JP2008083175A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、液晶プロジェクタによって投写される投写画像の輝度ムラを低減する。
【解決手段】例えば、セルギャップが2.4の場合には、図7中太線で示すように、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定される平面の中心付近を含む様に、平面内で等方的に、即ち垂直方向入射角度及び水平方向入射角度の夫々の方向で等しい角度範囲で最も高い透過率を示す白色のハッチング範囲(50−50)が中央領域に重なっている。このような太線を規定する角度が、入射角度の許容値となる。
【選択図】図7
【解決手段】例えば、セルギャップが2.4の場合には、図7中太線で示すように、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定される平面の中心付近を含む様に、平面内で等方的に、即ち垂直方向入射角度及び水平方向入射角度の夫々の方向で等しい角度範囲で最も高い透過率を示す白色のハッチング範囲(50−50)が中央領域に重なっている。このような太線を規定する角度が、入射角度の許容値となる。
【選択図】図7
Description
本発明は、例えば、複数枚のライトバルブの夫々によって変調された赤色光、緑色光及び青色光を合成することによって画像をカラー表示可能なプロジェクタの技術分野に関する。
この種のプロジェクタの一例である液晶プロジェクタでは、ランプユニット等の光源から出射された光が各種レンズを含む光学系によってライトバルブへ絞り込まれる。絞り込まれた光は、ダイクロイックミラー等の色分離光学系によって赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の色成分に分離され、当該分離された光が、一対の基板間に挟持された液晶層を含み、且つ赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の色光を変調すべき3枚のライトバルブによって変調され、当該変調された光が合成されることによってカラー画像がスクリーン等の投写面に投写される。
このようなプロジェクタでは、マイクロレンズアレイ等の集光光学系を用いて各ライトバルブの画素に光を集光し、投写画像の輝度を高める技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、光源から投写光学系までの光路において、光束の光軸に対して所定の角度の範囲に光学フィルタを設けることによって、投写画像のコントラストを高めるとともに、カラー画像である投写画像の色ムラを低減する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
この種のプロジェクタに用いられるライトバルブでは、液晶層を挟持する一対の基板間のギャップ、及び液晶分子のプレチルト角の相違に応じて、ライトバルブによって表示される画像のコントラストに視野角依存性が発生する。このような視野角依存性を有する画像を合成することによって投写画像を投写した場合、当該投写画像に輝度ムラが生じ、プロジェクタの表示品位を低下させてしまう問題点がある。特に、カラー画像を表示するための複数のライトバルブの夫々が備えた液晶装置の視野角依存性が相互に異なる場合、各液晶装置の表示領域におけるコントラストの分布の相違によって、投写画像の輝度ムラは顕著に発生する。また、ライトバルブを透過する光の透過率は、ライトバルブに入射する光の入射角度に依存しているため、ライトバルブのコントラストは、プロジェクタ内における光源の位置の偏り、或いは、光の絞込みの設定条件(例えば、光学系のFナンバー等)によって規定される入射角度に依存する。
したがって、プロジェクタによって高品位の画像を表示するためには、投写画像の輝度ムラを低減するように、ライトバルブとして用いられる液晶装置のギャップ、プレチルト角、及び入射角度等のパラメータを最適化することが重要になる。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、投写画像の輝度ムラを低減し、表示品位を高めることが可能なプロジェクタを提供することを課題とする。
本発明に係るプロジェクタは上記課題を解決するために、光を出射する光源と、一対の基板間に挟持された液晶層を有し、前記光を変調する液晶装置とを備え、前記光が前記液晶装置に入射する際の入射角度が、前記一対の基板間のギャップと、前記液晶層の液晶分子のプレチルト角に基づいて設定されている。
