JP2008083128A - 光導波路及び光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が簡単で光損失の少ない光導波路、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板2には、細長い溝状の中空部4が形成され、溝状の中空部4の長さ方向の両端部には、45°の傾斜部2b、2cが形成されている。中空部4の底部2a、傾斜部2b、2c及び側面部は、拡散接合が可能な反射材である金属膜6で覆われている。金属膜6は、基板2の表面の中空部4の周囲にも設けられている。蓋材3の基板2と対面する表面には、拡散接合が可能な反射材である金属膜5が、底部2aに対面する部分とその周囲の部分に設けられているが、傾斜部2b、2cに対面する部分には設けられておらず、これにより光透過部3a、3bが形成されている。そして、中空部4の周囲の部分の金属膜5と金属膜6とが拡散接合により接合されて、基板2と蓋材3とが一体となり光導波路1を形成している。
【選択図】 図1
【解決手段】基板2には、細長い溝状の中空部4が形成され、溝状の中空部4の長さ方向の両端部には、45°の傾斜部2b、2cが形成されている。中空部4の底部2a、傾斜部2b、2c及び側面部は、拡散接合が可能な反射材である金属膜6で覆われている。金属膜6は、基板2の表面の中空部4の周囲にも設けられている。蓋材3の基板2と対面する表面には、拡散接合が可能な反射材である金属膜5が、底部2aに対面する部分とその周囲の部分に設けられているが、傾斜部2b、2cに対面する部分には設けられておらず、これにより光透過部3a、3bが形成されている。そして、中空部4の周囲の部分の金属膜5と金属膜6とが拡散接合により接合されて、基板2と蓋材3とが一体となり光導波路1を形成している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光導波路及び光導波路の製造方法に関するものである。
従来、光導波路としては、コアとクラッドを組み合わせたものが使用されてきた。このような光導波路のうち、クラッドを構成する基板に設けられた溝の両側に45°の傾斜面を設け、その溝にコアとなる材料を充填し、溝の長さ方向に直角な方向から、一方の45°傾斜面に光を45°の入射角で入射させ、傾斜面で全反射させて直角に偏向して溝の長さ方向に伝搬させ、他方の45°傾斜面に45°の入射角で入射させ、傾斜面で全反射させて直角に偏向して、光の入射方向と逆方向に出射させるものが用いられている。このような光導波路は、主として、回路素子同士を光で連結したり、光ファイバ同士を連結するために用いられている。
クラッド材料に形成された溝にコア材を充填したり、さらにその上を別のクラッド材料で覆うような光導波路は、例えば、特開2003−161851号公報(特許文献1)や、特開2001−228350号公報(特許文献2)に記載されている。
特開2003−161851号公報
特開2001−228350号公報
しかしながら、このような方式の光導波路においては、金型によりクラッド材料の溝部にコア材を充填して成形する場合に、コア材の一部が溝からはみ出し、その部分から光が漏れて損失になると言う問題点がある。この対策として、特許文献1、特許文献2においては、はみ出したコア材を除去する方法を提案しているが、これには手間がかかるという問題点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、製造が簡単で光損失の少ない光導波路、及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための第1の手段は、第1の基板と、前記第1の基板の表面に形成され、両端が45°の傾斜面を有する溝と、当該溝の、底部、傾斜部、及び側面部を覆うように形成された反射体と、前記溝を覆うように、前記第1の基板に拡散接合により接合された、透明な第2の基板と、前記傾斜面の一方に当該傾斜面に対して45°の入射角で入射する入射光の通路と、前記傾斜面の他方から当該傾斜面に対して45°の出射角で出射する出射光の通路とを除いて、前記第2の基板の前記溝に対面する表面全面に形成された反射体とを有し、前記溝内は空洞とされていることを特徴とする光導波路である。
前記課題を解決するための第2の手段は、第1の基板と、前記第1の基板の表面に形成され、両端が45°の傾斜面を有する溝と、当該溝の、底部、傾斜部、及び側面部を覆うように形成された反射体と、前記溝を覆うように、前記第1の基板に接着された、透明な第2の基板と、前記傾斜面の一方に当該傾斜面に対して45°の入射角で入射する入射光の通路と、前記傾斜面の他方から当該傾斜面に対して45°の出射角で出射する出射光の通路とを除いて、前記第2の基板の前記溝に対面する表面全面に形成された反射体とを有し、前記溝内は空洞とされており、前記第2の基板の前記溝部に隣接する部分には、前記第2の基板に形成された反射体が、前記第1の基板に形成された前記反射体に密着するように設けられていることを特徴とする光導波路である。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段である光導波路の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(1)樹脂からなる前記第1の基板に溝形状を反転させた型を押しつけて溝形状を形成し、その後、前記樹脂を硬化させる工程
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、拡散接合可能な反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、拡散接合可能な反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第1の基板と前記第2の基板とを、拡散接合により接合する工程
