JP2008081779A - 被覆金属微粒子の粉末および磁気ビーズ - Google Patents

被覆金属微粒子の粉末および磁気ビーズ Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性に優れた被覆金属微粒子の粉末および磁気ビーズを提供する。
【解決手段】Ti酸化物中に金属粒子を内包した被覆金属微粒子の粉末であって、前記金属はその酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属であり、前記金属粒子の粒径に対する個数分布が複数のピークを有することを特徴とする被覆金属微粒子の粉末を用いる。この粉末はTi酸化物中に複数の金属粒子を内包した被覆金属微粒子と、Ti酸化物中に1つの金属粒子を内包した被覆金属微粒子とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気テープ若しくは磁気記録ディスク等の磁気記録媒体、電波吸収体、インダクタ若しくはプリント基板等の電子デバイス(ヨーク等の軟磁性体)、光触媒、核酸抽出用磁気ビーズ若しくは医療用マイクロスフィア等に用いる被覆金属微粒子の粉末に関する。
電子機器の高性能化及び小型軽量化に伴い、電子デバイスの高性能化及び小型軽量化とともに、電子デバイスを構成する材料の高性能化及びナノサイズ化も要求されている。例えば磁気テープに塗布する磁性粒子は、磁気記録密度の向上を目的として、ナノサイズ化と磁化の向上が同時に要求されている。
ナノ磁性粒子は主に共沈法や水熱合成法等の液相合成法により製造されている。液相合成法で得られるナノ磁性粒子はフェライトやマグネタイト等の酸化物粒子である。最近では有機金属化合物の熱分解を利用した方法も採用されており、例えばFe(CO)からFeのナノ磁性粒子が製造されている。
金属の磁性粒子はフェライト等の酸化物粒子に比べて磁化が大きいため、工業的利用への期待が大きい。例えば、金属Feの飽和磁化は218Am/kgと酸化鉄に比べて非常に大きいので、磁界応答性に優れ、信号強度が大きくとれるという利点がある。しかし金属Fe等の金属微粒子は容易に酸化し、例えば100μm以下、特に1μm以下の微粒子状にすると、比表面積の増大により大気中で激しく燃えるので、乾燥状態で取り扱うのが難しい。そのため、フェライトやマグネタイト等の酸化物粒子が広く利用されてきた。
乾燥した金属微粒子を取り扱う場合、金属微粒子を直接大気(酸素)に触れさせないように粒子表面に被覆を付与することが不可欠である。しかし、特許文献1のように自身の金属酸化物で表面を被覆する方法は、少なからず金属を酸化劣化させる。
特許文献2は、カーボンブラック、天然黒鉛等の炭素質物質粒子と、金属単体の粒子若しくは金属化合物粒子(金属化合物は、金属酸化物、金属炭化物又は金属塩から選ばれる。)とを混合して、不活性ガス雰囲気中で1600〜2800℃に熱処理し、45℃/分以下の冷却速度で冷却することにより、グラファイト被覆金属微粒子を製造する方法を提案している。しかし、この方法では、1600〜2800℃と極めて高い温度で金属含有物質粒子を熱処理するので、金属微粒子の焼結が懸念される。その上、金属微粒子にグラファイトを被覆する方法は生産効率が低いという問題もある。
特開2000−30920号公報(図2、第10頁左欄) 特開平9−143502号公報(図6、第3頁)
その上、グラファイトはグラフェンシートが積層した構造を有するため、球状の金属微粒子を被覆した場合、必ず格子欠陥が導入される。これらの欠陥が存在する被覆では、磁気ビーズ等、高耐食性が要求される用途では不満足である。そのため、高耐食性の金属微粒子が望まれている。
従って、本発明の目的は、耐食性に優れた被覆金属微粒子の粉末およびそれを用いた磁気ビーズを提供することである。
本発明の被覆金属微粒子の粉末は、Ti酸化物中に金属粒子を内包した被覆金属微粒子の粉末であって、前記金属はその酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属であり、前記金属粒子の粒径に対する個数分布が複数のピークを有することを特徴とする。前記被覆金属微粒子の粉末は、Ti酸化物中に複数の金属粒子を内包した被覆金属微粒子を有することが望ましい。Ti酸化物中に複数の金属粒子を内包した被覆金属微粒子の他に、Ti酸化物中に1つの金属粒子を内包した被覆金属微粒子を有してもよい。
