JP2008082789A - 赤外線センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきを抑制することができる赤外線センサ装置を提供する。
【解決手段】計測手段8は、センサ回路7に読出電圧を印加して抵抗ボロメータからなるセンサ素子Sに電流を流すことにより、センサ素子Sの抵抗値に相当する計測値を計測する。オフセット値レジスタ20は、センサ素子Sが赤外線を受光していない状態で計測手段8により計測された計測値をオフセット値として保持する。検出値レジスタ21は、センサ素子Sが赤外線を受光している状態で計測手段8により計測された計測値とオフセット値との差分を検出値として検出する。計測手段8は、読出電圧をセンサ回路7に印加する計測期間の前に、所定のアイドリング値の電圧をセンサ回路7に印加するアイドリング動作をセンサ素子Sの温度が安定するまで行うアイドリング期間を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線の受光量を検出する赤外線センサ装置に関するものである。
従来から、この種の赤外線センサ装置として、赤外線を受光することによる温度上昇に応じて抵抗値が変化する抵抗ボロメータをセンサ素子として備え、センサ素子の抵抗値の変化に基づいてセンサ素子での赤外線の受光量を検出するものが知られている(たとえば特許文献1参照)。
この種の赤外線センサ装置の動作について図8を参照して以下に説明する。なお、図8では、(a)に赤外線の照射量、(b)にセンサ素子に印加される電圧Vr、(c)にセンサ素子Saの抵抗値Ra、(d)にセンサ素子Saとは別のセンサ素子Sbの抵抗値Rbを示す。
期間t5〜t7において、図8(a)に示すように赤外線が照射されると、赤外線センサ装置は図8(c)、(d)のようにセンサ素子Sa,Sbの抵抗値Ra,Rbが赤外線受光による温度上昇に応じてそれぞれ変化する。ここで、センサ素子Saの抵抗値Raは、期間t6〜t7のようにセンサ素子Saに電圧Vrを印加してセンサ素子Saに電流を流した状態で、たとえばセンサ素子Saの抵抗値Raに相当する電圧に基づいて計測される。センサ素子Sbの抵抗値Rbも同様に計測される。
ところで、センサ素子は、赤外線吸収による温度上昇を抵抗値変化として出力するだけでなく、センサ素子の周囲温度(たとえばセンサ素子が実装された基板の温度)の変化に対しても抵抗値変化を生じる。そのため、各々にセンサ素子Sa,Sbを備える複数台の赤外線センサ装置では、センサ素子Sa,Sbでの赤外線受光量が同一であってもセンサ素子Sa,Sbの周囲温度によって赤外線センサ装置ごとに検出結果がばらつき、検出精度のばらつきを生じる可能性がある。そこで、センサ素子の周囲温度変化によるセンサ素子の抵抗値変化を抑制するための構成がたとえば特許文献1に提案されている。
特許文献1には、赤外線の計測時以外において、センサ素子の温度を周囲温度によらず一定に保つようにセンサ素子を通電加熱する構成が記載されている。また、赤外線の計測時にセンサ素子を通電加熱することにより、センサ素子の温度を周囲温度によらず一定に保つ構成も特許文献1に記載されている。
特開2002−310783号公報(第3頁)
しかし、特許文献1に記載された前者の構成では、温度センサによって検出した周囲温度に応じてセンサ素子への通電を制御するため、センサ素子への通電制御の構成が複雑になる。また、特許文献1に記載された後者の構成では、センサ素子への通電時間を長くとることができずセンサ素子の温調範囲が比較的狭いので、センサ素子の温度が安定する前に計測値が読み出されることによって、センサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきを生じることがある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、センサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきを抑制することができる赤外線センサ装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、赤外線受光による温度上昇に応じて抵抗値が変化する抵抗ボロメータからなるセンサ素子と、センサ素子を含むセンサ回路に読出電圧を印加してセンサ素子に電流を流すことにより、センサ素子の抵抗値に相当する計測値を計測する計測手段と、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測手段により計測された計測値をオフセット値として保持するオフセット値保持手段と、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測手段により計測された計測値と前記オフセット値との差分を、センサ素子での赤外線の受光量を表す検出値として検出する検出手段とを備え、計測手段は、前記読出電圧をセンサ回路に印加する計測期間の前に、所定のアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加するアイドリング動作をセンサ素子の温度が安定するまで行うアイドリング期間を有し、アイドリング期間においては、センサ素子が赤外線を受光していない状態と受光している状態とで同等のアイドリング動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、計測手段が、計測期間の前のアイドリング期間に、所定のアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加するアイドリング動作をセンサ素子の温度が安定するまで行うので、計測期間には、センサ素子の温度が周囲温度の変化によらず比較的安定することとなり、センサ素子の周囲温度変化によるセンサ素子の抵抗値変化が抑制される。