JP2008081782A - 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置 - Google Patents

回転式ターゲットホルダ及び成膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008081782A
JP2008081782A JP2006262578A JP2006262578A JP2008081782A JP 2008081782 A JP2008081782 A JP 2008081782A JP 2006262578 A JP2006262578 A JP 2006262578A JP 2006262578 A JP2006262578 A JP 2006262578A JP 2008081782 A JP2008081782 A JP 2008081782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
holder
target
sheet
bias voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006262578A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Sasagawa
孝市 笹川
Takeshi Kozuka
毅士 古塚
Kenji Yamakawa
健司 山川
Motoi Okada
基 岡田
Yoshiaki Murashita
善朗 村下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Meiva Industry Ltd filed Critical Shin Meiva Industry Ltd
Priority to JP2006262578A priority Critical patent/JP2008081782A/ja
Publication of JP2008081782A publication Critical patent/JP2008081782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】目標とするターゲットに対して選択的に高バイアス電圧を印加してスパッタリングを行えると共に、成膜レートを向上させることができる回転式ターゲットホルダを提供する。
【解決手段】本発明の回転式ターゲットホルダ48は、その中心軸の周りに該中心軸に平行に2以上のターゲットを保持するためのホルダ48Aと、該ホルダ48Aを前記中心軸の周りに回転させる駆動装置Mと、前記保持された2以上のターゲットのうちの1つのみにバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置Vと、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターゲットを保持する回転式ターゲットホルダ及びこの回転式ターゲットホルダを備えた成膜装置に関する。
従来、ターゲットにプラズマを入射させてスパッタリングし、このスパッタされたターゲット材料からなる膜を基材に形成する成膜装置が知られている。
近年、基材に対し複数のターゲット材料からなる膜を形成する必要性が高くなっている。そこで、例えば、複数のターゲットを成膜装置内に配置した成膜装置が開示されている(特許文献1の第3図参照)。しかし、このような成膜装置においては、装置内に複数のターゲットを配置するスペースを設けなければならないので、装置が大型化するという問題があった。
そこで、断面が多角形である多角柱状のカソードと、該カソードを負の電位に保つ直流電源とを有し、カソードの多角柱の中心軸と平行な各面ごとに所望材料のターゲットを配した回転カソードが提案されている(特許文献1の第1図参照)。このような回転カソードを用いると、成膜装置を大型化することなく複数のターゲット材料からなる膜を基材に対して形成することができる。
特開平2−73964号公報
しかしながら、特許文献1の構成においては、目標とするターゲット以外のターゲットがシールド板によって遮蔽されているものの、それだけではそれらもシート状プラズマから飛散したプラズマイオンによりスパッタリングされてしまうという問題を有していた。
また、特許文献1の構成においては、ターゲットを保持する回転カソードへバイアス電圧を印加するスパッタリング電源と、プラズマを発生させるプラズマ発生用電源とが接続されているため、両電源からのバイアス電圧が干渉して、発生されるプラズマが不安定になると共に、ターゲットに高バイアス電圧を印加することができないという問題があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、複数のターゲットを保持するターゲットホルダにおいて、目標とするターゲットに対して選択的に高バイアス電圧を印加してスパッタリングを行うと共に、成膜レートを向上させた回転式ターゲットホルダ及びこれを備える成膜装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の回転式ターゲットホルダは、その中心軸の周りに該中心軸に平行に2以上のターゲットを保持するためのホルダと、該ホルダを前記中心軸の周りに回転させる駆動装置と、前記保持された2以上のターゲットのうちの1つのみにバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置と、を備える。