本発明の磁気ビーズは、Ti酸化物中に金属粒子を内包した被覆金属微粒子の粉末(前記金属粒子はFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの元素を主成分としており、前記金属粒子の粒径に対する個数分布が複数のピークを有する。)と、前記被覆金属微粒子を分散する媒体とを有する。媒体は被覆金属微粒子を分散できる液体であることが望ましい。なお、媒体と接触させる前に、前記Ti酸化物からなる被覆の表面に更にSi酸化物(シリカ)の被覆を形成しておくことがより好ましい。
本発明に係る被覆金属微粒子の製造方法は、Tiを含む粉末(ただしTi酸化物粉末を除く)と、酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末とを混合し、得られた混合粉末を非酸化性雰囲気中で650〜900℃の温度で熱処理することにより、前記金属Mの酸化物をTiにより還元するとともに、得られた金属Mの微粒子の表面をTiO2を主体とするTi酸化物で被覆することを特徴とする。
より詳細には、本発明の被覆金属微粒子の製造方法は、Tiを含む粉末(TiCを主成分とし、前記TiCの一部をTiNで置換する)と、酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末とを混合し、得られた混合粉末を非酸化性雰囲気中で650〜900℃の温度で熱処理することにより、前記金属Mの酸化物をTiにより還元するとともに、得られた金属Mの微粒子の表面をTiOを主体とするTi酸化物で被覆することを特徴とする。
前記熱処理において、酸化物の標準生成自由エネルギーΔGM−OがTiO2の標準生成自由エネルギーΔGTiO2より大きい金属Mの酸化物粉末を用いることにより、金属Mの酸化物粉末がTiにより還元されると同時に、TiO2を主体とするTi酸化物の被覆が形成される。TiO2を主体とするTi酸化物被覆層は高結晶性であり、コアとなる金属微粒子(金属のコア粒子)を十分に保護することができる。ここで「TiO2を主体とする」とは、X線回折測定で検出されるTiO2以外のTi酸化物(例えば不定比組成のTi2n−1)も含むTi酸化物に相当する回折ピークの中で、TiOに相当するピークの強度が最大であることを意味する。均一性の観点から、実質的にTiO2からなるのが好ましい。ここで「実質的にTiO2からなる」とは、X線回折パターンでTiO2以外のTi酸化物のピークが明確に確認できない程度にTiO2の割合が多いことを言う。従って、X線回折パターンでノイズ程度にTiO2以外のTi酸化物のピークがあっても、「実質的にTiO2からなる」の条件は満たす。
前記金属(以下金属M)はFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの元素を主成分とする磁性金属であるのが好ましく、特にFeであるのがより好ましい。TiはFeより酸化物の標準生成エネルギーが小さいため、Feの酸化物を効率良く確実に還元することができる。従って、飽和磁化が高く耐食性に優れた磁性金属微粒子が得られる。
金属Mの酸化物はFeであるのが好ましく、Tiを含む粉末はTiCであるのが好ましい。保磁力が低下し、分散性が向上した被覆金属微粒子を得るために、金属Mの酸化物粉末とTiを含む粉末の合計に対するTiを含む粉末の比率は30〜50mass%とするのが好ましい。mass%は質量百分率である。さらに前記金属Mの酸化物がFeであり、前記Tiを含む粉末が少なくともTiCであり、FeとTiCの合計に対するTiCの比率が30〜50mass%であるのがより好ましい。
さらに不純物元素である炭素(C)と窒素(N)を低減して高い飽和磁化を得るためにはTiCの一部をTiNで置換することが好ましい。このとき、TiNの置換率が0.1〜0.5であることが好ましい。TiNの置換率は以下の[数1]の式により定義される。
耐食性に優れた磁性被覆金属微粒子を得るために、金属Mは磁性金属である必要があり、特に高飽和磁化のFeが好ましい。磁性金属を核とすることにより、磁気分離工程に用いるのが容易となり、被覆金属微粒子自体の精製、及び磁気ビーズ用途への使用が可能となる。
前記被覆金属微粒子は50〜180Am/kgの飽和磁化を有するのが好ましい。これにより、被覆層と磁性層の量のバランスがとれた耐食性、磁気特性ともに優れた被覆金属微粒子とすることができる。前記被覆金属微粒子の飽和磁化はより好ましくは95〜180Am/kgである。95〜180Am/kgの範囲は、マグネタイト等の酸化物磁性体では得ることのできない範囲であり、優れた磁気分離性能を発揮する。
前記被覆金属微粒子は8kA/m以下の保磁力を有するのが好ましい。これにより、残留磁化が極めて小さくなり、磁気凝集が極めて少ない分散性に優れた被覆金属微粒子とすることができる。より好ましい保磁力は4kA/m以下である。