しかも、アイドリング期間においては、センサ素子が赤外線を受光していない状態と受光している状態とで同等のアイドリング動作が行われるので、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測される計測値と、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測される計測値とのいずれについても、センサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきが抑制される。ここに、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測される計測値をオフセット値とし、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測される計測値とオフセット値との差分を検出値としているので、検出値に関してセンサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきが抑制されることになる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記計測手段が、前記センサ素子が赤外線を受光していない状態での前記計測期間において、前記アイドリング値よりも小さい既定値をアイドリング値に加算した加熱値の電圧を前記読出電圧として印加する加熱動作と、アイドリング値から前記既定値を減算した放熱値の電圧を読出電圧として印加する放熱動作とを同一時間長で交互に行い、前記オフセット値保持手段が、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値を前記オフセット値として保持することを特徴とする。
この構成によれば、計測期間においてセンサ回路に印加される電圧値は、アイドリング動作時に比べると加熱動作時には既定値だけ大きくなり放熱動作時には既定値だけ小さくなるので、センサ素子の抵抗値はアイドリング動作終了時点から加熱動作中および放熱動作中に電流変化に伴ってそれぞれ変化する。ここで、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と、放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値をオフセット値としているので、アイドリング動作終了時点からの電流変化に伴う抵抗値変化はオフセット値に反映されない。そのため、通電に対するセンサ素子の温度上昇傾向にセンサ素子ごとにばらつきがあっても、オフセット値の検出精度のばらつきを抑制することができる。なお、オフセット値はアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加した場合に得られるオフセット値と同値となる。また、放熱動作時にはアイドリング動作時や加熱動作時に比べてセンサ素子を流れる電流が小さくなるので、センサ素子は、アイドリング動作時および加熱動作時にジュール熱により加熱され温度が上昇した後、放熱動作時において放熱により温度が低下することとなる。その結果、たとえば比較的短い間隔で読出電圧が繰り返し印加されても、放熱動作時においてセンサ素子の放熱が起こることにより、経時的にセンサ素子の温度が徐々に上昇することを防止でき、センサ素子の経時的な抵抗値変化を抑制することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記計測手段が、前記センサ素子が赤外線を受光している状態での前記計測期間において、前記アイドリング値よりも小さい既定値をアイドリング値に加算した加熱値の電圧を前記読出電圧として印加する加熱動作と、アイドリング値から前記既定値を減算した放熱値の電圧を読出電圧として印加する放熱動作とを同一時間長で交互に行い、前記検出手段が、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値と前記オフセット値との差分を前記検出値として検出することを特徴とする。
この構成によれば、計測期間においてセンサ回路に印加される電圧値は、アイドリング動作時に比べると加熱動作時には既定値だけ大きくなり放熱動作時には既定値だけ小さくなるので、センサ素子の抵抗値はアイドリング動作終了時点から加熱動作中および放熱動作中に電流変化に伴ってそれぞれ変化する。ここで、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と、放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値とオフセット値との差分を検出値としているので、アイドリング動作終了時点からの電流変化に伴う抵抗値変化は検出値に反映されない。そのため、通電に対するセンサ素子の温度上昇傾向にセンサ素子ごとにばらつきがあっても、検出値の検出精度のばらつきを抑制することができる。