本発明に係るプロジェクタによれば、光源から出射された光は、例えば反射ミラー及びダイクロイックミラー等の色分離光学系によって赤色光、緑色光及び青色光に色分離される。液晶装置は、例えば赤色光、緑色光、及び青色光の夫々を変調するライトバルブに用いられている。液晶装置は、例えばデータ信号に応じて各画素の液晶分子の配向状態が規制され、その表示領域にデータ信号に応じた画像を表示する。各液晶装置によって表示された画像は、例えばダイクロイックプリズム等の色合成光学系により合成され、投射レンズを介して投写画像としてスクリーン等の投写面に投写される。
光源から出射された光、即ち液晶装置が変調すべき色光が液晶装置に入射する際の入射角度は、一対の基板間のギャップと、液晶層が含む液晶分子のプレチルト角に基づいて設定されている。より具体的には、光の入射角度、一対の基板間のギャップ、及び液晶分子のプレチルト角の関係を、液晶装置の視角依存性に起因する表示領域におけるコントラストの分布の相違が生じないように設定することで、輝度ムラが低減された高品位の投写画像を投写可能である。
本発明に係るプロジェクタの一の態様では、前記入射角度をYとし、前記ギャップをXとした場合に、前記液晶分子のプレチルト角が略4°である場合は、下記式(1)を満たす関係にあってもよい。
この態様によれば、液晶分子のプレチルト角が略4°である液晶装置の場合、入射角度Y及びギャップXの関係が、式(1)によって規定されるように、液晶装置を含むライトバルブに光源光を絞り込む光学系、及び液晶装置の配置等の具体的な設計事項を設定することによって、液晶装置の中央領域における広い領域で各液晶装置のコントラストが均一になるように入射角度Yを設定可能であり、各液晶装置の明視方向の相違によって生じる液晶装置における輝度ムラを低減できる。
したがって、本発明に係るプロジェクタによれば、液晶装置の中央領域における広い領域でコントラスト、言い換えれば透過率が均一になるように設定された液晶装置から出射された変調光を合成することによって、輝度ムラが低減された高品位の投写画像を投写可能である。
本発明に係るプロジェクタの他の態様では、前記入射角度をYとし、前記ギャップをXとした場合に、前記液晶分子のプレチルト角が略5°である場合は、下記式(2)を満たす関係にあってもよい。
この態様によれば、液晶分子のプレチルト角が略5°である液晶装置の場合、入射角度Y及びギャップXの関係が、式(2)によって規定されるように、液晶装置を含むライトバルブに光源光を絞り込む光学系、及び液晶装置の配置等の具体的な設計事項を設定することによって、各液晶装置の明視方向の相違によって生じる液晶装置における輝度ムラを低減できる。したがって、本発明に係るプロジェクタによれば、輝度ムラが低減された高品位の投写画像を投写可能である。
本発明に係るプロジェクタの他の態様では、前記入射角度をYとし、前記ギャップをXとした場合に、前記液晶分子のプレチルト角が略6°である場合は、下記式(3)を満たす関係にあってもよい。
この態様によれば、液晶分子のプレチルト角が略6°である液晶装置の場合、入射角度Y及びギャップXの関係が、式(3)によって規定されるように、液晶装置を含むライトバルブに光源光を絞り込む光学系、及び液晶装置の配置等の具体的な設計事項を設定することによって、各液晶装置の明視方向の相違によって生じる液晶装置における輝度ムラを低減できる。したがって、本発明に係るプロジェクタによれば、輝度ムラが低減された高品位の投写画像を投写可能である。
本発明に係るプロジェクタの一の態様では、前記ギャップは、2.4μm乃至2.6μmの範囲であってもよい。
この態様によれば、液晶装置における一対の基板間のギャップが2.4μm乃至2.6μmの範囲に設定することで、式(1)乃至式(3)の関係において輝度ムラが低減された高品位の投写画像を投写可能である。
本発明に係るプロジェクタの一の態様では、前記液晶分子は、誘電率異方性が負であってもよい。
この態様によれば、液晶分子は、VA(Vertically Aligned)モードで駆動される。この態様によれば、TN(Twisted Nematic)モード等の他の駆動モードで配向が規制される液晶分子を用いる場合に比べて、高いコントラストで投写画像を投写可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るプロジェクタの実施形態を説明する。
<1:プロジェクタ>
先ず、図1を参照しながら、本実施形態に係るプロジェクタの構成を説明する。図1は、本実施形態に係るプロジェクタの図式的断面図である。尚、図1では、プロジェクタの全体構成、特に光学的な構成について図示している。
先ず、図1を参照しながら、本実施形態に係るプロジェクタの構成を説明する。図1は、本実施形態に係るプロジェクタの図式的断面図である。尚、図1では、プロジェクタの全体構成、特に光学的な構成について図示している。