本発明の被覆金属微粒子は、TiOを主体とするTi酸化物で被覆された金属微粒子であって、前記金属はFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの元素を主成分としている。前記被覆金属微粒子は不純物元素であるCとNの含有量が少ないことが好ましく、より好ましくはC含有量が0.2〜1.4mass%、N含有量が0.04〜0.2mass%である。さらにより好ましくは、C含有量が0.3〜1.1mass%、N含有量が0.04〜0.12mass%である。これにより磁性成分の含有率が向上し、高い飽和磁化が得られる。さらに前記被覆金属微粒子は、C含有量0.2〜1.1mass%およびN含有量0.02〜0.17mass%とするのが良く、C含有量0.3〜1.1mass%および窒素含有量0.04〜0.12mass%とするのが特に高い磁気特性を得る上でより好ましい。ここで、0.02mass%は200ppmに相当する。
金属MがFeの場合、前記被覆金属微粒子の表面部をX線光電子分光(XPS)分析によってO、Fe、Tiの3元素について定量分析すると、Fe含有量が14〜20at%であり、全Feに対する金属Fe成分の比率が7〜11%であることが好ましい。Feの含有率が14at%以上で、尚且つ金属Fe成分の比率が7%以上であることにより、金属Fe成分の含有量が高く、高い飽和磁化が得られる。Fe含有量の上限は20at%であり、金属Fe成分の比率がFe全体の11%を上限とすることが望ましい。ここでat%は原子百分率であり、定量分析で検出したO、Fe及びTiの総和を100at%とする。
金属MがFeの場合、濃度6Mのグアニジン塩酸塩水溶液中に前記被覆金属微粒子を25℃で24時間浸漬(前記水溶液1mLあたり前記被覆金属微粒子25mgの割合)した後のFeイオン溶出量が50mg/L以下であるのが好ましい。高カオトロピック塩濃度でも高い耐食性を示す被覆金属微粒子は、DNA抽出等の用途に好適である。
本発明により、耐食性に優れた被覆金属微粒子の粉末が得られる。本発明の被覆金属微粒子は、金属MがFe、Coなどの場合は磁性粒子として機能し、高磁化を発現する。また磁性金属粒子は高耐食性のTi酸化物層に被覆されているので、腐食性の溶液中で使用するために高い耐食性が要求される磁気ビーズ等に好適である。
[1]被覆金属微粒子の製造方法
酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末と、Tiを含む粉末(ただしTi酸化物粉末を除く)とを混合し、得られた混合粉末を非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、金属Mの酸化物をTiにより還元するとともに、得られた金属Mの微粒子の表面をTiOを主体とするTi酸化物で被覆する。
(1)金属Mの酸化物粉末
金属Mの酸化物粉末の粒径は、被覆金属微粒子の目標粒径に合わせて選択し得るが、0.001〜5μmの範囲内であるのが好ましい。粒径が0.001μm未満では、金属酸化物粉末の「かさ」が大きくなるだけでなく2次凝集が激しいため、以下の製造工程での取り扱いが困難である。また5μm超だと、金属酸化物粉末の比表面積が小さすぎ、還元反応が進行しにくい。金属酸化物粉末の実用的な粒径は0.005〜1μmである。金属Mは遷移金属、貴金属及び希土類金属から選ばれるが、磁性材用であればFe、Co、Ni又はこれら合金が好ましく、その酸化物としてはFe、Fe、CoO、Co、NiO等が挙げられる。特にFeは飽和磁化が高いため好ましく、酸化物としてはFeが安価である点で好ましい。TiはFeより酸化物の標準生成エネルギーが小さいため、Fe酸化物を効率良くかつ確実に還元することができる。
酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物であれば、Tiを含む非酸化物粉末により還元することができる。ΔGM−Oは金属Mの酸化物の標準生成エネルギーであり、ΔGTiO2(−889kJ/mol)はTiの酸化物の標準生成エネルギーである。例えばFe(ΔGFe2O3=−740kJ/mol)はΔGFe2O3>ΔGTiO2を満たすので、Tiを含む非酸化物粉末により還元される。TiOの被覆が形成されるため被覆金属微粒子の比重が低下する。さらに、TiOは親水性であるので、TiO被覆金属微粒子は、例えば磁気ビーズ用のように溶液中(例えば、水中)に分散させる場合に好適である。
(2)Tiを含む粉末