なお、検出値はアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加した場合に得られる検出値と同値となる。また、放熱動作時にはアイドリング動作時や加熱動作時に比べてセンサ素子を流れる電流が小さくなるので、センサ素子は、アイドリング動作時および加熱動作時にジュール熱により加熱され温度が上昇した後、放熱動作時において放熱により温度が低下することとなる。その結果、たとえば比較的短い間隔で読出電圧が繰り返し印加されても、放熱動作時においてセンサ素子の放熱が起こることにより、経時的にセンサ素子の温度が徐々に上昇することを防止でき、センサ素子の経時的な抵抗値変化を抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明において、前記計測手段が、前記加熱動作と前記放熱動作とを少なくとも1回ずつ行う度に、前記アイドリング動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、加熱動作と放熱動作とを少なくとも1回ずつ行う度に、センサ回路に印加される電圧が加熱値と放熱値との中間値となるアイドリング値に戻されるので、センサ素子において加熱と放熱との対称性が維持され赤外線受光量の検出精度の向上が期待できる。
本発明は、計測手段が、計測期間の前のアイドリング期間に、所定のアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加するアイドリング動作をセンサ素子の温度が安定するまで行うので、計測期間には、センサ素子の温度が周囲温度の変化によらず比較的安定することとなり、センサ素子の周囲温度変化によるセンサ素子の抵抗値変化が抑制される。しかも、アイドリング期間においては、センサ素子が赤外線を受光していない状態と受光している状態とで同等のアイドリング動作が行われるので、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測される計測値と、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測される計測値とのいずれについても、センサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきが抑制される。ここに、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測される計測値をオフセット値とし、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測される計測値とオフセット値との差分を検出値としているので、検出値に関してセンサ素子の周囲温度による検出精度のばらつきが抑制されるという利点がある。
(実施形態1)
本実施形態では、それぞれ赤外線の受光量を検出する多数のセンサ素子を1枚の基板上にマトリクス状に2次元配列してなるセンサアレイを備え、温度分布を所謂熱画像として画像情報と同様に扱うことができる赤外線イメージセンサを赤外線センサ装置の一例として説明する。なお、各センサ素子はそれぞれ画素を構成する。
本実施形態の赤外線センサ装置1は、図2に示すように、筐体2内に上記センサアレイ3が他の電子部品と共に実装された回路基板4を収納して構成されている。筐体2においては、センサアレイ3の前方(図2(b)の左方)に窓孔5が開口され、赤外線に対して透過性を有するレンズ6が窓孔5を塞ぐように配置される。したがって、センサアレイ3は、筐体2の前方に存在する対象物から赤外線が放射されるとレンズ6を通してこの赤外線を受光することになる。
センサアレイ3の各センサ素子S(画素)は、図3に示すように、それぞれ赤外線受光による温度上昇に応じて抵抗値が変化する抵抗ボロメータから構成されている。ここに、赤外線センサ装置1はセンサ素子Sを含むセンサ回路7(図1参照)に電圧信号からなる読出信号(読出電圧)を印加してセンサ素子Sに電流を流すことによりセンサ素子Sの抵抗値を検出する計測手段8(図1参照)を有し、この抵抗値を使用して赤外線受光量を求める。以下に計測手段8の概略構成について説明する。
センサ素子Sは、各一端部がスイッチング素子Q1を介してセンサアレイ3の行ごとに共通の水平走査線9に接続される。各水平走査線9は、それぞれ増幅器10およびサンプル・ホールド回路11を介して、入力を択一的に選択するマルチプレクサ12に接続されている。
各スイッチング素子Q1はセンサアレイ3の列ごとに共通の垂直走査線13に接続されており、各垂直走査線13に択一的に選択信号を出力する走査回路14からの前記選択信号を受けてそれぞれオンする。すなわち、走査回路14で垂直走査線13を択一的に選択し且つマルチプレクサ12で水平走査線9を択一的に選択することにより、マルチプレクサ12の入力対象として1つのセンサ素子Sを選択することができる。なお、ここではセンサ素子Sが128行×128列に配置され、水平走査線9および垂直走査線13が128本ずつ設けられた例を示す。
ここにおいて、各水平走査線9はそれぞれ赤外線が照射されても抵抗値が変化しない(所謂受光感度のない)参照抵抗Rr(リファレンス抵抗)を介して接地されている。参照抵抗Rrはセンサ素子Sの初期抵抗値(赤外線が照射されていない状態での抵抗値)と同一の抵抗値を持ち、センサ素子Sと共にセンサ回路7を構成する。センサ素子Sと参照抵抗Rrとは、抵抗値の整合をとるため同一基板上に同一の加工プロセスにより形成される。
