JP2008082784A - 新規な標的物質検出用試薬 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高感度で簡便な標的物質検出用試薬及びそれを用いた標的物質の検出方法を提供する。特に医療分野においては、血清,血奬,もしくは尿などの排泄物に含まれている標的物質(例えば,蛋白質,ペプチドホルモン,薬物など) を測定する場合には、該標的物質の含有量が少量であるために、高感度な測定法が必要である。
【解決手段】本発明の標的物質検出用試薬は、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の標的物質検出用試薬は、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、試料に含まれる標的物質を検出するための標的物質検出用試薬及びそれを用いた標的物質の検出方法に関する。
従来から、試料に含まれる標的物質を測定するために、抗原抗体反応を利用した免疫測定法が一般的に用いられている。現在、種々の免疫測定法が考案されており、標的物質の組織化学的な検出から試験管内の微量定量反応まで広く利用されている。
特に微量な標的物質の検出には、固相に結合した標的物質等に特異的な抗体(固相抗体)に標的物質を結合させた後、酵素や蛍光物質で標識した抗体(標識抗体)を加えることで固相に結合している標的物質を検出する、サンドイッチ法(非特許文献1)が多く利用されている。また、標的物質自体が極めて微量で検出が困難な場合は、標的物質等に特異的な抗体の代わりに、抗原を固相に結合させることによって、体内で産生された該標的物質に特異的な抗体を逆に検出することで診断等を行う方法も広く利用されている(非特許文献2)。
このように、現在、特に医療分野においては、血清,血奬,もしくは尿などの排泄物に含まれている標的物質(例えば,蛋白質,ペプチドホルモン,薬物など) を測定する場合には、該標的物質の含有量が少量であるために、高感度な測定法が必要である。更に近年、疾患の正確な診断や早期診断の要求が高まりを見せ、診断における免疫測定法の更なる検出感度の向上が求められている。
免疫学イラストレイテッド 第5版 (南光堂)
The Immunoassay Handbook (2001)
本発明は、高感度な標的物質検出用試薬及びそれを用いた標的物質の検出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、サンドイッチ法において、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質、特にハプテン又は蛍光物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬を利用しサンドイッチ法を行った後に、該ハプテンを認識する酵素標識抗体と反応させることにより、より低濃度の標的物質を検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬;
(2)検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である(1)に記載の標的物質検出用試薬;
(3)ハプテンが、ジゴキシン、ジゴキシゲニン、ビオチン、ペニシリン、トリニトロフェニル、ジニトロフェニル及び/又はそれらの誘導体である(2)に記載の標的物質検出用試薬;
(4)蛍光物質が、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及び/又はそれらの誘導体である(2)に記載の標的物質検出用試薬;
(5)水溶性ポリマーが、1分子あたり2〜300分子の検出可能物質で修飾された(1)に記載の標的物質検出用試薬;
(6)水溶性ポリマーが、天然系、半合成系及び/又は合成系の水溶性ポリマーである(1)〜(5)に記載の標的物質検出用試薬;
(7)水溶性ポリマーが、核酸、ポリエチレングリコール及び/又はポリペプチドである(1)〜(6)に記載の標的物質検出用試薬;
(8)水溶性ポリマーが、DNA、ポリエチレングリコール及び/又はウシ血清アルブミンである(1)〜(7)に記載の標的物質検出用試薬;
(9)標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬を備えた標的物質検出用試薬キット;
(10)検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である(9)に記載の標的物質検出用試薬キット;
(11)検出可能物質を認識する標識化検出物質を含有する試薬をさらに備えた、(9)に記載の標的物質検出用試薬キット;
(12)標識化検出物質が標識抗体である、(11)に記載の標的物質検出用試薬キット;
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬;
(2)検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である(1)に記載の標的物質検出用試薬;
(3)ハプテンが、ジゴキシン、ジゴキシゲニン、ビオチン、ペニシリン、トリニトロフェニル、ジニトロフェニル及び/又はそれらの誘導体である(2)に記載の標的物質検出用試薬;
(4)蛍光物質が、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及び/又はそれらの誘導体である(2)に記載の標的物質検出用試薬;
