JP2008081946A - 断熱材、断熱構造体及び断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱材、断熱構造体及び断熱材の製造方法 Download PDF

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Yuji Mita
裕次 三田
Yoshihei Sakabe
芳平 坂部
Masaki Shiraiwa
正喜 白岩
Takayasu Watanabe
貴泰 渡辺
Toshihiro Watanabe
智弘 渡辺
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Abstract

【課題】従来の一般的な断熱材と同等の手間で、また、特別な部材の必要もなく、3つの熱流要因を取り除く事が出来るようになり、結果としてより性能の高い断熱材を提供すること。また、限られた構造体の厚さの中でより性能の高い断熱材を提供すること。また、さらに低いコストでより性能の高い断熱材を提供すること。
【解決手段】本発明による断熱材は、室内面14と室外面16を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層12の室内面もしくは室外面14に凹凸15を備え、その凹凸表面に低放射層13を有する。
断熱層32,132の、低放射層33,133を有する凹凸表面に対向する面に更に低放射層38,138を設けることもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材及びその断熱材を充填又は張り付けた断熱構造体に関する。
断熱材は、高温から低温の物質に移動する熱を抑制する目的で使用されるものであるが、熱の伝わり方には、熱伝導、熱対流及び熱放射の3種類がある。
一般に言う断熱材には、繊維系のものと、発泡プラスチック系のもの、また真空断熱材がある。
繊維系の断熱材は、熱伝導性能の悪い空気を活用し、その対流を抑制することで、断熱性能を確保している。発泡プラスチック系断熱材は、空気よりさらに熱伝導性能の悪いガス類を用い、そのガスを独立気泡内に保有させる事によって対流を防ぎ、一般的には、繊維系断熱材より優れた断熱特性を持つ。なお、連続気泡内に空気を含む場合もある。
真空断熱材は、真空若しくは、内部圧力を大幅に下げることにより、伝導熱及び対流熱損失を限りなくゼロにしたもので、前記2種類の断熱材と比較すると断熱効果の優れた特性を持っている。
上記3種類のいずれの断熱材も、伝導及び対流の熱流を抑制することを主眼にしている。
近年、放射による熱損失を防ぐことに主眼を置いた断熱遮熱材が多く開発されているが、その多くが、熱伝導及び熱対流抑制効果は少ない。
発泡プラスチック系の断熱材の中には、放射率の低い外被材を表面に張り付けた製品もあるが、その表面は平滑である。
特許文献1は、無機繊維マットで構成されたボード状の断熱部材に、通気層を形成するための凸部を形成するよう凸部形成部材を張り合わせて一体化して形成された断熱材を開示している。この断熱材を屋根部に取り付ける際には、凸部形成部材を屋根下地材に向け、断熱材を垂木の間に嵌め込むことで、屋根下地材と断熱部材との間に凸部形成部材の高さで定まるサイズの通気層を形成でき、片面に通気層を形成した断熱層を容易に形成できる。
特許文献2は、断熱性能に優れる発泡成形によるフェノールフォームと、成形性に優れるポリスチレンフォームとが積層されており、目的の断熱性能を得るための厚さ寸法を小さくできる複合断熱ボードを開示している。この断熱ボードの表面には突部が分散形成されている。
特許文献3は、可撓性基材の表面に、樹脂の膜で中空袋状の小突起を形成し、該突起の中に蓄熱材を封入してなる蓄熱シートを開示している。可撓性機材には、反射性の材料の膜が設けられ、これにより蓄熱材の放射熱を反射して、放射冷却で蓄熱材が冷えるのを防ぐ。反射性の材料の膜の例として、銀粉の塗料とか、アルミ箔とか、光を反射する性質のある材料の塗膜や被膜が挙げられている。
特許文献4は、建築物の壁内断熱材のグラスウールを開示している。このグラスウールの表面には上下に通じる凹部が設けられ、該凹部にて通気層が形成される。
特開2003−041675号公報 特開2003−119923号公報 特開平07−286795号公報 特開平08−120801号公報
理想的な断熱材は、「伝導」「対流」「放射」の3つの熱流要因を極限まで取り除いたものである。
伝導及び対流による熱損失を防ぐ方法は、熱伝導性の悪い素材の対流要因を取り除くことによって成立するが、放射による熱損失を防ぐ方法を成立させるためには、断熱材の表面構成の放射率を低くし、且つその表面構成が空気層に接することが好ましい。
さらに該空気層は、低放射率表面構成の両側(室内及び室外)に設ける事により放射による熱損失をさらに抑制し好適である。また、断熱構造体としては、断熱材の低放射表面構成と対抗させて、該低放射表面構成とは別個の低放射層を設けることも放射による熱損失をさらに大きく抑制する。
断熱材は、同じ素材で同じ密度の場合、ほぼ厚さに比例して性能が向上するが、価格も同様に高価になる傾向にある。
一般的な断熱工法として外(外張り)断熱工法と、内(充填)断熱工法の2通りがあるが、いずれの工法でも前記3つの熱流要因を取り除くためには、多くの施工手間と特別な部材を用いることにより初めて実現する。
以下、本発明が解決しようとする問題点を詳細に説明する。
(1)問題点その1(特別な部材や、多くの手間をかけないと前記3つの熱流要因を抑制することが難しいという問題点)
図11に充填断熱工法による断熱構造体200の例を示す。なお、この例は従来技術ではなく、本発明者等が本発明を完成するに当たって解決する必要があった問題点を説明するために示した例である。図11において、Aは室内側、Bは室外側を示す。断熱構造体200は、室内側Aの内装下地材202と、この内装下地材202に隣接して配置された断熱材204と、室外側の面材又はシート206を含む。断熱材204は、断熱層208と、この断熱層210の表面に形成された低放射率の(低放射層)212を有する。