このような構成とすると、目標とするターゲット材料を選択的にスパッタリングすることができる。これにより、目標とするターゲット以外のターゲットがスパッタリングされることが抑制され、目標以外のターゲット材料が膜に混入することが防止されるため、膜の品質を向上させることができる。
前記ホルダの形状が多角柱状であってもよい。
前記ホルダの形状が四角柱状又は六角柱状であってもよい。
本発明の第1の成膜装置は、プラズマ源と、該プラズマ源により発生されたプラズマを用いて基材に膜を形成する成膜室と、該成膜室内において前記基材を保持する基材ホルダと、前記1つのみのターゲットが該基材ホルダに対向するようにして配置された前述の各回転式ターゲットホルダのうちのいずれかと、前記基材ホルダに対向するターゲット以外のターゲットへの前記プラズマによるスパッタリングを防ぐ遮蔽板と、を備える。
また、本発明の第2の成膜装置は、圧力勾配型プラズマガンと、該圧力勾配型プラズマガンにより発生された円筒状プラズマをシート状プラズマに形成するシートプラズマ形成室と、該発生されたシート状プラズマを用いて基材に膜を形成する成膜室と、該成膜室内において前記基材を保持する基材ホルダと、前記1つのみのターゲットが前記シート状プラズマを挟んで前記基材ホルダに対向するように配置された前述の各回転式ターゲットホルダのうちのいずれかと、前記シート状プラズマに対向するターゲット以外のターゲットへの前記シート状プラズマによるスパッタリングを防ぐ遮蔽板と、を備える。
このような構成とすると、シート状プラズマから大量のプラズマイオンがターゲット材料に入射するため、均一にターゲット材料をスパッタリングすることができる。したがって、ターゲットの使用効率が向上する。
前記プラズマ源又は前記圧力勾配型プラズマガンがプラズマ発生用電源と接続され、該プラズマ発生用電源と前記バイアス電圧印加装置とが別回路となっていてもよい。
このような構成とすると、回転式ターゲットホルダに印加するバイアス電圧と、プラズマ発生用のバイアス電圧とが干渉しないので、プラズマを安定して発生させることができると共に、回転式ターゲットホルダに保持されたターゲットに高バイアス電圧を印加することができる。
本発明の回転式ターゲットホルダ及びこれを備えた成膜装置は、上記のような構成としたため、複数のターゲット材料を用いて成膜を行う場合においても、目標とするターゲットに対して選択的に高バイアス電圧を印加してスパッタリングを行えると共に、成膜レートを向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成の一例を示す模式図である。図2は、図1の成膜装置に用いる回転式ターゲットホルダを拡大して示す模式図である。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の成膜装置及び回転式ターゲットホルダについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の回転式ターゲットホルダは、例えば、本実施形態の成膜装置としてのシートプラズマ成膜装置100に用いられる。ここでは、本実施形態の回転式ターゲットホルダが用いられる成膜装置としてシートプラズマ成膜装置100を例示したが、これに限定されない。なお、回転式ターゲットホルダの構成については、ここでは簡単に説明し、後において詳細に説明する。
シートプラズマ成膜装置100は、圧力勾配型プラズマガン1を備えている。圧力勾配型プラズマガン1は、公知のものを用いることができるので、簡単に説明する。
圧力勾配型プラズマガン1は全体が円筒状に形成され、その後端は円板状のカソードマウント2で封鎖されている。カソードマウント2の中心部には、アルゴンガス等の放電ガスを導入する貫通孔からなる放電ガス導入孔3が設けられている。カソードマウント2の内面には、該カソードマウント2と同軸状に円筒状の絶縁管6が設けられている。また、カソードマウント2の内面には、絶縁管6と同心状にカソード8が設けられている。絶縁管6の前端には、第1中間電極G、及び第2中間電極Gが、この順に設けられている。
カソード8(カソードマウント2)と後述するアノード63とは、抵抗体Rを介して主バイアス電圧印加装置(プラズマ発生用電源)Vの負極端子及び正極端子にそれぞれ接続されている。第1中間電極Gは、抵抗体Rを介して、上記の主バイアス電圧印加装置Vの正極端子に接続されている。第2中間電極Gは、抵抗体Rを介して、上記の主バイアス電圧印加装置Vの正極端子に接続されている。主バイアス電圧印加装置Vと抵抗体R,R,Rとの組み合わせによって、カソード8とアノード63との間に所定のバイアス電圧が印加される。これにより、圧力勾配型プラズマガン1のカソード8の近傍において円筒状プラズマ36が発生される。