(5)水溶性ポリマーが、1分子あたり2〜300分子の検出可能物質で修飾された(1)に記載の標的物質検出用試薬;
(6)水溶性ポリマーが、天然系、半合成系及び/又は合成系の水溶性ポリマーである(1)〜(5)に記載の標的物質検出用試薬;
(7)水溶性ポリマーが、核酸、ポリエチレングリコール及び/又はポリペプチドである(1)〜(6)に記載の標的物質検出用試薬;
(8)水溶性ポリマーが、DNA、ポリエチレングリコール及び/又はウシ血清アルブミンである(1)〜(7)に記載の標的物質検出用試薬;
(9)標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬を備えた標的物質検出用試薬キット;
(10)検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である(9)に記載の標的物質検出用試薬キット;
(11)検出可能物質を認識する標識化検出物質を含有する試薬をさらに備えた、(9)に記載の標的物質検出用試薬キット;
(12)標識化検出物質が標識抗体である、(11)に記載の標的物質検出用試薬キット;
を提供するものである。
本発明によれば、簡便に低濃度の標的物質を検出可能な、高感度の標的物質検出用試薬及びそれを用いた標的物質の検出方法を提供することができる。
本発明において検出可能物質としては、標識抗体等の周知の検出方法で認識可能な分子であり、標的物質の検出に悪影響を及ぼさなければ、特に限定されるものではないが、例えば、ハプテン及び蛍光物質が挙げられる。
ここで、ハプテンとしては、例えばジゴキシン、ジゴキシゲニン、ビオチン、ペニシリン、トリニトロフェニル、ジニトロフェニル及びそれらの誘導体等が挙げられ、好ましくはジゴキシゲニン、ビオチン及びジニトロフェニル(DNP)が挙げられ、特にジゴキシゲニンが好ましい。蛍光物質としては、例えば、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及び/又はそれらの誘導体が挙げられ、特にフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、Cy3及びCy5が好ましい。
本発明における水溶性ポリマーとしては、水溶性を有する天然系、半合成系及び合成系ポリマー等が挙げられ、標的物質の検出に悪影響を及ぼさなければ、特に限定されるものではないが、分子量が10,000〜1,000,000、好ましくは分子量が30,000〜500,000、特に好ましくは分子量が50,000〜300,000が、標的物質への反応性の観点から好ましい。
天然系の水溶性ポリマーとしては、核酸、ポリペプチド及び多糖類等が挙げられる。例えば、核酸としてはデオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)等が挙げられ、ポリペプチドとしてはウシ血清アルブミン(BSA)、フィブロイン、及びゼラチン等が、多糖類としてはデンプン、デキストリン、セルロース、カラギーナン、プルラン、ペクチン及びキトサン等が挙げられる。本発明で用いられる天然系の水溶性ポリマーとしては、核酸及びポリペプチドが好ましく、特にDNA及びBSAが好ましい。
半合成系の水溶性ポリマーとしては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体及びペプチド核酸(PNA)や架橋化核酸(BNA)等の核酸誘導体が挙げられる。
合成系の水溶性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド及びポリエチレンオキシド等が挙げられ、特にポリエチレングリコールが好ましい。
本発明における、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーは、公知の方法や市販されている試薬を用いて作成することができる。以下に標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマー作成に関し、具体例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、公知の手法や市販されている試薬等を適宜選択することができる。
例えば、抗原又は抗体のチオール基に水溶性ポリマーを結合する場合には、末端にオルトピリジルジスルフィド、ビニルスルフォン、マレイミド又はヨードアセトアミド構造のようなチオール基反応性の構造を有する水溶性ポリマー、好ましくはマレイミド構造を有する水溶性ポリマーを用いることができる。末端にチオール基反応性の構造を有する水溶性ポリマーは、チオール基との結合のために広く用いられており、周知の合成方法により容易に製造することが可能であり、市販もされている。
検出可能物質で水溶性ポリマーを修飾する方法としては、例えば検出可能物質がハプテンの場合、予めハプテンによって修飾されたデオキシリボヌクレオチド三リン酸によりPCRを行うことによって、ハプテンで修飾されたDNAを調製することができる。具体例としては、PCR産物にDIG−11−dUTPをとりこませることによって、ジゴキシゲニンによって修飾されたDNAを容易に調製することが可能で、該反応に使用する試薬等も広く市販されている。また、スクシンイミドエステルを持つビオチン化試薬により、ペプチドのアミノ基に共有結合でビオチンを修飾する方法等が知られており、同様にこれらのキットも市販されている。検出可能物質が蛍光物質の場合は、蛍光標識ヌクレオチドを用いて直接的に蛍光物質で修飾されたDNAやRNAを調製する方法、アミノアリル標識ヌクレオチドを用いて合成されたDNAやRNAのアミノアリル基に蛍光物質を修飾する方法、又はペプチド中のアミノ基やチオール基を蛍光物質で修飾する方法等が周知であり、そのための試薬も市販されている。