このような構成の断熱構造体200において、例えば、断熱層208の表面に凹凸がなく平滑な状態の断熱材204であって、(1)断熱材充填部位と同じ厚さの断熱材の場合と、(2)断熱材充填部位より薄い断熱材の場合を考えると、
(1)の場合、必然的に、室内側及び室外側に密着し、伝導及び対流熱損失は抑制するが、空気層が確保できないため、放射による熱損失を抑制する事はできない。
(2)の場合、施工にかなりの手間をかけるか、特別な部材を用いないと理想的な構造にはならない。この特別な部材とは、図11に示すように、構造体内に空気層214を確保するための垂木216や、図12に示すような特殊なスペーサー218を指す。
もしその様な特別な部材216,218を用いずに充填すると、図13に示すような室外側Bに押しつけられた施工方法の場合、低放射層212が、空気層215と接しないため、放射による熱流要因を排除できない。
また、図14に示すような構造体内中間に充填される施工方法の場合、室内側A及び室外側Bに空気層214、215が出来てしまうと、対流現象により、室内側Aの空気層215及び室外側Bの空気層214の空気が対流現象により置換してしまう可能性が高く、対流による熱損失が激しくなる。
特に、木造住宅の外壁に多用される充填断熱工法の場合、前記3つの熱流要因を取り除くためには、スペーサー的な役目を果たす物の使用が不可欠であり、外(外張り)断熱工法と比較してより多くの施工手間を必要としている。
(2)問題点その2(コスト面における問題点)
断熱材は厚さに比例して性能は向上するが、価格についてもほぼ厚さに比例して高価になる。厚くなればそれに比例して原料を多く使うことになり、製造コストが上昇する。
(3)問題点その3(構造体の厚さが制限されていることによる問題点)
通常の建築物は、構造体の厚さが決まっている。従って、断熱材の充填できる厚さにも制限がある。例えば、厚さ100mm程度の外壁部分に繊維系断熱材を用いる場合、必要な断熱性能が不足する場合がある。
上記特許文献1〜4のいずれも、上記問題点、特に問題点その2及び3を解決可能な断熱材及び構造体を開示していない。
本出願の第1の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に、構造体に充填した際、空気層を形成するための凹凸を備え、その凹凸表面に低放射層を有することを特徴とした断熱材が提供される。
本出願の第2の発明によれば、第1の発明の断熱材が充填または張り付けられた断熱構造体が提供される。
本出願の第3の発明によれば、第1の発明の断熱材において、構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が提供される。
本出願の第4の発明によれば、第3の発明の断熱材が充填または張り付けられた断熱構造体構造体が提供される。
本出願の第5の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の室内面もしくは室外面に、構造体に充填した際、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成する凹凸を備え、その凹凸表面に低放射層を有する事を特徴とした充填用断熱材が提供される。
本出願の第6の発明によれば、第5の発明の断熱材が充填された構造体が提供される。
本出願の第7の発明によれば、第5の発明の断熱材の、構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が提供される。
本出願の第8の発明によれば、第7の発明の断熱材が充填された構造体が提供される。
本出願の第9の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱材が充填または張り付けられた構造体において、前記断熱材の室内面もしくは室外面に凹凸を形成し、低放射率の面材或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体が提供される。
本出願の第10の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱材が充填された構造体において、前記断熱材の室内面もしくは室外面と構造体の間に厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成するための凹凸を形成し、低放射層の面材あるいはシート状のものを前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体が提供される。
本出願の第11の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に低放射層を有する凹凸を備え、低放射率の面材或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体が提供される。
本出願の第12の発明によれば、第11の発明において、構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が充填された断熱構造体が提供される。
本出願の第13の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の、室内面もしくは室外面に、低放射層を有する凹凸を備えた断熱材が充填された構造体において、前記凹凸は、厚さの平均が5mm以上25mm以下の平均空気層を形成する大きさであり、低放射層の面材或いはシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体が提供される。
