算処理部35において算出された結果は数値情報保存部36に格納される。画像解析部37は、数値情報保存部36に格納された数値情報を解析し、画質の定量化処理や画像の良否の判定処理等を行う。結果表示部38は、例えばプリンタやモニターであり、画像解析部37から出力される結果をプリンタの場合には書面により、モニターの場合には表示により出力する。
なお、本実施の形態において、SEM1は、顕微鏡ユニット2に測定制御ユニット3を内臓することにより構築してもよいし、顕微鏡ユニット2に測定制御ユニット3を外付けすることにより構築してもよい。
[走査型電子顕微鏡の測定方法]
次に、前述の図1に示すSEM1の測定方法、特に実際の測定の前段階において実施される測定精度の調整方法(補正方法)を、図2を使用して説明する。
まず最初に、SEM1の測定精度を調整するためのサンプル画像4がSEM1の画像入力部31に入力される(ステップS1。以下、「ステップ」を省略し、符号のみを示す。)。サンプル画像には金属粒子の輪郭形状を示すパターン領域及びその周囲の背景領域を有する金属粒子観察画像を実用的に使用することができる。この金属粒子観察画像は通常256階調のビットマップ形式を有する画像情報である。
次に、画像処理部32において、入力されたサンプル画像にノイズ除去処理を行い、画像の平滑処理等を実施して、入力されたサンプル画像上に存在するノイズを除去する(S2)。引き続き、画像処理部32において、サンプル画像を均等サイズを有する複数の微小サンプル画像として分割する(S3)。第1の実施の形態において、サンプル画像は、16分割、すなわち16個の微小サンプル画像に分割される(図5参照)。なお、本発明は、サンプル画像の分割数を制限するものではない。
分割されたそれぞれの微小サンプル画像は、図3に詳細に示す分割領域の選択ルーチン(S4)において測定精度の調整に使用する(評価対象の)微小サンプル画像と、使用しない(非評価対象の)微小サンプル画像とに選別される。選別された測定精度の調整に使用される微小サンプル画像は画質の良し悪しを判断する画質評価値を生成する情報として使用する。この選択ルーチン(S4)の説明は後に詳述する。
次に、画像解析部37において、画像の定量化処理を行い(S5)、測定精度の調整に使用する微小サンプル画像の画質評価値を平均化し、演算処理部35において、サンプル画像全体における画質評価値を算出する。更に、画像解析部37において、これらの処理によって得られた画質評価値がある基準値をクリアしているか否かを判定処理によって判定する(S6)。ここで、基準値とは、閾値であり、SEM1の立ち上げ時や測定精度の調整作業直後の安定した状態において撮影したサンプル画像(例えば、金属粒子観察画像)から得られる画質評価値や、経験的にSEM1の測定安定性が損なわれると予想される画質評価値等を意味する。
画像解析部37において判定処理の結果が「良好(OK)」である場合はその旨を結果表示部38に出力し、結果表示部38においては「画質評価値」を表示するとともに、合格処理を実施する(S7)。すなわち、この後、特に測定精度の調整(補正)を行ないでも十分な測定精度を確保した状態において、SEM1を稼働し、LSI、フォトマスク等の被測定体4のパターンの観察や測定を実施する。
一方、画像解析部37において判定処理の結果が「不良(NG)」である場合はその旨を結果出力部38に出力し、結果出力部38においては「画質評価値」を表示するとともに、SEM1の測定精度の調整を催促する「メッセージ」を表示し、不合格処理を実施する(S8)。すなわち、この後、測定精度の調整を行い(S9)、十分な測定精度に調整した状態において、SEM1を稼働し、LSI、フォトマスク等の被測定体4のパターンの観察や測定を実施する(S10)。測定精度の調整が困難な場合にはSEM1の補修を実施する。また、測定精度の調整を行った後、図2に示すフローチャートのステップS1からステップS6までの処理を再度実行してもよい。
引き続き、図2のフローチャートに示す、分割領域の選択ルーチン(S4)について、図3を使用して説明する。ここで、微小サンプル画像はサンプル画像をN(N=1、2、3、…)分割したものであり、以下の分割領域の選択ルーチンは、分割された1つの微小サンプル画像(i=0)から順次開始され、分割されたすべての微小サンプル画像まで終了した時点(i=N)において終了する。