尚、水溶性ポリマーは複数の検出可能物質により修飾されていればよく、特に制限されるものではないが、例えば、検出可能物質がハプテンや蛍光物質の場合、好ましくは水溶性ポリマー1分子あたり2〜300分子、特に好ましくは20〜100分子のハプテンによって修飾されていることが、標的物質への反応性の観点から好ましい。
本発明において、標識化検出物質としては、検出可能物質を検出できるものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、標識抗体、標識アビジン又は標識ストレプトアビジン等が挙げられる。より具体的には、検出可能物質がハプテンの場合は、標識抗ハプテン抗体が使用できる他、特にハプテンがビオチンの場合は、標識アビジン又は標識ストレプトアビジンを使用することができる。更に、検出可能物質が蛍光物質である場合は標識抗蛍光物質抗体を使用することができる。
尚、上述の標識化検出物質は公知の方法で製造することが可能で、また市販もされており、容易に入手することができる。例えば、標識抗体の一例として、標識抗ハプテン抗体の具体例としては、標識ジゴキシン抗体、標識ジゴキシゲニン抗体及び標識ビオチン抗体等が挙げられる。また、標識抗蛍光物質抗体の具体例としては、標識フルオレセイン抗体、標識フィコエリトリン抗体及び標識ローダミン抗体等が挙げられる。
標識化検出物質の標識としては、例えば蛍光物質、酵素、放射性同位元素、発光物質、金属原子、金属ゾル、安定なフリーラジカル、ラテックス、バクテリオファージ等が挙げられ、特に酵素が好ましい。標識として用いる酵素としては、例えばアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ(POD)、β−ガラクトシダーゼ、アセテートキナーゼ、ルシフェラーゼ、アミラーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素、セルラーゼ又はキサンチンオキシダーゼが挙げられるが、特にPODが好ましい。また、各種標識で標識化された標識化検出物質も広く市販されており、本発明を実施する際は、各検出手段に応じて適宜標識化検出物質を選択することができる。
本発明における、標的物質検出用試薬を用いる標的物質の検出方法は、検出可能物質を認識する標識化検出物質の標識の種類に応じ、標識化免疫測定法及び測定機器の種類を適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、酵素免疫測定法が好ましく、特に化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)が好ましい。例えばサンドイッチ法においては、固相に結合した標的物質に、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを加え結合させる。次に、該検出可能物質を認識するPOD標識化検出物質を洗浄後に添加する。更に、固相に結合した標的物質に結合した複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーが結合した標的物質を認識する抗体の検出可能物質にPOD標識化検出物質を結合させる。最後に、化学発光POD基質を洗浄後に添加し、その発光を確認する。以上の工程により簡便、且つ高感度に標的物質の検出を行うことができる。
尚、検出可能物質が蛍光物質の場合は、標識化検出物質を使用することなく、直接的に蛍光を検出することも可能である。即ち、固相に結合した標的物質に、標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の蛍光物質で修飾された水溶性ポリマーを加え結合させ、洗浄後、その蛍光を検出することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[抗体標識用ジゴキシゲニンラベルDNAプローブの調製]
鋳型DNAとしてB型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)遺伝子、並びにプライマーとして5’- Amino CAAAATTCGCAGTCCCCAAC及び5’- AACTGAAAGCCAAACAGTGGを用いた。PCRはPCR ジゴキシゲニン Probe Synthesis Kit(ロシュ・ダイアグノスティックス, 1 636 909)を用い、その説明に準じて行った。
鋳型DNAとしてB型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)遺伝子、並びにプライマーとして5’- Amino CAAAATTCGCAGTCCCCAAC及び5’- AACTGAAAGCCAAACAGTGGを用いた。PCRはPCR ジゴキシゲニン Probe Synthesis Kit(ロシュ・ダイアグノスティックス, 1 636 909)を用い、その説明に準じて行った。
得られたPCR産物は、2%アガロースゲル電気泳動による確認後、432 bpの目的産物であるジゴキシゲニンラベルDNAプローブをMiniElute PCR Purification Kit(QIAGEN)を用いて精製した。精製したジゴキシゲニンラベルDNAプローブは、エタノール沈殿後、300 uLの0.1M NaPB(pH7.4)+1mM DETAに溶解した。最終的に得られたジゴキシゲニンラベルDNAプローブ溶液の、Abs 260nmの吸収より算出したDNA濃度を以下に示す。