本出願の第14の発明によれば、第13の発明において、構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が充填された断熱構造体が提供される。
本出願の第15の発明によれば、室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に構造体に充填した際、空気層を形成するための凹凸を設け、前記凹凸表面にシート状の低放射層を、該低放射層と前記凹凸表面の間及び該低放射層と構造体の間に2つの空気層が形成できるように張り付けた、断熱材が提供される。
本出願の第16の発明によれば、第15の発明による断熱材が充填または張り付けられたことを特徴とした断熱構造体が提供される。
本出願の第17の発明によれば、室内面と室外面を有し、平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の、室内面もしくは室外面に構造体に充填した際、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成するための凹凸を設け、前記凹凸表面にシート状低放射層を、該低放射層と前記凹凸表面の間及び該低放射層と構造体の間に2つ空気層が形成できるように張り付けた充填用断熱材が提供される。
本出願の第18の発明によれば、第17の発明による断熱材が充填された断熱構造体が提供される。
(1)問題点その1に対応する効果
本発明によると、従来の一般的な断熱材と同等の手間で、特別な部材の必要もなく、前記3つの熱流要因を取り除く事が出来るようになり、結果としてより性能の高い断熱材の提供が可能となる。
また、凹凸面を室外側に設けた場合、必然的に形成される断熱層の室外側空気層の効果によって、結露水の放散促進に大きく役立つ。その理由は、空気層がない場合は、対流が起きず、結露水が蒸発しにくいが、空気層が存在する場合には対流現象により、単一空気層内で空気の流れが生じ、結露水が蒸発しやすいからである。
一方、凹凸面を室内側に設けた場合は、室内側の面材と断熱材の間に空間(空気層)が形成される。その空間にコンセントボックス等の配線設備を設置することが可能になり、従来必要であった断熱材の加工を不要にすると共に断熱欠損部を減らすことができる。
更に、本発明による断熱材は、凹凸面の凸部頂端部と裏面間の深さを、断熱材充填部の厚さと同じにすることが基本的であるが、本発明による断熱材の場合、凹凸面を有するので、凹凸面の裏面が構造面材に密着する。従って、凸部頂端部と裏面間の厚さが断熱材使用部位の厚さと同じであるため、必然的に凹凸裏面が、構造面材に密着する。このため、より精度の高い施工が可能となる。
(2)問題点その2に対応する効果(コスト面における効果)
本発明による断熱材は、断熱層の室内面もしくは室外面に、空気層を形成するための凹凸を備え、その凹凸表面に低放射層を設けたこと及び/または前記凹凸面に対向させて低放射率の面材もしくは低放射率のシート状の物を設けたことにより、放射熱損失を抑制し、より安価に、同等以上の性能の断熱材を提供できる。換言すると、薄くとも即ち安くてもより厚い即ち高い断熱材と同等以上の性能の断熱材を提供することができる。
(3)問題点その3に対応する効果(構造体の厚さが制限されていることに関する効果)
本出願の請求項5,6,7及び10に記載の発明による断熱材を、構造体に充填する場合、凹凸部を除いた断熱材の厚さ部分が、従来の断熱材のようにその厚さ全体が構造体の厚さ全体にわたるように充填するより薄い場合も、結果として高い性能を発揮することができる。すなわち、限られた構造体の限られた厚さの中で、より高い性能を発揮することができる。
(4)問題点その2及び3のいずれにも対応する効果
次に、本出願の請求項5,6,7及び13、14に記載の発明における共通の特徴点である、平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層を有する断熱材の低放射層を有する凹凸が、断熱材を構造体に充填した際、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成することによる効果を説明する。なお、この効果は、本出願の請求項10に記載の発明による断熱材構造体(断熱材に低放射層を設けることは限定せず、低放射率の面材或いは低放射率のシート状のものを断熱材の凹凸面に対向させて設けた断熱構造体)によっても得られることは当業者によれば、容易に理解することができる。
本発明が最も高い効果を発揮するケースは、例えば、建築物等の断熱材として本発明品を用いる場合に、構造体の限られた厚さの中で、断熱材を構造体の厚さ全体にわたるように充填するよりも、凹凸の効果によって形成される空気層+低放射層を備えたほうが、高い性能を発揮するケースである。
空気層の厚さを5mm以上25mm以下と限定した根拠
例えば、建築物等の断熱材として用い、限られた厚さの中で、断熱材そのものだけを構造体全体にわたるように充填するよりも優れた断熱性能を発揮させたい場合、断熱材の性能により本発明の効果が変動する。断熱材の性能は一般的には熱伝導率で評価し、該熱伝導率の数値が小さいほど性能が優れている。断熱材の性能がよくなれば本発明の効果が少なく、断熱材の性能が悪くなると効果は大きくなる傾向にある。その理由は、空気層+低放射層によって得られる性能は、一定であるが、空気層を形成するために減じる断熱層の厚さ(断熱厚)に起因する性能悪化は、断熱材の性能が優れているほど大きくなるため、このような傾向となる。
よって下記条件で実験及び検証を実施し、本発明により顕著な効果を得られる条件を、本出願の独立請求項5及び13に記載したものである。
実験及び検証の条件:
空気層と低放射層の熱抵抗:
実験1:空気層の厚さを正確にするため、凹凸のない平滑な断熱材にアルミ箔(厚さ12μm)を張り付け、空気層の厚さが0mm〜30mmである場合の各厚さにおける熱抵抗値を測定した。温度条件は、低温側温度を15℃、高温側温度を35℃とした。
検証1:熱伝導率0.03 W/mK〜0.05 W/mKの断熱材が、空気層を形成するために減じる厚さ(以下、断熱減少厚と称する。)分の熱抵抗値を算出した。
検証2:実験1により得られる効果から、検証1により悪化する要因を差し引き、本発明の効果(熱抵抗値の増減)を算出した。
実験1:空気層+低放射層(アルミ箔12μ)の効果によって付加される熱抵抗値の測定結果
検証1.空気層を形成するために減じる断熱厚さに起因して悪化する性能の検証
なお、以下の表1〜表7において、正数は、性能が向上する組み合わせを示し、負数(△)は性能が悪化する組み合わせを示す。
1)断熱材の熱伝導率0.03W/mKの場合
2)断熱材の熱伝導率0.035W/mKの場合
3)断熱材の熱伝導率0.04W/mKの場合
4)断熱材の熱伝導率0.045W/mKの場合
5)断熱材の熱伝導率0.05W/mKの場合
検証2.本発明品の効果の検証、即ち、実験1の要因により得られる効果(表1)から検証1の要因で悪化する性能(表2〜6)を差し引いた効果の検証(熱抵抗値の増減で評価する。)
表7により、断熱材の熱伝導率が、0.035W/mK未満の場合本発明品の効果は少ないことがわかる。また、断熱材の熱伝導率が、0.035W/m以上の場合であっても、空気層の厚さの平均は5mm以上であることが好ましく、15mmまでは、厚ければ厚いほど効果が高いが、25mmを超えるとその本発明の効果の増加は少なくなり、断熱材が薄くなることによる性能悪化が大きくなる。
よって、断熱材の熱伝導率は、0.035W/mK以上、空気層の厚さの平均は、5mm以上25mm以下という枠を設けた。
尚、ここに記載した効果の大小については、あくまでも構造体が一定の厚さであるという前提のもとに、その断熱材そのものだけを構造体の厚さ全体にわたるように充填するよりも、高い性能を求めようとするケースに限っていえることである。
よってそれ以外のケースでは、上記表中で効果の少なかった組み合わせ、及び負数になった組み合わせであっても、本発明に従って断熱材に凹凸を設けることによる効果(即ち、空気層が形成されることによる効果)に加えてその空気層に接するように低放射層を設けることによる効果は、断熱材そのものに付加される性能であり、従来の断熱材に比して一様に断熱性能が向上している。
本発明による断熱材は、図1及び図2に示すように、室外面または室内面14、24と16,26を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層12,22の室内面もしくは室外面14,24に凹凸15、25を備え、その凹凸表面に低放射層13,23を有する。
凹凸表面14,24の形状として、半球状の突起部15を有する例と突起部25を有する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。
本発明による断熱構造体は図3及び図4に示すように、室内面42、56と室外面34、54を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層32、52の室内面もしくは室外面34、54に凹凸35,55を備え、その凹凸表面に低放射層33,53を有する断熱材40,60が充填または張り付けられている。
本発明の他の断熱構造体は、図5に示すように、室外面84と室内面86を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱材80が充填または張り付けられた構造体70において、断熱材80の室内面もしくは室外面84に凹凸85を形成し、低放射率の面材72或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面84に対向させて設けられている。
本発明の他の断熱構造体は、図6に示すように、室外面104と室内面106を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層102の室内面もしくは室外面104に低放射層103を有する凹凸105を備え、低放射率の面材92或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けられている。
本発明の断熱構造材は、図7に示すように、室外面142と室内面134を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層132の室内面もしくは室外面に凹凸135を設け、前記凹凸表面134にシート状の低放射層133を、該低放射層133の室内側A及び室外側Bの両側に空気層が形成できるように張り付けている。
前述のように低放射層は空気層と接する事により放射熱による熱損失を低減させる。よって上記各本発明における凹凸の形状は、凹凸の凸部分が構造面材に触れる部分が少なくなる事が望ましく、さらに凸部先端は、線状または、点状となって構造面材に触れることが望ましい。
また、本願の請求項5〜8、10、13,14,17及び18に係る発明においては、空気層の厚さを5mm〜25mmとして限定しているが、15mm〜20mm程度が更に好適な厚さであり、これ以上厚くなると、放射熱損失の抑制効果の増加分は少なく、断熱層部の厚さ減少分の断熱性能が悪化する事となる。
図1(a)、(b)は本発明の実施例1による断熱材10を示す。この断熱材10は、断熱層12と低放射層13を有する。断熱層12は伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成され、室内面または室外面14と16を有し、一方の面14に突起部(凹凸部)15を備え、その一方の面(凹凸表面)14に前記低放射層13を有する。