圧力勾配型プラズマガン1の前端には、シートプラズマ形成室30の後端が接続されている。シートプラズマ形成室30は、筒状部材31の後端及び前端が、それぞれ、中央部が開口した絶縁蓋部材29及び中央部が開口した第1フランジ39によって閉鎖されて形成されている。筒状部材31は、非磁性体で構成されている。筒状部材31の後端側の周囲には、導入された円筒状プラズマ36の形状を整える第1環状コイル32が配設されている。また、筒状部材31の第1環状コイル32が配設された位置の前方には、一対の永久磁石33が配設されている。一対の永久磁石33は、それぞれのN極を対向させるようにして配設されている。一対の永久磁石33は、導入された円筒状プラズマ36をシート状のプラズマ(以下、シート状プラズマという)37に形成する。さらに、筒状部材31の前端側の周囲には、形成されたシート状プラズマ37の形状を整える第2環状コイル34が配設されている。
シートプラズマ形成室30の前端には、成膜室40の後端が接続されている。シートプラズマ形成室30において形成されたシート状プラズマ37は、成膜室40の内部に導入される。
成膜室40は、円筒状のチャンバ41を備えている。チャンバ41の一方の端部は上蓋42により閉鎖されており、チャンバ41の他方の端部は下蓋43により閉鎖されている。チャンバ41の周壁にはプラズマ流入口41a及びプラズマ流出口41bが設けられ、プラズマ流入口41aに第1フランジ39の開口が接続され、プラズマ流出口41bに後述する第2フランジ59の開口が接続されている。チャンバ41は、非磁性の材料、例えば、ステンレスで構成されている。チャンバ41の適所には、排気口52が形成されている。排気口52は、バルブ53により開閉可能に構成されている。排気口52には、真空ポンプ54が接続されている。真空ポンプ54は、成膜室40(チャンバ41)の内部をシート状プラズマ37が輸送できる所定の圧力まで真空引きする。チャンバ41の内部には、導入されたシート状プラズマ37を挟んで対向するように、回転式ターゲットホルダ48と基材ホルダ44とが配設されている。
回転式ターゲットホルダ48は、複数のターゲット49A,49B,49C,49D,49E,49Fを保持する。回転式ターゲットホルダ48は、絶縁部材(図示せず)を介してチャンバ41に取り付けられている。回転式ターゲットホルダ48は、チャンバ41に対して気密的に取り付けられている。回転式ターゲットホルダ48には、それぞれのターゲット49A,49B,49C,49D,49E,49Fに個別にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置Vが接続されている。バイアス電圧印加装置Vは、前述の主バイアス電圧印加装置Vとは別回路として設けられている。すなわち、バイアス電圧印加装置Vの正極側は接地されかつ主バイアス電圧印加装置Vの正極側も接地されており、そのため、主バイアス電圧印加装置Vの電圧変動はバイアス電圧印加装置Vによって印加される電圧に影響を及ぼさない。成膜時以外のプラズマ発生時には、後述するスイッチング素子Sが全てオフになっており、バイアス電圧印加装置Vから回転式ターゲットホルダ48に保持された各ターゲットにバイアス電圧は印加されない。これにより、安定したプラズマを形成することができる。一方、成膜時においては所定のスイッチング素子Sがオンになり、バイアス電圧印加装置Vによって、シート状プラズマ37の電位に対する負のバイアス電圧がシート状プラズマ37に対向する位置のターゲット49Aに印加される。これにより、成膜時においては、プラズマ流の影響を受けずに安定してターゲットに負の高バイアス電圧(数100V)を印加することができるため、ターゲットに対するスパッタリング性能が向上する。また、回転式ターゲットホルダ48の近傍には、一対の遮蔽板47が設けられている。遮蔽板47は、シート状プラズマ37から飛散したプラズマイオンを遮蔽する。
一方、基材ホルダ44は、膜を形成する基材45を保持する。基材ホルダ44は、絶縁部材50を介してチャンバ41に取り付けられている。基材ホルダ44は、チャンバ41に対して気密的に取り付けられている。基材ホルダ44には、スイッチ51を介して、バイアス電圧印加装置Vが接続されている。本実施形態においては、バイアス電圧印加装置Vは、前述の主バイアス電圧印加装置Vとは別回路として設けられている。すなわち、バイアス電圧印加装置Vの正極側は接地されかつ主バイアス電圧印加装置Vの正極側も接地されており、そのため、主バイアス電圧印加装置Vの電圧変動はバイアス電圧印加装置Vによって印加される電圧に影響を及ぼさない。成膜時以外のプラズマ発生時(ただし、基材45をプラズマ洗浄する場合を除く。)には、スイッチ51がオフになっており、バイアス電圧印加装置Vから基材ホルダ44に保持された基材45にバイアス電圧は印加されない。これにより、安定したプラズマを形成することができる。一方、成膜時においてはスイッチ51がオンになり、バイアス電圧印加装置Vによって、シート状プラズマ37の電位に対する負のバイアス電圧が基材ホルダ44に印加される。これにより、前述のようにスパッタリングされたターゲット粒子が基材45に堆積し、膜が形成される。