DNA濃度 = 296ng/uL
Total volume = 300uL
Total DNA = 89ug
DNA濃度 = 296ng/uL
Total volume = 300uL
Total DNA = 89ug
[ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体の調製]
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブを抗HBsAgモノクローナル抗体HBs149(受託番号FERM BP-10583のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体)にクロスリンカーを用いて結合した。詳細を以下に示す。
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブを抗HBsAgモノクローナル抗体HBs149(受託番号FERM BP-10583のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体)にクロスリンカーを用いて結合した。詳細を以下に示す。
(実験用試薬等)
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ(0.1M NaPB(pH7.4)+1 mM EDTA、89 ug)
HBs149(8.56 mg/mL in PBS)
0.1M NaPB(pH6.0)+ 1mM EDTA
0.1M NaPB(pH7.4)+ 1mM EDTA
0.1M NaPB(pH7.0) + 0.15M NaCl
Sulfo-SMCC(PIERCE, 22322, 50mg, MW=436.37)
メルカプトエチルアミン塩酸塩(MEA, nacalai tesque, MW=113.16)
Superdex 200pg 16/60(Amersham Biosciences)
Protein A Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Biosciences)
0.1M クエン酸バッファ(pH5.0)
1M Tris-HCl(pH9.0)
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ(0.1M NaPB(pH7.4)+1 mM EDTA、89 ug)
HBs149(8.56 mg/mL in PBS)
0.1M NaPB(pH6.0)+ 1mM EDTA
0.1M NaPB(pH7.4)+ 1mM EDTA
0.1M NaPB(pH7.0) + 0.15M NaCl
Sulfo-SMCC(PIERCE, 22322, 50mg, MW=436.37)
メルカプトエチルアミン塩酸塩(MEA, nacalai tesque, MW=113.16)
Superdex 200pg 16/60(Amersham Biosciences)
Protein A Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Biosciences)
0.1M クエン酸バッファ(pH5.0)
1M Tris-HCl(pH9.0)
(還元化HBs149抗体の調製)
(1) 2.14 mgのHBs149抗体(250 uL)をとり、250 uLの1mM EDTA含有0.1M NaPB(pH6.0)を加えて0.5mLとし、同バッファで平衡化したSephadex G-50スピンカラムにかけ、バッファ交換を行った。回収した抗体溶液の溶出体積、抗体濃度及び抗体量を以下に示す。
溶出体積: 0.55 mL
抗体濃度: 3.5 mg/mL
抗体量 : 1.9 mg(回収率 89 %)
(2) 61 uLの0.35 Mの2メルカプトエチルアミン溶液を添加。
(3) 37 ℃90分インキュベート。
(4) 1 mM EDTAを含む0.1M NaPB(pH7.4)で平衡化したSephadex G-50カラムで2メルカプトエチルアミンを除去。回収した抗体溶液の溶出体積、抗体濃度及び抗体量を以下に示す。
溶出体積: 0.6 mL
抗体濃度: 2.8 mg/mL
抗体量 : 1.68 mg(回収率 87 %)
(1) 2.14 mgのHBs149抗体(250 uL)をとり、250 uLの1mM EDTA含有0.1M NaPB(pH6.0)を加えて0.5mLとし、同バッファで平衡化したSephadex G-50スピンカラムにかけ、バッファ交換を行った。回収した抗体溶液の溶出体積、抗体濃度及び抗体量を以下に示す。
溶出体積: 0.55 mL
抗体濃度: 3.5 mg/mL
抗体量 : 1.9 mg(回収率 89 %)
(2) 61 uLの0.35 Mの2メルカプトエチルアミン溶液を添加。
(3) 37 ℃90分インキュベート。
(4) 1 mM EDTAを含む0.1M NaPB(pH7.4)で平衡化したSephadex G-50カラムで2メルカプトエチルアミンを除去。回収した抗体溶液の溶出体積、抗体濃度及び抗体量を以下に示す。
溶出体積: 0.6 mL
抗体濃度: 2.8 mg/mL
抗体量 : 1.68 mg(回収率 87 %)
(ジゴキシゲニンラベルDNAプローブへのマレイミド基の導入)