なお、断熱構造体に本断熱材10を充填または張り付けた状態において、突起部及び低放射層面は、構造体に充填または張り付ける際、室内に向けて配置される場合と室外に向けて配置される場合の2通りの場合がある。
低放射層13としては、種々の構成のものを用いることができるが、例えば、放射率の低い外被材を張る例、放射率の低い塗装を施す例、断熱材10そのものにアルミニウム等の放射率の低い金属を蒸着させる例等が考えられるが、これに限らず、放射率の低い層であればどのようなものであってもよい。
放射率の低い外被材の例としては、アルミ箔・アルミラミネートフィルム・アルミ蒸着フィルム・金箔・銀箔等の金属を薄くたたき延ばしたもの(箔)または、蒸着、ラミネートさせたもの等を挙げることができる。
放射率の低い塗装を施す例としては、塗料の中に放射率の低い金属粒やセラミックビーズを混入させたもの等を挙げることができる。
図2(a)、(b)は本発明の実施例1の変形例による断熱材20を示す。この断熱材20は、断熱層22と低放射層23を有する。断熱層22は伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成され、上面24と下面26を有し、一方の面24に凹凸部25を備え、その一方の面(凹凸表面)24に前記低放射層23を有する。
なお、図示した例においては一方の面24に低放射層23及び突起部25を有する断熱材20を示したが、一方の面24にではなく、他方の面26に低放射層及び突起部を有していても良い。なお、断熱構造体に本断熱材20を充填または張り付けた状態において、突起部及び低放射層面は、構造体に充填または張り付ける際、室内に向けて配置される場合と室外に向けて配置される場合の2通りの場合がある。
低放射層23として、種々の構成のものを用いることができることは、図1(a)、(b)に示した例と同様である。
図3は本発明の実施例2による断熱構造体30の断面図を示す。この断熱構造体30は、木製の柱又は、鉄骨の枠組み又軸組み等で構成される構造体30の中空層内に充填される断熱材40を有する。
断熱材40は、室内面(上面)34と室外面(下面)42を有し、断熱層32と、断熱層32の一方の表面34(面材または低放射層38、又は外装材37に対向する面)に形成された凹凸35を備え、その凹凸表面34に低放射層33を有する。
なお、図示した例においては一方の面(室外面)34に低放射層33及び凹凸35を有する断熱材40を示したが、室外面)4にではなく、他方の面(室内面)42(内装下地材39に対向する面)に低放射層及び凹凸部を有していても良い。図8に、室内面42側に低放射層33と凹凸35及び空気層43を有した断熱構造体31を示した。以下、本実施例の説明においては図3に基づいて説明するが、室内面42側に低放射層33と凹凸35及び空気層43を設けた点以外は図8も同様であり、同様な構成要素には同一の参照番号或いは参照符号を付してある。
構造体30は、外装材37と、面材または低放射層38と、内装下地材39とを有し、外装材37と、面材または低放射層38の間に通気層36を形成する。
前記構造体30の中空層は内装下地材39と面材または低放射層38の間に形成される。
前記凹凸面34の凹凸35の凸部は面材または低放射層38と接し、凹部と面材または低放射層38の間に空気層43を形成している。
凹凸表面34の形状として、半球状の突起部を有する例を有し、点状となって面材または低放射層38と接触する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。
低放射層38として、種々の構成のものを用いることができることは、実施例1の低放射層13の場合と同様である。
断熱材40の厚さは、構造体の厚さ(内装下地材39と面材38の間の間隔T)と同じである事が望ましい。その理由は、構造体の厚さTより厚いと十分な空気層43が出来にくいことと、構造材の厚さTより薄いと室内外両側に空気層が出来る可能性があり、前述のとおり理想な断熱材にはならないことである。
図4は本発明の実施例2による断熱構造体の変形例の断面図を示す。この断熱構造体50は、建築物の外側に張り付けられた断熱材60を有する。図4において、Aは室内側、Bは室外側を示す。
断熱材60は、室内面(上面)56と室外面(下面)54を有し、断熱層52と、断熱層52の一方の室外面54に形成された凹凸55を備え、その凹凸表面54に低放射層53を有する。断熱層52は伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成される。
構造体50は、外装材57と、面材58と、内装下地材59とを有し、外装材57と、面材58の間に断熱材60が張り付けられる。
前記凹凸面54の凹凸55の凸部は外装材57と接し、凹部と外装材57の間に空気層(兼通気層)62を形成している。
凹凸表面54の形状は、線状に外装材57と接触する突起部55を有する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。
低放射層53として、種々の構成のものを用いることができることは、実施例1の低放射層13の場合と同様である。
断熱材60の厚さは、構造体の厚さ(構造面材58と外装材57の間の間隔T)と同じである事が望ましい。その理由は、構造体の厚さTより厚いと十分な空気層62が出来にくいことと、構造材の厚さTより薄いと室内外両側に空気層が出来る可能性があり、前述のとおり理想な断熱材にはならないことである。
図5は本発明の実施例3による断熱構造体70の断面図を示す。図5において、Aは室内側、Bは室外側を示す。
この断熱構造体70は、外装材71と、面材72と、内装下地材73と、面材72と内装下地材73の間に充填された断熱材80を有する。外装材71と、面材72の間には通気層74が形成されている。
断熱材80は、室外面84と室内面86を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成される断熱層82を含み、断熱層82の一方の表面(室外面)84に形成された凹凸85を備える。