Tiを含む粉末は、Ti単体粉末の他、Ti−X(ただしXは、標準酸化物生成自由エネルギーΔGX−OがTiOの生成標準自由エネルギーΔGTiO2より大きい元素である。)により表されるTi化合物又はそれらの混合物の粉末である。具体的には、XはAg、Au、B、Bi、C、Cu、Cs、Cd、Ge、Ga、Hg、K、N、Na、Pd、Pt、Rb、Rh、S、Sn、Tl、Te及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種である。Ti酸化物は還元剤として機能しないので、Tiを含む粉末から除く。ΔGX−O<ΔGTiO2を満たす元素Xの場合、元素Xが還元剤として作用するので、Ti酸化物が生成しなくなる。M酸化物を還元するに足るTiが含まれていれば、Xの含有量は特に限定されない。Ti−Xとしては、反応後にTiO以外の相が形成されにくいので、TiCが好ましい。更に熱処理後にXの残留を抑制し、MとTiO以外の不純物相を低減するためにはTiCを主成分とし、前記TiCの一部をTiNで置換することが好ましい。TiNの置換によってC含有量が低減すると共に、TiN中のNは熱処理過程で気化してしまうため、実質的にTiだけを試料中に残すことができる。
還元反応を効率的に行うためには、Tiを含む非酸化物粉末の粒径は0.01〜20μmであるのが好ましい。0.01μm未満の粒径であると、大気中でTiを含む非酸化物粉末が酸化し易いので、ハンドリングが難しい。また20μm超であると比表面積が小さく、還元反応が進行しにくい。特に0.1μm〜5μmの粒径であれば、大気中での酸化を抑制しつつ、還元反応の十分な進行を図ることができる。
(3)還元反応
M酸化物の粉末に対するTi含有粉末の比率は、少なくとも還元反応の化学量論比であることが好ましい。Tiが不足すると、熱処理中にM酸化物粉末が焼結し、バルク化してしまう。例えばFeとTiCとの組合せの場合、Fe+TiCに対してTiCは25mass%以上であることが好ましい。TiCが25mass%未満であると、TiCによるFeの還元が不十分である。一方、TiCの比率が高くなりすぎると、Feの比率が低下し、得られるTiO被覆Fe微粒子の飽和磁化が低下し、保磁力が増大する。従って、TiCの上限は50mass%が好ましい。Fe+TiCに対するTiCの比率はより好ましくは30〜50mass%であり、最も好ましくは30〜40mass%であり、特に好ましくは30〜35mass%である。保磁力は、TiCが35mass%になると8kA/mに達し、40mass%になると10kA/mに達し、50mass%になると15kA/mに達する。
また、TiCの一部をTiNで置換する場合、その置換率は0.1〜0.5が好ましい。ここでTiNの置換率は[数1]の式により定義される。TiNの置換率が0.1未満の場合は不純物元素(C、N)の低減が不十分であり、TiNを添加した効果が得られない。またTiN置換率が0.5を越えるとCが不足することにより、酸化物から金属Mへの還元が不十分となり、完全な被覆金属微粒子が得られない。M酸化物粉末とTi含有非酸化物粉末との混合には、乳鉢、スターラ、V字型ミキサ、ボールミル、振動ミル等の攪拌機を用いる。
M酸化物粉末とTi含有粉末(Ti酸化物粉末を除く)の混合粉末を非酸化性雰囲気中で熱処理すると、M酸化物粉末とTi含有粉末との還元反応が起こり、TiOを主体とするTi酸化物で被覆された金属Mの粒子が生成する。熱処理雰囲気は非酸化性であるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えばAr,He等の不活性ガスや、N、CO、NH等が挙げられるが、これらに限定されない。熱処理温度は650〜900℃が好ましい。650℃未満であると還元反応が十分に進行せず、また900℃超であると不定比組成のTi2n−1が主として生成することがある。Ti2n−1は、900℃超で金属MがTiOから酸素を取り込むか、TiOが非酸化性雰囲気中に酸素を放出することにより生成する。その結果、金属Mの還元が不十分であるか、被覆層が不完全となる。熱処理温度が650〜900℃の場合に、欠陥が少なく、均一性の高いほぼTiOからなる被覆(被覆層)が形成される。TiOからなる被覆は、光触媒用の被覆金属微粒子を作製するのに好適である。
(4)磁気分離
得られる磁性被覆金属微粒子は非磁性成分(TiOを主体とするTi酸化物)を過剰に含んでいる場合があるため、必要に応じて永久磁石を用いて磁気分離操作を複数回行い、磁性粒子だけを回収するのが好ましい。
[2]被覆金属微粒子の構造及び特性
(1)被覆金属微粒子の粒径