(1) 1 mgのSulfo-SMCCを0.5 mLの0.1M NaPB (pH7.0) + 1 mM EDTAに懸濁。
(2) 300 uL(89 ug)のジゴキシゲニンラベルDNAプローブ溶液に上記SMCC溶液を0.3 mL(0.6 mg)を添加。
(3) 37℃20分インキュベート。
(4) 1mM EDTAを含む0.1M NaPB(pH7.4)で平衡化したSephadex G-50カラムで未反応のSulfo-SMCCを除去。
(5) セントリコンYM-50(ミリポア社)で濃縮。
以下に、Abs260 nm測定により回収したDNA量を測定した結果を示す。
溶出体積 : 0.26 mL
DNA濃度: 230 ng/mL
DNA量 : 60 ug(回収率 87 %)
(1) 1 mgのSulfo-SMCCを0.5 mLの0.1M NaPB (pH7.0) + 1 mM EDTAに懸濁。
(2) 300 uL(89 ug)のジゴキシゲニンラベルDNAプローブ溶液に上記SMCC溶液を0.3 mL(0.6 mg)を添加。
(3) 37℃20分インキュベート。
(4) 1mM EDTAを含む0.1M NaPB(pH7.4)で平衡化したSephadex G-50カラムで未反応のSulfo-SMCCを除去。
(5) セントリコンYM-50(ミリポア社)で濃縮。
以下に、Abs260 nm測定により回収したDNA量を測定した結果を示す。
溶出体積 : 0.26 mL
DNA濃度: 230 ng/mL
DNA量 : 60 ug(回収率 87 %)
(還元化HBs149抗体とマレイミド化ジゴキシゲニンラベルDNAプローブのカップリング)
還元化HBs149抗体0.24 mL(0.67 mg)とマレイミド化ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ0.26 mL(60 ug)を混合し、遮光下、室温で振とうしながら3時間反応させた。反応液1 uLを電気泳動に供し、カップリングの状況を確認したものを図1に示す。その後、4℃で12時間反応を行った。
還元化HBs149抗体0.24 mL(0.67 mg)とマレイミド化ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ0.26 mL(60 ug)を混合し、遮光下、室温で振とうしながら3時間反応させた。反応液1 uLを電気泳動に供し、カップリングの状況を確認したものを図1に示す。その後、4℃で12時間反応を行った。
反応終了後、0.1M NaPB(pH7.0) + 0.15M NaClで平衡化したSuperdex 200pg 16/60カラムに反応液を負荷し、分画1mL/tube、流速1mL/minの条件下でゲルろ過することにより、未反応のHBs149抗体を除去した。ゲル濾過の溶出パターンを図2に示す。
ゲルろ過後の溶出フラクションNo. 42 45をプールして、セントリコンYM-50(ミリポア社)を用いて0.68 mLにまで濃縮した後、Protein A Sepharose 4 Fast Flowによるアフィニティークロマトグラフィーを以下の条件下で行うことで、未反応のジゴキシゲニンラベルDNAプローブを除去した。。
平衡化 : 1.5 M Glycine, 3 M NaCl (pH8.9) バッファ, 5 column volume
サンプル : 2 mL(濃縮サンプル0.68 mL + 平衡化バッファ 1.32 mL)
洗浄 : 1.5 M Glycine, 3 M NaCl (pH8.9) バッファ, 1 mL x 5 tubes
溶出 : 0.1 M クエン酸 (pH5.0) バッファ, 1 mL x 5 tubes
中和 : 1 M Tris-HCl(pH9.0)バッファ, 100 uL/tube
平衡化 : 1.5 M Glycine, 3 M NaCl (pH8.9) バッファ, 5 column volume
サンプル : 2 mL(濃縮サンプル0.68 mL + 平衡化バッファ 1.32 mL)
洗浄 : 1.5 M Glycine, 3 M NaCl (pH8.9) バッファ, 1 mL x 5 tubes
溶出 : 0.1 M クエン酸 (pH5.0) バッファ, 1 mL x 5 tubes
中和 : 1 M Tris-HCl(pH9.0)バッファ, 100 uL/tube
Elute 2をセントリコンYM-50で450 uLにまで濃縮後、50 uLの10% BSAを加え、500 mLの0.1M NaPB(pH7.0) + 0.15M NaClに対して4℃で6時間透析した後、再度透析外液を交換し、6時間透析することで、ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体を得た。電気泳動に供したものを図3に示す。
[ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体を用いた化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)]
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体を用い、B型肝炎ウイルス抗原(HBsAg)をCLEIAによって検出した。詳細を以下に記載する。
(実験例1)
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体を用い、B型肝炎ウイルス抗原(HBsAg)をCLEIAによって検出した。詳細を以下に記載する。