なお、図示した例においては一方の表面84(室外面すなわち面材72に対向する面)に凹凸85を有する断熱材80を示したが、一方の表面84にではなく、他方の面86(室内面すなわち内装下地材73に対向する面)に低放射層及び突起部を有していても良い。
面材72は、断熱材80の前記凹凸面84に対向して設けられており、該凹凸面84側に低放射層75が形成されている。前記凹凸面84の凹凸85の凸部は面材72と接し、凹部と断熱材80の間に空気層76を形成している。
凹凸表面84の形状は、線状に外装材71と接触する凸部を有する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。面材72の代わりに、低放射率のシート状の物を用いることもできる。
断熱材80の厚さは、構造体の厚さ(内装下地材73と面材72の間の間隔T)と同じである事が望ましい。その理由は、構造体の厚さTより厚いと十分な空気層76が出来にくいことと、構造材の厚さTより薄いと室内外両側に空気層が出来る可能性があり、前述のとおり理想な断熱材にはならないことである。
なお、図5に示した実施例においては、内(充填)断熱工法による構造体の例を示したが、外(外張り)断熱工法による構造体にも本実施例を適用可能である。
低放射層75として、種々の構成のものを用いることができることは、実施例1の低放射層13の場合と同様である。
図6は本発明の実施例4による断熱構造体90の断面図を示す。図6において、Aは室内側、Bは室外側を示す。
この断熱構造体90は、外装材91と、面材92と、内装下地材93と、面材92と内装下地材93の間に充填された断熱材100を有する。外装材91と、面材92の間には通気層94が形成されている。
断熱材100は、断熱層102と低放射層103を有する。断熱層102は室外面104と室内面106を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成され、断熱層102の一方の表面104に形成された凹凸105を備える。
なお、図示した例においては一方の面104(室外面すなわち面材92に対向する面)に低放射層103及び凹凸105を有する断熱材100を示したが、一方の面104にではなく、他方の面106(室内面すなわち内装下地材93に対向する面)に低放射層及び凹凸を有していても良い。
面材92は、断熱材100の前記凹凸面104に対向して設けられており、該凹凸面104側に低放射層108を形成されている。前記凹凸面104の凹凸105の凸部は面材102と接し、凹部と断熱材100の間に空気層106を形成している。
凹凸表面104の形状は、線状に面材92と接触する凸部を有する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。面材92の代わりに、低放射率のシート状の物を用いることもできる。
断熱材100の厚さは、構造体の厚さ(内装下地材93と面材92の間の間隔T)と同じである事が望ましい。その理由は、構造体の厚さTより厚いと十分な空気層106が出来にくいことと、構造材の厚さTより薄いと室内外両側に空気層が出来る可能性があり、前述のとおり理想な断熱材にはならないことである。
なお、図6に示した実施例においては、内(充填)断熱工法による構造体の例を示したが、外(外張り)断熱工法による構造体にも本実施例を適用可能である。
低放射層105,108として、種々の構成のものを用いることができることは、実施例1の低放射層13の場合と同様である。
図7は本発明の実施例5による断熱構造体130の断面図を示す。この断熱構造体130は、木製の柱又は、鉄骨の枠組み又軸組み等で構成される構造体130の中空層内に充填される断熱材140を有する。
断熱材140は、室内面142と室外面134を有する断熱層132を備え、この断熱層132の一方の表面134に凹凸135を設け、その凹凸表面134にシート状の低放射層133を、該低放射層133と凹凸表面134の間及び該低放射層133と構造体130の面材または低放射層138の間に2つの空気層143,144が形成できるように張り付けている。
低放射層133の材質の例としては、アルミ箔・アルミラミネートフィルム・アルミ蒸着フィルム・金箔・銀箔等の金属を薄くたたき延ばしたもの(箔)または、蒸着、ラミネートさせたもの等を挙げることができる。
構造体130は、外装材137と、面材または低放射層138と、内装下地材139とを有し、外装材137と、面材または低放射層138の間に通気層136を形成する。
次に図9に基づいて、図7に示した断熱材140の製造方法を説明する。図9(a)は低放射層133の平面図、(b)は低放射層133を張り付けられる前の状態の断熱材140の平面図、(c)は低放射層133を張り付けた断熱材140の断面図である。
断熱層132の凹凸部135の凸部135a頂上に点状に接着剤131を塗布し、又さらに凹部135bに線状に接着剤141を塗布する。この断熱層132にシート状の低放射層133を張る事によって、低放射層133の断熱層側132にも空気層143が形成される。
なお、以上は断熱材140の製造方法の一例を示したに過ぎず、請求項15〜18に記載の本発明による断熱材或いは断熱構造体が製造できる方法であればいかなる方法でもよく、上記張り方には限定されない。
低放射層は、特にシート状に限定しないが、凹凸部135の凸部135aの屈曲に対応するため、柔らかいシート状の放射層が好適である。
前記構造体130の中空層は内装下地材139と面材または低放射層138の間に形成される。
前記凹凸面(室外面)134の凹凸135の凸部は低放射層133と接し、凹部と低放射層133の間に空気層143を形成するとともに、低放射層133と面材または低放射層138の間に空気層144を形成している。