図1において、液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3枚用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R(赤色光)、G(緑色光)及びB(青色光)に分けられ、各色成分に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際、特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーンにカラー画像として投射される。
尚、後述するように、ライトバルブ100R、100G及び100Bが備える液晶装置に入射する各光成分の入射角度は、ライトバルブ100R、100G及び100Bが備える液晶装置における液晶分子のプレチルト角毎に、液晶装置のギャップ、即ち液晶層を挟持するTFTアレイ基板及び対向基板間の間隔に応じて設定されている。したがって、プロジェクタ1100によれば、輝度ムラが低減された高品位の投写画像をスクリーン等の投写面に投写可能である。
<2:液晶装置>
次に、図2及び図3を参照しながら、上述したライトバルブに用いられる液晶装置の構成を説明する。図2は、液晶装置を対向基板側から見た平面図であり、図3は、図2のH−H´断面図である。ここでは、液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置であり、負の誘電率異方性を有する液晶分子が用いられている。したがって、本実施形態に係る液晶装置1は、液晶分子が垂直配向(VA)モードでアクティブマトリクス駆動される液晶装置である。図4は、互いに異なる色光を変調するライトバルブに用いられる液晶装置の夫々における明視方向を示した図式的平面図である。
次に、図2及び図3を参照しながら、上述したライトバルブに用いられる液晶装置の構成を説明する。図2は、液晶装置を対向基板側から見た平面図であり、図3は、図2のH−H´断面図である。ここでは、液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置であり、負の誘電率異方性を有する液晶分子が用いられている。したがって、本実施形態に係る液晶装置1は、液晶分子が垂直配向(VA)モードでアクティブマトリクス駆動される液晶装置である。図4は、互いに異なる色光を変調するライトバルブに用いられる液晶装置の夫々における明視方向を示した図式的平面図である。
図2及び図3において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。したがって、液晶装置1は、ギャップが均一であり、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、対向基板20上において、電極より上層側に配置されて形成されてもよいし、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として形成されてもよい。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。尚、走査線駆動回路104を、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けるようにしてもよい。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続されるようにする。
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor;以下適宜、“TFT”と称する)や走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他方、詳細な構成については省略するが、液晶装置1において、対向基板20に形成された電極が、画素電極9aと対向するように配置されており、この電極上には、配向膜22が形成されている。尚、TFTアレイ基板10には、例えば、石英やプラスチック等の透明基板が用いられる。
TFTアレイ基板10又は対向基板20上において、配向膜16又は22は、例えばポリイミド等の有機材料により形成される。本実施形態では、TFTアレイ基板10及び対向基板20のいずれか一方上にのみ配向膜を形成するか、或いはこれらのいずれか一方上に形成される配向膜を無機材料により形成するようにしてもよい。また、後述する明視方向は、配向膜がポリイミド等の有機材料で形成されている場合には、当該配向膜をラビング処理するラビング方向に沿った方向であり、配向膜が無機材料を蒸着してなる無機膜である場合には、当該無機材料を蒸着する蒸着方向に沿った方向である。
液晶層50は、負の誘電率異方性を有する液晶分子を含んでおり、VAモードで駆動される。液晶装置1は、その使用時に、互いに液晶層50の両側で透過軸が互いに直交するように偏光板が配置され、ノーマリーブラック方式で画像を表示する。