(実験例1)
(実験用試薬等)
抗HBsAgモノクローナル抗体HBs1053(受領番号FERM BP-10582のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体)
フルオロヌンクプレート(NUNC社製、437591)
リコンビナントHBsAg(Biodesign International, )
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体
Anti-ジゴキシゲニン-POD標識抗体(Roche Diagnostics社, 11 207 733 910)
反応バッファ
NaH2PO4・2H2O 1.56 g、NaCl 8.75 g、EDTA・2Na、0.94 g、BSA 10 g及びCasein 5 gを蒸留水で1,000 mLに調製したもの (pH7.0)。
バッファ II
Na2HPO4・12H2O 2.58 g、NaH2PO4・2H2O 0.438 g、NaCl 8.75 g及びTween 20 0.5 mLを蒸留水で1,000 mLに調製したもの。
化学発光基質FEMTOGLOW(Michigan Diagnostic)
発光測定装置:FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH)
抗HBsAgモノクローナル抗体HBs1053(受領番号FERM BP-10582のハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体)
フルオロヌンクプレート(NUNC社製、437591)
リコンビナントHBsAg(Biodesign International, )
ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体
Anti-ジゴキシゲニン-POD標識抗体(Roche Diagnostics社, 11 207 733 910)
反応バッファ
NaH2PO4・2H2O 1.56 g、NaCl 8.75 g、EDTA・2Na、0.94 g、BSA 10 g及びCasein 5 gを蒸留水で1,000 mLに調製したもの (pH7.0)。
バッファ II
Na2HPO4・12H2O 2.58 g、NaH2PO4・2H2O 0.438 g、NaCl 8.75 g及びTween 20 0.5 mLを蒸留水で1,000 mLに調製したもの。
化学発光基質FEMTOGLOW(Michigan Diagnostic)
発光測定装置:FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH)
(CLEIAによるHBsAgの検出方法)
10 ug/mLのHBs1053抗体溶液100 uLをフルオロヌンクプレートに添加し、室温2時間静置後、300 uLの反応バッファでブロッキングすることによりHBs1053抗体固定化プレートを調製した。本プレートに50 uLの反応バッファ及び50 uLのリコンビナントHBsAg (0 0.03 IU/mL)を添加し、30分間室温にて反応させた。バッファ IIで5回洗浄した後、反応バッファにより50倍希釈したジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体100 uLを添加し、更に室温30分間反応させた。上記と同様にバッファIIで洗浄後、反応バッファで25 mU/mLに希釈したペルオキシダーゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体100 uLを添加し、30分間室温にて反応させた。その後、再度バッファ IIで5回洗浄し、化学発光基質FEMTOGLOWを100 uL添加し5分間室温で反応させた。0.1秒間に生ずる発光量を発光測定装置により計測した。結果を表1及び図4に示す。
(比較例1)
10 ug/mLのHBs1053抗体溶液100 uLをフルオロヌンクプレートに添加し、室温2時間静置後、300 uLの反応バッファでブロッキングすることによりHBs1053抗体固定化プレートを調製した。本プレートに50 uLの反応バッファ及び50 uLのリコンビナントHBsAg (0 0.03 IU/mL)を添加し、30分間室温にて反応させた。バッファ IIで5回洗浄した後、反応バッファにより50倍希釈したジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体100 uLを添加し、更に室温30分間反応させた。上記と同様にバッファIIで洗浄後、反応バッファで25 mU/mLに希釈したペルオキシダーゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体100 uLを添加し、30分間室温にて反応させた。その後、再度バッファ IIで5回洗浄し、化学発光基質FEMTOGLOWを100 uL添加し5分間室温で反応させた。0.1秒間に生ずる発光量を発光測定装置により計測した。結果を表1及び図4に示す。
(比較例1)
(実験用試薬等)
以下の試薬以外は実験例1と同様のものを使用した。
POD標識HBs149抗体(10 U/mL)
以下の試薬以外は実験例1と同様のものを使用した。
POD標識HBs149抗体(10 U/mL)
(CLEIAによるHBsAgの検出方法)