各センサ素子Sは読出信号を発生する読出信号発生回路15(図1参照)に他端部16(スイッチング素子Q1とは反対側の端部)が接続されており、対応するスイッチング素子Q1のオン時にセンサ素子Sおよび参照抵抗Rrの直列回路(センサ回路7)の両端間に前記読出信号が印加される。これにより、計測手段8は、マルチプレクサ12の入力対象として1つのセンサ素子Sを選択した状態で、当該センサ素子Sを含むセンサ回路7に読出信号を印加すれば当該センサ素子Sの抵抗値に応じた電圧(参照抵抗Rrの両端電圧)がインピーダンス変換と増幅とを行う増幅器10およびサンプル・ホールド回路11を通してマルチプレクサ12に入力されることになる。
したがって、マルチプレクサ12で水平走査線9を順次選択して各センサ素子Sの抵抗値を計測する処理を、走査回路14で垂直走査線13を切り替えながら全ての垂直走査線13について行うことにより、全てのセンサ素子Sの抵抗値を時系列的に計測することができる。なお、マルチプレクサ12の出力はA/Dコンバータ17によりアナログ−ディジタル変換されて出力される。A/Dコンバータ17より後段の回路はディジタル回路で構成される。
ところで、センサ素子Sに電流を流すと、電流によって生じるジュール熱がセンサ素子Sの温度を上昇させ、この温度上昇によってもセンサ素子Sの抵抗値が僅かながら変化する。ここにおいて、本実施形態の赤外線センサ装置1は、検出結果からジュール熱の影響を除くために、センサ素子Sの抵抗値を直接用いて赤外線受光量を求めるのではなく、センサ素子Sの抵抗値に相当する計測値を計測手段8で算出し、当該計測値と後述のオフセット値との差分をとることにより赤外線受光量を求める構成を採用する。計測値を算出する構成については後述する。以下では、計測値を用いてセンサ素子Sへの赤外線受光量を求めるための構成について図1を用いて説明する。
図1は検出対象とする1つのセンサ素子Saについて計測値を計測するための構成を等価的に図示したものであって、第1のスイッチSW1が上述したスイッチング素子Q1に相当し、第2のスイッチSW2が上述したマルチプレクサ12に相当する。すなわち、センサ素子Saに対応した垂直走査線13に走査回路14から選択信号が出力されると第1のスイッチSW1がオンし、マルチプレクサ12でセンサ素子Saに対応した水平走査線9が選択されると第2のスイッチSW2がオンする。そして、第1および第2の両スイッチSW1,SW2がオンした状態で読出信号発生回路15が読出信号を発生すると、センサ素子Saの抵抗値Raに相当する電圧(参照抵抗Rrの両端電圧)が増幅器10で増幅されて出力値Voutとなり、A/Dコンバータ17を通して出力される。
ここにおいて、詳しくは後述するが、計測手段8の最後段には平均値レジスタ18が設けられており、増幅器10の出力値Voutから算出された値が平均値レジスタ18に保持される。この平均値レジスタ18に保持される値が計測手段8で計測される計測値となる。
平均値レジスタ18の後段には、出力先を第1出力19aおよび第2出力19bから択一的に選択する第1の選択回路19が接続されている。選択回路19の第1出力19aには平均値レジスタ18の出力(つまり計測値)をオフセット値r0として保持するオフセット値レジスタ20(オフセット値保持手段)が接続され、選択回路19の第2出力19bにはオフセット値レジスタ20に保持されたオフセット値r0と選択回路19の出力(つまり計測値)との差分を検出値r1として保持する検出値レジスタ21(検出手段)が接続される。
一方、本実施形態の赤外線センサ装置1では、赤外線受光量の測定を行う前に、レンズ6に赤外線を遮断するフィルム(図示せず)を貼り付けセンサ素子Sへの赤外線照射を禁止した状態で、計測手段8により計測値の計測を少なくとも1度行う。ここでは、赤外線照射が禁止された状態での計測値の計測を赤外線センサ装置1の出荷前に行う例を示すが、これに限らず、たとえば赤外線センサ装置1の電源を投入する度に行うようにしてもよい。
選択回路19は、計測手段8に設けられたタイミング制御回路22によって出力先を選択するタイミングが制御され、平均値レジスタ18の計測値が更新されるごとに第1出力19aと第2出力19bとのいずれかに計測値を出力するように構成される。ここでは、センサ素子Saが赤外線を受光していない状態(センサ素子Sへの赤外線照射が禁止された状態)で計測された計測値がオフセット値レジスタ20に出力され、センサ素子Saが赤外線を受光している状態で計測された計測値が検出値レジスタ21に出力されるように出力先を選択する。
この構成によれば、オフセット値レジスタ20に入力される計測値(つまりオフセット値レジスタ20に設定されるオフセット値r0)には、読出信号の印加によるジュール熱に起因した抵抗値Raの変化が反映され、一方、検出値レジスタ21に入力される計測値には、読出信号の印加によるジュール熱に起因した抵抗値Raの変化と赤外線受光による温度上昇に起因した抵抗値Raの変化との両方が反映される。
したがって、オフセット値r0と検出値レジスタ21の入力値との差分である検出値r1においては、ジュール熱に起因したセンサ素子Saの抵抗値Raの変化は反映されず、赤外線受光によるセンサ素子Saの温度上昇に起因した抵抗値Raの変化のみが反映される。ここで、赤外線センサ装置1は、センサ素子Saでの赤外線の受光量を表す値として検出値r1を出力する。その結果、センサ素子Saでの赤外線受光量の検出結果(検出値r1)にジュール熱の影響が反影されることはない。