上記方法により得られる被覆金属微粒子の粒径は、M酸化物粉末の粒径に依存する。高い耐食性及び分散性を得るためには、被覆金属微粒子の平均粒径d50(メジアン径)は0.1〜10μmが好ましく、0.1〜6μmがより好ましい。平均粒径が0.1μm未満であると、被覆金属微粒子は十分な厚さの被覆を確保できずに耐食性が低くなるだけでなく、1粒子当たりの磁化が極めて小さくなり磁気応答性が低くなってしまう。また平均粒径が10μmを超えると、液体中での被覆金属微粒子の分散性が低下する。平均粒径d50はレーザー回折による湿式粒径測定器で測定した。
なお、粒径に対する個数分布については、被覆金属微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影した写真から粒径と個数を測定した。SEM写真では、金属粒子がTi酸化物のみの部分よりも強く白色を呈するので、内包される金属粒子(例えばFe粒子)の外形を確認できる。SEM写真上で被覆金属微粒子の外形を観察し、その長手方向の長さ寸法を被覆金属微粒子の粒径とする。同様に金属粒子の外形を観察し、その長手方向の長さ寸法を金属粒子の粒径とする。好ましくは20個以上の金属粒子を測定する。金属粒子は上述の還元反応によって生成されるが、生成過程において近接する金属粒子同士が結合し、より粒径の大きい1つの金属粒子を成すことがある。単一状態で成長した金属粒子の群のピークと、生成途中で結合して粒径がひとまわり大きくなった金属粒子の群のピークとが重畳すると、少なくとも2つのピークを有する個数分布になると考えられる。具体的にはピークの数が2となる。原料粉末の粒径が不揃いでd50が3μm超のとき、ピーク数が3になることもある。
(2)被覆構造
M金属粒子とTi酸化物被覆層とは1対1のコア−シェル構造になっている必要はなく、TiOを主体とするTi酸化物層中に2個以上のM金属粒子が分散した構造であっても良い。Ti酸化物の中に2個以上のM金属粒子が含まれていると、金属Mは高含有率で、かつ確実に被覆されるので好ましい。本発明では、M酸化物の還元によるM金属微粒子の形成と、Ti酸化物被覆の形成とが同時に行われるので、M金属微粒子とTi酸化物被覆との間にM金属酸化物層が認められない。また650℃以上の熱処理により得られるTi酸化物被覆の結晶性は高く、ゾル−ゲル法等により得られる非晶質又は低結晶性のTi酸化物被覆より高い耐食性を示す。またTiOを主体とした被覆を有する本発明の被覆金属微粒子は、被覆に欠陥が少ないので、不定比組成のTi2n−1の被覆を有するものより高い耐食性を示す。
(3)被覆厚さ
TiOを主体とするTi酸化物被覆の厚さは1〜10000nmが好ましい。厚さが1nm未満であると、被覆金属微粒子は十分な耐食性を有さない。また厚さが10000nm超であると、被覆金属微粒子が大きくすぎ、液中での分散性が低いだけでなく、磁性金属微粒子の場合は飽和磁化が低い。より好ましいTi酸化物被覆の厚さは5〜5000nmである。被覆の厚さは被覆金属微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真により求める。Ti酸化物被覆の厚さが不均一な場合、最大厚さと最小厚さの平均をTi酸化物被覆の厚さとする。なお、金属微粒子は、TiOを主体とするTi酸化物で完全に被覆されている必要はなく、部分的に金属粒子が表面に露出しても構わないが、完全に被覆されているのが好ましい。
(4)Ti酸化物の結晶性
被覆金属微粒子のX線回折パターンにおけるTiOの最大ピークの半値幅が0.3°以下で、金属Mの最大ピークに対するTiOの最大ピークの強度比が0.03以上である場合に、Ti酸化物の結晶性が良い(従って、被覆金属微粒子の耐食性も良い)と判断した。非晶質又は低結晶性の場合、ピークは観察されないかブロードであるため、最大ピーク強度比は小さく、半値幅は広い。最大ピーク強度比はより好ましくは0.05以上である。最大ピーク強度比が高くなると被覆の割合が多くなり、飽和磁化が低下する。そのため、最大ピーク強度比は3以下が好ましい。
(5)磁性粒子としての機能
金属Mが磁性金属Feの場合、前記製法により得られた被覆金属微粒子は50〜180Am/kgの範囲の飽和磁化を有し、磁性粒子として機能する。これは、被覆金属微粒子が磁性金属FeとTiOから形成されている場合、Fe+Tiに対するTiの比率が11〜67mass%であることに相当する。Tiの比率は、X線回折パターンから被覆金属微粒子がFeとTiOからなることを確認した後で、被覆金属微粒子の飽和磁化の測定値から算出できる。磁性粒子の飽和磁化が50Am/kg未満と小さいと、磁界に対する応答が鈍い。また180Am/kg超であるとTiOを主体とするTi酸化物の含有率が小さく(Fe+Tiに対するTiの質量比率が11%未満)、金属Fe粒子を十分にTi酸化物で被覆できないために耐食性が低く、磁気特性が劣化しやすい。