HBs1053抗体固定化フル3オロヌンクプレートに、50 uLの反応バッファ及び50 uLのリコンビナントHBsAg (0 0.03 IU/mL)を添加し、30分間室温にて反応させた。反応後、バッファ IIで5回洗浄した後、反応バッファにより25 mU/mLに希釈したペルオキシダーゼ標識HBs149抗体を100 uL添加し、30分間室温にて反応させた。その後、再度バッファ IIで5回洗浄し、化学発光基質FEMTOGLOWを100 uL添加し5分間室温で反応させた。0.1秒間に生ずる発光量を発光測定装置により計測した。結果を表1及び図4に示す。
HBs1053抗体固定化フル3オロヌンクプレートに、50 uLの反応バッファ及び50 uLのリコンビナントHBsAg (0 0.03 IU/mL)を添加し、30分間室温にて反応させた。反応後、バッファ IIで5回洗浄した後、反応バッファにより25 mU/mLに希釈したペルオキシダーゼ標識HBs149抗体を100 uL添加し、30分間室温にて反応させた。その後、再度バッファ IIで5回洗浄し、化学発光基質FEMTOGLOWを100 uL添加し5分間室温で反応させた。0.1秒間に生ずる発光量を発光測定装置により計測した。結果を表1及び図4に示す。
1:Φx174/HaeIII分子量マーカー 2:カップリング混合物 3:ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体 4:未反応ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ 5:ジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体及び未反応ジゴキシゲニンラベルDNAプローブのピーク 6:未反応標識HBs149抗体のピーク 7:精製後のジゴキシゲニンラベルDNAプローブ標識HBs149抗体 8:実験例1 9:比較例1
Claims (12)
- 標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬。
- 検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である請求項1に記載の標的物質検出用試薬。
- ハプテンが、ジゴキシン、ジゴキシゲニン、ビオチン、ペニシリン、トリニトロフェニル、ジニトロフェニル及び/又はそれらの誘導体である請求項2に記載の標的物質検出用試薬。
- 蛍光物質が、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及び/又はそれらの誘導体である請求項2に記載の標的物質検出用試薬。
- 水溶性ポリマーが、1分子あたり2〜300分子の検出可能物質で修飾された請求項1に記載の標的物質検出用試薬。
- 水溶性ポリマーが、天然系、半合成系及び/又は合成系の水溶性ポリマーである請求項1〜5に記載の標的物質検出用試薬。
- 水溶性ポリマーが、核酸、ポリエチレングリコール及び/又はポリペプチドである請求項1〜6に記載の標的物質検出用試薬。
- 水溶性ポリマーが、DNA、ポリエチレングリコール及び/又はウシ血清アルブミンである請求項1〜7に記載の標的物質検出用試薬。
- 標的物質に対する抗原又は抗体に結合し、且つ複数の検出可能物質で修飾された水溶性ポリマーを含有する標的物質検出用試薬を備えた標的物質検出用試薬キット。
- 検出可能物質が、ハプテン及び/又は蛍光物質である請求項9に記載の標的物質検出用試薬キット。
- 検出可能物質を認識する標識化検出物質を含有する試薬をさらに備えた、請求項9に記載の標的物質検出用試薬キット。
- 標識化検出物質が標識抗体である、請求項11に記載の標的物質検出用試薬キット。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006261281A JP2008082784A (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 新規な標的物質検出用試薬 |
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JP2017531797A (ja) * | 2014-10-02 | 2017-10-26 | ヴェンタナ メディカル システムズ, インク. | ポリマー及びポリマーを含むコンジュゲート |
WO2023088402A1 (zh) * | 2021-11-22 | 2023-05-25 | 菲鹏生物股份有限公司 | 一种捕获法检测抗体的方法和应用 |
-
2006
- 2006-09-26 JP JP2006261281A patent/JP2008082784A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017531797A (ja) * | 2014-10-02 | 2017-10-26 | ヴェンタナ メディカル システムズ, インク. | ポリマー及びポリマーを含むコンジュゲート |
US11079372B2 (en) | 2014-10-02 | 2021-08-03 | Ventana Medical Systems, Inc. | Polymers and conjugates comprising the same |
WO2023088402A1 (zh) * | 2021-11-22 | 2023-05-25 | 菲鹏生物股份有限公司 | 一种捕获法检测抗体的方法和应用 |
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