まず最初に、演算処理部35において、画像解析部37の判定処理に使用される基準値つまり閾値を算出する(S41)。閾値の算出方法としては、単純法、モード法、Pタイル法等を実用的に使用することができる。単純法は、画像中にある濃度値の最大と濃度値の最小との間の平均値を閾値とする方法である。モード法は、パターンを有する画像のヒストグラム中にはパターン領域と背景領域とを表す2つの山(モード)が存在し、濃度分布が双方形になることを前提に2つの山を分離する谷となる値を閾値とする方法である。また、Pタイル法は、パターンを有する画像の中のパターン領域の占める割合が予めP%であると分かっている場合に、ヒストグラムから累積分布がP%になるような値を閾値とする方法である。本実施の形態においては、単純法又はモード法を使用し、閾値が算出される。
引き続き、演算処理部35において、既に算出された閾値を使用し、微小サンプル画像をパターン領域と背景領域とに分離する二値化処理を行う(S42)。ここでは、サンプル画像として金属粒子画像を使用しているので、パターン領域は金属粒子の輪郭形状であり、背景領域は金属粒子以外の周囲の領域である。この二値化処理により、パターン領域が「白(濃度値255)」に変換され、背景領域が「黒(濃度値0)」に変換される。
次に、微小サンプル画像のパターン領域の面積と背景領域の面積とを算出するために、面積算出処理を実施する(S43)。パターン領域の面積は、二値化処理が実施された微小サンプル画像において濃度値が「255」のピクセル数を算出することにより求められる。また。背景領域の面積は、微小サンプル画像の全体のピクセル数からパターン領域の算出されたピクセル数を減算することにより求められる。
次に、演算処理部35において、複数に分割された微小サンプル画像を画質評価値の算出に使用するか否かを判断する選択判定処理を実施する(S44)。選択判定処理においては、パターン領域の面積と背景領域の面積との比率が予め設定された閾値以内にあるか否かを調べる。微小サンプル画像の画質を評価するためには、パターン領域が均一に分布し、パターン領域の面積と背景領域の面積との面積比が「1」に近い、一定の面積比を有する微小サンプル画像を抽出する。1つの微小サンプル画像にパターン領域が背景領域に比べて極端に多く凝集している場合、1つの微小サンプル画像に背景領域しか存在しない場合においては、画質評価値の算出を正確に実施することができないので、このような微小サンプル画像は画質評価値の算出の対象から除外する。なお、この選択判定処理の閾値となる面積比は画質評価値の算出の度合いに応じて適宜変更してもよい。
選択判定処理において微小サンプル画像の画質評価値の算出を正確に実施することができない場合(NG)には、次の分割された微小サンプル画像について前述のステップS41からステップS44までの処理を繰り返し実行する。選択判定処理において微小サンプル画像の画質評価値の算出を正確に実施することができる場合(OK)には、判別分析処理を実施し(S45)、画質評価値を取得することができる(S46)。判別分析処理は画像解析部37において実施される。
ここで、判別分析処理について詳細に説明する。パターン領域と背景領域との両方を含む微小サンプル画像の濃度ヒストグラムは2つの山の部分(クラス)からなる。パターン領域と背景領域とを分離することは、濃度ヒストグラムの2つの山「A」と「B」とを分離することに等しい。2つの濃度ヒストグラムの山「A」と「B」との分離度が最も適切な閾値「k」を求める。これは、濃度ヒストグラムの山「A」の平均値「a」及び濃度ヒストグラムの山「B」の平均値「b」と閾値「k」との間の分散を最大にする閾値「k」の値を求めればよい。ここで、判別分析処理は、画像の濃度値のヒストグラムにおいて、濃度値の集合を閾値「k」により2つの山「A」及び「B」に分割した(「k」以上と「k」未満において分割した)と仮定したとき、2つの山「A」と「B」との間の分離が最も良くなる閾値「k」を決める手法に基づいている。本実施の形態に係る判別分析処理においては、2つの山「A」及び「B」の平均値の分散(クラス間分散)と、画像全体の分散との比を最大にするという基準により閾値「k」が決定されている。