成膜室40の前端には、陽極室60の後端が接続されている。陽極室60は、筒状部材62の後端及び前端が、それぞれ、中央部が開口した第2フランジ59及びアノード63で閉鎖されて形成されている。筒状部材62は、例えば、ガラスで構成されている。筒状部材62の周囲には、シート状プラズマ37の形状を整える第3環状コイル61が配設されている。アノード63は、前述のように、主バイアス電圧印加装置Vの正極端子に接続されている。アノード63の裏面には、永久磁石64が設けられている。永久磁石64は、そのS極がアノード63と接触するように設けられている。永久磁石64は、シート状プラズマ37の末端の形状を整える。
また、シートプラズマ成膜装置100は、制御装置80を備えている。制御装置80は、主バイアス電圧印加装置V、バイアス電圧印加装置V,V、回転式ターゲットホルダ48、駆動装置M等の動作を制御する。
次に、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48は、ホルダ48Aを備えている。ホルダ48Aは、絶縁物で構成されている。なお、ホルダ48Aを金属材料(導電物)で構成すると共に、各ターゲットをホルダ48Aに絶縁性を保ちながら取り付けるようにしてもよい(例えば、後述する保持具を絶縁物で構成する)。ホルダ48Aは、断面形状が正六角形である六角柱状に形成されている。ホルダ48Aは、シートプラズマ37の進行方向及び厚み方向に垂直な方向に延在している。ホルダ48Aの各側面には図示しない保持具が設けられており、それぞれの保持具が各ターゲットを保持する。ターゲットには、異なる種類の材料が用いられ、例えば、銅、アルミニウム、チタン、カーボン、ケイ素、インジウム等が用いられる。バイアス電圧印加装置Vは、可変なバイアス電圧を全ターゲットの中から選択した所定の1つのターゲットに印加するよう構成されている。具体的には、バイアス電圧印加装置Vは、各ターゲット毎に、可変なバイアス電圧を印加する直流電源とこのバイアス電圧の印加をオン/オフするスイッチング素子Sとを備え、制御装置80の制御によって、所定の1つのターゲットに対応するスイッチング素子Sを選択的にオンするように構成されている。あるいは、バイアス電圧印加装置Vは、可変なバイアス電圧を印加する直流電源(図示せず)とこのバイアス電圧を所定の1つのターゲットに選択的に印加する印加対象切換器(図示せず)とを備えていてもよい。この場合、印加対象切換器は公知のマルチプレクサ等で構成される。ここでは、所定の1つのターゲットは、シート状プラズマ37を挟んで基材45と対向する位置のターゲット49Aであり、これに選択的にバイアス電圧が印加される。一方、バイアス電圧印加装置Vは、シート状プラズマ37を挟んで基材45と対向する位置のターゲット49A以外のターゲット49B,49C,49D,49E,49Fには、バイアス電圧を印加しない。また、ターゲット49B,49C,49D,49E,49Fをシート状プラズマ37から遮蔽するよう、前述した遮蔽板47が設けられている。これらがあいまって、シート状プラズマ37を挟んで基材45と対向する位置のターゲット49A以外のターゲット49B,49C,49D,49E,49Fの、シート状プラズマ37から飛散したプラズマイオンによるスパッタリングがさらに防止される。
また、ホルダ48Aには、駆動装置Mが取り付けられている。駆動装置Mは、公知のように構成されるが、例えば、チャンバ41の周壁の外側に設けられると共に、ホルダ48Aの中心軸に沿うように挿通された回転軸(図示せず)に取り付けられるよう構成される。駆動装置Mは、ホルダ48Aの中心軸を中心としてホルダ48Aを回転させる。本実施形態においては、ホルダ48Aは図中のTの方向に回転する。駆動装置Mは停止機構を備えている。停止機構が制御装置80の制御によって動作することにより、ホルダ48Aの各側面はシート状プラズマ37の上面と平行な位置で一時的に停止する。この停止位置において、スパッタリングが行われる。
次に、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48及びシートプラズマ成膜装置100の動作について説明する。
圧力勾配型プラズマガン1により、円筒状プラズマ36が形成される。この円筒状プラズマ36がシートプラズマ形成室30に導入されると、永久磁石33の磁界の作用によりシート状プラズマ37に形成される。形成されたシート状プラズマ37が、成膜室40に導入される。