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第2の手段である光導波路の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、拡散接合可能な反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、拡散接合可能な反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第1の基板と前記第2の基板とを、拡散接合により接合する工程
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第2の手段である光導波路の製造方法であって、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(1)樹脂からなる前記第1の基板に溝形状を反転させた型を押しつけて溝形状を形成し、その後、前記樹脂を硬化させる工程
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第2の基板に残った反射体のうち、溝の周囲に形成されたものをスペーサとして使用して前記第1の基板に形成された前記反射体に密着させた状態で、前記第1の基板と前記第2の基板のうち、前記溝部を除く隙間の少なくとも一部に接着剤を充填し、前記第1の基板と前記第2の基板を接着する工程
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第2の基板に残った反射体のうち、溝の周囲に形成されたものをスペーサとして使用して前記第1の基板に形成された前記反射体に密着させた状態で、前記第1の基板と前記第2の基板のうち、前記溝部を除く隙間の少なくとも一部に接着剤を充填し、前記第1の基板と前記第2の基板を接着する工程
本発明によれば、製造が簡単で光損失の少ない光導波路、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例である光導波路の概要を示す図である。光導波路1は、基板2(第1の基板に相当)と蓋材3(第2の基板に相当)とから構成されている。基板2には、細長い溝状の中空部4が形成され、溝状の中空部4の長さ方向の両端部には、45°の傾斜部2b、2cが形成されている。中空部4の底部2a、傾斜部2b、2c及び側面部は、拡散接合が可能な反射材である金属膜6で覆われている。金属膜6は、基板2の表面の中空部4の周囲(図では周囲部分の全面であるが、必ずしも全面である必要はない。)にも設けられているが、この部分は反射材料として使用するのでなく、拡散接合の材料として使用するので、金属膜6とは別の拡散接合可能な材料で形成してもよい。しかし、製造工程上からは、両者を同一材料で形成することが好ましい。
蓋材3の基板2と対面する表面には、拡散接合が可能な反射材である金属膜5が形成されている。この金属膜5は、底部2aに対面する部分とその周囲の部分(図においては周囲部分の全面であるが、必ずしも全面である必要はない。)に設けられているが、傾斜部2b、2cに対面する部分には設けられておらず、これにより光透過部3a、3bが形成されている。中空部4に対面する部分の周囲の部分の金属膜5は、反射材料として使用するのでなく、拡散接合の材料として使用するので、金属膜5とは別の拡散接合可能な材料で形成してもよいが、製造工程上からは、両者を同一材料で形成することが好ましい。
そして、中空部4の周囲の部分の金属膜5と金属膜6とが拡散接合により接合されて、基板2と蓋材3とが一体となり光導波路1を形成している。入射光は、図に示すように蓋材3に直角に入射し、光透過部3aを通って、傾斜部2bで直角に偏向され、中空部4を図の右方向に進行した後、傾斜部2cで直角に偏向され、光透過部3bを通って蓋材3に直角な方向に出射される。
このように、この光導波路1では、コア材を使用しておらず、基板2と蓋材3とが拡散接合により接合されているので、従来技術のようなコア材のはみ出しが無く、はみ出したコア材の部分から光が漏洩することが防止される。又、基板2と蓋材3とは拡散接合により接合されているので、基板2と蓋材3との間に隙間が無く、隙間から光が漏れることもない。
図2は、本発明の実施の形態の第2の例である光導波路の概要を示す図である。以下の図において、前出の図に示された構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
図2においても、光導波路1は、基板2と蓋材3とから構成される。基板2の構成は図1に示したものと全く同じであるのでその説明を省略する。蓋材3の構成も、金属膜5が、中空部4に対面する部分の周囲の全面でなく、中空部4の直近の一部にのみ形成されている点のみが、図1に示したものと異なるのみで、他の構成は同じであるのでその説明を省略する。
図2に示す実施の形態においては、基板2と蓋材3とを拡散接合でなく接着により接着している。その際、中空部4に対面する部分の周囲に形成された金属膜5をスペーサとして使用して、これを金属膜6に密着させた状態で、接着剤7により基板2と蓋材3を接着している。よって、この場合は、基板2と蓋材3との間には、金属膜5の厚さの分だけの隙間が存在し、その隙間に接着剤7が充填される。隙間が存在しても、その隙間は、金属膜5により塞がれているので、隙間から光が漏れることはない。
図3は、図1、図2に示す基板2の製造方法を示す図である。未硬化の樹脂基板8の表面8aに、型9を押し付けて加圧し、中空部4となる部分に凹部を形成する(a)。そして、紫外線照射、熱硬化等により、樹脂基板8を硬化させる。その後、型9より樹脂基板8を離型すると、表面に、底部2a、傾斜部2b、傾斜部2cが形成された中空部4を有する基板2が完成する。その後、蒸着等により、中空部4を含む基板2の表面に金属膜6を成膜する。