分割された複数の微小サンプル画像がそれぞれ1、2、…、Lレベルの濃度値を有する場合、まず閾値を「k」とし、この閾値「k」よりも大きな濃度値を有する微小サンプル画像と、閾値「k」以下の濃度値を有する微小サンプル画像との2つのグループに分ける。この2つのグループはそれぞれ「クラス1」及び「クラス2」とする。ここで、濃度値のレベルi の画素数をni 、全画素数をNとすると、クラス間分散σB 2(k)は次式(1)により表される。
また、画像全体における分散σT 2 は次式(2)により表される。
上式(1)及び上式(2)に基づき、クラス間分散σB 2(k)を画像全体における分散により正規化した評価基準値ηを次式(3)の通り求めることができる。
ここで、評価基準値ηは、「0」以上「1」以下(0≦η≦1)の範囲内の値を持ち、「1」に近いほどクラス1とクラス2との間の分離度が高い、又は濃度ヒストグラムの双方性が高いことを示す有効な評価尺度である。つまり、最適な閾値「k」を求めるには、この閾値「k」を変化させて評価基準値「η」を最大にする閾値「k」の値を見出せばよい。本実施の形態においては、評価基準値「η」の最大値を画質評価値と定義しているので、この評価基準値「η」を算出することによって画質評価値は求められる(S46)。
SEM1の測定精度の調整が正常に行われている状態においては、サンプル画像のコントラストが大きく、サンプル画像上のノイズ成分が少なく、パターン領域の輪郭(エッジ)が明瞭になる。この状態のサンプル画像の濃度ヒストグラムは、パターン領域と背景領域との境界が明確に分離されており、双方形をなしている。一方、測定精度の調整が正常に行われていない状態においては、サンプル画像のコントラストが小さく、サンプル画像上のノイズ成分が多く、パターン領域の輪郭が不明瞭である。この状態のサンプル画像の濃度ヒストグラムは、パターン領域と背景領域とが重なり分離されておらず、双方形に崩れを生じている。すなわち、ここでの判別分析処理において、SEM1の測定精度の調整が良好な場合にはサンプル画像の画質評価値はより「1」に近い大きな値になり、逆に測定精度の調整が不良の場合にはサンプル画像の画質評価値は「0」に近い小さな値になる。
分割領域の選択ルーチン(S4)においては、上記ステップS41からステップS45までの処理を分割された微小サンプル画像についてすべて実行し、選択対象となった微小サンプル画像の画質評価値を取得する。
[実施例]
次に、前述の一実施の形態に係るSEM1の測定方法の具体的な実施例を説明する。SEM1において測定したサンプル画像4を図4に示す。図4に示すサンプル画像4は、金属粒子画像であり、200k倍の倍率において観察した画像である。このサンプル画像4において、サイズがランダムの粒状の輪郭を有し白い色の部分がパターン領域41つまり金属粒子の画像であり、パターン領域41の周囲の黒い色の部分が背景領域42である。
前述の図2に示すように、このようなサンプル画像4を入力し(S1)、サンプル画像4上のノイズを除去する(S2)。この後、図5に便宜的に分割数字を付けて示すように、サンプル画像4を複数の微小サンプル画像4a、4b、4c、…、4pに分割する(S3)。この実施例において、サンプル画像4は、縦4分割、横4分割の合計16分割に分割される。
前述の図3に示すように、微小サンプル画像4a〜4pに二値化処理を行い(S42)、引き続き微小サンプル画像4a〜4pのそれぞれの面積比(背景領域の面積/パターン領域の面積)を算出する(S43)。この面積比が予め算出された閾値(S41)に基づき選別され、一定の面積に到達しない微小サンプル画像は画質評価値の算出の対象から除外される。本実施例において、面積比が0.5〜2.0の範囲内になる微小サンプル画像は画質評価値の算出の対象として選別され、この範囲外の微小サンプル画像は画質評価値の算出の対象外として除外される。
次に、画質評価値の算出の対象となった微小サンプル画像4a〜4p(微小サンプル画像4mは対象外)において、判別分析処理を行い(S45)、画質評価値を算出する(S46)。図6に、サンプル画像4の分割された微小サンプル画像4a〜4pの分割番号1〜16と、それぞれ微小サンプル画像4a〜4pの面積比と、それぞれの微小サンプル画像4a〜4pの画質評価値とを示す。図5に示すサンプル画像4において、分割番号13番目の微小サンプル画像4mは、面積比が「2.134」であり、画質評価値の算出の対象から除外される。この除外された微小サンプル画像4mを除き、すべての微小サンプル画像4a〜4l及び4n〜4pの画質評価値を平均化することにより、分割前のサンプル画像4の画質評価値「0.793」を取得することができる。