一方、回転式ターゲットホルダ48は、基材45に形成する最初の膜の材料となるターゲット49Aがシート状プラズマ37と対向する位置になるよう停止している。次に、制御装置80がバイアス電圧印加装置Vを制御して、シート状プラズマ37に対向する位置のターゲット49Aに負のバイアス電圧を印加する。そうすると、シート状プラズマ37からプラズマイオンがターゲット49Aに向かって衝突し、ターゲット49Aからターゲット粒子をスパッタリングする。このようにスパッタリングされたターゲット粒子は、シート状プラズマ37を挟んで対向した位置に配置された基材45に堆積し、膜を形成する。
この際、ターゲット49Aには、バイアス電圧印加装置Vによって、主バイアス電圧印加装置Vとは独立に、従来例より大きなバイアス電圧が印加される。このため、成膜レートを向上させることができる。また、ターゲット49Aには、バイアス電圧印加装置Vによって、全てのターゲットの中から選択的にバイアス電圧が印加される。このため、ターゲット49A以外のターゲットがシートプラズマ37によってスパッタリングされるのが防止される。
その後、回転式ターゲットホルダ48が中心角で60度、図2中のTの方向に回転される。その位置で制御装置80の制御によって停止機構が動作し、回転式ターゲットホルダ48を停止させる。これにより、次のターゲット49Bがシート状プラズマ37と対向する位置で停止される。次に、制御装置80がバイアス電圧印加装置Vを制御して、シート状プラズマ37に対向する位置のターゲット49Bに負のバイアス電圧を印加する。そうすると、シート状プラズマ37からプラズマイオンがターゲット49Bに向かって衝突し、ターゲット49Bからターゲット粒子をスパッタリングする。このようにスパッタリングされたターゲット粒子は、ターゲット49Aからなる膜が形成された基材45に堆積して、さらに膜を形成する。
この繰り返しにより、ターゲット49C,49D,49E,及び49Fからなる膜が、順次、基材45に形成される。
本実施形態の回転式ターゲットホルダ48及び成膜装置100は、上記のような構成としたため、ホルダ48Aが複数のターゲットを保持する場合において、シート状プラズマ37に対向するターゲットを選択してスパッタリングを行うことができる。これにより、最大で6種類のターゲット材料からなる膜を基材45に形成することができると共に、他のターゲットを構成する材料が膜に混入することが防止され、基材45に形成される膜の品質を向上させることができる。
また、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48及び成膜装置100は、回転式ターゲットホルダ48に印加するバイアス電圧と、プラズマ発生用のバイアス電圧とが干渉しないので、プラズマを安定して発生させることができると共に、回転式ターゲットホルダ48に保持されたターゲットに高バイアス電圧を印加することができる。これにより、成膜レートが向上する。
[変形例]
図3は、第1実施形態の回転式ターゲットホルダを適用したシートプラズマ成膜装置の変形例を示す図であって、シートプラズマ成膜装置における成膜室内の構成を示す模式図である。
本変形例においては、シートプラズマ成膜装置の成膜室40内の構成が、第1実施形態と異なっている。具体的には、基材ホルダ44がロールの送り出し装置とロールへの巻取装置とで構成され、基材45としてシート状の基材が用いられている。シート状の基材としては、例えば、樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)からなるフィルム等、可撓性の薄い膜状の物が挙げられる。それ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
このような構成としても、第1実施形態のシートプラズマ成膜装置100と同様の効果を奏する。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。なお、本実施形態の回転式ターゲットホルダを適用したシート状プラズマ成膜装置100の全体構成については第1実施形態のシート状プラズマ成膜装置(図1)と同様であるので、その装置構成を示す図を省略する。
本実施形態の回転式ターゲットホルダ48は、第1実施形態の回転式ターゲットホルダとホルダ48Aの形状が異なっている。すなわち、図4に示すように、ホルダ48Aは、その断面形状が正八角形である八角柱状に形成されている。ホルダ48Aの各側面には一面おきの4面に、図示しない保持具を介してターゲットが計4個、取り付けられている。各ターゲットには、選択的に負のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置Vが接続されている。それ以外の構成については、第1実施形態の回転式ターゲットホルダ及びシート状プラズマ成膜装置と同様である。