さらに、通電に対するセンサ素子Saの温度上昇傾向にはセンサ素子Saごとに多少のばらつきがあり、ジュール熱に起因する抵抗値の変化量はセンサ素子Saごとに異なることがある。ここに、本実施形態の構成によれば、検出値r1にジュール熱の影響が反影されることはないので、複数台の赤外線センサ装置1について、通電に対するセンサ素子Saの温度上昇傾向に赤外線センサ装置1ごとにばらつきがあっても、センサ素子Saでの赤外線受光量が同一であれば全ての赤外線センサ装置1において同値の検出値r1を得ることができ、赤外線センサ装置1ごとの検出精度のばらつきを抑制することができる。
ところで、本実施形態の読出信号発生回路15は、読出信号をセンサ回路7に印加する計測期間Tb(図4(b)参照)の前に、所定のアイドリング値Aの電圧をセンサ回路7に印加するアイドリング動作を行うアイドリング期間Ta(図4(b)参照)が設定されている。
アイドリング期間Taにおいては、ジュール熱により変化したセンサ素子Saの温度が安定するまでアイドリング動作が行われる。ここでは、センサ回路7の出力(センサ素子Saと参照抵抗Rrとの接続点の電位)の経時的な変動が、赤外線センサ装置1で検出可能な赤外線受光量の最小単位(つまり分解能)に対するセンサ回路7の出力変化よりも小さい適当な範囲内に収まる状態を、センサ素子Saの温度が安定した状態とする。たとえば、赤外線センサ装置1で検出可能な赤外線受光量の最小単位に対するセンサ回路7の出力変化が10μVである場合には、その半分(5μV)以下にセンサ回路7の出力変動が収まるまでアイドリング動作を行うことが望ましい。アイドリング動作は、センサ素子Saが赤外線を受光していない状態と受光している状態とで、同一のアイドリング値Aの電圧を用いて同様に行われる。
この構成によれば、アイドリング期間Taに、アイドリング値Aの電圧がセンサ回路7に印加されることによりセンサ素子Saが通電加熱されるので、アイドリング期間Ta終了後の計測期間Tbには、センサ素子Saの温度が周囲温度の変化によらず比較的安定することとなり、センサ素子Saの周囲温度変化によるセンサ素子Saの抵抗値Raの変化が抑制される。しかも、センサ素子Saが赤外線を受光していない状態と受光している状態とで同等のアイドリング動作が行われるので、センサ素子Saが赤外線を受光していない状態で計測される計測値と、センサ素子Saが赤外線を受光している状態で計測される計測値とのいずれについても、センサ素子Saの周囲温度による検出精度のばらつきが抑制される。ここに、センサ素子Saが赤外線を受光していない状態で計測される計測値をオフセット値r0とし、センサ素子Saが赤外線を受光している状態で計測される計測値とオフセット値r0との差分を検出値r1としているので、検出値r1に関してセンサ素子Saの周囲温度による検出精度のばらつきが抑制されることになる。
また、読出信号として一定値の電圧を繰り返し印加した場合には、ジュール熱によりセンサ素子Saが繰り返し加熱される。ここに、比較的短い間隔で読出信号が繰り返し印加されると、センサ素子Saが放熱される前に再加熱されることにより、センサ素子Saの温度が徐々に上昇し、センサ素子Saの抵抗値Raが徐々に変化する可能性がある。この場合に、上述したオフセット値r0の設定を適当な時間間隔で行いオフセット値r0を更新していくようにすれば、センサ素子Saの経時的な抵抗値Ra変化がオフセット値r0に反映されるので、センサ素子Saの経時的な抵抗値Ra変化が差し引かれた検出値r1を検出することができる。
ただし、本実施形態のように赤外線センサ装置1の出荷前にのみオフセット値r0の設定が行われる場合には、センサ素子Saの経時的な抵抗値Ra変化が検出値r1に反映され、赤外線の検出精度が経時的に低下する可能性がある。そこで、本実施形態では以下に説明する構成により、センサ素子Saの経時的な抵抗値Ra変化そのものを抑制する。
すなわち、本実施形態の計測手段8は、読出信号発生回路15が、一定の大きさの電圧信号ではなく、期間ごとに大きさ(電圧値)の変化する電圧信号を読出信号(図4(b)参照)として出力している。ここでは、計測期間Tbにおいて、アイドリング値Aよりも既定値α(ただし、α<A)だけ高い加熱値(A+α)の電圧を読出信号として出力する加熱動作と、アイドリング値Aよりも既定値αだけ低い放熱値(A−α)の電圧を読出信号として出力する放熱動作との2種類の動作を交互に行う。具体的には、読出信号発生回路15は、アイドリング動作を行った後、加熱動作および放熱動作を交互に行うことにより、図4(b)の期間t2〜t4と期間t5〜t7と期間t8〜t10に示す電圧Vrを読出信号としてセンサ回路7に印加する。図4(b)では、アイドリング動作と加熱動作と放熱動作との組み合わせを繰り返し行う例を示す。
読出信号発生回路15は、センサ回路7への印加電圧の大きさを変化させるタイミングがタイミング制御回路22によって制御されており、ここではアイドリング期間Taと、計測期間Tbのうち加熱動作を行う期間と放熱動作を行う期間とのそれぞれが同一時間長(以下、単位時間長という)となるように制御されている。本実施形態では、この単位時間長がタイミング制御回路22で制御可能な時間の最小単位である。