なお、図示した例においては一方の面134(面材または低放射層138、又は外装材137に対向する面)に低放射層133及び凹凸135を有する断熱材140を示したが、一方の面134にではなく、他方の面(室内面)142(内装下地材139に対向する面)に低放射層及び凹凸部を有していても良い。
凹凸表面134の形状として、半球状の突起部を有する例を有し、点状となって低放射層133と接触する例を示したが、これには限定されず凹凸形状であればどのようなものであっても良い。
面材または低放射層138が低放射層である場合に、種々の構成のものを用いることができることは、実施例1の低放射層13の場合と同様である。
本実施例の効果を確認するために、図9に示した方法により製造し、図7にも示した断熱構造体130の断熱材140と図3に示した実施例による断熱材40の断熱性能の比較実験を行った。なお、断熱性能の実験は、断熱材の熱抵抗値を測定することにより行われることは本発明の当業者にとって自明の事項である。
この実験は、断熱材の素材としてグラスウール16Kの物を用い、断熱材の総厚さは90mm、平均空気層は約19mm、低放射層として12μmのアルミ箔を用い、測定温度は低温側15℃、高温側35℃、平均25℃として、行った。
その実験結果を表2に示す。この表から明らかなように、低放射層133の表裏に空気層143,144を形成できる効果として、片面空気層43と比較して約2%断熱性能が向上する。
図10は図1に示した実施例1の断熱材10と類似した断熱材310を示す。この断熱材310は、断熱層312と低放射層313を有する。断熱層312は伝導及び対流熱の移動を抑制することが可能な材質から構成され、室内面または室外面314と316を有し、一方の面314に突起部(凹凸部)315を備え、その一方の面(凹凸表面)314に前記低放射層313を有する。
この断熱材310が図1に示した断熱材10と異なる点は、構造体と触れる凸部315の頂端部分の低放射層313を取り除いた点だけである。凸部315の頂端部分の低放射層313を取り除いた理由は次の通りである。
低放射層313を金属箔等の熱伝導性の優れた(熱を伝えやすい)ものとした場合、低放射層313が熱橋となり、結果として断熱性能が低下する可能性があるため、構造体(室内外面材)との接触面である凸部315の頂端部分の低放射層313を取り除いている。
より具体的に説明すると、例えば、低放射層313にアルミ箔を用いた場合、一般的な断熱材の熱伝導率が、0.02W/mK〜0.06W/mKであるのに対して、アルミの熱伝導率は、約200W/mKと約10000倍も熱を伝えやすい。よって箔状の薄いものであっても、アルミ箔が低温側もしくは高温側の構造体と接触する事により、その薄い箔面から上下左右に存在する構造体の枠材に熱が伝わる。一般的に、枠材は断熱材310より熱を伝えやすい性質を持ち、結果的に、枠材部分及び枠材廻りからの熱損失が大きくなる可能性がある。
本実施例による断熱材310によれば、低放射層313の凸部315の頂端部分を取り除く事によって、このような熱損失を防ぐ事が出来る。
なお、断熱構造体に本断熱材310を充填または張り付けた状態において、突起部315及び低放射層313は、構造体に充填または張り付ける際、室内に向けて配置される場合と室外に向けて配置される場合の2通りの場合がある。
低放射層313としては、種々の構成のものを用いることができるが、例えば、放射率の低い外被材を張る例、放射率の低い塗装を施す例、断熱材310そのものにアルミニウム等の放射率の低い金属を蒸着させる例等が考えられるが、これに限らず、放射率の低い層であればどのようなものであってもよい。
放射率の低い外被材の例としては、アルミ箔・アルミラミネートフィルム・アルミ蒸着フィルム・金箔・銀箔等の金属を薄くたたき延ばしたもの(箔)または、蒸着、ラミネートさせたもの等を挙げることができる。
放射率の低い塗装を施す例としては、塗料の中に放射率の低い金属粒やセラミックビーズを混入させたもの等を挙げることができる。
図10に示した断熱材310を用いて図3〜図7に示した構造体を構成することができることは勿論であり、そのような構造体も本発明の範囲に含まれる。
(a)は本発明の実施例1による断熱材の平面図、側面図及び正面図を、(b)は同斜視図を示す。 (a)は本発明の実施例1の変形例による断熱材の平面図、側面図及び正面図を、(b)は同斜視図を示す。 本発明の実施例2による断熱構造体の断面図を示す。 本発明の実施例2による断熱構造体の変形例の断面図を示す。 本発明の実施例3による断熱構造体の断面図を示す。 本発明の実施例4による断熱構造体の断面図を示す。 本発明の断熱材の製造方法によって製造された断熱構造体の断面図を示す。 図1に示した実施例と類似しているが、室内面側に低放射層と凹凸及び空気層を有した点で異なる断熱構造体31を示す断面図である。 図7に示した断熱材140の製造方法を説明するための図で、(a)は低放射層の平面図、(b)は低放射層を張り付けられる前の状態の断熱材の平面図、(c)は低放射層を張り付けた断熱材の断面図である。 図1に示した実施例と類似しているが、凹凸部の頂端部分を取り除いた断熱材を示し、(a)は平面図、側面図及び正面図を、(b)は同斜視図である。 充填断熱工法による断熱構造体の例を示す。 充填断熱工法による断熱構造体の更に例を示す。 充填断熱工法による断熱構造体の他の例を示す。 充填断熱工法による断熱構造体の更に他の例を示す。
符号の説明
A 室内側
B 室外側
T 構造体の厚さ
10 断熱材
12 断熱層
13 低放射層
14 一方の面(凹凸表面、室外面又は室内面)
15 突起部(凹凸部)
16 他方の面(室外面又は室内面)
20 断熱材
22 断熱層
23 低放射層
24 一方の面(凹凸表面、室外面又は室内面)
25 突起部(凹凸部)
26 他方の面(室外面又は室内面)
30 断熱構造体
31 断熱構造体
32 断熱層