このような構成としても、第1実施形態の回転式ターゲットホルダと同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48及び成膜装置100によれば、複数(本実施形態においては4種類)のターゲット材料からなる膜を、基材45に形成することができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。なお、本実施形態の回転式ターゲットホルダを適用したシート状プラズマ成膜装置100の全体構成については第1実施形態のシート状プラズマ成膜装置(図1)と同様であるので、その装置構成を示す図を省略する。
本実施形態の回転式ターゲットホルダ48は、第1実施形態の回転式ターゲットホルダとホルダ48Aの形状が異なっている。すなわち、図5に示すように、ホルダ48Aは、その断面形状が正四角形(正方形)である四角柱状に形成されている。ホルダ48Aの各側面には、図示しない保持具を介してターゲットが計4個、取り付けられている。各ターゲットには、選択的に負のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置Vが接続されている。それ以外の構成については、第1実施形態の回転式ターゲットホルダ及びシート状プラズマ成膜装置と同様である。
このような構成としても、第1実施形態の回転式ターゲットホルダ及び成膜装置と同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48及び成膜装置100によれば、複数(本実施形態においては4種類)のターゲット材料からなる膜を、基材45に形成することができる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。なお、本実施形態の回転式ターゲットホルダを適用したシート状プラズマ成膜装置100の全体構成については第1実施形態のシート状プラズマ成膜装置(図1)と同様であるので、その装置構成を示す図を省略する。
本実施形態の回転式ターゲットホルダ48においては、各ターゲットに負のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置Vの構成が、第1実施形態の回転式ターゲットホルダと異なっている。
具体的には、遮蔽板47のうちの一方(図6における左側の遮蔽板47。以下、可動式遮蔽板46Aという)が水平方向に移動可能に設けられている。このような構成としては、適宜な手段、例えば、エアシリンダ(図示せず)のロッド(図示せず)によって可動式遮蔽板46Aを水平方向に移動可能に設けることができる。可動式遮蔽板46Aは、導電体で構成されている。可動式遮蔽板46Aの一端には、負の可変なバイアス電圧を印加する直流電源が接続されている。可動式遮蔽板46Aの他端であって、シートプラズマ37に対向するターゲット49Aが配置された近傍には、緩衝材46Bが取り付けられている。緩衝材46Bは、導電体で構成される。緩衝材46Bは、本実施形態においては、伸縮可能なバネで構成されている。可動式遮蔽板46Aと、直流電源と、緩衝材46Bとがバイアス電圧印加装置Vを構成する。それ以外の構成については、第1実施形態の回転式ターゲットホルダと同様である。
次に、本実施形態の回転式ターゲットホルダ48の動作について説明する。
まず、ターゲット49Aがシート状プラズマ37と対向する位置で停止している。次に、可動式遮蔽板46Aがターゲット49Aに向かって移動され、緩衝材46Bがターゲット49Aと接触する。そうすると、直流電源からターゲット49Aに負のバイアス電圧が印加される。これにより、シート状プラズマ37からプラズマ粒子がターゲット49Aに向かって衝突し、ターゲット49Aからターゲット粒子をスパッタリングする。スパッタリングされたターゲット粒子は、基材45に堆積して膜を形成する。
その後、回転式ターゲットホルダ48が中心角で60度、図6中のTの方向に回転される。その位置で制御装置80の制御によって停止機構が動作し、回転式ターゲットホルダ48を停止させる。これにより、次のターゲット49Bがシート状プラズマ37と対向する位置で停止される。次に、可動式遮蔽板46Aがターゲット49Bに向かって移動され、緩衝材46Bがターゲット49Bと接触する。そうすると、直流電源からターゲット49Bに負のバイアス電圧が印加される。これにより、シート状プラズマ37からプラズマ粒子がターゲット49Bに向かって衝突し、ターゲット49Bからターゲット粒子をスパッタリングする。スパッタリングされたターゲット粒子は、ターゲット49Aからなる膜が形成された基材45に堆積して、さらに膜を形成する。
この繰り返しにより、ターゲット49C,49D,49E,及び49Fからなる膜が、順次、基材45に形成される。
このような構成としても、第1実施形態の回転式ターゲットホルダ及び成膜装置と同様の効果を奏する。
なお、基材45に形成する膜の種類に応じて、上記各実施形態以外のホルダ48Aの形状、例えば、断面形状が正三角形である三角柱状、断面形状が正五角形である五角柱状等の形状にすることも可能である。