計測手段8は、加熱動作の終了時点で計測されたセンサ素子Saの抵抗値Raと、放熱動作の終了時点で計測されたセンサ素子Saの抵抗値Raとの平均値を、計測値として上述の平均値レジスタ18に保持するように構成されている。具体的に説明すると、マルチプレクサ12の後段(つまり図1ではA/Dコンバータ17の後段)には、出力先を第1出力23aおよび第2出力23bから択一的に選択する第2の選択回路23が接続されている。選択回路23の第1出力23aにはセンサ素子Saの抵抗値Raに応じた増幅器10の出力値Voutを保持する加熱時レジスタ24が接続され、第2出力23bには同出力値Voutを保持する放熱時レジスタ25が接続される。なお、出力値Voutは、A/Dコンバータ17でディジタル値に変換されてから加熱時レジスタ24および放熱レジスタ25に保持される。
選択回路23は、タイミング制御回路22によって出力先を選択するタイミングが制御され、加熱動作の終了時点で加熱時レジスタ24に出力値Voutを出力し、放熱動作の終了時点で放熱時レジスタ25に出力値Voutを出力するように構成される。これにより、加熱時レジスタ24には加熱値(A+α)の電圧を読出信号としてセンサ回路7に印加した状態でのセンサ素子Saの抵抗値Raが保持され、放熱時レジスタ25には放熱値(A−α)の電圧を読出信号としてセンサ回路7に印加した状態でのセンサ素子Saの抵抗値Raが保持される。
平均値レジスタ18は、加熱時レジスタ24と放熱時レジスタ25との後段に接続され、加熱時レジスタ24に保持された値と放熱時レジスタ25に保持された値との平均値を算出し、計測値として保持する。なお、加熱時レジスタ24および放熱時レジスタ25に保持される値はディジタル値であって2進数で表されるので、平均値レジスタ18は、加熱時レジスタ24に保持された値に放熱時レジスタ25に保持された値を加算後、右に1桁シフトすることによって平均値を算出する。
すなわち、平均値レジスタ18には、加熱動作の終了時点での出力値Voutと、放熱動作の終了時点での出力値Voutとの平均値が計測値として保持される。これにより、アイドリング値Aの電圧をセンサ回路7に印加した状態で得られる計測値と同値の計測値が得られる。平均値レジスタ18はタイミング制御回路22で動作タイミングが制御されており、ここでは放熱動作の終了時点の次のタイミング(つまり放熱動作の終了時点から単位時間長の時間経過後)で計測値を算出するように構成される。なお、第1の選択回路19は、平均値レジスタ18で計測値が算出された時点の次のタイミング(つまり計測値が算出された時点から単位時間長の時間経過後)で、オフセット値レジスタ20あるいは検出値レジスタ21に計測値を出力する。
上述した構成によれば、計測期間Tbにおいてセンサ回路7に印加される電圧値は、アイドリング期間Taに比べると加熱動作時には既定値αだけ大きくなり放熱動作時には既定値αだけ小さくなるので、センサ素子Saの抵抗値Raはアイドリング動作終了時点から加熱動作中および放熱動作中に電流変化に伴ってそれぞれ変化する。ここで、加熱動作の終了時点での出力値Voutと、放熱動作の終了時点での出力値Voutとの平均値を平均値レジスタ18に保持させているので、アイドリング動作終了時点からの電流変化に伴う抵抗値変化は平均値レジスタ18に保持された値(計測値)に反映されない。そのため、通電に対するセンサ素子Saの温度上昇傾向にセンサ素子Saごとにばらつきがあっても、オフセット値r0および検出値r1においては検出精度のばらつきが抑制される。
さらに、放熱動作時には、アイドリング動作時や加熱動作時に比べて、センサ回路7に印加される電圧が小さくなるからセンサ素子Saを流れる電流が小さくなる。そのため、センサ素子Saは、アイドリング動作時および加熱動作時にジュール熱により加熱され温度が上昇した後、放熱動作時において放熱により温度が低下することとなる。その結果、比較的短い間隔で読出信号が繰り返し印加されても、放熱動作時においてセンサ素子Saが放熱されることにより、経時的にセンサ素子Saの温度が徐々に上昇することを防止でき、センサ素子Saの経時的な抵抗値Ra変化を抑制することができる。
以下、本実施形態の赤外線センサ装置1の動作について図4を参照して説明する。なお、図4では、(a)に赤外線の照射量、(b)にセンサ回路7への印加電圧Vr、(c)にセンサ素子Saの抵抗値Ra、(d)に出力値Vout、(e)に加熱時レジスタ24の内容、(f)に放熱レジスタ25の内容、(g)に平均値レジスタ18の内容、(h)にオフセット値レジスタ20の内容、(i)に検出値レジスタ21の内容を示す。
期間t0〜t4は遮断期間T0とし、レンズ6に赤外線を遮断するフィルムを貼り付けセンサ素子Saへの赤外線照射を禁止している。そして、期間t1〜t2のアイドリング期間Taに、アイドリング値Aの電圧Vrがセンサ回路7に印加され、時点t2においてはセンサ素子Saの抵抗値Raはアイドリング値Aに応じた値で飽和する。
その後、期間t2〜t4の計測期間Tbのうち、期間t2〜t3の加熱動作時には加熱値(A+α)の電圧Vrがセンサ回路7に印加され、時点t3においてはセンサ素子Saの抵抗値Raが加熱値に応じた値で飽和するとともに、このときの抵抗値Raに相当する出力値Voutが加熱時レジスタ24に保持される。期間t3〜t4の放熱動作時には放熱値(A−α)の電圧Vrがセンサ回路7に印加され、時点t4においてはセンサ素子Saの抵抗値Raが放熱値に応じた値で飽和するとともに、このときの抵抗値Raに相当する出力値Voutが放熱時レジスタ25に保持される。