図2及び図3に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、図4を参照しながら、プロジェクタ1100のライトバルブに用いられる液晶装置の明視方向を説明する。図4(a)は、ライトバルブ100R、100G及び100Bのうち一のライトバルブに用いられる液晶装置1aにおける明視方向を図式的に示した平面図であり、図4(b)は、ライトバルブ100R、100G及び100Bのうち一のライトバルブを除く他のライトバルブの一つに用いられる液晶装置1bにおける明視方向を図式的に示した平面図である。尚、液晶装置1a及び1bの夫々は、明視方向が互いに異なるのみであり、その他の構成は液晶装置1と同様の構成を有している。したがって、液晶装置1a及び1bについて共通部分について共通の参照符号を付している。
図4(a)及び(b)に示すように、液晶装置1aは、画像表示領域10aを含む表示面の面内方向において、10:30方向に明視方向Rを有しており、液晶装置1bは、1:30方向に明視方向Lを有している。このような液晶装置1a及び1bをプロジェクタ1100のライトバルブとして用いた場合、明視方向の相違及び液晶層に含まれる液晶分子のプレチルト角の相違に応じて、後述するように液晶装置の光学特性が互いに異なるため、これら液晶装置を備えたライトバルブによって変調された光を合成してなる投写画像に輝度ムラが生じてしまう。
ここで、図5を参照しながら、液晶装置1a及び1bの光学特性の相違について、具体的に説明する。図5は、液晶装置1a及び1bの夫々について、各液晶装置の明視方向に沿ったコントラストを、液晶分子のプレチルト角(4°及び5°)毎に示した特性図である。尚、図5において横軸は、液晶装置の表示面を見る視線方向を規定する角度であって、当該表示面の法線に対する視線方向の角度(即ち、視角ψ)の角度を示している。
図5(a)及び(b)において、コントラストのピークに対応する視角ψ1及びψ2は、0°を基準として明視方向10:30側(即ち、図中視角ψが+の側)にずれている。加えて、プレチルト角4及び5°におけるコントラストを比較すると、コントラスト曲線は僅かに異なる形状になる。図5(c)及び(d)において、コントラストのピークに対応する視角ψ3及びψ4は、0°を基準として逆明視方向7:30側(即ち、図中視角ψが−の側)にずれている。加えて、プレチルト角4°及び5°におけるコントラストを比較すると、コントラスト曲線は僅かに異なる形状になる。
このように、液晶装置の明視方向及びプレチルト角の相違に応じて、各液晶装置の光学特性、より具体的にはコントラストは、視角ψに対して異なる。したがって、光学特性が互いに異なる液晶装置を備えたライトバルブによって変調された変調光を合成した場合、投写画像に輝度ムラが生じてしまう。加えて、液晶装置に含まれるTFTアレイ基板及び対向基板のギャップの相違によっても、液晶装置の光学特性が相互に異なり、プレチルト角の相違と同様に投写画像に輝度ムラを発生させてしまう。
そこで、本実施形態に係るプロジェクタ1100では、ライトバルブが備える液晶装置のギャップ、及びプレチルト角に応じて、投写画像に輝度ムラが可能な限り発生しないようにライトバルブに入射する光の入射角度を最適な角度に設定し、投写画像の輝度ムラを低減可能としている。
以下では、図6乃至図14を参照しながら、入射角度を最適な角度に設定する際に参照される入射角度及びギャップの関係式をプレチルト角毎に導く過程を説明する。
先ず、図6乃至図10を参照しながら、入射角度の許容値を説明する。図6乃至図10は、本願発明者が行ったシミュレーションの結果を示した図であり、液晶装置に入射する光の入射角度を特定する2つの角度(垂直方向入射角度及び水平方向入射角度)で規定される平面内において、液晶装置の透過率の分布を示した分布図である。図6乃至図10では、液晶装置のセルギャップ(即ち、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の基板間ギャップ)をパラメータとして、明視方向2水準(10:30方向、1:30方向)、プレチルト角3水準(4°、5°、及び6°)について、液晶装置の透過率の分布を示している。また、図6乃至図10におけるハッチングを規定する数値(例えば、50−50、49−50等)は、液晶装置に入射する光を100とした場合に、液晶装置を透過する透過光の強度の相対的な値を示している。尚、入射角度の許容値とは、ライトバルブに用いられる液晶装置に入射する各光成分に許容される入射角度であり、プロジェクタによって投写される投写画像に輝度ムラが発生しないように、実践的に、或いは個別具体的に設定可能な入射角度の限界値である。
図6乃至図10において、垂直方向入射角度と水平方向入射角度の関係を表しているが、図7乃至図9に示すように四角に枠線で囲んだ範囲が透過率の平均的な領域になる。この領域が、明視方向の違いに関係なく確保できる入射角度、即ち共通な領域が垂直方向、及び水平方向共に許容される入射角度になる。