本発明の回転式ターゲットホルダ及びこれを備えた成膜装置は、複数のターゲット材料を用いて成膜を行う場合においても、目標とするターゲットに対して選択的に高バイアス電圧を印加してスパッタリングを行えると共に、成膜レートを向上させることができる回転式ターゲットホルダ及び成膜装置として有用である。
本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成の一例を示す模式図である。 図1の成膜装置に用いる回転式ターゲットホルダを拡大して示す模式図である。 第1実施形態の回転式ターゲットホルダを適用したシートプラズマ成膜装置の変形例を示す図であって、シートプラズマ成膜装置における成膜室内の構成を示す模式図である。 第2実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。 第3実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。 第4実施形態の回転式ターゲットホルダの構成を示す模式図である。
符号の説明
1 圧力勾配型プラズマガン
2 カソードマウント
3 放電ガス導入孔
6 絶縁管
8 カソード
29 絶縁蓋部材
30 シートプラズマ形成室
31 円筒部材
32 第1環状コイル
33 永久磁石
34 第2環状コイル
36 円筒状プラズマ
37 シート状プラズマ
39 第1フランジ
40 成膜室
41 チャンバ
41a プラズマ流入口
41b プラズマ流出口
42 上蓋
43 下蓋
44 基材ホルダ
45 基材
46A(47) 可動式遮蔽板
46B 緩衝材(バネ)
47 遮蔽板
48 回転式ターゲットホルダ
48A ホルダ
49,49A,49B,49C,49D,49E,49F ターゲット
50 絶縁部材
51 スイッチ
52 排気口
53 バルブ
54 真空ポンプ
59 第2フランジ
60 陽極室
61 第3環状コイル
62 円筒部材
63 アノード
64 永久磁石
80 制御装置
100 シートプラズマ成膜装置
第1中間電極
第2中間電極
M 駆動装置
,R,R 抵抗体
S スイッチング素子
T ホルダの回転方向
主バイアス電圧印加装置(プラズマ発生用電源)
バイアス電圧印加装置
バイアス電圧印加装置

Claims (6)

  1. その中心軸の周りに該中心軸に平行に2以上のターゲットを保持するためのホルダと、
    該ホルダを前記中心軸の周りに回転させる駆動装置と、
    前記保持された2以上のターゲットのうちの1つのみにバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加装置と、を備えた、回転式ターゲットホルダ。
  2. 前記ホルダの形状が多角柱状である、請求項1に記載の回転式ターゲットホルダ。
  3. 前記ホルダの形状が四角柱状又は六角柱状である、請求項1に記載の回転式ターゲットホルダ。
  4. プラズマ源と、
    該プラズマ源により発生されたプラズマを用いて基材に膜を形成する成膜室と、
    該成膜室内において前記基材を保持する基材ホルダと、
    前記1つのみのターゲットが該基材ホルダに対向するようにして配置された請求項1に記載の回転式ターゲットホルダと、
    前記基材ホルダに対向するターゲット以外のターゲットへの前記プラズマによるスパッタリングを防ぐ遮蔽板と、を備えた、成膜装置。
  5. 圧力勾配型プラズマガンと、
    該圧力勾配型プラズマガンにより発生された円筒状プラズマをシート状プラズマに形成するシートプラズマ形成室と、
    該発生されたシート状プラズマを用いて基材に膜を形成する成膜室と、
    該成膜室内において前記基材を保持する基材ホルダと、
    前記1つのみのターゲットが前記シート状プラズマを挟んで前記基材ホルダに対向するように配置された請求項1に記載の回転式ターゲットホルダと、
    前記シート状プラズマに対向するターゲット以外のターゲットへの前記シート状プラズマによるスパッタリングを防ぐ遮蔽板と、を備えた、成膜装置。
  6. 前記プラズマ源又は前記圧力勾配型プラズマガンがプラズマ発生用電源と接続され、該プラズマ発生用電源と前記バイアス電圧印加装置とが別回路となっている、請求項4又は5に記載の成膜装置。
JP2006262578A 2006-09-27 2006-09-27 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置 Pending JP2008081782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006262578A JP2008081782A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006262578A JP2008081782A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008081782A true JP2008081782A (ja) 2008-04-10

Family