従って、高い飽和磁化及び十分な耐食性を同時に得るために、被覆金属微粒子の飽和磁化は180Am/kg以下とするのが好ましい。磁気ビーズ等に用いる場合の回収効率や磁気分離性能に優れるためには、被覆金属微粒子の飽和磁化は95〜180Am/kgであるのがより好ましい。この範囲の飽和磁化は、92Am/kg程度の飽和磁化しか有さないマグネタイト(Fe)では得られない。分散性の観点から、被覆金属微粒子の保磁力は15kA/m以下が好ましく、8kA/m(100Oe)以下がより好ましく、4kA/m以下が最も好ましい。保磁力が大きい場合でもTiO被覆を厚くすれば高分散性が得られるが、そうすると被覆金属微粒子の飽和磁化が低下してしまう。保磁力が8kA/mを超えると、磁性粒子は無磁界でも磁気的に凝集するので、液中での分散性が低下する。
(6)不純物の濃度
被覆金属微粒子に含有されるC量は0.2〜1.4mass%以下が好ましい。含有されているCは主に原料として用いたTiC粉の余剰分の残留が原因である。すなわち本発明の製法において、金属Mの酸化物を主としてTiが還元剤となって金属Mへと還元するのであるが、TiC中のCも還元剤の役割を果たし、金属Mの酸化物を補助的に還元している。C量が0.2mass%未満であることは、M酸化物の還元が不十分であることを意味しており好ましくない。C量が1.4mass%超であると金属成分の含有率が低下し、その金属がFe,Co,Niから選ばれる少なくとも一つの元素を主成分としている場合は、飽和磁化の低下を招く。またCの残留によって被覆金属微粒子が疎水性となり、水溶液中での分散性が低下するので磁気ビーズ等の用途に用いる場合には特に好ましくない。また被覆金属微粒子に含まれるN量は0.04〜0.2mass%が好ましい。含有されているNは主に熱処理中にTiが窒化したことによる。N量が0.04mass%未満であるとTi不足による金属微粒子の被覆が不十分となり好ましくない。N量が0.2mass%超であると非磁性成分の窒化チタンの含有率が増え、飽和磁化が低下するので好ましくない。上記C量、N量の好適範囲は金属MとTiO以外の相の含有率が極めて少ないことを表す。ここで上記被覆金属微粒子中のC含有量は高周波加熱赤外吸収法によって測定され、N含有量は不活性ガス中加熱熱伝導法によって測定される。
(7)耐食性
モル濃度が6Mのグアニジン塩酸塩水溶液1mL当たり被覆金属微粒子(金属MがFeである)25mgの割合として25℃で24時間浸漬したときのFeイオン溶出量は50mg/L以下であるのが好ましい。この被覆金属微粒子は高カオトロピック塩濃度においても高い耐食性を示すため、カオトロピック塩水溶液中での処理を必要とするDNA抽出等の用途に好適である。Feイオン溶出量が50mg/L以下の耐食性レベルは、アルカリ処理を施さない場合でも発現することがあるが、確実に上記耐食性レベルを得るためにはアルカリ処理を行うのが好ましい。なお、本願明細書の耐食性やX線回折に係る記述から判るとおり、本発明の被覆金属粒子は被覆金属粒子の粉末に相当する用語として用いている。
以下、本発明についてさらに具体的な実施例を用いて説明する。ただし、これら実施例により本発明が必ずしも限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径0.03μmのα−Fe粉末と、平均粒径1μmのTiC粉末とを、7:3の質量比(TiC:30mass%)でボールミルにより10時間混合し、得られた混合粉末をアルミナボート内で、窒素ガス中で700℃で2時間熱処理し、室温まで冷却した。得られた試料粉末のX線回折パターンを図1に示す。図1の横軸は回折の2θ(°)を示し、縦軸は回折強度(相対値)を示す。MDI社製解析ソフト「Jade,Ver.5」による解析の結果、回折ピークはα−Fe及びTiO(ルチル構造)と同定された。
α−Feの(200)ピークの半値幅からシェラーの式を用いて算出されたFeの平均結晶子サイズは90nmであった。2θ=27.5°のとき得られたTiOの最大回折ピークの半値幅は0.14であり、TiOの最大回折ピーク強度のα−Feの最大回折ピーク[(110)ピーク]強度に対する比は0.18であった。これから、TiOが高い結晶性を有することが分かる。レーザー回折粒度分布測定機(HORIBA製:LA−920)で測定したこの試料粉末の平均粒径d50は3.1μmであった。