その後、時点t5において、加熱時レジスタ24に保持されている値と放熱時レジスタ25に保持されている値との平均値が平均値レジスタ18に保持され、時点t6において、平均値レジスタ18に保持されている値(計測値)がオフセット値レジスタ20にオフセット値r0として保持される。ここまでの動作により、オフセット値r0が設定される。
一方、時点t4以降は、レンズ6のフィルムが剥がされセンサ素子Saで赤外線を受光可能な状態にある。時点t4以降においても、読出信号発生回路15と加熱時レジスタ24と放熱時レジスタ25と平均値レジスタ18との動作は、オフセット値r0の設定時と同様である。ただし、平均値レジスタ18に計測値を保持した次のタイミングで、平均値レジスタ18に保持されている値がオフセット値レジスタ20ではなく、検出値レジスタ21に出力される点がオフセット値r0の設定時とは相違する。すなわち、時点t9や時点t12においては、平均値レジスタ18に保持されている計測値とオフセット値レジスタ20に保持されているオフセット値r0との差分が検出値レジスタ21に検出値r1として保持される。これにより、センサ素子Saでの赤外線の受光量を表す検出値r1を検出することができる。
また、この赤外線センサ装置1は、上述したように多数のセンサ素子Sでセンサアレイ3を構成しているので、センサアレイ3を構成するセンサ素子S間でも、通電に対する温度上昇傾向にばらつきを生じる可能性がある。すなわち、たとえばセンサアレイ3のうちの対向する角部(たとえば左上と右下)にそれぞれ設けられたセンサ素子Saとセンサ素子Sbとにおいては、各センサ回路7に同等の読出信号を印加した場合でも、図5に示すようにジュール熱による抵抗値Ra,Rbの変化に違いがある。なお、図5では、(a)に赤外線の照射量、(b)にセンサ回路7への印加電圧Vr、(c)にセンサ素子Saの抵抗値Ra、(d)にセンサ素子Sbの抵抗値Rbを示す。
そこで、本実施形態の赤外線センサ装置1は、計測手段8での計測値の計測と、オフセット値レジスタ20へのオフセット値r0の設定と、検出値レジスタ21での検出値r1の算出との全ての処理を、センサ素子Sごとに行う構成を採用している。この構成によれば、各センサ素子Sについて、個別に設定されたオフセット値r0を用いて検出値r1がそれぞれ検出されることとなり、各検出値r1にはそれぞれ、赤外線受光による温度上昇に起因した抵抗値変化のみが反映され、ジュール熱に起因したセンサ素子Sの抵抗値の抵抗値変化は反映されない。その結果、図5(c)、(d)に示すように、ジュール熱による抵抗値変化が異なるセンサ素子Saとセンサ素子Sbとに関しても、各センサ素子Sa,Sbでの赤外線受光量が同一であれば両センサ素子Sa,Sbにおいて同値の検出値r1を得ることができ、センサ素子Sごとの検出精度のばらつきを抑制することができる。なお、図5の例では、期間t4〜t6に亘りアイドリング動作を継続しているが、期間t4〜t5のアイドリング動作は必須ではない。
また、本実施形態では、読出信号発生回路15が加熱動作と放熱動作とを一通り行う度に、つまり計測期間Tbが終了する度にアイドリング動作を行うことにより、センサ回路7への印加電圧Vrを計測期間Tbが終了する度に加熱値と放熱値との平均値(中間値)となるアイドリング値Aに戻すようにしてあるので、センサ素子Sにおいて加熱と放熱との対称性が維持され赤外線受光量の検出精度の向上が期待できる。ただし、このように計測期間Tbが終了する度にアイドリング動作を行わせる構成は必須ではなく、また、読出信号発生回路15が加熱動作と放熱動作とを複数回ずつ行う度に、つまり複数回の計測期間Tbが終了する度にアイドリング動作を行うようにしてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の赤外線センサ装置1は、図6に示すように筐体2の窓孔5を閉塞する閉塞位置(図6(c)の状態)と開放する開放位置(図6(b)の状態)との間で移動可能なシャッター26を有する点が実施形態1の赤外線センサ装置1とは相違する。シャッター26は赤外線を遮断する材料からなり、シャッター26が閉塞位置にある状態では、赤外線は窓孔5を通して筐体2内に照射することがないので、センサ素子Sへの赤外線照射が禁止されることとなる。
オフセット値レジスタ20へのオフセット値r0の設定を行うためには、センサ素子Sへの赤外線照射が禁止された環境を用意する必要がある。本実施形態の構成によれば、シャッター26を閉塞位置に移動するだけでセンサ素子Sへの赤外線照射を容易に禁止できるので、オフセット値レジスタ20へのオフセット値r0の設定を簡単に行うことができる。そこで、本実施形態の赤外線センサ装置1は、オフセット値r0の設定を適当な時間間隔で行いオフセット値r0を更新していく構成を採用している。
以下に、赤外線センサ装置1の動作について図7を参照して説明する。なお、図7では、(a)に赤外線の照射量、(b)にセンサ回路7への印加電圧Vr、(c)にセンサ素子Saの抵抗値Ra、(d)に出力値Vout、(e)に加熱時レジスタ24の内容、(f)に放熱レジスタ25の内容、(g)に平均値レジスタ18の内容、(h)にオフセット値レジスタ20の内容、(i)に検出値レジスタ21の内容を示す。本実施形態の基本的な動作は図4に示した実施形態1の動作と同様であるから、実施形態1と共通する動作については説明を省略する。