ID=39352937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006262578A Pending JP2008081782A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008081782A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009154009A1 (ja) * 2008-06-20 2009-12-23 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗素子の製造方法、スパッタ成膜チャンバー、スパッタ成膜チャンバーを有する磁気抵抗素子の製造装置、プログラム、記憶媒体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009154009A1 (ja) * 2008-06-20 2009-12-23 キヤノンアネルバ株式会社 磁気抵抗素子の製造方法、スパッタ成膜チャンバー、スパッタ成膜チャンバーを有する磁気抵抗素子の製造装置、プログラム、記憶媒体
GB2474167A (en) * 2008-06-20 2011-04-06 Canon Anelva Corp Method for manufacturing magnetoresistive device, sputter film-forming chamber, apparatus for manufacturing magnetoresistive device
US8932438B2 (en) 2008-06-20 2015-01-13 Canon Anelva Corporation Method of manufacturing magnetoresistive element, sputter deposition chamber, apparatus for manufacturing magnetoresistive element having sputter deposition chamber, program and storage medium
GB2474167B (en) * 2008-06-20 2015-07-29 Canon Anelva Corp Method for manufacturing magnetoresistive element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101332274B1 (ko) 스퍼터링 장치 및 스퍼터링 방법
US20100181191A1 (en) Sputtering apparatus
US20140183035A1 (en) Sputtering apparatus and method for forming thin film
JPH0835064A (ja) スパッタリング装置
US20100018854A1 (en) Trim magnets to adjust erosion rate of cylindrical sputter targets
US9028659B2 (en) Magnetron design for extended target life in radio frequency (RF) plasmas
JPH11158625A (ja) マグネトロンスパッタ成膜装置
EP2092544A2 (en) Closed drift ion source
JP4246546B2 (ja) スパッタ源、スパッタリング装置、及びスパッタリング方法
KR20170133566A (ko) 스퍼터링 장치 및 이를 이용한 스퍼터링 방법
JP2008081782A (ja) 回転式ターゲットホルダ及び成膜装置
JP3411312B2 (ja) マグネトロン・スパッタカソードおよび膜厚分布の調整方法
JP5231962B2 (ja) シートプラズマ成膜装置
JP5180796B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置及びマグネトロンスパッタ方法
KR101478216B1 (ko) 이온 소스 및 이를 갖는 이온빔 처리 장치
KR100963413B1 (ko) 마그네트론 스퍼터링 장치
JP2001020067A (ja) スパッタ方法及び装置
JP2007231401A (ja) 対向ターゲット式スパッタリング装置
JP5022442B2 (ja) シートプラズマ成膜装置及びそれを用いた成膜方法
TWI627297B (zh) 用以濺鍍材料塗層於基板上之裝置及沉積系統
JP5060436B2 (ja) シートプラズマ成膜装置
JP5300066B2 (ja) マグネトロンカソード
JPH03260067A (ja) スパッタリング装置
JP2002069631A (ja) スパッタ方法及びその装置
JPH10226879A (ja) スパッタリング装置