試料粉末のSEM写真(図2)では、粒径数μmの被覆金属微粒子が観察される。ほとんどの被覆金属微粒子には、TiO層1に被覆された複数のFe粒子2(白色微粒子)が認められた。例えば、矢印で示したTiO層に包含されているFe粒子2の粒径は約0.5μmであった。酸化物の標準生成エネルギーは、ΔGFe2O3=−740kJ/molに対して、ΔGTiO2=−889kJ/molであるため、TiOの標準生成エネルギーの方が小さい。従って、α−FeがTiにより還元され、TiOが生成したと言える。図3は。図2の写真に符号等を記入した概略図である。両端が矢印の線はFe粒子2の長手方向寸法を表し、両端が三角形状の矢印の線は被覆金属微粒子1の長手方向寸法を表す。不定形で長手方向を判別し難い場合には、長いと思われる複数の方向に矢印を引き、それらの内で最も長径となるものを長手方向寸法とした。
試料粉末について、図2の写真から粒径に対する個数分布(図4)を測定したところ、Fe粒子の粒径の個数分布(●印)は2つのピークを有し、被覆微粒子の粒径の個数分布(◇印)は3つのピークを有することがわかった。印をつなぐカーブは個数分布の傾向をわかりやすくする為に補助的に記載した。なお、粒径を測定する際には、0.05μm未満の端数は四捨五入し、0.1μmピッチで個数を振り分けた。
(実施例2)
実施例1で得た試料粉末5gとイソプロピルアルコール(IPA)50mLとを100mLのビーカに投入し、10分間超音波を照射した。次いで永久磁石をビーカの外面に1分間接触させ、磁性粒子だけをビーカ内壁に吸着させ、黒灰色の上澄み液を除去した。この磁気分離操作を50回繰り返し、得られた精製磁性粒子を室温で乾燥させた。この磁性粒子の磁気特性を、最大印加磁界を1.6MA/mとしてVSM(振動型磁力計)により測定した。また、磁性粒子におけるTiの比率は、X線回折パターンから被覆金属微粒子がFeとTiOからなることを確認した後で、被覆金属微粒子の飽和磁化の測定値から算出した。結果を表1に示す。
(実施例3〜6)
α−Fe粉末とTiC粉末の質量比を6.5:3.5とした以外実施例1と同様にして試料粉末を作製した。この試料粉末を実施例2と同様に精製することにより得た磁性粒子の組成及び磁気特性を実施例2と同様に測定した。結果を表1に示す。さらに、前記質量比を6:4、5:5、4:6と変えて同様に試料粉末を作製した。
この磁性粒子は高い耐食性を有するが、飽和磁化Msは48Am/kgとなり50Am/kgより低く、保磁力iHcは18kA/mとなり15kA/m超であった。以上より、金属Fe粒子の特性を生かして高い飽和磁化の値を維持するためにはTiC配合比は30〜50mass%であることが好ましいことが分かる。
(実施例7)
熱処理温度を800℃とした以外は実施例1と同様に試料粉末を作製した。さらに実施例2と同様にして精製することにより磁性被覆金属微粒子を得た。この試料粉末について磁気特性を実施例1と同様にして測定した。試料粉末中のC量は高周波加熱赤外吸収法(HORIBA製:EMIA−520)によって測定し、N量は不活性ガス中加熱熱伝導法(HORIBA製:EMGA−1300)によって測定した。結果を表2に示す。
(実施例8〜12)
原料配合において表3に示す配合比で平均粒径2.8μmのTiN粉末を添加した以外は実施例7と同様にして磁性被覆金属微粒子を得た。この試料粉末の磁気特性、及びC、Nの含有量を実施例7と同様にして評価した。結果を表3に示す。
TiNの添加量が増加するに従い、C及びNの含有量が低下し、飽和磁化Msは向上している。特にTiN置換率が0.2〜0.4(実施例9〜11)の場合はC量が1.3mass%以下、N量が0.2mass%以下であり、不純物元素の含有量は極めて少ない。なおかつMsは158Am/kgまで向上している。しかしTiN置換率が0.5となると(実施例12)、C、N量は少ないもののMsは実施例7よりも低下している。これはC不足により還元反応の進行が不十分であることが原因である。
また実施例7、実施例9〜11の試料粉末についてアルバック・ファイ製:PHI−Quantera SXMにてX線光電子分光(XPS)分析を実施した。Oの1s、Feの2p3、Tiの2p軌道電子についてそれぞれナロースペクトルを測定し、定量分析を行った。結果を表3に示す。
TiN置換率が増加すると共にFe含有量が増加し、Ti含有量が減少する傾向が見られる。これはTiNの添加によってFe含有率が増加することに対応している。また検出したFeには金属Feと酸化Fe成分が含まれており、TiN置換率の増加に伴い金属Fe成分が増加している。特にTiN置換率が0.2〜0.4の場合の金属Fe成分の比率(金属Fe/全Fe)はいずれも6%以上である。これはTiN添加によってTiOの被覆がより完全となり、表面付近でも金属Feが酸化されずに維持されているためである。
(実施例13)