図7はSEM1の測定精度の調整が不十分のときに観察されるサンプル画像4である。同様の測定方法の手順に従って、画像分割処理(S3)、面積比算出処理(S43)、判別分析処理(S45)の各処理を実行した。図8に、サンプル画像4の分割された微小サンプル画像4a〜4pの分割番号1〜16と、それぞれ微小サンプル画像4a〜4pの面積比と、それぞれの微小サンプル画像4a〜4pの画質評価値とを示す。図7に示すサンプル画像4においては、前述の図4に示すサンプル画像4に比べるとコントラストが少し低めであり、パターン領域41の輪郭が少しボケている。画質評価値は「0.777」であり、図4に示すサンプル画像4の画質評価値に比べて画質評価値が低くなる。
図9はSEM1の測定精度の調整が不良のときに観察されるサンプル画像4である。同様の測定方法の手順に従って、画像分割処理(S3)、面積比算出処理(S43)、判別分析処理(S45)の各処理を実行した。図10に、サンプル画像4の分割された微小サンプル画像4a〜4pの分割番号1〜16と、それぞれ微小サンプル画像4a〜4pの面積比と、それぞれの微小サンプル画像4a〜4pの画質評価値とを示す。図9に示すサンプル画像4においては、縦軸方向のボケが大きく、前述の図4に示すサンプル画像4に比べると更にコントラストが低めであり、パターン領域41と背景領域42との間の境界が曖昧になっている。画質評価値の算出の対象外の微小サンプル画像が半分近く存在した。画質評価値は「0.724」であり、サンプル画像4の画質の悪さが露呈した結果となった。
以上説明したように、本発明の一実施の形態に係るSEM1及びその測定方法においては、顕微鏡ユニット2に少なくとも画像入力部31、演算処理部35、画像解析部37及び結果表示部38を有する測定制御ユニット3を備え、サンプル画像4から画像評価値を生成し(S46)、この画質評価値に基づき測定精度を調整するようにしたので、サンプル画像4の良否を定量的に表すことができ、測定精度を向上することができる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、測定ユニット3の演算処理部35、画像解析部37、結果表示部38等の処理はソフトウエアに基づく場合に限らず、ハードウエアにより実現してもよい。
本発明の一実施の形態に係るSEMのシステム構成図である。 図1に示すSEMの測定方法を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートのサブルーチンを説明するフローチャートである。 図1に示すSEMにおいて使用されるサンプル画像の写真である。 図4に示すサンプル画像に分割番号を付けた写真である。 図5に示すサンプル画像において分割番号、面積比及び画質評価値を掲載した表である。 図1に示すSEMにおいて測定精度の調整が不十分な場合のサンプル画像の写真である。 図7に示すサンプル画像において分割番号、面積比及び画質評価値を掲載した表である。 図1に示すSEMにおいて測定精度の調整が不良の場合のサンプル画像の写真である。 図9に示すサンプル画像において分割番号、面積比及び画質評価値を掲載した表である。
符号の説明
1 SEM
2 顕微鏡ユニット
21 電子銃
22 電子レンズ系
221、222 収束レンズ
223 対物レンズ
224 対物レンズ絞り
23 走査ユニット
231 走査コイル
232 走査回路
24 載置部
25 排気ポンプ
3 測定制御ユニット
31 画像入力部
311 検出部
312 映像増幅器
32 画像処理部
33 画像表示部
34 画像情報保存部
35 演算処理部
36 数値情報保持部
37 画像解析部
38 結果表示部
4 サンプル画像又は被測定体
41 パターン領域
42 背景領域
4a〜4p 微小サンプル画像

Claims (8)

  1. パターン領域及びその周囲の背景領域を有するサンプル画像を入力する画像入力部と、
    前記画像入力部に入力された前記サンプル画像の画質の良否を判定する画質評価値を算出する演算処理部と、