図6において、セルギャップが2.3μmの場合、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定される平面の中心付近に、最も高い透過率を示す白色のハッチング範囲(50−50)が重なっていない。したがって、明視方向10:30及び1:30の何れの液晶装置についても、液晶装置に視野角依存性を生じさせないように入射角度の許容値を設定できない。図10において、セルギャップが2.7μmの場合、セルギャップ2.3μmの場合と同様に、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定される平面の中心付近に、最も高い透過率を示す白色のハッチング範囲(50−50)が重なっていない。したがって、明視方向10:30及び1:30の何れの液晶装置についても、液晶装置に視野角依存性を生じさせないように入射角度の許容値を設定できない。
他方、図7乃至図9に示すように、セルギャップが2.4μm、2.5μm、及び2.6μmの場合には、図中太い枠線で示すように、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定される平面の中心付近を含む様に、平面内で等方的に、即ち垂直方向入射角度及び水平方向入射角度の夫々の方向で相互に等しい角度範囲で最も高い透過率を示す白色のハッチング範囲(50−50)が中央領域に重なっている。このような太い枠線を規定する角度が、入射角度の許容値となる。
図11は、図7乃至図9から読み取った入射角度の許容値を具体的に示した一覧表であり、図11(a)から(c)の順にプレチルト角4°、5°、及び6°の夫々について入射角許容値を示している。図11に示した入射光角度の許容値は、後述する式(1)乃至(3)から求めた入射角許容値と一致する。
図12は、本願発明者が行ったシミュレーション結果を示したグラフであって、液晶装置の透過率が最も高くなる液晶装置のセルギャップ及び入射許容角度の組み合わせを3種類のプレチルト角(4°、5°、及び6°)について計算した結果を示している。ここで、入射許容角度とは、図6乃至図10を参照して説明したように、垂直方向入射角度及び水平方向入射角度で規定された平面内の中央領域において均一な透過率が占める領域が最大となる角度である。図12に示すように、入射許容角度は、各プレチルト角についてセルギャップ毎に異なっている。
図13は、図12に示したセルギャップに対する入射光角度の許容値を近似した多項式のグラフである。図13において、プレチルト角4°、5°及び6°の夫々について、入射光許容値とセルギャップとの関係は、下記式(1)乃至(3)で示される。
図14は、式(1)乃至(3)から算出された、セルギャップ及びプレチルト角の夫々に対する入射角度の許容値の算出値である。
図14に示すように、セルギャップ及びプレチルト角の夫々に対する入射角度の許容値の算出値は、図11に示したシミュレーション結果に基づく入射角度の許容値と一致する。尚、図14において、セルギャップ2.3μm及び2.7μmについては、明視方向10:30及び1:30の夫々の液晶装置で透過率が共通となる範囲がないため、式(1)乃至(3)は適用できない。以上のようにして、液晶装置に対する入射角度の許容値を規定する式(1)乃至(3)が算出される。
本実施形態に係るプロジェクタ1100は、液晶分子のプレチルト角に応じて、式(1)乃至(3)で規定された入射光許容値の範囲に入射角度が収まるように、反射ミラー及び各種レンズを含む光学系、並びに、ライトバルブの配置が設定されているため、各ライトバルブによって変調される光の視野角依存性が低減されており、これら変調光を合成してなる投写画像の輝度ムラが低減されている。したがって、本実施形態に係るプロジェクタ1100によれば、高品位の投写画像をスクリーン等の投写面に投写可能である。
1・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、20・・・対向基板、100R,100G,100B・・・ライトバルブ、1100・・・プロジェクタ
Claims (6)
- 光を出射する光源と、
一対の基板間に挟持された液晶層を有し、前記光を変調する液晶装置とを備え、
前記光が前記液晶装置に入射する際の入射角度が、前記一対の基板間のギャップと、前記液晶層の液晶分子のプレチルト角に基づいて設定されていること
を特徴とするプロジェクタ。 - 前記ギャップは、2.4μm乃至2.6μmの範囲であること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロジェクタ。 - 前記液晶分子は、誘電率異方性が負であること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
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