33 低放射層
34 一方の面(凹凸表面、室外面)
35 突起部(凹凸部)
36 通気層
37 外装材
38 低放射層(面材)
39 内装下地材
40 断熱材
42 他方の面(室内面)
43 空気層
50 断熱構造体
52 断熱層
53 低放射層
54 一方の表面(凹凸表面、室外面)
55 凹凸
56 他方の面(室内面)
57 外装材
58 面材
60 断熱材
62 空気層(兼通気層)
70 断熱構造体
71 外装材
72 面材
73 内装下地材
74 通気層
75 低放射層
76 空気層
80 断熱材
82 断熱層
84 一方の表面(凹凸表面、室外面)
85 凹凸
86 他方の面(室内面)
90 断熱構造体
91 外装材
92 面材
93 内装下地材
94 通気層
100 断熱材
102 断熱層
103 低放射層
104 一方の表面(室外面、凹凸表面)
105 凹凸
106 他方の面(室内面)
108 低放射層
130 断熱構造体
131 点状の接着材
132 断熱層
133 低放射層
134 一方の表面(室外面、凹凸面)
135 凹凸
135a 凸部
135b 凹部
136 通気層
137 外装材
138 面材または低放射層
139 内装下地材
140 断熱材
141 線状の接着剤
142 室内面
143 空気層
144 空気層
310 断熱材
312 断熱層
313 低放射層
314 一方の面(凹凸表面、室外面又は室内面)
315 突起部(凹凸部)
316 他方の面(室外面又は室内面)

Claims (18)

  1. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に、構造体に充填した際、空気層を形成するための凹凸を備え、その凹凸表面に低放射層を有することを特徴とした断熱材。
  2. 請求項1の断熱材が充填または張り付けられた断熱構造体。
  3. 構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた請求項1の断熱材。
  4. 請求項3の断熱材が充填または張り付けられた断熱構造体。
  5. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の室内面もしくは室外面に、構造体に充填した際、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成するための凹凸を備え、その凹凸表面に低放射層を有する事を特徴とした充填用断熱材。
  6. 請求項5の断熱材が充填された構造体。
  7. 構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた請求項5の断熱材。
  8. 請求項7の断熱材が充填された構造体。
  9. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱材が充填または張り付けられた構造体において、
    前記断熱材の室内面もしくは室外面に凹凸を形成し、
    低放射率の面材或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体。
  10. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱材が充填された構造体において、前記断熱材の室内面もしくは室外面と構造体の間に厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成するための凹凸を形成し、低放射層の面材あるいはシート状のものを前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体。
  11. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に低放射層を有する凹凸を備え、低放射率の面材或いは低放射率のシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体。
  12. 構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が充填された請求項11の断熱構造体。
  13. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の、室内面もしくは室外面に、低放射層を有する凹凸を備えた断熱材が充填された構造体において、前記凹凸は、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成する大きさであり、低放射層の面材或いはシート状の物を前記凹凸面に対向させて設けたことを特徴とした断熱構造体。
  14. 構造体と触れる凸部頂端部分の低放射層を取り除いた断熱材が充填された請求項13の断熱構造体。
  15. 室内面と室外面を有し、伝導及び対流熱の移動を抑制する断熱層の室内面もしくは室外面に構造体に充填した際、空気層を形成するための凹凸を設け、前記凹凸表面にシート状の低放射層を、該低放射層と前記凹凸表面の間及び該低放射層と構造体の間に2つの空気層が形成できるように張り付けた、断熱材。
  16. 請求項15の断熱材が充填または張り付けられたことを特徴とした断熱構造体。
  17. 室内面と室外面を有し、平均温度25℃における熱伝導率0.035W/mK以上の断熱層の、室内面もしくは室外面に構造体に充填した際、厚さの平均が5mm以上25mm以下の空気層を形成するための凹凸を設け、前記凹凸表面にシート状低放射層を、該低放射層と前記凹凸表面の間及び該低放射層と構造体の間に2つ空気層が形成できるように張り付けた充填用断熱材。
  18. 請求項17の断熱材が充填された断熱構造体。
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