図4は、図2に示す蓋材3の製造方法を示す図である。蓋材3の上に金属膜5を蒸着等により成膜し、その上にフォトレジスト10を塗布する(a)。そして、フォトリソグラフィ工程により、金属膜5を除去する部分の上にあるフォトレジスト10を除去し(b)、さらに、残ったフォトレジスト10をマスクとして、フォトレジスト10が除去された部分の金属膜5をエッチングにより除去する(c)。その後、フォトレジスト10を除去し、図2に示すような蓋材3が完成する。図1に示す蓋材3も同じ工程により製造可能であり、形成されるフォトレジストのパターンが異なるだけである。
1…光導波路、2…基板、2a…底部、2b…傾斜部、2c…傾斜部、3…蓋材、3a…光透過部、3b…光透過部、4…中空部、5…金属膜、6…金属膜、8…樹脂基板、8a…表面、9…型、10…フォトレジスト
Claims (4)
- 第1の基板と、
前記第1の基板の表面に形成され、両端が45°の傾斜面を有する溝と、
当該溝の、底部、傾斜部、及び側面部を覆うように形成された反射体と、
前記溝を覆うように、前記第1の基板に拡散接合により接合された、透明な第2の基板と、
前記傾斜面の一方に当該傾斜面に対して45°の入射角で入射する入射光の通路と、前記傾斜面の他方から当該傾斜面に対して45°の出射角で出射する出射光の通路とを除いて、前記第2の基板の前記溝に対面する表面全面に形成された反射体
とを有し、前記溝内は空洞とされていることを特徴とする光導波路。 - 第1の基板と、
前記第1の基板の表面に形成され、両端が45°の傾斜面を有する溝と、
当該溝の、底部、傾斜部、及び側面部を覆うように形成された反射体と、
前記溝を覆うように、前記第1の基板に接着された、透明な第2の基板と、
前記傾斜面の一方に当該傾斜面に対して45°の入射角で入射する入射光の通路と、前記傾斜面の他方から当該傾斜面に対して45°の出射角で出射する出射光の通路とを除いて、前記第2の基板の前記溝に対面する表面全面に形成された反射体
とを有し、前記溝内は空洞とされており、前記第2の基板の前記溝部に隣接する部分には、前記第2の基板に形成された反射体が、前記第1の基板に形成された前記反射体に密着するように設けられていることを特徴とする光導波路。 - 以下の工程を有することを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。
(1)樹脂からなる前記第1の基板に溝形状を反転させた型を押しつけて溝形状を形成し、その後、前記樹脂を硬化させる工程
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、拡散接合可能な反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、拡散接合可能な反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第1の基板と前記第2の基板とを、拡散接合により接合する工程 - 以下の工程を有することを特徴とする請求項2に記載の光導波路の製造方法。
(1)樹脂からなる前記第1の基板に溝形状を反転させた型を押しつけて溝形状を形成し、その後、前記樹脂を硬化させる工程
(2)少なくとも前記溝部とその周囲を含む、前記第1の基板の表面に、反射体を成膜する工程
(3)前記第2の基板の、少なくとも前記溝部に対面する部分とその周囲を含む表面に、反射体を成膜し、その上にフォトレジストを塗布する工程
(4)前記レジストのうち、前記入射光の通路と前記出射光の通路に相当する部分を除去し、その後、残ったレジストをマスクとして前記反射体をエッチングにより除去し、更にその後、残ったレジストを除去する工程
(5)前記第2の基板に残った反射体のうち、溝の周囲に形成されたものをスペーサとして使用して前記第1の基板に形成された前記反射体に密着させた状態で、前記第1の基板と前記第2の基板のうち、前記溝部を除く隙間の少なくとも一部に接着剤を充填し、前記第1の基板と前記第2の基板を接着する工程
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006260184A JP2008083128A (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 光導波路及び光導波路の製造方法 |
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JP2006260184A JP2008083128A (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 光導波路及び光導波路の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2105396A2 (en) | 2008-03-27 | 2009-09-30 | Konica Minolta Business Technologies, INC. | Sheet feeding device |
CN107807115A (zh) * | 2017-10-23 | 2018-03-16 | 上海交通大学 | 金属覆盖光流体药效检测器 |
-
2006
- 2006-09-26 JP JP2006260184A patent/JP2008083128A/ja active Pending
Cited By (2)
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EP2105396A2 (en) | 2008-03-27 | 2009-09-30 | Konica Minolta Business Technologies, INC. | Sheet feeding device |
CN107807115A (zh) * | 2017-10-23 | 2018-03-16 | 上海交通大学 | 金属覆盖光流体药效检测器 |
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