    前記演算処理部において算出された画質評価値に基づき前記サンプル画像の良否を判定する画像解析部と、
    前記画像解析部において前記サンプル画像の良否が判定された結果を表示する結果表示部と、
    を備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  2. 電子線を照射する電子銃と、
    前記電子線を収束させる電子レンズ系と、
    前記電子線を走査させる走査ユニットと、
    前記電子レンズ系により収束され、前記走査ユニットにより走査された電子線を照射する被測定体を載置する載置部と、
    前記被測定体に照射される電子線により発生した二次電子を画像情報として入力する前記画像入力部と、
    前記画像入力部において入力された画像情報を表示する画像表示部と、
    を更に備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  3. 前記演算処理部は、前記サンプル画像の濃度ヒストグラムから前記パターン領域と前記背景領域との間の分離度を算出し、前記画像解析部は、算出された前記分離度を前記画質評価値として使用し、前記サンプル画像の良否を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡。
  4. 前記演算処理部は、前記サンプル画像を複数の微小サンプル画像に分割し、この微小サンプル画像の前記パターン領域と前記背景領域とを分離し2値化する閾値を算出し、この閾値を使用して前記微小サンプル画像の前記パターン領域と前記背景領域とを分離し2値化し、この2値化された前記微小サンプル画像の前記パターン領域の面積と前記背景領域の面積との比率を算出し、前記パターン領域の面積と前記背景領域の面積との比率が一定の前記微小サンプル画像を抽出し、この抽出された微小サンプル画像に基づき前記画質評価値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡。
  5. パターン領域及びその周囲の背景領域を有するサンプル画像を入力する工程と、
    この入力された前記サンプル画像の画質の良否を判定する画質評価値を算出する工程と、
    前記画質評価値に基づき前記サンプル画像の画質の良否を判定する工程と、
    前記サンプル画像の判定された良否の結果を表示する工程と、
    を備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡の測定方法。
  6. 表示された前記サンプル画像の良否結果に基づき、前記走査型電子顕微鏡の測定精度を一定値に調整する工程と、
    この測定精度が調整された前記走査型電子顕微鏡を使用して、被測定体を測定する工程と、
    を更に備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡の測定方法。
  7. 前記画像評価値を算出する工程は、前記サンプル画像の濃度ヒストグラムから前記パターン領域と前記背景領域との間の分離度を算出する工程であり、前記サンプル画像の良否を判定する工程は、算出された前記分離度を画質評価値として使用し、前記サンプル画像画質の良否を判定する工程であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の走査型電子顕微鏡の測定方法。
  8. 前記画質評価値を算出する工程は、前記サンプル画像を複数の微小サンプル画像に分割する工程と、前記微小サンプル画像において前記パターン領域と前記背景領域とを分離し2値化する閾値を算出する工程と、前記微小サンプル画像において前記閾値を使用して前記パターン領域と前記背景領域とを分離し2値化する工程と、前記微小サンプル画像において2値化された前記パターン領域の面積と前記背景領域の面積との比率を算出する工程と、前記パターン領域の面積と前記背景領域の面積との比率が一定値の前記微小サンプル画像を抽出する工程と、この抽出された微小サンプル画像に基づき前記画質評価値を算出する工程と、を更に備えたことを特徴とする請求項5乃至請求項7に記載の走査型電子顕微鏡の測定方法。
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