実施例7の試料粉末1gを濃度1MのNaOH水溶液50mL中に投入し、60℃で24時間浸漬処理を行った(アルカリ処理)。このアルカリ処理後、水洗して試料粉末を乾燥させた。得られた試料粉末25mgを濃度6Mのグアニジン塩酸塩水溶液1mL中に25℃で24時間浸漬させた(浸漬試験)後のFeイオン溶出量をICP分析装置(エスアイアイナノテクノロジー社製:SPS3100H)により測定した。結果を表4に示す。
(実施例14〜16)
実施例9、10、11の試料粉末について実施例13と同様のアルカリ処理を施し、Feイオン溶出量を評価した。結果を表4に示す。
アルカリ処理によってFeイオン溶出量が50mg/L以下に低下していることが分かる。またTiN置換率が増えるほどFeイオン溶出量は小さくなる。特にTiN置換率0.4ではアルカリ処理を施す前でもFeイオン溶出量が10mg/L未満と極めて小さく、耐食性に優れることが分かる。
実施例8〜16と同条件で作製した被覆金属微粒子の試料粉末について、実施例1と同様にしてX線回折を行ったところ、いずれの試料粉末もX線回折パターンにおいてTiO2の最大ピークの半値幅が0.3°以下であり、かつ金属Mの最大ピークに対するTiO2の最大ピークの強度比が0.03以上となった。
実施例2〜16の被覆金属微粒子について、実施例1と同様にして粒径に対する個数分布を測定したところ、いずれも金属粒子のピークが2つとなる分布を得た。
(実施例17)
実施例11の被覆金属微粒子について、以下に説明する手法でシリカ被覆処理を施し、磁性シリカ粒子を作製した。第1に、上述の被覆金属微粒子の試料粉末5gをエタノール溶媒100mL中に分散し、これにテトラエトキシシランを1mL添加した。次にこの溶媒を攪拌しながら純水22gとアンモニア水4gの混合溶液を添加し、上記混合溶液を1時間攪拌した。攪拌後、磁性粒子を磁石でビーカ内壁に捕捉しながら上澄み液を除去した。第2に、上記磁性粒子に対して上述のシリカ被覆処理を同様に2回繰り返し、最後にイソプロピルアルコールで溶媒置換を行った後、磁性粒子をドラフト内で乾燥させて磁性シリカ粒子を得た。
本発明の磁性シリカ粒子の磁気ビーズ性能を評価するため、Roch社製DNA抽出キット「MagNA Pure LC DNA Isolation Kit I」を用いて馬血100μLからDNAを精製した。磁性シリカ粒子12mgをイソプロピルアルコール(IPA)150μL中に分散させた溶液を各々磁気ビーズ液として用いた以外は上記Kitのプロトコルに準拠してDNAを抽出し、DNA抽出液を得た。DNA抽出液中のDNA量はUVスペクトル測定機(日立ハイテクノロジーズ社製ダイオードアレー型バイオ光度計U−0080D)を用いて測定した。その結果、馬血100μLから2.7μgのDNAを抽出した。
(参考例)
市販の磁気ビーズ(Roche製、MagNAPure LC DNA Isolation Kit Iに付属)を用いて実施例10と同様にDNAを抽出した結果、DNA抽出量は2.7μgであった。
以上より、本発明の被覆金属微粒子は磁気ビーズとして適用できることがわかった。
実施例1の試料粉末のX線回折パターンである。 図1に係る試料粉末を走査型電子顕微鏡で撮影した写真である。 図2の写真に符号等を記入した概略図である。 粒径に対する個数分布を示すグラフである。
符号の説明
1 TiO層、 2 Fe粒子

Claims (4)

  1. Ti酸化物中に金属粒子を内包した被覆金属微粒子の粉末であって、前記金属はその酸化物の標準生成自由エネルギーがΔGM−O>ΔGTiO2の関係を満たす金属であり、前記金属粒子の粒径に対する個数分布が複数のピークを有することを特徴とする被覆金属微粒子の粉末。
  2. 請求項1に記載の被覆金属微粒子の粉末であって、Ti酸化物中に複数の金属粒子を内包した被覆金属微粒子を有することを特徴とする被覆金属微粒子の粉末。
  3. 請求項1又は2に記載の被覆金属微粒子の粉末であって、前記金属がFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの元素を主成分としていることを特徴とする被覆金属微粒子の粉末。
  4. Ti酸化物中に金属粒子を内包した被覆金属微粒子の粉末(前記金属粒子はFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの元素を主成分としており、前記金属粒子の粒径に対する個数分布が複数のピークを有する。)と、前記被覆金属微粒子を分散する媒体とを有する磁気ビーズ。
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