図7では、期間t0〜t4を遮断期間T0とし、シャッター26を閉塞位置に配置してセンサ素子Saへの赤外線照射を禁止している。この状態で期間t2〜t4の計測期間Tbに計測された計測値が、時点t6においてオフセット値r0として設定される。
一方、期間t4〜t11は、シャッター26が開放位置に配置されセンサ素子Saで赤外線を受光可能な状態にある。この状態で期間t5〜t7および期間t8〜t10の計測期間Tbに計測された計測値に関しては、時点t6で設定されたオフセット値r0を用いて検出値r1がそれぞれ検出される(時点t9、時点t12)。
ここで、時点t11以降に再び遮断期間T0を設定し、シャッター26を閉塞位置に配置してセンサ素子Saへの赤外線照射を禁止している。この状態で期間t13〜t15の計測期間Tbに計測された計測値によって、オフセット値レジスタ20内のオフセット値r0が更新され、次回の赤外線受光量の検出時には、更新後のオフセット値r0を用いて検出値r1が検出される。
上述した構成により、たとえば赤外線センサ装置1の使用環境(周囲温度など)が変わっても、常に適正な値がオフセット値r0として設定されることとなり、赤外線受光量の検出精度の向上が期待できる。その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
なお、上述した各実施形態では、多数のセンサ素子1を有するセンサアレイ3を備えた赤外線イメージセンサを赤外線センサ装置1の一例として示したが、本発明は、赤外線イメージセンサに限らず、赤外線受光による温度上昇に応じて抵抗値が変化する抵抗ボロメータからなるセンサ素子Sを備え、センサ素子Sの抵抗値の変化に基づいて赤外線の受光量を検出する種々の赤外線センサ装置1に適用することができる。
本発明の実施形態1の要部の概略構成を示すブロック図である。 同上の構成を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。 同上の構成を示す概略回路図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 本発明の実施形態2の構成を示し、(a)は正面図、(b)はシャッターが開放位置にある状態の断面図、(c)はシャッターが閉塞位置にある状態の断面図である。 同上の動作説明図である。 従来例の動作説明図である。
符号の説明
1 赤外線センサ装置
7 センサ回路
8 計測手段
20 オフセット値レジスタ(オフセット値保持手段)
21 検出値レジスタ(検出手段)
A アイドリング値
r0 オフセット値
r1 検出値
S センサ素子
Ta アイドリング期間
Tb 計測期間
α 既定値

Claims (4)

  1. 赤外線受光による温度上昇に応じて抵抗値が変化する抵抗ボロメータからなるセンサ素子と、センサ素子を含むセンサ回路に読出電圧を印加してセンサ素子に電流を流すことにより、センサ素子の抵抗値に相当する計測値を計測する計測手段と、センサ素子が赤外線を受光していない状態で計測手段により計測された計測値をオフセット値として保持するオフセット値保持手段と、センサ素子が赤外線を受光している状態で計測手段により計測された計測値と前記オフセット値との差分を、センサ素子での赤外線の受光量を表す検出値として検出する検出手段とを備え、計測手段は、前記読出電圧をセンサ回路に印加する計測期間の前に、所定のアイドリング値の電圧をセンサ回路に印加するアイドリング動作をセンサ素子の温度が安定するまで行うアイドリング期間を有し、アイドリング期間においては、センサ素子が赤外線を受光していない状態と受光している状態とで同等のアイドリング動作を行うことを特徴とする赤外線センサ装置。
  2. 前記計測手段は、前記センサ素子が赤外線を受光していない状態での前記計測期間において、前記アイドリング値よりも小さい既定値をアイドリング値に加算した加熱値の電圧を前記読出電圧として印加する加熱動作と、アイドリング値から前記既定値を減算した放熱値の電圧を読出電圧として印加する放熱動作とを同一時間長で交互に行い、前記オフセット値保持手段は、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値を前記オフセット値として保持することを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ装置。
  3. 前記計測手段は、前記センサ素子が赤外線を受光している状態での前記計測期間において、前記アイドリング値よりも小さい既定値をアイドリング値に加算した加熱値の電圧を前記読出電圧として印加する加熱動作と、アイドリング値から前記既定値を減算した放熱値の電圧を読出電圧として印加する放熱動作とを同一時間長で交互に行い、前記検出手段は、加熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値と放熱動作中に計測されるセンサ素子の抵抗値に相当する値との平均値と前記オフセット値との差分を前記検出値として検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線センサ装置。
  4. 前記計測手段は、前記加熱動作と前記放熱動作とを少なくとも1回ずつ行う度に、前記アイドリング動作を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の赤外線センサ装置。
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